JP2002036489A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JP2002036489A
JP2002036489A JP2000230395A JP2000230395A JP2002036489A JP 2002036489 A JP2002036489 A JP 2002036489A JP 2000230395 A JP2000230395 A JP 2000230395A JP 2000230395 A JP2000230395 A JP 2000230395A JP 2002036489 A JP2002036489 A JP 2002036489A
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JP2000230395A
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Akihiro Fuse
晃広 布施
Shinji Sato
新治 佐藤
Akihiro Ito
彰浩 伊藤
Takeshi Hino
威 日野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細画像を低コストで容易に、かつ安定し
て得られる、オンデマンド印刷技術を用いた画像形成方
法を提供する。 【解決手段】 光触媒機能を表面に有し、該表面が疎水
性となっている初期状態の像担持体101を用意する。
潜像形成工程では、励起光102を照射して像担持体表
面を親水性に変化させることにより潜像を形成する。現
像工程では、この潜像に親水性インク104を供給し、
親水性領域103のみに親水性インク104を保持させ
て潜像を画像化する。転写工程では、像担持体上の親水
性インクを印刷用紙105に転写する。初期化工程で
は、親水性インクが除去された像担持体に初期化光10
6を照射する。励起光の波長λ1を、初期化光の波長λ
2より短くすることにより、高精細の潜像形成を制御性
良く行うことができ、また初期化工程も光を利用するも
のであるため非常にレスポンス性が良く、高速印刷に適
応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オンデマンド印刷
技術を用いた画像形成方法・装置の改良に関し、さらに
詳しくは、疎水性の光触媒を有する像担持体の表面に光
を照射し、この光触媒を親水性に変化させて潜像を形成
することにより、単純な機構で高精細画像を高速、か
つ、安定して得ることができるようにした画像形成方法
および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】像担持体表面の親水性・疎水性を利用し
て画像形成する技術として、以下に示すものが知られて
いる。例えば特開平10−250027号公報に開示さ
れた印刷装置は、もともと疎水性を有する光触媒膜を潜
像版下に設け、この光触媒膜に光を照射して親水性に変
換した領域と、疎水性のままの領域とでパターンを形成
した潜像を得た後、この潜像に親水性または疎水性のイ
ンクを適宜選択して供給することにより、所望の画像を
得るようにしたものである。また、この印刷装置では、
発熱体を用いて親水性の領域を所定温度に加熱すること
で、潜像を消去して初期化するようにしている。
【0003】また、特開平11−123804号公報に
記載されたオフセット印刷装置では、光触媒反応により
親油性から親水性に変化する材料を印刷用原版の表面に
薄膜状に形成し、これを活性光により露光し、上記変化
を生じさせて潜像パターンを形成し、この潜像パターン
にインキを供給して画像を得る。また、インキ除去後に
印刷用原版を加熱することで、その表面を初期状態に戻
すようにしている。
【0004】しかしながら、これらの印刷装置はいずれ
も、初期状態に戻す手段が加熱する方法を採っているこ
とから、初期状態に戻るまでのレスポンスが非常に悪
く、高速印刷には適応できないという不具合がある。
【0005】一方、特開平11−123805号公報に
開示されたオフセット印刷装置では、光触媒反応により
親油性から親水性に変化する材料を、印刷用原版の表面
に薄膜状に形成し、これを活性光により全面露光し、印
刷用原版の全面を親水性に変換させる。その後、ヒート
モードの描画を行って潜像パターンを形成し、この潜像
パターンにインキを供給して画像を得る。また、インキ
除去後に印刷用原版に活性光を照射することで、その表
面を初期状態に戻す。
【0006】さらに、特開平11−123807号公報
に記載の製版装置では、特開平11−123805号公
