JP2002039363A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JP2002039363A
JP2002039363A JP2000219420A JP2000219420A JP2002039363A JP 2002039363 A JP2002039363 A JP 2002039363A JP 2000219420 A JP2000219420 A JP 2000219420A JP 2000219420 A JP2000219420 A JP 2000219420A JP 2002039363 A JP2002039363 A JP 2002039363A
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brake
switching
gear
hydraulic
engagement device
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Masato Kaikawa
正人 甲斐川
Noritaka Takebayashi
紀貴 竹林
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ブレーキB3を解放するとともにブレー
キB1を係合させて第2速ギヤ段からエンジンブレーキ
が作用する第3速ギヤ段へ変速する際に、B2リリース
コントロールバルブ72を第2位置(図の右側位置)に
保持した状態で、リニアソレノイド弁74のデューティ
制御でブレーキB3の係合油圧PB3を低減させ、その係
合油圧PB3が所定値以下になったらB2リリースコント
ロールバルブ72を第1位置(図の左側位置)へ切り換
え、ブレーキB1に作動油を供給して係合させることに
より、エンジンブレーキが作用するようにした。 【効果】 B2リリースコントロールバルブ72を第1
位置へ切り換えると、B3コントロールバルブ70によ
る油圧制御のゲインが大きくなって油圧PB3が高くなる
が、その油圧PB3の上昇でブレーキB3が再係合するこ
とを回避しつつ、ブレーキB1をできるだけ早く係合さ
せてエンジンブレーキを速やかに作用させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用自動変速機の
制御装置に係り、特に、油圧制御弁装置による油圧制御
のゲインを切り換えるとともに所定の摩擦係合装置に対
する作動油の給排を切り換える共通の切換弁装置を有す
る車両用自動変速機の制御装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】摩擦係合装置の係合、解放状態によって
変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる自動変速
機が知られている。特開平6−346961号公報に記
載されている装置はその一例で、実質的に図1に示すよ
うに構成されており(ブレーキB2の位置が異なるだ
け)、摩擦係合装置としてのクラッチC0〜C2、およ
びブレーキB0〜B4の係合、解放状態が例えば図2に
示すように切り換えられることにより、前進5段および
後進2段のギヤ段が成立させられる。それ等の摩擦係合
装置の係合、解放状態は、シフトレバーによって機械的
に切り換えられるマニュアルシフトバルブや電気的にO
N、OFFされるソレノイドSL1〜SL4により油圧
制御回路が切り換えられることによって変更される。
【0003】図6は、未だ公知ではないが、上記図1の
自動変速機に好適に用いられる油圧制御回路の一部で、
B3コントロールバルブ70は、リニアソレノイド弁7
4からの信号油圧PSLU に従ってブレーキB3の油圧P
B3を制御するもので、ブレーキB3は、第2速ギヤ段
「2nd」で係合させられるとともに第3速ギヤ段「3
rd」で解放される。また、B2リリースコントロール
バルブ72は、ソレノイドSL3を有する第3電磁弁5
4によって切り換えられるようになっており、ソレノイ
ドSL3がONの第1位置(図6の左側の状態)では、
前記B3コントロールバルブ70による油圧制御が大ゲ
インになって油圧PB3が高くなるとともにブレーキB1
に作動油を供給して係合させる一方、ソレノイドSL3
がOFFの第2位置(図6の右側の状態)では、B3コ
ントロールバルブ70による油圧制御が小ゲインになっ
て油圧PB3が低くなるとともにブレーキB1の作動油を
排出して解放する。ブレーキB1は、第3速ギヤ段「3
rd」において動力源ブレーキを作用させる際に係合さ
せられるものである。
【0004】「動力源ブレーキ」は、パワーOFF時に
動力源の回転抵抗、例えばエンジンのポンプ作用やフリ
クションなどにより、車両に制動力が発生することで、
車両の走行速度に応じて動力源が回転駆動される状態で
ある。「パワーOFF」は、エンジン等の動力源から車
輪側へ駆動力が伝達されない状態で、運転者の要求出力
が無いアクセルOFF、すなわちアクセルペダル等のア
クセル操作部材が操作されていない場合は勿論、車速に
比べてアクセル操作部材の操作量が少なくて車輪側へ駆
動力が伝達されない場合も含む。
【0005】そして、第2速ギヤ段「2nd」から動力
源ブレーキが作用する第3速ギヤ段「3rd」へ切り換
える場合、ソレノイドSL3をOFFにしてB2リリー
スコントロールバルブ72を第2位置に保持した状態、
すなわちブレーキB1を解放した状態で、先ずブレーキ
B3を解放するとともにブレーキB2を係合させ、動力
源ブレーキが作用しない第3速ギヤ段「3rd」を成立
させ、変速終了後、具体的には自動変速機の入力回転速
度(タービン回転速度NT など)が3速同期回転速度に
略到達した時点で、ソレノイドSL3をONにしてB2
リリースコントロールバルブ72を第1位置に切り換
