JP2002038947A - 蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関および被熱供給体の制御装置 - Google Patents

蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関および被熱供給体の制御装置

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JP2002038947A
JP2002038947A JP2000225826A JP2000225826A JP2002038947A JP 2002038947 A JP2002038947 A JP 2002038947A JP 2000225826 A JP2000225826 A JP 2000225826A JP 2000225826 A JP2000225826 A JP 2000225826A JP 2002038947 A JP2002038947 A JP 2002038947A
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heat
vehicle
timing
internal combustion
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JP2000225826A
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Makoto Suzuki
鈴木  誠
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Masakazu Tabata
正和 田畑
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関の温度分布を始動時において最適化し、
排気特性や燃費性能の向上を図ることのできる蓄熱装置
を有する内燃機関を提供する。 【解決手段】 車両に搭載されたエンジンシステム10
0のECU30は、盗難防止装置の解除動作をエンジン
10の始動に先立って必然的に生じる事象として選択
し、当該選択した事象の発生タイミングに基づいてプレ
ヒートを開始する。盗難防止装置の解除動作の開始タイ
ミングは、エンジン10の始動に先立って生じる事象と
して必然性が高いばかりでなく、その開始タイミングか
らエンジン10の任意の始動タイミングに亘る時間の長
さについての再現性も高い。このタイミングに同期し
て、或いは当該タイミングに基づく所定タイミングでプ
レヒートを開始することにより、エンジン10を任意の
タイミングで始動させる場合であれ、エンジン10の始
動時におけるプレヒートの完了状態が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一時的に熱を蓄
え、熱媒体の流れる循環通路に送り出す機能を備えた蓄
熱装置を有する車両搭載用の内燃機関に関し、特に、そ
うした蓄熱装置の作動制御に適用して好適な制御構造の
具現に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両に搭載される内
燃機関にとって、燃焼室周辺の温度が所定温に達してい
ない状態(冷間状態)での機関運転は、燃焼室に供給さ
れる燃料が十分に霧化されないこと等の不具合を生じさ
せ、排気特性(エミッション)や燃費性能を悪化させて
しまうため好ましくない。
【0003】しかし実際のところ、一時的な機関停止後
における再始動時のような場合は例外として、機関運転
を開始する際には毎回のように、機関始動時から暖機完
了時までの期間は冷間状態で機関運転を行わざるをえな
い。
【0004】こうした問題に対し、内燃機関が運転中に
発する熱を、所定の蓄熱容器に蓄えておき、冷間状態に
ある機関に放出する機能を有する蓄熱装置が知られてい
る。例えば特開平6−185359号公報に記載された
内燃機関の蓄熱装置は、当該機関の放熱によって熱せら
れた冷却水の一部を機関停止後にも保温状態で貯留して
おき、次回の機関始動時に冷却系(当該機関の冷却通
路)に解放することで機関を早期に暖めるようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
機関への熱供給時期についてどのようにすべきか開示し
ておらず、十分な暖機状態で機関始動を行うことができ
ないおそれがあった。すなわち、当該機関への熱供給時
期を、同機関の始動との関連で適切な時期にできないお
それがあった。
【0006】なお、こうした問題は、蓄熱装置を備えた
内燃機関に限らず、好適な作動状態を確保するのにある
程度の暖機、言い換えれば熱供給が必要とされる他の被
熱供給体にもかねがね共通したものとなっている。
【0007】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、被熱供給体への熱供給時期を始動に関連す
る特定の状態に応じて制御することにより被熱供給体へ
の熱供給を適切な時期にすることのできる被熱供給体の
制御装置を提供することを目的とする。また、このよう
な被熱供給体として好適に機能する蓄熱装置付き内燃機
関を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、熱媒体を循環させる循環通路と、熱
を蓄える蓄熱手段と、該蓄熱手段の蓄えた熱を前記熱媒
体を介して前記循環通路へ供給する熱供給手段と、前記
熱供給手段が前記循環通路への熱供給を行う期間を制御
する期間制御手段とを備えた蓄熱装置を有する車両搭載
用内燃機関において、前記期間制御手段は、当該機関の
始動に関連する特定のタイミング要素を認識し、該認識
したタイミング要素に基づいて、当該機関の始動に先立
ち前記熱供給手段が前記循環通路への熱供給を開始する
タイミングを制御することを要旨とする。
【0009】ここでタイミング要素とは、時期や時間に
関連するパラメータ全般を意味し、例えば特定動作の開
始時期、終了時期、又は期間、もしくは特定事象の発生
開始時期、終了時期、又は期間等がこれに該当する。
【0010】前記蓄熱装置が当該内燃機関への熱供給を
開始した後、所定期間が経過して機関始動を行うのが機
関運転初期における排気特性や燃費の最適化を図る上で
最も望ましい。そして、この機関始動のタイミングは、
同機関への必要且つ十分な熱供給が完了するタイミング
(熱供給の完了タイミング)と合致させるのがよい。
【0011】上記熱供給の開始タイミングを基準とし熱
供給が完了してから機関始動を行うことにより、機関始
動のタイミングと熱供給の完了タイミングとを合致させ
ることは可能である。しかし、機関始動を任意のタイミ
ングに行うことを望む場合、当該機関始動のタイミング
から遡及して上記熱供給のタイミングを決定することは
困難である。
【0012】同構成によれば、機関始動に先立って必然
的に生じる特定の事象を基準として熱供給を開始するこ
とにより、機関始動を任意のタイミングに行う場合であ
れ、当該機関始動のタイミングから適度な期間遡及した
熱供給の開始タイミングを設定することができるように
なる。
【0013】また、当該内燃機関の運転が停止している
期間中作動し、同機関が搭載される車両の盗難を防止す
る盗難防止手段をさらに備え、前記期間制御手段は、前
記盗難防止手段の作動解除が開始されるタイミングを前
記タイミング要素として認識するのがよい。
【0014】前記盗難防止手段の作動解除は当該内燃機
関の始動に先立つ必然的な動作であり、その作動解除動
作の開始タイミングは、毎回ほぼ同一である。同構成に
よれば、当該内燃機関の始動に先立つ必然性と、動作タ
イミングの再現性とが高い動作を選択し、この選択され
た動作タイミングに基づいて熱供給の開始タイミングを
決定することとなる。従って、適切な熱供給の開始タイ
ミングが毎回の機関始動にあたり確実に設定されるよう
になる。
【0015】また、前記盗難防止手段の作動解除動作
を、少なくとも前記熱供給手段による前記循環通路への
熱供給が終了するまで継続させるのがよい。同構成によ
れば、前記熱供給手段による熱供給の継続期間を、前記
盗難防止手段の作動解除動作期間に包含させることにな
り、当該熱供給の継続中、車両の運転者が違和感を感じ
ることもない。従って、当該内燃機関の始動に関し運転
者にとっての運転操作上の快適感を十分に確保すること
ができるようになる。
【0016】また、前記期間制御手段は、当該機関の搭
載される車両の乗降用ドアが開扉されたタイミングを前
記タイミング要素として認識するのがよい。また、当該
機関の搭載される車両の運転座席への着座を検知する着
座検知手段をさらに備え、前記期間制御手段は、前記着
座が検知されたタイミングを前記タイミング要素として
認識するのがよい。
【0017】また、当該機関の搭載される車両の運転座
席に備えられたシートベルトの装着を検知するシートベ
ルト装着検知手段をさらに備え、前記期間制御手段は、
前記シートベルトの装着が検知されたタイミングを前記
タイミング要素として認識するのがよい。
【0018】また、当該機関の搭載される車両のブレー
キ動作を検出するブレーキ動作検出手段をさらに備え、
前記期間制御手段は、前記ブレーキ動作が検出されたタ
イミングを前記タイミング要素として認識するのがよ
い。
【0019】また、当該機関の搭載される車両のクラッ
チ動作を検出するクラッチ動作検出手段をさらに備え、
前記期間制御手段は、前記クラッチ動作が検出されたタ
イミングを前記タイミング要素として認識するのがよ
い。
【0020】また、当該機関の搭載される車両の乗降用
ドアをロックするロック手段と、前記ロックの解除を検
知するロック解除検知手段とをさらに備え、前記期間制
