JP2002040251A - 機能性有機薄膜、その製造方法およびその製造装置、ならびに液晶配向膜、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents
機能性有機薄膜、その製造方法およびその製造装置、ならびに液晶配向膜、その製造方法およびその製造装置Info
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- JP2002040251A JP2002040251A JP2000226599A JP2000226599A JP2002040251A JP 2002040251 A JP2002040251 A JP 2002040251A JP 2000226599 A JP2000226599 A JP 2000226599A JP 2000226599 A JP2000226599 A JP 2000226599A JP 2002040251 A JP2002040251 A JP 2002040251A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】透明基材上に形成された有機薄膜に対して光照
射を行う場合に、照射光以外の光、特に透過した光の再
入射を極力なくすようにして、高性能な機能性有機薄膜
を製造する方法を提供する。 【解決手段】透明基材1上に感光性基を有する有機薄膜
2を積層してなる有機薄膜積層体3を作製する工程と、
上記有機薄膜積層体3に光を照射して、上記有機薄膜2
に特定の機能を付与する光照射工程とを備えた機能性有
機薄膜の製造方法であって、前記光照射工程において、
前記光照射された光のうち有機薄膜積層体3を透過した
光または/および有機薄膜積層体3のいずれかの層で反
射した光が再び前記有機薄膜積層体3に入射する再入射
光量を規制するようにした。
射を行う場合に、照射光以外の光、特に透過した光の再
入射を極力なくすようにして、高性能な機能性有機薄膜
を製造する方法を提供する。 【解決手段】透明基材1上に感光性基を有する有機薄膜
2を積層してなる有機薄膜積層体3を作製する工程と、
上記有機薄膜積層体3に光を照射して、上記有機薄膜2
に特定の機能を付与する光照射工程とを備えた機能性有
機薄膜の製造方法であって、前記光照射工程において、
前記光照射された光のうち有機薄膜積層体3を透過した
光または/および有機薄膜積層体3のいずれかの層で反
射した光が再び前記有機薄膜積層体3に入射する再入射
光量を規制するようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基材等の透
明基材の表面に、光照射によって所望の機能を付与した
機能性有機薄膜、その製造方法およびその製造装置に関
するものである。また、液晶分子を特定の方向に配向さ
せる機能を備えた液晶配向膜、その製造方法およびその
製造装置に関するものである。
明基材の表面に、光照射によって所望の機能を付与した
機能性有機薄膜、その製造方法およびその製造装置に関
するものである。また、液晶分子を特定の方向に配向さ
せる機能を備えた液晶配向膜、その製造方法およびその
製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の基材表面に感光性の有
機薄膜を形成し、その膜に対して光照射を行い、所望の
機能を付与することはよく行われている。このような場
合、膜および基材を透過した光が再入射してくることを
考慮に入れた方法の開示はなかった。その理由は、露光
を行う対象物は照射光が透過しないか、あるいは光透過
率が極めて低いという場合が多かったし、たとえ幾らか
透過しても、膜に影響を及ぼすという考えはなかったこ
とによる。
機薄膜を形成し、その膜に対して光照射を行い、所望の
機能を付与することはよく行われている。このような場
合、膜および基材を透過した光が再入射してくることを
考慮に入れた方法の開示はなかった。その理由は、露光
を行う対象物は照射光が透過しないか、あるいは光透過
率が極めて低いという場合が多かったし、たとえ幾らか
透過しても、膜に影響を及ぼすという考えはなかったこ
とによる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
液晶用のガラス基板のように、透明基板の表面に、感光
性の有機薄膜を形成し、その膜に光を照射して高性能な
膜を形成するプロセスが重要になってきている。
液晶用のガラス基板のように、透明基板の表面に、感光
性の有機薄膜を形成し、その膜に光を照射して高性能な
膜を形成するプロセスが重要になってきている。
【0004】本発明は、上記に鑑みなされたものであっ
て、透明基材上に形成された有機薄膜に対して光照射を
行う場合に、照射光以外の光、特に透過した光の再入射
を極力なくすようにして、高性能な機能性有機薄膜を製
造する方法、およびそれにより得られた機能性有機薄
膜、ならびにその製造装置の提供をその目的とする。
て、透明基材上に形成された有機薄膜に対して光照射を
行う場合に、照射光以外の光、特に透過した光の再入射
を極力なくすようにして、高性能な機能性有機薄膜を製
造する方法、およびそれにより得られた機能性有機薄
膜、ならびにその製造装置の提供をその目的とする。
【0005】また、透過光等の再入射を極力なくすよう
にして、高性能な液晶配向膜を製造する方法、およびそ
れにより得られた液晶配向膜、ならびにその製造装置の
提供をその目的とする
にして、高性能な液晶配向膜を製造する方法、およびそ
れにより得られた液晶配向膜、ならびにその製造装置の
提供をその目的とする
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液晶配向
膜等の機能性有機薄膜の機能を高めるべく、鋭意研究を
重ねていた。その過程で、液晶配向膜となる前の有機薄
膜や透明基材が光を透過することに着目し、照射対象物
である有機薄膜積層体が全体として透明性を示す場合に
は、図1、図2の模式図に示すように、透明基材1およ
び有機薄膜2からなる有機薄膜積層体3を透過した光2
0や有機薄膜積層体3のいずれかの層で反射した光21
が存在し、これらの光が再入射して機能付与に悪影響を
及ぼしていると想起した。すなわち、透過光や反射光
は、有機薄膜積層体以外のものの表面で反射し再入射す
るので、有機薄膜に不必要な光が供給され、高性能化へ
の阻害要素になると考えた。具体的に説明すると、例え
ば照射領域を定めて光照射を行った場合、再入射光は照
射領域以外の領域に入射しうるので、照射領域以外の部
分に機能が付与されてしまう。また、偏光光照射を行っ
た場合、偏光の方向と異なる方向の再入射光が供給され
るので、偏光方向に応じた機能付与に悪影響を及ぼす。
このようなことを考慮して鋭意検討を重ねた結果、再入
射光の光量を積極的に規制するようにすれば、有機薄膜
を構成する分子群の配向に高い秩序をもたせること等が
でき、その結果として従来にはない高性能な機能性有機
薄膜を製造できることを見出し、本発明に到達した。
膜等の機能性有機薄膜の機能を高めるべく、鋭意研究を
重ねていた。その過程で、液晶配向膜となる前の有機薄
膜や透明基材が光を透過することに着目し、照射対象物
である有機薄膜積層体が全体として透明性を示す場合に
は、図1、図2の模式図に示すように、透明基材1およ
び有機薄膜2からなる有機薄膜積層体3を透過した光2
0や有機薄膜積層体3のいずれかの層で反射した光21
が存在し、これらの光が再入射して機能付与に悪影響を
及ぼしていると想起した。すなわち、透過光や反射光
は、有機薄膜積層体以外のものの表面で反射し再入射す
るので、有機薄膜に不必要な光が供給され、高性能化へ
の阻害要素になると考えた。具体的に説明すると、例え
ば照射領域を定めて光照射を行った場合、再入射光は照
射領域以外の領域に入射しうるので、照射領域以外の部
分に機能が付与されてしまう。また、偏光光照射を行っ
た場合、偏光の方向と異なる方向の再入射光が供給され
るので、偏光方向に応じた機能付与に悪影響を及ぼす。
このようなことを考慮して鋭意検討を重ねた結果、再入
射光の光量を積極的に規制するようにすれば、有機薄膜
を構成する分子群の配向に高い秩序をもたせること等が
でき、その結果として従来にはない高性能な機能性有機
薄膜を製造できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】以上より、本発明は、以下のような構成を
とる。
とる。
【0008】(1)有機薄膜の製造方法 本発明の有機薄膜の製造方法は、透明基材上に感光性基
を有する有機薄膜を積層してなる有機薄膜積層体を作製
する工程と、上記有機薄膜積層体に光を照射して、上記
有機薄膜に特定の機能を付与する光照射工程とを備えた
機能性有機薄膜の製造方法であって、前記光照射工程に
おいて、前記光照射された光のうち有機薄膜積層体を透
過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層
で反射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入
射光量を規制するという構成をとる。
を有する有機薄膜を積層してなる有機薄膜積層体を作製
する工程と、上記有機薄膜積層体に光を照射して、上記
有機薄膜に特定の機能を付与する光照射工程とを備えた
機能性有機薄膜の製造方法であって、前記光照射工程に
おいて、前記光照射された光のうち有機薄膜積層体を透
過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層
で反射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入
射光量を規制するという構成をとる。
【0009】このように再入射光量を規制するようにす
ると、従来の製造方法によって製造された機能性有機薄
膜よりも高性能化を図ることができる。すなわち、従来
の製造方法では、透過光等の再入射光量を規制していな
かったので、照射光が透過するとその透過光の再入射に
よって不必要な光が供給されることになり、高性能な機
能性有機薄膜を得ることができなかった。しかし、再入
射光量を規制するようにすると、実質的に照射光のみで
有機薄膜に特定の機能を付与できるので、高性能な機能
性有機薄膜を得ることができる。
ると、従来の製造方法によって製造された機能性有機薄
膜よりも高性能化を図ることができる。すなわち、従来
の製造方法では、透過光等の再入射光量を規制していな
かったので、照射光が透過するとその透過光の再入射に
よって不必要な光が供給されることになり、高性能な機
能性有機薄膜を得ることができなかった。しかし、再入
射光量を規制するようにすると、実質的に照射光のみで
有機薄膜に特定の機能を付与できるので、高性能な機能
性有機薄膜を得ることができる。
【0010】ここで、本発明において、透過光の再入射
とは、有機薄膜積層体に侵入した光が照射面とは異なる
面(主として照射面と反対側の面)から出た後、載置台
等の有機薄膜積層体以外のものに反射して再びその積層
体に入射する光をいい、反射光の再入射とは、有機薄膜
積層体に照射された光が、その積層体を構成するいずれ
かの層(透明基材等)で反射して有機薄膜積層体から出
た後、その積層体以外のものに反射して再びその積層体
に入射する光をいう。
とは、有機薄膜積層体に侵入した光が照射面とは異なる
面(主として照射面と反対側の面)から出た後、載置台
等の有機薄膜積層体以外のものに反射して再びその積層
体に入射する光をいい、反射光の再入射とは、有機薄膜
積層体に照射された光が、その積層体を構成するいずれ
かの層(透明基材等)で反射して有機薄膜積層体から出
た後、その積層体以外のものに反射して再びその積層体
に入射する光をいう。
【0011】また、「透明基材上に」とは、基材の表面
に直接接する場合に限定されるものではなく、他の物質
層を介する場合も含む趣旨である。
に直接接する場合に限定されるものではなく、他の物質
層を介する場合も含む趣旨である。
【0012】上記の製造方法においては、前記特定の機
能が、有機薄膜を構成する分子群の配向秩序に由来する
機能であることが好ましい。このような機能は、分子群
の配向秩序が乱れると機能低下が顕著であるので、本発
明による改善効果が特に高い。ここで、有機薄膜を構成
する分子群の配向秩序に由来する機能とは、ある規則性
に従って定まる分子群の向きにより発現する機能をい
う。このような機能としては、液晶分子を配向規制する
機能、撥水性、撥油性等の防汚性、導電性、磁性、誘電
性、光導波性等があげられる。
能が、有機薄膜を構成する分子群の配向秩序に由来する
機能であることが好ましい。このような機能は、分子群
の配向秩序が乱れると機能低下が顕著であるので、本発
明による改善効果が特に高い。ここで、有機薄膜を構成
する分子群の配向秩序に由来する機能とは、ある規則性
に従って定まる分子群の向きにより発現する機能をい
う。このような機能としては、液晶分子を配向規制する
機能、撥水性、撥油性等の防汚性、導電性、磁性、誘電
性、光導波性等があげられる。
【0013】また、前記再入射光量を、有機薄膜積層体
を透過した光または/および有機薄膜積層体のいずれか