え、ブレーキB1に作動油を供給して係合させることに
より、動力源ブレーキが作用するようにしていた。ブレ
ーキB3の油圧PB3は、変速ショックやエンジンの吹上
りなどを防止するためにリニアソレノイド弁74のデュ
ーティ制御などにより所定の変化パターンに従って漸減
制御されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに2→3変速終了後にブレーキB1に作動油を供給し
て係合させると、パワーOFF時に動力源ブレーキの効
きが遅れ、空走感を生じさせることがある。B2リリー
スコントロールバルブ72の切り換えタイミングを早く
すれば、ブレーキB1の係合が早くなって動力源ブレー
キが速やかに効くようになるが、B2リリースコントロ
ールバルブ72の切換えに伴ってB3コントロールバル
ブ70の油圧制御のゲインが大きくなるため、油圧PB3
が高くなり、ブレーキB3が再係合して変速ショックが
悪化する可能性がある。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、変速時に解放される
摩擦係合装置の油圧制御のゲインを切り換えるとともに
変速後のギヤ段で動力源ブレーキを作用させる摩擦係合
装置の係合、解放を切り換える共通の切換弁装置を有す
る自動変速機において、変速ショックの悪化を回避しつ
つ動力源ブレーキが速やかに効くようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) Aギヤ段で係合させられ、Bギ
ヤ段で解放される油圧式の第1摩擦係合装置と、(b) 前
記Bギヤ段において動力源ブレーキを作用させる際に係
合させられる油圧式の第2摩擦係合装置と、(c) 前記第
1摩擦係合装置の油圧を制御する油圧制御弁装置と、
(d) その油圧制御弁装置による前記第1摩擦係合装置の
油圧制御のゲインを切り換えるとともに、その第1摩擦
係合装置の油圧が高くなるゲインの第1位置で前記第2
摩擦係合装置を係合させるように油路を切り換える一
方、その第1摩擦係合装置の油圧が低くなるゲインの第
2位置でその第2摩擦係合装置を解放するように油路を
切り換える切換弁装置と、を有する車両用自動変速機の
制御装置において、(e) 前記Aギヤ段から前記動力源ブ
レーキが作用する前記Bギヤ段へ切り換える際に、前記
切換弁装置を前記第2位置に保持して、前記油圧制御弁
装置により前記第1摩擦係合装置の油圧を低下させる油
圧低減手段と、(f) 前記切換弁装置が前記第1位置に切
り換えられ、前記油圧制御弁装置による前記第1摩擦係
合装置の油圧制御のゲインが切り換えられてその油圧が
高くなってもその第1摩擦係合装置が再係合しないよう
に、その第1摩擦係合装置の油圧に関して予め定められ
た切換条件を満足するか否かを判断する切換判断手段
と、(g) その切換判断手段によって前記切換条件を満足
する旨の切換判断が為された場合に、前記切換弁装置を
前記第2位置から前記第1位置へ切り換えて前記第2摩
擦係合装置を係合させる切換実行手段と、を有すること
を特徴とする。
【0009】第2発明は、第1発明の車両用自動変速機
の制御装置において、(a) 前記切換判断手段は、前記油
圧制御弁装置に対する指令値が所定の切換条件を満足す
るか否かを判断するもので、(b) 前記切換実行手段は、
前記指令値に対する実際の油圧変化の応答遅れを考慮し
て、前記切換判断手段の切換判断時から所定時間後に前
記切換弁装置を切り換えるようになっていることを特徴
とする。
【0010】
【発明の効果】このような車両用自動変速機の制御装置
においては、Aギヤ段から動力源ブレーキが作用するB
ギヤ段への変速時に、切換弁装置を第2位置に保持して
第2摩擦係合装置を解放した状態で、油圧制御弁装置に
より第1摩擦係合装置の油圧を低下させるとともに、切
換弁装置が第1位置に切り換えられて油圧制御弁装置に
よる油圧制御のゲインが切り換えられても第1摩擦係合
装置が再係合しない所定の切換条件を満足するようにな
ったら、切換弁装置を第2位置から第1位置へ切り換え
て第2摩擦係合装置を係合させるため、第1摩擦係合装
置が再係合して変速ショックが悪化することを回避しつ
つ第2摩擦係合装置をできるだけ早く係合させて動力源
ブレーキを速やかに作用させることができるようにな
る。これにより、パワーOFF時のA→B変速時に、動
力源ブレーキの効きが遅れて空走感を生じさせることが
防止される。
【0011】第2発明では、油圧制御弁装置に対する指
令値に基づいて切換条件を満足するか否かの判断が行わ
れるため、実際の油圧を検出して判断する場合に比較し
て、第1摩擦係合装置が再係合して変速ショックが悪化
することを回避しつつ第2摩擦係合装置を一層速やかに
係合させて動力源ブレーキを作用させることができる。
切換実行手段は、指令値に対する実際の油圧変化の応答
遅れを考慮して所定時間後に切換弁装置を切り換えるよ
うになっているため、油圧変化の応答遅れに起因して第
1摩擦係合装置が再係合して変速ショックが悪化するこ
とを確実に防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の自動変速機は、例えば複
数の遊星歯車装置と、その遊星歯車装置の複数の回転メ
ンバを相互に連結したりハウジングに固定したりする油
圧式のクラッチやブレーキ等の摩擦係合装置とを有し、
その摩擦係合装置の係合、解放の組み合わせにより変速
比が異なる複数のギヤ段が成立させられるように構成さ
れる。自動変速機の変速は、車速やアクセル操作量等に
基づいて自動的に変速判断が行われて変速指令が出され
るものでも良いが、運転者のシフトレバー操作やスイッ
チ操作に従って変速指令が出されるものでも良い。
【0013】車両の動力源としては、燃料の燃焼で作動
するエンジンや電気エネルギーで作動する電動モータな
ど種々の動力源が用いられ得る。動力源の出力は、例え
