JP2002033035A - 保護素子 - Google Patents

保護素子

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JP2002033035A
JP2002033035A JP2000217315A JP2000217315A JP2002033035A JP 2002033035 A JP2002033035 A JP 2002033035A JP 2000217315 A JP2000217315 A JP 2000217315A JP 2000217315 A JP2000217315 A JP 2000217315A JP 2002033035 A JP2002033035 A JP 2002033035A
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melt resin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムで融着封止した低融点
合金を有する温度ヒューズ、抵抗付きヒューズ、電流ヒ
ューズ、温度ヒューズ兼電流ヒューズ等の保護素子の耐
湿性を向上する。 【解決手段】 ホットメルト樹脂層2を有するプラスチ
ックフィルム1に形成した電極3,4の外方端にリード
5,6を接続するとともに、電極3,4の内方端間にま
たがって低融点合金7を接続し、低融点合金7をフラッ
クス8で被覆し、その上方からホットメルト樹脂層10
を有するプラスチックフィルム9を被せて、前記ホット
メルト樹脂層2,10同士をレーザ照射加熱、高周波加
熱、熱圧着等により融着封止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保護素子に関し、
より詳細には、特定温度で溶融する低融点合金を有する
温度ヒューズや、低融点合金とこの低融点合金を通電加
熱により強制的に溶断させる抵抗体とを有する抵抗付き
ヒューズや、電流ヒューズや、温度ヒューズ兼電流ヒュ
ーズ等の保護素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器等を過熱損傷から保護する保護
素子として、特定温度で動作して回路を遮断する温度ヒ
ューズが用いられている。この種の温度ヒューズには、
感温材として特定温度で溶融する絶縁性の化学物質から
なる感温ペレットを用いて、感温ペレットの溶融時に圧
縮ばねの伸長により可動接点を固定接点から開離する感
温ペレットタイプのもの(a)と、感温材として特定温
度で溶融する低融点合金を用いて、この低融点合金に通
電し、周囲温度の過昇により低融点合金が溶融して回路
を遮断する低融点合金タイプ(b)とがある。また、低
融点合金と抵抗体とを具備し、抵抗体の通電加熱により
低融点合金を強制的に溶断させる抵抗付きヒューズと称
される保護素子(c)もある。また、過電流で溶断する
電流ヒユーズ(d)もある。さらに、周囲温度の過昇に
対しては温度ヒューズとして機能するとともに、過電流
に対しては電流ヒューズとして機能する温度ヒューズ兼
電流ヒューズと称される保護素子(e)もある。
【0003】本発明は、前記bタイプの温度ヒューズ
や、cタイプの抵抗付きヒューズや、dタイプの電流ヒ
ューズや、さらにはeタイプの温度ヒューズ兼電流ヒュ
ーズ等と称される各種の保護素子の改良に関するもので
あるから、以下、そのようなタイプのものについて説明
する。前記bタイプの保護素子としては、例えば実開昭
57−141346号公報に開示されている。また、c
タイプの保護素子としては、例えば実開昭58−528
48号公報に開示されている。そして、前記bタイプお
よびcタイプの保護素子を絶縁基板を用いて薄型構造に
したものもある。
【0004】まず、前記bタイプの薄型温度ヒューズと
称される保護素子Dについて、図18および図19を用
いて説明する。図18は、従来の最も一般的な薄型温度
ヒューズと称される保護素子Dの一部を切り開いた平面
図を示し、図19はその長手方向の中心線に沿う縦断面
図を示す。図18および図19において、71はポリエ
チレンテレフタレート(PET)等の可撓性を有するプ
ラスチックフィルムで、その長手方向の両端に、金属箔
の接着等により一対の電極72,73が形成されてい
る。前記電極72,73の各外方端には、リード74,
75がはんだ付け等により接続固定されている。また、
前記電極72,73の内方端にまたがって、特定温度で
溶融する低融点合金76が溶接等により接続され、この
低融点合金76の表面をフラックス77で被覆してい
る。そして、このフラックス77の上方からポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等の可撓性を有するプラス
チックフィルム78を被せて、上下のプラスチックフィ
ルム71,78を熱圧着等により融着止されている。
【0005】この保護素子Dは、例えばリード74,7