の層で反射した光の光量の10分の1以下にすることが
好ましい。このようになっておれば、確実に高性能な機
能性有機薄膜が得られる。
を透過した光または/および有機薄膜積層体のいずれか
の層で反射した光の光量の10分の1以下にすることが
好ましい。このようになっておれば、確実に高性能な機
能性有機薄膜が得られる。
【0014】また、前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を吸収する方法である
ことが好ましい。このように透過光等を吸収させれば、
反射して再入射する光量が規制されるので、従来よりも
高い機能を備えた機能性有機薄膜が得られる。
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を吸収する方法である
ことが好ましい。このように透過光等を吸収させれば、
反射して再入射する光量が規制されるので、従来よりも
高い機能を備えた機能性有機薄膜が得られる。
【0015】ここで、透過光等の吸収は、透過光等を全
て吸収する場合に限定されるものではなく、透過光等の
一部を吸収する場合も含む趣旨である。
て吸収する場合に限定されるものではなく、透過光等の
一部を吸収する場合も含む趣旨である。
【0016】また、前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を乱反射させる方法で
あることが好ましい。このように透過光等を乱反射させ
れば、透過光等が分散され再入射光量が規制されるの
で、従来よりも高い機能を備えた機能性有機薄膜が得ら
れる。
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を乱反射させる方法で
あることが好ましい。このように透過光等を乱反射させ
れば、透過光等が分散され再入射光量が規制されるの
で、従来よりも高い機能を備えた機能性有機薄膜が得ら
れる。
【0017】また、前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射
させない方法であることが好ましい。このように再入射
させないようにすれば、照射光のみで所望の機能を付与
できるので、従来よりも高い機能を備えた機能性有機薄
膜が得られる。
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射
させない方法であることが好ましい。このように再入射
させないようにすれば、照射光のみで所望の機能を付与
できるので、従来よりも高い機能を備えた機能性有機薄
膜が得られる。
【0018】また、前記光照射が、偏光光照射であるこ
とが好ましい。偏光光照射の場合は、照射光と再入射光
の方向が相違するので、再入射光の悪影響が特に大きい
が、本発明によればその再入射光量を規制するため、従
来との比較で、特に高い機能を備えた機能性有機薄膜が
得られる。
とが好ましい。偏光光照射の場合は、照射光と再入射光
の方向が相違するので、再入射光の悪影響が特に大きい
が、本発明によればその再入射光量を規制するため、従
来との比較で、特に高い機能を備えた機能性有機薄膜が
得られる。
【0019】さらに、前記有機薄膜は、感光性基と下記
の化学式(1)で表される官能基群から選択される少な
くとも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成され
たものであることが好ましい。また、前記有機薄膜は透
明基材上に結合された単分子膜であることが好ましい。
また、前記透明基材は、ガラス基材または樹脂基材であ
ることが好ましい。
の化学式(1)で表される官能基群から選択される少な
くとも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成され
たものであることが好ましい。また、前記有機薄膜は透
明基材上に結合された単分子膜であることが好ましい。
また、前記透明基材は、ガラス基材または樹脂基材であ
ることが好ましい。
【0020】
【化5】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
【0021】(2)機能性有機薄膜 本発明の機能性有機薄膜は、透明基材上に結合された分
子群からなる機能性有機薄膜であって、上記機能性有機
薄膜は、感光性基を有する分子群からなる有機薄膜が透
明基材上に積層されてなる有機薄膜積層体に対して光を
照射して有機薄膜に特定の機能を付与する際に、その照
射された光のうち有機薄膜積層体を透過した光または/
および有機薄膜積層体のいずれかの層で反射した光が再
び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光量を規制する
ことにより得られたものであるという構成をとる。
子群からなる機能性有機薄膜であって、上記機能性有機
薄膜は、感光性基を有する分子群からなる有機薄膜が透
明基材上に積層されてなる有機薄膜積層体に対して光を
照射して有機薄膜に特定の機能を付与する際に、その照
射された光のうち有機薄膜積層体を透過した光または/
および有機薄膜積層体のいずれかの層で反射した光が再
び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光量を規制する
ことにより得られたものであるという構成をとる。
【0022】上記構成の機能性有機薄膜は、一端が基材
面に結合し、他端が基材面から離れる方向に突出した状
態で基材面に配列した分子群からなる。そして、再入射
光の光量が規制されて形成された機能性有機薄膜は、実
質的に照射光のみで形成されたので、高い機能を発現す
る膜となる。
面に結合し、他端が基材面から離れる方向に突出した状
態で基材面に配列した分子群からなる。そして、再入射
光の光量が規制されて形成された機能性有機薄膜は、実
質的に照射光のみで形成されたので、高い機能を発現す
る膜となる。
【0023】上記の機能性有機薄膜においては、前記特
定の機能が、有機薄膜を構成する分子群の配向秩序に由
来する機能であることが好ましい。
定の機能が、有機薄膜を構成する分子群の配向秩序に由
来する機能であることが好ましい。
【0024】(3)機能性有機薄膜の製造装置 本発明の機能性有機薄膜の製造装置は、感光性基を有す
る有機薄膜が透明基材上に積層されてなる有機薄膜積層
体に光照射して、上記有機薄膜に特定の機能を付与する
光照射手段と、前記光照射された光のうち有機薄膜積層
体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいずれ
かの層で反射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射す
る再入射光量を規制する再入射光量規制手段とを有する
という構成をとる。
る有機薄膜が透明基材上に積層されてなる有機薄膜積層
体に光照射して、上記有機薄膜に特定の機能を付与する
光照射手段と、前記光照射された光のうち有機薄膜積層
体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいずれ
かの層で反射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射す
る再入射光量を規制する再入射光量規制手段とを有する
という構成をとる。
【0025】上記構成の装置は、前記機能性有機薄膜の
製造方法に対応したものであって、再入射の光量を規制
する手段を有するものであるので、従来の露光装置で製
造した機能性有機薄膜よりも高性能な膜が形成できる。
製造方法に対応したものであって、再入射の光量を規制
する手段を有するものであるので、従来の露光装置で製
造した機能性有機薄膜よりも高性能な膜が形成できる。
【0026】上記の製造装置においては、前記特定の機
能が、有機薄膜を構成する分子群の配向秩序に由来する
機能であることが好ましい。
能が、有機薄膜を構成する分子群の配向秩序に由来する
機能であることが好ましい。
【0027】また、前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を吸収する手段であることが
好ましい。上記手段としては、黒色面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光を乱反射させる手段であることが
好ましい。上記手段としては、凹凸面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光の光路を変更し再入射させない手
段であることが好ましい。上記手段としては、反射鏡が
好ましい。
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を吸収する手段であることが
好ましい。上記手段としては、黒色面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光を乱反射させる手段であることが
好ましい。上記手段としては、凹凸面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光の光路を変更し再入射させない手
段であることが好ましい。上記手段としては、反射鏡が
好ましい。
【0028】さらに、上記製造装置は、光が通過できる
ように一部または全部が透明になっている載置台を有し
ており、前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過
した光の光路に配置されていることが好ましい。この構
成であれば、従来の露光装置を大幅に変更しなくても済
むため、設備コストの点で有利である。
ように一部または全部が透明になっている載置台を有し
ており、前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過
した光の光路に配置されていることが好ましい。この構
成であれば、従来の露光装置を大幅に変更しなくても済
むため、設備コストの点で有利である。
【0029】また、上記製造装置は、光が通過できるよ
うに一部が空間になっている載置台を有しており、前記
再入射光量規制手段が、上記載置台を通過した光の光路
に配置されていることが好ましい。この構成であれば、
上記と同様、設備コストの点で有利である。
うに一部が空間になっている載置台を有しており、前記
再入射光量規制手段が、上記載置台を通過した光の光路
に配置されていることが好ましい。この構成であれば、
上記と同様、設備コストの点で有利である。
【0030】また、上記製造装置は、有機薄膜積層体に
対して光照射を行うための密閉室を有しており、上記密
閉室の内壁面のうち、少なくとも、有機薄膜積層体を透
過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層
で反射した光が到達する面が、光を吸収する面になって
いることが好ましい。このような密閉室を有しておれ
ば、より一層、高性能な機能性有機薄膜を製造できる。
対して光照射を行うための密閉室を有しており、上記密
閉室の内壁面のうち、少なくとも、有機薄膜積層体を透
過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層
で反射した光が到達する面が、光を吸収する面になって
いることが好ましい。このような密閉室を有しておれ
ば、より一層、高性能な機能性有機薄膜を製造できる。
【0031】また、上記製造装置は、有機薄膜積層体に
対して光照射を行うための密閉室を有しており、上記密
閉室の内壁面のうち、少なくとも、有機薄膜積層体を透
過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層
で反射した光が到達する面が、光を乱反射させる面にな
っていることが好ましい。このような密閉室を有してお
れば、上記と同様、より一層、高性能な機能性有機薄膜
を製造できる。
対して光照射を行うための密閉室を有しており、上記密
閉室の内壁面のうち、少なくとも、有機薄膜積層体を透
過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層
で反射した光が到達する面が、光を乱反射させる面にな
っていることが好ましい。このような密閉室を有してお
れば、上記と同様、より一層、高性能な機能性有機薄膜
を製造できる。
【0032】さらに、上記製造装置は、前記有機薄膜積
層体の透明基材側に、その透明基材の屈折率以下の屈折
率を有する媒質によって反射光を規制する手段を有する
ことが好ましい。この構成であれば、基材/媒質界面で
の反射量を抑えることができる。
層体の透明基材側に、その透明基材の屈折率以下の屈折
率を有する媒質によって反射光を規制する手段を有する
ことが好ましい。この構成であれば、基材/媒質界面で
の反射量を抑えることができる。
【0033】また、前記光照射は、偏光光照射であるこ
とが好ましい。前記有機薄膜は、感光性基と下記の化学
式(1)で表される官能基群から選択される少なくとも
1種の官能基とを有する化合物を用いて形成されたもの
であることが好ましい。また、前記有機薄膜は透明基材