ばアクセル操作部材の操作量(アクセル操作量)に従っ
て電気的に制御されるものでも良いが、アクセル操作部
材に機械的に連結されて直接制御されるものでも良い。
アクセル操作部材は、運転者が出力要求量に応じて操作
するもので、アクセルペダルなどである。
【0014】油圧式の第1摩擦係合装置、第2摩擦係合
装置は、単板式、多板式、バンド式等のクラッチやブレ
ーキで、第1摩擦係合装置は、作動油が供給されること
により、その油圧に応じて摩擦係合させられる。第2摩
擦係合装置は、Bギヤ段において動力源ブレーキを作用
させる際に係合させられるものであり、Bギヤ段を成立
させる際には、例えば第2摩擦係合装置とは別に一方向
クラッチを介して動力伝達経路(反力要素を含む)に配
設された第3摩擦係合装置が係合させられるようになっ
ているのが普通で、一方向クラッチにより動力源側への
動力伝達が遮断されて動力源ブレーキが不能にされると
ともに、第2摩擦係合装置は一方向クラッチと並列に配
設されて動力源ブレーキが得られるようにする。
【0015】切換弁装置は、例えば、前記油圧制御弁装
置による前記第1摩擦係合装置の油圧制御のゲインを切
り換えるとともに、該第1摩擦係合装置の油圧が高くな
るゲインの第1位置で前記第2摩擦係合装置に作動油を
供給して係合させる一方、該第1摩擦係合装置の油圧が
低くなるゲインの第2位置で該第2摩擦係合装置の作動
油を排出して解放するように構成されるが、第2摩擦係
合装置として、スプリングなどの付勢手段によって係合
させられるとともに油圧によって解放されるものを採用
することも可能で、その場合は係合、解放時の作動油の
給排が油圧で係合させる場合に比較して逆になる。
【0016】Aギヤ段およびBギヤ段は、通常は連続す
るギヤ段であるが、飛越し変速が行われる場合のギヤ段
であっても良い。また、A→B変速は、変速比が小さく
なるアップシフトであっても良いし、変速比が大きくな
るダウンシフトであっても良い。
【0017】油圧制御弁装置は、例えば励磁電流のデュ
ーティ制御で信号油圧を連続的に変化させることができ
るリニアソレノイド弁などを含んで構成され、切換弁装
置は、例えばソレノイドのON(励磁)、OFF(非励
磁)によって開閉される電磁弁などを含んで構成され
る。
【0018】第1摩擦係合装置の油圧を低下させる油圧
低減手段は、変速ショックやエンジンの吹上りなどを防
止するために、例えば油圧制御弁装置の励磁電流のデュ
ーティ制御などによりパワーON、パワーOFFに応じ
てそれぞれ予め設定された所定の変化パターンに従って
油圧を低減するように構成することが望ましい。
【0019】切換判断手段は、例えば第2発明のように
油圧制御弁装置に対する指令値が所定の切換条件を満足
するか否か、例えば指令値が予め定められた所定値以下
または所定値以上になったか否か、によって判断するよ
うに構成されるが、第1摩擦係合装置の実際の油圧を検
出する油圧センサを設け、その油圧が所定値以下になっ
たか否かによって判断するようにしても良い。油圧シリ
ンダのピストンストロークなど、油圧に関連して変化す
る他の物理量の変化で判断することもできる。
【0020】第2発明では、切換判断手段の切換判断時
から所定時間後に切換弁装置を切り換えるようになって
いるが、実際の油圧やピストンストロークで判断する場
合等には、切換判断に従って直ちに切換弁装置を切り換
えるようにしても良い。
【0021】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明が適用された車両の動
力伝達装置の構成を説明する骨子図である。図におい
て、自動車用の燃料噴射式内燃機関などの原動機である
エンジン10の出力は、トルクコンバータ12を介して
自動変速機14に入力され、図示しない差動歯車装置お
よび車軸を介して左右の駆動輪へ伝達されるようになっ
ている。エンジン10は動力源に相当する。
【0022】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ28とを備えている。
【0023】上記自動変速機14は、ハイ(HI)およ
びロー(LO)の2段の切り換えを行う第1変速機30
と、後進ギヤ段および前進4段の切り換えが可能な第2
変速機32を備えている。第1変速機30は、サンギヤ
S0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能
に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0
に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯
車装置34と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設
けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サ
ンギヤS0およびハウジング41間に設けられたブレー
キB0とを備えている。そして、キャリアK0が前記入
力軸20に連結され、リングギヤR0が中間軸44を介
して第2変速機32に連結されるようになっている。
【0024】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0025】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキ
ャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0026】キャリアK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0027】上記クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜
B4は、それぞれ油圧シリンダに作動油が供給されるこ
とにより、その油圧に基づいて摩擦材が摩擦係合させら
れる多板式、単板式、バンド式等の摩擦係合装置で、油
圧制御回路184(図3参照)によって例えば図2に示
す作動表に従って係合、解放状態が切り換えられること
により、後進2段「Rev(LO)」、「Rev(H
I)」、および変速比が順次異なる前進5段「1st」
〜「5th」のギヤ段や、P(パーキング)、N(ニュ
ートラル:動力伝達遮断状態)が成立させられる。図2
において、ソレノイドSL1〜SL4の欄の「○」は励
磁、「×」は非励磁を示し、それ等のソレノイドSL1
〜SL4の励磁、非励磁、および図示しないマニュアル
シフトバルブによって油圧回路が切り換えられることに
より、上記各ギヤ段やP、Nが成立させられる。また、
クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B4、一方向クラ
ッチF0〜F2の欄の「○」は係合状態、「×」は解放
状態を示している。マニュアルシフトバルブは、シフト
レバー172(図3参照)の操作位置(シフトポジショ
ン)に応じて機械的に切り換えられるようになってお
り、シフトレバー172は、例えば図8に示すシフトパ
ターンに従って各シフトポジション「P」、「R」、
「N」、「D」、「4」、「3」、「2」、「L」へ操
作されるようになっている。
【0028】図2において、第1速ギヤ段「1st」で
は、ブレーキB4が係合させられることにより動力源ブ
レーキであるエンジンブレーキが作用するようになり、
第3速ギヤ段「3rd」では、ブレーキB1が係合させ
られることによりエンジンブレーキが作用するようにな
る。第2速ギヤ段「2nd」では、ブレーキB3の係合
油圧がリニアソレノイド弁SLUによって調圧制御され
ることにより、エンジンブレーキの有無が制御される。
また、シフトレバー172が「D」ポジションへ操作さ
れると、1st〜5th(1st〜3rdはエンジンブ
レーキ無)の5速で変速制御が行われ、「4」ポジショ
ンでは1st〜4th(1st〜3rdはエンジンブレ
ーキ無)の4速で変速制御が行われ、「3」ポジション
では1st〜3rd(3rdのみエンジンブレーキ有)
の3速で変速制御が行われ、「2」ポジションでは1s
tおよび2nd(エンジンブレーキ有)の2速で変速制
御が行われ、「L」ポジションでは1st(エンジンブ
レーキ有)に固定される。「R」ポジションでは、後進
ギヤ段「Rev(HI)」が成立させられ、一定の条件
下で変速比が大きい「Rev(LO)」が成立させられ
る。
【0029】油圧制御回路184は図4、図6に示す回
路を備えている。図4は、前記クラッチC0およびブレ
ーキB0の係合、解放状態を切り換える部分で、シフト
レバー172が「D」ポジションへ操作された場合であ
り、4−5シフトバルブ50およびC0エキゾーストバ
ルブ52を備えている。4−5シフトバルブ50は、ソ
レノイドSL3によって開閉される第3電磁弁54から
信号油圧が供給されることによって切り換えられるよう
になっており、ソレノイドSL3が励磁(ON)される
と、信号油圧の出力が停止して4−5シフトバルブ50
は図の右側の状態になる一方、ソレノイドSL3が非励
磁(OFF)になると、信号油圧が供給されて図の左側
の状態になる。第3電磁弁54からは、3−4シフトバ
ルブ56を経て4th、5th、N、およびRの場合だ
け信号油圧の供給が許容される。また、C0エキゾース
トバルブ52は、ソレノイドSL4によって開閉される
第4電磁弁58から信号油圧が供給されることによって
切り換えられるようになっており、ソレノイドSL4が
励磁(ON)されると、信号油圧が供給されてC0エキ
ゾーストバルブ52は図の左側の状態になる一方、ソレ
ノイドSL4が非励磁(OFF)になると、信号油圧の
供給が停止して図の右側の状態になる。なお、図中の
「PL」は、エンジン10のスロットル弁開度θTHなど
に応じて調圧されるライン油圧で、「EX」はドレーン
を意味している。
【0030】そして、「D」ポジションの第4速ギヤ段
「4th」または第5速ギヤ段「5th」では、ソレノ
イドSL3、SL4のON、OFFの組合せによりクラ
ッチC0およびブレーキB0は図5のようになり、ソレ
ノイドSL4がOFFでソレノイドSL3がONの場合
は、クラッチC0に作動油がアプライ(供給)されると
ともにブレーキB0から作動油がドレーン(排出)され
て、第4速ギヤ段「4th」が成立させられる。ソレノ
イドSL4がONでソレノイドSL3がOFFの場合
は、クラッチC0から作動油がドレーンされるとともに
ブレーキB0に作動油がアプライされて、第5速ギヤ段
「5th」が成立させられる。また、5→4変速時にソ
レノイドSL3がONになると、ブレーキB0から4−
5シフトバルブ50を経て作動油がドレーンされるが、
その時にソレノイドSL4を励磁(ON)すると油路6
0のみからドレーンされる小ドレーン状態になり、ソレ
ノイドSL4を非励磁(OFF)にすると、ブレーキB
0の作動油が油路62からもC0エキゾーストバルブ5
2および4−5シフトバルブ50を経てドレーンされる
大ドレーン状態になる。
【0031】図6は、前記ブレーキB3の油圧を制御し
たり、クラッチC2、ブレーキB2の作動油のドレーン
状態を切り換えたり、ブレーキB1の係合、解放状態を
切り換えたりする部分で、B3コントロールバルブ70
およびB2リリースコントロールバルブ72を備えてい
る。B3コントロールバルブ70には、リニアソレノイ
ドSLUによって出力油圧が連続的に制御されるリニア
ソレノイド弁74から信号油圧PSLU が供給されるよう
になっており、その信号油圧PSLU に応じてブレーキB
3の係合油圧PB3が連続的に制御される。このB3コン
トロールバルブ70は、受圧面積差により信号油圧P