御手段は、前記ロックの解除が検出されたタイミングを
前記タイミング要素として認識するのがよい。
【0021】上記各構成によっても、当該内燃機関の始
動に先立つ必然性と、動作タイミングの再現性とが何れ
も十分に高い動作を選択し、この選択された動作タイミ
ングに基づいて熱供給の開始タイミングを決定すること
となり、もって、適切な熱供給の開始タイミングが毎回
の機関始動にあたり確実に設定されるようになる。
【0022】また、外部からの入力操作を通じて、前記
期間制御手段に前記タイミング要素を認識させる外部入
力手段を備えるのがよい。また、前記外部入力手段は、
当該機関が搭載される車両の遠隔から前記入力操作を行
わせるのがよい。
【0023】また、前記外部入力手段は、音声を通じて
前記入力操作を行わせるのがよい。また、前記外部入力
手段は、操作パネルをディスプレイ表示するディスプレ
イを備え、該操作パネルへのタッチ操作により前記入力
操作を行わせるのがよい。
【0024】上記各構成によれば、当該内燃機関の搭載
される車両の運転者自ら、当該内燃機関の始動に先立つ
熱供給を簡易に実行することができるようになり、蓄熱
装置の操作にかかる利便性が向上する。
【0025】また、第2の発明は、所定条件が成立する
と被熱供給体に対する熱の供給がなされる被熱供給体の
制御装置であって、前記所定条件の成立を前記被熱供給
体の始動に関連する特定の状態に基づいて決定するとと
もに、当該被熱供給体の始動に関連する特定の状態に基
づいて同被供給体への熱の供給時期を制御することを要
旨とする。
【0026】ここで、上記被熱供給体は、何らかの動作
を行い、且つ熱供給の対象となる如何なるものをも意味
する。そのような熱供給体では、どの程度の熱の供給が
なされたかによって自身の状態が影響を受けることにな
る。上記構成によれば、例えば被熱供給体の始動に関連
し、必然的に生じる特定の事象を基準として熱供給を開
始することにより、当該被熱供給体の始動を任意のタイ
ミングに行う場合であれ、当該被熱供給体の始動のタイ
ミングから適度な期間遡及した熱供給の開始タイミング
を設定することができるようになる。
【0027】また、前記被熱供給体は原動機であるのが
よい。同構成によれば、自身への熱の出入りによってそ
の始動時の作動状態が変動しやすい原動機にとって、始
動時の作動状態が的確に制御されるようになる。
【0028】また、前記原動機は内燃機関を有してなる
のがよい。同構成によれば、自身への熱の出入りによ
り、その始動時の作動状態が変動し易く、とくにその作
動状態によって燃焼状態が左右される内燃機関にとっ
て、始動時の作動状態が的確に制御されるようになる。
【0029】また、当該内燃機関の始動に先立ち熱の供
給が開始されるのがよい。また、当該内燃機関の搭載さ
れる車両の盗難を防止する盗難防止手段を備え、前記特
定の状態は盗難防止手段の作動状態であるのがよい。
【0030】上記各構成によれば、自身への熱の出入り
により、その始動時の燃焼状態が左右され、その燃焼状
態を安定させるべく実施する熱供給が始動時までに完了
していることが望ましい内燃機関にとって、始動時の燃
焼状態が的確に制御されるようになる。
【0031】また、前記熱の供給は、熱を蓄熱する蓄熱
手段によりなされるのがよい。同構成によれば、上記始
動に関連する特定の状態が、蓄熱手段による被熱供給体
への熱供給時期について行われる制御に好適に反映され
ることとなる。また、蓄熱手段によれば、当該被熱供給
体への熱供給(熱伝達)を定性的・定量的に正確に実行
することができる。従って、当該被熱供給体の始動時に
かかる熱供給に関し、最適な作動状態を確保するために
求められる所望の熱供給時期や熱供給量が確実に適用さ
れるようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる蓄熱装置を
有する車両搭載用内燃機関を車載用エンジンシステムに
適用した一実施の形態について、図面を参照して説明す
る。
【0033】図1は、本実施の形態にかかる車載用エン
ジンシステム(内燃機関)が搭載される車両の一部を示
す略図である。車載用エンジンシステム(以下、エンジ
ンシステムという)100を駆動系として搭載する車両
1は、その運転にクラッチ操作を要しないいわゆるオー
トマチックトランスミッション方式の乗用車である。同
図1に示すように、車両1室内の一部を占める運転席1
aには、運転座席2を中心としてその周辺に、乗降用ド
ア(運転席側ドア)3、シートベルト(図示略)を脱着
するインナーバックル4、エンジンシステム100に備
えられたエンジン本体(図示略)の始動等を行うための
キーシリンダ5、同エンジン本体の機関出力を調整する
ためのアクセルペダル6、車両1を制動するためのブレ
ーキペダル7、トランスミッション(図示略)の機能を
切り換えるためのシフトレバー8、道路情報等を画像情
報を画面上に映し出す他タッチ操作による入力操作も可
能なディスプレイ装置9、運転者の音声を検知するマイ
ク9a等が設けられている。運転席1aに設けられた上
記各種部材2〜9及び9a等は、それぞれが直接、或い
は当該部材の動作を検出する機器類(センサ類)を介
し、電子制御装置(ECU)30と電気的に接続されて
いる。
【0034】図2には、ECU30を中心としたエンジ
ンシステム100の電気的構成の概略を示す。同図2に
示すように、ECU30の外部入力回路36には、キー
シリンダ5、着座センサ2a、ドア開閉センサ3a、ド
アロックセンサ3b、シートベルトセンサ4a、ブレー
キセンサ7a、シフトポジションセンサ8a、マイク
(音響センサ)9a及び水温センサ25等、車両1の各
部や運転者に関する情報を電気信号として出力する各種
機器が電気的に接続されている。
【0035】キーシリンダ5(図1を併せ参照)は、同
キーシリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aの操
作に応じ、エンジン10の始動に関連する各部材の動作
態様を切り換えるいわゆるイグニションスイッチとして
の機能を有する。すなわち、ディスプレイ装置9(図1
を参照)をはじめとし、ルームランプ(図示略)、オー
ディオ(図示略)、或いは表示ランプ類といった周辺機
器の主電源や、ECU30にとってエンジン10の運転
制御を実施する機能を作動させるためのメインリレーの
「オン(ON)」、「オフ(OFF)」を行う他、EC
U30を通じエンジン10の始動にかかるスタータ2
6、イグナイタ19、燃料噴射弁18等への指令信号を
出力する。
【0036】また、キーシリンダ5は、イグニションキ
ー5Aと併せて周知の盗難防止装置を構成する。すなわ
ち、イグニションキー5Aは特定コードの記録された通
信チップ5Bを内蔵している。イグニションキー5Aが
キーシリンダ5に挿入されると、キーシリンダ5は通信
チップ5Bに記録された特定コードを読み取りECU3
0に伝達する。ECU30は、予め自身の記憶しておい
た登録コードを、キーシリンダ5から伝達された上記特
定コードと照合し、両者が一致した場合にのみエンジン
10の始動を許可する。すなわち、正規のコードが記録
された通信チップを内蔵したイグニションキー5Aによ
らなければ、エンジン10を始動することができない。
なお、ECU30による上記特定コードと登録コードと
の照合を、盗難防止装置の解除動作という。
【0037】ドア開閉センサ3a及びドアロックセンサ
3bは運転席側ドア3(図1を参照)に取付られてい
る。ドア開閉センサ3aは運転席側ドア3の開閉状態を
識別し、この識別に応じた信号を出力する。また、ドア
ロックセンサ3bは運転席側ドア3がロックされている
か否かを識別し、この識別に応じた信号を出力する。運
転座席2(図1を参照)に内蔵された着座センサ2aは
運転者の着座の有無を識別し、この識別に応じた信号を
出力する。インナーバックル4に取り付けられたシート
ベルトセンサ4aは、シートベルト(図示略)のインナ
ーバックル4への着脱状態を識別し、この識別に応じた
信号を出力する。ブレーキペダル7に取り付けられたブ
レーキセンサ7aは、ブレーキペダル7の踏み込み量に
応じた信号を出力する。シフトレバー8に取り付けられ
たシフトポジションセンサ8aは、運転者の選択したシ
フトレバー8の位置(シフトポジション)に応じた信号
を出力する。
【0038】他方、ECU30の外部出力回路37に
は、燃料噴射弁18、イグナイタ19、電動式ウォータ
ポンプ(電動ポンプ)EP、電動式送風ファン(電動フ
ァン)22a,23a、スタータ26等、車両1(エン
ジンシステム100)の運転状態を制御する部材の他、
車両1の室内(例えばディスプレイ装置9の近傍)に取
り付けられる点灯ランプ28やスピーカ29等が電気的
に接続されている。
【0039】なお、上述したように、道路情報等を画像
情報を画面上に映し出す(出力する)他、タッチ操作に
よる入力操作も可能なディスプレイ装置9は、外部入力
回路36及び外部出力回路37のいずれにも電気的に接
続されている。
【0040】ECU30は、その内部に中央処理装置
(CPU)31、読み出し専用メモリ(ROM)32、
ランダムアクセスメモリ(RAM)33、バックアップ
RAM34、及びタイマーカウンタ35等を備え、これ
ら各部と外部入力回路36および外部出力回路37とを
バス38により接続することによって論理演算回路を構
成する。ここで、ROM32は、燃料噴射量、点火タイ
ミング、冷却系20内での冷却水の挙動等、エンジン1
0の運転状態等を制御するための各種プログラムを予め
記憶する。RAM33はCPU52による演算の結果等
を一時記憶する。バックアップRAM34は、エンジン
10の運転停止後においてもデータを記憶する不揮発性
