JP2002043197A - 薄膜積層素子及びその製造方法 - Google Patents

薄膜積層素子及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002043197A
JP2002043197A JP2000228649A JP2000228649A JP2002043197A JP 2002043197 A JP2002043197 A JP 2002043197A JP 2000228649 A JP2000228649 A JP 2000228649A JP 2000228649 A JP2000228649 A JP 2000228649A JP 2002043197 A JP2002043197 A JP 2002043197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
forming
identification symbol
thin
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000228649A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Osada
誠一 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2000228649A priority Critical patent/JP2002043197A/ja
Publication of JP2002043197A publication Critical patent/JP2002043197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2223/00Details relating to semiconductor or other solid state devices covered by the group H01L23/00
    • H01L2223/544Marks applied to semiconductor devices or parts
    • H01L2223/54406Marks applied to semiconductor devices or parts comprising alphanumeric information

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の個別情報を含み、かつ、低コストで形
成可能な識別記号を備えた薄膜積層素子、及び、そのよ
うな識別記号を備えた薄膜積層素子を効率よくかつ低コ
ストで製造することが可能な薄膜積層素子の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 薄膜積層素子14は、正方形の頂点に配
置された形成点上に、丸形のビットマークが有るか否か
によって情報を表示する識別記号16aを備えている。
識別記号16aによって表示される情報としては、各ウ
エハ10を識別するためのウエハロット番号が好適であ
る。このような識別記号16aは、まず、ビットマーク
を形成するための貫通孔22を有するマスク20を、フ
ォトレジスト膜が形成されたウエハ10上に配置し、基
準点から水平方向に所定距離だけ移動させた後、露光さ
せ、次いで、露光部分又はその周囲をエッチング除去す
るか、あるいは、その部分に薄膜を積層することにより
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜積層素子及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、ウエハ上に多数
の薄膜を積層して得られる薄膜積層素子であって、ウエ
ハ内の位置、ウエハロット番号、製造時期等の個別情報
を表す識別記号を備えた薄膜積層素子、及びそのような
識別記号を備えた薄膜積層素子を製造するための薄膜積
層素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多数の薄膜の積層体からなる薄膜積層素
子は、システムの集積化や小型化が可能であることか
ら、各種の電子素子、集積回路、光学部品として応用さ
れている。このような薄膜積層素子は、ウエハ上に所定
の組成を有する薄膜を所定の順序で積層し、これを所定
の大きさに切断することにより製造される。
【0003】ウエハ上に形成される薄膜積層素子の個数
は、ウエハ及び薄膜積層素子の大きさにもよるが、通
常、数千〜数万個である。そのため、薄膜の積層プロセ
スに問題が発生すると、ウエハ上に形成された多数の薄
膜積層素子に不良が発生することになる。
【0004】発生した不良が、例えば、回路の短絡、断
線等である場合には、ウエハから素子を分離する前に検
査を行い、不良素子を発見することも可能である。しか
しながら、薄膜積層素子の寿命を低下させるような不良
である場合には、ウエハから素子を分離し、実際に使用
して初めて不良素子であることが判明する場合が多い。
このような場合、不良の原因を特定するためには、不良
となった薄膜積層素子が形成されたウエハ上の位置を特
定することが重要である。
【0005】そのため、従来から、薄膜積層素子をウエ
ハから分離した後でもウエハ上の位置を特定できるよう
にするために、製造工程のいずれかにおいて、個々の薄
膜積層素子に識別記号を付すことが行われている。具体
的には、ウエハ上に縦横に配列した各薄膜積層素子の位
置を行番号及び列番号で表現し、数字及び/又は文字か
らなる行番号及び列番号を各薄膜積層素子に形成するの
が一般的である。
【0006】また、識別記号の形成方法としては、例え
ば、フォトリソグラフィ技術を応用した識別記号の形成
方法がある。これは、フォトレジストを塗布したウエハ
の上方に、識別記号を形成するための貫通孔が設けられ
たマスクを配置し、一括露光した後、露光部分又はその
周囲をエッチング除去したり、薄膜を積層することによ
り、複数の薄膜積層素子に対して固有の識別記号を同時
に付す方法である。また、レーザーマーキング法等を用
いて、個々の薄膜積層素子に対して固有の識別記号を個
別に付す方法もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】薄膜積層素子の量産工
程においては、多数のウエハが工程上を流れることにな
る。そのため、薄膜積層素子に不良が発生した場合にお
いて、その原因を特定するためには、ウエハ上の位置の
みならず、他の情報、例えば、ウエハロット番号、製造
時期等も特定する必要がある。従って、各薄膜積層素子
には、これらの情報を表示する識別記号が付されている
ことが望ましい。
【0008】しかしながら、従来の方法を用いて薄膜積
