JP2002036897A - 前後輪駆動車両の駆動力制御装置 - Google Patents

前後輪駆動車両の駆動力制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填モード時における前後の駆動輪間の速度
差を、路面状態および車両の走行状態に応じた適正な範
囲に収めることができ、それにより車両の走行安定性を
確保することができる前後輪駆動車両の駆動力制御装置
を提供する。 【解決手段】 第1原動機3で駆動される第1駆動輪W
FL、WFRの速度N_FL、N_FR、および第2原
動機4で駆動される第2駆動輪WRL、WRRの速度N
_RL、N_RRをそれぞれ検出する第1および第2駆
動輪速度検出手段12、12と、第1および第2駆動輪
速度を比較する駆動輪速度比較手段11と、充填モード
中に、第2駆動輪速度が第1駆動輪速度よりも所定値C
HRG_Slip_ratio以上低下したと判定され
たときに、第2原動機4の駆動源7に充填する駆動エネ
ルギの充填量FCMD_MOTを制限する駆動エネルギ
充填量制限手段11と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪および後輪を
第1および第2の原動機で互いに独立してそれぞれ駆動
するタイプの前後輪駆動車両の駆動力制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の駆動力制御装置として、
例えば特開2000−79833号公報に開示されたも
のが知られている。この前後輪駆動車両は、前輪をエン
ジンで駆動し、後輪をモータで駆動するタイプのもので
ある。このモータの駆動源であるバッテリは、車両の走
行エネルギを回収することにより充電できるように構成
されている。また、この駆動力制御装置では、バッテリ
の充電残量がその所定値以下で、かつ車両の加速操作、
例えばアクセルペダルの操作が行われたときに、無段変
速機の変速比を高ギヤ比側へ所定幅だけ変更し、それに
より発生した余裕トルクに対応する回生制動トルクによ
って、バッテリの充電が行われる。この充電は、充電残
量が所定値に達するまで実行される。このようにして減
速時以外にもバッテリの充電を行うことで、充電残量が
不足するのを防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の駆
動力制御装置では、バッテリの充電残量を確保するため
に、充電残量がその所定値以下の場合には、アクセルペ
ダルの操作に伴って、充電走行が無条件に実行される。
この状況では、後輪に減速方向の回生制動トルクが作用
するのに対し、前輪にはエンジンによる加速方向の駆動
トルクが作用するため、前輪と後輪の駆動方向が互いに
反対になるとともに、後輪の回生制動トルク分が前輪に
上乗せされる。このため、例えば低摩擦路での走行時
に、前後輪の速度差が大きくなり、後輪のスリップが大
きくなることで、前後の横力バランスが崩れ、車両の挙
動が不安定になるおそれがある。
【0004】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、第2原動機の駆動源に駆動エネ
ルギを充填する充填モード時における前後の駆動輪間の
速度差を、路面状態および車両の走行状態に応じた適正
な範囲に収めることができ、それにより車両の走行安定
性を確保することができる前後輪駆動車両の駆動力制御
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る発明は、前後の駆動輪の一
方である第1駆動輪(実施形態における(以下、本項に
おいて同じ)前輪WFL、WFR)を第1原動機(エン
ジン3)で駆動するとともに、他方である第2駆動輪
(後輪WRL、WRR)を第2原動機(モータ4)で駆
動する駆動モードと、車両2の走行エネルギを回収する
ことにより第2原動機の駆動源(バッテリ7)に駆動エ
ネルギとして充填する充填モードとに切り換えて運転さ
れる前後輪駆動車両の駆動力制御装置であって、第1駆
動輪の速度(車輪回転数N_FL、N_FR)および第
2駆動輪の速度(車輪回転数N_RL、N_RR)をそ
れぞれ検出する第1駆動輪速度検出手段(車輪回転数セ
ンサ12)および第2駆動輪速度検出手段(車輪回転数
センサ12)と、検出された第1駆動輪速度と第2駆動
輪速度を比較する駆動輪速度比較手段(ECU11、図
11のステップ81)と、充填モード中に、駆動輪速度
比較手段により第2駆動輪速度が第1駆動輪速度よりも
所定値(判別値CHRG_Slip_ratio)以上
低下したと判定されたときに、駆動源に充填する駆動エ
ネルギの充填量(後輪駆動力FCMD_MOT)を制限
する駆動エネルギ充填量制限手段(ECU11、充電量
制限値LMT_FCMD_MOT_CHRG、図11の
ステップ86)と、を備えていることを特徴とする。
【0006】この前後輪駆動車両の駆動力制御装置によ
れば、第1原動機で駆動される第1駆動輪の速度、およ
び第2原動機で駆動される第2駆動輪の速度が検出され
るとともに、検出された第1および第2駆動輪速度が、
駆動輪速度比較手段によって比較される。そして、車両
の走行エネルギを回収することにより第2原動機の駆動
源に駆動エネルギとして充填する充填モード中に、第2
駆動輪速度が第1駆動輪速度よりも所定値以上低下した
と判定されたときに、駆動エネルギ充填量制限手段によ
って、駆動エネルギ充填量が制限される。
【0007】このように、充填モード中の第2駆動輪の
回生制動によって第2駆動輪速度が第1駆動輪速度より
もある程度遅くなった場合、第2原動機の駆動源への駆
動エネルギ充填量、すなわち第2駆動輪の回生制動トル
クを制限するので、第1駆動輪と第2駆動輪の速度差、
すなわち第2駆動輪のスリップの度合を適正な範囲に収
めることができる。その結果、低摩擦路での走行時など
においても、充填モード時における第2駆動輪のスリッ
プを確実に抑制でき、車両の走行安定性を確保すること
ができる。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1の駆動力
制御装置において、駆動エネルギ充填量制限手段は、第
1駆動輪速度に対する第2駆動輪速度の低下の度合に応
じて、駆動エネルギ充填量を制限する(図11のステッ
プ84、85、図14のテーブル)ことを特徴とする。
【0009】この構成によれば、第1駆動輪速度に対す
る第2駆動輪速度の低下の度合に応じて、駆動エネルギ
充填量を制限するので、走行路面の実際の摩擦抵抗の大
きさに応じて、第2駆動輪の回生制動トルクをより適切
に制御できることで、より良好な走行安定性を得ること
ができる。
【0010】また、請求項3に係る発明は、請求項1の
駆動力制御装置において、充填モードは、車両2の減速
走行中に実行される減速走行充填モード(減速回生モー
ド)と、車両2の非減速走行中に実行される非減速走行
充填モード(定速走行充電モード)とを含み、非減速走
行充填モード用の所定値(判別値CHRG_Slip_
ratio)は、減速走行充填モード用の所定値(判別
値CHRG_Slip_ratio_DEC)よりも小
さな値に設定されていることを特徴とする。
【0011】非減速走行充填モードでは、第2駆動輪に
減速方向の回生制動トルクが作用するのに対し、第1駆
動輪には第1原動機による加速方向の駆動トルクが作用
