JP2002043690A - 半導体レーザ装置およびその製造装置 - Google Patents
半導体レーザ装置およびその製造装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】共振器端面での光学損傷(COD)を抑制した高
出力半導体レーザ装置とその製造方法を提供する。 【解決手段】活性層13に窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy
混晶またはGaAs1-yNy混晶を用い、レーザ構造成長後
に、アルシン(AsH3)・プラズマによって励起したAs原子
を、共振器端面に照射し、端面近傍のN原子をAs原子に
置換することにより、端面を発振波長に対して透明化す
る。基板11の上にクラッド層12をエピタキシャル成長さ
せ、前記活性層13を成長させ、次にp型クラッド層14、
エッチングストップ層15、電流ブロック層16を成長さ
せ、その後、ウェーハを成長炉から取り出し、電流ブロ
ック層16の選択エッチングを行い、埋め込みp型クラッ
ド層17とコンタクト層18を形成する。
出力半導体レーザ装置とその製造方法を提供する。 【解決手段】活性層13に窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy
混晶またはGaAs1-yNy混晶を用い、レーザ構造成長後
に、アルシン(AsH3)・プラズマによって励起したAs原子
を、共振器端面に照射し、端面近傍のN原子をAs原子に
置換することにより、端面を発振波長に対して透明化す
る。基板11の上にクラッド層12をエピタキシャル成長さ
せ、前記活性層13を成長させ、次にp型クラッド層14、
エッチングストップ層15、電流ブロック層16を成長さ
せ、その後、ウェーハを成長炉から取り出し、電流ブロ
ック層16の選択エッチングを行い、埋め込みp型クラッ
ド層17とコンタクト層18を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置
に関するものである。さらに詳しくは、端面部のエネル
ギーバンドギャップを大きくした半導体レーザ装置およ
びその製造方法に関する。
に関するものである。さらに詳しくは、端面部のエネル
ギーバンドギャップを大きくした半導体レーザ装置およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能型光ディスク装置に用いら
れる半導体レーザにおいては、書きこみ速度を増加させ
るために、光出力の大きな半導体レーザ(高出力半導体
レーザ)が必要とされる。しかし、発振状態の高出力半
導体レーザにおいては、共振器端面の光学損傷(Catast
rophic Optical Damage: COD)が問題になる。これは、
共振器中に含まれる光子(フォトン)の密度が大きくな
るため、反射面すなわち共振器端面での光吸収が増大
し、局所的に結晶が破壊される(溶融する)ことに起因
する。
れる半導体レーザにおいては、書きこみ速度を増加させ
るために、光出力の大きな半導体レーザ(高出力半導体
レーザ)が必要とされる。しかし、発振状態の高出力半
導体レーザにおいては、共振器端面の光学損傷(Catast
rophic Optical Damage: COD)が問題になる。これは、
共振器中に含まれる光子(フォトン)の密度が大きくな
るため、反射面すなわち共振器端面での光吸収が増大
し、局所的に結晶が破壊される(溶融する)ことに起因
する。
【0003】CODの発生を回避するためには、共振器端
面近傍の禁制帯幅(エネルギー・バンド・ギャップ)の
大きさを共振器内部のそれより大きくし、端面での光吸
収が発生しないようにする必要がある。これまでに、Zn
を拡散することにより超格子構造が混晶化する現象(特
許公表昭58-500681号公報、特公昭63-051557号公報)を
利用し、多重量子井戸レーザの端面にZn拡散を行なう方
法が知られている。端面がZn拡散により混晶化するた
め、端面近傍のエネルギー・バンド・ギャップが、量子
井戸層のエネルギー・バンド・ギャップよりも大きくな
る。その結果、端面部は発振波長に対して透明な領域と
なり、光の吸収に起因するCODは抑制される。Znの代わ
りにSiを拡散した場合にも、同様の現象が確認されて、
CODを抑制できる。
面近傍の禁制帯幅(エネルギー・バンド・ギャップ)の
大きさを共振器内部のそれより大きくし、端面での光吸
収が発生しないようにする必要がある。これまでに、Zn
を拡散することにより超格子構造が混晶化する現象(特
