JP2002039081A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でスラスト軸受面とスクロール圧
縮室を確実に潤滑することができ、且つ、圧縮空間のシ
ール性を確実に確保することができるスクロール圧縮機
を提供する。 【解決手段】 密閉容器１内に回転軸５を有する電動要
素３を設け、固定スクロール７と揺動スクロール８とで
形成された複数の圧縮空間１７を外方から内方へ向かっ
て次第に縮小させて圧縮を行うスクロール圧縮機ＳＣに
おいて、揺動スクロール８に一端が回転軸５側に開口す
ると共に、他端がフレーム４のスラスト軸受面４Ａに開
口する油供給通路８Ａを備える。この油供給通路８Ａに
より、回転軸５からフレーム４のスラスト軸受面４Ａに
給油する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、固定スクロールと
揺動スクロールとをかみ合わせて圧縮を行うスクロール
圧縮機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種スクロール圧縮機は、例えば
密閉容器内に回転軸を有する電動要素と、この電動要素
で駆動されると共に、鏡板に渦巻き状のラップを立設さ
せた揺動スクロールと、この揺動スクロールに向かい合
ってかみ合う鏡板に渦巻き状のラップを立設させた固定
スクロールとを収納している。そして、固定スクロール
に対して揺動スクロールを公転させながら旋回させるこ
とにより、固定スクロールと揺動スクロールとで形成さ
れた複数の圧縮空間を外方から内方へ向かって次第に縮
小させて冷媒ガスの圧縮を行うよう構成している。

【０００３】該揺動スクロールはフレーム上にて円軌道
を描きながら摺動するものであるから、この揺動スクロ
ールの鏡板とフレームのスラスト軸受面間及び固定スク
ロールと揺動スクロールのラップの接触部（圧縮空間）
には絶えず潤滑油を供給して揺動スクロール或いはフレ
ームが摩耗しないようにし、且つ、圧縮空間のシール性
を確保にする必要があった。そこで、図４、図５に示す
如き、揺動スクロールを摺動支持するフレーム１０４の
スラスト軸受面１０４Ａに当該フレーム１０４の半径方
向に延在し回転軸（図示せず）側に開口する油溝１２７
が形成されると共に、フレーム１０４内（スラスト軸受
面１０４Ａ下側）にフレーム１０４の半径方向に貫通し
た給油孔１２６が設けられている。

【０００４】そして、図示しないがオイルポンプで汲み
上げられた潤滑油は回転軸内の給油通路を経て揺動スク
ロールのピン部上端の基部に穿設され半径方向に放射状
に延在した複数の給油孔から吹き出す。給油孔から吹き
出した潤滑油は揺動スクロールとフレーム１０４のスラ
スト軸受面１０４Ａの隙間から揺動スクロールとフレー
ム１０４のスラスト軸受面１０４Ａの間に潤滑され、ス
ラスト軸受面１０４Ａの潤滑を終えた潤滑油は油溝１２
７から回収されると共に、回転軸内の給油通路から吹き
出した潤滑油の一部は給油孔１２６を通過した後冷媒ガ
スと混合され霧状となって前記圧縮空間内に飛散する。
これにより、圧縮空間と揺動スクロール或いはフレーム
１０４が摩耗しないように構成すると共に、圧縮空間の
シール性を確実に確保していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る潤
滑構造では揺動スクロールとフレームのスラスト軸受面
間への潤滑は、回転軸内の給油通路から吹き出した潤滑
油が揺動スクロールとフレームのスラスト軸受面の隙間
から入り込ませており、また、回転軸内の給油通路から
吹き出した潤滑油の一部は給油孔を出て冷媒ガスと混合
し圧縮空間内に飛散させていた。このため、揺動スクロ
ールとフレームのスラスト軸受面及び圧縮空間内への潤
滑油の供給量の調整が行い難い問題があった。

【０００６】本発明は、係る従来技術の課題を解決する
ために成されたものであり、簡単な構造でスラスト軸受
面とスクロール圧縮室を確実に潤滑することができ、且
つ、圧縮空間のシール性を確実に確保することができる
スクロール圧縮機を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】即ち、請求項１の発明の
スクロール圧縮機は、密閉容器内に回転軸を有する電動
要素と、この回転軸を中央で軸支するフレームと、この
フレームのスラスト軸受面に摺動支持されると共に回転
軸により駆動され、鏡板に渦巻き状のラップを立設させ
た揺動スクロールと、この揺動スクロールに向かい合っ
てかみ合う鏡板に渦巻き状のラップを立設させた固定ス
クロールとを収納し、この固定スクロールと揺動スクロ
ールとで形成された複数の圧縮空間を外方から内方へ向
かって次第に縮小させて圧縮を行うよう、揺動スクロー
ルを固定スクロールに対して公転しながら旋回させるス
クロール圧縮機において、揺動スクロールに形成され、
一端が回転軸側に開口すると共に、他端がフレームのス
ラスト軸受面に開口する油供給通路を備え、この油供給
通路により、回転軸からフレームのスラスト軸受面に給
油するものである。

