JP2002040375A - 取り外し可能な撥上げ式眼鏡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視力矯正レンズ等の常用レンズの前面に例え
ば調光・偏光用の付加レンズをガタつきなく確実に見栄
え良く重ね配置させることができ、また、調光機能が不
要なときには、該付加レンズを位置ズレ・脱落の心配な
く確実に眼鏡前方へ撥ね上げて常用レンズ前面から退避
させることおよび取り外しができる撥上げ式眼鏡を提供
すること。 【解決手段】 メイン眼鏡のフロント枠１の常用レンズ
11・11を支持するリム12・12の上弦部には引掛部13・13
を形成する一方、前掛けフレーム２における煽動リム22
・22の上弦部には、軸支ロッド３を滑合挿嵌した渡りス
リーブ４を架設すると共に、この渡りスリーブ４の両端
に突出する前記軸支ロッド３の掛止端31・31を各々、前
記フロント枠１に引掛部13・13に取り外し可能に掛止す
るという技術的手段を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撥上げ眼鏡の改
良、更に詳しくは、通常の視力矯正レンズ等の常用レン
ズの前面に調光レンズ等の付加レンズが配置可能な眼鏡
であって、当該常用レンズの前面に付加レンズを確実に
重ね配置することができ、しかも、調光機能等が不要な
ときには、前掛けフレームの着脱および当該付加レンズ
を位置ズレ・脱落の心配なく確実に眼鏡前方へ撥ね上げ
て常用レンズ前面から退避させることおよび取り外しが
できる撥上げ式眼鏡に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、眼鏡の常用者が視力矯正用眼鏡に
加えて更に調光機能や偏光機能などの付加機能を欲した
場合、これを充足する方法としては、眼鏡の視力矯正レ
ンズを色付の視力矯正レンズに取り替える方法の他に、
前掛け（またはクリップオン）眼鏡と呼ばれる既着眼鏡
のフロント部にクリップ手段によって補助フレームを掛
止する形式のものがあった。

【０００３】しかしながら、この前掛け眼鏡にあって
は、補助フレームの掛脱操作を繰り返しているうちにク
リップがフロント部を傷つける惧れがあり、しかも、補
助フレームがクリップだけで既着眼鏡に支持される構造
になっていたため、必然的に不安定になり不用意に外れ
たり、ガタついてレンズを傷つけたり、また、クリップ
の支持力だけでは補助フレームの位置がズレて既着眼鏡
が露出して誠に体裁の悪いスタイルになってしまうなど
の欠点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、
視力矯正レンズ等の常用レンズの前面に例えば調光・偏
光用の付加レンズをガタつきなく確実に見栄え良く重ね
配置させることができ、また、調光機能が不要なときに
は、該付加レンズを位置ズレ・脱落の心配なく確実に眼
鏡前方へ撥ね上げて常用レンズ前面から退避させること
および取り外しができる撥上げ式眼鏡を提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者が上記課題を解
決するために採用した手段を添付図面を参照して説明す
れば次のとおりである。

【０００６】即ち、本発明は、メイン眼鏡のフロント枠
１の常用レンズ11・11の前面側に対し、当該フロント枠
１の上縁部に支承されて付加レンズ21・21を煽動操作可
能に前掛けフレーム２が枢支された撥上げ式眼鏡におい
て、前記常用レンズ11・11を支持するフロント枠１のリ
ム12・12の上弦部には引掛部13・13を形成する一方、前
掛けフレーム２における煽動リム22・22の上弦部には、
軸支ロッド３を滑合挿嵌した渡りスリーブ４を架設する
と共に、この渡りスリーブ４の両端に突出する前記軸支
ロッド３の掛止端31・31を各々、前記フロント枠１に引
掛部13・13に取り外し可能に掛止するという技術的手段
を採用した。

