JP2002038238A - フェライト系快削ステンレス鋼 - Google Patents

フェライト系快削ステンレス鋼

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Tohoku Tokushuko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、熱間加工性が要求される機器ないし
部品の素材として使用されるステンレス鋼であり、か
つ、被削性および耐アウトガス性に優れた快削ステンレ
ス鋼を提供する。 【解決手段】 Niを含有しないか、又は含有してい
てもその含有率が2質量%以下とされ、12〜35質量
%のCr、0.01〜0.4質量%のCを含有させ、T
iの含有量をWTi(質量%)、Zrの含有量をWZr(質
量%)として、WTi+0.52WZrが0.03〜3.5
質量%となるように、TiとZrとの少なくともいずれ
かを含有する。また、0.01〜1質量%のSと、0.
01〜0.8質量%のSeとの少なくともいずれかを含
有し、さらに、TiとZrとの少なくともいずれかを金
属元素成分として含有し、その金属成分との結合成分と
して、必須成分としてのCと、さらにSとSeとの少な
くともいずれかを含有する(Ti、Zr)系化合物が組
織中に形成されている。これにより耐食性、熱間加工性
をほとんど犠牲にせず、被削性及び耐アウトガス性に優
れたフェライト系快削ステンレス鋼を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた快削性及び
耐アウトガス性が必要とされる機器ないし部品の素材と
して利用するのに適する快削ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】切削加工を必要とする耐食性Fe系部品
の生産性向上のために、S、Pb、SeあるいはBiな
どの被削性向上元素を含有させた快削性ステンレス鋼が
使用されることがある。その中でも、これらの被削性向
上元素を比較的多く含有させることができ、かつ高い耐
食性が得られ、高価なNiを多く含有しないフェライト
系快削ステンレス鋼が用いられている。特に、精密な仕
上加工が施されるなどより良好な被削性が求められる場
合には、上記被削性向上元素の含有量を増やすことが行
われるとともに、上記の元素を単独ではなくて複合添加
させて用いることも多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、被削性向上元
素の一つである硫黄(S)は、MnSとして使用される
ことが多いが、多量に添加しすぎると熱間加工性あるい
は冷間加工性が損なわれるばかりでなく、大気中に暴露
すると、ステンレス鋼中に含有されている硫黄成分が硫
黄含有ガスとなって放出され、部品周囲に硫黄コンタミ
を引き起こしやすくなる問題が懸念される。
【0004】このようなステンレス鋼部品からの硫黄含
有ガス放出を抑制するために(以下、「耐アウトガス性
を向上させる」等という)、Mn含有量を制限して硫化
物中のCr含有量を高める提案がなされている(例えば
特開平10−46292号公報)。しかし、硫化物中の
Cr量を高めることは、被削性や熱間加工性を低下させ
る傾向にあるため、その用途は限定されることとなる。
【0005】本発明の課題は、耐食性及び熱間加工性あ
るいは冷間加工性を従来のステンレス鋼と遜色ないもの
にしつつ、被削性及び耐アウトガス性に優れたフェライ
ト系快削ステンレス鋼を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明のフェライト系快削ステン
レス鋼の第一の構成は、Niを含有しないか、又は含有
していてもその含有率が2質量%以下とされ、12〜3
5質量%のCr及び0.01〜0.4質量%のCを含有
し、Tiの含有量をWTi(質量%)、Zrの含有量をW
Zr(質量%)として、WTi+0.52WZrが0.03〜
3.5質量%となるように、TiとZrとの少なくとも
いずれかを含有し、0.01〜1.0質量%のSと、
0.01〜0.8質量%のSeとの少なくともいずれか
を含有し、さらに、TiとZrとの少なくともいずれか