【０００８】また、請求項２の発明のスクロール圧縮機
は、上記において、フレームのスラスト軸受面にそれぞ
れ凹陥形成され、当該フレームの内側に開放した第１の
油溝と、外側に開放した第２の油溝を備えるものであ
る。

【０００９】本発明によれば、密閉容器内に回転軸を有
する電動要素と、この回転軸を中央で軸支するフレーム
と、このフレームのスラスト軸受面に摺動支持されると
共に前記回転軸により駆動され、鏡板に渦巻き状のラッ
プを立設させた揺動スクロールと、この揺動スクロール
に向かい合ってかみ合う鏡板に渦巻き状のラップを立設
させた固定スクロールとを収納し、この固定スクロール
と揺動スクロールとで形成された複数の圧縮空間を外方
から内方へ向かって次第に縮小させて圧縮を行うよう、
揺動スクロールを固定スクロールに対して公転しながら
旋回させるスクロール圧縮機において、揺動スクロール
に形成され、一端が回転軸側に開口すると共に、他端が
フレームのスラスト軸受面に開口する油供給通路を備
え、この油供給通路により、回転軸からフレームのスラ
スト軸受面に給油するようにしたので、回転軸から出た
潤滑油はこの油供給通路により、直接フレームのスラス
ト軸受面に供給されることになる。これにより、揺動ス
クロールの鏡板とフレームのスラスト軸受面間の潤滑性
能を著しく向上させることができるようになる。

【００１０】特に、請求項２の如くフレームのスラスト
軸受面にそれぞれ凹陥形成され、当該フレームの内側に
開放した第１の油溝と、外側に開放した第２の油溝を設
けられ、スラスト軸受面に直接供給された潤滑油を第２
の油溝により圧縮空間側に供給し、第１の油溝により鏡
板とスラスト軸受面間を潤滑した油を排出することがで
きるようになり、圧縮空間への給油用の格別な通路をフ
レーム内などに形成する必要が無くなる。これにより、
作業工数を削減してコストを大幅に低減させることがで
きるようになる。

【００１１】また、第１の油溝と第２の油溝の開口面積
によって圧縮空間への給油量を調節することも可能とな
るので、スラスト軸受面と圧縮空間へ最適且つ確実な給
油を行うことができるようになるなど、総じて、安価で
高性能なスクロール圧縮機を提供することができるよう
になるものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図１は本発明のスクロール圧縮機ＳＣ
の縦断側面図、図２は本発明のスクロール圧縮機ＳＣを
構成するフレーム４の平面図、図３は同図２のフレーム
４の側断面図をそれぞれ示している。

【００１３】図１において１は密閉容器で、この密閉容
器１内には上側にスクロール圧縮要素２が、下側にこの
スクロール圧縮要素２を駆動する電動要素３がそれぞれ
収納されている。４はフレームで、このフレーム４は中
央部において電動要素３の回転軸５を軸支している。

【００１４】スクロール圧縮要素２は、固定スクロール
７と揺動スクロール８とで構成されている。固定スクロ
ール７は密閉容器１内を高圧室９と低圧室１０とに区画
する円板状の鏡板１１と、この鏡板１１の一方の面周縁
に突出された環状壁１２と、この環状壁１２で囲まれて
鏡板１１に立設されたインボリュート状またはこれに近
似する曲線から成る渦巻き状のラップ１３とで構成され
ている。そして、固定スクロール７は環状壁１２及びラ
ップ１３の突出方向を下方として設けられている。

【００１５】揺動スクロール８は円板状の鏡板１４と、
この鏡板１４の一方の面に立設されたインボリュート状
またはこれに近似する曲線から成る渦巻き状のラップ１
５と、鏡板１４の他方の面の中央に突設されたピン部１
６とで構成されている。そして、揺動スクロール８はラ
ップ１５の突出方向を上方として鏡板１４の下面（以
下、スラスト面１４Ａと称す）をフレーム４の上面（以
下、スラスト軸受面４Ａと称す）に摺動自在に支持され
ており、前記ラップ１５が固定スクロール７のラップ１
３に向かい合ってかみ合い、内部に三日月状の圧縮空間
１７が複数形成されるようにしている。更に、この圧縮
空間１７は後に詳述する如く外方から内方へ向かって次
第に縮小され、吸入した冷媒を圧縮して行く構成とされ
ている。