SLU に対してブレーキB3の係合油圧PB3を所定のゲイ
ンで増圧して制御するものであるが、上記B2リリース
コントロールバルブ72から油路76を経て信号油圧P
SLU が供給されると、油圧が逆方向に作用してゲインが
低減され、ブレーキB3の係合油圧PB3が低くなる。
【0032】B2リリースコントロールバルブ72は、
前記第3電磁弁54から信号油圧が供給されることによ
って切り換えられるようになっており、ソレノイドSL
3が励磁(ON)されると、信号油圧の出力が停止して
B2リリースコントロールバルブ72は図の左側の状態
(第1位置)になる一方、ソレノイドSL3が非励磁
(OFF)になると、信号油圧が供給されて図の右側の
状態(第2位置)になる。第3電磁弁54からは、3−
4シフトバルブ56を経て1st、2nd、および3r
d時だけ信号油圧の供給が許容される。そして、ソレノ
イドSL3のON、OFFにより、図7に示すように前
記B3コントロールバルブ70によるブレーキB3の油
圧制御のゲインが切り換えられるとともに、クラッチC
2、ブレーキB2の作動油のドレーン状態、およびブレ
ーキB1に対する作動油のアプライ、ドレーン状態がそ
れぞれ切り換えられる。
【0033】すなわち、ソレノイドSL3をOFFにす
ると、前記リニアソレノイド弁74の信号油圧PSLU
B2リリースコントロールバルブ72から油路76を経
てB3コントロールバルブ70へ供給されるようにな
り、B3コントロールバルブ70によるブレーキB3の
油圧制御のゲインが小さくなる。一方、ソレノイドSL
3をONにすると、クラッチC2、ブレーキB2の作動
油がそれぞれB2リリースコントロールバルブ72を介
して油路78、80からもドレーンされる大ドレーンが
可能になるとともに、ライン油圧PLがB2リリースコ
ントロールバルブ72を経てブレーキB1へアプライさ
れるようになる。ライン油圧PLは、図示しない2−3
シフトバルブを経て第3速ギヤ段「3rd」以上でB2
リリースコントロールバルブ72に供給されるととも
に、3−4シフトバルブ56を経て第3速ギヤ段「3r
d」以下でブレーキB1への供給が許容されるようにな
っており、結局第3速ギヤ段「3rd」の時だけブレー
キB1への作動油のアプライが許容される。また、ソレ
ノイドSL3がOFFになってB2リリースコントロー
ルバルブ72が第2位置へ切り換えられると、ブレーキ
B1の作動油はB2リリースコントロールバルブ72を
経てドレーンされる。ソレノイドSL3がOFFになる
と、上記油路78、80も遮断され、クラッチC2、ブ
レーキB2はそれぞれ油路82、84からの小ドレーン
のみが許容される。なお、クラッチC2、ブレーキB2
に対する作動油のアプライ、ドレーンは、別の切換弁に
よって切り換えられる。
【0034】図3は制御系統を示す図で、アクセルペダ
ル150の操作量ACCがアクセル操作量センサ151に
より検出されるようになっている。アクセルペダル15
0は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作
されるもので、アクセル操作部材に相当する。車両のエ
ンジン10の吸気配管には、スロットルアクチュエータ
154によってアクセルペダル150の操作量ACCに応
じた開き角(開度)θ THとされるスロットル弁156が
設けられている。また、アイドル回転制御のために上記
スロットル弁156をバイパスさせるバイパス通路15
2には、エンジン10のアイドル回転を制御するために
スロットル弁156全閉時の吸気量を制御するISC弁
153が設けられている。この他、エンジン10の回転
速度NEを検出するためのエンジン回転速度センサ15
8、エンジン10の吸入空気量Qを検出するための吸入
空気量センサ160、吸入空気の温度TA を検出するた
めの吸入空気温度センサ162、上記スロットル弁15
6の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検
出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ16
4、出力軸42の回転速度NOUT すなわち車速Vを検出
するための車速センサ166、エンジン10の冷却水温
度TW を検出するための冷却水温センサ168、ブレー
キの作動を検出するためのブレーキスイッチ170、シ
フトレバー172のシフトポジション(操作位置)PSH
を検出するためのシフトポジションセンサ174、ター
ビン回転速度NT (=入力軸20の回転速度NIN)とし
てクラッチC0の回転速度NC0などを検出するタービン
回転速度センサ173、油圧制御回路184の作動油温
度TOIL を検出するための油温センサ175などが設け
られており、それらのセンサから、エンジン回転速度N
E 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁開
度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作
動状態BK、シフトレバー172のシフトポジションP
SH、タービン回転速度NT 、作動油温度TOIL などを表
す信号が、エンジン用電子制御装置176或いは変速用
電子制御装置178に供給されるようになっている。
【0035】図3のエンジン用電子制御装置176は、
CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備
えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されてお
り、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めR
OMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、