5を電気機器ないし電子機器(以下、単に電子機器とい
う)に直列に接続するとともに、異常時に温度上昇する
個所に設置しておくことにより、リード74−電極72
−低融点合金76−電極73−リード75を通って、電
子機器に通電することができる。電子機器の短絡等の異
常により、周囲温度が上昇すると、まず、フラックス7
7が溶融して、低融点合金76の表面を清浄化および活
性化して、低融点合金76の溶融に備える。周囲温度が
さらに上昇して低融点合金76の融点に達すると、低融
点合金76が溶融し、表面張力によって電極72,73
に引き寄せられて、球状化した低融点合金76a,76
bとなる(図示省略)ため、回路が遮断され、電子機器
への通電が遮断される。これによって、周囲温度が下降
しても、球状化した低融点合金76a,76bは、元の
形状には復元しないため、回路は遮断されたままとな
り、いわゆる非復帰型の保護素子として機能する。この
ような保護素子Dは、従来のセラミック等の絶縁基板や
セラミックまたは耐熱性樹脂製の絶縁キャップを用いる
ものに比較して、薄型となり、可撓性を有するという特
長がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記温
度ヒューズDにおいては、電極72,73およびリード
74,75以外の部分は、プラスチックフィルム71,
78同士の融着によって封止されるが、電極72,73
およびリード74,75部分は、プラスチックフィルム
71,78と電極72,73およびリード74,75と
の融着封止ができないため、耐湿性が十分でなかった。
【0007】そこで、例えば、特開2000−1331
02号公報には、上記の保護素子Dの例でいえば、電極
72,73および/またはリード74、75の上に接着
剤を塗布して、封止することが開示されている。このよ
うな構成によれば、接着剤によって電極72,73およ
び/またはリード74、75とプラスチックフィルム7
1,78との封止性は向上するが、電極72,73およ
び/またはリード74、75の上に、一々接着剤を塗布
することは、極めて煩雑であり、製造効率が悪いのみな
らず、接着剤の塗布忘れや塗布不良等の原因で、十分な
封止性が得られない場合があった。
【0008】上記の問題点は、上述した温度ヒューズと
称される保護素子Dのみならず、低融点合金と抵抗体と
を有し、抵抗体への通電による発熱により、前記低融点
合金を強制的に溶断させるようにした,いわゆる抵抗付
きヒューズと称される保護素子においても、同様に発生
していた。また、低融点合金を有し、所定以上の過電流
が流れると自己発熱で溶断する電流ヒューズと称される
保護素子においても、同様であった。さらに、周囲温度
の過昇に対しては温度ヒューズとして機能するととも
に、過電流に対しては電流ヒューズとしても機能する,
いわゆる温度ヒューズ兼電流ヒューズと称される保護素
子においても同様であった。
【0009】そこで、本発明は、導体間にまたがって低
融点合金を接続し、フラックスで被覆して、上下からプ
ラスチックフィルムで封止した温度ヒューズ,抵抗付き
ヒューズ,電流ヒューズ,温度ヒューズ兼電流ヒューズ
等の保護素子において、耐湿性の優れた、しかも製造容
易な保護素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、離隔した導体
間にまたがって形成された低融点合金と、低融点合金を
被覆するフラックスと、前記導体およびフラックスを上
下から可撓性を有するプラスチックフィルムで封止した
保護素子において、前記プラスチックフィルムの封止面
にホットメルト樹脂層を形成し、このホットメルト樹脂
層を加熱により融着封止したことを特徴とする保護素子
である。
【0011】以下、本発明の各種構成と、作用効果につ
いて説明する。本発明の請求項1に記載の発明は、離隔
した導体間にまたがって形成された低融点合金と、低融
点合金を被覆するフラックスと、前記導体およびフラッ
クスを上下から可撓性を有するプラスチックフィルムで
封止した保護素子において、前記プラスチックフィルム
が、封止面にホットメルト樹脂層を有し、このホットメ
ルト樹脂層が加熱により融着封止されていることを特徴
とする保護素子である。このように、プラスチックフィ
ルムが、封止面にホットメルト樹脂層を有し、このホッ
トメルト樹脂層を加熱融着封止すると、上下プラスチッ
クフィルム同士はもちろんのこと、導体とプラスチック
フィルム間もホットメルト樹脂層を介して容易かつ確実
に封止でき、耐湿性の優れた保護素子が提供できる。ま
た、導体部分のみに接着剤を塗布するものに比較して、
導体部分に一々接着材を塗布する煩雑な作業が省略でき
るのみならず、接着剤の塗布忘れや塗布不良等による耐
湿性低下がなく、容易かつ確実に優れた耐湿性の保護素
子が得られる。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、前記プ