報と同様に、光触媒反応により親油性から親水性に変化
する材料を、印刷用原版の表面に薄膜状に形成し、これ
を活性光により全面露光し、印刷用原版の全面を親水性
に変換させ、その後、ヒートモードの描画を行い潜像パ
ターンを形成する。この潜像パターンにインキを供給し
て画像を得、インキ除去後に印刷用原版に活性光を照射
して初期状態に戻すようにしている。
【0007】上記特開平11−123805号公報、特
開平11−123807号公報に記載された印刷技術
は、加熱により初期化を行うものではないため、レスポ
ンス良く初期化することができ、高速印刷の可能性を有
する。しかしながら、これらの技術は、何れもヒートモ
ードによる描画のために、加熱ヘッドや熱線レーザーを
利用しているため、書き込みのスポット系を微小サイズ
に絞ることには原理上限界があり、高精細な描画に対し
ては向いていない。
【0008】また、従来の画像形成技術、特に印刷技術
においては、複数の工程を必要とする版下の作製が不可
欠であり、場合によっては薬品を多量に用いたり、時間
が多くかかったりして、いわゆるオンデマンド印刷には
適さないものであった。
【0009】これに対し、最近では少量多品種のオンデ
マンド印刷、デスクトップパブリッシングを身近に行え
る環境を望む声が急速に大きくなってきていることもあ
り、これらの要求に応えるべく開発がなされており、先
に述べたように、新規な画像形成技術もいくつか提案さ
れている。これらの技術は、いずれも像担持体の表面に
光触媒機能を有する物質を設け、その親水性−疎水性の
変化によって潜像を形成し、これにインクを乗せて紙に
転写することにより画像を得るものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点および上記した最近のニーズに鑑みなされた
もので、その目的は、高精細画像が低コストで容易に、
かつ安定して得られる、オンデマンド印刷技術を用いた
画像形成方法および画像形成装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため請求
項1に記載の画像形成方法は、初期状態では疎水性を有
する光触媒を少なくとも表面に有する像担持体の前記表
面に励起光源(書き込み光源)からの励起光を照射する
ことにより像担持体表面を親水性に変化させて潜像を形
成する潜像形成工程と、像担持体上の前記潜像を現像剤
により画像化(具現化すなわち顕在化)する現像工程
と、該現像工程による画像を記録材に転写する転写工程
(印刷工程)と、該転写工程後の像担持体表面に初期化
用光源からの初期化光を照射して、これを親水性から初
期状態の疎水性に戻す初期化工程とを有する画像形成方
法であって、前記励起光の波長をλ1、前記初期化光の
波長をλ2とするとき、λ1<λ2とすることを特徴と
する。
【0012】請求項2に記載の画像形成方法は、請求項
1において、像担持体表面を親水性に変化させてポジ型
パターン(陽画パターン)の潜像を形成した後、前記現
像剤として親水性のインクを用いて前記潜像を画像化す
ることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の画像形成方法は、請求項
1において、像担持体表面を親水性に変化させてネガ型
パターン(陰画パターン)の潜像を形成した後、前記現
像剤として疎水性のインクを用いて前記潜像を画像化す
ることを特徴とする。
【0014】また、上記目的達成のため、請求項4に記
載の画像形成装置は、初期状態では疎水性を有する光触
媒を少なくとも表面に有する像担持体と、像担持体の前
記表面に励起光源(書き込み光源)からの励起光を照射
することにより像担持体表面を親水性に変化させて潜像
を形成する潜像形成手段と、像担持体上の前記潜像を現
像剤(トナー、インク等)により画像化する現像手段
と、該現像手段による画像を記録材に転写する転写手段
(印刷手段)と、該転写手段による転写工程後の像担持
体表面に初期化用光源からの初期化光を照射して、これ
を親水性から初期状態の疎水性に戻す初期化手段とを有
する画像形成装置であって、前記励起光の波長をλ1、
前記初期化光の波長をλ2とするとき、λ1<λ2とす
ることを特徴とする。
【0015】このように、請求項1の画像形成方法およ
び請求項4の画像形成装置は、当初は疎水性を有する像
担持体に対し、光源からの比較的に波長の短い光により
描画を行って潜像を形成するとともに、画像転写後に
は、光源からの比較的に波長の長い光により初期化を行
うようにしたものである。その結果、微細な描画が可能
となり、高精細画像を容易に得ることができ、かつ、光
で初期化するため、レスポンス良く初期化ができ、高速