上に結合された単分子膜であることが好ましい。また、
前記透明基材は、ガラス基材または樹脂基材であること
が好ましい。
とが好ましい。前記有機薄膜は、感光性基と下記の化学
式(1)で表される官能基群から選択される少なくとも
1種の官能基とを有する化合物を用いて形成されたもの
であることが好ましい。また、前記有機薄膜は透明基材
上に結合された単分子膜であることが好ましい。また、
前記透明基材は、ガラス基材または樹脂基材であること
が好ましい。
【0034】
【化6】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
【0035】(4)液晶配向膜の製造方法 本発明の液晶配向膜の製造方法は、透明基板上に結合さ
れた分子群からなる液晶配向膜の製造方法であって、上
記透明基板上に感光性基を有する分子群からなる有機薄
膜を積層してなる有機薄膜積層体を作製する工程と、上
記有機薄膜積層体に光を照射して、上記分子群に配向秩
序をもたせて液晶分子を配向規制する機能を有機薄膜に
付与する光照射工程とを備え、前記光照射工程におい
て、前記光照射された光のうち有機薄膜積層体を透過し
た光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層で反
射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光
量を規制するという構成をとる。
れた分子群からなる液晶配向膜の製造方法であって、上
記透明基板上に感光性基を有する分子群からなる有機薄
膜を積層してなる有機薄膜積層体を作製する工程と、上
記有機薄膜積層体に光を照射して、上記分子群に配向秩
序をもたせて液晶分子を配向規制する機能を有機薄膜に
付与する光照射工程とを備え、前記光照射工程におい
て、前記光照射された光のうち有機薄膜積層体を透過し
た光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層で反
射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光
量を規制するという構成をとる。
【0036】上記構成の製造方法は、前記有機薄膜の製
造方法に対応したものであり、再入射光量を規制するよ
うにしたので、従来の製造方法によって製造された液晶
配向膜よりも、一層、液晶分子を配向規制できるものが
得られる。よって、高性能な液晶配向膜が得られる。
造方法に対応したものであり、再入射光量を規制するよ
うにしたので、従来の製造方法によって製造された液晶
配向膜よりも、一層、液晶分子を配向規制できるものが
得られる。よって、高性能な液晶配向膜が得られる。
【0037】上記の製造方法においては、前記再入射光
量を、有機薄膜積層体を透過した光または/および有機
薄膜積層体のいずれかの層で反射した光の光量の10分
の1以下にすることが好ましい。このようになっておれ
ば、確実に従来よりも液晶分子を配向規制できる液晶配
向膜が得られる。
量を、有機薄膜積層体を透過した光または/および有機
薄膜積層体のいずれかの層で反射した光の光量の10分
の1以下にすることが好ましい。このようになっておれ
ば、確実に従来よりも液晶分子を配向規制できる液晶配
向膜が得られる。
【0038】また、前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を吸収する方法である
ことが好ましい。このように透過光等を吸収させれば、
反射して再入射する光量が規制されるので、分子群が高
い秩序をもって配向する。よって、従来以上に液晶分子
を配向規制できる液晶配向膜が得られる。
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を吸収する方法である
ことが好ましい。このように透過光等を吸収させれば、
反射して再入射する光量が規制されるので、分子群が高
い秩序をもって配向する。よって、従来以上に液晶分子
を配向規制できる液晶配向膜が得られる。
【0039】また、前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を乱反射させる方法で
あることが好ましい。このように透過光等を乱反射させ
れば、透過光等が分散して再入射光量が規制されるの
で、分子群が高い秩序をもって配向する。よって、従来
以上に液晶分子を配向規制できる液晶配向膜が得られ
る。
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を乱反射させる方法で
あることが好ましい。このように透過光等を乱反射させ
れば、透過光等が分散して再入射光量が規制されるの
で、分子群が高い秩序をもって配向する。よって、従来
以上に液晶分子を配向規制できる液晶配向膜が得られ
る。
【0040】また、前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射
させない方法であることが好ましい。このように再入射
させないようにすれば、照射光のみで、分子群に配向秩
序をもたせることができるので、従来以上に液晶分子を
配向規制できる液晶配向膜が得られる。
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射
させない方法であることが好ましい。このように再入射
させないようにすれば、照射光のみで、分子群に配向秩
序をもたせることができるので、従来以上に液晶分子を
配向規制できる液晶配向膜が得られる。
【0041】さらに、前記光照射は、偏光光照射である
ことが好ましい。また、前記有機薄膜は、感光性基と下
記の化学式(1)で表される官能基群から選択される少
なくとも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成さ
れたものであることが好ましい。また、前記有機薄膜
は、透明基板上に結合した単分子膜であることが好まし
い。また、前記透明基板は、ガラス基板または樹脂基板
であることが好ましい。
ことが好ましい。また、前記有機薄膜は、感光性基と下
記の化学式(1)で表される官能基群から選択される少
なくとも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成さ
れたものであることが好ましい。また、前記有機薄膜
は、透明基板上に結合した単分子膜であることが好まし
い。また、前記透明基板は、ガラス基板または樹脂基板
であることが好ましい。
【0042】
【化7】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
【0043】(5)液晶配向膜 本発明の液晶配向膜は、透明基板上に結合された分子群
からなる液晶配向膜であって、上記液晶配向膜は、感光
性基を有する分子群からなる有機薄膜が透明基板上に積
層されてなる有機薄膜積層体に対して光を照射して上記
分子群に配向秩序をもたせて液晶分子を配向規制する機
能を有機薄膜に付与する際に、その照射された光のうち
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光が再び前記有機薄膜積
層体に入射する再入射光量を規制することにより得られ
たものであるという構成をとる。
からなる液晶配向膜であって、上記液晶配向膜は、感光
性基を有する分子群からなる有機薄膜が透明基板上に積
層されてなる有機薄膜積層体に対して光を照射して上記
分子群に配向秩序をもたせて液晶分子を配向規制する機
能を有機薄膜に付与する際に、その照射された光のうち
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光が再び前記有機薄膜積
層体に入射する再入射光量を規制することにより得られ
たものであるという構成をとる。
【0044】上記構成の液晶配向膜は、一端が基板側に
結合し、他端が基板から離れる方向に突出した状態で基
板面に沿って配列した分子群からなる。そして、再入射
光の光量が制御されて形成された液晶配向膜は、分子群
が不揃いとなることなく、均一に配列し整った膜構造と
なる。よって、従来の液晶配向膜よりも、一層、液晶分
子を配向規制できる膜となる。
結合し、他端が基板から離れる方向に突出した状態で基
板面に沿って配列した分子群からなる。そして、再入射
光の光量が制御されて形成された液晶配向膜は、分子群
が不揃いとなることなく、均一に配列し整った膜構造と
なる。よって、従来の液晶配向膜よりも、一層、液晶分
子を配向規制できる膜となる。
【0045】(6)液晶配向膜の製造装置 本発明の液晶配向膜の製造装置は、透明基板上に結合さ
れた分子群からなる液晶配向膜の製造装置であって、感
光性基を有する分子群からなる有機薄膜が透明基板上に
積層されてなる有機薄膜積層体に光照射して、上記分子
群に配向秩序をもたせて液晶分子を配向規制する機能を
有機薄膜に付与する光照射手段と、前記光照射された光
のうち有機薄膜積層体を透過した光が再び前記有機薄膜
積層体に入射する再入射光量を規制する再入射光量規制
手段とを有するという構成をとる。
れた分子群からなる液晶配向膜の製造装置であって、感
光性基を有する分子群からなる有機薄膜が透明基板上に
積層されてなる有機薄膜積層体に光照射して、上記分子
群に配向秩序をもたせて液晶分子を配向規制する機能を
有機薄膜に付与する光照射手段と、前記光照射された光
のうち有機薄膜積層体を透過した光が再び前記有機薄膜
積層体に入射する再入射光量を規制する再入射光量規制
手段とを有するという構成をとる。
【0046】上記構成の装置は、前記液晶配向膜の製造
方法に対応したものであって、再入射光量を規制する手
段を有するものであるので、従来の露光装置で製造した
液晶配向膜よりも液晶分子を配向規制できる膜が形成で
きる。
方法に対応したものであって、再入射光量を規制する手
段を有するものであるので、従来の露光装置で製造した
液晶配向膜よりも液晶分子を配向規制できる膜が形成で
きる。
【0047】また、前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を吸収する手段であることが
好ましい。上記手段としては、黒色面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光を乱反射させる手段であることが
好ましい。上記手段としては、凹凸面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光の光路を変更し再入射させない手
段であることが好ましい。上記手段としては、反射鏡が
好ましい。
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を吸収する手段であることが
好ましい。上記手段としては、黒色面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光を乱反射させる手段であることが
好ましい。上記手段としては、凹凸面を有するものが好
ましい。また、前記再入射光量規制手段が、有機薄膜積
層体を透過した光または/および有機薄膜積層体のいず
れかの層で反射した光の光路を変更し再入射させない手
段であることが好ましい。上記手段としては、反射鏡が
好ましい。
【0048】さらに、上記製造装置は、光が通過できる
ように一部または全部が透明になっている載置台を有し
ており、前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過
した光の光路に配置されていることが好ましい。また、
上記製造装置は、光が通過できるように一部が空間にな
っている載置台を有しており、前記再入射光量規制手段
が、上記載置台を通過した光の光路に配置されているこ
とが好ましい。
ように一部または全部が透明になっている載置台を有し
ており、前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過
した光の光路に配置されていることが好ましい。また、
上記製造装置は、光が通過できるように一部が空間にな
っている載置台を有しており、前記再入射光量規制手段
が、上記載置台を通過した光の光路に配置されているこ
とが好ましい。
【0049】また、上記製造装置は、有機薄膜積層体に
対して光照射を行うための密閉室を有しており、上記密
閉室の内壁面のうち、少なくとも、前記有機薄膜積層体
に照射された光の透過光または/および反射光が到達す
る面が、光を吸収する面になっていることが好ましい。
また、上記製造装置は、有機薄膜積層体に対して光照射
を行うための密閉室を有しており、上記密閉室の内壁面
のうち、少なくとも、前記有機薄膜積層体に照射された
光の透過光または/および反射光が到達する面が、光を
乱反射させる面になっていることが好ましい。また、上
記製造装置は、前記有機薄膜積層体の透明基板側に、そ
の透明基板の屈折率以下の屈折率を有する媒質によって
反射光を規制する手段を有することが好ましい。
対して光照射を行うための密閉室を有しており、上記密
閉室の内壁面のうち、少なくとも、前記有機薄膜積層体
に照射された光の透過光または/および反射光が到達す
る面が、光を吸収する面になっていることが好ましい。