のメモリである。タイマーカウンタ35は計時動作を行
う。外部入力回路36は、バッファ、波形回路、ハード
フィルタ、及びA/D変換器等を含む。外部出力回路
は、駆動回路等を含む。
【0041】このように構成されたECU30は、外部
入力回路36を介して取り込まれる上記各種センサ2
a,3a,3b,4a,7a,8a,9a、キーシリン
ダ5、或いはディスプレイ装置9等からの信号に基づ
き、エンジン10の始動、燃料噴射、点火、或いは冷却
水の挙動にかかるエンジンシステム100の各種制御を
実行する。
【0042】図3には、本実施の形態にかかるエンジン
システム100の概略構成を示す。同図3に示すよう
に、エンジンシステム100は、大きくはエンジン本体
(エンジン)10、冷却系20、及び電子制御装置(E
CU)30から構成される。
【0043】エンジン10の外郭は、シリンダブロック
10aを下段、シリンダヘッド10bを上段とし、両部
材10a,10bが互いに閉じ合わされたかたちで形成
される。エンジン10の内部には4つの燃焼室(図示
略)と、各燃焼室と外部とを連通させる吸排気ポート
(図示略)とが形成されている。エンジン10は、吸気
ポートを通じて供給される混合気(外気と燃料との混合
ガス)を爆発・燃焼させることにより、その出力軸(図
示略)に回転駆動力を得る。
【0044】冷却系20は、エンジン10内において各
燃焼室や吸排気ポートの外周を取り巻くように形成され
ている循環通路(ウォータジャケット)Aと、エンジン
10と蓄熱容器21との間で冷却水を循環させる循環通
路Bと、エンジン10とラジエータ22との間で冷却水
を循環させる循環通路Cと、エンジン10と暖房用ヒー
タコア23との間で冷却水を循環させる循環通路Dとか
ら構成されている。また、循環通路Aの一部は、各循環
通路B,C,Dの一部として共有される。さらに循環通
路Aは、シリンダブロック10a内に形成された循環通
路A1と、シリンダヘッド10b内に形成された通路A
2と、循環通路A1及び通路A2間を連絡するバイパス
通路A3とに概ね分別することができる。
【0045】すなわち、冷却系20は冷却水の循環通路
を複数組み合わせて構築された複合システムであって、
この冷却系20内を循環する冷却水は、熱媒体としてエ
ンジン10との間で熱交換を行うことにより同エンジン
10各部の冷却、或いは昇温を行う。
【0046】冷却系20を構成する上記各循環通路A,
B,C及びDには、冷却水の挙動や温度を制御、或いは
検出する各種部材が設けられている。電動式ウォータポ
ンプ(電動ポンプ)EPは、ECU30からの指令信号
に基いて作動し、循環通路B内の冷却水を矢指方向に流
動させる。
【0047】電動ポンプEPの下流には蓄熱容器21が
設けられている。蓄熱容器21は、所定量の冷却水を外
部から断熱した状態で貯留する機能を有する。すなわ
ち、同図3中の概略的な内部構造に示されるように、蓄
熱容器21は、ハウジング21aと、同ハウジング21
a内に収納された冷却水収容部21bとを備えた二重構
造を有する。ハウジング21a及び冷却水収容部21b
の間隙はほぼ真空状態に保たれ、冷却水収容部21bの
内部空間と外部とを断熱状態に保つ。冷却水収容部21
b内には、循環通路B(ポンプ側通路B1)から送られ
てくる冷却水を同容器21b内に導入するための導入管
21cと、同容器21b内の冷却水を循環通路B(エン
ジン側通路B2)に排出するための排出管21dとが設
けられている。排出管21dを通じてエンジン側通路B
2に排出される冷却水は、エンジン10のシリンダヘッ
ド10bに導入され、同シリンダヘッド10b内におい
て各気筒の吸気ポート近傍に形成された経路を優先的に
流れる。
【0048】なお、ポンプ側通路B1及びエンジン側通
路B2の通路途中に各々設けられた逆止弁21e,21
fが、ポンプ側通路B1から蓄熱容器21を介してエン
ジン側通路B2に向かう冷却水の流れのみを許容し、逆
流を規制する。
【0049】機械式ウォータポンプ(機械式ポンプ)M
Pは、エンジン10の出力軸から伝達される駆動力を用
い、エンジン10の運転中、外部通路P1よりシリンダ
ブロック10a内へ冷却水を引き込む。エンジン10の
運転に伴い機械式ポンプMPが作動すると、循環通路C
及び循環通路D内の冷却水に各々矢指方向に向かう流れ
が生じるよう促される。
【0050】循環通路Cに設けられたラジエータ22
は、加熱した冷却水の熱を外部に放熱する。電動ファン
22aは、ECU30の指令信号に基づいて駆動し、ラ
ジエータ22による冷却水の放熱作用を高める。また、
循環通路Cの通路途中であって、ラジエータ22の下流
にはサーモスタット24が設けられている。サーモスタ
ット24は温度の高さに感応して開閉する周知の制御弁
であり、同サーモスタット24近傍における循環通路C
内の冷却水の温度が所定温度(例えば80℃)を上回る
と開弁して冷却水の流れを許容し、当該所定温度を下回
ると閉弁して冷却水の流れを規制する。
【0051】すなわち、エンジン10の運転時(機械式
ポンプMPの作動時)、冷却水の温度が80℃を上回る
と循環通路C内の冷却水の流れが許容され、ラジエータ
22の作用によって冷却水(エンジン10)の強制冷却
が行われる。なお、エンジン10にとって、その温度
(冷却系20内の冷却水温とほぼ同等)が80℃を上回
っているか、概ね80℃近傍にある状態を温間状態とい
い、80℃を下回っている状態を冷間状態ということに
する。
【0052】循環通路Dに設けられた暖房用ヒータコア
23は、エンジン10内で加熱された冷却水の熱を利用
し、必要に応じて車両室内(図示略)の暖房を行う。E
CU30の指令信号に基づいて駆動される電動ファン2
3aは、暖房用ヒータコア23を通過する冷却水の放熱
を促すとともに、冷却水の放熱により発生した暖気を空
気通路(図示略)を介して車両室内に送り込む。
【0053】各循環通路B,C,Dを循環する冷却水に
とって、エンジン10から外部に向かう共通の流路途中
に設けられた水温センサ25は、同流路内の冷却水の温
度(冷却水温)THWに応じた検出信号をECU30に
出力する。
【0054】次に、エンジン10内に形成された各燃焼
室周辺の構造について、冷却水の通路を中心に詳しく説
明する。図4は、エンジン10の内部構造の一部とし
て、燃焼室周辺の断面構造を部分的に拡大して示す略図
(側面図)である。
【0055】同図4に示すように、燃焼室11は、シリ
ンダブロック10aとシリンダヘッド10bとの境界に
位置し、気筒12内をエンジン10の出力軸の回転と連
動して上下動するピストン13の頭上に形成される。燃
焼室11内の空間は、吸気バルブ14及び排気バルブ1
5を介してそれぞれ吸気ポート16及び排気ポート17
と連通しており、機関運転時には、吸気ポート16を通
じた混合気の導入や、排気ポート17を通じた排ガスの
排出が行われる。吸気ポート16に取り付けられた燃料
噴射弁18は、ECU30からの指令信号に基づき燃料
を噴射供給する。燃料噴射弁18によって噴射供給され
た燃料は、吸気ポート16内で霧化し、新気とともに混
合気を形成しつつ燃焼室11内に取り込まれる。そし
て、これもECU30の指令信号に基づいて駆動するイ
グナイタ19が、適宜のタイミングで点火プラグ19a
に通電を行うことで、燃焼室11内に取り込まれた混合
気が燃焼に供される。
【0056】シリンダブロック10a内には、気筒12
の外周を取り巻くように冷却水通路(図3において示し
た循環通路A1の一部に相当する)Pcが形成されてい
る。また、シリンダヘッド10b内において吸気ポート
16及び排気ポート17の近傍には、各々吸気ポート側
冷却水通路Pa(図3において示した循環通路A2の一
部に相当する)及び排気ポート側冷却水通路Pb(同じ
く、図3において示した循環通路A2に相当する)が形
成されている。そして、これら各冷却水通路Pa,P
b,Pc(循環通路A1,A2)を含め、冷却系20内
を循環する冷却水の挙動は、基本的には機械式ポンプM
P、電動ポンプEP、及びサーモスタット24の動作に
よって制御されることは前述した通りである。
【0057】次に、本実施の形態にかかるエンジンシス
テム100が、ECU30の指令信号等を通じて実行す
る冷却水の挙動に関する冷却系制御について、その概要
を説明する。なお、このエンジンシステム100による
冷却系制御は、その実行タイミングや実行条件の相違か
ら、「機関始動後冷間時の制御」、「始動後温間時の制
御」、及び「機関始動前の制御(プレヒート制御)」に
大別される。
【0058】図5は、エンジンシステム100(図3を
参照)の冷却系20を循環する冷却水の流れがエンジン
10の運転状態や温度分布に応じて変化する様を説明す
べく同エンジンシステム100を概略的に示す模式図で
ある。なお、同図中において、冷却水の流れが生じてい
る通路(通路途中に設けられた各種部材も含む)は実線
で示し、冷却水の流れがほとんど、或いは全く生じてい
ない通路(通路途中に設けられた各種部材も含む)は一
点鎖線で示す。
【0059】先ず、図5(a)及び図5(b)は、いず
れもエンジン10が運転状態にあり、電動ポンプEPは
停止状態にあるときのエンジンシステム100を示す。
ただし、図5(a)は、冷却系20内においてサーモス
タット24近傍の冷却水温が80℃以下にある状態のも
のを示し、図5(b)は、同じく冷却系20内において
サーモスタット24近傍の冷却水温が80℃を上回って
いる状態のものを示す。
【0060】図5(a)及び図5(b)に示すように、
電動ポンプEPが停止状態にあるとき、シリンダヘッド
10b内において循環通路A、循環通路C、若しくは循
環通路Dの一部をなす循環通路A2を除けば、循環通路
Bに沿った冷却水の流れはほぼ停止することとなる。
【0061】またこのとき、冷却系20内におけるサー