印刷を実現することができる。
【0016】請求項5に記載の画像形成装置は、請求項
4において、前記光触媒が金属酸化物であることを特徴
とする。
【0017】請求項6に記載の画像形成装置は、請求項
4または5において、前記光触媒が酸化チタン,ヘマタ
イト(α−Fe2 3 )、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タ
ングステン、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3
の中から選ばれた少なくともひとつの材料からなること
を特徴とする。
【0018】請求項7に記載の画像形成装置は、請求項
4において、潜像形成手段の励起光源が紫外光を含む光
源であることを特徴とする。
【0019】請求項8に記載の画像形成装置は、請求項
7において、前記紫外光を含む光源が紫外および近紫外
レーザー光源であることを特徴とする。
【0020】請求項9に記載の画像形成装置は、請求項
4において、初期化手段の初期化用光源が可視光を含む
光源であることを特徴とする。
【0021】請求項10に記載の画像形成装置は、請求
項9において、前記可視光を含む光源が可視光レーザー
光源であることを特徴とする。
【0022】請求項11に記載の画像形成装置は、請求
項4において、初期化手段の初期化用光源が赤外光を含
む光源であることを特徴とする。
【0023】請求項12に記載の画像形成装置は、請求
項11において、前記赤外光を含む光源が赤外レーザー
光源であることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る画像
形成方法による画像形成プロセスおよび動作の一例を工
程順に模式的に示した説明図である。
【0025】第1の工程は像担持体の準備工程であっ
て、図1(a)は初期状態の像担持体101(表面は疎
水性)を示している。この像担持体101は少なくとも
表面に、光触媒機能を有する物質を含むものである。そ
のため初期状態ではこの像担持体101は、表面が疎水
性となっている。ここでいう光触媒機能を有する物質の
例としては、酸化チタン,ヘマタイト(α−Fe
2 3 )、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、チ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3 )等が挙げられる
が、これに限ったものではない。
【0026】第2の工程は潜像形成工程であり、図1
(b)は、書き込み光源(図略)からの励起光102の
照射により、像担持体101表面に微細な親水性領域1
03が生じ、潜像パターンが得られている様子を模式的
に示している。先に述べた酸化チタン等は、紫外光によ
り励起され光触媒機能を発揮するものである。これらの
光触媒機能を有する物質はもともと疎水性を示すもので
あるが、紫外光により励起され光触媒機能を発揮するこ
とにより、紫外光により励起された領域が親水性を示す
ようになる。この表面性の変化のメカニズムは現在広く
研究されているものであるが、酸化チタンについて提唱
されている有力なモデルは、酸化チタンを構成している
二つの酸素のうちの一つと空気中のH2 Oが反応を起こ
し、その結果、酸化チタン表面に水とのなじみが非常に
良い−OH(親水基)が生じているというものである。
【0027】本発明においては、書き込み光源からの励
起光102として、光触媒機能を発揮させるのに適した
紫外光を用いているため、効率良く光触媒機能を発揮さ
せることができるばかりでなく、微細な潜像を形成する
ことができる。光学系を用いて励起光のビーム径を絞る
(ビームの小径化)には、波長の短い方が有利である。
本発明では、書き込み光源からの励起光102に紫外光
を用いるので、ビームの小径化が容易に実現でき、もと
もとの疎水性を保持した領域と、励起光により光触媒機
能が発揮されて親水性となった領域、すなわち親水性領
域103とからなる潜像を、微細なパターンで形成する
ことができ、その結果、高精細画像を安定して得ること
ができる。
【0028】第3の工程は現像工程である。図1(c)
は、第2の工程で得られた微細なパターンを有する潜像
に、例えば親水性インク104を供給し、親水性領域1
03のみに親水性インク104を保持させた様子を模式
的に示したものである。
【0029】第4の工程は転写工程(印刷工程)であ
る。図1(d)は像担持体101上に保持された親水性
インク104を印刷用紙105に転写する様子を模式的
に示したものである。
【0030】第5の工程は初期化工程である。図1