ラスチックフィルムが、ポリアミド(PA),アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン(ABS),アクリロニト
リルスチレン(AS),ポリメチルメタアクリル(PM
MA),ポリビニルアルコール(PVAL),ポリ塩化
ビニリデン(PVDC),ポリエチレンテレフタレート
(PET),ポリアセタール(POM),ポリカーボネ
ート(PC),ポリフェニレンエーテル(PPE),ポ
リブチレンテレフタレート(PBTP),超高分子量ポ
リエチレン(UHMW−PE),ポリふっ化ビニリデン
(PVDF),ポリサルホン(PSF),ポリエーテル
サルフォン(PES),ポリフェニレンサルファイド
(PPS),ポリアリレート(PAR),ポリアミドイ
ミド(PAI),ポリエーテルイミド(PEI),ポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK),ポリイミド(P
I),液晶ポリマ(LCP),ポリテトラフロロエチレ
ン(PTFE),フエノール(PF),ユリア(U
F),メラミン(MF),不飽和ポリエステル(U
P),エポキシ(EP),シリコーン(SI),ポリウ
レタン(PUR)およびポリエチレンナフタレート(P
EN)の中から選択された1種,またはこれらの2種以
上を混合したもの,またはこれらの2種以上を積層した
もの,またはこれらを主成分とするもののいずれかであ
ることを特徴とする請求項1に記載の保護素子である。
このように、プラスチックフィルムの材質を選定する
と、プラスチックフィルム自体の耐湿性も高くなり、よ
り一層耐湿性の高い保護素子が得られる。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、前記ホ
ットメルト樹脂層が、ポリアミド系、ゴム系、アクリル
系、エポキシ系、ポリエステル系、フェノール系、酢酸
ビニル系のいずれかであることを特徴とする請求項1に
記載の保護素子である。このように、ホットメルト樹脂
層の材質を選定すると、プラスチックフィルムに熱的ダ
メージを与えることなく、耐湿性の優れた保護素子が得
られる。
【0014】本発明の請求項4に記載の発明は、前記ホ
ットメルト樹脂層が、前記プラスチックフィルムの封止
面全面に形成されていることを特徴とする請求項1また
は3のいずれかに記載の保護素子である。このように、
ホットメルト樹脂層をプラスチックフィルムの封止面全
面に形成することにより、電極やリード部分に一々接着
剤を塗布する手間が省け、しかも、電極やリード部分以
外のプラスチックフィルム同士の封止性も向上する。
【0015】本発明の請求項5に記載の発明は、前記導
体が、前記プラスチックフィルムの封止面に形成された
電極であることを特徴とする請求項1に記載された保護
素子である。このように、導体がプラスチックフィルム
面に形成されている電極であると、電極が薄くて保護素
子の薄型化に有利である。
【0016】本発明の請求項6に記載の発明は、前記電
極が、導電ペーストの塗布,箔の接着,めっき,蒸着,
スパッタのいずれかで形成されたものであることを特徴
とする請求項5に記載の保護素子である。このようにし
て形成された電極は、プラスチックフィルムと一体で、
かつ薄型に形成できる。
【0017】本発明の請求項7に記載の発明は、前記導
体が、リードであることを特徴とする請求項1に記載の
保護素子である。このように、導体がリードであると、
電極が不要になり、材料費および加工費が低減できる。
【0018】本発明の請求項8に記載の発明は、前記導
体が、銅,ニッケル,銅合金またはニツケル合金の中か
ら選択されたものであることを特徴とする請求項5ない
し7のいずれかに記載の保護素子である。このように、
導体が上記材料から選択されると、材料費が安く、導電
性も問題がないし、保護素子を電子機器に組み込む場合
に、ねじ止め等の機械的方法のみならず、特にリードを
銅,または銅合金で形成下場合は、はんだ付けによって
行うことができるし、リードをニッケル,またはニツケ
ル合金で形成下場合は、抵抗溶接によっても行うことが
できる。
【0019】本発明の請求項9に記載の発明は、前記導
体の一部または全面に、金層を有することを特徴とする
請求項5ないし8のいずれかに記載の保護素子である。
このように、導体に金層を形成すると、電極やリード等
の導体材料に直接低融点合金を溶接により接続する場合
に比較して、低融点合金の溶接性が向上して、溶接が容
易かつ確実に行え、接続抵抗が小さくなり、保護素子の
内部抵抗を小さくできる。
【0020】本発明の請求項10に記載の発明は、前記
導体が、表面にはんだ層を有することを特徴とする請求
項5ないし9のいずれかに記載の保護素子である。この
ように、導体がその表面にはんだ層を有すると、電極や
リード等の導体材料に直接低融点合金を溶接により接続
する場合に比較して、低融点合金の溶接性が向上して、
溶接が容易かつ確実に行え、接続抵抗が小さくなり、保
護素子の内部抵抗を小さくできる。