し、第1および第2駆動輪の駆動方向が互いに反対にな
るため、運転者に違和感を与えやすい。これに対し、減
速走行充填モードでは、第1および第2駆動輪の駆動方
向がともに減速方向になるため、そのような違和感は生
じない。したがって、請求項3の構成によれば、駆動エ
ネルギ充填量の制限を実行するか否かを判定するための
所定値を上記のように設定することによって、減速走行
充填モード時よりも非減速走行充填モード時において、
駆動エネルギ充填量の制限に入りやすくなるので、車両
の運転性をその走行状態に応じて適切に確保することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本発明によ
る駆動力制御装置1を適用した前後輪駆動車両(以下
「車両」という)2の概略構成を示している。同図に示
すように、この車両2は、左右の前輪WFL、WFR
(以下、総称する場合は「WF」という)をエンジン3
で駆動するとともに、左右の後輪WRL、WRR(以
下、総称する場合は「WR」という)をモータ4で駆動
するものである。
【0013】エンジン3は、車両2の前部に横置きに搭
載されており、トルクコンバータ5aを有する自動変速
機5、およびフロントディファレンシャル6を介して、
前輪WFに接続されている。
【0014】モータ4は、その駆動源であるバッテリ7
に接続されるとともに、電磁クラッチ8およびリヤディ
ファレンシャル9を介して、後輪WRに接続されてい
る。モータ4がバッテリ7で駆動されており(駆動モー
ド)、かつ電磁クラッチ8が接続されているときに、後
輪WRがモータ4で駆動され、このとき、車両2は四輪
駆動状態になる。なお、モータ4の出力は、最大12k
Wの範囲内で任意に変更することが可能である。一方、
モータ4は、車両2の制動エネルギにより回転駆動され
ているとき(減速回生モード)などに発電を行い、発電
した電力(回生エネルギ)をバッテリ7に充電するジェ
ネレータとしての機能を有している。このバッテリ7の
充電残量SOCは、検出されたバッテリ7の電流・電圧
値に基づき、後述するECU11によって算出される。
【0015】モータ4は、モータドライバー10を介し
て、ECU11に接続されており、モータ4の駆動モー
ドおよび減速回生モードなどの切換え、駆動モード時に
おける最大出力の設定や駆動トルク、ならびに減速回生
モード時における回生量(充電量)などは、ECU11
で制御されるモータドライバー10によって、制御され
る。電磁クラッチ8の接続・遮断もまた、そのソレノイ
ド(図示せず)への電流の供給・停止がECU11で制
御されることによって、制御される。
【0016】左右の前輪WFL、WFRおよび後輪WR
L、WRRには、磁気ピックアップ式の車輪回転数セン
サ12がそれぞれ設けられており、これらの車輪回転数
センサ12から、各車輪回転数N_FL、N_FR、N
_RL、N_RRを表すパルス信号がECU11にそれ
ぞれ出力される。ECU11は、これらのパルス信号か
ら、左右前輪回転数平均値N_Fwheel、左右後輪
回転数平均値N_Rwheelや、車速Vcarなどを
算出する。
【0017】また、エンジン3のクランクシャフト(図
示せず)には、所定のクランク角ごとにクランクパルス
信号CRKを出力するクランク角センサ13が、自動変
速機5のメインシャフト5bおよびカウンタシャフト
(図示せず)には、それらの回転数Nm、Ncount
erを表すパルス信号を出力する磁気ピックアップ式の
メイン・カウンタシャフト回転数センサ14a、14b
が、それぞれ設けられており、これらの信号もまた、E
CU11に出力される。ECU11は、クランクパルス
信号CRKに基づいてエンジン回転数NEを算出すると
ともに、このエンジン回転数NEとメインシャフト回転
数Nmから、トルクコンバータ5aの速度比eを算出す
る(e=Nm/NE)。また、モータ4にはその回転数
Nmotを表すパルス信号を出力するレゾルバによるモ
ータ回転数センサ15が設けられており、この信号もE
CU11に出力される。
【0018】また、ECU11には、アクセル開度セン
サ16から、アクセルペダル17のON/OFFを含む
開度(アクセル開度)θAPを表す検出信号が入力され
る。ECU11にはさらに、ブレーキのマスタシリンダ
(図示せず)に取り付けたブレーキ圧センサ19からブ
レーキ圧PBRを表す検出信号が、操舵角センサ20か
らハンドル(図示せず)の操舵角θSTRを表す検出信
号が、シフト位置センサ21から自動変速機5のシフト
レバー位置POSIを表す検出信号が、加速度センサ2
2、23から前後の車輪WF、WRの加速度GF、GR
を表す検出信号が、それぞれ入力される。
【0019】上記ECU11は、RAM、ROM、CP
UおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロ
コンピュータ(いずれも図示せず)で構成されている。
ECU11は、上述した各種センサからの検出信号に基
づいて、車両2の走行状態を検出し、制御モードを判定
するとともに、その結果に基づいて、車両2の目標駆動
力FCMD、前輪目標駆動力FCMD_ENGおよび後
輪目標駆動力FCMD_MOTを算出する。そして、算
出した前輪目標駆動力FCMD_ENGに基づく駆動信
号DBW_THを、DBW式のアクチュエータ24に出
力することによって、スロットル弁25の開度(スロッ
トル弁開度θTH)を制御し、エンジン3の駆動力を制
御する。また、後輪目標駆動力FCMD_MOTに基づ
くモータ要求トルク信号TRQ_MOTをモータドライ
バー10に出力することによって、モータ4の駆動力を
制御する。
【0020】図2は、ECU11で実行される制御処理
のメインフローを示すフローチャートである。このプロ
グラムは、所定時間(例えば10ms)ごとに実行され
る。この制御処理ではまず、ステップ21(「S21」
と図示。以下同じ)において車両2の状態を検出する。
具体的には、前述した各種センサで検出されたパラメー
タ信号を読み込み、これらに基づき、左右前輪・後輪回
転数平均値N_Fwheel、N_Rwheel、車速
Vcarや、後輪スリップ率Slip_ratioの算
出などの所定の演算を行うとともに、車両2が前進、後
退および停止のいずれの走行状態にあるかを判定する。
【0021】次いで、ステップ21で検出された、自動
変速機5のシフトレバー位置POSIおよびアクセルペ
ダル(以下「AP」という)17のON/OFF状態、
ならびに車両2の走行状態から、車両2の制御モードを
判定する(ステップ22)。具体的には、制御モード
を、車両2が前進状態または後退状態でAP17がON
のときに前進駆動モードまたは後退駆動モード(以下、
まとめて「駆動モード」という)と判定し、車両2が前
進状態または後退状態でAP17がOFFのときに前進
減速回生モードまたは後退減速回生モード(以下、まと
めて「減速回生モード」という)と判定し、車両2が停
止状態のときに停止モードと判定する。制御モードが減
速回生モードのときには、原則として、回生制動トルク
を利用したバッテリ7の充電が行われる。
【0022】次に、ステップ22で判定された制御モー
ドに応じて、車両2全体の目標駆動力FCMD、前輪目
標駆動力FCMD_ENGおよび後輪目標駆動力FCM
D_MOTを算出する(ステップ23)。これについて
は後述する。
【0023】次いで、電磁クラッチ8のON/OFF制
