JP2002029290A - 車両のフェール時制御装置 - Google Patents

車両のフェール時制御装置

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JP2002029290A
JP2002029290A JP2000219423A JP2000219423A JP2002029290A JP 2002029290 A JP2002029290 A JP 2002029290A JP 2000219423 A JP2000219423 A JP 2000219423A JP 2000219423 A JP2000219423 A JP 2000219423A JP 2002029290 A JP2002029290 A JP 2002029290A
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hydraulic
power transmission
shift
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JP2000219423A
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Masato Kaikawa
正人 甲斐川
Yasuo Hojo
康夫 北條
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 自動変速機のギヤ段に応じて設定された
上限ガードマップを用いて、ストール時のエンジントル
クを制限するストール時トルクダウン制御において、自
動変速機のギヤ段を判別できないシフトポジションセン
サ等のフェール時(S3またはS4がNO)には、フェ
ールセーフ手段によって変速比γが最も大きい後進ギヤ
段「Rev(LO)」の成立が制限されるため、その後
進ギヤ段「Rev(LO)」を除く他のギヤ段に基づい
て定められたフェール時専用の上限ガードマップ(S1
0)を用いてエンジントルクを制限する。 【効果】 フェールセーフ手段の制御に拘らずストール
時トルクダウン制御が適切に行われるようになり、フェ
ールセーフ手段の制御を無視して最も条件が厳しい後進
ギヤ段用のマップをフェール時に流用する場合に比較し
て、走行性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両のフェール時制
御装置に係り、特に、自動変速機等の動力伝達装置の動
力伝達状態を変更する伝達状態変更手段などのフェール
で動力伝達状態を判別できない場合の制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】(a) 動力源と駆動輪との間に配設される
とともに、複数の動力伝達状態が可能な動力伝達装置
と、(b) その動力伝達装置の前記動力伝達状態を変更す
る伝達状態変更手段と、(c) 前記複数の動力伝達状態に
応じて予め定められた複数の制御条件に従って所定の制
御対象を制御する伝達状態対応制御手段と、を有する車
両が知られている。特開平11−22814号公報に記
載の自動変速機は上記動力伝達装置の一例で、油圧式の
摩擦係合装置の係合、解放状態が切り換えられることに
より、変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられるよ
うになっているとともに、変速時には、伝達状態対応制
御手段としてのトルクダウン制御手段により、変速の種
類に応じて定められた複数の制御条件に従って制御対象
であるエンジンのトルクダウン制御が行われるようにな
っている。伝達状態対応制御手段としては、この他に、
例えばトルクコンバータのトルク比が過大になるストー
ル時に、自動変速機のギヤ段毎に定められた上限ガード
に従って動力源の出力を制限するストール時トルクダウ
ン制御手段や、摩擦係合装置の油圧アクチュエータを含
む油圧制御回路の油圧が自動変速機のギヤ段毎に定めら
れた設定油圧になるように油圧制御弁を制御する油圧制
御手段など、種々のものが知られている。また、上記自
動変速機は、一般にシフトレバーのポジションや所定の
変速条件に従ってソレノイドバルブを切り換えるなどす
る伝達状態変更手段によって油圧制御回路が切り換えら
れることにより、摩擦係合装置の係合、解放状態が切り
換えられて所定のギヤ段が成立させられるようになって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記シフト
レバーのポジションを検出するセンサやソレノイドなど
の故障で、動力伝達装置の動力伝達状態を判別できない
場合、トルクダウン制御や油圧制御などの伝達状態対応
制御手段は、例えば動力伝達装置の摩擦係合装置がスリ
ップしたり、動力伝達装置の出力側の差動装置などに過
大なトルクが作用したりすることを防止するため、最も
安全側の制御条件、例えば変速比が最も大きい後進ギヤ
段などの制御条件に従って、トルクダウン制御や油圧制
御を行うようになっているのが普通である。
【0004】しかしながら、このような動力伝達状態を
判別できないフェール時には、同じく摩擦係合装置がス
リップしたり動力伝達装置の出力側に過大なトルクが発
生したりすることを防止するため、フェールセーフ手段
によって自動変速機の何れかのギヤ段の成立が阻止され
たり、エンジンの出力が制限されたりするなど、フェー
ル時に特有の制御が行われる場合があり、前記トルクダ
ウン制御と相まって車両の駆動力が必要以上に低下した
り、油圧制御回路の油圧が必要以上に高くなったりする
など、必ずしも十分に満足できない場合があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、フェールセーフ手段
による制御に拘らず伝達状態対応制御手段による制御が
適切に行われるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) 動力源と駆動輪との間に配設さ
れるとともに、複数の動力伝達状態が可能な動力伝達装
置と、(b) その動力伝達装置の前記動力伝達状態を変更
する伝達状態変更手段と、(c) 前記複数の動力伝達状態
に応じて予め定められた複数の制御条件に従って所定の
制御対象を制御する伝達状態対応制御手段と、を有する
車両において、(d) 前記伝達状態変更手段などのフェー
ルで前記動力伝達装置の動力伝達状態を判別できない場
合の制御装置であって、(e) 前記フェール時に特有の制
御を行うフェールセーフ手段を有する一方、(f) 前記伝
達状態対応制御手段は、前記フェール時には、前記複数
の制御条件とは別に前記フェールセーフ手段の制御を考
慮して定められたフェール時専用の制御条件に従って、
前記制御対象を制御するようになっていることを特徴と
する。
【0007】第2発明は、第1発明の車両のフェール時
制御装置において、(a) 前記動力伝達装置は、変速比が
異なる複数のギヤ段が成立させられる自動変速機で、ト
ルクコンバータを介して前記動力源から動力が伝達され
るようになっており、(b) 前記フェールセーフ手段は、
前記自動変速機の複数のギヤ段の何れかの成立を制限す
るものであり、(c) 前記伝達状態対応制御手段は、前記
トルクコンバータのトルク比が過大になるストール時
に、前記自動変速機のギヤ段毎に定められた上限ガード
に従って前記動力源の出力を制限するストール時トルク
ダウン制御手段で、前記フェール時には、前記成立が制
限されたギヤ段を除く他のギヤ段に基づいて定められた
フェール時専用の上限ガードに従って前記動力源の出力
を制限するようになっていることを特徴とする。
【0008】第3発明は、第1発明の車両のフェール時
制御装置において、(a) 前記動力伝達装置は、油圧式の