モスタット24近傍の冷却水温が80℃以下であれば、
同サーモスタット(制御弁)24が閉弁し、同制御弁2
4からラジエータ22へ向かう冷却水の流れを規制す
る。従って、エンジンシステム100内において、循環
通路A及び循環通路D内の冷却水のみが機械式ポンプM
Pの作用により流動することとなる(図5(a))。
【0062】一方、冷却系20内におけるサーモスタッ
ト24近傍の冷却水温が80℃を上回っている場合、同
サーモスタット(制御弁)24が開弁し、同制御弁24
からラジエータ22へ向かう冷却水の流れが許容され
る。従って、エンジンシステム100内において、循環
通路A,C,D内の冷却水が機械式ポンプMPの作用に
より流動することとなる(図5(b))。
【0063】なお、本実施の形態にあってエンジン10
が機関運転を行っている最中、冷却系20は、基本的に
は図5(a)若しくは図5(b)に示す状態を保持する
こととなる。また、各図に示す冷却系20の状態は、
「機関始動後冷間時の制御」(図5(a))若しくは
「始動後温間時の制御」(図5(b))によって具現化
されることとなる。
【0064】また、図5(c)は、エンジン10が停止
状態にあり、電動ポンプEPが作動状態にあるときのエ
ンジンシステム100を示す。同図5(c)に示すよう
に、電動ポンプEPが作動すると、循環通路Bに沿って
冷却水が流動する。このとき、エンジン10が停止状態
にあることから同エンジン10の出力軸と連動する機械
式ポンプMPも停止しており、循環通路A1、バイパス
通路A3、循環通路C、および循環通路D内には冷却水
の流れがほとんど生じない。ちなみに、同図5(c)に
示す冷却系20の状態はエンジン10が機関始動を行う
直前のものに相当し、上記「プレヒート制御」によって
具現化されることとなる。
【0065】ここで、上記「プレヒート制御」の内容及
び実行手順について、より詳細に説明する。図6は、先
の図3〜図5に示したエンジンシステム100につい
て、エンジン10の機関始動時における電動ポンプEP
の作動態様を実験的に変更した結果として、シリンダヘ
ッド10bの温度推移が異なるものとなる様を示すタイ
ムチャートである。ここで、時刻t1はエンジン10の
機関始動時刻にあたる。破線にて示す温度推移のパター
ン(以下、推移パターンという)αは当該機関始動に際
して電動ポンプEPを作動しない場合の温度推移を示
し、一点鎖線にて示す推移パターンβは当該機関始動と
同時に電動ポンプEPの作動を開始した場合の温度推移
を示す。また、実線にて示す推移パターンγは当該機関
始動より所定時間(本実施の形態では5秒)前に電動ポ
ンプEPの作動を開始した場合の温度推移を示す。なお
各推移パターンα,β,γにおいて、エンジン10は、
前回の機関運転の終了時(機関停止時)直前、温間状態
にあったものと想定する。
【0066】同図6に示すように、推移パターンαで
は、機関始動後(時刻t1以後)、機関運転に伴うエン
ジン10自身の発熱作用で、シリンダヘッド10bの温
度は徐々に上昇する。外気温等の環境条件にもよるが、
時刻t1から十数秒〜数十秒程度が経過した後時刻t3
において、シリンダヘッド10bの温度(冷却水温とほ
ぼ同等)が80℃に達すると、当該温度近傍でサーモス
タット24が開閉弁を繰り返すことにより、冷却水温
(シリンダヘッド10bの温度)はほぼ定温(80℃)
に保持される。
【0067】推移パターンβでは、エンジン10の機関
始動と同時に、概ね80℃以上の温度状態で蓄熱容器2
1内に貯留されている冷却水(熱水)がシリンダヘッド
10b内に供給されることとなる。この場合、エンジン
10の機関始動後(時刻t1以後)、10秒程度が経過
した後時刻t2において、シリンダヘッド10bの温度
(冷却水温とほぼ同等)が80℃に達し、その後冷却水
温(シリンダヘッド10bの温度)がほぼ定温(80
℃)に保持されるようになる。
【0068】推移パターンγでは、エンジン10の機関
始動に先立って、蓄熱容器21内の熱水がシリンダヘッ
ド10b内に供給されることとなる。ここで、シリンダ
ヘッド10bの温度は、電動ポンプEPの作動開始から
5〜10秒程度で蓄熱容器21内の冷却水温と同等の温
度(60〜80℃)に達することが、発明者らによって
確認された。同図6中の推移パターンγにおいては、時
刻t0における電動ポンプEPの作動開始後、10秒が
経過した後(時刻t1)にエンジン10の機関始動を行
うように設定を行った。
【0069】このため、シリンダヘッド10bの温度が
確実に80℃まで達した後、エンジン10が機関始動を
行うこととなっている。ちなみに、エンジン10の機関
運転に伴い、冷却系20内における循環通路B以外の通
路空間から、(循環通路B内の冷却水温よりも)低温の
冷却水がシリンダヘッド10bに流れ込む。このため、
時刻t1以後、シリンダヘッド10bの温度は一時的に
はわずかに降下することとなるが、蓄熱容器21からの
継続的な熱水供給と機関運転に伴うエンジン10自身の
発熱作用との協働によって再度上昇し、80℃近傍に留
まる。
【0070】本実施の形態にかかるエンジンシステム1
00において、燃料噴射弁18によりエンジン10に噴
射供給される燃料は、吸気ポート16内で霧化し、新気
とともに混合気を形成しつつ燃焼室11内に取り込ま
れ、この混合気が燃焼に供されることは図4において説
明した通りである。
【0071】このため、噴射供給された燃料が吸気ポー
ト16内で速やかに霧化されること、この霧化された状
態を好適に保持するといった観点から、エンジン10、
とくにシリンダヘッド10b内に形成された吸気ポート
16内壁の温度が所定の温度(60℃、好ましくは80
℃程度)を上回っているのが好ましい。吸気ポート16
内壁の温度が低くくなると同内壁に燃料が付着しやすく
なり、燃料を効率良く霧化(気化)することや、霧化
(気化)された燃料をその状態に保持することが難しく
なるためである。こうした燃料の気化に関する不利は、
燃焼効率や空燃比の最適化を困難にし、排気特性や燃費
を低下させてしまうのである。
【0072】エンジン10が冷間状態にあるとき、外部
からの熱供給を何ら行わない条件で機関運転を継続する
と、シリンダヘッド10b(吸気ポート16)の温度が
十分高くなるのに比較的長時間(時刻t1〜t3)を要
してしまうのは、図4の推移パターンαが示す通りであ
る。また、同図6中のパターンβが示すように、機関始
動と同時、あるいはその直後に蓄熱容器21から熱水供
給を行い、機関始動後の暖機完了タイミングを極力早め
たとしても、暖機中(時刻t1〜t2)における排気特
性や燃費の低下は免れない。
【0073】そこで、図6中のパターンγが示すよう
に、エンジン10の始動に先立って蓄熱容器21からシ
リンダヘッド10bへの冷却水の供給を行い、エンジン
10の始動時までに暖機を完了する(エンジン10を冷
間状態から温間状態に移行させる)ようにエンジンシス
テム100を制御(プレヒート制御)するのが理想的で
ある。
【0074】ところが、蓄熱容器21からの熱水供給に
よってエンジン10が冷間状態から温間状態に移行を完
了するには数秒を要する。この移行完了のタイミングに
比し、運転者の意図するエンジン10の機関始動タイミ
ングが早すぎると、温間状態に移行する前にエンジン1
0を始動させてしまうこととなり、燃料の十分な霧化が
図れない。
【0075】一方、この移行完了のタイミングに比し、
運転者の意図するエンジン10の機関始動タイミングが
遅すぎる場合には、蓄熱容器21に蓄えた熱水をいたず
らに消耗することとなる。
【0076】そこで、本実施の形態にかかるエンジンシ
ステム100では、当該エンジン10の始動に先立つ必
然的な動作であり、その動作タイミングが毎回ほぼ同一
である特定の動作を、プレヒートの引き金(トリガー)
として検出する。そして、この動作(トリガー)が検出
される時刻をタイミング要素とし、このタイミング要素
に基づいてプレヒートの開始時刻(タイミング)を決定
する。
【0077】図7には、本実施の形態にかかる「プレヒ
ート制御」の基本手順を示す。すなわち、エンジン10
の始動に先立つ蓄熱容器から当該エンジンへの熱供給
(プレヒート)は、以下の基本手順に従って行われる。 (1)先ず、ステップS1において、ECU30が、エ
ンジン10の始動に先立つ特定の動作(トリガー)が生
じたか否かを判断する。このトリガーは、エンジン10
の始動に先立って生じることについて、ある程度必然性
のある事象であれば、運転者等の行為に起因する人為的
なものであっても、人為的なものでなくても構わない。
【0078】(2)次にステップS2において、プレヒ
ートの実行に関する条件設定を行う(若しくは確認す
る)。プレヒートの実行に関する条件は、例えばプレヒ
ートの実行開始からプレヒート完了までの時間であって
もよいし、プレヒート完了を判断するための判断基準、
例えばエンジンの温度上昇量や、蓄熱容器からエンジン
に供給された熱水の供給量であってもよい。また、上記
のような条件を、現在の環境(例えばエンジンの温度や
外気温)等に基づいて演算したり、マップ等を参照して
求めるようにしてもよい。また、プレヒート実行期間中
の条件(例えば蓄熱容器からエンジンに供給する熱水の
流量)等であってもよい。
【0079】さらに同ステップで、現在の環境がプレヒ
ートを要しない条件に該当する場合、例えば冷却水温を
既に上回っている場合には、プレヒートを行わないとい
う判断をしてもよい。
【0080】(3)次にステップS3において、例えば
前記ステップS2で設定した条件に基づいてプレヒート
を開始し、継続する。ちなみにこのとき、このプレヒー
トの実行に伴いエンジン10の機関始動を禁止する条件
を付加し、確実に暖機が終了した後エンジン10を始動