【０００７】また、本発明は、上記課題を解決するため
に、必要に応じて上記手段に加え、フロント枠１の常用
レンズ11を支持するリム12を、当該常用レンズ11の上縁
部に添装される弧状のリムバー12ａと、当該リムバー12
ａの各弧端に縫着されて常用レンズ11の下縁部を吊支す
るバンド12ｃとから構成するという技術的手段を採用し
た。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を具体的に図示
した図面に基いて更に詳細に説明すると次のとおりであ
る。

【０００９】『第１実施形態』本発明の第１実施形態を
図１から図３に基いて説明する。図中、符号１で指示す
るものは視力矯正用の常用レンズ11・11を所定位置に支
持するメイン眼鏡のフロント枠であり、このフロント枠
１は、一対の常用レンズ11・11をそれぞれ支持するリム
12・12と、このリム12・12の上弦部に形成される引掛部
13・13と、リム12・12をロウ付け接合によって左右対称
に連結する金属製メインブリッジ14と、この左右対称に
連結されたリム12・12の各外側部からロウ付け接合によ
り持ち出し形成された金属製エンドピース15・15と、前
記エンドピース15・15の各外端部に丁番17・17によって
折り畳み自在にヒンジ連結する耳掛テンプル16・16とか
ら構成されている。

【００１０】符号２で指示するものは調光機能や偏光機
能を有する色付の付加レンズ21・21を支持する前掛けフ
レームであり、この前掛けフレーム２は、一対の付加レ
ンズ21・21をそれぞれ支持する金属製のリング形状の煽
動リム22・22と、この煽動リム22・22をロウ付け接合に
より左右対称に連結する金属製サブブリッジ23とから構
成する。

【００１１】符号３で指示するものは軸支ロッドであ
り、この軸支ロッド３は、金属線材を使用材料として両
端に掛止端31・31が折曲成形されている。

【００１２】符号４で指示するものは渡りスリーブであ
り、この渡りスリーブ４には、前記前掛けフレーム２の
煽動リム22・22を支持するアーム41・41および略中央部
に金属線材を略コの字状に折曲加工した掛止フック42が
接合されており、前記軸支ロッド３が滑合嵌挿されてい
る。

【００１３】本実施形態では、引掛部13・13は環状に成
形した金属片をフロント枠１の左右それぞれのリム12・
12の上弦部にロウ付け接合によって配設する。

【００１４】なお、前記フロント枠１と前記前掛けフレ
ーム２とは着脱自在に止着する掛止機構および当該前掛
けフレーム２を煽動操作可能ならしめる枢支機構を具備
しており、この両機構を同時に機能させるために、渡り
スリーブ４に接合された前掛けフレーム２の左右の煽動
リム22・22を支持するアーム41・41および掛止フック42
はそれぞれ回転が独立するように軸支ロッド３に枢支さ
れている。

【００１５】そして、リム12の上弦部に配設した引掛部
13に上方から掛止端31を嵌合状態に係合せしめた状態
で、掛止フック42をメインブリッジ14の下面から掛止す
ることによってフロント枠１と前掛けフレーム２とを止
着することができ、また、付加レンズ21・21を常用レン
ズ11・11の前面に煽動操作自在に重ね配置することがで
きる。

【００１６】本実施形態では、付加レンズ21の調光機能
が一時的に不要な場合、軸支ロッド３を軸としてこの付
加レンズ21を眼鏡前方へ撥ね上げ煽動させることによ
り、付加レンズ21を常用レンズ11の前面から退避させる
ことが可能である。また、撥ね上げて退避させるだけで
なく、付加レンズ21の調光機能が全く不要な場合には、
掛止フック42の掛止およびリム12・12の上弦部に配設さ
れた引掛部13・13と軸支ロッド３の両端に折曲成形した
掛止端31・31との係合を解除することによって前掛けフ
レーム２の取り外しが自在である。

【００１７】『第２実施形態』次に、本発明の第２実施
形態を図４に基いて説明する。本実施形態では、リム12
を従来公知のバンドサスペンダー式ハーフリムとして構
成する。