許公表昭58-500681号公報、特公昭63-051557号公報)を
利用し、多重量子井戸レーザの端面にZn拡散を行なう方
法が知られている。端面がZn拡散により混晶化するた
め、端面近傍のエネルギー・バンド・ギャップが、量子
井戸層のエネルギー・バンド・ギャップよりも大きくな
る。その結果、端面部は発振波長に対して透明な領域と
なり、光の吸収に起因するCODは抑制される。Znの代わ
りにSiを拡散した場合にも、同様の現象が確認されて、
CODを抑制できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような
ZnやSiの不純物拡散は、端面近傍を電気的に低抵抗な状
態にするため、レーザ発振に寄与しない無効電流が発生
する。さらに、所望の領域にのみ不純物を拡散させるた
めに、マスク等を形成するプロセスが必要である。した
がって、電気伝導度を大きく変化させず、端面部のエネ
ルギー・バンド・ギャップを大きくする材料とその製造
方法が求められる。
ZnやSiの不純物拡散は、端面近傍を電気的に低抵抗な状
態にするため、レーザ発振に寄与しない無効電流が発生
する。さらに、所望の領域にのみ不純物を拡散させるた
めに、マスク等を形成するプロセスが必要である。した
がって、電気伝導度を大きく変化させず、端面部のエネ
ルギー・バンド・ギャップを大きくする材料とその製造
方法が求められる。
【0005】本発明は、不純物拡散によらず、かつ効率
のよい方法で製造でき、端面部のエネルギーバンドギャ
ップを大きくした半導体レーザ装置およびその製造方法
を提供することを目的とする。
のよい方法で製造でき、端面部のエネルギーバンドギャ
ップを大きくした半導体レーザ装置およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の半導体レーザ装置は、活性層または量子井
戸層に、V族元素として、窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-y
Ny混晶またはGaAs1-yNy混晶を用い、共振器端面部の少
なくとも一方において、前記N原子をAs原子に置換した
構造であることを特徴とする。
め、本発明の半導体レーザ装置は、活性層または量子井
戸層に、V族元素として、窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-y
Ny混晶またはGaAs1-yNy混晶を用い、共振器端面部の少
なくとも一方において、前記N原子をAs原子に置換した
構造であることを特徴とする。
【0007】前記半導体装置においては、AlxGa1-xAs
1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶のN組成yが0.001
以上0.1以下の範囲であることが好ましい。
1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶のN組成yが0.001
以上0.1以下の範囲であることが好ましい。
【0008】また、窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶
およびGaAs1-yNy混晶の膜厚の合計が、転位発生の臨界
膜厚よりも小さいことが好ましい。
およびGaAs1-yNy混晶の膜厚の合計が、転位発生の臨界
膜厚よりも小さいことが好ましい。
【0009】次に本発明の半導体レーザ装置の製造方法
は、活性層または量子井戸層に、V族元素として、窒素
(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶を
用い、共振器端面部の少なくとも一方において、前記N
原子をAs原子に置換した構造を有する半導体レーザ装置
の製造方法であって、アルシン(AsH3)・プラズマ
によって励起したAs原子を照射することによって共振
器端面のN原子をAs原子に置換することを特徴とす
る。
は、活性層または量子井戸層に、V族元素として、窒素
(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶を
用い、共振器端面部の少なくとも一方において、前記N
原子をAs原子に置換した構造を有する半導体レーザ装置
の製造方法であって、アルシン(AsH3)・プラズマ
によって励起したAs原子を照射することによって共振
器端面のN原子をAs原子に置換することを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】従来一般的に用いられてきたガリ
ウム・ヒ素(GaAs)やガリウム・リン(GaP)などのIII