層素子に識別記号を形成する場合、識別記号によって表
示される情報の性質によっては、識別記号の形成コスト
を増加させたり、識別記号を形成する際の作業効率を低
下させる場合がある。
【0009】例えば、ウエハロット番号を薄膜積層素子
に付す場合において、フォトリソグラフィ技術による一
括露光方式を用いると、ウエハ上に形成された複数個の
薄膜積層素子に対して同時にウエハロット番号を付すこ
とができるので、効率的である。しかしながら、この方
法は、ウエハ毎にマスクを作製する必要があるので、マ
スク作製コストが増大するという問題がある。
【0010】一方、レーザマーキング法を用いてウエハ
ロット番号を付す場合には、マスクは不要である。しか
しながら、この方法は、ウエハ上に形成された数千〜数
万個の薄膜積層素子に対して、一個ずつウエハロット番
号をマーキングする必要があるので、極めて効率が悪い
という問題がある。
【0011】さらに、識別記号を数字及び文字で表現す
る場合において、識別記号に含まれる情報量が多くなる
と、識別記号を形成するために、より大きな面積が必要
となる。そのため、薄膜積層素子の大きさによっては、
要求されるすべての情報を識別記号の中に含めることが
できないという問題がある。一方、これを避けるため
に、識別記号を構成する数字及び文字の大きさを小さく
すると、高い解像度を有する形成手段を用いて識別記号
を形成する必要があり、識別記号の形成コストが増大す
るという問題がある。
【0012】本発明が解決しようとする課題は、ウエハ
上の位置、ウエハロット番号、製造時期等の多数の個別
情報を含み、かつ、低コストで形成可能な識別記号を備
えた薄膜積層素子、及び、そのような識別記号を備えた
薄膜積層素子を効率よくかつ低コストで製造することが
可能な薄膜積層素子の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る薄膜積層素子は、予め定められた位置に
配置された形成点上に、予め定められた形状のビットマ
ークが有るか否かによって情報を表示する識別記号を備
えていることを要旨とするものである。
【0014】形成点におけるビットマークの有無によっ
て情報を表示する識別記号は、数字及び/又は文字によ
って情報を表示する識別記号に比して、単位面積当たり
の情報量を多くすることができる。そのため、薄膜積層
素子の大きさが相対的に小さい場合、あるいは、識別記
号の形成手段の解像度が相対的に低い場合であっても、
多量の情報を含む識別記号を薄膜積層素子に形成するこ
とができる。
【0015】また、本発明に係る薄膜積層素子の製造方
法は、薄膜積層素子を積層する前又は前記薄膜積層素子
の少なくとも一部が積層されたウエハの表面にフォトレ
ジスト膜を形成する膜形成工程と、ビットマークを形成
するための貫通孔を有するマスクの基準点と、前記ウエ
ハの基準点とが一致するように、前記マスクを前記ウエ
ハの上方に配置するアライメント工程と、前記マスク
を、前記基準点からX方向及び/又はY方向に所定の距
離だけ移動させるオフセット工程と、前記マスクの上か
ら光を照射し、前記フォトレジスト膜の内、前記貫通孔
に対応する部分を露光させる露光工程と、前記フォトレ
ジスト膜の内、不溶化していない部分を除去し、前記フ
ォトレジスト膜の上から薄膜の積層処理又はエッチング
処理を施す処理工程とを備えていることを要旨とするも
のである。
【0016】形成点におけるビットマークの有無によっ
て情報を表示する識別記号は、マスクを用いた一括露光
方式を用いて各薄膜積層素子上に同時に形成することが
できる。そのため、識別記号の形成作業を効率よく行う
ことができる。
【0017】また、同一マスクを使用する場合であって
も、マスクをウエハに対して相対的に水平移動させ、そ
こで一括露光させれば、異なる形成点にビットマークを
形成することができる。すなわち、同一マスクを重複使
用して、異なる情報を表示する識別記号を薄膜積層素子
上に形成することができる。そのため、識別記号の形成
コストを低減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態に
ついて詳細に説明する。本発明に係る薄膜積層素子は、
予め定められた位置に配置された形成点に、予め定めら
れた形状のビットマークが有るか否かによって情報を表
示する識別記号を備えている。
【0019】ここで、本発明が適用される薄膜積層素子
は、ウエハ上に複数の薄膜を積層し、所定の大きさに切
断して使用されるあらゆる素子が対象となる。また、薄
膜積層素子には、ウエハと薄膜とが一体化した状態で使
用されるタイプと、ウエハから薄膜を分離した状態で使
用されるタイプとがあるが、本発明は、いずれのタイプ
であっても適用できる。前者の例としては、具体的に
は、垂直型の薄膜磁気ヘッド、各種センサ等が好適な一
例として挙げられる。また、後者の例としては、具体的
には、プレーナ型の薄膜磁気ヘッドが好適な一例として
挙げられる。
【0020】また、ビットマークの形状は、特に限定さ
れるものではなく、顕微鏡等で拡大して見たときに、そ
の有無を確認できるもので有ればよい。従って、ビット
マークは、単なる記号としての文字又は数字であっても
良く、あるいは、幾何学的に単純な形状からなる記号で
あっても良い。特に、ビットマークの形状として幾何学
的に単純な形状を用いると、その形成が容易であり、し
かも、単位面積当たりの情報量が多くなるので好適であ
る。ビットマークの形状としては、具体的には、○、
△、□、◇、+、−、×等が好適な一例として挙げられ
る。
【0021】また、形成点とは、ビットマークの形成が
予定されている薄膜積層素子上の位置をいう。形成点の
配置は、特に限定されるものではなく、識別記号を形成
する位置、識別記号に含める情報の多寡等に応じて任意
に定めることができる。例えば、形成点は、多角形の頂
点に配置されていても良く、あるいは、一直線上に配置
されていても良い。
【0022】但し、識別記号の形成コストを低減するた
めには、形成点の配置は、幾何学的な対称性の高い配置
が好適である。これは、形成点の配置が幾何学的対称性
の高いものであるほど、ビットマークを形成する際に使
用するマスクを重複して使用できる確率が高くなり、マ
スクを作製するコストを削減できるためである。この点
については、後述する。
【0023】このような識別記号としては、具体的に
は、形成点を正方形の頂点に配置し、各形成点にビット
マークを形成するか否かによって情報を表示するものが
好適な一例として挙げられる。この場合、識別記号は、
合計2=16通りの情報を表示することができる。ま
た、このような4個1組の形成点群をn組使用すると、
合計24n=16通りの情報を表示可能な識別記号と
なる。
【0024】また、識別記号は、形成点を正方形の頂点