種々のエンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射量制
御のために燃料噴射弁179を制御し、点火時期制御の
ためにイグナイタ180を制御し、アイドル回転速度制
御のためにISC弁153を制御し、トラクション制御
のためにスロットルアクチュエータ154によりスロッ
トル弁156を制御する。エンジン用電子制御装置17
6は、スロットル弁156の制御において、例えば図9
に示す関係から実際のアクセルペダル操作量ACCに基づ
いてスロットルアクチュエータ154を駆動し、アクセ
ルペダル操作量ACCが増加するほどスロットル弁開度θ
THを増加させる。上記エンジン用電子制御装置176
は、変速用電子制御装置178と相互に通信可能に接続
されており、一方に必要な信号が他方から適宜送信され
るようになっている。
【0036】変速用電子制御装置178も、上記と同様
にマイクロコンピュータを含んで構成されており、CP
UはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記
憶されたプログラムに従って信号処理を行い、油圧制御
回路184の各ソレノイドSL1、SL2、SL3、S
L4のON(励磁)、OFF(非励磁)を切り換えた
り、リニアソレノイドSLU、SLT、SLNの励磁状
態をデューティ制御などで連続的に変化させたりする。
具体的には、例えば図10に示す予め記憶された変速マ
ップ(変速条件)から実際のスロットル弁開度θTHおよ
び車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決定し、
この決定されたギヤ段を成立させるように前記図2に従
ってソレノイドSL1、SL2、SL3、SL4のO
N、OFFを切り換える。図10の実線はアップシフト
線で、破線はダウンシフト線であり、車速Vが高くなっ
たりスロットル弁開度θTHが小さくなったりするに従っ
て、変速比が小さい高速ギヤ段に切り換えられるように
なっている。なお、図中の1〜5は、第1速ギヤ段「1
st」〜第5速ギヤ段「5th」を意味している。
【0037】図11は、第2速ギヤ段「2nd」からエ
ンジンブレーキ(動力源ブレーキ)が作用する第3速ギ
ヤ段「3rd」への変速時に上記変速用電子制御装置1
78によって行われる信号処理の内容を具体的に説明す
るフローチャートで、本発明の一実施例を説明する図で
あり、ステップS2、S3、S4、S5を実行する部分
は油圧低減手段として機能しており、ステップS6を実
行する部分は切換判断手段として機能しており、ステッ
プS7を実行する部分は切換実行手段として機能してい
る。また、本実施例では第2速ギヤ段「2nd」がAギ
ヤ段で、第3速ギヤ段「3rd」がBギヤ段で、ブレー
キB3が第1摩擦係合装置で、ブレーキB1が第2摩擦
係合装置である。一方向クラッチF1を介してサンギヤ
S1、S2とハウジング41との間に設けられ、第2速
ギヤ段「2nd」で解放されるとともに第3速ギヤ段
「3rd」で係合させられるブレーキB2が第3摩擦係
合装置で、第3速ギヤ段「3rd」では一方向クラッチ
F1の作用でエンジン10側への動力伝達が遮断されて
エンジンブレーキが不能になるとともに、一方向クラッ
チF1と並列に設けられたブレーキB1が係合させられ
ることによりエンジンブレーキが作用するようになる。
また、図6に示すB3コントロールバルブ70およびリ
ニアソレノイド弁74によって油圧制御弁装置が構成さ
れており、第3電磁弁54およびB2リリースコントロ
ールバルブ72によって切換弁装置が構成されている。
なお、図11のフローチャートは所定のサイクルタイム
で繰り返し実行される。
【0038】図11のステップS1では、第2速ギヤ段
「2nd」からエンジンブレーキが作用する第3速ギヤ
段「3rd」へ変速するか否かを判断する。この変速判
断は、基本的には前記図10の変速マップを用いて現在
のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて行わ
れ、例えばパワーONの車速増加時やアクセルペダル1
50の戻し操作に伴うスロットル弁開度θTHの減少時な
どに2→3アップシフト線を越えた場合、或いはシフト
レバー172が「2」ポジションから「3」ポジション
へ切換操作された場合などに、2→3変速判断が為され
る。第1速ギヤ段「1st」からの多重変速の場合であ
っても良い。
【0039】そして、2→3変速判断が為されると、ス
テップS2以下を実行し、ステップS2においてソレノ
イドSL3をOFF(非励磁)にする。第2速ギヤ段
「2nd」、およびエンジンブレーキが作用する第3速
ギヤ段「3rd」では、図2から明らかなようにソレノ
イドSL3は何れもON(励磁)であるが、変速時には
一時的にOFFにしてB2リリースコントロールバルブ
72を第2位置(図6における右側位置)へ切り換え、
ブレーキB1への作動油のアプライを阻止してタイアッ
プなどによる変速ショックの発生を防止する。すなわ
ち、2→3変速では、基本的にブレーキB3を解放して
ブレーキB2を係合させる必要があるため、それ等の同
時係合によるタイアップやエンジン10の吹上りによる
変速ショックが生じないように、それ等のブレーキB
2、B3の係合、解放制御を優先的に行うのである。図
12は、第2速ギヤ段「2nd」からエンジンブレーキ
が作用する第3速ギヤ段「3rd」への変速時のタイム
チャートの一例で、時間t1 は、2→3変速判断が為さ
れてソレノイドSL3がONからOFFへ切り換えられ
た時間である。
【0040】ステップS3では、パワーONか否かを例
えばスロットルセンサ164に設けられたアイドルスイ
ッチがOFFか否か等によって判断し、パワーON時に
はステップS4を実行し、予め定められたパワーON時