を金属元素成分として含有し、その金属成分との結合成
分として、必須成分としてのCと、さらにSとSeとの
少なくともいずれかを含有する(Ti、Zr)系化合物
が組織中に形成されたステンレス鋼であって、以下の条
件によるアウトガス性試験、すなわち:ステンレス鋼試
験片として、縦15mm、横3mm、厚さ25mmの直
方体形状を有し、かつ全面を番手#400のエメリーペ
ーパーを用いて研磨したものを用意し、硫黄成分ゲッタ
ーとしての、縦10mm、横5mm、厚さ0.1mmの
純度99.9%以上の銀箔と、0.5ccの純水とを、
試験片とともに内容積250ccの容器中に封入し、容
器内の温度が85℃となるように昇温して20時間保持
した後、銀箔中の硫黄成分含有量WSOの分析を行ったと
き、WSOの値が0.035質量%以下となることを特徴
とする。
【0007】上記のような組成範囲のC、Ti及び/又
はZr、S及び/又はSeを含有させることにより、ス
テンレス鋼の組織中に(Ti、Zr)系化合物を生成す
ることが可能であり、このような化合物の形成によりス
テンレス鋼の被削性を向上させることができる。また、
このような化合物の形成は、MnSあるいは(Mn、C
r)S等の耐食性や熱間加工性の劣化を招き安い化合物
の形成を防止または抑制することができ、ひいては、耐
食性及び熱間加工性あるいは冷間加工性を良好なものに
維持することができる。さらに、上記(Ti、Zr)系
化合物の形成により、添加されるSが(Ti、Zr)系
化合物の構成元素のひとつとして含有され、その結果、
Fe系マトリックス相中に分散的に存在するSの量が減
少するため、ステンレス鋼中から発生するSの量を削減
することになる。したがって、上記(Ti、Zr)系化
合物の形成により、快削ステンレス鋼の耐アウトガス性
も同様に向上させることができる。
【0008】本発明においては、上記耐アウトガス性試
験を行ったときに、試験片から硫黄含有ガスとなって放
出された硫黄成分を、銀箔をゲッターとして吸収させ、
その銀箔中の硫黄含有量WSOを測定して材料の耐アウト
ガス性を定量化する。そして、その測定されるWSOを
0.035質量%以下と規定する。このように耐アウト
ガス性が規定された本発明のステンレス鋼は、大気中に
暴露したとき、放出されるS成分の量が微量であるため
周囲に硫黄コンタミを生じにくく、耐アウトガス性が要
求される産業機器の一部として用いられるステンレス鋼
として好適に使用することができる。
【0009】なお、材料の耐アウトガス性を決定する因
子は主に材料組成であるが、ステンレス鋼を構成するF
e系マトリックス相(フェライト(α)相)中に固溶し
ている硫黄成分は、結晶粒界に集まりやすい傾向がある
ため、耐アウトガス性を向上させるには、硫黄をTiや
Zrの炭硫化物として固定することが望ましい。そのた
めには、Sの含有量をWS(質量%)、Cの含有量をWC
(質量%)としたとき、WS/(WTi+0.52WZr)
の値が0.45以下、もしくはWS/WCの値が0.4以
下かつ、WS/(WTi+0.52WZr)の値が0.45
以下となるのが望ましい。
【0010】本発明のフェライト系快削ステンレス鋼
は、被削性向上を担うのが組織分散する(Ti、Zr)
系化合物であり、Pbをほとんど含有していなくとも
(例えばPb含有量が0.1質量%以下)、良好な被削
性を実現できる利点を有する。ただし、被削性をさらに
向上させるために、Pbを0.01〜0.3質量%含有
させても良い。また、本発明のフェライト系快削ステン
レス鋼の第二の構成は、Niを含有しないか、又は含有
していてもその含有率が2質量%以下とされ、12〜3
5質量%のCr及び0.01〜0.4質量%のCを含有
し、Tiの含有量をWTi(質量%)、Zrの含有量をW
Zr(質量%)として、WTi+0.52WZrが0.03〜
3.5質量%となるように、TiとZrとの少なくとも
いずれかを含有し、0.01〜1.0質量%のSと、
0.01〜0.8質量%のSeとの少なくともいずれか
を含有し、さらに、TiとZrとの少なくともいずれか
を金属元素成分として含有し、その金属成分との結合成
分として、必須成分としてのCと、さらにSとSeとの