摩擦係合装置の係合、解放状態が切り換えられることに
より変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる自動
変速機で、(b) 前記フェールセーフ手段は、前記自動変
速機の複数のギヤ段の何れかの成立を制限するものであ
り、(c) 前記伝達状態対応制御手段は、前記摩擦係合装
置の油圧アクチュエータを含む油圧制御回路の油圧が前
記自動変速機のギヤ段毎に定められた設定油圧になるよ
うに油圧制御弁を制御する油圧制御手段で、前記フェー
ル時には、前記成立が制限されたギヤ段を除く他のギヤ
段に基づいて定められたフェール時専用の設定油圧に従
って前記油圧制御弁を制御するようになっていることを
特徴とする。
【0009】
【発明の効果】このような車両のフェール時制御装置に
おいては、動力伝達装置の動力伝達状態を判別できない
フェール時に、フェールセーフ手段によってフェール時
に特有の制御が行われる場合、伝達状態対応制御手段
は、そのフェールセーフ手段の制御を考慮して定められ
たフェール時専用の制御条件に従って制御対象を制御す
るため、フェールセーフ手段の制御に拘らずフェール時
の制御が適切に行われるようになる。
【0010】第2発明では、伝達状態対応制御手段が、
トルクコンバータのトルク比が過大になるストール時
に、自動変速機のギヤ段毎に定められた上限ガードに従
って動力源の出力を制限するストール時トルクダウン制
御手段で、フェール時には、フェールセーフ手段によっ
て成立が制限されたギヤ段を除く他のギヤ段に基づいて
定められたフェール時専用の上限ガードに従って動力源
の出力を制限するため、動力源の出力が必要以上に制限
されて車両の駆動力が必要以上に低下することが防止さ
れ、フェール時の走行性能が向上する。
【0011】第3発明では、伝達状態対応制御手段が、
摩擦係合装置の油圧アクチュエータを含む油圧制御回路
の油圧が自動変速機のギヤ段毎に定められた設定油圧に
なるように油圧制御弁を制御する油圧制御手段で、フェ
ール時には、フェールセーフ手段によって成立が制限さ
れたギヤ段を除く他のギヤ段に基づいて定められたフェ
ール時専用の設定油圧に従って油圧制御弁を制御するた
め、油圧が必要以上に高くされることが防止され、油圧
を発生するポンプ等のエネルギー損失が低減される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の動力伝達装置は、動力伝
達を遮断するニュートラル状態と、前進走行状態と、後
進走行状態とを切り換える前後進切換装置や、変速比が
異なる複数の前進ギヤ段や後進ギヤ段を有する変速機、
変速比を連続的に変化させることができる無段変速機な
どである。複数の動力伝達状態は、変速比の連続的な変
化を含む。
【0013】有段の自動変速機は、例えば複数の遊星歯
車装置と、その遊星歯車装置の複数の回転メンバを相互
に連結したりハウジングに固定したりする油圧式のクラ
ッチやブレーキ等の摩擦係合装置とを有し、その摩擦係
合装置の係合、解放の組み合わせにより変速比が異なる
複数のギヤ段が成立させられるように構成されるが、セ
レクトシリンダおよびシフトシリンダによりクラッチハ
ブスリーブを移動させて噛合クラッチを噛み合わせるこ
とにより所定のギヤ段を成立させる2軸噛合式の自動変
速機であっても良い。
【0014】車両の動力源としては、燃料の燃焼で作動
するエンジンや電気エネルギーで作動する電動モータな
ど種々の動力源が用いられ得る。動力源の出力は、例え
ばアクセル操作部材の操作量(アクセル操作量)に従っ
て電気的に制御されるものでも良いが、アクセル操作部
材に機械的に連結されて直接制御されるものでも良い。
アクセル操作部材は、運転者が出力要求量に応じて操作
するもので、アクセルペダルなどである。
【0015】伝達状態変更手段は、例えばシフトレバー
のポジションや所定の変速条件に従って上記ギヤ段など
の動力伝達状態を切り換えたり、運転者のシフトレバー
操作やスイッチ操作に従って動力伝達状態を切り換えた
りするもので、シフトレバーポジションを検出するセン
サや、動力伝達状態を切り換えるために油圧制御回路を
切り換えるソレノイド弁などを含んで構成される。本発
明は、動力伝達状態を電気的に変更する場合に好適に適
用されるが、運転者のシフトレバー操作に従って機械的
に動力伝達状態を切り換えるものでも、そのシフトレバ
ー操作位置を検出して動力源の出力制御を行う場合など
にも適用され得る。
【0016】伝達状態対応制御手段は、第2発明のスト
ール時トルクダウン制御手段や第3発明の油圧制御手段
などで、自動変速機の変速時に変速の種類に応じて動力
源のトルクを低下させる変速時トルクダウン制御手段も
一例である。トルクダウン制御手段は、例えばエンジン
のスロットル弁の開度を制御するように構成されるが、
エンジンから動力伝達装置へ伝達されるトルクを制限す
ることができるものであれば良く、ISCバルブや補機
類などを制御するようにしても良い。
【0017】複数の動力伝達状態に応じて定められる複
数の制御条件は、例えばギヤ段等の動力伝達状態に応じ
て定められた一定の設定値であっても良いし、スロット
ル弁開度や車速、トルクコンバータのタービン回転速度
など、所定の運転状態をパラメータとして定められてい
ても良い。
【0018】動力伝達装置の動力伝達状態を判別できな
いフェールは、前記シフトレバーポジションを検出する
センサや、動力伝達状態を切り換えるために油圧制御回
路を切り換えるソレノイド弁の故障などで、コンピュー
タなどの制御系統を含む電気的な故障であっても良いし
バルブスティックなどの機械的な故障であっても良い。
【0019】フェールセーフ手段は、第2発明、第3発
明のように自動変速機の複数のギヤ段の何れか、例えば
変速比が異なる2種類の後進ギヤ段が成立可能な場合の
変速比が大きい方の後進ギヤ段、或いは変速比が最も大
きい前進ギヤ段など、の成立が制限(禁止する場合を含
む)されるように構成されるが、動力源の出力を制限す
るフェール時トルクダウン手段などであっても良い。ま
た、動力伝達装置の一部の動力伝達状態を制限(禁止)
するものでも良い。上記複数のギヤ段の何れかの成立を
制限する場合、変速比だけでなく、複数のギヤ段を成立
させるための複数の摩擦係合装置の各々のトルク容量や
配設位置などを考慮して、成立を制限するギヤ段は適宜
定められる。
【0020】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明が適用された車両の駆
動力系の構成を説明する骨子図である。図において、自
動車用の燃料噴射式内燃機関などの原動機であるエンジ
ン10の出力は、トルクコンバータ12を介して自動変
速機14に入力され、図示しない差動歯車装置および車
軸を介して左右の駆動輪へ伝達されるようになってい
る。エンジン10は動力源に相当する。
【0021】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ28とを備えている。
【0022】上記自動変速機14は、ハイ(HI)およ
びロー(LO)の2段の切り換えを行う第1変速機30
と、後進ギヤ段および前進4段の切り換えが可能な第2
変速機32を備えている。第1変速機30は、サンギヤ
S0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能
に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0
に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯
車装置34と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設
けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サ
ンギヤS0およびハウジング41間に設けられたブレー
キB0とを備えている。そして、キャリアK0が前記入
力軸20に連結され、リングギヤR0が中間軸44を介
して第2変速機32に連結されるようになっている。
【0023】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0024】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキ
ャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0025】キャリアK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0026】上記クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜
B4は、それぞれ油圧シリンダに作動油が供給されるこ
とにより、その油圧に基づいて摩擦材が摩擦係合させら
れる多板式、単板式、バンド式等の摩擦係合装置で、油
圧制御回路184(図3参照)によって例えば図2に示
す作動表に従って係合、解放状態が切り換えられること
により、後進2段「Rev(LO)」、「Rev(H
I)」、および変速比が順次異なる前進5段「1st」
〜「5th」のギヤ段や、P(パーキング)、N(ニュ
ートラル:動力伝達遮断状態)が成立させられる。図2
において、シフトソレノイドSL1〜SL4の欄の
「○」は励磁、「×」は非励磁を示し、それ等のシフト
ソレノイドSL1〜SL4の励磁、非励磁、および図示
しないマニュアルシフトバルブによって油圧制御回路1
84が切り換えられることにより、上記各ギヤ段やP、
Nが成立させられる。また、クラッチC0〜C2、ブレ
ーキB0〜B4、一方向クラッチF0〜F2の欄の
「○」は係合状態、「×」は解放状態を示している。マ
ニュアルシフトバルブは、シフトレバー172(図3参
照)の操作位置(シフトポジション)に応じて機械的に
切り換えられるようになっており、シフトレバー172
は、例えば図8に示すシフトパターンに従って各シフト
ポジション「P」、「R」、「N」、「D」、「4」、
「3」、「2」、「L」へ操作されるようになってい
る。
【0027】図2において、第1速ギヤ段「1st」で
は、ブレーキB4が係合させられることにより動力源ブ
レーキであるエンジンブレーキが作用するようになり、
第3速ギヤ段「3rd」では、ブレーキB1が係合させ
られることによりエンジンブレーキが作用するようにな
る。第2速ギヤ段「2nd」では、ブレーキB3の係合
油圧がリニアソレノイドSLUによって調圧制御される
ことにより、エンジンブレーキの有無が制御される。ま
た、シフトレバー172が「D」ポジションへ操作され
ると、1st〜5th(1st〜3rdはエンジンブレ
ーキ無)の5速で変速制御が行われ、「4」ポジション
では1st〜4th(1st〜3rdはエンジンブレー
キ無)の4速で変速制御が行われ、「3」ポジションで
は1st〜3rd(3rdのみエンジンブレーキ有)の
3速で変速制御が行われ、「2」ポジションでは1st
および2nd(エンジンブレーキ有)の2速で変速制御
が行われ、「L」ポジションでは1st(エンジンブレ
ーキ有)に固定される。「R」ポジションでは、後進ギ
ヤ段「Rev(HI)」が成立させられ、一定の条件下
で変速比が大きい「Rev(LO)」が成立させられ
る。
【0028】本実施例では、上記自動変速機14が動力
伝達装置に相当し、前進ギヤ段「1st」〜「5t
h」、および後進ギヤ段「Rev(HI)」、「Rev
(LO)」の各ギヤ段の他、ニュートラルN、パーキン
グP、が複数の動力伝達状態である。
【0029】油圧制御回路184は図4、図6に示す回
路を備えている。図4は、前記クラッチC0およびブレ
ーキB0の係合、解放状態を切り換える部分で、シフト
レバー172が「D」ポジションへ操作された場合であ
り、4−5シフトバルブ50およびC0エキゾーストバ
ルブ52を備えている。4−5シフトバルブ50は、シ
フトソレノイドSL3によって開閉される第3電磁弁5
4から信号油圧が供給されることによって切り換えられ
るようになっており、シフトソレノイドSL3が励磁
(ON)されると、信号油圧の出力が停止して4−5シ
フトバルブ50は図の右側の状態になる一方、シフトソ
レノイドSL3が非励磁(OFF)になると、信号油圧
が供給されて図の左側の状態になる。第3電磁弁54か
らは、3−4シフトバルブ56を経て4th、5th、
N、およびRの場合だけ信号油圧の供給が許容される。
また、C0エキゾーストバルブ52は、シフトソレノイ
ドSL4によって開閉される第4電磁弁58から信号油
圧が供給されることによって切り換えられるようになっ
ており、シフトソレノイドSL4が励磁(ON)される
と、信号油圧が供給されてC0エキゾーストバルブ52
は図の左側の状態になる一方、シフトソレノイドSL4
が非励磁(OFF)になると、信号油圧の供給が停止し
て図の右側の状態になる。なお、図中の「PL」は、エ
ンジン10のスロットル弁開度θTHなどに応じて調圧さ
れるライン油圧で、「EX」はドレーンを意味してい
る。
【0030】そして、「D」ポジションの第4速ギヤ段
「4th」または第5速ギヤ段「5th」では、シフト
ソレノイドSL3、SL4のON、OFFの組合せによ
りクラッチC0およびブレーキB0は図5のようにな
り、シフトソレノイドSL4がOFFでシフトソレノイ
ドSL3がONの場合は、クラッチC0に作動油がアプ
ライ(供給)されるとともにブレーキB0から作動油が
ドレーン(排出)されて、第4速ギヤ段「4th」が成
立させられる。シフトソレノイドSL4がONでシフト
ソレノイドSL3がOFFの場合は、クラッチC0から
作動油がドレーンされるとともにブレーキB0に作動油
がアプライされて、第5速ギヤ段「5th」が成立させ
られる。また、5→4変速時にシフトソレノイドSL3
がONになると、ブレーキB0から4−5シフトバルブ
50を経て作動油がドレーンされるが、その時にシフト
ソレノイドSL4を励磁(ON)すると油路60のみか
らドレーンされる小ドレーン状態になり、シフトソレノ
イドSL4を非励磁(OFF)にすると、ブレーキB0
の作動油が油路62からもC0エキゾーストバルブ52
および4−5シフトバルブ50を経てドレーンされる大
ドレーン状態になる。
【0031】図6は、前記ブレーキB3の油圧を制御し
たり、クラッチC2、ブレーキB2の作動油のドレーン
状態を切り換えたり、ブレーキB1の係合、解放状態を
切り換えたりする部分で、B3コントロールバルブ70
およびB2リリースコントロールバルブ72を備えてい
る。B3コントロールバルブ70には、リニアソレノイ
ドSLUによって出力油圧が連続的に制御されるリニア
ソレノイド弁74から信号油圧PSLU が供給されるよう
になっており、その信号油圧PSLU に応じてブレーキB
3の係合油圧PB3が連続的に制御される。このB3コン
トロールバルブ70は、受圧面積差により信号油圧P
SLU に対してブレーキB3の係合油圧PB3を所定のゲイ
ンで増圧して制御するものであるが、上記B2リリース
コントロールバルブ72から油路76を経て信号油圧P
SLU が供給されると、油圧が逆方向に作用してゲインが
低減され、ブレーキB3の係合油圧PB3が低くなる。
【0032】B2リリースコントロールバルブ72は、
前記第3電磁弁54から信号油圧が供給されることによ
って切り換えられるようになっており、シフトソレノイ
ドSL3が励磁(ON)されると、信号油圧の出力が停