御を実行する(ステップ24)。具体的には、車速Vc
ar、およびモータ4と後輪WRとの差回転数に基づい
て、電磁クラッチ8をONまたはOFFするかを判定す
るとともに、その判定結果に基づいて電磁クラッチ8を
ON/OFF制御する。
【0024】次に、ステップ23で算出した後輪目標駆
動力FCMD_MOTと、ステップ24で制御した電磁
クラッチ8のON/OFF状態に基づいて、モータ4の
要求トルクTRQ_MOTを算出し(ステップ25)、
これに基づく駆動信号をモータドライバー10に出力す
ることによって、モータ4の駆動力を制御する。
【0025】次いで、ステップ23で算出した前輪目標
駆動力FCMD_ENGに基づいて、アクチュエータ出
力値DBW_THを算出し(ステップ26)、これに基
づく駆動信号をアクチュエータ24に出力し、スロット
ル弁開度θTHを制御することで、エンジン3の駆動力
を制御し、本プログラムを終了する。
【0026】図3は、図2のステップ23で実行される
駆動力算出サブルーチンを示す。この制御処理ではま
ず、判定された制御モードに従い、車両2全体の目標駆
動力FCMDを演算する(ステップ31)。この目標駆
動力FCMDは、例えば、検出された車速Vcarおよ
びAP開度θAPに応じ、図4に一例を示すテーブルを
検索することによって、算出される。図4には、AP開
度θAPが0deg、5degおよび80degのとき
のテーブル値が代表的に示されており、目標駆動力FC
MDは、アクセル開度θTHが大きいほど大きく、また
車速Vcarが大きいほど小さくなるように設定されて
いる。なお、AP開度θAP=0degのときのテーブ
ル値は、シフトレバー位置がD4相当のラインを表して
おり、この場合、目標駆動力FCMDは、負値として算
出される。
【0027】次に、定速走行時の充電モード要求判定を
実行する(ステップ32)。具体的には、車速Vcar
およびバッテリ7の充電残量SOCに応じて、基準駆動
力FCMD_CHRGを求めるとともに、この基準駆動
力FCMD_CHRGと、ステップ31で算出した目標
駆動力FCMDとの関係から、車両2がバッテリ7の充
電を行うべき定速走行状態にあるか否かを判定し、その
判定結果が肯定のときに、制御モードが定速走行充電モ
ードとされ、バッテリ7への充電が行われる。その詳細
については後述する。
【0028】次いで、後輪目標駆動力FCMD_MOT
を演算する(ステップ33)。この演算は、図2のステ
ップ22および上記ステップ32で判定された制御モー
ド(駆動、減速回生、定速走行充電および停止のいずれ
か)に従い、制御モード別に行われる。
【0029】次に、上記ステップ33で算出した後輪目
標駆動力FCMD_MOTに所定のフィルタ処理を施し
た(ステップ34)後、前輪目標駆動力FCMD_EN
Gを次式(1)によって演算し(ステップ35)、本プ
ログラムを終了する。 FCMD_ENG =FCMD−FCMD_MOT−FENG_OFF・・・(1) ここで、FENG_OFFは、エンジン引きずり分(負
値)である。このように、前輪目標駆動力FCMD_E
NGは、基本的には、目標駆動力FCMDから後輪目標
駆動力FCMD_MOTを差し引いた値として設定され
る。
【0030】図5〜図7は、図3のステップ32で実行
される定速走行(クルーズ)時の充電モード要求判定の
サブルーチンを示している。この制御処理ではまず、車
速Vcarが、その第1下限値VSPCHGLH(例え
ば25km/h)よりも大きく、かつ第1上限値VSP
CHGHL(例えば65km/h)よりも小さいか否か
を判別する(ステップ41)。
【0031】この答がNO、すなわちVSPCHGLH
<Vcar<VSPCHGHLのときには、車速Vca
rが充電走行を行うべき所定の範囲内にあるとして、充
電走行マップ検索フラグF_CHRMAPを「1」にセ
ットする(ステップ42)。一方、ステップ41の答が
NO、すなわちVcar≦VSPCHGLHまたはVc
ar≧VSPCHGHLのときには、車速Vcarが充
電走行を行うべき所定の範囲内にないとして、ステップ
42をスキップし、次のステップ43に進む。これは、
車速Vcarが小さい渋滞などの極低速運転時には、充
電走行に入るのが煩雑であるので、これを回避するため
であり、一方、車速Vcarが大きい高速運転時には、
モータ4が高速で回転する後輪WRに追随して回転する
ことが困難になることから、電磁クラッチ8が遮断され
るためである。なお、電磁クラッチ8を設けずに、大型
モータを用いて後輪WRを駆動することも可能であり、
その場合には、上述した第1上限値VSPCHGHLお
よび次に述べる第2上限値VSPCHGHHによる車速
Vcarの制限は、省略してもよい。
【0032】前記ステップ41または42に続くステッ
プ43では、車速Vcarが、その第2下限値VSPC
HGLL(例えば20km/h)よりも小さく、あるい
は第2上限値VSPCHGHH(例えば70km/h)
よりも大きいか否かを判別する。これらの第2下限値お
よび第2上限値VSPCHGLL、VSPCHGHH
は、上記第1下限値および第1上限値VSPCHGL
H、VSPCHGHLに対して、ヒステリシスを付与し
たものである。したがって、このステップ43の答がY
ES、すなわちVcar<VSPCHGLLまたはVc
ar>VSPCHGHHのときには、車速Vcarが充
電走行を行うべき所定の範囲にないとして、充電走行マ
ップ検索フラグF_CHRMAPを「0」にセットする
(ステップ44)一方、NOのときには、ステップ44
をスキップし、次のステップ45に進む。
【0033】このステップ45では、後輪スリップ率零
点調整フラグF_Slip_ratio_zeroが
「0」であるか否かを判別する。このフラグF_Sli
p_ratio_zeroは、前輪WFと後輪WRのタ
イヤ径が異なる場合などにこれを補正するために発進時
に実行される後輪スリップ率Slip_ratioの零
点調整が終了したときに、「1」にセットされるもので
ある。したがって、ステップ45の答がYES、すなわ
ちF_Slip_ratio_zero=0のときに
は、充電走行マップ検索フラグF_CHRMAPを
「0」にセットする(ステップ46)一方、NOのとき
には、ステップ46をスキップして、次のステップ47
に進む。
【0034】このステップ47では、充電走行マップ検
索フラグF_CHRMAPが「1」であり、かつ車両2
が2輪駆動状態にあるか否かを判別する。この答がN
O、すなわち車速Vcarが所定の範囲にないか、また
は後輪スリップ率Slip_ratioの零点調整が終
了していないとき、あるいは車両2が2輪駆動状態にな
く、すなわち後輪目標駆動力FCMD_MOTが値0で
ないときには、充電モードの基本的な実行条件が成立し
ていないとして、ステップ48に進み、充電モードフラ
グF_CHRG_CMDを「0」にセットして、充電走
行を実行しないようにするとともに、後述するクルーズ
OUTディレイタイマTM_CRUISEOUTのタイ
マ値を、その所定時間TM_CRUISEOUT_MI
N(例えば0.1秒)に設定し、また、クルーズINデ
ィレイタイマTM_CRUISEINのタイマ値を、値
0にリセットした後、後述するステップ57に進む。
【0035】一方、前記ステップ47の答がYES、す
なわち車速Vcarが所定の範囲内にあり、かつ後輪ス
リップ率Slip_ratioの零点調整が実行済み