の油圧制御パターンに従ってリニアソレノイド弁74に
対する指令値DSLUをデューティ制御することによ
り、ブレーキB3の係合油圧PB3を低減制御する。指令
値DSLUは信号油圧P SLU に対応し、係合油圧PB3
所定の応答遅れを有して指令値DSLUに対応して変化
させられる。また、パワーOFF時にはステップS5を
実行し、予め定められたパワーOFF時の油圧制御パタ
ーンに従ってリニアソレノイド弁74に対する指令値D
SLUをデューティ制御することにより、ブレーキB3
の係合油圧PB3を低減制御する。そして、次のステップ
S6では、指令値DSLUが予め定められた判定値α以
下になったか否かを判断し、判定値α以下になるまでス
テップS3以下を繰り返し実行して係合油圧PB3を漸減
させる。
【0041】図12のタイムチャートは、パワーON時
に2→3変速判断が為されて、変速途中の時間t3 でパ
ワーOFFになった場合であり、パワーOFF時にはエ
ンジン10が吹き上がる恐れがないため、ブレーキB3
の油圧PB3を速やかに低下させてブレーキB3を速やか
に解放するようになっている。パワーON時およびパワ
ーOFF時の油圧制御パターンは、図10の変速マップ
などと共に予め記憶装置188(図3参照)に記憶され
ているが、変速用電子制御装置178のRAMなどに記
憶するようにしても良い。
【0042】一方、この2→3変速時には、図2から明
らかなようにソレノイドSL1がONからOFFへ切り
換えられ、図示しない2−3シフトバルブが切り換えら
れることにより、ブレーキB2に作動油が供給されると
ともにB2リリースコントロールバルブ72のポート7
2aにライン油圧PLが供給されるようになる。図12
の時間t2 は、ブレーキB2の係合に伴ってタービン回
転速度NT が変化するイナーシャ相が開始した時間であ
り、図中のNT2は第2速ギヤ段「2nd」の同期回転速
度、すなわち出力軸回転速度NOUT に第2速ギヤ段「2
nd」の変速比γ2 を掛算した回転速度である。また、
T3は、第3速ギヤ段「3rd」の同期回転速度で、タ
ービン回転速度NT が3速同期回転速度NT3と一致する
時間t6は2→3変速の終了を意味する。
【0043】前記ステップS6の判定値αは、B2リリ
ースコントロールバルブ72が第1位置(図6における
左側位置)に切り換えられ、B3コントロールバルブ7
0による油圧PB3の油圧制御のゲインが大きくなって油
圧PB3が高くなっても、ブレーキB3が再係合しない範
囲で予め定められたできるだけ大きな値で、一定値であ
っても良いが、作動油温度TOIL やスロットル弁開度θ
TH、車速VなどブレーキB3の解放制御に影響する所定
の物理量をパメラータとして設定されるようにしても良
い。本実施例ではステップS6を満足すること、すなわ
ち指令値DSLUが判定値α以下になることが、予め定
められた切換条件であり、図12の時間t4 は、DSL
U≦αになってステップS6の判断がYES(肯定)に
なった時間である。
【0044】ステップS6の判断がYESになると、ス
テップS7を実行し、ソレノイドSL3がOFFからO
Nへ切り換えられることにより、B2リリースコントロ
ールバルブ72が第1位置(図6における左側位置)に
切り換えられ、ブレーキB1に作動油がアプライされ
る。ソレノイドSL3は、指令値DSLUに対する実際
の油圧PB3の変化の応答遅れを考慮して所定時間後に切
り換えられるようになっており、図12の時間t5 がソ
レノイドSL3の切換時間である。所定時間(t 4 〜t
5 )は、一定値であっても良いが、作動油温度TOIL
どの応答遅れに影響する所定の物理量をパラメータとし
て設定されるようにしても良い。これにより、ブレーキ
B1が係合させられ、パワーOFF時であってもタービ
ン回転速度NT が3速同期回転速度NT3と一致させられ
るとともに、車速Vに対応する回転速度でエンジン10
が回転駆動されることにより、そのエンジン10の回転
抵抗で制動力(エンジンブレーキ)が発生する。図12
の時間t6 は、タービン回転速度NT が3速同期回転速
度NT3と一致する2→3変速の終了時間で、その後ステ
ップS8が実行されることにより指令値DSLUが0%
にされてブレーキB3が完全に解放される。図12の時
間t7 は、指令値DSLUが0%にされた時間である。
【0045】このように本実施例では、第2速ギヤ段
「2nd」からエンジンブレーキが作用する第3速ギヤ
段「3rd」への変速時に、ステップS2でソレノイド
SL3を一旦OFFにしてB2リリースコントロールバ
ルブ72を第2位置に切り換えた状態で、ステップS3
〜S5でパワーONかOFFかに応じてブレーキB3の
係合油圧PB3を低減制御するとともに、係合油圧PB3
対応する指令値DSLUが判定値α以下になったらステ
ップS7でB2リリースコントロールバルブ72を第1
位置へ切り換え、ブレーキB1に作動油を供給して係合
させるため、ブレーキB3が再係合して変速ショックが
悪化することを回避しつつブレーキB1が速やかに係合
させられてエンジンブレーキが速やかに作用させられる
ようになり、パワーOFF時にエンジンブレーキの効き
が遅れて空走感を生じさせることが防止される。
【0046】また、本実施例では指令値DSLUが判定
値α以下になったか否かによって切換判断が行われるた
め、実際の油圧PB3を検出して判断する場合に比較し
て、ブレーキB3が再係合して変速ショックが悪化する
ことを回避しつつブレーキB1を一層速やかに係合させ
てエンジンブレーキを作用させることができる。ステッ
プS7では、指令値DSLUに対する実際の油圧PB3
変化の応答遅れを考慮して所定時間後にB2リリースコ
ントロールバルブ72を切り換えるようになっているた
め、油圧PB3の変化の応答遅れに起因してブレーキB3
が再係合して変速ショックが悪化することを確実に防止
できる。