少なくともいずれかを含有する(Ti、Zr)系化合物
が組織中に形成されており、かつ、0.01〜0.3質
量%のPbが含有されているフェライト系快削ステンレ
ス鋼であって、以下の条件によるアウトガス性試験、す
なわち:ステンレス鋼試験片として、縦15mm、横3
mm、厚さ25mmの直方体形状を有し、かつ全面を番
手#400のエメリーペーパーを用いて研磨したものを
用意し、硫黄成分ゲッターとしての、縦10mm、横5
mm、厚さ0.1mmの純度99.9%以上の銀箔と、
0.5ccの純水とを、前記試験片とともに内容積25
0ccの容器中に封入し、容器内の温度が85℃となる
ように昇温して20時間保持した後、前記銀箔中の硫黄
成分含有量WSOの分析を行ったとき、前記WSOの値が
0.035質量%以下となることを特徴とする。
【0011】PbはSに比べて、耐食性や冷間加工性を
低下させずに被削性、特にドリル穿孔性を向上させるこ
とができる。また、Pbを添加させることにより、Pb
が略単独で、ステンレス鋼中に分散的に析出する。この
ような析出物がステンレス鋼の被削性を向上させるのに
有効となる。被削性を向上させる効果を明瞭とするため
には、0.01質量%以上添加するのが良い。一方、過
剰に添加させると、熱間加工性が低下するため、その添
加量の上限値を0.3質量%とするのが良い。Pbの添
加量は望ましくは0.015〜0.25質量%の範囲で
設定するのが良い。また、Pbを含有することによって
ステンレス鋼の耐アウトガス性への影響もほとんどな
く、Pbを上記組成範囲で含有する本発明の快削ステン
レス鋼は、耐アウトガス性にも優れている。
【0012】本発明のステンレス鋼において形成される
(Ti、Zr)系化合物は、鋼のフェライト系マトリッ
クス相中に分散形成することができる。特に、該化合物
をマトリックス相中に微細に分散させることにより、鋼
の被削性をさらに高めることができる。該効果を高める
ためには、鋼材の研磨断面組織において観察される(T
i、Zr)系化合物の寸法(観察される化合物粒子の外
形線に位置を変えながら外接平行線を引いたときの、そ
の外接平行線の最大間隔にて表す)の平均値は例えば、
0.1〜30μm程度であるのが良く、また、その組織
中の面積率は1〜20%程度であるの良い。
【0013】(Ti、Zr)系化合物は、組成式(T
i、Zr)(S、Se)にて表される化合物
(以下、炭硫/セレン化物という)をすくなくとも含有
するものとすることができる。この化合物において、T
i及びZrは、いずれか一方のものが含有されていて
も、双方とも含有されていてもいずれでも良い。また、
S及びSeについても、いずれか一方のみが含有されて
いても、双方とも含有されていてもいずれでも良い。該
組成式で表される化合物の含有により、鋼の被削性を向
上させることができるとともに、Sの含有量を調整する
ことによって耐アウトガス性を向上させることができ
る。
【0014】なお、鋼中の(Ti、Zr)系化合物の同
定は、X線回折(例えば、ディフラクトメータ法)や電
子線プローブ微少分析(EPMA)法により行うことが
できる。例えば、(Ti、Zr)(S、Se)
の化合物にて存在しているか否かは、X線ディフラクト
メータ法による測定プロファイルに、対応する化合物の
ピークが現れるか否かにより確認することができる。ま
た、組織中における該化合物の形成領域は、鋼材の断面
組織に対してEPMAによる面分析を行い、Ti、Z
r、S、SeあるいはCの特性X線強度の二次元マッピ
ング結果を比較することにより特定できる。
【0015】以下、本発明のフェライト系快削ステンレ
ス鋼における各成分の含有範囲の限定理由について説明
する。 (1)Ni:2質量%以下 Niは耐食性、特に還元性酸環境中での耐食性を向上さ
せるのに有効であることから必要に応じて添加すること
ができる。しかしながら、過剰な添加は、フェライト相
の安定性を低下させるほか、原料コストの上昇を招くこ
とから2質量%を上限とする。なお、Niの含有量はゼ
ロであっても良い。
【0016】(2)Cr:12〜35質量% Crは耐食性を確保する上で必須の元素であり12質量
%以上添加することが必要となる。一方、過剰に添加し
