JP2002033134A - 簡易保護式電池パック - Google Patents

簡易保護式電池パック

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な素子、構成により過充電や過電流を保
護することができるようにする。 【解決手段】 1個以上のセルから構成され過充電に対
し簡易的な保護機能を有する簡易保護式電池パックであ
って、セル1と並列にツェナーダイオード2を接続する
とともに、直列にバイメタル素子3を接続して、ツェナ
ーダイオード2とバイメタル素子3とを熱結合し、保護
回路として、ツェナーダイオードとバイメタル素子のみ
を追加することにより、安価で簡単に過充電と過電流の
保護を行う。さらに、バイメタル素子3中にツェナーダ
イオード2を組み込み1つの素子とし、ツェナーダイオ
ード2の保護用として直列に抵抗を挿入することによ
り、実装スペースを低減し、小型化に対応でき、ツェナ
ーダイオードの破損を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1個以上のセルか
ら構成され過充電に対し簡易的な保護機能を有する簡易
保護式電池パックに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図4は
従来の保護機能付き電池パックの構成例を示す図であ
り、11はセル、12はPTC、13は保護lC、Ql
は放電制御スイッチ素子、Q2は充電制御スイッチ素子
を示す。
【0003】電池パックの従来の保護回路は、図4に示
すようにセル11と、保護機能を有する素子であるPT
C12と、放電制御スイッチ素子Qlと、充電制御スイ
ッチ素子Q2と、外部のスイッチ素子である放電制御ス
イッチ素子Ql、充電制御スイッチ素子Q2をオン/オ
フ制御し過充電や過放電、過電流の保護を行うための保
護lC13からなる。セル11は、リチウムイオン電池
やリチウムポリマー電池などの化学セルである。
【0004】上記のように従来の電池パックでは、保護
回路に温度検出部はなく、温度に対する保護を行うため
には、PTCのような保護機能を有する素子や温度ヒュ
ーズを使用するため高価、複雑になる。このようにリチ
ウムイオン電池の保護回路が複雑になる理由は、過充電
や過放電、過電流に対して十分な保護を行わないと事故
が拡大する可能性があるからであり、そのために正極活
物質としてLiCoO 2 を使用した電池では、上記のよ
うに二重、三重の保護を行うことにより安全性の高める
ようにしている。
【0005】PTCは、二次電池側に実装されて、二次
電池の温度が高温になった場合に充電・放電電流を流さ
ないように高インピーダンスになる正温度特性サーミス
タであるが、近年、二次電池の小型化に伴って、PTC
の実装エリアがなくなってきている。
【0006】また、温度ヒューズは、高価で取付け取替
え等の手間がかかると同時に、小型化への要求には満足
のいくものではなく、サーミスタ等の温度検出用素子を
使い保護回路に追加することも考えられるが、従来の使
い方では、部品点数が多くなり、やはり実装スペースや
価格も満足できるようにすることは難しいのが実情であ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであって、簡単な素子、構成により過充電や
過電流を保護することができるようにするものである。
【0008】そのために本発明は、1個以上のセルから
構成され過充電に対し簡易的な保護機能を有する簡易保
護式電池パックであって、前記セルと並列にツェナーダ
イオードを接続するとともに、直列にバイメタル素子を
接続して、前記ツェナーダイオードとバイメタル素子と
を熱結合したことを特徴とするものである。
【0009】そして、前記バイメタル素子の接触部に磁
性体を使用し、該接触部の上方に磁石を配置して、前記
接触部の開回路を保持するラッチ機能を付加し、電池パ
ックの外部から押して前記ラッチ機能を解除するリセッ
トボタンを配置したことを特徴とするものである。
【0010】また、前記バイメタル素子中にツェナーダ
イオードを組み込み1つの素子とし、前記バイメタル素
子として、形状記憶合金による感温素子を使用し、前記
ツェナーダイオードとして、バリスタを使用し、前記ツ
ェナーダイオードの保護用として直列に抵抗を挿入した
ことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る簡易保護式
電池パックの実施の形態を示す図、図2は本発明に係る
簡易保護式電池パックの他の実施の形態を示す図であ