止してB2リリースコントロールバルブ72は図の左側
の状態になる一方、シフトソレノイドSL3が非励磁
(OFF)になると、信号油圧が供給されて図の右側の
状態になる。第3電磁弁54からは、3−4シフトバル
ブ56を経て1st、2nd、および3rd時だけ信号
油圧の供給が許容される。そして、シフトソレノイドS
L3のON、OFFにより、図7に示すように前記B3
コントロールバルブ70によるブレーキB3の油圧制御
のゲインが切り換えられるとともに、クラッチC2、ブ
レーキB2の作動油のドレーン状態、およびブレーキB
1に対する作動油のアプライ、ドレーン状態がそれぞれ
切り換えられる。
【0033】すなわち、シフトソレノイドSL3をOF
Fにすると、前記リニアソレノイド弁74の信号油圧P
SLU がB2リリースコントロールバルブ72から油路7
6を経てB3コントロールバルブ70へ供給されるよう
になり、B3コントロールバルブ70によるブレーキB
3の油圧制御のゲインが小さくなる。一方、シフトソレ
ノイドSL3をONにすると、クラッチC2、ブレーキ
B2の作動油がそれぞれB2リリースコントロールバル
ブ72を介して油路78、80からもドレーンされる大
ドレーンが可能になるとともに、ライン油圧PLがB2
リリースコントロールバルブ72を経てブレーキB1へ
アプライされるようになる。ライン油圧PLは、図示し
ない2−3シフトバルブを経て第3速ギヤ段「3rd」
以上でB2リリースコントロールバルブ72に供給され
るとともに、3−4シフトバルブ56を経て第3速ギヤ
段「3rd」以下でブレーキB1への供給が許容される
ようになっており、結局第3速ギヤ段「3rd」の時だ
けブレーキB1への作動油のアプライが許容される。ま
た、シフトソレノイドSL3がOFFになってB2リリ
ースコントロールバルブ72が図6の右側位置へ切り換
えられると、ブレーキB1の作動油はB2リリースコン
トロールバルブ72を経てドレーンされる。シフトソレ
ノイドSL3がOFFになると、上記油路78、80も
遮断され、クラッチC2、ブレーキB2はそれぞれ油路
82、84からの小ドレーンのみが許容される。なお、
クラッチC2、ブレーキB2に対する作動油のアプラ
イ、ドレーンは、別の切換弁によって切り換えられる。
【0034】図3は制御系統を示す図で、アクセルペダ
ル150の操作量ACCがアクセル操作量センサ151に
より検出されるようになっている。アクセルペダル15
0は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作
されるもので、アクセル操作部材に相当する。車両のエ
ンジン10の吸気配管には、スロットルアクチュエータ
154によってアクセルペダル150の操作量ACCに応
じた開き角(開度)θ THとされるスロットル弁156が
設けられている。また、アイドル回転制御のために上記
スロットル弁156をバイパスさせるバイパス通路15
2には、エンジン10のアイドル回転を制御するために
スロットル弁156全閉時の吸気量を制御するISC弁
153が設けられている。この他、エンジン10の回転
速度NEを検出するためのエンジン回転速度センサ15
8、エンジン10の吸入空気量Qを検出するための吸入
空気量センサ160、吸入空気の温度TA を検出するた
めの吸入空気温度センサ162、上記スロットル弁15
6の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検
出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ16
4、出力軸42の回転速度NOUT すなわち車速Vを検出
するための車速センサ166、エンジン10の冷却水温
度TW を検出するための冷却水温センサ168、ブレー
キの作動を検出するためのブレーキスイッチ170、シ
フトレバー172のシフトポジション(操作位置)PSH
を検出するためのシフトポジションセンサ174、ター
ビン回転速度NT (=入力軸20の回転速度NIN)とし
てクラッチC0の回転速度NC0などを検出するタービン
回転速度センサ173、油圧制御回路184の作動油温
度TOIL を検出するための油温センサ175などが設け
られており、それらのセンサから、エンジン回転速度N
E 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁開
度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作
動状態BK、シフトレバー172のシフトポジションP
SH、タービン回転速度NT 、作動油温度TOIL などを表
す信号が、エンジン用電子制御装置176或いは変速用
電子制御装置178に供給されるようになっている。
【0035】図3のエンジン用電子制御装置176は、
CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備
えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されてお
り、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めR
OMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、
種々のエンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射量制
御のために燃料噴射弁179を制御し、点火時期制御の
ためにイグナイタ180を制御し、アイドル回転速度制
御のためにISC弁153を制御し、トラクション制御
のためにスロットルアクチュエータ154によりスロッ
トル弁156を制御する。エンジン用電子制御装置17
6は、スロットル弁156の制御において、例えば図9
に示す関係から実際のアクセルペダル操作量ACCに基づ
いてスロットルアクチュエータ154を駆動し、アクセ
ルペダル操作量ACCが増加するほどスロットル弁開度θ
THを増加させる。上記エンジン用電子制御装置176
は、変速用電子制御装置178と相互に通信可能に接続
されており、一方に必要な信号が他方から適宜送信され
るようになっている。
【0036】変速用電子制御装置178も、上記と同様
にマイクロコンピュータを含んで構成されており、CP
UはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記
憶されたプログラムに従って信号処理を行い、油圧制御
回路184の各シフトソレノイドSL1、SL2、SL
3、SL4のON(励磁)、OFF(非励磁)を切り換
えたり、リニアソレノイドSLU、SLT、SLNの励
磁状態をデューティ制御などで連続的に変化させたりす
る。具体的には、例えば図10に示す予め記憶された変
速マップ(変速条件)から実際のスロットル弁開度θTH
および車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決定
し、この決定されたギヤ段を成立させるように前記図2
に従ってシフトソレノイドSL1、SL2、SL3、S
L4のON、OFFを切り換える。図10の実線はアッ
プシフト線で、破線はダウンシフト線であり、車速Vが
高くなったりスロットル弁開度θTHが小さくなったりす
るに従って、変速比が小さい高速ギヤ段に切り換えられ
るようになっている。この変速マップは、例えば記憶装
置188(図3参照)に記憶されるが、変速用電子制御
装置178のRAMなどに記憶するようにしても良い。
なお、図中の1〜5は、第1速ギヤ段「1st」〜第5
速ギヤ段「5th」を意味している。
【0037】上記変速用電子制御装置178はまた、ト