に配置し、各形成点のいずれか1つにビットマークを形
成するか否かによって情報を表示するものであってもよ
い。この場合、識別記号は、合計5通りの情報を表示す
ることができる。また、このような4個1組の形成点群
をn組使用すると、合計5通りの情報を表示可能な識
別記号となる。
【0025】また、識別記号は、形成点を正六角形の頂
点及び中心に配置し、各形成点にビットマークを形成す
るか否かによって情報を表示するものであってもよい。
この場合、識別記号は、合計2=128通りの情報を
表示することができる。また、このような7個1組の形
成点群をn組使用すると、合計128通りの情報を表
示可能な識別記号となる。
【0026】また、識別記号は、m個の形成点を一直線
上に等間隔に配置し、各形成点にビットマークを形成す
るか否かによって情報を表示するものであってもよい。
この場合、識別記号は、合計2通りの情報を表示する
ことができる。また、このようなm個1組の形成点群を
n組使用すると、合計2mn通りの情報を表示可能な識
別記号となる。
【0027】また、識別記号は、8個の針状の形成点を
45゜間隔で放射状に配置し、各形成点に針状のビット
マークを形成するか否かによって情報を表示するもので
あってもよい。この場合、識別記号は、合計2=25
6通りの情報を表示することができる。また、このよう
な8個1組の形成点群をn組使用すると、合計28n
256通りの情報を表示可能な識別記号となる。
【0028】また、識別記号は、8個の針状の形成点を
45゜間隔で放射状に配置し、各形成点のいずれか1つ
に針状のビットマークを形成するか否かによって情報を
表示するものであってもよい。この場合、識別記号は、
合計9通りの情報を表示することができる。また、この
ような8個1組の形成点群をn組使用すると、合計9
通りの情報を表示可能な識別記号となる。
【0029】その他、識別記号は、形成点が、正三角
形、正五角形、正八角形、平行四辺形、菱形等の多角形
の頂点に配置されているものであってもよく、あるい
は、多角形の頂点と中心に配置されているものや、多角
形の頂点と多角形を構成する辺上の点に配置されている
ものであってもよい。また、識別記号は、m個の形成点
が一直線上に等間隔に並んだ形成点群が、十字形又は米
印形に配置されているものであってもよい。
【0030】ビットマークの有無により表示(以下、こ
れを「ビット表示」という。)される情報の種類につい
ては、特に限定されるものではなく、個々の薄膜積層素
子に関するあらゆる情報が対象となる。具体的には、薄
膜積層素子が形成されたウエハ内の位置、ウエハロット
番号、製造時期、品種等が好適な一例として挙げられ
る。中でも、ウエハロット番号をビット表示による識別
記号で表示すると、数字及び/又は文字で表示(以下、
これを「文字表示」という。)する従来の識別記号に比
して、低コストかつ効率よく識別記号を形成することが
できるという利点がある。
【0031】また、ビット表示による識別記号は、単一
の情報を表示するために使用しても良く、あるいは、複
数の情報を表示するために使用しても良い。さらに、ビ
ット表示による識別記号は、単独で用いても良く、ある
いは、ビット表示による識別記号と、文字表示による識
別記号とを併用しても良い。
【0032】なお、薄膜積層素子に形成されるビットマ
ークの形態は、顕微鏡等で拡大した時に視認できるもの
であれば良く、特に限定されるものではない。例えば、
薄膜積層素子の表面又は裏面の所定の位置に、所定の形
状を有する凹部又は凸部を形成し、これをビットマーク
として用いても良い。また、薄膜積層素子が透明である
場合には、薄膜積層素子の内部の所定の位置に、所定の
形状を有する段差、又は薄膜積層素子を構成する材料と
は異なる材料からなる薄膜(以下、これを「異層」とい
う。)を形成し、これをビットマークとして用いても良
い。
【0033】図1に、薄膜積層素子が形成されたウエハ
及び識別記号が付された薄膜積層素子の一例を示す。ウ
エハ上に薄膜積層素子を作製する方法としては、ウエハ
の全面にすべての薄膜積層素子を一括して形成する方法
と、数百個の薄膜積層素子を含む領域(以下、これを
「ショット」という。)単位でウエハ上に順次形成する
方法がある。図1(a)及び(b)には、それぞれ、後
者の方法により製造されたウエハ10及びショット12
が例示されている。
【0034】すなわち、ウエハ10上には、図1(a)
に示すように、ショット12が縦横に形成され、各ショ
ット12内には、図1(b)に示すように、薄膜積層素
子14が縦横に形成されている。この場合、各薄膜積層
素子14のウエハ10上の位置を示す情報は、ウエハ1
0におけるショット12の位置(以下、これを「ウエハ
内ロケーション」という。)と、ショット12内におけ
るその薄膜積層素子14の位置(以下、これを「ショッ
ト内ロケーション」という。)で表せる。
【0035】また、このような製造方法を用いて薄膜積
層素子14を量産する場合、多数のウエハ10が工程上
を流れることになる。工程上を流れる個々のウエハ10
を識別する情報が、ウエハロット番号である。
【0036】図1(c)に、このようなウエハ10上の
位置及びウエハロット番号に関する情報を含む識別記号
が付された薄膜積層素子14の一例を示す。図1(c)
において、識別記号16は、ビット表示による識別記号
16aと、文字表示による識別記号16b及び16cか
らなっている。
【0037】この内、ビット表示による識別記号16a
は、ウエハロット番号を表し、正方形の頂点に配置され
た4個の形成点(図1(c)中、白丸で表示。)上にビ
ットマークが有るか否かによってウエハロット番号を表
示するものである。このような構成を有するビット表示
による識別記号16aによれば、最大で16通りのウエ
ハロット番号を表示できる。この点については、後述す
る。
【0038】また、文字表示による識別記号16b及び
16cは、それぞれ、ウエハ内ロケーション及びショッ
ト内ロケーションを表す。例えば、図1(a)に示すよ
うに、ウエハ10上にショット12が縦横に形成されて
いる場合、ウエハ内ロケーションは、縦横に並んだ各シ
ョット12の行番号を表す文字(A、B、C…)と、列
番号を表す数字(1、2、3…)で特定することができ
る。また、例えば、図1(b)に示すように、ショット
12内において薄膜積層素子14が縦横に形成されてい
る場合、ショット内ロケーションは、縦横に並んだ各薄
膜積層素子14の行番号を表す文字(A、B、C…)
と、列番号を表す数字(1、2、3…)で特定すること
ができる。
【0039】従って、文字表示による識別記号16b
が、例えば「A3」である場合、その薄膜積層素子14
がウエハ10の上から1行目、かつ左から3列目のショ
ット12内にあることを示す。また、文字表示による識