また、上記製造装置は、有機薄膜積層体に対して光照射
を行うための密閉室を有しており、上記密閉室の内壁面
のうち、少なくとも、前記有機薄膜積層体に照射された
光の透過光または/および反射光が到達する面が、光を
乱反射させる面になっていることが好ましい。また、上
記製造装置は、前記有機薄膜積層体の透明基板側に、そ
の透明基板の屈折率以下の屈折率を有する媒質によって
反射光を規制する手段を有することが好ましい。
【0050】さらに、前記光照射は、偏光光照射である
ことが好ましい。前記有機薄膜は、感光性基と下記の化
学式(1)で表される官能基群から選択される少なくと
も1種の官能基とを有する化合物を用いて形成されたも
のであることが好ましい。また、前記有機薄膜は透明基
板上に結合された単分子膜であることが好ましい。ま
た、前記透明基板は、ガラス基板または樹脂基板である
ことが好ましい。
ことが好ましい。前記有機薄膜は、感光性基と下記の化
学式(1)で表される官能基群から選択される少なくと
も1種の官能基とを有する化合物を用いて形成されたも
のであることが好ましい。また、前記有機薄膜は透明基
板上に結合された単分子膜であることが好ましい。ま
た、前記透明基板は、ガラス基板または樹脂基板である
ことが好ましい。
【0051】
【化8】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
【0052】つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明
する。
する。
【0053】本発明の有機薄膜の製造方法は、透明基材
上に感光性基を有する有機薄膜を積層してなる有機薄膜
積層体を作製する工程と、上記有機薄膜積層体に光を照
射して、上記有機薄膜に特定の機能を付与する光照射工
程とを備え、この光照射工程において、前記光照射され
た光のうち有機薄膜積層体を透過した光または/および
有機薄膜積層体のいずれかの層で反射した光が再び前記
有機薄膜積層体に入射する再入射光の光量を規制する点
に特徴を有するものである。
上に感光性基を有する有機薄膜を積層してなる有機薄膜
積層体を作製する工程と、上記有機薄膜積層体に光を照
射して、上記有機薄膜に特定の機能を付与する光照射工
程とを備え、この光照射工程において、前記光照射され
た光のうち有機薄膜積層体を透過した光または/および
有機薄膜積層体のいずれかの層で反射した光が再び前記
有機薄膜積層体に入射する再入射光の光量を規制する点
に特徴を有するものである。
【0054】上記有機薄膜積層体を作製する工程は、透
明基材上に、感光性基を有する有機薄膜を形成すること
により行われる。具体的には、感光性基と化学吸着基と
を有する化合物(化学吸着物質)を含む化学吸着液を調
製した後、化学吸着物質を基材表面に接触させる。本工
程は、相対湿度35%以下の乾燥雰囲気中、例えば乾燥
空気、乾燥窒素、乾燥ヘリウム中で行うのが好ましい。
また、接触させる方法としては、化学吸着液中に基材を
浸漬する方法、化学吸着液を基材表面に塗布する方法等
があげられる。
明基材上に、感光性基を有する有機薄膜を形成すること
により行われる。具体的には、感光性基と化学吸着基と
を有する化合物(化学吸着物質)を含む化学吸着液を調
製した後、化学吸着物質を基材表面に接触させる。本工
程は、相対湿度35%以下の乾燥雰囲気中、例えば乾燥
空気、乾燥窒素、乾燥ヘリウム中で行うのが好ましい。
また、接触させる方法としては、化学吸着液中に基材を
浸漬する方法、化学吸着液を基材表面に塗布する方法等
があげられる。
【0055】上記透明基材としては、透明性を示し、表
面に活性水素を有する官能基が露出しているものが好適
に使用できる。具体的には、ガラス基材、樹脂基材等が
あげられる。これらのうち光透過率が80%以上のもの
は、透過光の再入射の影響が大きいので、本発明による
改善効果が高い。透明基材の形状については、特に制限
はないが、通常、板状のもの(ガラス基板、樹脂基板
等)が使用される。透明基材としてガラス基材を用いた
場合には、耐熱性等の点で有利であり、樹脂基材を用い
た場合には、軽量、可撓性等の点で有利である。上記活
性水素を有する官能基としては、水酸基、カルボキシル
基、スルフィン酸基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リ
ン酸基、チオール基、アミノ基等があげられる。また、
上記官能基の活性水素が、それぞれアルカリ金属、アル
カリ土類金属で置換された官能基であってもよい。な
お、透明基材表面に活性水素を有する官能基が存在しな
いか、あるいは少ない場合には、UVオゾン処理、エキ
シマ光照射処理、プラズマ酸化処理、エキシマUV処
理、コロナ処理等を施すことにより、基材表面に活性水
素を増やすようにしてもよい。
面に活性水素を有する官能基が露出しているものが好適
に使用できる。具体的には、ガラス基材、樹脂基材等が
あげられる。これらのうち光透過率が80%以上のもの
は、透過光の再入射の影響が大きいので、本発明による
改善効果が高い。透明基材の形状については、特に制限
はないが、通常、板状のもの(ガラス基板、樹脂基板
等)が使用される。透明基材としてガラス基材を用いた
場合には、耐熱性等の点で有利であり、樹脂基材を用い
た場合には、軽量、可撓性等の点で有利である。上記活
性水素を有する官能基としては、水酸基、カルボキシル
基、スルフィン酸基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リ
ン酸基、チオール基、アミノ基等があげられる。また、
上記官能基の活性水素が、それぞれアルカリ金属、アル
カリ土類金属で置換された官能基であってもよい。な
お、透明基材表面に活性水素を有する官能基が存在しな
いか、あるいは少ない場合には、UVオゾン処理、エキ
シマ光照射処理、プラズマ酸化処理、エキシマUV処
理、コロナ処理等を施すことにより、基材表面に活性水
素を増やすようにしてもよい。
【0056】上記有機薄膜の形成材料としては、感光性
基を有する化合物のみからなるものであってもよいし、
感光性基を有する化合物に他の材料が含まれていてもよ
い。
基を有する化合物のみからなるものであってもよいし、
感光性基を有する化合物に他の材料が含まれていてもよ
い。
【0057】上記感光性基を有する化合物としては、カ
ルコン骨格基等の感光性基を有するものであれば、特に
限定はないが、活性水素を有する基材と結合した膜にす
べく、感光性基の他に、下記の化学式(1)で表される
官能基群のうちの少なくとも1種の官能基を有する化合
物(化学吸着物質)が好適に用いられる。
ルコン骨格基等の感光性基を有するものであれば、特に
限定はないが、活性水素を有する基材と結合した膜にす
べく、感光性基の他に、下記の化学式(1)で表される
官能基群のうちの少なくとも1種の官能基を有する化合
物(化学吸着物質)が好適に用いられる。
【0058】
【化9】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕
【0059】上記式(1)中のハロゲンは、F、Cl、
Br、Iがあげられるが、基材との反応性を考慮してC
lが好ましい。
Br、Iがあげられるが、基材との反応性を考慮してC
lが好ましい。
【0060】上記化学吸着物質としては、以下に列挙す
る官能基が上記化学式(1)で表される官能基群から選
択される1種の官能基と連結したものが例示できる。
る官能基が上記化学式(1)で表される官能基群から選
択される1種の官能基と連結したものが例示できる。
【0061】(a)メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−
デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ト
リデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル
基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オ
クタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、
フェニル基等の炭化水素基。 (b)上記(a)の炭化水素基の一部に炭素炭素二重結
合または炭素炭素三重結合を含む炭化水素基。 (c)上記(a)、(b)の炭化水素基における水素が
他の官能基(例えば、メチル基、エチル基、ハロゲン化
メチル基、水酸基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、カ
ルボキシル基、エステル基、チオール基、アルデヒド基
等)および/または原子(例えば、F、Cl、Br、I
等)に置換された官能基。 (d)上記(a)、(b)の炭化水素基におけるC−C
結合の一部がC−O−C結合、C−CO−C結合、また
はC=N結合に置換された官能基。
基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−
デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ト
リデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル
基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オ
クタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、
フェニル基等の炭化水素基。 (b)上記(a)の炭化水素基の一部に炭素炭素二重結
合または炭素炭素三重結合を含む炭化水素基。 (c)上記(a)、(b)の炭化水素基における水素が
他の官能基(例えば、メチル基、エチル基、ハロゲン化
メチル基、水酸基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、カ
ルボキシル基、エステル基、チオール基、アルデヒド基
等)および/または原子(例えば、F、Cl、Br、I
等)に置換された官能基。 (d)上記(a)、(b)の炭化水素基におけるC−C
結合の一部がC−O−C結合、C−CO−C結合、また
はC=N結合に置換された官能基。
【0062】有機薄膜の形成材料として、感光性基以外
に上記化学式(1)で表される官能基を有する化合物を
用いると、活性水素を有する基材と強固に結合するの
で、耐剥離性や密着性に優れた有機薄膜を形成できる。
に上記化学式(1)で表される官能基を有する化合物を
用いると、活性水素を有する基材と強固に結合するの
で、耐剥離性や密着性に優れた有機薄膜を形成できる。
【0063】ここで、本発明において、有機薄膜は、基
材上に結合された単分子膜であることが好ましい。この
ような膜であれば、膜中の感光性基が膜表面から一定の
位置に整然と並ぶので、隣接する感光性基同士の光反応
によって、均質な機能性有機薄膜が得られるからであ
る。
材上に結合された単分子膜であることが好ましい。この
ような膜であれば、膜中の感光性基が膜表面から一定の
位置に整然と並ぶので、隣接する感光性基同士の光反応
によって、均質な機能性有機薄膜が得られるからであ
る。
【0064】なお、本発明においては、基材に残ってい
る未反応の化学吸着物質を除去するための洗浄工程を行
うことができる。具体的には、洗浄用の非水系溶媒で未
反応の化学吸着物質を洗い流す方法等を行えばよい。こ
の場合、洗浄工程に引き続いて、上記非水系溶媒を除去
するための乾燥工程を行うことができる。
る未反応の化学吸着物質を除去するための洗浄工程を行
うことができる。具体的には、洗浄用の非水系溶媒で未
反応の化学吸着物質を洗い流す方法等を行えばよい。こ
の場合、洗浄工程に引き続いて、上記非水系溶媒を除去
するための乾燥工程を行うことができる。
【0065】前記光照射工程は、照射対象物である有機
薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体
のいずれかの層で反射した光が再び有機薄膜積層体に入
射する再入射光の光量を規制して、光照射を行い、有機
薄膜に特定の機能を付与する工程である。本工程は、透
過光等の再入射が、機能性有機薄膜の高性能化に悪影響
を及ぼすことを認識し、その認識に基づいて再入射光の
光量を積極的に規制して光照射を行う工程である。ここ
で、再入射光の光量は、透過光の光量の10分の1以下
にすることが好ましい。10分の1以下であれば、確実
に高性能な機能性有機薄膜を形成できるからである。
薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体
のいずれかの層で反射した光が再び有機薄膜積層体に入
射する再入射光の光量を規制して、光照射を行い、有機
薄膜に特定の機能を付与する工程である。本工程は、透
過光等の再入射が、機能性有機薄膜の高性能化に悪影響
を及ぼすことを認識し、その認識に基づいて再入射光の
光量を積極的に規制して光照射を行う工程である。ここ
で、再入射光の光量は、透過光の光量の10分の1以下
にすることが好ましい。10分の1以下であれば、確実
に高性能な機能性有機薄膜を形成できるからである。