で、さらに車両2が2輪駆動状態のときには、定速走行
充電モードの基本的な実行条件が成立しているとして、
充電走行マップを検索することにより、車速Vcarお
よびバッテリ7の充電残量SOCに応じて、基準駆動力
FCMD_CHRGを求める(ステップ49)。
【0036】図8は、この充電走行マップの一例を示し
ている。この充電走行マップは、充電走行を行うべき目
標駆動力FCMDの領域を定めるものであり、後述する
ように、充電走行マップに定められた基準駆動力FCM
D_CHRGよりも基準駆動力FCMDが小さいとき
に、充電走行が許可される。図8の充電走行マップで
は、前記所定範囲内の車速Vcarに対し、基準駆動力
FCMD_CHRGとして、低SOC(例えば0〜60
%)用のFCMD_CHRG1および高SOC(例えば
60〜100%)用のFCMD_CHRG2が設定され
ており、これらの一方がSOC値に応じて選択される。
【0037】一方、同図の破線は、各路面勾配において
定速走行する際の走行抵抗曲線を表しており、これらの
走行抵抗曲線は、「空気抵抗係数×車速Vcar2 +転
がり抵抗係数×車重+路面勾配(%)×車重+モータ引
きずり量」によって、理論的に求められる。同図から明
らかなように、低SOC用の基準駆動力FCMD_CH
RG1は、路面勾配=5%のときの走行抵抗曲線にほぼ
相当するとともに、高SOC用の基準駆動力FCMD_
CHRG2は、路面勾配=3%のときの走行抵抗曲線に
ほぼ相当している。その結果、低SOC用および高SO
C用の基準駆動力FCMD_CHRG1、2は、いずれ
も車速Vcarの増加に応じて漸増するとともに、前者
が後者よりも大きな値に設定される。なお、充電走行マ
ップ中の下側のラインFCMD_MINは、AP17が
OFFのときの目標駆動力FCMDを表し、すなわち目
標駆動力FCMDの最低ラインに相当する。以上から明
らかなように、図8の充電走行マップの基準駆動力FC
MD_CHRG1またはFCMD_CHRG2と目標駆
動力最低ラインFCMD_MINとの間の領域が、低S
OC時および高SOC時における定速走行充電モードの
実行領域をそれぞれ表す。
【0038】次いで、図6のステップ50において、図
3のステップ31で算出した目標駆動力FCMDが、上
記ステップ49で検索した基準駆動力FCMD_CHR
Gよりも小さいか否かを判別する。この答がYES、す
なわち目標駆動力FCMD<基準駆動力FCMD_CH
RGが成立していて、目標駆動力FCMDが図8の充電
走行マップの実行領域内にあるときには、充電走行条件
が成立しているとして、ステップ51に進み、クルーズ
INディレイタイマTM_CRUISEINのタイマ値
が、その所定時間TM_CRUISEIN_MIN(例
えば2秒)以上であるか否かを判別する。前述したよう
に、このクルーズINディレイタイマTM_CRUIS
EINは、定速走行充電モードの基本的な実行条件が成
立していないときに、前記ステップ48で値0にリセッ
トされていることから、ステップ51の実行当初はこの
答がNOになる。その場合には、ステップ52に進み、
充電モードフラグF_CHRG_CMDを「0」に保持
して、充電走行を実行しないようにするとともに、クル
ーズOUTディレイタイマTM_CRUISEOUTの
タイマ値を所定時間TM_CRUISEOUT_MIN
に保持し、クルーズINディレイタイマTM_CRUI
SEINのタイマ値をインクリメントした後、後述する
ステップ57に進む。
【0039】一方、前記ステップ51の答がYES、す
なわち充電走行条件の成立後、所定時間TM_CRUI
SEIN_MINが経過したときには、充電モードフラ
グF_CHRG_CMDを「1」にセットして、充電走
行を開始するとともに、クルーズOUTディレイタイマ
TM_CRUISEOUTを値0にリセットした(ステ
ップ53)後、後述するステップ57に進む。以上のよ
うに、充電走行は、目標駆動力FCMDが基準駆動力F
CMD_CHRGよりも小さく、かつその状態が所定時
間TM_CRUISEIN_MINの間、維持されたと
きに、実行される。
【0040】一方、前記ステップ50の答がNO、すな
わち目標駆動力FCMD≧基準駆動力FCMD_CHR
Gが成立していて、目標駆動力FCMDが図8の充電走
行マップの実行領域内にないときには、クルーズOUT
ディレイタイマTM_CRUISEOUTのタイマ値
が、所定時間TM_CRUISEOUT_MIN以上で
あるか否かを判別する(ステップ54)。今回のループ
が、充電モードから移行した直後のループである場合に
は、このクルーズOUTディレイタイマTM_CRUI
SEOUTが、前記ステップ53で値0にリセットされ
ていることから、ステップ54の答がNOになる。その
場合には、ステップ55に進み、充電モードフラグF_
CHRG_CMDを「1」に保持して、充電走行を続行
するとともに、クルーズINディレイタイマTM_CR
UISEINのタイマ値を所定時間TM_CRUISE
IN_MINに保持し、クルーズOUTディレイタイマ
TM_CRUISEOUTのタイマ値をインクリメント
した後、後述するステップ57に進む。
【0041】一方、前記ステップ54の答がYES、す
なわち目標駆動力FCMD≧基準駆動力となった後、所
定時間TM_CRUISEOUT_MINが経過したと
きには、充電モードフラグF_CHRG_CMDを
「0」にセットして、充電走行を終了するとともに、ク
ルーズINディレイタイマTM_CRUISEINを値
0にリセットした(ステップ56)後、後述するステッ
プ57に進む。このように、充電走行は、目標駆動力F
CMDが基準駆動力FCMD_CHRGよりも大きくな
った後、その状態が所定時間TM_CRUISEOUT
_MINの間、継続したときに、終了する。以上によ
り、定速走行充電モードへの移行と離脱の間での制御ハ
ンチングが防止される。
【0042】次いで、前記ステップ48、52、53、
55または56に続くステップ57では、充電モードフ
ラグF_CHRG_CMDの今回値と前回値F_CHR
G_CMD_OLDとの差を、充電走行開始フラグF_
START_CHRG_CMDとして算出するととも
に、次いで、その値が「1」であるか否かを判別する
(ステップ58)。この答がYES、すなわちF_ST
ART_CHRG_CMD=1であって、今回のループ
が充電走行を開始した最初のループであるときには、充
電スロープ制御タイマTM_CHRG_SLOPEをイ
ンクリメントして、スタートさせる(ステップ59)。
一方、ステップ58の答がNO、すなわち今回のループ
が充電走行の開始時以外のときには、ステップ59をス
キップし、次いで、今回の充電モードフラグF_CHR
G_CMD値を、その前回値F_CHRG_CMD_O
LDとして設定し(ステップ60)、本プログラムを終
了する。
【0043】以上のように、この制御処理によれば、車
両2の実際の目標駆動力FCMDが、図8の充電走行マ
ップに定められた基準駆動力FCMD_CHRGよりも
小さいと判定されたときに、定速走行充電モードが許可
され、充電走行が実行される。また、前述したように、
この基準駆動力FCMD_CHRG1、2は、3%また
は5%の路面勾配での定速走行に必要な車両2の駆動力
に相当する。したがって、この勾配よりも緩やかな路面
勾配で定速走行を行っている状態では、車両2の目標駆
動力FCMDが基準駆動力FCMD_CHRGよりも小
さくなることで、充電走行が行われる。この場合、車両