り、1、1ー1〜1ーnはセル、2、2ー1〜2ーnは
ツェナーダイオード、3はバイメタルプロテクタを示
す。
【0012】図1において、セル1は、リチウムイオン
電池やリチウムポリマー電池などの化学セルである。ツ
ェナーダイオード2は、セル1に並列に接続され、セル
1が所定の電圧以上になると電流が流れ発熱するもので
あり、バイメタルプロテクタ3は、セル1に直列に接続
され、ツェナーダイオード2と熱結合してその発熱によ
って電流経路を遮断するものである。
【0013】次に、動作を説明する。例えばツェナーダ
イオード2のツェナー電圧を4.25Vで、バイメタル
プロテクタ3が80℃以上になると動作して回路を遮断
するように設定されているとすると、セル1の充電電圧
が4,25Vを越えて印加された場合、ツェナーダイオ
ード2に電流が流れ発熱する。そして、ツェナーダイオ
ード2と熱結合されたバイメタルプロテクタ3が80℃
以上になると回路を開き、充電の電流経路が遮断され
る。
【0014】このとき、充電の電流経路が遮断されて
も、セル1の電圧が4.25V以上であれば、セル1か
らツェナーダイオード2に放電電流が流れるが、セル1
の電圧が低下して放電電流が流れなくなってツェナーダ
イオード2の発熱がなくなり、バイメタルプロテクタ3
が動作温度以下まで低下すると、再度バイメタルプロテ
クタ3が回路を閉じて充電される。
【0015】このようにツェナーダイオード2の発熱に
よってバイメタルプロテクタ3が回路を開き、閉じると
いう、バイメタルプロテクタ3のオン/オフの繰り返し
により熱的平衝状態を保つことになる。また、後述する
ようなラッチ機構及びリセット機構を設けることによ
り、オン/オフの繰り返しによる接触部の劣化を防ぐよ
うにしてもよい。
【0016】上記の例はセルが1直の場合であるが、2
直、それ以上の場合にも、図2に示すようにツェナーダ
イオード2ー1〜2ーnをそれぞれのセルに並列に接続
し、それらをバイメタルプロテクタ3と熱結合すること
によって同様に実現することができる。この場合には、
複数のセルの内、1つでも対応したツェナーダイオード
2ー1〜2ーnのツナー電圧を越えると、対応するツェ
ナーダイオード2ー1〜2ーnに電流が流れ、バイメタ
ルプロテクタ3が動作温度を越えると充電の電流経路を
遮断する。
【0017】次に、ツェナーダイオード及びバイメタル
素子の具体的な構成例を説明する。図3はバイメタル素
子とツェナーダイオードを1つの素子とした構成例を示
す図であり、Aはコンタクト、5はバイメタル素子、6
はツェナーダイオードチップ、7は磁石、8はリセット
ボタンを示す。
【0018】図3(A)において、コンタクト4は、バ
イメタル素子5が加熱され所定の温度以上になり、図示
左端が上方に反ると開き、温度が下がると閉じる。ツェ
ナーダイオードチップ6は、このバイメタル素子5のコ
ンタクト4と反対側に組み込み一体化したものである。
【0019】この素子のそれぞれの接続部は、例えばコ
ンタクト4の左端が図1及び図2に示すバイメタルプ
ロテクタ3の右側接続部、OUT側になり、ツェナーダ
イオードチップ6とバイメタル素子5に共通接続された
図示右端上部が図1及び図2に示すセル1への接続
部、ツェナーダイオードチップ6とバイメタル素子5が
一体となった図示右端下部がツェナーダイオードチッ
プ6のセルヘの並列接続部となる。
【0020】上記実施の形態では、過電圧が印加された
状態で継続すると、バイメタル素子5のコンタクト4が
オン/オフを繰り返すことになり、その結果、徐々に接
触子にダメージが加わり劣化するという問題が生じる。
図3(B)に示すものは、さらに磁石7とリセットボタ
ン8を付加することにより、その課題を解決できるよう
にしたものである。
【0021】すなわち、磁石7は、バイメタル素子5の
先端上方に設けて、バイメタル素子5の先端に磁性体を
使用することにより、バイメタル素子5が動作しコンタ
クト4のある図示左端が上方に反ったときにその磁性体
を吸引するものであり、リセットボタン8は、温度が低
下したときに、例えば電池パックの外部から押してこの
吸引状態を解除するものである。
【0022】このような構成とすることにより、一旦バ
イメタル素子5が動作し開回路を形成した場合には、磁
石7でこれをラッチして開回路を保持することができ、
バイメタル素子5のコンタクト4をオフ状態からオン状
態に解除する場合には、電池パックの外部からリセット
ボタンを押すことで、簡単に充電可能状態に戻すことが
できる。
【0023】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上