別記号16cが、例えば「C28」である場合、その薄
膜積層素子14が、そのショット12内の上から3行
目、かつ左から28列目に形成されたものであることを
示す。
【0040】次に、本発明に係る薄膜積層素子の作用に
ついて説明する。文字表示による識別記号は、文字を構
成する直線又は曲線と、直線又は曲線の間に設けられる
空白部分によって成り立っている。そのため、識別記号
の形成手段の解像度が一定である場合において、文字の
大きさが小さくなり過ぎると、直線又は曲線がかすれた
り、あるいは、直線又は曲線同士が重なり合い、文字の
識別が困難となる。従って、文字表示による識別記号を
用いる場合において、識別可能な大きさを有する文字を
形成するためには、比較的大きな面積が必要となる。
【0041】これに対し、ビット表示による識別記号
は、予め定められた位置にビットマークが有るか否かに
よって情報を識別するものであるので、ビットマーク間
の空白部分は、必ずしも必要ではない。すなわち、ビッ
ト表示による識別記号は、文字表示による識別記号に比
して、単位面積当たりの情報量が多いという特徴があ
る。そのため、ビット表示による識別記号によれば、薄
膜積層素子の大きさが相対的に小さく、識別記号を付す
部分の面積が小さい場合、あるいは、識別記号の形成手
段の解像度が相対的に低い場合であっても、多量の情報
を狭い面積内に書き込むことができる。
【0042】次に、本実施の形態に係る薄膜積層素子の
製造方法について説明する。本実施の形態に係る薄膜積
層素子の製造方法は、膜形成工程と、アライメント工程
と、オフセット工程と、露光工程と、処理工程とを備え
ている。
【0043】膜形成工程は、薄膜積層素子を形成する前
又は薄膜積層素子の少なくとも一部が形成されたウエハ
の表面にフォトレジスト膜を形成する工程である。例え
ば、ウエハ上に薄膜を積層した後、ウエハから分離して
使用するタイプの薄膜積層素子の場合、一般に、ウエハ
上に選択エッチングが可能な銅からなる犠牲層を形成
し、その上に薄膜積層素子を積層する方法が用いられ
る。従って、犠牲層側に識別記号を形成する場合には、
薄膜積層素子を形成する前のウエハ、すなわち、ウエハ
上に形成された犠牲層の上にフォトレジスト膜を形成す
ればよい。
【0044】また、薄膜積層素子の内部に識別記号を作
り込む場合には、薄膜積層素子を構成する薄膜の一部が
積層されたところで薄膜の積層を一端中断し、この上に
フォトレジスト膜を形成すればよい。さらに、薄膜積層
素子の表面に識別記号を形成する場合には、ウエハ上に
薄膜積層素子を構成するすべての薄膜を積層し、この上
にフォトレジスト膜を形成すればよい。あるいは、薄膜
積層素子を構成するすべての薄膜を積層した後、さらに
その上に異層を積層し、この上にフォトレジスト膜を形
成しても良い。
【0045】なお、フォトレジストには、感光部分が現
像液に対して不溶化するネガ型レジストと、感光部分が
現像液に対して可溶化するポジ型レジストとがあるが、
本発明においては、いずれも用いることができ、特に限
定されるものではない。
【0046】アライメント工程は、ビットマークを形成
するための貫通孔を有するマスクの基準点と、ウエハ上
の基準点とが一致するように、マスクをウエハ上に配置
する工程である。この場合、マスクは、ウエハの全面に
形成された薄膜積層素子に対して同時に識別記号を付す
ことが可能なものであっても良く、あるいは、ショット
単位で識別記号を付すことが可能なマスクであっても良
い。
【0047】図2に、アライメント工程の一例を示す。
図2において、マスク20は、ショット単位で識別記号
を付すためのものであり、貫通孔22、22…と、十字
形の基準穴(基準点)24、24とを備えている。貫通
孔22、22…は、ウエハ10のショット12内に形成
されたすべての薄膜積層素子14、14…に対して、所
定の位置にビットマークを形成するためのものであり、
各薄膜積層素子14、14…の対応する位置に所定の数
だけ設けられる。
【0048】また、基準穴24、24は、ショット12
内に設けられた十字形の基準点12a、12aに対応す
る位置に設けられている。アライメント工程において
は、ショット12内の十字形の基準点12a、12a
と、マスク20内の十字形の基準穴24、24とが一致
するように、マスク20の位置合わせが行われる。
【0049】オフセット工程は、図2に示すように、マ
スク20をショット12内の基準点12a、12aから
X方向及び/又はY方向に所定の距離だけ移動させる工
程である。X方向の移動距離(μm)とY方向の以上距
離(μm)を(X、Y)と表示すると、移動距離(X、
Y)は、形成点の配置に応じて異なる。例えば、形成点
が一辺50μmの正方形の頂点に配置されている場合に
は、移動距離は、(0、0)、(0、50)、(50、
0)又は(50、50)のいずれかとなる。
【0050】露光工程は、マスク20をショット12内
の基準点12a、12aから所定の距離だけ水平移動さ
せた後、マスク20の上から光を照射し、ウエハ10上
に形成されたフォトレジスト膜の内、マスク20の貫通
孔22に対応する部分を露光させる工程である。
【0051】なお、同一の薄膜積層素子14上に複数個
のビットマークを形成する場合において、薄膜積層素子
14当たり必要数の貫通孔を備えたマスクを用いる時に
は、マスクを所定の位置に移動させ、1回露光すればよ
い。また、薄膜積層素子14当たり1個の貫通孔22を
備えたマスクを用いて、薄膜積層素子14に複数個のビ
ットマークを形成する時には、オフセット工程及び露光
工程を必要回数だけ繰り返せばよい。さらに、貫通孔2
2の配置の異なる2種以上のマスクを用いて、薄膜積層
素子14に複数個のビットマークを形成する時には、各
マスク毎に、アライメント工程、オフセット工程及び露
光工程を必要回数だけ繰り返せばよい。
【0052】処理工程は、ウエハ10上に形成されたフ
ォトレジスト膜の内、不溶化していない部分を除去し、
フォトレジスト膜の上から薄膜の積層処理又はエッチン
グ処理を施す工程である。これにより、薄膜積層素子1
4の表面、裏面又は内部であって、マスク20の貫通孔
22に対応する部分に、凹部、凸部、異層又は段差が形
成される。これらが視認可能なビットマークとなる。
【0053】図3に、このような方法により形成された
ビットマークの一例を示す。なお、図3においては、ウ
エハ10から分離した状態で使用するタイプの薄膜積層
素子14が例示されており、ウエハ10上には、犠牲層
11を介して薄膜14a〜14dが積層されている。
【0054】図3において、ビットマーク30aは、薄
膜積層素子14の表面に形成された凹部からなる。この
ようなビットマーク30aは、薄膜14dまで積層した
後、薄膜14dの内、ビットマーク30aに対応する部
分のみをエッチング除去することにより得られる。ま