(e)は転写工程が完了し、親水性インク104が除去
された像担持体101に初期化光106を照射した直後
の様子を示したものである。この工程により、像担持体
101表面のうち一時的に疎水性を示した領域が疎水性
を示す初期の状態に戻り、次の印刷工程に、繰り返し使
用できるものとなる。
【0031】なお、同じ原稿を複数枚印刷する(いわゆ
るコピーモード)には、転写工程の後に、必要があれば
残留インクを除去するクリーニング工程(図略)を行
い、その後に現像工程に戻ってから、転写工程(印刷工
程)を繰り返せば良い。このように本発明では、像担持
体表面に潜像を保持することが可能であるため、印刷用
紙一枚毎にプロセスを繰り返すいわゆる電子写真プロセ
スと異なり、同じ原稿を大量に印刷する場合には非常に
高速、かつ単純なプロセスで、安定した品質の画像を容
易に得ることができるという大きな特徴がある。
【0032】ここで、励起光により親水性領域を作成し
て潜像をパターニングした後に、赤外光や可視光によっ
て元の疎水性を有する表面に戻す作用について説明す
る。酸化チタン等からなる像担持体の表面が励起光によ
り親水性になるのは、表面に親水基である−OH基が発
生するためであるということは先に述べた。したがっ
て、元の疎水性に戻すにはこの−OH基を除去すれば良
い。
【0033】この−OH基を除去する方法として、先に
述べた従来技術では、「熱」を利用するものが殆どであ
る。確かに「熱」を利用すれば−OH基を除去すること
ができ、元の疎水性の表面状態に戻すことができるが、
その反応速度は遅く、実用上満足できるプロセススピー
ドは得られない。
【0034】これに対し本発明では、「熱」ではなく
「光」を用いているために、−OH基の脱離速度を十分
早くすることができ、その結果、プロセススピードの向
上が実現できるものである。本発明で用いる「光」に
は、大きく分けて赤外光と可視光とがあるが、−OH基
の脱離という意味では、両者には若干の違いがある。つ
まり、赤外光は「熱線」として働き、−OH基の振動モ
ード(ストレッチングモードやベンディングモードな
ど)を励起するエネルギーとして働き、振動の運動エネ
ルギーを与えることによって、−OH基が脱離する確率
を効率良く高める働きをする。
【0035】一方、可視光は、光触媒物質にドーピング
などを行って、バンドギャップなどを変化させた場合に
有効な手段となるものであり、この場合には−OH基の
振動モードを励起するというよりは、直接、結合エネル
ギーに相当するエネルギーを与えることにより−OH基
を脱離させるものである。
【0036】いずれにしても、本発明では「光」を利用
しているために、元の疎水性状態に戻す反応をごく短時
間に行えるので、高速プロセスに適したものとなる。ま
た、光源として、赤外及び可視光レーザーを用いること
ができるので、画像形成装置全体の小型化が図られ、低
コストで安定した画像を得ることのできる画像形成装置
が得られる。
【0037】図2は、本発明に係る画像形成装置の構成
例を示す説明図である。なお、本発明の画像形成装置
は、図2の構成に限定されるものではない。
【0038】図2において、符号201は回転自在な円
筒状の像担持体である。符号202は書き込み光源すな
わち励起光源(図略)からの励起光、符号206は初期
化用光源(図略)からの初期化光、符号207はインク
供給部(現像部)、符号207aはインク供給ローラ、
符号207bは親水性インク、符号208は転写部、符
号209は定着部である。
【0039】この画像形成装置では、像担持体201が
1回転する間に、以下工程で印刷用紙205に画像が形
成(印刷)される。図2の矢印方向に回転する像担持体
201の表面に励起光202を照射することにより、該
光照射部を親水性領域203に変化させて潜像を形成す
る。像担持体201の回転によりこの親水性領域203
をインク供給部207と対向させ、親水性領域203に
親水性インク204を供給して前記潜像を画像化(顕在
化)する。ついで、転写部208では印刷用紙205を
像担持体201表面に接触させて、像担持体201上の
画像(親水性インク204)を印刷用紙205に転写す
る。さらに、定着部209では印刷用紙205上の転写
画像を定着する。転写後の像担持体201表面に初期化
光206を照射することにより、親水性領域203を初
期状態の疎水性に戻す。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 〔像担持体の作製〕像担持体の支持体として、アセトン
およびIPAによる有機洗浄を施した外径80mm、長
さ340mmのアルミニウム製で円筒状の導電性基板を