すぎると、CrS等の化合物が形成されるため、熱間加
工性を害するとともに、靭性の低下を招く恐れがある。
そのため、Crの含有量の上限は35質量%とする必要
がある。このようにCrの含有量は12〜35質量%の
範囲で設定するのが良いが、望ましくは15〜25質量
%の範囲で設定するのが良く、より望ましくは16〜2
2質量%の範囲で設定するのが良い。
【0017】(3)C:0.01〜0.4質量% Cは被削性を向上させるためには必須の元素である。C
が含有されることによって炭硫/セレン化物が形成さ
れ、そのために被削性が向上すると考えられる。ただ
し、含有量が0.01質量%未満では被削性向上に有効
な上記(Ti、Zr)系化合物が十分に形成されず、十
分な被削性付与効果が得られない。また、0.4質量%
を超えると、被削性向上に対し効果的でない単体の炭化
物が多量に生成することにより、逆に被削性が劣化する
ことになる。Cの添加量は望ましくは0.02〜0.2
5質量%の範囲で設定するのが良く、より望ましくは
0.025〜0.22質量%の範囲で設定するのが良
い。なお、(Ti、Zr)系化合物など、被削性を向上
させる化合物の構成元素の量に応じて、Cの添加量は被
削性向上の効果が最良の状態で得られるように適宜調節
するのが良い。また、上記(Ti、Zr)系化合物に構
成元素として含有されなかった残余のCはフェライトマ
トリックス中に固溶し、ステンレス鋼の硬さを向上させ
る効果も付与する。なお、本発明のフェライト系快削ス
テンレス鋼は、焼きなまし処理により主相がフェライト
化するものを総称し、例えば、焼入れ処理によりマルテ
ンサイト化するものであっても良い(例えば、切削加工
後に焼き入れ処理をして用いることもありうる)。
【0018】(4)Tiの含有量をWTi(質量%)、Z
rの含有量をWZr(質量%)として、WTi+0.52W
Zrが0.03〜3.5質量%:TiとZrとは、本発明
のフェライト系快削ステンレス鋼において被削性向上効
果の中心的な役割を果たす(Ti、Zr)系化合物を形
成するのに必須の構成元素である。上記WTi+0.52
WZrが0.03質量%未満では(Ti、Zr)系化合物
の形成量が不充分となり、十分な被削性向上効果が見込
めなくなる。他方、WTi+0.52WZrが過剰となる場
合も、逆に被削性が低下することになる。そのため、W
Ti+0.52WZrは3.5質量%以下に抑える必要があ
る。Ti及びZrをステンレス鋼に含有させたときの上
記効果は、おおむねTi及びZrの種別に関係なく、含
有させた合計の原子数(あるいはmol数)に応じて定
まる。ZrとTiの原子量の比は略1:0.52である
から、原子量の小さいチタンのほうが少ない重量にてよ
り大きな効果を発揮できる。WTi+0.52WZrはZr
とTiの合計原子数を反映した組成パラメータであると
いえる。
【0019】(5)0.01〜1質量%のSと、0.0
1〜0.8質量%のSeとの少なくともいずれか:S及
びSeは被削性を向上させるのに有効な元素である。S
及びSeを含有させることで、被削性向上に効果のある
化合物(例えば、組成式(Ti、Zr)(S、Se)
で表される(Ti、Zr)系化合物等)がステン
レス鋼中に形成される。したがって、S及びSeの含有
量はSとSeのどちらとも、その効果が明瞭となる0.
01質量%を下限とする。しかしながら、これらの元素
の過剰な添加は、熱間加工性を低下させ、さらにSに関
して言えば、上記(Ti、Zr)系化合物を構成しない
残余のSがフェライトマトリックス中に過剰に存在する
ことになり、耐アウトガス性も低下させることになる。
これらのことを考慮すれば、Sは1質量%、Seは0.
8質量%を上限として設定するのが望ましい。また、S
及びSeはいずれも被削性を向上させる例えば上述の
(Ti、Zr)系化合物を構成するのに必要十分な量を
添加するのが望ましく、この観点においてS及びSeの
合計含有量(質量%)をCの含有量(質量%)の2倍以
上に設定するのが望ましい。なお、ステンレス鋼の耐ア
ウトガス性及び被削性の向上を最適化させるためには、
Sの含有量は、望ましくは0.05〜0.8質量%の範
囲で設定するのが良く、より望ましくは0.05〜0.