た、薄膜14cを積層した後、ビットマーク30aに対
応する部分にのみフォトレジスト膜を形成し、その周囲
に薄膜14dを積層することによっても得ることができ
る。
【0055】また、ビットマーク30bは、薄膜積層素
子14の犠牲層11側に形成された凹部からなる。この
ようなビットマーク30bは、ウエハ10上に犠牲層1
1を形成した後、犠牲層11を部分的にエッチングする
か、あるいは、犠牲層11を部分的にさらに積層するこ
とにより突起を形成し、その上から、薄膜14a、14
b…を順次形成することにより得られる。
【0056】また、ビットマーク30cは、薄膜積層素
子14の表面に形成された凸部からなる。このようなビ
ットマーク30cは、薄膜14dを積層した後、ビット
マーク30cに相当する部分にのみ、異層を積層するこ
とにより得られる。また、薄膜14dを積層した後、そ
の全面に異層を積層し、ビットマーク30cに相当する
部分を残して異層をエッチング除去することによっても
得られる。
【0057】また、ビットマーク30dは、薄膜積層素
子14の犠牲層11側に形成された凸部からなる。この
ようなビットマーク30dは、ウエハ10上に犠牲層1
1を形成した後、犠牲層11を部分的にエッチングして
凹部を形成し、凹部に異層を形成することにより得られ
れる。また、異層を形成する代わりに、凹部が形成され
た犠牲層11の上に、直接、薄膜14aを積層しても良
い。
【0058】また、ビットマーク30eは、薄膜積層素
子14の内部に形成された異層からなる。このようなビ
ットマーク30eは、薄膜14bを積層した後、ビット
マーク30eに相当する部分のみをエッチング除去して
凹部を形成し、凹部に異層を積層することにより得られ
る。また、ビットマーク30eは、薄膜14aを積層し
た後、ビットマーク30eに相当する部分にのみ異層を
形成し、その周囲に薄膜14cを積層することによって
も得られる。
【0059】また、ビットマーク30fは、薄膜積層素
子14の内部に形成された段差からなる。このようなビ
ットマーク30fは、薄膜14cを積層した後、ビット
マーク30fに相当する部分のみをエッチング除去して
凹部を形成し、その上から薄膜14dを積層することに
より得られる。
【0060】次に、本実施の形態に係る薄膜積層素子の
製造方法の作用について説明する。形成点におけるビッ
トマークの有無によって情報を表示する識別記号は、マ
スクを用いた一括露光方式を用いて各薄膜積層素子上に
同時に形成することができる。そのため、従来のレーザ
マーキング法に比して、識別記号の形成作業を効率よく
行うことができる。
【0061】また、フォトリソグラフィ技術を用いて、
薄膜積層素子に識別記号を形成する場合、そのためのマ
スクが必要となる。この場合、識別記号によって表示さ
れる情報が、例えば、ウエハ内ロケーションやショット
内ロケーションである時には、これらは、製造工程が同
一である限り、ウエハロットが異なっても同一である。
従って、文字表示による識別記号を用いる場合であって
も、同一のマスクを繰り返し使用することができる。
【0062】しかしながら、例えば、ウエハロット番号
のように、ウエハ毎に異なる情報を表示する必要がある
場合において、文字表示による識別記号を用いると、ウ
エハ毎にマスクが必要となる。そのため、識別記号の形
成コストが増大する。
【0063】これに対し、ビット表示による識別記号に
よれば、ウエハロット番号を表示させる場合であって
も、ウエハ毎にマスクを用意する必要がない。すなわ
ち、同一マスクを使用する場合であっても、マスクをウ
エハに対して相対的に水平移動させ、そこで一括露光さ
せれば、異なる形成点にビットマークを形成することが
できる。しかも、同一マスクを重複使用できる確率は、
形成点の配置が幾何学的な対称性の高いものであるほ
ど、高くなる。そのため、文字表示による識別記号に比
して、識別記号の形成コストを低減することができる。
【0064】
【実施例】(実施例1)ビット表示による識別記号を備
えた薄膜積層素子を本発明に係る方法で製造する場合に
おける、平均露光回数と、平均マスク枚数について検討
した。なお、平均露光回数とは、ビットマークを形成す
るために必要なウエハ1枚当たりの露光回数であり、平
均マスク枚数とは、ビットマークを形成するために必要
なウエハ1枚当たりのマスクの枚数である。また、本実
施例においては、正方形の頂点に配置された形成点に、
丸形のビットマークを形成するか否かによって情報を表
示する識別記号を用いた。また、識別記号により表示さ
れる情報は、ウエハロット番号とした。結果を表1に示
す。
【0065】
【表1】
【0066】本実施例で用いたビット表示による識別記
号の場合、合計2=16通りのウエハロット番号を表
示できる。また、マスクを水平移動させ、重複使用する
ことを考慮すると、ビットマークの形成に必要なマスク
は、最大でも10種類である。
【0067】すなわち、右上の形成点にビットマークを
形成するためのマスクA(ウエハロット番号1)、右上
及び右下の形成点にビットマークを形成するためのマス
クB(ウエハロット番号3)、右上及び左上の形成点に
ビットマークを形成するためのマスクC(ウエハロット
番号5)、右下及び左上の形成点にビットマークを形成
するためのマスクD(ウエハロット番号6)、右上下及
び左上の形成点にビットマークを形成するためのマスク
E(ウエハロット番号7)、右上及び左下の形成点にビ
ットマークを形成するためのマスクF(ウエハロット番
号9)、右上下及び左下の形成点にビットマークを形成
するためのマスクG(ウエハロット番号11)、右上及
び左上下の形成点にビットマークを形成するためのマス
クH(ウエハロット番号13)、右下及び左上下の形成
点にビットマークを形成するためのマスクI(ウエハロ
ット番号14)、並びにすべての形成点にビットマーク
を形成するためのマスクJ(ウエハロット番号15)で
ある。
【0068】ここで、使用するマスクの組み合わせとし
ては、種々のケースが考えられる。まず、マスクAのみ
を使用する場合(以下、これを「ケース1」という。)
について検討する。ウエハロット番号「0」について
は、いずれの形成点にもビットマークを形成しないの
で、露光回数は、0回である。また、ウエハロット番号
「1」、「2」、「4」及び「8」については、マスク
Aを水平移動させ、いずれか1個の形成点にビットマー
ク(表1中、黒丸で表示。)を形成すればよいので、露
光回数は、各1回である。
【0069】また、ウエハロット番号「3」、「5」、
「6」、「9」、「10」及び「12」については、4
個の形成点の内のいずれか2箇所にビットマークを形成
すればよい。従って、マスクAを水平移動させ、一方の
形成点上において1回目の露光を行った後、マスクAを
他方の形成点上に水平移動させ、2回目の露光を行えば