2が定速走行されていて、車両2全体としての目標駆動
力FCMDが小さいことから、充電走行に伴うエンジン
3の負荷の増加量は小さい。一方、例えばAP17が踏
み込まれた加速状態では、目標駆動力FCMDが増大
し、基準駆動力FCMD_CHRGを上回るようになる
ことで、充電走行が禁止される。このように、充電走行
を、運転者による加速要求が無い場合にのみ、エンジン
3に余分な負荷をかけずに無理なく行えるので、燃費と
運転性を向上させることができる。
【0044】また、基準駆動力FCMD_CHRGが上
述したように設定されので、定速走行時に、充電走行領
域を確保でき、バッテリ7の充電を確実に行えるととも
に、基準駆動力FCMD_CHRGを理論式によって容
易に求めることができる。さらに、基準駆動力FCMD
_CHRGは、車両2の走行状態が充電に適した定速走
行状態にあるか否かを判定する基準になるとともに、充
電走行を実行する基準にもなるので、この基準駆動力F
CMD_CHRGをあらかじめ設定し、充電走行マップ
に記憶させておくだけで、定速走行状態の判定と充電走
行の実行を、容易かつ適切に行うことができる。
【0045】また、基準駆動力FCMD_CHRGとし
て、低SOC時に大きな基準駆動力FCMD_CHRG
1が用いられ、高SOC時に小さな基準駆動力FCMD
_CHRG2が用いられるので、充電要求が高い低SO
C時に、路面勾配がより大きい状態での定速走行時にも
充電モードに入りやすくなることで、バッテリ7の充電
を、その要求度合に応じて効率良く適切に行うことがで
きる。
【0046】なお、上記の充電走行マップでは、基準駆
動力FCMD_CHRGとして、低SOC用および高S
OC用の2つの基準駆動力FCMD_CHRG1、2を
あらかじめ設定し、実際の充電残量SOCに応じて選択
するようにしているが、充電残量SOCによる基準駆動
力FCMD_CHRGの補正を他の手法によって行って
もよい。図9は、そのためのテーブルの一例を示してお
り、このテーブルでは、基準勾配SLOPE_REF
が、充電残量SOCが小さいほど、より大きくなるよう
に設定されている。そして、このテーブルを検索するこ
とにより、実際の充電残量SOCに応じて基準勾配SL
OPE_REFを求めるとともに、求めた基準勾配SL
OPE_REFにおける車両2の走行抵抗曲線を、その
ときの基準駆動力FCMD_CHRGとして決定する。
これにより、基準駆動力FCMD_CHRGを、充電残
量SOCに応じてよりきめ細かく設定できるので、バッ
テリ7の充電を、その要求度合に応じてより適切に行う
ことができる。
【0047】図10〜図12は、上述した図5〜図7の
サブルーチンの判定結果に従って実行される定速走行充
電モード時の後輪目標駆動力FCMD_MOTの算出サ
ブルーチンを示す。この制御処理ではまず、図5のステ
ップ49と同様、図8の充電走行マップにより、車速V
carおよび充電残量SOCに応じて、基準駆動力FC
MD_CHRGを検索する(ステップ71)。次に、検
索した基準駆動力FCMD_CHRGと目標駆動力FC
MDから、充電時後輪目標駆動力計算値FCMD_MO
T_CHRGを、次式(2)によって算出する(ステッ
プ72)。 FCMD_MOT_CHRG=FCMD−FCMD_CHRG・・・(2)
【0048】このように、充電時後輪目標駆動力計算値
FCMD_MOT_CHRGは、目標駆動力FCMDと
基準駆動力FCMD_CHRGとの偏差として決定され
る。また、前述したように、定速走行充電モードが、F
CMD<FCMD_CHRGのときに実行されることか
ら、式(2)で求められる充電時後輪目標駆動力計算値
FCMD_MOT_CHRGは、負値となり、すなわち
後輪WRの引きずりトルクとして設定される。また、前
記ステップ35の説明で述べたように、前輪目標駆動力
FCMD_ENGは、基本的に目標駆動力FCMDから
後輪目標駆動力FCMD_MOTを差し引いた値(=F
CMD−FCMD_MOT)として設定されるので、こ
の定速走行充電モードでは、前輪目標駆動力FCMD_
ENGにFCMD_MOT_CHRG値が上乗せされる
ことになる。
【0049】以上のように、定速走行充電モードにおけ
る後輪目標駆動力FCMD_MOTは、基本的に、目標
駆動力FCMDと基準駆動力FCMD_CHRGとの偏
差に応じて設定される。したがって、後輪目標駆動力F
CMD_MOTが非常に小さい状態で、充電走行を開始
および終了でき、その結果、後輪目標駆動力FCMD_
MOTが急激に発生したり消失したりすることがなくな
るので、充電走行を、運転者に違和感を与えることなく
行うことができる。
【0050】次に、上記算出した充電時後輪目標駆動力
計算値FCMD_MOT_CHRGのリミット処理を行
う。まず、充電残量SOCに応じて、後輪WRの最大引
きずり量FCMD_CHRG_MAXを検索する(ステ
ップ73)。図13は、最大引きずり量テーブルの一例
を示しており、このテーブルでは、最大引きずり量FC
MD_CHRG_MAXは、基本的に、充電残量SOC
が少ないほど、充電量を大きくするためにより大きな値
に設定されている。具体的には、SOC値が第1所定値
SOC1(例えば30%)以下のときに第1設定値FC
MD_CHRG_MAX1(例えば−60kgf)に、
第1所定値SOC1よりも大きな第2所定値SOC2
(例えば60%)以上のときに、より小さな第2設定値
FCMD_CHRG_MAX2(例えば−35kgf)
にそれぞれ設定され、両所定値SOC1、2の間では漸
減するように設定されている。
【0051】次いで、充電時後輪目標駆動力計算値FC
MD_MOT_CHRG(負値)が、最大引きずり量F
CMD_CHRG_MAX以下であるか(絶対値として
大きいか)否かを判別する(ステップ74)。この答が
YESのときには、充電時後輪目標駆動力計算値FCM
D_MOT_CHRGを最大引きずり量FCMD_CH
RG_MAXに設定する(ステップ75)一方、NOの
ときには、ステップ75をスキップして、FCMD_M
OT_CHRG値を保持する。
【0052】ステップ74または75に続くステップ7
6では、充電スロープ制御タイマTM_CHRG_SL
OPEのタイマ値が、値0より大きく、かつその所定時
間TM_CHRG_SLOPE_END(例えば1.5
秒)以下であるか否かを判別する。この答がYES、す
なわち充電走行の開始後、所定時間TM_CHRG_S
LOPE_ENDが経過していないときには、後輪目標
駆動力FCMD_MOTを、それ以前の状態から充電時
の引きずり状態にスロープ状に徐々に移行させるため
に、これを次式(3)によって算出する(ステップ7
7)とともに、充電スロープ制御タイマTM_CHRG
_SLOPEをインクリメントする(ステップ78)。 FCMD_MOT =FCMD_MOT_OLD+(FCMD_MOT_CHRG−FCMD_ MOT_OLD)/(TM_CHRG_SLOPE_END−TM_CH RG_SLOPE+1) ・・・(3)
【0053】ここで、FCMD_MOT_OLDは後輪
目標駆動力の前回値、右辺の分母(TM_CHRG_S
LOPE_END−TM_CHRG_SLOPE+1)
は、充電スロープ制御タイマTM_CHRG_SLOP
Eの作動残り時間(スロープ演算残り回数)を表す。す
なわち、式(3)による演算により、このタイマの作動
時間中の各ループにおいて、そのときの充電時後輪目標