用いた。この支持体に、酸化チタンを含むゾルゲル原料
(高純度化学社製 ゾルゲルタイプ薄膜用塗布原料、品
名:Ti−05−P TiO2 濃度=5wt%)をディ
ッピング法により塗布し、400℃に設定したクリーン
オーブン中で30分焼成した。この工程を6回繰り返し
て像担持体を完成させた。得られた酸化チタンの膜厚は
2.4μmであった。
【0041】〔画像形成装置の作製〕(図2を参照) 図2に示す画像形成装置を作製した。像担持体201の
周囲に書き込み光源として、波長(λ1)が400nm
の近紫外レーザー光源(出力=10mW)を設置し、初
期化用光源として波長(λ2:λ1<λ2)が780n
mの赤外レーザー光源(出力=10mW)を設置した。
本実施例では、潜像パターンをいわゆるポジ画像とした
ため、親水性インク207bを用いて画像化したが(請
求項2を参照)、必要とする画像とは逆のパターンの潜
像パターンを形成した場合には、疎水性のインクを用い
ることにより、所望の画像を得ることができる(請求項
3を参照)。このことは、以下の実施例においても同様
である。
【0042】〔画像試験〕図2に示した構成の画像形成
装置において、上記像担持体201を周速250mm/
分で回転させ、主走査方向及び副走査方向ともに120
0dpiの解像度で画像の書き込みを行い、画像試験を
行った。得られた画像は、オリジナル原稿の20μm角
の市松模様を忠実に再現しており、画像流れ等の異常画
像は全く見られず、非常にコントラストの明瞭な画像が
得られた。
【0043】実施例2 〔像担持体の作製〕実施例1に示した方法と同様の方法
で像担持体を作製した。得られた酸化チタンの膜厚は
2.4μmであった。
【0044】〔画像形成装置の作製〕(図2を参照) 像担持体201の周囲に書き込み光源として、波長が4
00nmの近紫外レーザー光源(出力=10mW)を設
置した。また、初期化用光源として実施例1とは異な
り、可視光の波長である波長650nmのレーザー光源
(出力=10mW)を設置した。
【0045】〔画像試験〕図2の装置構成において、像
担持体201を周速250mm/分で回転させ、主走査
方向及び副走査方向ともに1200dpiの解像度で画
像の書き込みを行い、画像試験を行った。得られた画像
は、実施例1と同様に、オリジナル原稿の20μm角の
市松模様を忠実に再現しており、画像流れ等の異常画像
は全く見られず、非常にコントラストの明瞭な画像が得
られた。
【0046】実施例3 〔像担持体の作製〕像担持体の支持体として、アセト
ン,IPAによる有機洗浄を施した外径80mm、長さ
340mmのアルミニウム製で円筒状の導電性基板を用
いた。この支持体に、酸化鉄を含む塗布原料(高純度化
学社製 品名:Fe−O3 Fe2 3 濃度=3wt
%)を、スプレーパイロリシス法により塗布した。すな
わち、基板温度を400℃に保持しながら、前記塗布原
料をスプレーガンを用いて前記支持体に塗布した。この
とき、スプレーにより支持体の温度が下がるのを避ける
ために、20秒スプレーして、20秒中止するという間
欠的スプレーを行った。この工程を繰り返しながら、前
記塗布を35分間行って像担持体を完成させた。得られ
たヘマタイトの膜厚は3.3μmであった。
【0047】〔画像形成装置の作製〕(図2を参照) 像担持体201の周囲に書き込み光源として、波長が4
00nmの近紫外レーザー光源(出力=10mW)を設
置した。また、初期化用光源として波長780nmの赤
外レーザー光源(出力=10mW)を設置した。
【0048】〔画像試験〕図2の装置構成において、像
担持体201を周速250mm/分で回転させ、主走査
方向及び副走査方向ともに1200dpiの解像度で画
像の書き込みを行い、画像試験を行った。得られた画像
は、オリジナル原稿の20μm角の市松模様を忠実に再
現しており、画像流れ等の異常画像は全く見られず、非
常にコントラストの明瞭な画像が得られた。
【0049】実施例4 〔像担持体の作製〕像担持体の支持体として、アセト
ン,IPAによる有機洗浄を施した外径80mm、長さ
340mmのアルミニウム製で円筒状の導電性基板を用
いた。この支持体に、公知手段であるRFスパッタリン
グ法により、酸化亜鉛の薄膜を形成した。得られた酸化
亜鉛の膜厚は4.4μmであった。
【0050】〔画像形成装置の作製〕(図2を参照) 像担持体201の周囲に書き込み光源として、波長が4
00nmの近紫外レーザー光源(出力=10mW)を設
置した。また、初期化用光として波長780nmの赤外
レーザー光源(出力=10mW)を設置した。
【0051】〔画像試験〕図2の装置構成において、像
担持体201を周速250mm/分で回転させ、主走査