良いので、露光回数は、各2回である。同様に、ウエハ
ロット番号「7」、「11」、「13」及び「14」に
ついては、露光回数は、各3回、ウエハロット番号「1
5」については、4回である。従って、ケース1の場
合、平均露光回数は、2.0回、平均マスク枚数は、
0.06枚となる。
【0070】次に、マスクAとマスクBのみを使用する
場合(以下、これを「ケース2」にという。)ついて検
討する。この場合、ウエハロット番号「0」について
は、露光回数は、0回である。また、ウエハロット番号
「1」〜「4」、「8」及び「12」については、マス
クA又はマスクBのいずれか一方を1回使用すればビッ
トマークを形成できるので、露光回数は、各1回であ
る。その他は、マスクA及びマスクBのいずれか一方又
は双方を2回使用すればビットマークを形成できるの
で、露光回数は、各2回となる。従って、ケース2の場
合、平均露光回数は、1.5回、平均マスク枚数は、
0.13枚となる。
【0071】さらに、マスクA〜Jをすべて使用した場
合(以下、これを「ケース3」という。)について検討
する。この場合、露光回数は、ウエハロット番号「0」
については0回、その他については各1回である。従っ
て、ケース3の場合、平均露光回数は、0.94回、平
均マスク枚数は、0.63枚となる。
【0072】以上の結果は、使用するマスクの種類が少
なくなるほど、平均露光回数が増加することを示してい
る。露光回数が多くなるほど、また、使用するマスクの
枚数が多くなるほど、薄膜積層素子の製造コストを増大
させるので、実際の製造工程においては、識別記号の形
成に要するコストが最小となるように、使用するマスク
の組み合わせを決定すると良い。
【0073】(実施例2)ビット表示による識別記号を
備えた薄膜積層素子を本発明に係る方法で製造する場合
における、平均露光回数と、平均マスク枚数について検
討した。なお、本実施例においては、一直線上に等間隔
に配置された4個の形成点に、丸形のビットマークを形
成するか否かによって情報を表示する識別記号を用い
た。また、識別記号により表示される情報は、ウエハロ
ット番号とした。結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】本実施例で用いたビット表示による識別記
号の場合、合計2=16通りのウエハロット番号を表
示できる。また、マスクを水平移動させ、重複使用する
ことを考慮すると、ビットマークの形成に必要なマスク
は、最大でも8種類である。
【0076】すなわち、最も上(以下、これを「上」と
いう。)の形成点にビットマークを形成するためのマス
クK(ウエハロット番号1)、上及び上から2番目(以
下、これを「中上」という。)の形成点にビットマーク
を形成するためのマスクL(ウエハロット番号3)、上
及び上から3番目(以下、これを「中下」という。)の
形成点にビットマークを形成するためのマスクM(ウエ
ハロット番号5)、上、中上及び中下の形成点にビット
マークを形成するためのマスクN(ウエハロット番号
7)、上及び最も下(以下、これを「下」という。)の
形成点にビットマークを形成するためのマスクO(ウエ
ハロット番号9)、上、中上及び下の形成点にビットマ
ークを形成するためのマスクP(ウエハロット番号1
1)、上、中下及び下の形成点にビットマークを形成す
るためのマスクQ(ウエハロット番号13)、並びにす
べての形成点にビットマークを形成するためのマスクR
(ウエハロット番号15)である。
【0077】ここで、使用するマスクの組み合わせとし
ては、種々のケースが考えられる。まず、マスクKのみ
を使用する場合(以下、これを「ケース4」という。)
について検討する。この場合、露光回数は、ウエハロッ
ト番号「0」で0回、ウエハロット番号「1」、
「2」、「4」及び「8」で各1回、ウエハロット番号
「3」、「5」、「6」、「9」、「10」及び「1
2」で各2回である。また、ウエハロット番号「7」、
「11」、「13」及び「14」で各3回、ウエハロッ
ト番号「15」で4回である。従って、ケース4の場
合、平均露光回数は、2.0回、平均マスク枚数は、
0.06枚となる。
【0078】次に、マスクKとマスクLのみを使用する
場合(以下、これを「ケース5」という。)について検
討する。この場合、露光回数は、ウエハロット番号
「0」で0回、ウエハロット番号「1」〜「4」、
「6」、「8」及び「12」で各1回、その他は各2回
である。従って、ケース2の場合、平均露光回数は、
1.44回、平均マスク枚数は、0.13枚となる。
【0079】さらに、マスクK〜Rをすべて使用した場
合(以下、これを「ケース6」という。)について検討
する。この場合、露光回数は、ウエハロット番号「0」
で0回、その他は各1回である。従って、ケース6の場
合、平均露光回数は、0.94回、平均マスク枚数は、
0.5枚となる。
【0080】実施例1のケース2と、実施例2のケース
5とを比較すると、平均マスク枚数は同一であるが、平
均露光回数は、ケース5の方が少ない。また、実施例1
のケース3と実施例2のケース6とを比較すると、平均
露光回数は同一であるが、平均マスク枚数が少ない。こ
の結果は、形成点の配置によって識別記号の形成コスト
が異なることを示している。実際の製造工程において
は、識別番号を付す部分の面積、形状等に応じて、識別
記号の形成コストが最小となるように、形成点の配置を
決定すると良い。
【0081】(実施例3)ビット表示による識別記号を
備えた薄膜積層素子を本発明に係る方法で製造する場合
における、平均露光回数と、平均マスク枚数について検
討した。なお、本実施例においては、正方形の頂点に配
置された形成点のいずれか1つに丸形のビットマークを
形成するか否かによって情報を表示する形成点群を2組
用いた識別記号を用いた。また、識別記号により表示さ
れる情報は、ウエハロット番号とした。結果を表3に示
す。
【0082】
【表3】
【0083】本実施例で用いたビット表示による識別記
号の場合、合計5=25通りのウエハロット番号を表
示できる。また、マスクを水平移動させ、重複使用する
ことを考慮すると、ビットマークの形成に必要なマスク
は、最大でも10種類である。
【0084】すなわち、右側の形成点群(以下、これを
「右群」という。)の右上の形成点にビットマークを形
成するためのマスクA’(ウエハロット番号1)、右群
の右上及び左側の形成点群(以下、これを「左群」とい
う。)の右上の形成点にビットマークを形成するための
マスクB’(ウエハロット番号11)、右群の右下及び
左群の右上の形成点にビットマークを形成するためのマ
スクC’(ウエハロット番号12)、右群の左上及び左
群の右上の形成点にビットマークを形成するためのマス
クD’(ウエハロット番号13)、右群の左下及び左群