駆動力計算値FCMD_MOT_CHRGと後輪目標駆
動力の前回値FCMD_MOT_OLDとの差をタイマ
の作動残り時間で除した値を、FCMD_MOT_OL
D値に随時、加算することによって、後輪目標駆動力F
CMD_MOTは、スロープ状に徐々に変化し、所定時
間TM_CHRG_SLOPE_ENDの経過時に、最
終的に充電時後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT_
CHRGに達する。これにより、後輪目標駆動力FCM
D_MOTを、それ以前の状態から充電時の引きずり状
態にスロープ状に徐々に移行させることができる。
【0054】一方、前記ステップ76の答がNO、すな
わち充電走行の開始後、所定時間TM_CHRG_SL
OPE_ENDが経過したときには、充電時後輪目標駆
動力計算値FCMD_MOT_CHRGをそのまま後輪
目標駆動力FCMD_MOTとして設定するとともに、
充電スロープ制御タイマTM_CHRG_SLOPEを
値0にリセットした(ステップ79)後、ステップ80
以降に進む。
【0055】このステップ80以降では、充電走行に伴
う後輪スリップを抑制して車両2の走行安定性を確保す
るために、充電量の制限制御を実行する。まず、充電量
制限フラグF_CHRG_LMTが「1」であるか否か
を判別する(ステップ80)。この答がNO、すなわち
充電量の制限中でないときには、左右前輪回転数平均値
N_Fwheelがその切換回転数Vn_change
(例えば車速5km/h相当)以上で、かつ後輪スリッ
プ率Slip_ratioがその判別値CHRG_Sl
ip_ratio(例えば1%)以上であるか否かを判
別する(ステップ81)。なお、この場合の後輪スリッ
プ率Slip_ratioは、車両2が加減速のほとん
どない定速走行状態であることから、左右前輪回転数平
均値N_Fwheelと左右後輪回転数平均値N_Rw
heelを用い、Slip_ratio=(N_Fwh
eel−N_Rwheel)/N_Fwheelによ
り、簡易後輪スリップ率として定義される。この定義に
より後輪スリップ率Slip_ratioは、前輪WF
と後輪WRとの速度差に比例した値になる。
【0056】ステップ81の答がYES、すなわちN_
Fwheel≧Vn_changeかつSlip_ra
tio≧CHRG_Slip_ratioのときには、
後輪スリップが大きく、充電量の制限を開始すべきとし
て、充電量制限フラグF_CHRG_LMTを「1」に
セットするとともに、そのときの後輪目標駆動力FCM
D_MOTを、充電量制限値LMT_FCMD_MOT
_CHRGの初期値として設定した(ステップ82)
後、後述するステップ88に進む。ステップ81の答が
NOのときには、そのままステップ88に進む。
【0057】一方、前記ステップ80の答がYES、す
なわち充電量制限フラグF_CHRG_LMT=1であ
って、充電量の制限中のときには、ステップ77または
79で算出された今回の後輪目標駆動力FCMD_MO
T(負値)が、充電量制限値LMT_FCMD_MOT
_CHRG以上であるか(絶対値として小さいか)否か
を判別する(ステップ83)。この答がNO、すなわち
FCMD_MOT<LMT_FCMD_MOT_CHR
Gが成立し、後輪引きずり量が大きいときには、充電量
の制限を継続すべきとして、ステップ84に進み、後輪
スリップ率Slip_ratioに応じて、充電量制限
補正値KCHRG_LMTを検索する。
【0058】図14および図15は、充電量制限補正値
テーブルの一例を示しており、このテーブルでは、充電
量制限補正値KCHRG_LMTは、後輪スリップ率S
lip_ratioが上述した充電量制限開始用の判別
値CHRG_Slip_ratio付近では値0に設定
され、Slip_ratio値がそれよりも大きい範囲
では階段状に大きくなる一方、判別値CHRG_Sli
p_ratioよりも小さな所定値Slip_rati
o1(例えば0.4%)以下では一定の負値KCHRG
_LMT1に設定されている。充電量制限補正値KCH
RG_LMTがこのように階段状に設定されるのは、後
輪スリップ率Slip_ratioの変化に過敏に反応
して変化しないようにするためである。
【0059】次いで、充電量制限補正値KCHRG_L
MTを充電量制限値の前回値LMT_FCMD_MOT
_CHRG_OLDに加算した値を、今回の充電量制限
値LMT_FCMD_MOT_CHRGとして設定する
(ステップ85)。次に、この充電量制限値LMT_F
CMD_MOT_CHRGを、後輪目標駆動力FCMD
_MOTとして設定した(ステップ86)後、後述する
ステップ88に進む。
【0060】一方、前記ステップ83の答がYES、す
なわち後輪目標駆動力FCMD_MOT≧充電量制限値
LMT_FCMD_MOT_CHRGになったときに
は、充電量の制限を解除すべきとして、ステップ87に
進み、充電量制限フラグF_CHRG_LMTを「0」
にセットするとともに、充電量制限値LMT_FCMD
_MOT_CHRGを、前記ステップ73で検索した最
大引きずり量FCMD_CHRG_MAXに設定した
後、ステップ88に進む。
【0061】このステップ88では、今回の充電量制限
値LMT_FCMD_MOT_CHRGを、その前回値
LMT_FCMD_MOT_CHRG_OLDとして設
定する。
【0062】以上のように、定速走行充電モード中にお
いては、後輪スリップ率Slip_ratioがその判
定値CHRG_Slip_ratio以上になったとき
(ステップ81:YES)に、充電量制限が開始される
とともに、後輪目標駆動力FCMD_MOTが充電量制
限値LMT_FCMD_MOT_CHRGを下回ってい
る限り(ステップ83:NO)、すなわち後輪引きずり
量がLMT_FCMD_MOT_CHRG値よりも大き
い限り、後輪目標駆動力FCMD_MOTが、充電量制
限補正値KCHRG_LMTで補正された充電量制限値
LMT_FCMD_MOT_CHRGに制限される(ス
テップ85、86)。この場合、充電量制限補正値KC
HRG_LMTは、負値である充電量制限値の前回値L
MT_FCMD_MOT_CHRG_OLDに加算され
る(ステップ85)とともに、図14および図15のテ
ーブルに従い、後輪スリップ率Slip_ratioに
応じて上述したように設定される。
【0063】したがって、充電量制限中の後輪目標駆動
力FCMD_MOTすなわち後輪引きずり量(充電量)
は、後輪スリップ率Slip_ratioがその判別値
CHRG_Slip_ratio付近にあるときには、
充電量制限補正値KCHRG_LMTが値0に設定され
ることで、補正はなされず、それまでの値に保持され
る。また、後輪引きずり量は、後輪スリップ率Slip
_ratioが判別値CHRG_Slip_ratio
よりも大きな範囲では、Slip_ratio値が大き
いほど、充電量制限補正値KCHRG_LMTがより大
きな正値に設定されることで、より大きく減少補正さ
れ、制限が強化される一方、所定値Slip_rati
o1以下では、充電量制限補正値KCHRG_LMTが
負値であるKCHRG_LMT1値に設定されること
で、増大補正され、制限が緩和される。以上のように、
充電量制限中において、後輪目標駆動力FCMD_MO
Tを、後輪スリップ率Slip_ratioに応じて制
限するので、走行路面の実際の摩擦抵抗の大きさに応じ