【0066】本工程で使用する光は、偏光であることが
好ましく、さらに直線偏光であることが好ましい。直線
偏光を照射する方法としては、特に制限するものではな
いが、例えば通常用いられる吸収型の偏光板を介して光
照射する方法、偏光ビームスプリッター等の非吸収型の
偏光分離素子を介して光照射する方法等が用いられる。
また、偏光の波長は、感光性基が光反応を起こさせるの
に適した波長であれば特に制限はなく、通常、紫外光領
域内の波長の光が用いられる。具体的には、200〜4
50nmの範囲である。これは、光照射による主反応が
架橋反応や重合反応である場合、照射光の波長が短すぎ
ると、副反応(分解反応)が起きやすくなるからであ
る。
好ましく、さらに直線偏光であることが好ましい。直線
偏光を照射する方法としては、特に制限するものではな
いが、例えば通常用いられる吸収型の偏光板を介して光
照射する方法、偏光ビームスプリッター等の非吸収型の
偏光分離素子を介して光照射する方法等が用いられる。
また、偏光の波長は、感光性基が光反応を起こさせるの
に適した波長であれば特に制限はなく、通常、紫外光領
域内の波長の光が用いられる。具体的には、200〜4
50nmの範囲である。これは、光照射による主反応が
架橋反応や重合反応である場合、照射光の波長が短すぎ
ると、副反応(分解反応)が起きやすくなるからであ
る。
【0067】上記の光を用いて行う光照射は、照射開始
後中断することなく連続的に行ってもよいし、所定の時
間間隔をおいて複数回にわけて行ってもよい。
後中断することなく連続的に行ってもよいし、所定の時
間間隔をおいて複数回にわけて行ってもよい。
【0068】本発明において、光照射は、通常、照射光
量の制御等を考慮して、有機薄膜積層体の有機薄膜面が
照射面になるようにして行われるが、これに限定するも
のではなく、透明基材面が照射面になるようにして光照
射を行ってもよい。これは、透明基材面に照射したとし
ても、照射光は透明基材を透過して有機薄膜に達するの
で、膜中の感光性基同士を光反応させることができるか
らである。
量の制御等を考慮して、有機薄膜積層体の有機薄膜面が
照射面になるようにして行われるが、これに限定するも
のではなく、透明基材面が照射面になるようにして光照
射を行ってもよい。これは、透明基材面に照射したとし
ても、照射光は透明基材を透過して有機薄膜に達するの
で、膜中の感光性基同士を光反応させることができるか
らである。
【0069】上記再入射光の光量を規制する方法として
は、例えば、有機薄膜積層体に照射された光の透過光ま
たは/および反射光を吸収する方法、透過光等を乱反射
させる方法、透過光等の光路を変更し再入射させない方
法等があげられる。これらの方法は、単独であるいは2
種以上併せて用いてもよい。
は、例えば、有機薄膜積層体に照射された光の透過光ま
たは/および反射光を吸収する方法、透過光等を乱反射
させる方法、透過光等の光路を変更し再入射させない方
法等があげられる。これらの方法は、単独であるいは2
種以上併せて用いてもよい。
【0070】上記透過光等を吸収する方法は、例えば、
透過光等の光路に黒色面を有する各種の部材を配置する
ことによって行うことができる。具体的には、光照射を
行う際に、有機薄膜積層体用の載置台を使用する場合
は、載置台表面のうちの少なくとも光の到達面に黒色塗
装を施したものを使用する方法や、載置台上に黒色平板
を配置する方法等が用いられる。また、載置台を使用せ
ずに有機薄膜積層体を側方から把持する把持部材等を用
いて光照射する場合は、透過光の光路に黒色平板を配置
する方法等が用いられる。さらに、光照射を密閉系で行
う場合は、密閉室の内壁面のうち少なくとも透過光等の
到達する面に黒色塗装を施す方法や、黒色平板、黒布等
を配置する方法等が用いられる。
透過光等の光路に黒色面を有する各種の部材を配置する
ことによって行うことができる。具体的には、光照射を
行う際に、有機薄膜積層体用の載置台を使用する場合
は、載置台表面のうちの少なくとも光の到達面に黒色塗
装を施したものを使用する方法や、載置台上に黒色平板
を配置する方法等が用いられる。また、載置台を使用せ
ずに有機薄膜積層体を側方から把持する把持部材等を用
いて光照射する場合は、透過光の光路に黒色平板を配置
する方法等が用いられる。さらに、光照射を密閉系で行
う場合は、密閉室の内壁面のうち少なくとも透過光等の
到達する面に黒色塗装を施す方法や、黒色平板、黒布等
を配置する方法等が用いられる。
【0071】また、上記透過光等を乱反射させる方法
は、例えば、透過光等の光路に乱反射させることが可能
な部材を配置することによって行うことができる。具体
的には、載置台を使用する場合は、載置台表面のうち少
なくとも光の到達面を凹凸面にしたものを使用する方法
や、載置台上に凹凸面を有する平板を配置する方法等が
用いられる。また、載置台を使用せずに有機薄膜積層体
を側方から把持する部材等を用いて光照射する場合は、
透過光等の光路に凹凸面を有する平板を配置する方法等
が用いられる。さらに、光照射を密閉系で行う場合は、
密閉室の内壁面のうち少なくとも透過光等の到達する面
を凹凸面にする方法等が用いられる。
は、例えば、透過光等の光路に乱反射させることが可能
な部材を配置することによって行うことができる。具体
的には、載置台を使用する場合は、載置台表面のうち少
なくとも光の到達面を凹凸面にしたものを使用する方法
や、載置台上に凹凸面を有する平板を配置する方法等が
用いられる。また、載置台を使用せずに有機薄膜積層体
を側方から把持する部材等を用いて光照射する場合は、
透過光等の光路に凹凸面を有する平板を配置する方法等
が用いられる。さらに、光照射を密閉系で行う場合は、
密閉室の内壁面のうち少なくとも透過光等の到達する面
を凹凸面にする方法等が用いられる。
【0072】また、上記透過光等の光路を変更し再入射
させない方法は、透過光等の光路に光路変更手段を配置
することによって行うことができる。具体的には、反射
鏡等を用いて透過光等の進行方向を変えて有機薄膜積層
体に再入射しないようにする方法、透過光等の光路に屈
折率の大きい透明板を配置して透過光が有機薄膜積層体
に再入射しないようにする方法等が用いられる。
させない方法は、透過光等の光路に光路変更手段を配置
することによって行うことができる。具体的には、反射
鏡等を用いて透過光等の進行方向を変えて有機薄膜積層
体に再入射しないようにする方法、透過光等の光路に屈
折率の大きい透明板を配置して透過光が有機薄膜積層体
に再入射しないようにする方法等が用いられる。
【0073】以上で説明した工程を経て機能性有機薄膜
を製造するようにすると、照射された光のうち一部は有
機薄膜中の隣接する感光性基の光反応に供され、残部は
透過光または/および反射光として有機薄膜積層体から
出るが、この透過光等は、前記再入射光量を規制する方
法によって、再入射光量が規制される。そのため、実質
的に照射光のみが光反応に供されることになるので、従
来よりも高性能な機能性有機薄膜が得られる。
を製造するようにすると、照射された光のうち一部は有
機薄膜中の隣接する感光性基の光反応に供され、残部は
透過光または/および反射光として有機薄膜積層体から
出るが、この透過光等は、前記再入射光量を規制する方
法によって、再入射光量が規制される。そのため、実質
的に照射光のみが光反応に供されることになるので、従
来よりも高性能な機能性有機薄膜が得られる。
【0074】つぎに、本発明の機能性有機薄膜の製造装
置について説明する。
置について説明する。
【0075】本発明の機能性有機薄膜の製造装置は、感
光性基を有する有機薄膜が透明基材上に積層されてなる
有機薄膜積層体に光照射して、上記有機薄膜に特定の機
能を付与する光照射手段と、前記光照射された光のうち
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光が再び前記有機薄膜積
層体に入射する再入射光量を規制する再入射光量規制手
段とを備えて構成される。
光性基を有する有機薄膜が透明基材上に積層されてなる
有機薄膜積層体に光照射して、上記有機薄膜に特定の機
能を付与する光照射手段と、前記光照射された光のうち
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光が再び前記有機薄膜積
層体に入射する再入射光量を規制する再入射光量規制手
段とを備えて構成される。
【0076】上記構成の製造装置としては、図3に示す
装置が例示できる。この装置では、光源5と、載置台4
とを備えて構成されている。なお、図3は、本装置を説
明するための模式図であり、この図では透明基板1の表
面に有機薄膜2を積層してなる有機薄膜積層体3を配設
した状態を示している。
装置が例示できる。この装置では、光源5と、載置台4
とを備えて構成されている。なお、図3は、本装置を説
明するための模式図であり、この図では透明基板1の表
面に有機薄膜2を積層してなる有機薄膜積層体3を配設
した状態を示している。
【0077】上記光源5は、従来公知の各種の光源を用
いることができるが、偏光光照射を行う場合には、偏光
板、偏光分離素子等の偏光とすることが可能な手段(図
示せず)が設けられていることが好ましい。なお、光源
5は、通常、図3に示すように、有機薄膜積層体3の上
側に配設するが、これに限定するものではなく、下側に
配設するようにしてもよい。また、図3に示すように、
光源5からの光6を平面反射鏡7に反射させてから照射
してもよいし、直接照射してもよい。
いることができるが、偏光光照射を行う場合には、偏光
板、偏光分離素子等の偏光とすることが可能な手段(図
示せず)が設けられていることが好ましい。なお、光源
5は、通常、図3に示すように、有機薄膜積層体3の上
側に配設するが、これに限定するものではなく、下側に
配設するようにしてもよい。また、図3に示すように、
光源5からの光6を平面反射鏡7に反射させてから照射
してもよいし、直接照射してもよい。
【0078】上記載置台4は、照射対象物である有機薄
膜積層体3を載置するためのものであるが、本装置で
は、この載置台4の表面のうち少なくとも透過光の到達
する面が黒色面になっている(図示せず)。このような
載置台4を用いれば、透過光を吸収するので、載置台4
で反射して再入射する光の光量を規制する。
膜積層体3を載置するためのものであるが、本装置で
は、この載置台4の表面のうち少なくとも透過光の到達
する面が黒色面になっている(図示せず)。このような
載置台4を用いれば、透過光を吸収するので、載置台4
で反射して再入射する光の光量を規制する。
【0079】上記光源5と載置台4は、図3に示すよう
に、同一の密閉室8内に配設するようにしてもよいが、
これに限定するものではなく、例えば光源5が密閉室8
の外側に配設されてあってもよい。密閉室8の内壁面
は、少なくとも反射光等が到達する面が、光を吸収する
面あるいは光を乱反射させる面になっていることが好ま
しい。このような面になっておれば、有機薄膜積層体で
反射した光等が内壁面に到達したとしても、その面で反
射して再び積層体に入射する光量を規制することができ
る。なお、上記光を吸収する面は、内壁面に黒色塗装を
施す方法や、黒色平板等を貼り付ける方法等により形成
することができる。また、上記光を乱反射させる面は、
内壁面に凹凸を施す方法等により形成することができ
る。
に、同一の密閉室8内に配設するようにしてもよいが、
これに限定するものではなく、例えば光源5が密閉室8
の外側に配設されてあってもよい。密閉室8の内壁面
は、少なくとも反射光等が到達する面が、光を吸収する
面あるいは光を乱反射させる面になっていることが好ま
しい。このような面になっておれば、有機薄膜積層体で
反射した光等が内壁面に到達したとしても、その面で反
射して再び積層体に入射する光量を規制することができ
る。なお、上記光を吸収する面は、内壁面に黒色塗装を
施す方法や、黒色平板等を貼り付ける方法等により形成
することができる。また、上記光を乱反射させる面は、
内壁面に凹凸を施す方法等により形成することができ
る。
【0080】また、本発明の製造装置の他の例として
は、図4に示す装置が例示できる。この装置では、光源
5と、載置台14と、光路変更手段(再入射光量規制手
段)9とを備えて構成されている。なお、図4は、本装
置を説明するための模式図であり、この図では透明基材
1の表面に有機薄膜2を形成した有機薄膜積層体3を配
設した状態を示している。
は、図4に示す装置が例示できる。この装置では、光源
5と、載置台14と、光路変更手段(再入射光量規制手
段)9とを備えて構成されている。なお、図4は、本装
置を説明するための模式図であり、この図では透明基材
1の表面に有機薄膜2を形成した有機薄膜積層体3を配
設した状態を示している。
【0081】上記光源5としては、前記図3に示す製造
装置と同様のものが使用できる。
装置と同様のものが使用できる。
【0082】上記載置台14としては、透過光を光路変
更手段9に到達させるため、透過光が通過できるように
一部または全部が透明になっているものや、透過光が通
過できるように一部が空間になっているもの等が用いら
れる。
更手段9に到達させるため、透過光が通過できるように