5質量%の範囲で設定するのが良い。
【0020】以上のような組成を採用することで、耐食
性及び熱間加工性を維持しつつ快削性に優れ、かつ耐ア
ウトガス性も良好なフェライト系ステンレス鋼を得るこ
とが可能となる。また、本発明のフェライト系快削ステ
ンレス鋼においては、その性質をより優れたものにする
ために、次のような組成範囲を設定することができる。
つまり、Si:2質量%以下、Mn:2質量%以下、
P:0.05質量%以下、Cu:2質量%以下、Co:
2質量%以下、O:0.03質量%以下、N:0.05
質量%以下、の少なくともいずれかの元素を含有させる
ことができる。以下、その限定理由について説明する。
【0021】(6)Si:2質量%以下 Siは、鋼の脱酸剤として添加することができる。しか
し、含有量が過大となると固溶化熱処理後の硬さが硬く
なり、冷間加工性に不利になるばかりでなく、δ−フェ
ライトの形成量を増し、鋼の熱間加工性を劣化させるた
め、上限を2質量%とする。なお、冷間加工性を特に重
視する場合は、望ましくは1質量%以下に設定するのが
良く、より望ましくは0.5質量%以下に設定するのが
良い。
【0022】(7)Mn:2質量%以下 Mnは、鋼の脱酸剤として作用するほか、δ−フェライ
ト相の形成を抑制する効果も有する。また、SやSeと
の共存により被削性に有効な化合物を生成するため、被
削性が特に重視される場合に添加しても良い。被削性を
向上させる効果をより顕著に期待する場合には、含有量
を1質量%以上に設定するのが良い。しかしながら、一
方で、Mnを含有するとMnSが形成されやすくなる。
MnSは耐食性を大きく劣化させるとともに、冷間加工
性をも低下させるため形成されないのが良い。したがっ
て、耐食性及び冷間加工性を重視する場合は0.4質量
%以下に限定することが望ましい。
【0023】(8)P:0.05質量%以下 Pは、粒界に偏析し、粒界腐食感受性を高めるほか、靭
性の低下を招くこともあり、その含有量をなるべく低く
抑えるのが良く、0.05質量%以下に設定するのが良
い。また、より望ましくは0.03質量%以下に抑える
のが良いが、必要以上に含有量を低減させることは、製
造コストの上昇を招くこともある。
【0024】(9)Cu:2質量%以下 Cuは耐食性、特に還元性酸環境中においての耐食性を
向上させるのに有効な元素であることから必要に応じて
添加しても良い。より顕著な効果を得るためには0.3
質量%以上は含有させるのが良い。しかしながら、過剰
に添加させると、熱間加工性が低下するため、2質量%
以下の範囲で設定するのが良い。熱間加工性を特に重視
する場合は0.5質量%以下に抑えるのがより望まし
い。
【0025】(10)Co:2質量%以下 Coは耐食性、特に還元性酸環境中においての耐食性を
向上させるのに有効な元素であることから必要に応じて
添加しても良い。より顕著な効果を得るためには0.3
質量%以上は含有させるのが良い。しかしながら、過剰
に添加させると、熱間加工性が低下するとともに、原料
コストの上昇を招くことから、2質量%以下の範囲で設
定するのが良い。熱間加工性及び原料コストを特に重視
する場合は0.5質量%以下に抑えるのがより望まし
い。
【0026】(11)O:0.03質量%以下 Oは、被削性を向上させるのに有効な(Ti、Zr)系
化合物の構成元素であるTi及びZr等と結合してこれ
らの酸化物を形成することがある。これらの酸化物は被
削性の向上には効果的ではないため、これら酸化物を形
成させないようにOの含有量は極力低く抑制するのが良
い。そのため、Oの含有量は0.03質量%以下に設定
するのが良い。また、製造コストとの兼ね合いである
が、望ましくは0.01質量%以下とするのが良い。
【0027】(12)N:0.05質量%以下 Nは、被削性を向上させるのに有効な化合物の構成元素
であるTiやZrと結合し、被削性の向上には効果的で
ない窒化物を形成することから極力低く抑制すべきであ
る。しかしながら、鉄鋼中には通常含有されている元素
であるため0.05質量%を上限とする。また、製造コ
ストとの兼ね合いであるが、望ましくは0.03質量%
以下とするのが良く、より望ましくは0.01質量%以
下とするのが良い。
【0028】次に、本発明のフェライト系快削ステンレ
ス鋼には、0.1〜4質量%のMoと、0.1〜3質量
%のWとの少なくともいずれかを含有させることができ
る。上記MoとWを添加すると、不働態強化のため耐食