【００１６】１９は回転軸５の先端に設けられて揺動ス
クロール８のピン部１６内に挿入された駆動部で、この
駆動部１９の中心は回転軸５の軸心と偏心して設けられ
ている。また、２０はオルダムリングであり、フレーム
４と揺動スクロール８との間に設けられている。このオ
ルダムリング２０は、揺動スクロール８が固定スクロー
ル７に対して自転しないように円軌道上を公転させる作
用を成す。

【００１７】一方、固定スクロール７の鏡板１１中央部
には、圧縮空間１７と高圧室９とを連通する吐出ポート
１８が設けられ、また、図２においてフレーム４の外周
部にはスクロール圧縮要素２に冷媒を導く吸込通路２１
・・が設けられている。更に、２２は密閉容器１に取り
付けられた吸込管であり、この吸込管２２はフレーム４
の下方で密閉容器１内の低圧室１０に連通している。２
３は密閉容器１の上部に取り付けられた吐出管で、この
吐出管２３は密閉容器１内の高圧室９に連通している。
尚、高圧室９と吐出ポート１８は連通している。

【００１８】回転軸５内には油供給通路を構成する上下
に渡る給油通路２４が形成されている。この給油通路２
４の下端は回転軸５の下端に設けられたオイルポンプ２
５に連通しており、上端は駆動部１９の上端において開
放している。他方、密閉容器１内下端部には潤滑油が貯
溜されており、前記オイルポンプ２５はこの潤滑油を汲
み上げて給油通路２４に供給する。

【００１９】前記、揺動スクロール８のフレーム４には
油供給通路８Ａが形成されている。この油供給通路８Ａ
は所定の径の孔にて構成されており、一端を回転軸５側
に開口すると共に、他端をフレーム４のスラスト軸受面
４Ａ上に開口している。そして、オイルポンプ２５によ
って給油通路２４を上昇した潤滑油は駆動部１９の上端
より吹き出されて、油供給通路８Ａを通りフレーム４の
スラスト軸受面４Ａ上に供給される。これにより、回転
軸５から出た潤滑油は油供給通路８Ａによりフレーム４
のスラスト軸受面４Ａに直接供給されることになる。

【００２０】他方、フレーム４のスラスト軸受面４Ａに
は所定幅、所定の深さに彫り込まれると共に、半径方向
に延在する第１の油溝２７と、第２の油溝２８がそれぞ
れ凹陥形成されている。第１の油溝２７は一側をフレー
ム４の内側（回転軸５側）に開放し外側を閉塞してい
る。また、第２の油溝２８は外側（回転軸５の離間側）
に開放し内側を閉塞している。そして、オイルポンプ２
５によって油供給通路８Ａからフレーム４のスラスト軸
受面４Ａに直接供給された潤滑油は揺動スクロール８の
スラスト面１４Ａとフレーム４のスラスト軸受面４Ａと
の摺動を円滑にして摩耗を防止した後、第１の油溝２７
に流入して内側に流出し回転軸５に設けられた図示しな
い油戻り通路から密閉容器１内下端部に戻る。

【００２１】また、オイルポンプ２５によってフレーム
４のスラスト軸受面４Ａに供給された潤滑油の一部は第
２の油溝２８内に流入した後外側に流出し、そこで冷媒
ガスと混合され霧状となって前記圧縮空間１７内に飛散
する。これにより、圧縮空間１７に絶えず潤滑油を供給
して揺動スクロール８及びフレーム４の摩耗を防止する
と共に、圧縮空間１７のシール性を確実に確保してい
た。尚、第１の油溝２７の深さと幅は、フレーム４のス
ラスト軸受面４Ａに給油される潤滑油が最適な潤滑性を
確保できるようにそれぞれ設定されると共に、第２の油
溝２８の深さと幅は、圧縮空間１７内に飛散させる潤滑
油が最適なシール性及び潤滑性となるようにそれぞれ設
定されている。

【００２２】次に、スクロール圧縮機ＳＣの動作を説明
する。電動要素３が運転されると、回転軸５を介して揺
動スクロール８が駆動される。即ち、揺動スクロール８
は、ピン部１６に挿入された駆動部１９（回転軸５の軸
心に対して偏心している）により駆動され、オルダムリ
ング２０で固定スクロール７に対して自転しないように
円軌道上を公転しながら旋回させられる。