するようにしてもよい。こうした禁止条件の付加を具現
する方法としては、プレヒートの継続中には、エンジン
10を始動させないよう運転者に通知する(認識させ
る)こととしてもよいし、機関始動に優先して蓄熱容器
からの熱水供給を実施し、且つ同熱水供給の実施と機関
運転の実施とを背反事項とするような自動制御を行って
もよい。また、プレヒートが完了するまでエンジン10
の始動ができないような機械的な構造を適用してもよ
い。
【0081】(4)その後は、所定期間のプレヒートの
継続(ステップS4)、完了(ステップS5)といった
手順を経て、エンジン10を始動する(ステップS
6)。なお、ステップS6では、プレヒートが完了した
旨を運転者に通知し、エンジン10の実際の始動は運転
者の手動操作に委ねることとしてもよいし、プレヒート
の完了後、自動的に機関始動を行うようにECU30等
が制御を行うこととしてもよい。こうした基本手順(制
御の態様)に従いプレヒート制御を実行すれば、エンジ
ン10の始動に先立つ必然性と、動作タイミングの再現
性とが高い動作を選択し、この選択された動作タイミン
グに基づいて熱供給の開始タイミングを決定することと
なる。従って、適切な熱供給の開始タイミングが毎回確
実に設定され、エンジン10の始動時の温度に高い再現
性が保証されるようになる。言い換えれば、エンジン1
0が確実に温間状態に移行した後にエンジン10の機関
始動を行うことができるようになり、もって、燃料気化
に関する不利が解消され、燃焼効率や空燃比の最適化、
ひいては排気特性や燃費の向上が図られるようになる。
【0082】次に、上記基本手順(図7)に従い本実施
の形態にかかるエンジンシステム100がエンジン10
の機関始動に先立って行う「プレヒート制御」につい
て、その詳細を説明する。
【0083】図8は、エンジンシステム100がエンジ
ン10の停止中所定時間毎に実行する「プレヒート制御
ルーチン」の処理内容を示すフローチャートである。E
CU30のROM32は、以下のルーチンに関するプロ
グラムを予め記憶する。
【0084】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
30は先ずステップS101において、盗難防止装置の
解除動作が検出されたか否かを判断する。そしてその判
断が肯定であれば処理をステップS102に移行し、そ
の判断が否定であれば本ルーチンを一旦抜ける。
【0085】ステップS102では、現在の機関状態が
プレヒート実行条件に該当するか否かを判断する。具体
的には、水温センサ25により検出される冷却水の温度
(冷却水温)THWが所定温度(60℃程度に設定して
おくのが好ましい)より低いか否かを判断する。そし
て、その判断が肯定であればエンジン10が冷間状態に
あると認識して処理をステップS103に移行し、プレ
ヒートを実行する。一方、同ステップS102での判断
が否定であれば本ルーチンを一旦抜ける。
【0086】ステップS103においては、電動ポンプ
EPの作動を開始させ、蓄熱容器21からエンジン10
への熱水供給を開始するとともに、ディスプレイ装置9
の画面上にプレヒート完了までの時間(残り時間)を表
示する。
【0087】なお、電動ポンプEPの作動は所定時間
(例えば5秒間)継続させ、プレヒートが完了するまで
ディスプレイ装置9の画面上に残り時間を逐次表示する
(ステップS104)。
【0088】プレヒートが終了すると、ECU30は、
電動ポンプEPの作動を停止するとともに、プレヒート
が終了した旨をディスプレイ装置9の画面上に表示する
(ステップS104)。
【0089】最後に、ステップS106においてECU
30は、スタータ26を駆動するとともに、燃料噴射弁
18の作動(エンジン10への燃料供給)やイグナイタ
19を介した点火プラグ19への通電を開始することに
より、エンジン10の自動始動を行う。
【0090】ちなみに、上記「プレヒート制御ルーチ
ン」(図8)での各ステップにおける処理は、先の基本
手順(図7)での何れかのステップにおける処理に相当
する。すなわち、ステップS101(図8)はステップ
S1(図7)に、ステップ102(図8)はステップS
2(図7)に、ステップS103(図8)はステップS
3(図7)に、そしてステップS104(図8)はステ
ップS4(図7)に、ステップS105(図8)はステ
ップS5(図7)に各々相当する。
【0091】なお、図9のタイムチャートに示すよう
に、(1)運転席側ドア3の開扉→(2)運転座席2へ
の着座→(3)キーシリンダ5へのイグニションキー5
Aの挿入→(4)盗難防止装置の解除動作開始→(6)
イグニションスイッチの「ON」への切り換え→(7)
盗難防止装置の解除動作終了→(8)シートベルトの装
着開始→スタータ26の作動といった一連の動作は、エ
ンジンシステム100が搭載される車両の運転者にとっ
て、エンジン10の始動に先立つ概ね必然的な動作であ
るといえる。この動作手順のなかで、各種動作(1)〜
(8)の実施時期からスタータの作動に至るまでの各経
過時間は、例えば運転者の性別や体格等にほとんど依存
することなく、個人差のない比較的再現性の高い値とし
て特定できることが発明者らによって確認されている。
【0092】そして、エンジン10の始動(スタータ2
6の作動)より5秒程度早くプレヒートを開始すること
によって、当該エンジン10が冷間状態をほぼ脱した状
態で機関始動を行えるようになることは、先の図4にお
ける推移パターンγにも示される通りである。
【0093】つまり、各動作(1)〜(7)のうち何れ
かの実施タイミングを一要素(タイミング要素)として
選択すれば、このタイミング要素に基づいてエンジン1
0の始動に先立つ最適なプレヒート開始タイミング(例
えばエンジンの始動5秒前)を求めることができる。
【0094】上記「プレヒート制御ルーチン」では、盗
難防止装置の解除動作をエンジン10の始動に先立って
必然的に生じる事象として選択し、当該選択した事象の
発生タイミングに基づいてプレヒートを開始する。盗難
防止装置の解除動作の開始タイミングは、エンジン10
の始動に先立って生じる事象として必然性が高いばかり
でなく、その開始タイミングからエンジン10の任意の
始動タイミングに亘る時間の長さについての再現性も高
い。
【0095】従って、盗難防止装置の解除動作の開始タ
イミングに同期して、或いは当該タイミングに基づく所
定タイミングでプレヒートを開始することにより、もっ
とも好ましい態様でプレヒートが実施されることとな
る。すなわち、エンジン10を任意のタイミングで始動
させる場合であれ、エンジン10の始動時にはプレヒー
トが完了した状態となる。
【0096】なお、盗難防止装置の解除動作に要する時
間がプレヒートに要する時間よりも短い場合、盗難防止
装置の解除動作が終了しても、蓄熱器21によるエンジ
ン10への十分な熱供給が完了していないこととなる。
このような場合でも、上記「プレヒート制御ルーチン」
のステップS104〜S106での一連の処理によるよ
うに、プレヒート完了までの残り時間等を運転者に通知
することで、エンジン10の始動にあたって運転者の快
適感を好適に確保することができる。
【0097】あるいは、盗難防止装置の解除動作を少な
くともプレヒートが終了するまで、若しくはその後まで
継続させ、当該解除動作が継続中である旨を同解除動作
が終了するまでの残り時間を表示し、今だ盗難防止装置
の解除動作が継続しているとの認識を運転者に持たせて
もよい。このように作為的な認識を運転者に付与するこ
とによっても、エンジン10の始動に際し、その操作に
かかる快適感は好適に確保される。
【0098】何れにしても、盗難防止装置の解除動作の
継続時間、すなわちその開始タイミングからエンジン1
0の任意の始動タイミングに亘って費やされる時間の長
さについての再現性は十分高く、またエンジン10の始
動に際してイグニションキーをキーシリンダ5に挿入し
てからエンジン10が始動されるまで、僅かな時間が、
しかも毎回ほぼ同じ長さ費やされるにすぎない。そし
て、この僅かな時間について、運転者がエンジン始動に
かかる操作上の違和感を感じることはほとんどない。
【0099】以上説明したように、本実施の形態にかか
るエンジンシステム100が実施する「プレヒート制
御」によれば、エンジン10の始動に先立って必然的に
生じ、且つその発生タイミングに再現性の高い事象をタ
イミング要素として選択し、同タイミング要素に基づい
てプレヒートの実施期間を制御することとなるため、エ
ンジン10が確実に冷間状態を脱した後、少なくとも供
給される燃料の気化に関し不具合の生じる温度領域を確
実に上回ったところで機関運転を開始することができる
ようになる。
【0100】よって、機関始動時の燃料気化(霧化)に
関する不利が解消され、燃焼効率や空燃比の最適化、ひ
いては排気特性や燃費の向上が図られるようになる。 (変形例1)なお、上記盗難防止装置の解除動作の開始
に替え、運転席側ドア3の開扉動作をプレヒートのトリ
ガーとして適用することもできる。
【0101】この場合、例えば上記「プレヒート制御ル
ーチン」(図8)におけるステップS101での処理を
図10に示す処理に替えればよい。すなわち、ECU3
0はステップS101において、シフトレバー8の位置
(シフトポジション)が駐車用位置(パーキングポジシ
ョン)にある状態で、運転席側のドア3の開扉動作が検
出されたか否かを判断し、その判断が肯定であればステ
ップS102に移行し、その判断が否定であれば当該
「プレヒート制御ルーチン」を一旦抜けるように処理を
行うこととする。このとき、シフトレバー8の位置はシ
フトポジションセンサ8aの出力信号に基づき、また運
転席側ドア3の開扉動作はドア開閉センサ3aの出力信
号に基づいて各々判断することができる。