一部または全部が透明になっているものや、透過光が通
過できるように一部が空間になっているもの等が用いら
れる。
【0083】上記光路変更手段9としては、例えば反射
鏡等の鏡面を有するものが好適に用いられる。反射鏡を
配設する場合、通常、反射鏡によって光路が変更された
光を所定の方向(光減衰装置等が配置された方向)に進
行させるようにする。反射光を任意の方向に進行させる
と、紫外線等を用いた場合、環境への配慮に欠けるから
である。
鏡等の鏡面を有するものが好適に用いられる。反射鏡を
配設する場合、通常、反射鏡によって光路が変更された
光を所定の方向(光減衰装置等が配置された方向)に進
行させるようにする。反射光を任意の方向に進行させる
と、紫外線等を用いた場合、環境への配慮に欠けるから
である。
【0084】また、上記光路変更手段9は、透過光の光
路を変更し再入射させないようにできるのであればどの
ような位置に設置してもよいが、通常、光照射は有機薄
膜積層体3の直上または直下より行うので、このような
場合は、有機薄膜積層体3の直下(光照射が直上の場
合)または直上(光照射が直下の場合)に設置されてい
ることが好ましい。
路を変更し再入射させないようにできるのであればどの
ような位置に設置してもよいが、通常、光照射は有機薄
膜積層体3の直上または直下より行うので、このような
場合は、有機薄膜積層体3の直下(光照射が直上の場
合)または直上(光照射が直下の場合)に設置されてい
ることが好ましい。
【0085】上記光源5と載置台4と光路変更手段9
は、図4に示すように、同一の密閉室8内に配設するよ
うにしてもよいが、これに限定するものではなく、例え
ば光源5が密閉室8の外側に配設されてあってもよい。
密閉室8の内壁面は、少なくとも反射光等が到達する面
が、光を吸収する面あるいは光を乱反射させる面になっ
ていることが好ましい。このような面になっておれば、
有機薄膜積層体で反射した光等が内壁面に到達したとし
ても、その面で反射して再び積層体に入射する光量を規
制することができる。なお、上記光を吸収する面は、内
壁面に黒色塗装を施す方法や、黒色平板等を貼り付ける
方法等により形成することができる。また、上記光を乱
反射させる面は、内壁面に凹凸を施す方法等により形成
することができる。
は、図4に示すように、同一の密閉室8内に配設するよ
うにしてもよいが、これに限定するものではなく、例え
ば光源5が密閉室8の外側に配設されてあってもよい。
密閉室8の内壁面は、少なくとも反射光等が到達する面
が、光を吸収する面あるいは光を乱反射させる面になっ
ていることが好ましい。このような面になっておれば、
有機薄膜積層体で反射した光等が内壁面に到達したとし
ても、その面で反射して再び積層体に入射する光量を規
制することができる。なお、上記光を吸収する面は、内
壁面に黒色塗装を施す方法や、黒色平板等を貼り付ける
方法等により形成することができる。また、上記光を乱
反射させる面は、内壁面に凹凸を施す方法等により形成
することができる。
【0086】上記図3、図4に示す製造装置において、
有機薄膜積層体の透明基材側に、透明基材の屈折率以下
の屈折率を有する媒質を配設するようにしてもよい。こ
のようにすれば、基材/媒質界面では反射量が減少す
る。なお、この場合は、通常、光照射を全反射が起こら
ないような条件で行う。
有機薄膜積層体の透明基材側に、透明基材の屈折率以下
の屈折率を有する媒質を配設するようにしてもよい。こ
のようにすれば、基材/媒質界面では反射量が減少す
る。なお、この場合は、通常、光照射を全反射が起こら
ないような条件で行う。
【0087】上記媒質としては、透明基材がガラス基材
〔屈折率:約1.46(20℃)〕の場合は、水〔屈折
率:約1.34(20℃)〕等が例示できる。
〔屈折率:約1.46(20℃)〕の場合は、水〔屈折
率:約1.34(20℃)〕等が例示できる。
【0088】このような媒質は、例えば予め載置台に設
けておいた凹部に配設することにより使用することがで
きる。
けておいた凹部に配設することにより使用することがで
きる。
【0089】なお、上記の例(図3、図4参照)では、
載置台を用いる場合を説明したが、本発明の装置はこれ
に限定するものではない。例えば、載置台の代わりに、
有機薄膜積層体を側方から把持する把持部材や、有機薄
膜積層体を吊り下げるための部材や、有機薄膜積層体の
4角を支持する棒状支持部材等を用い、再入射光量規制
手段を透過光等の光路に配置した装置等も、本発明に含
まれる。また、本発明の装置は、光照射手段および再入
射光量規制手段が少なくとも一つずつ設置されている必
要があるが、それぞれ複数設置されていても差し支えは
ない。
載置台を用いる場合を説明したが、本発明の装置はこれ
に限定するものではない。例えば、載置台の代わりに、
有機薄膜積層体を側方から把持する把持部材や、有機薄
膜積層体を吊り下げるための部材や、有機薄膜積層体の
4角を支持する棒状支持部材等を用い、再入射光量規制
手段を透過光等の光路に配置した装置等も、本発明に含
まれる。また、本発明の装置は、光照射手段および再入
射光量規制手段が少なくとも一つずつ設置されている必
要があるが、それぞれ複数設置されていても差し支えは
ない。
【0090】上記した機能性有機薄膜の製造方法および
その製造装置は、各種製品の汚染防止膜(撥水膜、撥油
膜)等の製造プロセスに適用できるが、液晶配向膜の製
造プロセスに適用した場合について以下に具体的に説明
する。
その製造装置は、各種製品の汚染防止膜(撥水膜、撥油
膜)等の製造プロセスに適用できるが、液晶配向膜の製
造プロセスに適用した場合について以下に具体的に説明
する。
【0091】まず、上述したと同様の手順にて、有機薄
膜積層体を作製する。例えば、ITO(酸化インジウム
錫)からなる電極等が形成されたガラス基板を、前記化
学吸着液に接触させて、感光性基と化学吸着基〔例えば
前記化学式(1)で表される官能基群から選択される少
なくとも1種の官能基〕とを有する化合物を吸着させ、
有機薄膜を形成する。この化合物がITO表面に吸着で
きるのは、ITO表面には水酸基が存在し、かつ化合物
には活性水素と反応しうる官能基が存在しているからで
ある。この化学吸着により、耐剥離性等に優れた膜の形
成が可能となる。
膜積層体を作製する。例えば、ITO(酸化インジウム
錫)からなる電極等が形成されたガラス基板を、前記化
学吸着液に接触させて、感光性基と化学吸着基〔例えば
前記化学式(1)で表される官能基群から選択される少
なくとも1種の官能基〕とを有する化合物を吸着させ、
有機薄膜を形成する。この化合物がITO表面に吸着で
きるのは、ITO表面には水酸基が存在し、かつ化合物
には活性水素と反応しうる官能基が存在しているからで
ある。この化学吸着により、耐剥離性等に優れた膜の形
成が可能となる。
【0092】つぎに、上記有機薄膜積層体に対して偏光
光照射を行う。この際、照射された偏光は、その一部は
膜中の感光性基同士の光反応に供され、残部は有機薄膜
積層体を透過するか、有機薄膜積層体のいずれかの層で
反射して有機薄膜積層体から出るが、この透過光等は、
前記再入射光量を規制する方法によって、再入射光量が
規制される。そのため、実質的に照射された偏光のみが
光反応に供されることになるので、従来以上に、分子群
の方向が揃った液晶配向膜が得られる。よって、この液
晶配向膜は、液晶分子の配向規制を良好に行うことがで
きる。
光照射を行う。この際、照射された偏光は、その一部は
膜中の感光性基同士の光反応に供され、残部は有機薄膜
積層体を透過するか、有機薄膜積層体のいずれかの層で
反射して有機薄膜積層体から出るが、この透過光等は、
前記再入射光量を規制する方法によって、再入射光量が
規制される。そのため、実質的に照射された偏光のみが
光反応に供されることになるので、従来以上に、分子群
の方向が揃った液晶配向膜が得られる。よって、この液
晶配向膜は、液晶分子の配向規制を良好に行うことがで
きる。
【0093】なお、本発明の液晶配向膜の製造装置は、
上述した機能性有機薄膜の製造装置と同様の構成とする
ことができる。よって、その詳細な説明は省略する。
上述した機能性有機薄膜の製造装置と同様の構成とする
ことができる。よって、その詳細な説明は省略する。
【0094】つぎに、本発明について実施例および比較
例に基づいて説明する。
例に基づいて説明する。
【0095】(実施例1)まず、キシレンとKF96L
(信越化学社製)とを1:9の質量比で混合した混合溶
媒に、下記の化学式(2)で表される化合物(融点:7
5℃)を1質量%となるように溶解して、化学吸着液を
調製した。
(信越化学社製)とを1:9の質量比で混合した混合溶
媒に、下記の化学式(2)で表される化合物(融点:7
5℃)を1質量%となるように溶解して、化学吸着液を
調製した。
【0096】
【化10】
【0097】つぎに、ITOを片面全面に蒸着したガラ
ス基板2枚を、乾燥雰囲気にて化学吸着液中に2時間浸
漬させ、その後NMP(N−メチル−2−ピロリドン)
により充分に洗浄を行い、最後にアセトンリンスを行
い、乾燥雰囲気から出した。つづいて、100℃のオー
ブン中に15分間入れて、ガラス基板上に有機薄膜を形
成した。このようにして、有機薄膜積層体を作製した。
ス基板2枚を、乾燥雰囲気にて化学吸着液中に2時間浸
漬させ、その後NMP(N−メチル−2−ピロリドン)
により充分に洗浄を行い、最後にアセトンリンスを行
い、乾燥雰囲気から出した。つづいて、100℃のオー
ブン中に15分間入れて、ガラス基板上に有機薄膜を形
成した。このようにして、有機薄膜積層体を作製した。
【0098】その後、図3に示す装置を用いて光照射を
行った。具体的には、載置台であるステージ4上に、有
機薄膜2が上側になるようにして有機薄膜積層体3を載
置した後、その有機薄膜積層体3に対して、レンズによ
り平行光とされたUV光6〔水銀キセノンランプ5(2
00W、メイン波長365nm)に由来〕を、MgF2
をコ−トしたAl平面反射鏡7に反射させて、5分間照
射した。なお、ステージ4のガラス基板と接する面に
は、予め光学用黒色塗装を施しておいた。また、密閉室
8の内壁面(全面)は黒色であった。そして、再入射光
の光量は、透過光および反射光の10分の1以下になっ
ていた。なお、図では、ITO蒸着膜を省略して記載し
ている。
行った。具体的には、載置台であるステージ4上に、有
機薄膜2が上側になるようにして有機薄膜積層体3を載
置した後、その有機薄膜積層体3に対して、レンズによ
り平行光とされたUV光6〔水銀キセノンランプ5(2
00W、メイン波長365nm)に由来〕を、MgF2
をコ−トしたAl平面反射鏡7に反射させて、5分間照
射した。なお、ステージ4のガラス基板と接する面に
は、予め光学用黒色塗装を施しておいた。また、密閉室
8の内壁面(全面)は黒色であった。そして、再入射光
の光量は、透過光および反射光の10分の1以下になっ
ていた。なお、図では、ITO蒸着膜を省略して記載し
ている。
【0099】このようにして得られた液晶配向膜付きガ
ラス基板2枚を用い、ギャップ12μmの空セルを作製
した後、ZLI−4792(メルク社製)を真空注入し
て、液晶セルを作製した。そして、この液晶セルについ
て配向評価を行った。
ラス基板2枚を用い、ギャップ12μmの空セルを作製
した後、ZLI−4792(メルク社製)を真空注入し
て、液晶セルを作製した。そして、この液晶セルについ
て配向評価を行った。
【0100】その結果、ディスクリネーションは極めて
少なく、クロスニコル下での黒さも濃く、コントラスト
比は330であり、注入口付近の流動配向もほとんどな
いといった、非常にきれいなホモジニアス配向を示すこ
とを確認した。
少なく、クロスニコル下での黒さも濃く、コントラスト
比は330であり、注入口付近の流動配向もほとんどな
いといった、非常にきれいなホモジニアス配向を示すこ
とを確認した。
【0101】(実施例2)まず、実施例1と同様の方法
で、有機薄膜積層体を作製した。
で、有機薄膜積層体を作製した。
【0102】つぎに、図4に示す装置を用いて液晶配向
膜を製造した。具体的には、載置台であるステージ14
上に、有機薄膜2が上側になるようにして有機薄膜積層
体3を載置した後、その有機薄膜積層体3に対して、レ
ンズにより平行光とされたUV光6〔水銀キセノンラン
プ5(200W、メイン波長365nm)に由来〕を、
MgF2をコ−トしたAl平面反射鏡7に反射させて、
5分間照射した。なお、ステージ14としては、図5に
示すような、空間部15を有するものを用い、図6に示
すように、有機薄膜積層体3をフレーム部16に載せた
状態で光照射を行った。なお、図では、ITO蒸着膜を
省略して記載しており、また図5中の矢印は空間部がス
テージ表面から裏面まで突き抜けていることを示すため
に記載している。このようなステージを用いることによ
って、透過光は、下方側に配設された平面反射鏡(光路
変更手段)9に反射して光路が変わり、有機薄膜積層体
へ再入射しなかった。
膜を製造した。具体的には、載置台であるステージ14
上に、有機薄膜2が上側になるようにして有機薄膜積層
体3を載置した後、その有機薄膜積層体3に対して、レ
ンズにより平行光とされたUV光6〔水銀キセノンラン
プ5(200W、メイン波長365nm)に由来〕を、