【0047】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両の動力伝達装置の構成
を説明する骨子図である。
【図2】図1の車両に設けられた自動変速機の複数のギ
ヤ段とそれを成立させる油圧式摩擦係合装置の作動状態
との関係などを説明する図である。
【図3】図1の車両において、エンジンおよび自動変速
機の制御系統を説明するブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路のうちクラッチC0および
ブレーキB0の制御に関連する部分を示す回路図であ
る。
【図5】図4のソレノイドSL3、SL4のON(励
磁)、OFF(非励磁)とブレーキB0、クラッチC0
に対する作動油の給排との関係を説明する図である。
【図6】図3の油圧制御回路のうちブレーキB3の調
圧、クラッチC2、ブレーキB2のドレーン、ブレーキ
B1の係合、解放、に関連する部分を示す回路図であ
る。
【図7】図6のソレノイドSL3のON(励磁)、OF
F(非励磁)とB3コントロールバルブのゲインの切換
え、ブレーキB2、クラッチC2のドレーンの大小、ブ
レーキB1に対する作動油の給排、との関係を説明する
図である。
【図8】図3のシフトレバーのシフトパターンの一例を
示す図である。
【図9】図3のスロットルアクチュエータを制御するた
めの特性であって、アクセルペダル操作量ACCとスロッ
トル弁開度θTHとの関係の一例を示す図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置によって行われる
自動変速機の変速制御で用いられる変速マップの一例を
示す図である。
【図11】図3の変速用電子制御装置によって実行され
る2→3アップシフト時の変速制御を説明するフローチ
ャートである。
【図12】図11のフローチャートに従って変速制御が
行われた場合の各部の作動状態の変化を説明するタイム
チャートの一例である。
【符号の説明】
10:エンジン(動力源) 14:自動変速機 5
4:第3電磁弁(切換弁装置) 70:B3コントロ
ールバルブ(油圧制御弁装置) 72:B2リリース
コントロールバルブ(切換弁装置) 74:リニアソ
レノイド弁(油圧制御弁装置) 178:変速用電子
制御装置 184:油圧制御回路 B1:ブレーキ(第2摩擦係合装置) B3:ブレー
キ(第1摩擦係合装置) DSLU:指令値 PB3:油圧 2nd:第2速ギ
ヤ段(Aギヤ段) 3rd:第3速ギヤ段(Bギヤ段) ステップS2〜S5:油圧低減手段 ステップS6:切換判断手段 ステップS7:切換実行手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:42 F16H 59:42 59:44 59:44 59:70 59:70 59:72 59:72 63:12 63:12 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 MA26 NA01 NB01 NB04 PA02 PA24 PA33 QA06A RA03 RA06 RA11 SA02 SA07 TA02 TB07 VA32Z VA48Z VA62Z VA76W VB01Z VC01Z VC03Z VC05Z VC07Z VD05Z VD11Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Aギヤ段で係合させられ、Bギヤ段で解
    放される油圧式の第1摩擦係合装置と、 前記Bギヤ段において動力源ブレーキを作用させる際に
    係合させられる油圧式の第2摩擦係合装置と、 前記第1摩擦係合装置の油圧を制御する油圧制御弁装置
    と、 該油圧制御弁装置による前記第1摩擦係合装置の油圧制
    御のゲインを切り換えるとともに、該第1摩擦係合装置
    の油圧が高くなるゲインの第1位置で前記第2摩擦係合
    装置を係合させるように油路を切り換える一方、該第1
    摩擦係合装置の油圧が低くなるゲインの第2位置で該第
    2摩擦係合装置を解放するように油路を切り換える切換
    弁装置と、 を有する車両用自動変速機の制御装置において、 前記Aギヤ段から前記動力源ブレーキが作用する前記B
    ギヤ段へ切り換える際に、前記切換弁装置を前記第2位
    置に保持して、前記油圧制御弁装置により前記第1摩擦
    係合装置の油圧を低下させる油圧低減手段と、 前記切換弁装置が前記第1位置に切り換えられ、前記油
    圧制御弁装置による前記第1摩擦係合装置の油圧制御の
    ゲインが切り換えられて該油圧が高くなっても該第1摩
    擦係合装置が再係合しないように、該第1摩擦係合装置
    の油圧に関して予め定められた切換条件を満足するか否
    かを判断する切換判断手段と、 該切換判断手段によって前記切換条件を満足する旨の切
    換判断が為された場合に、前記切換弁装置を前記第2位
    置から前記第1位置へ切り換えて前記第2摩擦係合装置
    を係合させる切換実行手段と、 を有することを特徴とする車両用自動変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記切換判断手段は、前記油圧制御弁装
    置に対する指令値が所定の切換条件を満足するか否かを
    判断するもので、 前記切換実行手段は、前記指令値に対する実際の油圧変
    化の応答遅れを考慮して、前記切換判断手段の切換判断
    時から所定時間後に前記切換弁装置を切り換えるように
    なっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用自
    動変速機の制御装置。
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