-V族化合物半導体に、数パーセントの組成で窒素(N)
を混ぜた窒素化合物混晶の結晶が有機金属気相成長法
(MOCVD)や分子線エピタキシー(MBE)によって得られ
ることが知られている。この混晶では、N組成が増加す
ると、エネルギー・バンド・ギャップの大きさは減少す
る。エネルギー・バンド・ギャップの減少幅は、N組成1
atom%あたり160meV程度である。
ウム・ヒ素(GaAs)やガリウム・リン(GaP)などのIII
-V族化合物半導体に、数パーセントの組成で窒素(N)
を混ぜた窒素化合物混晶の結晶が有機金属気相成長法
(MOCVD)や分子線エピタキシー(MBE)によって得られ
ることが知られている。この混晶では、N組成が増加す
ると、エネルギー・バンド・ギャップの大きさは減少す
る。エネルギー・バンド・ギャップの減少幅は、N組成1
atom%あたり160meV程度である。
【0011】本発明は、窒素化合物混晶において、N組
成の増大によってエネルギー・バンド・ギャップの大き
さが減少する性質を利用したものである。すなわち、活
性層を含む光導波路層に窒素化合物混晶を用い、端面近
傍のN原子をヒ素(As)原子やリン(P)原子に置き換
え、結晶の共振器端面付近におけるN組成を減少させて
いる。これにより、端面付近のエネルギー・バンド・ギ
ャップは共振器内部のそれに比べて大きくなるため、光
吸収を抑制し、CODレベルの向上を実現できる。
成の増大によってエネルギー・バンド・ギャップの大き
さが減少する性質を利用したものである。すなわち、活
性層を含む光導波路層に窒素化合物混晶を用い、端面近
傍のN原子をヒ素(As)原子やリン(P)原子に置き換
え、結晶の共振器端面付近におけるN組成を減少させて
いる。これにより、端面付近のエネルギー・バンド・ギ
ャップは共振器内部のそれに比べて大きくなるため、光
吸収を抑制し、CODレベルの向上を実現できる。
【0012】前記半導体レーザ装置においては、AlxGa
1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶のN組成yが0.001
以上0.1以下の範囲であることが好ましい。N組成yが0.0
01(0.1atom%)以上0.1(10atom%)の範囲が望ましい理
由は、0.1atom%未満では、端面のN/As置換後のエネルギ
ーバンドギャップ差を大きくすることができない。ま
た、10atom%を越えると、GaAsとの格子不整合率が2%を
越え、格子不整合歪が非常に大きくなるため、平坦な成
長層を得ることが非常に困難になる。
1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶のN組成yが0.001
以上0.1以下の範囲であることが好ましい。N組成yが0.0
01(0.1atom%)以上0.1(10atom%)の範囲が望ましい理
由は、0.1atom%未満では、端面のN/As置換後のエネルギ
ーバンドギャップ差を大きくすることができない。ま
た、10atom%を越えると、GaAsとの格子不整合率が2%を
越え、格子不整合歪が非常に大きくなるため、平坦な成
長層を得ることが非常に困難になる。
【0013】また前記半導体レーザ装置においては、窒
素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶およびGaAs1-yNy混晶
の膜厚の合計が、転位発生の臨界膜厚よりも小さいこと
が好ましい。
素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶およびGaAs1-yNy混晶
の膜厚の合計が、転位発生の臨界膜厚よりも小さいこと
が好ましい。
【0014】窒素化合物混晶では、N組成の増加にとも
なって格子定数が減少する。したがって、GaAsのような
Nを含まない材料を基板とする場合、基板と成長層すな
わち、窒素化合物混晶との間には格子不整合歪みが発生
する。格子不整合が発生する系では、膜厚がある値(臨
界膜厚)より厚くなると、転位と呼ばれる結晶欠陥が発
生する。転位は、非発光再結合中心となるため、レーザ
のような発光デバイスにおいては発光効率を低下させる
原因となる。
なって格子定数が減少する。したがって、GaAsのような
Nを含まない材料を基板とする場合、基板と成長層すな
わち、窒素化合物混晶との間には格子不整合歪みが発生
する。格子不整合が発生する系では、膜厚がある値(臨
界膜厚)より厚くなると、転位と呼ばれる結晶欠陥が発
生する。転位は、非発光再結合中心となるため、レーザ
のような発光デバイスにおいては発光効率を低下させる