ルクコンバータ12のトルク比が過大になるストール時
に、自動変速機14の動力伝達状態であるギヤ段に応じ
てスロットル弁開度θTHの上限ガードtacetcを算
出する一方、エンジン用電子制御装置176は、前記図
9のマップに従ってアクセルペダル操作量ACCに応じて
求めたスロットル弁開度θTHが上限ガードtacetc
より大きい場合は、θ TH=tacetcになるようにス
ロットルアクチュエータ154を制御する。図11は、
上限ガードtacetcを算出する際に変速用電子制御
装置178によって行われる信号処理の内容を具体的に
説明するフローチャートで、所定のサイクルタイムで繰
り返し実行される。変速用電子制御装置178によって
実行される信号処理のうち図11の各ステップS1〜S
11を実行する部分、およびエンジン用電子制御装置1
76によって実行される信号処理のうち上限ガードta
cetcに従ってスロットル弁開度θTHを制限する部分
は、ストール時トルクダウン制御手段として機能してい
る。
【0038】図11のステップS1では、ストール時ト
ルクダウン制御の開始条件が成立しているか否かを判断
する。この開始条件は、トルクコンバータ12のトルク
比が過大になって自動変速機14に過大なトルクが入力
する可能性があるか否かを判断するためのもので、例え
ば(i) 車速Vが所定値以下、(ii)エンジン回転速度N E
が所定値以上、(iii) シフトポジションPSHがN、P以
外、の総ての条件を満足する場合などで、車輪が車輪止
めに当たったり轍などに嵌まったりして回転できない状
態でアクセルペダル150が踏込み操作され、エンジン
回転速度NE が増大した場合、或いは「N」ポジション
でアクセルペダル150が踏み込まれてエンジン回転速
度NE が十分に上昇した状態で「D」ポジションへ切換
操作された場合、などに発生する。そして、開始条件が
成立した場合には、ステップS2でストール時トルクダ
ウン制御の終了条件が成立したか否かを判断する。この
終了条件は、例えばエンジン用電子制御装置176によ
って前記図9のマップから求められたスロットル弁開度
θTHが上限ガードtacetc以下になる、ことなどで
あり、終了条件を満足するまでステップS3以下が実行
される。
【0039】ステップS3では、前記シフトポジション
センサ174が正常か否かを判断する。例えば、シフト
ポジションPSHを表す信号が供給されない場合や、複数
のシフトポジションPSHを表す信号が供給される場合な
ど、シフトレバー172の操作位置を判別できない場合
は異常と判断する。シフトレバー172は、前記油圧制
御回路184に設けられたマニュアルシフトバルブに機
械的に接続され、シフトレバー172のシフトポジショ
ンに応じて油圧制御回路184が切り換えられることに
より自動変速機14の動力伝達状態(ギヤ段やN、P)
が変化するため、シフトポジションセンサ174が異常
の場合は動力伝達状態を正確に判別することができなく
なる。また、ステップS4では、ギヤ段等の動力伝達状
態を切り換えるシフトソレノイドSL1〜SL4が正常
か否かが、例えばダイアグノーシスの情報などに従って
判断され、ステップS3およびS4の判断が何れもYE
Sすなわち正常である場合はステップS5以下を実行す
るが、何れか一方でも異常の場合、すなわち自動変速機
14の動力伝達状態を正確に判別できないフェール時に
はステップS10を実行する。上記シフトレバー172
やシフトポジションセンサ174、シフトソレノイドS
L1〜SL4は、自動変速機14の動力伝達状態を電気
的に変更する伝達状態変更手段として機能している。
【0040】ステップS5では、シフトレバー172の
シフトポジションPSHが「R」か否かを判断し、「R」
ポジションの場合はステップS7で後進ギヤ段用の上限
ガードマップを選択する。「R」ポジションでない場合
は、ステップS6で自動変速機14が第1速ギヤ段「1
st」か否かを判断し、「1st」の場合はステップS
8で第1速ギヤ段「1st」用の上限ガードマップを選
択し、「1st」でない場合はステップS9で「1s
t」以外の前進ギヤ段用の上限ガードマップを選択す
る。また、自動変速機14の動力伝達状態を正確に判別
できないフェール時に実行するステップS10では、フ
ェール時専用の上限ガードマップを選択する。これ等の
上限ガードマップは、例えば前記記憶装置188などに
記憶されている。
【0041】図12は、上記複数種類の上限ガードマッ
プの一例で、何れもタービン回転速度NT をパラメータ
として定められている。すなわち、タービン回転速度N
T 、タービントルクTT 、およびスロットル弁開度θTH
の関係は、例えば図13に示すようになり、アクセルペ
ダル150が踏み込まれてスロットル弁開度θTHが大き
い程タービントルクTT は高くなるが、タービン回転速
度NT が小さいと、エンジン回転速度NE との速度比e
(=NT /NE )が小さくなってトルクコンバータ12
のトルク比が大きくなり、エンジン回転速度NE が高く
なるスロットル弁開度θTHが大きい状態ではタービント
ルクTT が異常に高くなる。このため、自動変速機14
のクラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4がスリップ
したり、自動変速機14の出力側に配設される差動歯車
装置などが損傷したりする可能性が生じ、これを防止す
るために例えばタービントルクTT が所定値α以上にな
る部分をカットするように上限ガードを設定すると、タ
ービン回転速度NT が小さい程許容されるスロットル弁
開度θTHは小さくなるのである。
【0042】また、クラッチC0〜C2やブレーキB0
〜B4、差動歯車装置などに作用するトルクは、自動変
速機14のギヤ段すなわち変速比γ(=入力軸回転速度
IN/出力軸回転速度NOUT )によって相違し、変速比
γが大きい低速ギヤ段程大きなトルクが作用するため、
ギヤ段毎に上限ガードマップを設定することが望まし
い。本実施例では、前進ギヤ段については第1速ギヤ段
「1st」用と、「1st」以外の前進ギヤ段用の2種
類が用意されているが、必要に応じて第2速ギヤ段「2
nd」用など、更に極め細かく上限ガードマップを用意
することもできる。各ギヤ段毎に許容される入力トルク
(タービントルクTT )は、上記変速比γだけでなく、
各ギヤ段で係合させられるクラッチC0〜C2やブレー
キB0〜B4のトルク容量、配設位置などによっても異
なるため、上限ガードの設定に際しては、最も弱い部分
を基準にして前記所定値αを設定することになる。後進
ギヤ段用の上限ガードマップは、変速比γが大きい「R
ev(LO)」の場合に入力トルクが過大にならないよ
うに設定されるとともに、本実施例では、後進ギヤ段
「Rev(LO)」の変速比γが4.5程度で最も大き
く、例えば図13において最も小さい所定値β以上の部
分をカットするように上限ガードが設定される。
【0043】一方、フェール時専用の上限ガードマップ
は、自動変速機14の動力伝達状態が判らないため、安
全サイドに立って何れの動力伝達状態であっても過大な
トルクが入力しないように定められるが、本実施例で
は、フェールセーフ手段によってフェール時には後進ギ
ヤ段「Rev(LO)」の成立が制限(略禁止)され、
Rポジションでは変速比γが小さい後進ギヤ段「Rev
(HI)」が成立させられる可能性が高いため、上限ガ
ードマップも、変速比γが大きい後進ギヤ段「Rev
(LO)」を除いた動力伝達状態に基づいて定められて
いる。すなわち、ステップS7で選択される後進ギヤ段
用の上限ガードマップよりも、フェール時専用の上限ガ
ードマップの方が、上限ガードの値が高く、スロットル
弁開度θTHの制限が緩いのである。
【0044】図14は、フェールセーフ手段によって後