【００２３】係る揺動スクロール８の運動により、固定
スクロール７と揺動スクロール８はそれらのラップ１
３、１５間に形成された圧縮空間１７を外方から内方に
向かって次第に縮小させて行く。一方、吸込管２２から
密閉容器１内の低圧室１０に流入した冷媒は、フレーム
４外周の吸込通路２１・・からスクロール圧縮要素２の
圧縮空間１７に導かれるので、冷媒は揺動スクロール８
の旋回により外方から内方に向かって次第に圧縮されて
行く。この圧縮冷媒ガスは鏡板１１中央部の吐出ポート
１８から高圧室９に吐出され、吐出管２３から密閉容器
１外に吐出されることになる。

【００２４】一方、密閉容器１内下端に貯溜されている
潤滑油は回転軸５下端の前記オイルポンプ２５により汲
み上げられ、給油通路２４を通って回転軸５の駆動部１
９上端から吹き出される。そして、駆動部１９上端から
吹き出された潤滑油は、揺動スクロール８のフレーム４
側に形成された油供給通路８Ａからフレーム４のスラス
ト軸受面４Ａに直接供給される。フレーム４のスラスト
軸受面４Ａに供給された潤滑油は揺動スクロール８のス
ラスト面１４Ａとフレーム４のスラスト軸受面４Ａとの
摺動を円滑にした後第１の油溝２７内に入る。

【００２５】ここで、第１の油溝２７はフレーム４の内
側（回転軸５側）に開放し外側を閉塞するようにフレー
ム４のスラスト軸受面４Ａを彫り込んで凹陥形成すると
共に、第２の油溝２８はフレーム４の内側（回転軸５の
離間側）に開放し、外側を閉塞するようにこれもまたフ
レーム４のスラスト軸受面４Ａを彫り込んで凹陥形成し
ているだけなので、加工が簡単であり、製造コストの増
大も防止できる。また、第１の油溝２７は揺動スクロー
ル８のスラスト面１４Ａとフレーム４のスラスト軸受面
４Ａとの間に最適な潤滑ができるように幅及び深さを設
定しているので、鏡板１４とスラスト軸受面４Ａ間を潤
滑した油を内側の開放（開口）から排出することがで
き、排出された油は回転軸５に設けられた図示しない油
戻り通路から密閉容器１内下端部に戻すことができる。
これにより、揺動スクロール８の負荷を大幅に低減させ
られ摩耗を確実に防止できる潤滑油量に調整することが
できる。

【００２６】また、第２の油溝２８は圧縮空間１７に最
適な潤滑ができるように幅及び深さを設定しているの
で、第２の油溝２８の外側の開放（開口）から流出した
潤滑油は、図示しないが揺動スクロール８が左に寄った
状態では、オルダムリング２０とフレーム４は離間し、
複数形成された圧縮空間１７右側の空間は拡張されて、
圧縮空間１７左側の空間は縮小される。逆に、揺動スク
ロール８が右に寄った状態では、オルダムリング２０と
フレーム４は近接し、複数形成された圧縮空間１７左側
の空間は拡張されて、圧縮空間１７右側の空間は縮小さ
れる。

【００２７】ここで、空間が拡張されるとその容積変化
によって第２の油溝２８の外側の開放（開口）から流出
した潤滑油は冷媒ガスと共に空間内に引き込まれる。そ
して、潤滑油と冷媒ガスはこの空間内で混合され、空間
が縮小されるときに、その容積変化によって揺動スクロ
ール８とオルダムリング２０との隙間から吐き出され、
霧状となって圧縮空間１７内に飛散される。

【００２８】このとき、圧縮空間１７に吸い込まれた潤
滑油により鏡板１１とラップ１５の接触部、鏡板１４と
ラップ１３の接触部、及びラップ１３と１５の接触部の
シール及び各摺動部の潤滑が行われるので、リーク損失
の少ない高効率の運転を実現することが可能となる。ま
た、第２の油溝２８の幅及び深さを予め圧縮空間１７の
シール性及び潤滑性が最適になるような寸法に設定して
いるので、圧縮空間１７のシール性及び潤滑性を最適に
維持することが可能となる。これにより、圧縮空間１７
への給油用の格別な通路をフレーム４内などに形成する
必要が無くなる。尚、各接触部のシール及び摺動部の潤
滑に必要、且つ、十分な潤滑油の量は、第１の油溝２７
及び第２の油溝２８の本数と断面積によって簡単に調節
することができる。