【0102】また、上記トリガーとしての運転席側ドア
3の開扉動作に替え、運転席側ドア3のロック解除動作
を適用しても、上記図10の「プレヒート制御ルーチ
ン」によるものとほぼ同等の効果を奏することはでき
る。この場合、ECU30は、ドアロックセンサ3bの
出力信号に基づいて運転席側ドア3のロックが解除され
たか否かを判断すればよい。 (変形例2)また、同じく上記盗難防止装置の解除動作
の開始に替え、エンジン10の始動に先立つブレーキペ
ダル7の踏み込み動作をプレヒートのトリガーとして適
用することもできる。
【0103】この場合、例えば上記「プレヒート制御ル
ーチン」(図8)におけるステップS101での処理を
図11に示す処理に替えればよい。すなわち、ECU3
0はステップS101において、シフトレバー8の位置
(シフトポジション)が駐車用位置(パーキングポジシ
ョン)にある状態で、ブレーキペダル7の踏み込み動作
が検出されたか否かを判断し、その判断が肯定であれば
ステップS102に移行し、その判断が否定であれば当
該「プレヒート制御ルーチン」を一旦抜けるように処理
を行うこととする。このとき、ブレーキペダル7の踏み
込み動作はブレーキセンサ7aの出力信号に基づいて各
々判断することができる。 (変形例3)また、同じく上記盗難防止装置の解除動作
の開始に替え、エンジン10の始動に先立つシートベル
トの装着動作をプレヒートのトリガーとして適用するこ
ともできる。
【0104】この場合、例えば上記「プレヒート制御ル
ーチン」(図8)におけるステップS101での処理を
図12に示す処理に替えればよい。すなわち、ECU3
0はステップS101において、シフトレバー8の位置
(シフトポジション)が駐車用位置(パーキングポジシ
ョン)にある状態で、運転席側ドアの開扉と、シートベ
ルトの装着動作の開始とが、一連の動作として検出され
たか否かを判断し、その判断が肯定であればステップS
102に移行し、その判断が否定であれば当該「プレヒ
ート制御ルーチン」を一旦抜けるように処理を行うこと
とする。このとき、シフトレバー8の位置はシフトポジ
ションセンサ8aの出力信号に基づき、ドア3の開扉動
作はドア開閉センサ3aの出力信号に基づき、さらにシ
ートベルトの装着動作はインナーバックル4に取り付け
られたシートベルトセンサ4aの出力信号に基づいて各
々判断することができる。 (変形例4)また、同じく上記盗難防止装置の解除動作
の開始に替え、エンジン10の始動に先立つプレヒート
のトリガーを、運転者の意志に委ねることができるよう
にしてもよい。
【0105】この場合、例えば上記「プレヒート制御ル
ーチン」(図8)におけるステップS101での処理を
図13に示す処理に替えればよい。すなわち、ECU3
0はステップS101において、プレヒートの実行にか
かる指令信号が検出されたか否かを判断し、その判断が
肯定であればステップS102に移行し、その判断が否
定であれば当該「プレヒート制御ルーチン」を一旦抜け
るように処理を行うこととする。ここで、プレヒートの
実行にかかる指令信号は、例えばディスプレイ装置9か
ら出力させることとしてもよい。すなわち、ディスプレ
イ装置9の画面上に周知のタッチパネル(操作パネル)
が表示されるよう当該装置を構成し、運転者が同タッチ
パネルへのタッチ操作を行うことにより、プレヒートの
実行にかかる指令信号が出力されるようにすればよい。
【0106】なお、上記運転者の意志を(トリガー)と
したプレヒートの実施は、ディスプレイ装置9を介した
構成によるばかりでなく、例えばプレヒートに関する指
令信号の出力を行うトランスミッターをイグニションキ
ー5A等に内蔵し、遠隔操作によって行うようにしても
よい。
【0107】また、ECU30に周知の音声認識機能を
具備させることにより、例えば音響センサ(マイク)9
aを通じて運転者が音声による指令を発することで、こ
の音声による指令をトリガーとして、プレヒートが実施
されるようにしてもよい。 (変形例5)また、同じく上記盗難防止装置の解除動作
の開始に替え、エンジン10の始動にイグニションスイ
ッチの動作をプレヒートのトリガーとして適用すること
もできる。
【0108】例えば図14に示すように、キーシリンダ
5はイグニションキー5Aの挿入方向に向かってみる
と、イグニションキー5Aを挿入するためのスリット5
bを備えた円形のロータ5cと、円形のロータ5cの外
周を自身の内周によって取り囲む環状のケース5dとを
備えて構成されている。ケース5dはキーシリンダ5本
体の外郭をなすとともに、例えば運転席の操作パネル
(図示略)に固定される。ロータ5cは、スリット5b
に挿入されたイグニションキー5Aを捻ればケース5d
に対して限られた範囲内で回動させることができるよう
になるように構成されている。イグニションキー5A
は、同図14中において実線で示すように、スリット5
bの長軸方向端部がケース5dの「LOCK」と表示さ
れた位置SW1と一致した状態で同スリット5bに挿入
することができる。
【0109】エンジン10の機関始動に際しては、先
ず、運転者(操作者)がイグニションキー5Aをスリッ
ト5bに挿入し、「LOCK」と表示された位置SW1
から「ACC」と表示された位置SW2まで回動させる
と、ルームランプ(図示略)、オーディオ(図示略)、
或いはナビゲータ(図示略)といった周辺機器の主電源
が「オン(ON)」状態になる。さらに、同イグニショ
ンキー5Aを「ON」と表示された位置SW3まで回動
させると(図14中、二点鎖線にて示す)、ECU30
にとってエンジン10の運転制御を実施する機能を作動
させるためのメインリレーが「オン(ON)」状態にな
る。さらに、同イグニションキー5Aを「START」
と表示された位置SW4まで回動させると、スタータ2
6が作動してエンジン10をクランキングさせるととも
に、このクランキング動作に同期して燃料噴射弁18に
よる燃料の噴射供給やイグナイタ19による気化燃料の
点火が開始されることとなる。
【0110】すなわち、イグニションキー5Aの「O
N」と表示された位置SW3への回動(イグニションス
イッチの「オン(ON)」への切り替え動作)は、エン
ジン10の機関始動に先立つ必然的な動作である。当該
動作のタイミングからエンジン10の始動タイミングま
での期間(5秒程度)には運転者毎の個人差もほとんど
なく、高い再現性が保証されることも発明者らによって
確認されている。
【0111】従って、こうした切り換え動作を「プレヒ
ート制御ルーチン」(図8)のステップS101におけ
る引き金(トリガー)として適用しても、上記実施の形
態と同等若しくはこれに準ずる効果を奏することができ
る。
【0112】さらに、キーシリンダ5の構成には、例え
ば図15に示す他の形態を適用してもよい。すなわち、
キーシリンダ5のケース5d上に、「LOCK」、「A
CC」、「ON」及び「START」の表示に加え、
「ON」と表示された位置SW3および「START」
と表示された位置SW4の間に「PRH」の表示を配置
する。そして、エンジン10の始動に際して運転者が、
キーシリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aを
「ON」と表示された位置SW3を介して意図的に「P
RH」と表示された位置SW5まで回動させることによ
り、ECU30がプレヒートを開始することとする。こ
のようなキーシリンダ5の構成および同構成に関連する
ECU30の機能によれば、運転者の意志に基づいて、
しかもエンジン10の始動に先立って必然的にプレヒー
トが開始されるため、運転者がエンジン10の始動を意
図したときから、プレヒートの実行・完了を経て、エン
ジン10の始動に至るまでの一連の手順が、イグニショ
ンキー5Aの一方向への回動という一動作により速やか
に行われる。従って、プレヒート完了までエンジン10
の始動を禁止しても、運転者に生じる違和感は最小限に
抑制されることとなる。
【0113】また、スタータ26の作動を禁止する実施
の態様としては、イグニションキー5Aを「スタート
(START)」位置SW4へ回動させてもスタータ2
6を作動させないといったものに限らず、例えば、キー
シリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aの「スタ
ート(START)」位置SW4への動作を機械的若し
くは電磁的に規制若しくはロックするようにしてもよ
い。さらに、スタータ26が作動しても、燃料噴射弁1
8が動作せず(燃料の噴射供給を行わず)、結果として
エンジン10が始動しないように制御することとしても
よい。
【0114】また、図7に示す基本手順のステップS3
〜S5に対応する手順として、スピーカ29の発する音
声や、点灯ランプ28の点灯動作を通じてプレヒート開
始、継続中、或いは完了の旨を運転者に通知するように
してもよい。
【0115】なお、上記「プレヒート制御ルーチン」
(図8)における制御手順に従えば、ステップS102
において、冷却水温が所定温度以上である場合、プレヒ
ートを実施しない、若しくは保留することとなる。これ
に対し、例えば冷却水温の高さに応じてプレヒートの実
施期間や電動ポンプの出力を連続的に可変とし、電動ポ
ンプEPによって消費される電力の節減と、プレヒート
による暖機効率の向上との両立を図るようにしてもよ
い。さらに、プレヒートの実行時にはエンジン10の始
動を禁止する制御態様を適用する場合には、冷却水温が
所定温以下である場合、プレヒートは実行する一方で、
エンジン10の始動禁止(規制)を解除したり、或いは
禁止期間を短縮する等、禁止条件を緩和するような条件
設定(制御)を行うこととしてもよい。
【0116】また、上記実施の形態における「プレヒー
ト制御ルーチン」では、エンジン10の始動禁止を解除