進ギヤ段「Rev(LO)」の成立が制限される作動を
説明するフローチャートで、変速用電子制御装置178
の信号処理により所定のサイクルタイムで繰り返し実行
される。図14のステップQ1では、シフトレバー17
2のシフトポジションPSHの判定が行われ、シフトポジ
ションセンサ174およびシフトソレノイドSL1〜S
L4が何れも正常であれば、シフトポジションセンサ1
74から供給される信号に従ってシフトポジションPSH
が判定され、異常の場合は、基本的に「4」、「L」、
「D」、「3」、「2」、「R」、「N(P)」の優先
順位で判定するとともに、シフトポジションセンサ17
4の信号がOFFの場合など異常の形態によっては、例
えば無条件で「D」ポジションと判定する。したがっ
て、シフトポジションセンサ174またはシフトソレノ
イドSL1〜SL4が異常の場合に、「R」ポジション
の判定が行われる可能性は非常に低い。
【0045】ステップQ2では、上記ステップQ1の判
定結果が「R」ポジションか否かを判断し、「R」ポジ
ションの場合はステップQ3以下のリバース時OD部制
御を実行することにより、所定の条件を満足する場合に
OD部すなわち前記第1変速機30のクラッチC0を係
合させて直結にし、変速比γが大きい後進ギヤ段「Re
v(LO)」を成立させる。すなわち、ステップQ3以
下のリバース時OD部制御が実行されない限り、変速比
γが大きい後進ギヤ段「Rev(LO)」が成立させら
れることはなく、シフトレバー172が「R」ポジショ
ンへ操作されても、変速比γが小さい後進ギヤ段「Re
v(HI)」が成立させられるだけである。また、シフ
トポジションセンサ174やシフトソレノイドSL1〜
SL4が異常のフェール時には、「R」ポジションと判
定される可能性が低いため、ステップQ3以下が実行さ
れて後進ギヤ段「Rev(LO)」が成立させられるこ
とは殆ど無く、前記ステップS10のフェール時専用の
上限ガードマップは、後進ギヤ段「Rev(LO)」を
除いた動力伝達状態に基づいて定められているのであ
る。
【0046】変速用電子制御装置178による信号処理
のうちステップQ1およびQ2を実行する部分は、フェ
ール時に変速比γが最も大きい後進ギヤ段「Rev(L
O)」の成立を制限するフェールセーフ手段として機能
している。
【0047】ステップQ3では、車速Vが予め定められ
た一定の低車速V0 以下の略停車状態か否かを判断し、
V≦V0 の場合はステップQ4以下を実行するが、V
>V 0 の時はステップQ9およびQ10を実行する。ス
テップQ9ではフラグFを「0」にし、ステップQ10
では、シフトソレノイドSL3をOFFにするとともに
シフトソレノイドSL4をONにすることにより、第1
変速機30のクラッチC0を解放するとともにブレーキ
B0を係合させて後進ギヤ段「Rev(HI)」を成立
させる。
【0048】ステップQ4ではフラグFが「1」か否か
を判断し、F=1の場合には直ちにステップQ7以下を
実行するが、最初の実行時にはF=0であるためステッ
プQ5を実行する。ステップQ5では、スロットルセン
サ164に設けられたアイドルスイッチがONからOF
Fへ変化したか否か、すなわちアクセルペダル150が
踏込み操作されていない状態から踏込み操作されて、前
回のサイクル時にはONであったものが今回のサイクル
で始めてOFFになったか否かを判断し、ONからOF
Fへ変化した場合にはステップQ6でフラグFを「1」
にした後ステップQ7を実行し、そうでない場合すなわ
ちアイドルスイッチがON→ON、OFF→OFF、或
いはOFF→ONの場合は前記ステップQ9、Q10を
実行する。ステップQ6でフラグFが「1」にされるこ
とにより、次回のサイクルからはステップQ4に続いて
ステップQ7が実行されるようになる。
【0049】ステップQ7では、所定の終了条件が成立
したか否かを判断し、終了条件が成立するまでステップ
Q8を繰り返し、シフトソレノイドSL3をONにする
とともにシフトソレノイドSL4をOFFにすることに
より、第1変速機30のブレーキB0を解放するととも
にクラッチC0を係合させて直結にし、変速比γが大き
い後進ギヤ段「Rev(LO)」を成立させる。終了条
件は、例えばアクセルペダル150の踏込みが解除され
てアイドルスイッチがOFFからONへ変化した後所定
時間が経過したこと、などであり、終了条件が成立する
と前記ステップQ9、Q10を実行する。
【0050】すなわち、基本的には図15に示すように
アイドルスイッチがOFFで且つ車速VがV0 以下の場
合に後進ギヤ段「Rev(LO)」が成立させられ、そ
れ以外は後進ギヤ段「Rev(HI)」が成立させられ
るが、本実施例では矢印(i)で示すようにV≦V0 の略
停車状態でアイドルスイッチがONからOFFへ変化し
た場合にのみ後進ギヤ段「Rev(LO)」が成立させ
られ、矢印(ii)で示すようにアイドルスイッチがOFF
状態で車速Vが低下してV0 以下になった場合は、後進
ギヤ段「Rev(HI)」が維持される。したがって、
例えば登坂路などの後進走行において、後進ギヤ段「R
ev(LO)」で発進して一旦「Rev(HI)」へ変
速した後は、車速Vが低下してV0 以下になっても後進
ギヤ段「Rev(HI)」が維持されることになり、車
速Vや後進ギヤ段のハンチングが防止される。すなわ
ち、アイドルスイッチがOFF状態で車速Vが低下して
0以下になる矢印(ii)の場合に後進ギヤ段「Rev
(LO)」へ切り換えられると、アクセルペダル操作量
CCが略一定であっても変速比γの変化で駆動力が増大
することにより車速Vが増加し、V0 を越えて再び後進
ギヤ段「Rev(HI)」に切り換えられることにより
駆動力が減少して車速Vが低下するなど、微速後進時に
車速Vや後進ギヤ段のハンチングが生じて乗り心地を損
なう可能性があったのである。
【0051】図11に戻って、ステップS11では、ス
テップS7〜S10で選択した上限ガードマップを用い
て、その時のタービン回転速度NT から上限ガードta
cetcを算出し、エンジン用電子制御装置176に出
力する。エンジン用電子制御装置176は、スロットル
弁開度θTHが上限ガードtacetcを越えないように
スロットルアクチュエータ154を制御し、これにより
ストール時に過大なトルクが作用して自動変速機14の
クラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4がスリップし
たり、自動変速機14の出力側に配設される差動歯車装
置などが損傷することが防止される。
【0052】このように、本実施例のストール時トルク
ダウン制御は、自動変速機14の複数の動力伝達状態す
なわちギヤ段に応じて設定された複数種類の上限ガード
マップから対応するマップを選択して上限ガードtac
etcを算出し、その上限ガードtacetcに従って
エンジン10のスロットル弁開度θTHを制限するもの
で、複数の動力伝達状態に応じて予め定められた複数の
制御条件に従って所定の制御対象を制御する伝達状態対
応制御手段に相当する。ギヤ段に応じて設けられた複数
の上限ガードマップは複数の制御条件で、エンジン10
のスロットルアクチュエータ154は制御対象である。
【0053】ここで、本実施例では、自動変速機14の
ギヤ段などの動力伝達状態を判別できないフェール時に
は、フェールセーフ手段によって変速比γが最も大きい
後進ギヤ段「Rev(LO)」の成立が制限されるが、
上記ストール時トルクダウン制御は、その後進ギヤ段
「Rev(LO)」を除く動力伝達状態に基づいて定め
られたフェール時専用の上限ガードマップから上限ガー
ドtacetcを求めてエンジン10のスロットル弁開
度θTHを制御するため、フェールセーフ手段の制御に拘
らずフェール時のストール時トルクダウン制御が適切に