【００２９】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、密閉
容器内に回転軸を有する電動要素と、この回転軸を中央
で軸支するフレームと、このフレームのスラスト軸受面
に摺動支持されると共に前記回転軸により駆動され、鏡
板に渦巻き状のラップを立設させた揺動スクロールと、
この揺動スクロールに向かい合ってかみ合う鏡板に渦巻
き状のラップを立設させた固定スクロールとを収納し、
この固定スクロールと揺動スクロールとで形成された複
数の圧縮空間を外方から内方へ向かって次第に縮小させ
て圧縮を行うよう、揺動スクロールを固定スクロールに
対して公転しながら旋回させるスクロール圧縮機におい
て、揺動スクロールに形成され、一端が回転軸側に開口
すると共に、他端がフレームのスラスト軸受面に開口す
る油供給通路を備え、この油供給通路により、回転軸か
らフレームのスラスト軸受面に給油するようにしたの
で、回転軸から出た潤滑油はこの油供給通路により、直
接フレームのスラスト軸受面に供給されることになる。
これにより、揺動スクロールの鏡板とフレームのスラス
ト軸受面間の潤滑性能を著しく向上させることができる
ようになる。

【００３０】特に、請求項２の如くフレームのスラスト
軸受面にそれぞれ凹陥形成され、当該フレームの内側に
開放した第１の油溝と、外側に開放した第２の油溝とを
設けられ、スラスト軸受面に直接供給された潤滑油を第
２の油溝により圧縮空間側に供給し、第１の油溝により
鏡板とスラスト軸受面間を潤滑した油を排出することが
できるようになり、圧縮空間への給油用の格別な通路を
フレーム内などに形成する必要が無くなる。これによ
り、作業工数を削減してコストを大幅に低減させること
ができるようになる。

【００３１】また、第１の油溝と第２の油溝の開口面積
によって圧縮空間への給油量を調節することも可能とな
るので、スラスト軸受面と圧縮空間へ最適且つ確実な給
油を行うことができるようになるなど、総じて、安価で
高性能なスクロール圧縮機を提供することができるよう
になるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスクロール圧縮機の縦断側面図であ
る。

【図２】本発明のスクロール圧縮機を構成するフレーム
の平面図である。

【図３】同図２のフレームの側断面図である。

【図４】従来のスクロール圧縮機を構成するフレームの
平面図である。

【図５】同図５の従来のフレームの側断面図である。

【符号の説明】

ＳＣ スクロール圧縮機 １ 密閉容器 ２ スクロール圧縮要素 ３ 電動要素 ４ フレーム ４Ａ スラスト軸受面 ５ 回転軸 ７ 固定スクロール ８ 揺動スクロール ８Ａ 油供給通路 １１ 鏡板 １３ ラップ １４ 鏡板 １４Ａ スラスト面 １５ ラップ １６ ピン部 １７ 圧縮空間 ２０ オルダムリング ２４ 給油通路 ２５ オイルポンプ ２７ 第１の油溝 ２８ 第２の油溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB06 BB16 CC18 CC20 CC33 CC48 3H039 AA03 AA06 AA12 BB11 CC02 CC22 CC42

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 密閉容器内に回転軸を有する電動要素
   と、この回転軸を中央で軸支するフレームと、このフレ
   ームのスラスト軸受面に摺動支持されると共に前記回転
   軸により駆動され、鏡板に渦巻き状のラップを立設させ
   た揺動スクロールと、この揺動スクロールに向かい合っ
   てかみ合う鏡板に渦巻き状のラップを立設させた固定ス
   クロールとを収納し、この固定スクロールと揺動スクロ
   ールとで形成された複数の圧縮空間を外方から内方へ向
   かって次第に縮小させて圧縮を行うよう、前記揺動スク
   ロールを固定スクロールに対して公転しながら旋回させ
   るスクロール圧縮機において、 前記揺動スクロールに形成され、一端が前記回転軸側に
   開口すると共に、他端が前記フレームのスラスト軸受面
   に開口する油供給通路を備え、この油供給通路により、
   前記回転軸から前記フレームのスラスト軸受面に給油す
   ることを特徴とするスクロール圧縮機。
2. 【請求項２】 フレームのスラスト軸受面にそれぞれ凹
   陥形成され、当該フレームの内側に開放した第１の油溝
   と、外側に開放した第２の油溝を備えることを特徴とす
   る請求項１のスクロール圧縮機。