の右上の形成点にビットマークを形成するためのマスク
E’(ウエハロット番号14)、右群の右上及び左群の
右下の形成点にビットマークを形成するためのマスク
F’(ウエハロット番号21)、右群の左上及び左群の
右下の形成点にビットマークを形成するためのマスク
G’(ウエハロット番号23)、右群の右上及び左群の
左上の形成点にビットマークを形成するためのマスク
H’(ウエハロット番号31)、右群の右下及び左群の
左上の形成点にビットマークを形成するためのマスク
I’(ウエハロット番号32)、並びに右群の右上及び
左群の左下の形成点にビットマークを形成するためのマ
スクJ’(ウエハロット番号41)である。
【0085】ここで、使用するマスクの組み合わせとし
ては、種々のケースが考えられる。まず、マスクA’の
みを使用する場合(以下、これを「ケース7」とい
う。)について検討する。この場合、露光回数は、ウエ
ハロット番号「0」で0回、ウエハロット番号「1」〜
「10」、「20」、「30」及び「40」で各1回、
その他は、各2回である。従って、ケース7の場合、平
均露光回数は、1.6回、平均マスク枚数は、0.04
枚となる。
【0086】次に、マスクA’とマスクB’のみを使用
する場合(以下、これを「ケース8」という。)につい
て検討する。この場合、露光回数は、ウエハロット番号
「0」で0回、ウエハロット番号「1」〜「11」、
「20」、「22」、「30」、「33」、「40」及
び「44」で各1回、その他は各2回である。従って、
ケース8の場合、平均露光回数は、1.44回、平均マ
スク枚数は、0.08枚となる。
【0087】さらに、マスクA’〜J’をすべて使用し
た場合(以下、これを「ケース9」という。)について
検討する。この場合、露光回数は、ウエハロット番号
「0」で0回、その他は各1回である。従って、ケース
9の場合、平均露光回数は、0.96回、平均マスク枚
数は、0.4枚となる。
【0088】実施例3のケース7〜9は、実施例1の対
応するケースに比して、平均マスク枚数が少ない。ま
た、ケース9を除き、平均露光回数も少ない。この結果
は、形成点の配置が同一であっても、ビットマークを形
成する規則の違いによって、識別記号の形成コストが異
なることを示している。実際の製造工程においては、識
別番号を付す部分の面積、形状等に応じて、識別記号の
形成コストが最小となるように、ビットマークの形成規
則を決定すると良い。
【0089】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の改変が可能である。
【0090】例えば、図1(c)においては、ウエハロ
ット番号をビット表示による識別記号で表示し、ウエハ
内ロケーション及びショット内ロケーションを文字表示
による識別記号で表示しているが、ウエハロット番号、
ウエハ内ロケーション及びショット内ロケーションのす
べてをビット表示による識別記号で表示しても良い。
【0091】
【発明の効果】本発明に係る薄膜積層素子は、予め定め
られた位置に配置された形成点に、予め定められた形状
のビットマークが有るか否かによって情報を表示する識
別記号を備えているので、単位面積当たりの情報量が多
くなり、識別記号に多量の情報を含めることができると
いう効果がある。
【0092】また、ビット表示による識別記号を用いる
と、例えば、表示される情報がウエハロット番号のよう
に、ウエハ毎に異なる情報を表示する場合であっても、
低コストかつ効率よく識別記号を形成することができる
という効果がある。
【0093】また、本発明に係る薄膜積層素子の製造方
法は、フォトレジスト膜が形成されたウエハ上に、ビッ
トマークを形成するための貫通孔を有するマスクを配置
し、マスクを基準点から水平方向に移動させ、一括露光
する方法を用いて、識別記号の形成が行われるので、ウ
エハ上の各薄膜積層素子に識別記号を同時に形成するこ
とができ、識別記号の形成作業を効率よく行うことがで
きるという効果がある。また、同一マスクを重複使用し
て、異なる情報を表示する識別記号を薄膜積層素子上に
形成することができるので、識別記号の形成コストを低
減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、縦横にショットが形成された
ウエハの平面図であり、図1(b)は、縦横に薄膜積層
素子が形成されたショットの拡大平面図であり、図1
(c)は、識別記号が付された薄膜積層素子の一例を示
す図である。
【図2】 識別記号の形成方法を示す図である。
【図3】 ビットマークが形成された薄膜積層素子の断
面図である。
【符号の説明】
10 ウエハ 12 ショット 12a 基準点 14 薄膜積層素子 20 マスク 22 貫通孔 24 基準穴(基準点)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた位置に配置された形成点
    上に、予め定められた形状のビットマークが有るか否か
    によって情報を表示する識別記号を備えた薄膜積層素
    子。
  2. 【請求項2】 前記識別記号は、多角形の頂点に配置さ
    れた複数個の前記形成点上に、前記ビットマークが有る
    か否かによって前記情報を表示するものである請求項1
    に記載の薄膜積層素子。
  3. 【請求項3】 前記識別記号は、多角形の頂点に配置さ
    れた複数個の前記形成点上のいずれか1つに、前記ビッ
    トマークが有るか否かによって前記情報を表示するもの
    である請求項1に記載の薄膜積層素子。
  4. 【請求項4】 前記識別記号は、一直線上に並んだ複数
    個の前記形成点上に、前記ビットマークが有るか否かに
    よって前記情報を表示するものである請求項1に記載の
    薄膜積層素子。
  5. 【請求項5】 前記情報は、ウエハロット番号である請
    求項1、2、3又は4に記載の薄膜積層素子。
  6. 【請求項6】 薄膜積層素子を積層する前又は前記薄膜
    積層素子の少なくとも一部が積層されたウエハの表面に
    フォトレジスト膜を形成する膜形成工程と、 ビットマークを形成するための貫通孔を有するマスクの
    基準点と、前記ウエハの基準点とが一致するように、前
    記マスクを前記ウエハの上方に配置するアライメント工
    程と、 前記マスクを、前記基準点からX方向及び/又はY方向
    に所定の距離だけ移動させるオフセット工程と、 前記マスクの上から光を照射し、前記フォトレジスト膜
    の内、前記貫通孔に対応する部分を露光させる露光工程
    と前記フォトレジスト膜の内、不溶化していない部分を
    除去し、前記フォトレジスト膜の上から薄膜の積層処理
    又はエッチング処理を施す処理工程とを備えていること
    を特徴とする薄膜積層素子の製造方法。