行われるようになる。
【0054】すなわち、フェールセーフ手段による後進
ギヤ段「Rev(LO)」の成立の制限を無視して、フ
ェール時には例えば最も条件が厳しい後進ギヤ段用の上
限ガードマップを流用してストール時トルクダウン制御
を行うと、後進ギヤ段「Rev(HI)」しか成立しな
い後進走行時は勿論、前進走行時などでもエンジン10
の出力が必要以上に制限されて、車両の駆動力が必要以
上に低下してしまうが、本実施例では、フェール時に成
立させられる可能性が高いギヤ段だけを考慮して定めら
れたフェール時専用の上限ガードマップを用いてストー
ル時トルクダウン制御が行われるため、駆動力が必要以
上に低下することがなく、フェール時の走行性能が向上
するのである。
【0055】なお、上例では本発明がストール時トルク
ダウン制御に適用された場合について説明したが、本発
明は、油圧制御回路184のライン油圧PLの制御にも
適用され得る。すなわち、ライン油圧PLは、前記クラ
ッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の油圧アクチュエ
ータに供給されてそれ等を摩擦係合させるもので、自動
変速機14の動力伝達状態であるギヤ段に応じて定めら
れた設定油圧pltstdyに従ってリニアソレノイド
SLT(図3参照)を有するリニアソレノイド弁によっ
て調圧制御される。図16は、ギヤ段に応じて設定油圧
pltstdyを求めてライン油圧PLを調圧する際に
変速用電子制御装置178によって行われる信号処理の
内容を具体的に説明するフローチャートで、所定のサイ
クルタイムで繰り返し実行される。変速用電子制御装置
178によって実行される信号処理のうち図16の各ス
テップR1〜R9を実行する部分は油圧制御手段として
機能している。
【0056】図16のステップR1では、前記ステップ
S3、S4と同様にしてシフトポジションセンサ174
やシフトソレノイドSL1〜SL4が正常か否かを判断
し、正常であればステップR2以下を実行するが、異常
の場合はステップR7でフェール時専用の設定油圧マッ
プを選択する。ステップR2では、シフトレバー172
のシフトポジションPSHが「R」か否かを判断し、
「R」ポジションの場合はステップR4で後進ギヤ段用
の設定油圧マップを選択する。「R」ポジションでない
場合は、ステップR3で自動変速機14が第1速ギヤ段
「1st」または第2速ギヤ段「2nd」か否かを判断
し、「1st」または「2nd」の場合はステップR5
で1、2速用の設定油圧マップを選択し、「1st」ま
たは「2nd」でない場合はステップR6で3速以上用
の設定油圧マップを選択する。これ等の設定油圧マップ
は、例えば前記記憶装置188などに記憶されている。
【0057】上記複数種類の設定油圧マップは、何れも
入力トルクに対応するスロットル弁開度θTHをパラメー
タとして、クラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の
スリップを確実に防止できる範囲でできるだけ低い油圧
が定められている。また、クラッチC0〜C2やブレー
キB0〜B4に作用するトルクは、自動変速機14のギ
ヤ段すなわち変速比γによって相違し、変速比γが大き
い低速ギヤ段程大きなトルクが作用するため、ギヤ段毎
に設定油圧マップを設定することが望ましい。本実施例
では、前進ギヤ段については1、2速用と3速以上用の
2種類が用意されているが、必要に応じて更に極め細か
く設定油圧マップを用意することもできる。各ギヤ段毎
に許容される入力トルクは、上記変速比γだけでなく、
各ギヤ段で係合させられるクラッチC0〜C2やブレー
キB0〜B4のトルク容量、配設位置などによっても異
なるため、最もスリップし易いものを基準にして油圧を
設定することになる。後進ギヤ段用の設定油圧マップ
は、変速比γが大きい「Rev(LO)」の場合にスリ
ップが生じないように設定されている。
【0058】一方、フェール時専用の設定油圧マップ
は、自動変速機14の動力伝達状態が判らないため、安
全サイドに立って何れの動力伝達状態であってもスリッ
プが生じないように定められるが、本実施例では、フェ
ールセーフ手段によってフェール時には後進ギヤ段「R
ev(LO)」の成立が制限(略禁止)され、Rポジシ
ョンでは変速比γが小さい後進ギヤ段「Rev(H
I)」が成立させられる可能性が高いため、設定油圧マ
ップも、変速比γが大きい後進ギヤ段「Rev(L
O)」を除いた動力伝達状態に基づいて定められてい
る。すなわち、ステップR4で選択される後進ギヤ段用
の設定油圧マップよりも、フェール時専用の設定油圧マ
ップの方が、設定油圧の値が低いのである。
【0059】ステップR8では、ステップR4〜R7で
選択した設定油圧マップを用いて、その時のスロットル
弁開度θTHから設定油圧pltstdyを算出し、ステ
ップR9では、その設定油圧pltstdyに従ってリ
ニアソレノイドSLTをデューティ制御する。これによ
り、ライン油圧PLが、自動変速機14のギヤ段に応じ
てクラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4のスリップ
を確実に防止できる最低限の油圧に制御される。設定油
圧pltstdyは、ライン油圧PLそのものの油圧値
であっても良いが、リニアソレノイドSLTの出力油圧
やデューティ比など、ライン油圧PLに対応するもので
あれば良い。
【0060】このように、本実施例の油圧制御は、自動
変速機14の複数の動力伝達状態すなわちギヤ段に応じ
て設定された複数種類の設定油圧マップから対応するマ
ップを選択して設定油圧pltstdyを算出し、その
設定油圧pltstdyに従ってリニアソレノイドSL
Tを制限するもので、複数の動力伝達状態に応じて予め
定められた複数の制御条件に従って所定の制御対象を制
御する伝達状態対応制御手段に相当する。ギヤ段に応じ
て設けられた複数の設定油圧マップは複数の制御条件
で、リニアソレノイドSLTを有するリニアソレノイド
弁(油圧制御弁)は制御対象である。
【0061】ここで、本実施例では、自動変速機14の
ギヤ段などの動力伝達状態を判別できないフェール時に
は、フェールセーフ手段によって変速比γが最も大きい
後進ギヤ段「Rev(LO)」の成立が制限されるが、
上記油圧制御では、その後進ギヤ段「Rev(LO)」
を除く動力伝達状態に基づいて定められたフェール時専
用の設定油圧マップから設定油圧pltstdyを求め
てリニアソレノイドSLTを制御するため、フェールセ
ーフ手段の制御に拘らずフェール時のライン油圧PLが
適切に制御される。
【0062】すなわち、フェールセーフ手段による後進
ギヤ段「Rev(LO)」の成立の制限を無視して、フ
ェール時には例えば最も条件が厳しい後進ギヤ段用の設
定油圧マップを流用して油圧制御を行うと、後進ギヤ段
「Rev(HI)」しか成立しない後進走行時は勿論、
前進走行時などでもライン油圧PLが必要以上に高くな
るが、本実施例では、フェール時に成立させられる可能
性が高いギヤ段だけを考慮して定められたフェール時専
用の設定油圧マップを用いて油圧制御が行われるため、
ライン油圧PLが必要以上に高くなることが防止され、
油圧を発生するポンプを回転駆動する動力源(本実施例
ではエンジン10)のエネルギー損失が低減される。
【0063】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両の駆動力系の構成を説
明する骨子図である。
【図2】図1の車両に設けられた自動変速機の複数のギ
ヤ段とそれを成立させる油圧式摩擦係合装置の作動状態
との関係などを説明する図である。
【図3】図1の車両において、エンジンおよび自動変速