て、後輪引きずり量をより適切に制御でき、したがっ
て、より良好な走行安定性を得ることができる。
【0064】次いで、ステップ89以降において、前記
ステップ77、79または86で設定した後輪目標駆動
力FCMD_MOTの最終的なリミット処理を行う。ま
ず、後輪目標駆動力FCMD_MOTが、モータ4の回
転抵抗であるモータ引きずり分FMOT_OFF以上で
あるか否かを判別する(ステップ89)。この答がYE
S、すなわちFCMD_MOT≧FMOT_OFFのと
きには、後輪WRでモータ4を回転駆動できる状態を確
保すべく、後輪目標駆動力FCMD_MOTをモータ引
きずり分FMOT_OFFに設定する(ステップ90)
一方、NOのときには、ステップ90をスキップして、
後輪目標駆動力FCMD_MOTを保持する。
【0065】次に、後輪目標駆動力FCMD_MOT
が、最大引きずり量FCMD_CHRG_MAX以下で
あるか否かを判別する(ステップ91)。この答がYE
S、すなわちFCMD_MOT≦FCMD_CHRG_
MAXのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTを
最大引きずり量FCMD_CHRG_MAXに設定する
(ステップ92)一方、NOのときには、ステップ92
をスキップして、後輪目標駆動力FCMD_MOTを保
持し、本プログラムを終了する。
【0066】図16は、これまでに説明した制御処理に
よって得られる、定速走行充電モードの実行時およびそ
の前後における動作例を示すタイムチャートである。ま
ず、目標駆動力FCMDが基準駆動力FCMD_CHR
G以上になっているとすると(時刻t1以前)、図6の
ステップ50の答がNOになることで、車両2は定速走
行状態にないと判定され、充電走行は禁止される。同図
の例では、後輪目標駆動力FCMD_MOTが値0、す
なわち前輪駆動状態になっている。この状態から、目標
駆動力FCMDが基準駆動力FCMD_CHRGを下回
るようになると(時刻t1)、ステップ50の答がYE
Sになることで、車両2が定速走行状態にあると判定さ
れる。
【0067】その後、この状態が継続し、所定時間TM
_CRUISEIN_MINが経過すると(時刻t
2)、ステップ51の答がYESになることで、充電走
行が開始される。すなわち、後輪目標駆動力FCMD_
MOTが負値として、すなわち後輪引きずり量として算
出され、バッテリ7がこの後輪引きずり量に相当する充
電量で充電されるとともに、この分の駆動力が前輪目標
駆動力FCMD_ENGに上乗せされる。また、充電走
行の開始後、後輪引きずり量は、図10のステップ77
の演算により、スロープ状に徐々に増大し、所定時間T
M_CHRG_SLOPE_ENDの経過時(時刻t
3)に、充電時後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT
_CHRG(=FCMD−FCMD_CHRG)に達す
る。
【0068】その後、後輪WRにスリップが発生し、後
輪スリップ率Slip_ratioがその判定値CHR
G_Slip_ratio以上になると(時刻t4)、
図11のステップ81の答がYESになることで、後輪
引きずり量すなわち充電量の制限が開始される。この場
合、後輪引きずり量は、後輪スリップ率Slip_ra
tioが大きいときには、その値に応じて減少補正され
ることで、制限が強化され(時刻t4〜t5の間)、後
輪スリップ率Slip_ratioが判定値CHRG_
Slip_ratio付近の値のときには、補正される
ことなく保持されるとともに(時刻t5〜t6の間)、
後輪スリップ率Slip_ratioが所定値Slip
_ratio1以下のときには、増大補正され、制限が
緩和される(時刻t6〜t7の間)。
【0069】そして、その後、AP17が踏み込まれる
と(時刻t8)、目標駆動力FCMDが増大するのに伴
って後輪引きずり量が次第に減少し、目標駆動力FCM
Dが基準駆動力FCMD_CHRG以上になった時点
(時刻t9)で、ステップ50の答がNOになること
で、定速走行充電モードが終了する。
【0070】以上のように、本実施形態によれば、定速
走行充電モード中に、後輪スリップ率Slip_rat
ioが判定値CHRG_Slip_ratio以上にな
ったときに、後輪引きずり量(バッテリ7の充電量)を
減少補正し、制限するので、前輪WFと後輪WRの速度
差が過大になるのを確実に防止できる。その結果、低摩
擦路での走行時などにおいても、定速走行充電モード中
における後輪WRのスリップを確実に抑制でき、車両2
の走行安定性を確保することができる。また、後輪スリ
ップ率Slip_ratioの値に応じて後輪引きずり
量を制限するので、走行路面の実際の摩擦抵抗の大きさ
に応じて、後輪引きずり量をより適切に制御でき、した
がって、より良好な走行安定性を得ることができる。
【0071】次に、図17を参照しながら、減速回生モ
ード時の充電量(回生量)の制限について説明する。こ
の減速回生モードにおいては、後輪スリップ率Slip
_ratioが、減速回生モード用の判別値CHRG_
Slip_ratio_DEC以上になったときに、充
電量制限が実行される。この判別値CHRG_Slip
_ratio_DECは、前述した定速走行充電モード
用の判別値CHRG_Slip_ratio(例えば1
%)よりも大きな値(例えば3%)に設定されている。
【0072】これは、前述したように、定速走行充電モ
ードでは、前輪WFが加速方向に、後輪WRが減速方向
にそれぞれ駆動され、駆動方向が互いに反対になるとと
もに、前輪WFに駆動力が上乗せされるため、運転者に
違和感を与えやすいのに対し、減速回生モードでは、前
輪WFと後輪WRの駆動方向がともに減速方向になるこ
とから、そのような違和感が生じないためである。した
がって、両判別値CHRG_Slip_ratio、C
HRG_Slip_ratio_DECを上記のように
設定することによって、減速回生モード時よりも定速走
行充電モード時において、充電量の制限に入りやすくな
るので、車両の運転性をその走行状態に応じて適切に確
保することができる。
【0073】また、図17は、減速回生モード用の充電
量制限補正値KCHRG_LMT_DECテーブルの一
例を示す。このテーブルでは、充電量制限補正値KCH
RG_LMT_DECは、後輪スリップ率Slip_r
atioが判別値CHRG_Slip_ratio_D
EC以上の範囲では、Slip_ratio値が大きい
ほど、より大きな正値に設定されている。また、充電量
制限補正値KCHRG_LMT_DECは、後輪スリッ
プ率Slip_ratioが判別値CHRG_Slip
_ratio_DECよりも小さな範囲では、値0に設
定されており、この点において、負値に設定される定速
走行充電モードの場合と異なっている(図14および図
15参照)。
【0074】すなわち、減速回生モードにおいては、後
輪スリップ率Slip_ratioが判別値CHRG_
Slip_ratio_DEC以上になったときに、充
電量制限が開始されるとともに、前述した定速走行充電
モードの場合と異なり、充電量制限中に後輪スリップ率
Slip_ratioが低下したとしても、充電量は、
増大補正されることなく維持される。これは、減速走行
時は、前輪WF側も速度が低下方向に移行している状態
であることから、充電量の制限を緩和すると、場合によ