した後は、当該エンジン10の自動始動を行うよう制御
することとしたが(図8におけるステップS106)、
プレヒートの終了後は、運転者が手動でエンジン10の
始動を行うようプレヒートが完了した旨を通知するのみ
としてもよい。
【0117】また、上記実施の形態では、水温センサ2
5の出力信号、言い換えれば冷却系の一部位で検出され
た冷却水の温度(冷却水温)THWを、エンジン10の
温度を代表するパラメータとして採用した。これに関わ
らず、エンジン10の温度、若しくは吸気ポート16の
温度を反映する情報を取得する他の検出手段を採用する
こともできる。例えば、エンジン10本体の温度や、吸
気ポート16内の温度を直接検出するセンサを設けた
り、潤滑油の油温を検出する油温センサを設けることと
してもよい。さらに、冷却系の複数箇所に水温センサを
設け、検出精度を高めるようにしてもよい。
【0118】また、上記実施の形態において適用するこ
ととしたエンジンシステム100の冷却系20は、図3
に示すように、シリンダブロック10a内とシリンダヘ
ッド10b内とにほぼ独立した冷却水の循環通路が形成
されている。そして、プレヒート中には蓄熱容器21お
よびシリンダヘッド10b間の循環通路Bのみ、とくに
シリンダヘッド内では吸気ポートの近傍を優先的に冷却
水が流れることで、吸気ポートの温度管理を他部位に優
先して行うように構成されたものである。
【0119】これに対し、例えば図16に示すエンジン
システム100’のように、その冷却系20’が、シリ
ンダブロック10a及びシリンダヘッド10b内に共通
の冷却水の循環通路を備え、プレヒート中にはエンジン
10全体に冷却水を循環させるものであっても、本発明
を適用して上記実施の形態に準ずる効果を奏することは
できる。
【0120】また、例えば図17に示すエンジンシステ
ム100''に本発明を適用してもよい。エンジンシステ
ム100''では、その冷却系20''の一部として、エン
ジン10を介して冷却水を循環させる循環通路20aの
途中に通路20b及び通路20cを並列配置し、各通路
途中に蓄熱容器21及び暖房用ヒータコア23を設けら
れている。また、通路20cを流れる冷却水の流量は、
流量制御弁24Aにより自在に制御できるように構成さ
れている。このような構成からなるエンジンシステム1
00''にあっては、プレヒート中と通常の機関運転時と
で、冷却系20''内の冷却水が逆方向に流れることとな
る。
【0121】すなわち、プレヒート中には電動ポンプE
Pが作動することにより各部位で矢指X方向に冷却水が
流れ、通常運転時には機械式ポンプMPが冷却水をエン
ジン10内に引き込むよう動作することにより各部位で
矢指Y方向に冷却水が流れる。また、流量制御弁を全閉
状態にして機械式ポンプが駆動すると、冷却水が概ねエ
ンジン10内に閉じ込められた状態で循環することとな
る(矢指方向Z)、このような態様でエンジン10の始
動直後等には、エンジン10内の冷却水温を急速に暖機
させることもできる。このような冷却系20''の構成に
上記実施の形態にかかる「プレヒート制御」を併用すれ
ば、エンジン始動時前後に亘る暖機効率を一層高めるこ
ともできるようになる。
【0122】また、上記実施の形態においては、エンジ
ン10と一体に構成された冷却系20、20’若しくは
20''と、ECU30とによって本発明にかかる蓄熱装
置が構成されることとなっている。これに対し、何らか
の方法で熱を蓄熱しておき、内燃機関の始動に先立って
当該機関に熱供給を行うことのできる装置であれば、本
発明にかかる蓄熱装置としての機能を果たし得る。言い
換えれば熱を蓄え熱源として機能すれば、オイル等、他
の熱媒体を介して蓄熱する装置であってもよく、また、
熱を電力として蓄電する装置や、潜在的に熱を包含する
化学物質を蓄え、その化学反応によって適宜発熱する装
置を蓄熱装置として適用することもできる。そしてさら
に、冷却水のような熱媒体を介さずとも、蓄熱装置から
の輻射熱や伝熱により熱供給を行うようにエンジンシス
テムや、その他これに相当するシステム(装置)を構成
してもよい。また、こうした蓄熱装置を備えてプレヒー
トを行う内燃機関の適用対象は、車両に限られない。
【0123】また、こうした内燃機関は、さらに他の駆
動手段(例えば電動式モータ)を付設し、当該内燃機関
と他の駆動手段(原動機)との協働により駆動力を発生
するいわゆるハイブリッドエンジンであってもよい。こ
の場合、例えば蓄熱装置からの熱供給(プレヒート)が
完了するまで他の駆動手段のみによる駆動動作を行うと
いった制御を行ってもよい。
【0124】さらに、他の駆動手段(例えば電動式モー
タのような原動機)単体、電動式モータに電力を供給す
るバッテリや燃料電池、燃料噴射弁、変速機等、好適な
作動状態の確保にある程度の暖機、言い換えれば熱供給
が必要な機関、機構、機器、駆動回路等、如何なる被熱
供給体に対し本発明を適用しても、その作動状態、とく
に作動開始時の作動状態を最適化する制御を行うといっ
た点で、上記各実施の形態と同等、若しくはこれに準ず
る効果を奏することはできる。
【0125】そして、こうした内燃機関、電動式モー
タ、燃料噴射弁、変速機等といった被熱供給体の作動状
態を制御するにあたり、どのような被熱供給体に本発明
を適用するにしても、当該各被熱供給体の始動時期に限
らず、停止時期や運転状態の程度(例えば出力状態)、
変速機の変速比等、各種の作動状態を制御(例えば禁止
や許容)することにより、上記各実施の形態と同等若し
くはこれに準ずる効果を奏することができる。
【0126】また、上記実施の形態においては、その運
転にクラッチ操作を要しないいわゆるオートマチックト
ランスミッション方式の乗用車(車両1)に本発明を適
用することとした。これに対し、いわゆるマニュアルト
ランスミッション方式を採用する車両に本発明を適用す
ることとしてもよい。この場合、図10や図12の「プ
レヒート制御ルーチン」においてステップS101での
判断からは、「シフトレバー8の位置(シフトポジショ
ン)が駐車用位置(パーキングポジション)にある状
態」という前提条件が除外されることとなる。また、図
11の「プレヒート制御ルーチン」においてステップS
101での判断中、「ブレーキペダル7aが踏み込まれ
たか」についての判断に替え、「クラッチペダルが踏み
込まれた?」についての判断を行うように制御内容を変
更してもよい。
【0127】また、上記実施の形態にかかる車両に備え
られた各種センサ機器やディスプレイ装置9等は、上記
「プレヒート制御」に関する各々の実施態様に対応して
具備されていればよく、必ずしも上述した全てのセンサ
機器等が一実施の態様にとって不可欠な要素ではない。
要は、適用対象となる車両、内燃機関、或いは制御装置
に対し、必要となる部材(センサ機器等)を個別選択的
に取り付けるようにすればよい。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、機関始動に先立って必然的に生じる特定の事象を基
準として熱供給を開始することにより、機関始動を任意
のタイミングに行う場合であれ、当該機関始動のタイミ
ングから適度な期間遡及した熱供給の開始タイミングを
設定することができるようになる。
【0129】また、当該内燃機関の始動に先立つ必然性
と、動作タイミングの再現性とが高い動作を選択し、こ
の選択された動作タイミングに基づいて熱供給の開始タ
イミングを決定することとなる。従って、適切な熱供給
の開始タイミングが毎回の機関始動にあたり確実に設定
されるようになる。
【0130】また、前記熱供給手段による熱供給の継続
期間を、前記盗難防止手段の作動解除動作期間に包含さ
せることになり、当該熱供給の継続中、車両の運転者が
違和感を感じることもない。従って、当該内燃機関の始
動に関し運転者にとっての運転操作上の快適感を十分に
確保することができるようになる。
【0131】また、当該内燃機関の搭載される車両の運
転者自ら、当該内燃機関の始動に先立つ熱供給を簡易に
実行することができるため、蓄熱装置の操作にかかる利
便性も向上するようになる。
【0132】さらに、第2の発明によれば、例えば被熱
供給体の始動に関連し、必然的に生じる特定の事象を基
準として熱供給を開始することにより、当該被熱供給体
の始動を任意のタイミングに行う場合であれ、当該被熱
供給体の始動のタイミングから適度な期間遡及した熱供
給の開始タイミングを設定することができるようにな
る。
【0133】また、自身への熱の出入りによってその始
動時の作動状態が変動しやすい原動機にとって、始動時
の作動状態が的確に制御されるようになる。また、自身
への熱の出入りにより、その始動時の作動状態が変動し
易く、とくにその作動状態によって燃焼状態が左右さ
れ、とくにその燃焼状態を安定させるべく実施する熱供
給が始動時までに完了していることが望ましい内燃機関
にとって、始動時の燃焼状態が的確に制御されるように
なる。
【0134】また、当該被熱供給体の始動時にかかる熱
供給に関し、最適な作動状態を確保するために求められ
る所望の熱供給時期や熱供給量が確実に適用されるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる車載用エンジン
システムが搭載される車両の一部を示す略図。
【図2】同実施の形態にかかる電子制御装置を中心とし
たエンジンシステムの電気的構成を概略的に示すブロッ
ク図。
【図3】同実施の形態にかかる車載用エンジンシステム
を示す概略構成図。
【図4】同実施の形態にかかるエンジンについて、その
燃焼室周辺の断面構造を部分的に拡大して示す略図。
【図5】同実施の形態にかかるエンジンシステムを概略
的に示す模式図。
【図6】蓄熱容器の電動ポンプの作動態様を実験的に変