【００１８】即ち、このリム12は、常用レンズ11の上弦
部に添装された略半弧状の金属製のリムバー12ａと、こ
のリムバー12ａの各弧端に２つずつ開設された通孔12ｂ
・12ｂに両線端を往復的に差し通して該弧端に縫着され
たナイロン樹脂製バンド12ｃとから構成されており、こ
のバンド12ｃが常用レンズ11の周側面に形成されている
溝部に嵌合した状態で常用レンズ11の下縁部を吊支する
ことによって、リムバー12ａの下方に常用レンズ11が支
持される。

【００１９】本実施形態では、フロント枠１をサスペン
ダー式ハーフリム眼鏡として構成しており、常用レンズ
11と付加レンズ21とを重ね配置した状態において、観者
にスッキリとした印象を与え、デザイン性を向上させる
ことが可能になる。

【００２０】本発明は概ね上記のように構成されるが、
本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してな
く、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が
可能であって、例えば、掛止端31は軸支ロッド３の端部
を折曲して一体に成形したものに限らず、別工程で作製
したものを接合しても良い。また、掛止フック42の形状
はコの字状でなくとも、掛止可能な形状であれば良い。
また、本実施形態における眼鏡を構成する部材は金属製
のみに限らず、要所に合成樹脂部材を含んで構成しても
良く、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。

【００２１】

【発明の効果】以上、実施形態をもって説明したとお
り、本発明においては、掛止端と引掛部の係合および掛
止フックの掛止によって前掛けフレームの着脱を自在に
構成すると共に、枢支機構を有しているので、視力矯正
用の常用レンズを保持したフロント枠と、調光・偏光機
能を有する付加レンズを保持した前掛けフレームとをレ
ンズ同士を煽動自在に重ね配置することができる。

【００２２】また、付加レンズの調光機能が不要な場合
にこの付加レンズを眼鏡前方へ撥ね上げ揺動させて付加
レンズを常用レンズの前面から退避させたり、掛止フッ
クおよび掛止端と引掛部の係合を解除することによって
前掛けフレームの取り外しが自在であるので非常に使い
勝手が良く、産業上における利用価値は頗る高いものが
あると云える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態を表わす斜視図である。

【図２】本発明の第１実施形態において前掛けフレーム
を重ね配置した状態を表わす斜視図である。

【図３】本発明の第１実施形態を表わす上面図である。

【図４】本発明の第２実施形態を表わす斜視図である。

【符号の説明】

１ メイン眼鏡フロント枠 11 常用レンズ 12 リム 12ａ リムバー 12ｂ 通孔 12ｃ バンド 13 引掛部 14 メインブリッジ 15 エンドピース 16 テンプル 17 丁番 ２ 前掛けフレーム 21 付加レンズ 22 煽動リム 23 サブブリッジ ３ 軸支ロッド 31 掛止端 ４ 渡りスリーブ 41 アーム 42 掛止フック

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メイン眼鏡のフロント枠１の常用レンズ
   11・11の前面側に対し、当該フロント枠１の上縁部に支
   承されて付加レンズ21・21を煽動操作可能に前掛けフレ
   ーム２が枢支された撥上げ式眼鏡において、前記常用レ
   ンズ11・11を支持するフロント枠１のリム12・12の上弦
   部には引掛部13・13を形成する一方、前掛けフレーム２
   における煽動リム22・22の上弦部には、軸支ロッド３を
   滑合挿嵌した渡りスリーブ４を架設すると共に、この渡
   りスリーブ４の両端に突出する前記軸支ロッド３の掛止
   端31・31を各々、前記フロント枠１に引掛部13・13に取
   り外し可能に掛止させることを特徴とする取り外し可能
   な撥上げ式眼鏡。
2. 【請求項２】 フロント枠１の常用レンズ11を支持する
   リム12が、当該常用レンズ11の上縁部に添装される弧状
   のリムバー12ａと、当該リムバー12ａの各弧端に縫着さ
   れて常用レンズ11の下縁部を吊支するバンド12ｃとから
   構成されていることを特徴とする請求項１記載の取り外
   し可能な撥上げ式眼鏡。