っては、車両2の挙動が不自然になり、運転者に違和感
を与えかねないためである。したがって、充電量制限補
正値KCHRG_LMT_DECを上記のように設定す
ることによって、このような不具合を確実に回避でき、
運転性を高めることができる。
【0075】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、実施形態では、前輪WFと後輪WRの速度差を
表すパラメータとして、後輪スリップ率Slip_ra
tioを用いているが、これに代えて、他の適当なパラ
メータを採用してもよい。また、実施形態の簡易後輪ス
リップ率に代えて、車速と後輪速度を用いた一般的な定
義によって後輪スリップ率を求めてもよい。さらに、実
施形態では、各充電モードにおける充電量制限用の判別
値として、固定値を用いているが、これを車速などに応
じた可変値としてもよい。
【0076】また、実施形態は、前輪をエンジンで駆動
し、後輪をモータで駆動するタイプの前後輪駆動車両
に、本発明を適用した例であるが、本発明は、これに限
らず、エンジンおよびモータによる駆動を前後輪逆に行
う車両にも、同様に適用することが可能である。さら
に、実施形態では、モータ4と後輪WRの間を接続・遮
断するクラッチとして、電磁クラッチ8を用いている
が、伝達容量を制御可能なクラッチであればよく、例え
ば油圧式多板クラッチを採用してもよい。また、大型モ
ータを用いて後輪WRと直結し、電磁クラッチ8を省略
することも可能である。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明の前後輪駆動車両
の駆動力制御装置によれば、充填モード時における第1
駆動輪と第2駆動輪の速度差、すなわち第2駆動輪のス
リップの度合を適正な範囲に収めることができる。その
結果、低摩擦路での走行時などにおいても、充填モード
時における第2駆動輪のスリップを確実に抑制でき、車
両の走行安定性を確保することができる。また、第1駆
動輪速度に対する第2駆動輪速度の低下の度合に応じ
て、駆動エネルギ充填量を制限するので、走行路面の実
際の摩擦抵抗の大きさに応じて、第2駆動輪の回生制動
トルクをより適切に制御できることで、より良好な走行
安定性を得ることができる。さらに、減速走行充填モー
ド時よりも非減速走行充填モード時において、駆動エネ
ルギ充填量の制限に入りやすくなるので、車両の運転性
をその走行状態に応じて適切に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による駆動力制御装置を適
用した前後輪駆動車両の概略構成図である。
【図2】駆動力制御のメインフローを示すフローチャー
トである。
【図3】駆動力算出サブルーチンのフローチャートであ
る。
【図4】目標駆動力テーブルの一例を示す図である。
【図5】定速走行時の充電モード要求判定のサブルーチ
ンのフローチャートである。
【図6】図5のサブルーチンの続きの部分を示すフロー
チャートである。
【図7】図5および図6のサブルーチンの残りの部分を
示すフローチャートである。
【図8】充電走行マップの一例を示す図である。
【図9】充電残量−基準勾配テーブルの一例を示す図で
ある。
【図10】定速走行充電モード時の後輪目標駆動力の算
出サブルーチンのフローチャートである。
【図11】図10のサブルーチンの続きの部分を示すフ
ローチャートである。
【図12】図10および図11のサブルーチンの残りの
部分を示すフローチャートである。
【図13】最大引きずり量テーブルの一例を示す図であ
る。
【図14】定速走行充電モード用の充電量制御補正値テ
ーブルの一例を示す図である。
【図15】図14のテーブルの矢印XV部分の拡大図で
ある。
【図16】定速走行充電モード中およびその前後におけ
る動作例を示すタイムチャートである。
【図17】減速回生モード用の充電量制御補正値テーブ
ルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 駆動力制御装置 2 車両(前後輪駆動車両) 3 エンジン(第1原動機) 4 電気モータ(第2原動機) 7 バッテリ(駆動源) 11 ECU(駆動輪速度比較手段、駆動エネルギ充填
量制限手段) 12 車輪回転数センサ(第1および第2駆動輪速度検
出手段) WFL、WFR 前輪 WRL、WRR 後輪 N_FL、N_FR 前輪回転数(第1駆動輪速度) N_RL、N_RR 後輪回転数(第2駆動輪速度) CHRG_Slip_ratio判別値(非減速走行充
填モード用の所定値) CHRG_Slip_ratio_DEC判別値(減速
走行充填モード用の所定値)
フロントページの続き Fターム(参考) 3D043 AA04 AB17 EA03 EA05 EA11 EA42 EB07 EE06 EE07 EF09 3G093 AA07 BA01 BA15 BA19 BA27 CA08 CB07 DA01 DA06 DB02 DB03 DB04 DB05 DB11 DB15 DB19 DB20 EA02 EA07 EB02 EC02 FA04 5H115 PA12 PG04 PI13 PI21 PU25 QI03 QI04 QN02 QN06 SE06 TB03 TI02 TI05 TI10 TR07 TR10 TU16 TU17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後の駆動輪の一方である第1駆動輪を
    第1原動機で駆動するとともに、他方である第2駆動輪
    を第2原動機で駆動する駆動モードと、車両の走行エネ
    ルギを回収することにより前記第2原動機の駆動源に駆
    動エネルギとして充填する充填モードとに切り換えて運
    転される前後輪駆動車両の駆動力制御装置であって、 前記第1駆動輪および第2駆動輪の速度をそれぞれ検出
    する第1駆動輪速度検出手段および第2駆動輪速度検出
    手段と、 当該検出された第1駆動輪速度と第2駆動輪速度を比較
    する駆動輪速度比較手段と、 前記充填モード中に、当該駆動輪速度比較手段により前
    記第2駆動輪速度が前記第1駆動輪速度よりも所定値以
    上低下したと判定されたときに、前記駆動源に充填する
    駆動エネルギの充填量を制限する駆動エネルギ充填量制
    限手段と、 を備えていることを特徴とする前後輪駆動車両の駆動力
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動エネルギ充填量制限手段は、前
    記第1駆動輪速度に対する前記第2駆動輪速度の低下の
    度合に応じて、前記駆動エネルギ充填量を制限すること
    を特徴とする、請求項1に記載の前後輪駆動車両の駆動
    力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記充填モードは、前記車両の減速走行
    中に実行される減速走行充填モードと、前記車両の非減
    速走行中に実行される非減速走行充填モードとを含み、
    前記非減速走行充填モード用の前記所定値は、前記減速
    走行充填モード用の前記所定値よりも小さな値に設定さ
    れていることを特徴とする、請求項1または2に記載の
    前後輪駆動車両の駆動力制御装置。
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