方向及び副走査方向ともに1200dpiの解像度で画
像の書き込みを行い、画像試験を行った。得られた画像
は、オリジナル原稿の20μm角の市松模様を忠実に再
現しており、画像流れ等の異常画像は全く見られず、非
常にコントラストの明瞭な画像が得られた。
【0052】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば以下の効果が得られる。 (1)請求項1,4に対応する効果 請求項1の画像形成方法および、請求項4の画像形成装
置では、初期状態において疎水性を有する光触媒を表面
に有する像担持体に対し、波長が比較的に短い光(波長
=λ1)で潜像を形成し、比較的に長い光(波長=λ2
でλ1<λ2))で初期化することにより、高精細の潜
像形成を制御性良く行うことができるとともに、初期化
を行う手段、工程も光を利用するものであるため、非常
にレスポンス性が良く、高速印刷に適応できる。
【0053】(2)請求項2,3に対応する効果 請求項2では、像担持体表面を親水性に変化させてポジ
型パターンの潜像を形成した後、親水性インクを用いて
潜像を画像化し、請求項3では、像担持体表面を親水性
に変化させてネガ型パターンの潜像を形成した後、疎水
性インクを用いて潜像を画像化する。このように、請求
項2,3では潜像パターンの正転、反転画像を制御する
ことにより、親水性、疎水性両方のインクを適宜選択し
て使用することができるので、画像形成プロセスおよび
機構設計の自由度が向上する。
【0054】(3)請求項5に対応する効果 疎水性を有する光触媒として金属酸化物を利用している
ので、安全で取り扱い容易であり、かつ、環境にも優し
い画像形成装置を提供することができる。
【0055】(4)請求項6に対応する効果 光触媒が酸化チタン,ヘマタイト(α−Fe2 3 )、
酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸スト
ロンチウム(SrTiO3 )の中から選ばれた少なくと
もひとつの材料からなるため触媒効率が高く、かつその
特性を長期間維持することができる。
【0056】(5)請求項7に対応する効果 潜像形成手段の励起光源が紫外光を含む光源であるた
め、前記金属酸化物の光触媒機能を有効に引き出すこと
ができ、かつ、書き込み光源のビーム径の微細化に適し
ていることから、高精細画像を安定・容易に得ることが
できる。
【0057】(6)請求項8に対応する効果 紫外光を含む光源が紫外および近紫外レーザー光源であ
ることから、システムの小型化及び省電力化に有利とな
る。
【0058】(7)請求項9に対応する効果 初期化手段の初期化用光源が可視光を含む光源であるた
め、光源の入手および制御が容易であり、取り扱いが便
利な画像形成装置を提供することができる。
【0059】(8)請求項10に対応する効果 可視光を含む光源が可視光レーザー光源であることか
ら、システムの小型化及び省電力化に有利となる。
【0060】(9)請求項11に対応する効果 初期化手段の初期化用光源が赤外光を含む光源であるこ
とから、効率良く初期状態に戻すことが可能となり、高
速プロセスに適した画像形成装置が容易に得られる。
【0061】(10)請求項12に対応する効果 赤外光を含む光源が、市場に広く流通している赤外レー
ザー光源であるため、システムの低コスト化、小型化及
び省電力化に非常に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成方法による画像形成プロ
セスおよび動作の一例を工程順に模式的に示した説明図
である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の構成例を示す説明
図である。
【符号の説明】
101 像担持体 102 励起光 103 親水性領域 104 親水性インク 105 印刷用紙 106 初期化光 201 像担持体 202 励起光 203 親水性領域 204 親水性インク 205 印刷用紙 206 初期化光 207 インク供給部(現像部) 207a インク供給ローラ 207b 親水性インク 208 転写部 209 定着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 威 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AB03 AC01 AC08 AD01 BB00 BH03 DA02 DA03 DA36 DA37 FA10 FA35 FA39 2H084 AA19 AA38 AE05 BB02 BB16 CC05 2H096 AA06 BA13 EA02 EA04 GA60 HA07 JA04 LA30 2H114 AA04 AA22 AA23 BA01 DA04 DA08 DA72 EA01 EA03 EA05 EA06 FA16 GA34 GA38