JP2000228649A 2000-07-28 2000-07-28 薄膜積層素子及びその製造方法 Pending JP2002043197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000228649A JP2002043197A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 薄膜積層素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000228649A JP2002043197A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 薄膜積層素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002043197A true JP2002043197A (ja) 2002-02-08

Family

ID=18721891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000228649A Pending JP2002043197A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 薄膜積層素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002043197A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004072087A (ja) * 2002-06-04 2004-03-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 製品管理方法
KR100648510B1 (ko) * 2001-01-05 2006-11-24 삼성전자주식회사 마킹된 등록점을 갖는 반도체 패키지 및 그 등록점을이용한 마킹 검사 방법
JP2014216448A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 シャープ株式会社 半導体素子及びその製造方法
CN109041441A (zh) * 2018-09-14 2018-12-18 东莞市多普光电设备有限公司 一种pcb板批次管理曝光方法及其曝光设备

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100648510B1 (ko) * 2001-01-05 2006-11-24 삼성전자주식회사 마킹된 등록점을 갖는 반도체 패키지 및 그 등록점을이용한 마킹 검사 방법
JP2004072087A (ja) * 2002-06-04 2004-03-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 製品管理方法
JP4545395B2 (ja) * 2002-06-04 2010-09-15 株式会社半導体エネルギー研究所 製品管理方法
JP2014216448A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 シャープ株式会社 半導体素子及びその製造方法
CN109041441A (zh) * 2018-09-14 2018-12-18 东莞市多普光电设备有限公司 一种pcb板批次管理曝光方法及其曝光设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7491620B2 (en) Method and structures for indexing dice
EP1523696B1 (en) Defect inspection methods that include acquiring aerial images of a reticle for different lithographic process variables
US8754538B2 (en) Semiconductor chip including identifying marks
JP2004186690A (ja) 集積回路識別
US4442188A (en) System for specifying critical dimensions, sequence numbers and revision levels on integrated circuit photomasks
JPH03504168A (ja) レチクル・マスクの製作方法
CN105182679B (zh) 掩膜板及其制作方法、利用掩膜板构图的方法、滤光片
JPH10213895A (ja) レチクルの合わせ測定用マーク
JP2007081123A (ja) 半導体装置の形成方法
JP2002043197A (ja) 薄膜積層素子及びその製造方法
EP1286219B1 (en) Method of recording identifier and set of photomasks
JP2005538425A (ja) 多層レチクル
TWI278913B (en) Inspection method of exposure pattern or mask, manufacture method for the same, and exposure pattern or mask
US7749690B2 (en) Die identification systems and methods
JPWO2007043470A1 (ja) 転写生成物、転写生成物の製造方法、転写生成物の配置位置特定方法
US7303844B2 (en) Marking system for a semiconductor wafer to identify problems in mask layers
JP3333603B2 (ja) ウエハ内位置表示を付したチップ及びその製造方法
CN107686092A (zh) 晶圆结构及晶圆加工方法
US11094644B2 (en) Integrated circuit with scribe lane patterns for defect reduction
JP2007287989A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH1096882A (ja) 物流制御システム
JP4585215B2 (ja) 半導体ウエハ及びその製造方法
JP2005250308A (ja) 露光用マスク群および露光用マスク群の製造方法
JP2004240189A (ja) 識別情報記録方法
JPH03154329A (ja) 半導体装置の製造方法