原因となる。
【0015】したがって、窒素化合物混晶層を半導体レ
ーザに応用するためには、膜厚を臨界膜厚以下にする必
要がある。臨界膜厚は、N組成yが0.01のとき、約80n
m、yが0.005のとき、約200nmである。臨界膜厚hcはN組
成の増加ともなって減少していく。直線的に近似する
と、N組成yが0.005から0.01の範囲で、 hc=320-24000y [nm] yが0.01から0.02の範囲で hc=130-5000y [nm] yが0.02から0.1の範囲で、 hc=36.5-325y [nm] である。したがって、活性層に用いるInxGa1-xN1-yVy混
晶(ただし、VはAs、PまたはSb)およびAlxGa1-xN1-yV
y混晶(ただし、VはAs、PまたはSb)の膜厚の合計は、
この臨界膜厚よりも薄くなるように設計されなければな
らない。
ーザに応用するためには、膜厚を臨界膜厚以下にする必
要がある。臨界膜厚は、N組成yが0.01のとき、約80n
m、yが0.005のとき、約200nmである。臨界膜厚hcはN組
成の増加ともなって減少していく。直線的に近似する
と、N組成yが0.005から0.01の範囲で、 hc=320-24000y [nm] yが0.01から0.02の範囲で hc=130-5000y [nm] yが0.02から0.1の範囲で、 hc=36.5-325y [nm] である。したがって、活性層に用いるInxGa1-xN1-yVy混
晶(ただし、VはAs、PまたはSb)およびAlxGa1-xN1-yV
y混晶(ただし、VはAs、PまたはSb)の膜厚の合計は、
この臨界膜厚よりも薄くなるように設計されなければな
らない。
【0016】次に、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は本発明を利用した半導体レーザ構造の模式図であ
る。結晶成長にはMOCVD装置を用いた。GaAs基板11の上
にn型Al0.5Ga0.5Asクラッド層12を約3μmの厚さでエピ
タキシャル成長させた。その後、光導波路層、量子障壁
層および量子井戸活性層からなる活性層13を成長させ
た。光導波路層と量子障壁層はAl0.3Ga0.7As0.99N0.01
からなり、膜厚はそれぞれ20nm、8nmであった。量子井
戸層にはGaAs0.99N0.01を用いた。量子井戸層の膜厚は7
nmであった。Nを含む活性層の膜厚の合計は、62nmであ
った。
図1は本発明を利用した半導体レーザ構造の模式図であ
る。結晶成長にはMOCVD装置を用いた。GaAs基板11の上
にn型Al0.5Ga0.5Asクラッド層12を約3μmの厚さでエピ
タキシャル成長させた。その後、光導波路層、量子障壁
層および量子井戸活性層からなる活性層13を成長させ
た。光導波路層と量子障壁層はAl0.3Ga0.7As0.99N0.01
からなり、膜厚はそれぞれ20nm、8nmであった。量子井
戸層にはGaAs0.99N0.01を用いた。量子井戸層の膜厚は7
nmであった。Nを含む活性層の膜厚の合計は、62nmであ
った。
【0017】本実施例では、N組成yは1atom%であるた
め、Nを含む層の合計膜厚を62nmとした。この値は臨界
膜厚(80nm)より実用上充分小さな値である。
め、Nを含む層の合計膜厚を62nmとした。この値は臨界
膜厚(80nm)より実用上充分小さな値である。
【0018】つぎに、p型Al0.5Ga0.5Asクラッド層14を
200nm、p型Al0.2Ga0.8Asからなるエッチングストップ
層(ES層)15を10nm、それぞれ成長させた。その後、電
流ブロック層16となるn型Al0.6Ga0.4As層を700nm成長さ
せた。
200nm、p型Al0.2Ga0.8Asからなるエッチングストップ
層(ES層)15を10nm、それぞれ成長させた。その後、電
流ブロック層16となるn型Al0.6Ga0.4As層を700nm成長さ
せた。
【0019】その後、ウェーハを成長炉から取り出し、
電流ブロック層16の選択エッチングをHF/HCl系エッチャ
ントを用いて行った。その後、ウェーハを再び成長炉に
戻し、埋め込みp型クラッド層17となるAl0.5Ga0.5As層
を2.5μm成長させた。最後にコンタクト層18として、p
型GaAs層を2.5μm成長させた。この構造は、電流ブロッ
ク層での光吸収がない実屈折率導波型レーザ構造であ
る。
電流ブロック層16の選択エッチングをHF/HCl系エッチャ
ントを用いて行った。その後、ウェーハを再び成長炉に
戻し、埋め込みp型クラッド層17となるAl0.5Ga0.5As層