機の制御系統を説明するブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路のうちクラッチC0および
ブレーキB0の制御に関連する部分を示す回路図であ
る。
【図5】図4のソレノイドSL3、SL4のON(励
磁)、OFF(非励磁)とブレーキB0、クラッチC0
に対する作動油の給排との関係を説明する図である。
【図6】図3の油圧制御回路のうちブレーキB3の調
圧、クラッチC2、ブレーキB2のドレーン、ブレーキ
B1の係合、解放、に関連する部分を示す回路図であ
る。
【図7】図6のソレノイドSL3のON(励磁)、OF
F(非励磁)とB3コントロールバルブのゲインの切換
え、ブレーキB2、クラッチC2のドレーンの大小、ブ
レーキB1に対する作動油の給排、との関係を説明する
図である。
【図8】図3のシフトレバーのシフトパターンの一例を
示す図である。
【図9】図3のスロットルアクチュエータを制御するた
めの特性であって、アクセルペダル操作量ACCとスロッ
トル弁開度θTHとの関係の一例を示す図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置によって行われる
自動変速機の変速制御で用いられる変速マップの一例を
示す図である。
【図11】図3の変速用電子制御装置によって実行され
るストール時トルクダウン制御の具体的内容を説明する
フローチャートである。
【図12】図11のステップS7〜S10で選択される
上限ガードマップの一例を説明する図である。
【図13】図12の上限ガードマップの設定の基礎にな
る特性を示す図で、スロットル弁開度θTH、タービン回
転速度NT 、タービントルクTT の関係の一例を示す図
である。
【図14】図3の変速用電子制御装置によって実行され
るリバース時OD部制御を具体的に説明するフローチャ
ートである。
【図15】図14のリバース時OD部制御で切り換えら
れるリバース時のOD部のLO、HIを、車速およびア
イドルスイッチのON、OFFとの関係で説明する図で
ある。
【図16】図3の変速用電子制御装置によって実行され
るライン油圧PLの油圧制御の具体的内容を説明するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン(動力源) 12:トルクコンバータ
14:自動変速機(動力伝達装置) 154:ス
ロットルアクチュエータ(制御対象) 172:シフ
トレバー(伝達状態変更手段) 174:シフトポジ
ションセンサ(伝達状態変更手段) 176:エンジ
ン用電子制御装置 178:変速用電子制御装置
184:油圧制御回路 SL1〜SL4:シフトソレ
ノイド(伝達状態変更手段) SLT:リニアソレノ
イド(制御対象) C0〜C2:クラッチ(摩擦係合
装置) B0〜B4:ブレーキ(摩擦係合装置) ステップS1〜S11:ストール時トルクダウン制御手
段(伝達状態対応制御手段) ステップQ1、Q2:フェールセーフ手段 ステップR1〜R9:油圧制御手段(伝達状態対応制御
手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F16H 59:24 F16H 59:24 59:68 59:68 Fターム(参考) 3D041 AA71 AA74 AB01 AC01 AC15 AC18 AD02 AD04 AD05 AD10 AD14 AD23 AD31 AD41 AD51 AE04 AE30 AE32 AF01 3G093 AA05 BA04 BA10 BA11 CB08 DA01 DA04 DA05 DA06 DA09 DB01 DB05 DB11 DB15 EA01 EA09 EB03 EC02 EC04 FA01 FA04 FA10 FA11 FA12 3J552 MA02 MA04 MA06 NA01 NB01 NB04 NB05 RB04 RC14 SA07 TA01 TB07 TB11 UA08 VA02W VA07W VA07Y VA42W VA62X VA74W VA74X VD02Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源と駆動輪との間に配設されるとと
    もに、複数の動力伝達状態が可能な動力伝達装置と、 該動力伝達装置の前記動力伝達状態を変更する伝達状態
    変更手段と、 前記複数の動力伝達状態に応じて予め定められた複数の
    制御条件に従って所定の制御対象を制御する伝達状態対
    応制御手段と、 を有する車両において、前記伝達状態変更手段などのフ
    ェールで前記動力伝達装置の動力伝達状態を判別できな
    い場合の制御装置であって、 前記フェール時に特有の制御を行うフェールセーフ手段
    を有する一方、 前記伝達状態対応制御手段は、前記フェール時には、前
    記複数の制御条件とは別に前記フェールセーフ手段の制
    御を考慮して定められたフェール時専用の制御条件に従
    って、前記制御対象を制御するようになっていることを
    特徴とする車両のフェール時制御装置。
  2. 【請求項2】 前記動力伝達装置は、変速比が異なる複
    数のギヤ段が成立させられる自動変速機で、トルクコン
    バータを介して前記動力源から動力が伝達されるように
    なっており、 前記フェールセーフ手段は、前記自動変速機の複数のギ
    ヤ段の何れかの成立を制限するものであり、 前記伝達状態対応制御手段は、前記トルクコンバータの
    トルク比が過大になるストール時に、前記自動変速機の
    ギヤ段毎に定められた上限ガードに従って前記動力源の
    出力を制限するストール時トルクダウン制御手段で、前
    記フェール時には、前記成立が制限されたギヤ段を除く
    他のギヤ段に基づいて定められたフェール時専用の上限
    ガードに従って前記動力源の出力を制限するようになっ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の車両のフェー
    ル時制御装置。
  3. 【請求項3】 前記動力伝達装置は、油圧式の摩擦係合
    装置の係合、解放状態が切り換えられることにより変速
    比が異なる複数のギヤ段が成立させられる自動変速機
    で、 前記フェールセーフ手段は、前記自動変速機の複数のギ
    ヤ段の何れかの成立を制限するものであり、 前記伝達状態対応制御手段は、前記摩擦係合装置の油圧
    アクチュエータを含む油圧制御回路の油圧が前記自動変
    速機のギヤ段毎に定められた設定油圧になるように油圧
    制御弁を制御する油圧制御手段で、前記フェール時に
    は、前記成立が制限されたギヤ段を除く他のギヤ段に基
    づいて定められたフェール時専用の設定油圧に従って前
    記油圧制御弁を制御するようになっていることを特徴と
    する請求項1に記載の車両のフェール時制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005337376A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Denso Corp 自動変速機の制御装置
CN111890927A (zh) * 2020-08-07 2020-11-06 中国重汽集团济南动力有限公司 一种重型车辆驾驶性能限制方法

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CN111890927A (zh) * 2020-08-07 2020-11-06 中国重汽集团济南动力有限公司 一种重型车辆驾驶性能限制方法
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