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期状態では疎水性を有する光触媒を少
    なくとも表面に有する像担持体の前記表面に励起光源か
    らの励起光を照射することにより像担持体表面を親水性
    に変化させて潜像を形成する潜像形成工程と、 像担持体上の前記潜像を現像剤により画像化する現像工
    程と、 該現像工程による画像を記録材に転写する転写工程と、 該転写工程後の像担持体表面に初期化用光源からの初期
    化光を照射して、これを親水性から初期状態の疎水性に
    戻す初期化工程とを有する画像形成方法であって、 前記励起光の波長をλ1、前記初期化光の波長をλ2と
    するとき、λ1<λ2とすることを特徴とする画像形成
    方法。
  2. 【請求項2】 像担持体表面を親水性に変化させてポジ
    型パターンの潜像を形成した後、前記現像剤として親水
    性のインクを用いて前記潜像を画像化することを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 像担持体表面を親水性に変化させてネガ
    型パターンの潜像を形成した後、前記現像剤として疎水
    性のインクを用いて前記潜像を画像化することを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 初期状態では疎水性を有する光触媒を少
    なくとも表面に有する像担持体と、 像担持体の前記表面に励起光源からの励起光を照射する
    ことにより像担持体表面を親水性に変化させて潜像を形
    成する潜像形成手段と、 像担持体上の前記潜像を現像剤により画像化する現像手
    段と、 該現像手段による画像を記録材に転写する転写手段と、 該転写手段による転写工程後の像担持体表面に初期化用
    光源からの初期化光を照射して、これを親水性から初期
    状態の疎水性に戻す初期化手段とを有する画像形成装置
    であって、 前記励起光の波長をλ1、前記初期化光の波長をλ2と
    するとき、λ1<λ2とすることを特徴とする画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記光触媒が金属酸化物であることを特
    徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記光触媒が酸化チタン,ヘマタイト
    (α−Fe2 3 )、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タング
    ステン、チタン酸ストロンチウム(SrTiO 3 )の中
    から選ばれた少なくともひとつの材料からなることを特
    徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 潜像形成手段の励起光源が紫外光を含む
    光源であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記紫外光を含む光源が紫外および近紫
    外レーザー光源であることを特徴とする請求項7に記載
    の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 初期化手段の初期化用光源が可視光を含
    む光源であることを特徴とする請求項4に記載の画像形
    成装置。
  10. 【請求項10】 前記可視光を含む光源が可視光レーザ
    ー光源であることを特徴とする請求項9に記載の画像形
    成装置。
  11. 【請求項11】 初期化手段の初期化用光源が赤外光を
    含む光源であることを特徴とする請求項4に記載の画像
    形成装置。
  12. 【請求項12】 前記赤外光を含む光源が赤外レーザー
    光源であることを特徴とする請求項11に記載の画像形
    成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015525689A (ja) * 2012-07-10 2015-09-07 アムコー リミテッドAmcor Limited 印刷装置、印刷方法及び印刷用の一組の版

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