を2.5μm成長させた。最後にコンタクト層18として、p
型GaAs層を2.5μm成長させた。この構造は、電流ブロッ
ク層での光吸収がない実屈折率導波型レーザ構造であ
る。
【0020】電極形成、へき開を行った後に、共振器端
面付近のN原子をAs原子に置換するために、高周波(13.
56MHz)電界によって生成したAsH3プラズマを用いてAs
原子を励起し、これを端面に照射し、端面にN/As置換領
域19を形成した。AsH3流量は20sccm(装置内圧力26.6Pa
(0.2Torr))、レーザバーの温度を400℃として、3分間
処理した。
面付近のN原子をAs原子に置換するために、高周波(13.
56MHz)電界によって生成したAsH3プラズマを用いてAs
原子を励起し、これを端面に照射し、端面にN/As置換領
域19を形成した。AsH3流量は20sccm(装置内圧力26.6Pa
(0.2Torr))、レーザバーの温度を400℃として、3分間
処理した。
【0021】最後に、アモルファス・シリコン/SiO2に
より、端面保護コーティングを施した。高い光出力を得
るために、後面を高反射率(90%)、前面を低反射率(10
%)として、非対称コーティングとした。
より、端面保護コーティングを施した。高い光出力を得
るために、後面を高反射率(90%)、前面を低反射率(10
%)として、非対称コーティングとした。
【0022】図2は、前記本発明の一実施例のレーザの
電流-光出力特性である。比較対象として、Nを含まない
従来型AlGaAs/GaAsレーザの特性も併記する。端面保護
コーティングの方法は上記発明品と同じである。端面へ
の不純物拡散は行っていない。従来型レーザは光出力が
180mW付近でCODが発生するのに対して、本発明の実施例
品は290mW付近でCODが発生した。これは、本発明の実施
例品のレーザ端面において、AlxGa1-xAs1-yNy混晶また
はGaAs1-yNy混晶中のN濃度が減少したことによって、エ
ネルギー・バンド・ギャップが増大し、端面部が発振光に
対して透明になったためと考えられる。
電流-光出力特性である。比較対象として、Nを含まない
従来型AlGaAs/GaAsレーザの特性も併記する。端面保護
コーティングの方法は上記発明品と同じである。端面へ
の不純物拡散は行っていない。従来型レーザは光出力が
180mW付近でCODが発生するのに対して、本発明の実施例
品は290mW付近でCODが発生した。これは、本発明の実施
例品のレーザ端面において、AlxGa1-xAs1-yNy混晶また
はGaAs1-yNy混晶中のN濃度が減少したことによって、エ
ネルギー・バンド・ギャップが増大し、端面部が発振光に
対して透明になったためと考えられる。
【0023】以上説明のとおり、本発明は、活性層に窒
素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶
を用い、レーザ構造成長後に、アルシン(AsH3)・プラズ
マによって励起したAs原子を、共振器端面に照射し、端
面近傍のN原子をAs原子に置換することにより、端面を
発振波長に対して透明化し、これにより端面での光吸収
が効果的に抑制され、CODレベルを大きく向上させるこ
とができる。
素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy混晶
を用い、レーザ構造成長後に、アルシン(AsH3)・プラズ
マによって励起したAs原子を、共振器端面に照射し、端
面近傍のN原子をAs原子に置換することにより、端面を
発振波長に対して透明化し、これにより端面での光吸収
が効果的に抑制され、CODレベルを大きく向上させるこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、窒素化合物混晶を活
性層に用い、共振器端面のN原子をAs原子に置換し、端
面でのN組成を低くすることにより、端面での光吸収が
効果的に抑制され、CODレベルを大きく向上させること
ができる。また、端面での電気伝導度は変化しないた
め、レーザ発振に寄与しない無効電流の発生を効果的に
抑制できる。また、N/As置換は、端面に対してAsH3プラ
ズマ照射を行えばよいので、マスク形成等のプロセスが
なく、効率のよい製造プロセスとすることができる。
性層に用い、共振器端面のN原子をAs原子に置換し、端
面でのN組成を低くすることにより、端面での光吸収が
効果的に抑制され、CODレベルを大きく向上させること
ができる。また、端面での電気伝導度は変化しないた
め、レーザ発振に寄与しない無効電流の発生を効果的に
抑制できる。また、N/As置換は、端面に対してAsH3プラ