性を、また、二次硬化のため硬度を向上させることが可
能となる。そのような効果を明瞭に得るためには、M
o、Wどちらとも0.1質量%以上は添加するのが良
い。一方、過剰に添加すると熱間加工性を低下させるた
め、Moは4質量%、Wは3質量%を上限値とするのが
良い。
【0029】また、必要に応じて、0.005〜0.1
質量%のTeと、0.01〜0.2質量%のBiの少な
くともいずれかを含有させることができる。これらの元
素を含有させることにより、ステンレス鋼の被削性をよ
り向上させることができる。このとき、被削性向上の効
果を明瞭に得るためには、Teは0.005質量%以
上、Biは0.01質量%以上含有させるようにするの
が良い。一方、添加量が過剰になると、熱間加工性を低
下させる場合がある。したがってTeの上限値は0.1
質量%、Biの上限値は0.2質量%とするのが良い。
【0030】また、本発明のフェライト系快削ステンレ
ス鋼は、Ca、Mg、B、REM(ただしREMは元素
周期律表にて3A族として分類される金属元素の1種又
は2種以上)から選ばれる1種以上を合計にて0.00
05〜0.01質量%含有させることができる。これら
の元素は、鋼の熱間加工性を向上させるのに有効な元素
である。これらを添加することよって得られる熱間加工
性向上の効果は、合計含有量が0.0005質量%以上
であるとき、より顕著に発揮される。一方、過剰に添加
させると、効果が飽和し、逆に熱間加工性が低下するこ
とから合計含有量の上限を0.01質量%と設定する。
なお、REMとしては、放射活性の低い元素を主体的に
用いることが取り扱い上容易であり、この観点におい
て、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuか
ら選ばれる1種又は2種以上を使用することが有効であ
る。特に上記効果のより顕著な発現と価格上の観点か
ら、軽希土類、特にLaあるいはCeを使用することが
望ましい。ただし、希土類分離過程等にて不可避的に残
留する微量の放射性希土類元素(例えばThやUなど)
が含有されていても差し支えない。また、原料コスト低
減等の観点から、ミッシュメタルやジジムなど、非分離
希土類を使用することもできる。
【0031】さらに、本発明のフェライト系快削ステン
レス鋼は、Nb、V、Ta、及びHfから選ばれる1種
又は2種以上を0.01〜0.5質量%含有するとする
ことができる。Nb、V、Ta、及びHfは炭窒化物を
形成して鋼の結晶粒を微細化し、強靭性を高める効果が
あるため、それぞれ0.5質量%までの範囲で添加する
ことができる。なお強靭性を高める効果を明瞭にするた
めには、0.01質量%以上含有させるのが望ましい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために、以下
の実験を行った。まず、表1に示す配合組織により、各
々50kg鋼塊を高周波誘導炉にて溶製し、これを、1
050〜1100℃に加熱し、熱間鍛造により20mm
の丸棒に加工した。それら丸棒をさらに800℃で1時
間加熱した後空冷(焼きなまし処理)し、各試験に供し
た。
【0033】
【表1】
【0034】本発明鋼の主な介在物は(Ti、Zr)
(S、Se)であったが、(Ti、Zr)S、及
び(Ti、Zr)S等の介在物も一部認められた。ま
た、Mn含有量が高いNo.7などには、(Mn、C
r)Sが僅かではあるが認められた。なお、各介在物の
同定方法は、以下のようにして行っている。すなわち、
各丸棒から適量の試験片を取り出して、これをテトラメ
チルアンモニウムクロライドと10%のアセチルアセト
ンを含むメタノール溶液を電解質として用いることによ
り、金属マトリックス部分を電解する。そして、溶解後
の電解液をろ過することにより、鋼中に含有されていた
不溶の化合物を抽出して乾燥後、これをX線回折ディフ
ラクトメータ法にて分析し、その回折プロファイルの出
現ピークから化合物の特定を行う。なお、鋼組織中の化
合物粒子の組成は別途EPMAにより分析を行ってお
り、その二次元マッピングから、X線回折にて観察され
た化合物に対応する組成の化合物が形成されていること
を確認している。図1はNo.5の発明鋼のディフラク
トメータ法によるX線回折プロファイルを示しており、
図2は発明鋼No.5の鋼表面の光学顕微鏡観察画像
(倍率:400倍)を示す。また、表1においてNo.