更した結果として、シリンダヘッドの温度推移を示すタ
イムチャート。
【図7】同実施の形態にかかるプレヒート制御の基本手
順を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態にかかるプレヒート制御手順を示
すフローチャート。
【図9】運転席側ドアの開扉からスタータの作動までの
一連の動作のタイミングを時間軸上に示すタイムチャー
ト。
【図10】同実施の形態の変形例にかかるプレヒート制
御手順の一部を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態の変形例にかかるプレヒート制
御手順の一部を示すフローチャート。
【図12】同実施の形態の変形例にかかるプレヒート制
御手順の一部を示すフローチャート。
【図13】同実施の形態の変形例にかかるプレヒート制
御手順の一部を示すフローチャート。
【図14】同実施の形態にかかるキーシリンダをイグニ
ションキーの挿入方向に向かってみた平面図。
【図15】同実施の形態にかかるキーシリンダをイグニ
ションキーの挿入方向に向かってみた平面図。
【図16】他の実施の形態にかかるエンジンシステムを
概略的に示す模式図。
【図17】他の実施の形態にかかるエンジンシステムを
概略的に示す模式図。
【符号の説明】
1 車両 10 エンジン 1a 運転席 2 運転座席 2a 着座センサ 3 ドア 3a ドア開閉センサ 3b ドアロックセンサ 4 インナーバックル 4a シートベルトセンサ 5 キーシリンダ 5b スリット 5c ロータ 5d ケース 5A イグニションキー 5B 通信チップ 6 アクセルペダル 7 ブレーキペダル 7a ブレーキセンサ 8 シフトレバー 8a シフトポジションセンサ 9 ディスプレイ装置 9a マイク 10 エンジン 10a シリンダブロック 10b シリンダヘッド 11 燃焼室 12 気筒 13 ピストン 14 吸気バルブ 16 吸気ポート 17 排気ポート 18 燃料噴射弁 19 イグナイタ 19a 点火プラグ 20 冷却系 20a 循環通路 21 蓄熱容器(蓄熱手段) 21a ハウジング 21b 冷却水収容部 21c 導入管 21d 排出管 21e,21f 逆止弁 22 ラジエータ 22a 電動ファン 23 暖房用ヒータコア 23a 電動ファン 24 サーモスタット 24A 流量制御弁 25 水温センサ 26 スタータ 28 点灯ランプ 29 スピーカ 30 電子制御装置(ECU) 31 中央処理装置(CPU) 32 読み出し専用メモリ(ROM) 33 ランダムアクセスメモリ(RAM) 34 バックアップRAM 35 タイマーカウンタ 36 外部入力回路 37 外部出力回路 38 バス 100 エンジンシステム A,B,C,D 循環通路 EP 電動ポンプ MP 機械式ポンプ Pa 吸気ポート側冷却水通路 Pb 排気ポート側冷却水通路 P1 外部通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 正和 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA00 BA28 CA01 DA28 EB02 EB22 FA06 FA20 FA36

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱媒体を循環させる循環通路と、熱を蓄え
    る蓄熱手段と、該蓄熱手段の蓄えた熱を前記熱媒体を介
    して前記循環通路へ供給する熱供給手段と、前記熱供給
    手段が前記循環通路への熱供給を行う期間を制御する期
    間制御手段とを備えた蓄熱装置を有する車両搭載用内燃
    機関において、 前記期間制御手段は、当該機関の始動に関連する特定の
    タイミング要素を認識し、 該認識したタイミング要素に基づいて、当該機関の始動
    に先立ち前記熱供給手段が前記循環通路への熱供給を開
    始するタイミングを制御することを特徴とする蓄熱装置
    を有する車両搭載用内燃機関。
  2. 【請求項2】当該内燃機関の運転が停止している期間中
    作動し、同機関が搭載される車両の盗難を防止する盗難
    防止手段をさらに備え、 前記期間制御手段は、前記盗難防止手段の作動解除が開
    始されるタイミングを前記タイミング要素として認識す
    ることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置を有する車
    両搭載用内燃機関。
  3. 【請求項3】前記盗難防止手段の作動解除動作を、少な
    くとも前記熱供給手段による前記循環通路への熱供給が
    終了するまで継続させることを特徴とする蓄熱装置を有
    する請求項2記載の車両搭載用内燃機関。
  4. 【請求項4】前記期間制御手段は、当該機関の搭載され
    る車両の乗降用ドアが開扉されたタイミングを前記タイ
    ミング要素として認識することを特徴とする請求項1記
    載の蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関。
  5. 【請求項5】当該機関の搭載される車両の運転座席への
    着座を検知する着座検知手段をさらに備え、 前記期間制御手段は、前記着座が検知されたタイミング
    を前記タイミング要素として認識することを特徴とする
    請求項1記載の蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関。
  6. 【請求項6】当該機関の搭載される車両の運転座席に備
    えられたシートベルトの装着を検知するシートベルト装
    着検知手段をさらに備え、 前記期間制御手段は、前記シートベルトの装着が検知さ
    れたタイミングを前記タイミング要素として認識するこ
    とを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置を有する車両搭
    載用内燃機関。
  7. 【請求項7】当該機関の搭載される車両のブレーキ動作
    を検出するブレーキ動作検出手段をさらに備え、 前記期間制御手段は、前記ブレーキ動作が検出されたタ
    イミングを前記タイミング要素として認識することを特
    徴とする請求項1記載の蓄熱装置を有する車両搭載用内
    燃機関。
  8. 【請求項8】当該機関の搭載される車両のクラッチ動作
    を検出するクラッチ動作検出手段をさらに備え、 前記期間制御手段は、前記クラッチ動作が検出されたタ
    イミングを前記タイミング要素として認識することを特
    徴とする請求項1記載の蓄熱装置を有する車両搭載用内
    燃機関。
  9. 【請求項9】当該機関の搭載される車両の乗降用ドアを
    ロックするロック手段と、前記ロックの解除を検知する
    ロック解除検知手段とをさらに備え、 前記期間制御手段は、前記ロックの解除が検出されたタ
    イミングを前記タイミング要素として認識することを特
    徴とする請求項1記載の蓄熱装置を有する車両搭載用内
    燃機関。
  10. 【請求項10】外部からの入力操作を通じて、前記期間
    制御手段に前記タイミング要素を認識させる外部入力手
    段を備えることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置を
    有する車両搭載用内燃機関。
  11. 【請求項11】前記外部入力手段は、当該機関が搭載さ
    れる車両の遠隔から前記入力操作を行わせることを特徴
    とする請求項10記載の蓄熱装置を有する車両搭載用内
    燃機関。
  12. 【請求項12】前記外部入力手段は、音声を通じて前記
    入力操作を行わせることを特徴とする請求項10記載の
    蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関。
  13. 【請求項13】前記外部入力手段は、操作パネルをディ
    スプレイ表示するディスプレイを備え、該操作パネルへ
    のタッチ操作により前記入力操作を行わせることを特徴
    とする請求項10記載の蓄熱装置を有する車両搭載用内
    燃機関。
  14. 【請求項14】所定条件が成立すると被熱供給体に対す
    る熱の供給がなされる被熱供給体の制御装置であって、 前記所定条件の成立を前記被熱供給体の始動に関連する
    特定の状態に基づいて決定するとともに、当該被熱供給
    体の始動に関連する特定の状態に基づいて同被供給体へ
    の熱の供給時期を制御することを特徴とする被熱供給体
    の制御装置。
  15. 【請求項15】前記被熱供給体は原動機であることを特
    徴とする請求項14記載の被熱供給体の制御装置。
  16. 【請求項16】前記原動機は内燃機関を有してなること
    を特徴とする請求項15記載の被熱供給体の制御装置。
  17. 【請求項17】当該内燃機関の始動に先立ち熱の供給が
    開始されることを特徴とする請求項16記載の被熱供給
    体の制御装置。
  18. 【請求項18】当該内燃機関の搭載される車両の盗難を
    防止する盗難防止手段を備え、前記特定の状態は盗難防
    止手段の作動状態であることを特徴とする請求項17記
    載の被熱供給体の制御装置。
  19. 【請求項19】前記熱の供給は、熱を蓄熱する蓄熱手段
    によりなされることを特徴とする請求項14〜17のい
    ずれかに記載の被熱供給体の制御装置。
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