ズマ照射を行えばよいので、マスク形成等のプロセスが
なく、効率のよい製造プロセスとすることができる。
【図1】本発明の一実施例における半導体レーザ装置の
断面構造を示す斜視図。
断面構造を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施例における半導体レーザ装置の
電流−光出力特性図。
電流−光出力特性図。
11 GaAs基板 12 n型Al 0.5Ga0.5Asクラッド層 13 活性層 14 p型Al0.5Ga0.5Asクラッド層 15 p型Al0.2Ga0.8Asエッチングストップ層 16 n型Al0.6Ga0.4As電流ブロック層 17 p型Al0.5Ga0.5As埋め込みクラッド層 18 p型GaAsコンタクト層 19 端面部N/As原子置換領域 20 p側電極 21 n側電極
Claims (4)
- 【請求項1】活性層または量子井戸層に、V族元素とし
て、窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yN
y混晶を用い、共振器端面部の少なくとも一方におい
て、前記N原子をAs原子に置換した構造であることを特
徴とする半導体レーザ装置。 - 【請求項2】前記AlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yNy
混晶のN組成yが0.001以上0.1以下の範囲であ
る請求項1に記載の半導体レーザ装置。 - 【請求項3】窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶および
GaAs1-yNy混晶の膜厚の合計が、転位発生の臨界膜厚よ
りも小さい請求項1または2に記載の半導体レーザ装
置。 - 【請求項4】活性層または量子井戸層に、V族元素とし
て、窒素(N)を含むAlxGa1-xAs1-yNy混晶またはGaAs1-yN
y混晶を用い、共振器端面部の少なくとも一方におい
て、前記N原子をAs原子に置換した構造を有する半導体
レーザ装置の製造方法であって、アルシン(AsH3)
・プラズマによって励起したAs原子を照射することに
よって共振器端面のN原子をAs原子に置換することを
特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000224427A JP2002043690A (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 半導体レーザ装置およびその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000224427A JP2002043690A (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 半導体レーザ装置およびその製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002043690A true JP2002043690A (ja) | 2002-02-08 |
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JP (1) | JP2002043690A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7176045B2 (en) * | 1996-08-30 | 2007-02-13 | Ricoh Company, Ltd. | Laser diode operable in 1.3 μm or 1.5 μm wavelength band with improved efficiency |
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2000
- 2000-07-25 JP JP2000224427A patent/JP2002043690A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7176045B2 (en) * | 1996-08-30 | 2007-02-13 | Ricoh Company, Ltd. | Laser diode operable in 1.3 μm or 1.5 μm wavelength band with improved efficiency |
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