MgF2をコ−トしたAl平面反射鏡7に反射させて、
5分間照射した。なお、ステージ14としては、図5に
示すような、空間部15を有するものを用い、図6に示
すように、有機薄膜積層体3をフレーム部16に載せた
状態で光照射を行った。なお、図では、ITO蒸着膜を
省略して記載しており、また図5中の矢印は空間部がス
テージ表面から裏面まで突き抜けていることを示すため
に記載している。このようなステージを用いることによ
って、透過光は、下方側に配設された平面反射鏡(光路
変更手段)9に反射して光路が変わり、有機薄膜積層体
へ再入射しなかった。
【0103】そして、得られた液晶配向膜付きガラス基
板を用い、実施例1と同様な方法で、液晶セルを製造
し、配向評価を行った。
板を用い、実施例1と同様な方法で、液晶セルを製造
し、配向評価を行った。
【0104】その結果、ディスクリネーションは極めて
少なく、クロスニコル下での黒さも濃く、コントラスト
比は365であり、注入口付近の流動配向もほとんどな
いといった、非常にきれいなホモジニアス配向を示すこ
とを確認した。
少なく、クロスニコル下での黒さも濃く、コントラスト
比は365であり、注入口付近の流動配向もほとんどな
いといった、非常にきれいなホモジニアス配向を示すこ
とを確認した。
【0105】(比較例1)ステージの表面に光学用黒色
塗装を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、液
晶配向膜を形成した。なお、ステージ表面で反射して有
機薄膜積層体に再入射した光の光量は、透過光の光量の
10分の1を超えていた。そして、実施例1と同様な方
法で、液晶セルを製造し、配向評価を行った。
塗装を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、液
晶配向膜を形成した。なお、ステージ表面で反射して有
機薄膜積層体に再入射した光の光量は、透過光の光量の
10分の1を超えていた。そして、実施例1と同様な方
法で、液晶セルを製造し、配向評価を行った。
【0106】その結果、ディスクリネーションは少ない
ものの、クロスニコル下での黒さは実施例1および実施
例2に比べ若干薄く、コントラスト比は260であり、
注入口付近の流動配向も僅かに発生していた。なお、こ
れらのことは、透過光の再入射が配向膜形成時に悪影響
を与え、液晶配向性が悪かったことを示している。
ものの、クロスニコル下での黒さは実施例1および実施
例2に比べ若干薄く、コントラスト比は260であり、
注入口付近の流動配向も僅かに発生していた。なお、こ
れらのことは、透過光の再入射が配向膜形成時に悪影響
を与え、液晶配向性が悪かったことを示している。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明の機能性有機薄膜
の製造方法および製造装置によれば、透過光等の再入射
光量を規制して、実質的に照射光のみで有機薄膜中の感
光性基を光反応させるので、従来の露光プロセスで作製
した機能性有機薄膜よりも高性能なものが製造できる。
また、有機薄膜の材料変更等によって機能向上を図るよ
りも、簡便かつ確実に機能向上が行える点で、時間的に
もコスト的にも有利である。
の製造方法および製造装置によれば、透過光等の再入射
光量を規制して、実質的に照射光のみで有機薄膜中の感
光性基を光反応させるので、従来の露光プロセスで作製
した機能性有機薄膜よりも高性能なものが製造できる。
また、有機薄膜の材料変更等によって機能向上を図るよ
りも、簡便かつ確実に機能向上が行える点で、時間的に
もコスト的にも有利である。
【0108】また、本発明の液晶配向膜の製造方法およ
び製造装置によれば、上記と同様、透過光等の再入射光
量を規制して、実質的に照射光のみで有機薄膜中の感光
性基を光反応させるので、従来の液晶配向膜よりも液晶
分子の配向規制を行える液晶配向膜が製造できる。
び製造装置によれば、上記と同様、透過光等の再入射光
量を規制して、実質的に照射光のみで有機薄膜中の感光
性基を光反応させるので、従来の液晶配向膜よりも液晶
分子の配向規制を行える液晶配向膜が製造できる。
【図1】(a)は、有機薄膜が上側にある有機薄膜積層
体の上方(法線方向)から光照射を行った場合の透過光
と反射光を模式的に示す説明図であり、(b)は、有機
薄膜が上側にある有機薄膜積層体の上方(法線からずれ
た方向)から光照射を行った場合の透過光と反射光を模
式的に示す説明図である。
体の上方(法線方向)から光照射を行った場合の透過光
と反射光を模式的に示す説明図であり、(b)は、有機
薄膜が上側にある有機薄膜積層体の上方(法線からずれ
た方向)から光照射を行った場合の透過光と反射光を模
式的に示す説明図である。
【図2】(a)は、有機薄膜が下側にある有機薄膜積層
体の上方(法線方向)から光照射を行った場合の透過光
と反射光を模式的に示す説明図であり、(b)は、有機
薄膜が下側にある有機薄膜積層体の上方(法線からずれ
た方向)から光照射を行った場合の透過光と反射光を模
式的に示す説明図である。
体の上方(法線方向)から光照射を行った場合の透過光
と反射光を模式的に示す説明図であり、(b)は、有機
薄膜が下側にある有機薄膜積層体の上方(法線からずれ
た方向)から光照射を行った場合の透過光と反射光を模
式的に示す説明図である。
【図3】本発明の機能性有機薄膜の製造装置の一例を模
式的に示す説明図である。
式的に示す説明図である。
【図4】本発明の機能性有機薄膜の製造装置の他の例を
模式的に示す説明図である。
模式的に示す説明図である。
【図5】実施例2で用いたステージを模式的に示す説明
図である。
図である。
【図6】上記ステージに有機薄膜積層体を載せた状態を
模式的に示す説明図である。
模式的に示す説明図である。
1 透明基材 2 有機薄膜 3 有機薄膜積層体 4 載置台 5 光源 6 光 7 平面反射鏡 8 密閉室 9 光路変更手段(再入射光量規制手段) 14 載置台 15 空間部 16 フレーム部 20 透過光 21 反射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA05 BA24 BC01 BC05 2H090 HC01 JB02 JB03 MB08 4F040 AA02 CC01 CC20 DA05 DA12 4F042 AA02 BA10 BA22 BA25 4F100 AG00A AH00B AK01A AR00A BA02 DD01 EJ522 GB90 JA11B JM02B JM03B JN01A JN17B
Claims (55)
- 【請求項1】 透明基材上に感光性基を有する有機薄
膜を積層してなる有機薄膜積層体を作製する工程と、 上記有機薄膜積層体に光を照射して、上記有機薄膜に特
定の機能を付与する光照射工程と、を備えた機能性有機
薄膜の製造方法であって、 前記光照射工程において、前記光照射された光のうち有
機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層
体のいずれかの層で反射した光が再び前記有機薄膜積層
体に入射する再入射光量を規制する、ことを特徴とする
機能性有機薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記特定の機能が、有機薄膜を構成す
る分子群の配向秩序に由来する機能である、ことを特徴
とする請求項1記載の機能性有機薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記再入射光量を、有機薄膜積層体を
透過した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの
層で反射した光の光量の10分の1以下にする、ことを
特徴とする請求項1記載の機能性有機薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記再入射光量を規制する方法が、有
機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層
体のいずれかの層で反射した光を吸収する方法である、
ことを特徴とする請求項1記載の機能性有機薄膜の製造
方法。 - 【請求項5】 前記再入射光量を規制する方法が、有
機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層
体のいずれかの層で反射した光を乱反射させる方法であ
る、ことを特徴とする請求項1記載の機能性有機薄膜の
製造方法。 - 【請求項6】 前記再入射光量を規制する方法が、有
機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層
体のいずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射さ
せない方法である、ことを特徴とする請求項1記載の機
能性有機薄膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記光照射は、偏光光照射である、こ
とを特徴とする請求項1記載の機能性有機薄膜の製造方
法。 - 【請求項8】 前記有機薄膜は、感光性基と下記の化
学式(1)で表される官能基群から選択される少なくと
も1種の官能基とを有する化合物を用いて形成されたも
のである、ことを特徴とする請求項1記載の機能性有機
薄膜の製造方法。 【化1】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕 - 【請求項9】 前記有機薄膜は、透明基材上に結合さ
れた単分子膜である、ことを特徴とする請求項1記載の
機能性有機薄膜の製造方法。 - 【請求項10】 前記透明基材は、ガラス基材または
樹脂基材である、ことを特徴とする請求項1記載の機能
性有機薄膜の製造方法。 - 【請求項11】 透明基材上に結合された分子群から
なる機能性有機薄膜であって、 上記機能性有機薄膜は、感光性基を有する分子群からな
る有機薄膜が透明基材上に積層されてなる有機薄膜積層
体に対して光を照射して有機薄膜に特定の機能を付与す
る際に、その照射された光のうち有機薄膜積層体を透過
した光または/および有機薄膜積層体のいずれかの層で
反射した光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入射
光量を規制することにより得られたものである、ことを
特徴とする機能性有機薄膜。 - 【請求項12】 前記特定の機能が、有機薄膜を構成
する分子群の配向秩序に由来する機能である、ことを特
徴とする請求項11記載の機能性有機薄膜。 - 【請求項13】 感光性基を有する有機薄膜が透明基
材上に積層されてなる有機薄膜積層体に光照射して、上
記有機薄膜に特定の機能を付与する光照射手段と、 前記光照射された光のうち有機薄膜積層体を透過した光
または/および有機薄膜積層体のいずれかの層で反射し
た光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光量を
規制する再入射光量規制手段と、を有する機能性有機薄
膜の製造装置。 - 【請求項14】 前記特定の機能が、有機薄膜を構成
する分子群の配向秩序に由来する機能である、ことを特
徴とする請求項13記載の機能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項15】 前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を吸収する手段である、こと
を特徴とする請求項13記載の機能性有機薄膜の製造装
置。 - 【請求項16】 前記吸収する手段が、黒色面を有す
るものである、ことを特徴とする請求項15記載の機能
性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項17】 前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を乱反射させる手段である、
ことを特徴とする請求項13記載の機能性有機薄膜の製
造装置。 - 【請求項18】 前記乱反射させる手段が、凹凸面を
有するものである、ことを特徴とする請求項17記載の
機能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項19】 前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射させな
い手段である、ことを特徴とする請求項13記載の機能
性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項20】 前記光路を変更し再入射させない手
段が、反射鏡である、ことを特徴とする請求項19記載
の機能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項21】 請求項13記載の機能性有機薄膜の
製造装置において、 前記製造装置は、光が通過できるように一部または全部
が透明になっている載置台を有しており、 前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過した光の