記実施の形態では、セルに並列にツェナーダイオードの
みを接続したが、ツェナーダイオードには、過電圧が印
加されたときに急激に電流が流れることにより、バイメ
タルプロテクタが開く前に破損する恐れがあるので、そ
れを回避するために保護用としてツェナーダイオードに
直列に抵抗を挿入してもよい。この場合には抵抗もバイ
メタルプロテクタに熱結合し、応答を早めるようにして
もよい。
【0024】また、バイメタルプロテクタがオン/オフ
するときに音がなるような報知機構を設けておくことに
より、過充電状態を音で報知させるようにしてもよい。
さらに、バイメタル素子は、形状記憶合金による感温素
子でもよいし、ツェナーダイオードは、バリスタその他
の素子を使用してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、1個以上のセルから構成され過充電に対し簡
易的な保護機能を有する簡易保護式電池パックであっ
て、セルと並列にツェナーダイオードを接続するととも
に、直列にバイメタル素子を接続して、ツェナーダイオ
ードとバイメタル素子とを熱結合したので、保護回路と
して、ツェナーダイオードとバイメタル素子のみを追加
することにより、安価で簡単に過充電と過電流の保護を
行うことができる。
【0026】さらに、バイメタル素子の接触部に磁性体
を使用し、該接触部の上方に磁石を配置して、接触部の
開回路を保持するラッチ機能を付加し、電池パックの外
部から押してラッチ機能を解除するリセットボタンを配
置することにより、簡単な構成の付加でバイメタル素子
の動作をラッチし、そのラッチを解除できるようにな
る。
【0027】また、バイメタル素子中にツェナーダイオ
ードを組み込み1つの素子とし、ツェナーダイオードの
保護用として直列に抵抗を挿入することにより、実装ス
ペースを低減し、小型化に対応でき、ツェナーダイオー
ドの破損を防ぐこともできる。
【0028】例えば正極活物質としてLiCoO2 を使
用した電池では、過充電になっても事故が拡大する可能
性はほとんどないが、過充電状態に曝されるとセル自体
の膨れが生じるため避けるべきであり、このような電池
に対して、本発明は、保護回路を簡略化でき、簡易的に
使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る簡易保護式電池パックの実施の
形態を示す図である。
【図2】 本発明に係る簡易保護式電池パックの他の実
施の形態を示す図である。
【図3】 バイメタル素子とツェナーダイオードを1つ
の素子とした構成例を示す図である。
【図4】 従来の保護機能付き電池パックの構成例を示
す図である。
【符号の説明】
1…セル、2…ツェナーダイオード、3…バイメタルプ
ロテクタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個以上のセルから構成され過充電に対
    し簡易的な保護機能を有する簡易保護式電池パックであ
    って、前記セルと並列にツェナーダイオードを接続する
    とともに、直列にバイメタル素子を接続して、前記ツェ
    ナーダイオードとバイメタル素子とを熱結合したことを
    特徴とする簡易保護式電池パック。
  2. 【請求項2】 前記バイメタル素子の接触部に磁性体を
    使用し、該接触部の上方に磁石を配置して、前記接触部
    の開回路を保持するラッチ機能を付加したことを特徴と
    する請求項1記載の簡易保護式電池パック。
  3. 【請求項3】 電池パックの外部から押して前記ラッチ
    機能を解除するリセットボタンを設けたことを特徴とす
    る請求項3記載の簡易保護式電池パック。
  4. 【請求項4】 前記バイメタル素子中にツェナーダイオ
    ードを組み込み1つの素子としたことを特徴とする請求
    項1記載の簡易保護式電池パック。
  5. 【請求項5】 前記バイメタル素子として、形状記憶合
    金による感温素子を使用したことを特徴とする請求項1
    記載の簡易保護式電池パック。
  6. 【請求項6】 前記ツェナーダイオードとして、バリス
    タを使用したことを特徴とする請求項1記載の簡易保護
    式電池パック。
  7. 【請求項7】 前記ツェナーダイオードの保護用として
    直列に抵抗を挿入したことを特徴とする請求項1記載の
    簡易保護式電池パック。
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