1〜14が本発明に該当する実施例の鋼種であり、N
o.15〜28は比較例の鋼種である。
【0035】上記の各試験品につき、以下の実験を行っ
た。 1.熱間加工性試験:熱間加工性の評価は、熱間鍛造時
に、割れなどの欠陥が発生したか否かを目視観察によっ
て評価した。「○」は熱間鍛造加工によって実質的に欠陥
が発生しなかったことを、「×」は熱間鍛造加工によって
大きな割れが確認されたこと、「△」は、熱間鍛造加工に
よって軽微な割れが存在していることをそれぞれ示して
いる。
【0036】2.被削性評価:被削性の評価は、被削加
工時の切削抵抗、仕上げ面粗さ、切粉形状により評価す
る。切削工具にはサーメットを用いて、周速150m/
min、一回転当りの切り込み量0.1mm、一回転当
りの送り量0.05mmで乾式にて切削加工を実施し
た。切削抵抗は、加工時に工具に発生する主分力を測定
したものである(単位:N)。仕上げ面粗さは、JIS
−B0601に規定されている方法で測定した加工後の
供試材表面の算術平均粗さ(Ra:μm)である。さら
に、切粉形状を目視観察し、破砕性が良好であるものは
「良」、破砕性が悪く切粉がつながった状態のものは「劣」
として表している。
【0037】3.耐アウトガス性評価:耐アウトガス性
の評価は、Sの発生量を規定することによって行った。
具体的には、寸法が、縦が15mm、横が3mm、厚さ
が25mmの直方体形状で、かつ、全面を番手#400
のエメリーペーパーによって研磨加工した試験片を用い
る。そして、容積が250ccの密閉容器中に、前記試
験片と銀箔(寸法:縦0.1mm、横5mm、厚さ10
mm、純度:99.9%以上)と0.5ccの純水をい
れ、その容器内の温度を85℃に維持しつつ20時間保
持させた。また、そして試験後の銀箔中のS含有量WSO
を燃焼赤外線吸収法にて測定した。
【0038】4.冷間加工性試験:冷間加工性の評価
は、No.1〜5、及びNo.13のサンプルについ
て、圧縮試験時の限界圧縮歪を測定することにより行っ
た。圧縮試験片は直径15mm、高さ22.5mmの円
柱状とし、600t油圧プレスにより圧縮加工し、限界
圧縮歪(1n(H0/H):H0は初期試験片高さ、Hは
割れの発生しなかった限界の高さ、n(X)はXの自然
対数を表す)を求めた。No.1〜5のサンプルは比較
鋼No.15と同等程度、また、比較鋼No.16と比
較して20%ほど高い限界圧縮率を有しており、冷間加
工性も良好であることが確認された。
【0039】5.耐食性評価:耐食性の評価試験は、塩
水噴霧試験によって行った。試験片としては、直径10
mm、高さ50mmの円柱形上のものを用い、表面をエ
メリー紙により番手#400まで研磨加工し、洗浄した
後、これを35℃の5質量%塩化ナトリウム水溶液噴霧
環境中にて96時間暴露する。評価は目視により行い、
全く発錆が確認されなかったものを「A」、点状のしみが
数カ所に認められたものを「B」、面積率5%以下の範囲
で赤錆が確認されたものを「C」、面積率5%を超える範
囲で赤錆が確認されたものを「D」として評価した。以上
の結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2より、本発明の快削ステンレス鋼は、
熱間加工性、冷間加工性、耐食性も従来のステンレス鋼
と比較して遜色なく、さらに、快削性が従来のステンレ
ス鋼に比べて向上していることがわかる。また、サンプ
ルNo.16、及び18の比較鋼と比べると、本発明の
実施例品はWSOも少なく耐アウトガス性に優れているこ
とがわかる。比較例No.16及び18の鋼種のWSOが
多いのは、Ti及びZrを含有していないことから、炭
硫化物が生成しにくくなっており、マトリックス中のS
の量が過剰となっているためだと考えられる。また、比
較例No.18においては、熱間加工性も損なわれてお
り、被削性の評価が行えなかった。
【0042】以上、本発明鋼について実施例を示した
が、これはあくまで一例示であり、本発明は、その趣旨
を逸脱しない範囲で、当事者の知識に基づき、その他の
変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で行った実験の、発明鋼No.5のX線
回折プロファイルを示す図。
【図2】発明鋼No.5の光学顕微鏡観察画像を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000003713 大同特殊鋼株式会社 愛知県名古屋市中区錦一丁目11番18号 (71)出願人 000222048 東北特殊鋼株式会社 宮城県柴田郡村田町大字村田字西ケ丘23 (74)上記3名の代理人 100095751 弁理士 菅原 正倫 (72)発明者 石田 清仁 宮城県仙台市青葉区上杉3−5−20 (72)発明者 及川 勝成 宮城県柴田郡柴田町西船迫4−1−34 (72)発明者 清水 哲也 愛知県名古屋市天白区高島2丁目1410番地 (72)発明者 岡部 道生 愛知県知多市旭桃台137 (72)発明者 江幡 貴司 宮城県柴田郡村田町大字村田字西ヶ丘23 東北特殊鋼株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Niを含有しないか、又は含有していて
    もその含有率が2質量%以下とされ、 12〜35質量%のCr及び0.01〜0.4質量%の