光路に配置されている、ことを特徴とする機能性有機薄
膜の製造装置。 - 【請求項22】 請求項13記載の機能性有機薄膜の
製造装置において、 前記製造装置は、光が通過できるように一部が空間にな
っている載置台を有しており、 前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過した光の
光路に配置されている、ことを特徴とする機能性有機薄
膜の製造装置。 - 【請求項23】 請求項13記載の機能性有機薄膜の
製造装置において、 前記製造装置は、有機薄膜積層体に対して光照射を行う
ための密閉室を有しており、 上記密閉室の内壁面のうち、少なくとも、有機薄膜積層
体に照射された光の透過光または/および反射光が到達
する面が、光を吸収する面になっている、ことを特徴と
する機能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項24】 請求項13記載の機能性有機薄膜の
製造装置において、 前記製造装置は、有機薄膜積層体に対して光照射を行う
ための密閉室を有しており、 上記密閉室の内壁面のうち、少なくとも、有機薄膜積層
体に照射された光の透過光または/および反射光が到達
する面が、光を乱反射させる面になっている、ことを特
徴とする機能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項25】 請求項13記載の機能性有機薄膜の
製造装置において、 前記製造装置は、前記有機薄膜積層体の透明基材側に、
その透明基材の屈折率以下の屈折率を有する媒質によっ
て反射光を規制する手段を有する、ことを特徴とする機
能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項26】 前記光照射は、偏光光照射である、
ことを特徴とする請求項13記載の機能性有機薄膜の製
造装置。 - 【請求項27】 前記有機薄膜は、感光性基と下記の
化学式(1)で表される官能基群から選択される少なく
とも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成された
ものである、ことを特徴とする請求項13記載の機能性
有機薄膜の製造装置。 【化2】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕 - 【請求項28】 前記有機薄膜は、透明基材上に結合
された単分子膜である、ことを特徴とする請求項13記
載の機能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項29】 前記透明基材は、ガラス基材または
樹脂基材である、ことを特徴とする請求項13記載の機
能性有機薄膜の製造装置。 - 【請求項30】 透明基板上に結合された分子群から
なる液晶配向膜の製造方法であって、 上記透明基板上に感光性基を有する分子群からなる有機
薄膜を積層してなる有機薄膜積層体を作製する工程と、 上記有機薄膜積層体に光を照射して、上記分子群に配向
秩序をもたせて液晶分子を配向規制する機能を有機薄膜
に付与する光照射工程とを備え、 前記光照射工程において、前記光照射された光のうち有
機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層
体のいずれかの層で反射した光が再び前記有機薄膜積層
体に入射する再入射光量を規制する、ことを特徴とする
液晶配向膜の製造方法。 - 【請求項31】 前記再入射光量を、有機薄膜積層体
を透過した光または/および有機薄膜積層体のいずれか
の層で反射した光の光量の10分の1以下にする、こと
を特徴とする請求項30記載の液晶配向膜の製造方法。 - 【請求項32】 前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を吸収する方法であ
る、ことを特徴とする請求項30記載の液晶配向膜の製
造方法。 - 【請求項33】 前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光を乱反射させる方法で
ある、ことを特徴とする請求項30記載の液晶配向膜の
製造方法。 - 【請求項34】 前記再入射光量を規制する方法が、
有機薄膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積
層体のいずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射
させない方法である、ことを特徴とする請求項30記載
の液晶配向膜の製造方法。 - 【請求項35】 前記光照射は、偏光光照射である、
ことを特徴とする請求項30記載の液晶配向膜の製造方
法。 - 【請求項36】 前記有機薄膜は、感光性基と下記の
化学式(1)で表される官能基群から選択される少なく
とも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成された
ものである、ことを特徴とする請求項30記載の液晶配
向膜の製造方法。 【化3】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕 - 【請求項37】 前記有機薄膜は、透明基板上に結合
された単分子膜である、ことを特徴とする請求項30記
載の液晶配向膜の製造方法。 - 【請求項38】 前記透明基板は、ガラス基板または
樹脂基板である、ことを特徴とする請求項30記載の液
晶配向膜の製造方法。 - 【請求項39】 透明基板上に結合された分子群から
なる液晶配向膜であって、 上記液晶配向膜は、感光性基を有する分子群からなる有
機薄膜が透明基板上に積層されてなる有機薄膜積層体に
対して光を照射して上記分子群に配向秩序をもたせて液
晶分子を配向規制する機能を有機薄膜に付与する際に、
その照射された光のうち有機薄膜積層体を透過した光ま
たは/および有機薄膜積層体のいずれかの層で反射した
光が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光量を規
制することにより得られたものである、ことを特徴とす
る液晶配向膜。 - 【請求項40】 透明基板上に結合された分子群から
なる液晶配向膜の製造装置であって、 感光性基を有する分子群からなる有機薄膜が透明基板上
に積層されてなる有機薄膜積層体に光照射して、上記分
子群に配向秩序をもたせて液晶分子を配向規制する機能
を有機薄膜に付与する光照射手段と、 前記光照射された光のうち有機薄膜積層体を透過した光
が再び前記有機薄膜積層体に入射する再入射光量を規制
する再入射光量規制手段と、を有することを特徴とする
液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項41】 前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を吸収する手段である、こと
を特徴とする請求項40記載の液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項42】 前記吸収する手段が、黒色面を有す
るものである、ことを特徴とする請求項41記載の液晶
配向膜の製造装置。 - 【請求項43】 前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光を乱反射させる手段である、
ことを特徴とする請求項40記載の液晶配向膜の製造装
置。 - 【請求項44】 前記乱反射させる手段が、凹凸面を
有するものである、ことを特徴とする請求項43記載の
液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項45】 前記再入射光量規制手段が、有機薄
膜積層体を透過した光または/および有機薄膜積層体の
いずれかの層で反射した光の光路を変更し再入射させな
い手段である、ことを特徴とする請求項40記載の液晶
配向膜の製造装置。 - 【請求項46】 前記光路を変更し再入射させない手
段が、反射鏡である、ことを特徴とする請求項45記載
の液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項47】 請求項40記載の液晶配向膜の製造
装置において、 前記製造装置は、光が通過できるように一部または全部
が透明になっている載置台を有しており、 前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過した光の
光路に配置されている、ことを特徴とする液晶配向膜の
製造装置。 - 【請求項48】 請求項40記載の液晶配向膜の製造
装置において、 前記製造装置は、光が通過できるように一部が空間にな
っている載置台を有しており、 前記再入射光量規制手段が、上記載置台を通過した光の
光路に配置されている、ことを特徴とする液晶配向膜の
製造装置。 - 【請求項49】 請求項40記載の液晶配向膜の製造
装置において、 前記製造装置は、有機薄膜積層体に対して光照射を行う
ための密閉室を有しており、 上記密閉室の内壁面のうち、少なくとも、前記有機薄膜
積層体に照射された光の透過光または/および反射光が
到達する面が、光を吸収する面になっている、ことを特
徴とする液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項50】 請求項40記載の液晶配向膜の製造
装置において、 前記製造装置は、有機薄膜積層体に対して光照射を行う
ための密閉室を有しており、 上記密閉室の内壁面のうち、少なくとも、前記有機薄膜
積層体に照射された光の透過光または/および反射光が
到達する面が、光を乱反射させる面になっている、こと
を特徴とする液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項51】 請求項40記載の液晶配向膜の製造
装置において、 前記製造装置は、前記有機薄膜積層体の透明基板側に、
その透明基板の屈折率以下の屈折率を有する媒質によっ
て反射光を規制する手段を有する、ことを特徴とする液
晶配向膜の製造装置。 - 【請求項52】 前記光照射は、偏光光照射である、
ことを特徴とする請求項40記載の液晶配向膜の製造装
置。 - 【請求項53】 前記有機薄膜は、感光性基と下記の
化学式(1)で表される官能基群から選択される少なく
とも1種の官能基とを有する化合物を用いて形成された
ものである、ことを特徴とする請求項40記載の液晶配
向膜の製造装置。 【化4】 〔式(1)中、Aは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チ
タンおよびジルコニウムからなる群から選択される1種
の原子である。また、Xは、ハロゲン、アルコキシル基
およびイソシアネート基から選択される少なくとも1種
の官能基である。〕 - 【請求項54】 前記有機薄膜は、透明基板上に結合
された単分子膜である、ことを特徴とする請求項40記
載の液晶配向膜の製造装置。 - 【請求項55】 前記透明基板は、ガラス基板または
樹脂基板である、ことを特徴とする請求項40記載の液
晶配向膜の製造装置。
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---|---|---|---|
JP2000226599A JP2002040251A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 機能性有機薄膜、その製造方法およびその製造装置、ならびに液晶配向膜、その製造方法およびその製造装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005062512A (ja) * | 2003-08-13 | 2005-03-10 | Sony Corp | 液晶表示装置およびその製造方法 |
JP2016066023A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-04-28 | 東芝ライテック株式会社 | 紫外線照射装置 |
US20220004103A1 (en) * | 2018-11-16 | 2022-01-06 | Lam Research Corporation | Bubble defect reduction |
-
2000
- 2000-07-27 JP JP2000226599A patent/JP2002040251A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005062512A (ja) * | 2003-08-13 | 2005-03-10 | Sony Corp | 液晶表示装置およびその製造方法 |
JP2016066023A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-04-28 | 東芝ライテック株式会社 | 紫外線照射装置 |
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