    Cを含有し、 Tiの含有量をWTi(質量%)、Zrの含有量をWZr
    (質量%)として、WTi+0.52WZrが0.03〜
    3.5質量%となるように、TiとZrとの少なくとも
    いずれかを含有し、 0.01〜1.0質量%のSと、0.01〜0.8質量
    %のSeとの少なくともいずれかを含有し、さらに、 TiとZrとの少なくともいずれかを金属元素成分とし
    て含有し、その金属成分との結合成分として、必須成分
    としてのCと、さらにSとSeとの少なくともいずれか
    を含有する(Ti、Zr)系化合物が組織中に形成され
    たステンレス鋼であって、以下の条件によるアウトガス
    性試験、すなわち:ステンレス鋼試験片として、縦15
    mm、横3mm、厚さ25mmの直方体形状を有し、か
    つ全面を番手#400のエメリーペーパーを用いて研磨
    したものを用意し、硫黄成分ゲッターとしての、縦10
    mm、横5mm、厚さ0.1mmの純度99.9%以上
    の銀箔と、0.5ccの純水とを、前記試験片とともに
    内容積250ccの容器中に封入し、容器内の温度が8
    5℃となるように昇温して20時間保持した後、前記銀
    箔中の硫黄成分含有量WSOの分析を行ったとき、 前記WSOの値が0.035質量%以下となることを特徴
    とするフェライト系快削ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 Niを含有しないか、又は含有していて
    もその含有率が2質量%以下とされ、 12〜35質量%のCr及び0.01〜0.4質量%の
    Cを含有し、 Tiの含有量をWTi(質量%)、Zrの含有量をWZr
    (質量%)として、WTi+0.52WZrが0.03〜
    3.5質量%となるように、TiとZrとの少なくとも
    いずれかを含有し、 0.01〜1質量%のSと、0.01〜0.8質量%の
    Seとの少なくともいずれかを含有し、さらに、 TiとZrとの少なくともいずれかを金属元素成分とし
    て含有し、その金属成分との結合成分として、必須成分
    としてのCと、さらにSとSeとの少なくともいずれか
    を含有する(Ti、Zr)系化合物が組織中に形成され
    ており、 かつ、0.01〜0.3質量%のPbが含有されている
    フェライト系快削ステンレス鋼であって、以下の条件に
    よるアウトガス性試験、すなわち:ステンレス鋼試験片
    として、縦15mm、横3mm、厚さ25mmの直方体
    形状を有し、かつ全面を番手#400のエメリーペーパ
    ーを用いて研磨したものを用意し、硫黄成分ゲッターと
    しての、縦10mm、横5mm、厚さ0.1mmの純度
    99.9%以上の銀箔と、0.5ccの純水とを、前記
    試験片とともに内容積250ccの容器中に封入し、容
    器内の温度が85℃となるように昇温して20時間保持
    した後、前記銀箔中の硫黄成分含有量WSOの分析を行っ
    たとき、 前記WSOの値が0.035質量%以下となることを特徴
    とするフェライト系快削ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 Si:2質量%以下、Mn:2質量%以
    下、P:0.05質量%以下、Cu:2質量%以下、C
    o:2質量%以下、O:0.03質量%以下、N:0.
    05質量%以下とされる請求項1又は2に記載のフェラ
    イト系快削ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】 0.1〜4質量%のMoと、0.1〜3
    質量%のWとの少なくともいずれかを含有する請求項1
    ないし3のいずれかに記載のフェライト系快削ステンレ
    ス鋼。
  5. 【請求項5】 0.005〜0.1質量%のTeと、
    0.01〜0.2質量%のBiとの少なくともいずれか
    を含有する請求項1ないし4のいずれかに記載のフェラ
    イト系快削ステンレス鋼。
  6. 【請求項6】 Ca、Mg、B、REM(ただしREM
    は元素周期律表にて3A族として分類される金属元素の
    1種又は2種以上)から選ばれる1種以上を合計にて
    0.0005〜0.01質量%含有する請求項1ないし
    5のいずれかに記載のフェライト系快削ステンレス鋼。
  7. 【請求項7】 Nb、V、Ta、Hfから選ばれる1種
    以上を0.01〜0.5質量%含有する請求項1ないし
    6のいずれかに記載のフェライト系快削ステンレス鋼。
  8. 【請求項8】 前記(Ti、Zr)系化合物が、フェラ
    イト系マトリックス相中に分散形成されている請求項1
    ないし7のいずれかに記載のフェライト系快削ステンレ
    ス鋼。
  9. 【請求項9】 前記(Ti、Zr)系化合物は、組成式
    (Ti、Zr)(S、Se)にて表される化合
    物を少なくとも含有する請求項1ないし8のいずれかに
    記載のフェライト系快削ステンレス鋼。
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