【0021】本発明の請求項11記載の発明は、前記保
護素子が、温度ヒューズ,抵抗付きヒューズ,電流ヒュ
ーズまたは温度ヒューズ兼電流ヒューズのいずれかであ
ることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記
載の保護素子である。このような構成によると、耐湿性
の優れた各種の保護素子が得られる。
【0022】本発明の実施態様について、以下、図面を
参照して説明する。
【実施態様1】図1は本発明の第1実施態様の温度ヒュ
ーズからなる保護素子Aの一部を切り開いた平面図を示
し、図2はその長手方向の中心線に沿う断面図である。
図1および図2において、1は可撓性を有するプラスチ
ックフィルムで、例えばポリアミド(PA),ABS,
AS,ポメチルメタアクリル(PMMA),ポリビニル
アルコール(PVA),ポリ塩化ビニリデン(PVD
C),ポリエチレルテレフタレート(PET),ポリア
セタール(POM),ポリカーボネート(PC),ポリ
フェニレンエーテル(PPE),ポリブチレンテレフタ
レート(PBT),超高分子量ポリエチレン(UHMW
−PE),PVDF,ポリサルホン(PSF),ポリエ
ーテルサルフォン(PES),ポリフェニレンサルファ
イド(PPS),ポリアリレート(PAR),ポリアミ
ドイミド(PAI),ポリエーテルイミド(PEI),
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリイミド
(PI),液晶ポリマ(LCP),ポリテトラフロロエ
チレン(PTFE),フエノール(PF),ユリア(U
F),メラミン(MF),不飽和ポリエステル(U
P),エポキシ(EP),シリコーン(SI),ポリウ
レタン(PUR)およびポリエチレンナフタレート(P
EN)の中から選択された1種,またはこれらの2種以
上を混合したもの,またはこれらの2種以上を積層した
もの,またはこれらを主成分とするものの中から選択さ
れている。
【0023】このプラスチックフィルム1の封止面全面
にわたって、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系、エポ
キシ系、ポリエステル系、フェノール系、酢酸ビニル系
のいずれかから選択された材料からなるホットメルト樹
脂層2が形成されている。
【0024】前記ホットメルト樹脂層2の上の離隔した
位置には、プラスチックフィルム1の長手方向の両端に
銅,ニッケル,銅合金,ニッケル合金からなる電極3,
4を有する。これらの電極3,4は、ホットメルト樹脂
層2の上に接着剤を介してあるいはホットメルト樹脂層
2により直接接着された箔状のものでもよいし、ホット
メルト樹脂層2の上にめっき,蒸着,スパッタ等で形成
されたものでもよい。箔状のものを接着した場合は、一
旦全面に接着したものを、フォトエッチング法で所定の
形状にパターニングすればよいし、めっき,蒸着,スパ
ッタ等で形成されたものの場合は、一旦全面に被着した
ものを前記同様にフォトエッチング法でパターニングし
てもよいし、所定形状の窓孔を有するマスクやレジスト
を用いて直接所定形状に形成したものでもよい。
【0025】ここで、電極2,3は、図18および図1
9の保護素子Dとは異なり、プラスチックフィルム1の
長手方向の両端から寸法aだけ退入するとともに、短手
方向の両端から寸法bだけ退入して形成されている。こ
れによって、後で説明するように、ホットメルト樹脂層
同士の融着封止面積を増大させて封止性を向上し、もっ
て耐湿性を向上させている。
【0026】なお、これらの電極3,4は、その表面の
一部または全面に金層を形成してもよい。金層を形成す
ることによって、電極3,4の導電性が増大するのみな
らず、後述するリードや低融点合金のはんだ付け性や溶
接性が向上する。また、これらの電極3,4の上には、
金層に代えて、あるいは金層の上にさらに、はんだ層が
形成されてもよい。はんだ層を形成することによって、
電極3,4の導電性が増大するのみならず、後述するリ
ードや低融点合金のはんだ付け性や溶接性が向上する。
【0027】前記電極3,4の外方端には、それぞれ銅
またはニッケル製のリード5,6がはんだ付け等により
接続されている。また、前記電極3,4の内方端間にま
たがって、低融点合金7が溶接等により接続されてい
る。この低融点合金7の表面は、フラックス8で被覆さ
れている。電極3,4およびフラックス8の上方から、
前記プラスチックフィルム1と同種または異種の材料か
らなり、その封止面に前記ホットメルト樹脂層2と同様
のホットメルト樹脂層10を形成したプラスチックフィ
ルム9が前記ホットメルト樹脂層10側を下にして被せ
られ、前記プラスチックフィルム1のホットメルト樹脂
層2とプラスチックフィルム9のホットメルト樹脂層1
0とが、レーザ照射加熱、高周波加熱、熱圧着等により
融着封止されている。
【0028】このような構成の温度ヒューズよりなる保
護素子Aによると、可撓性を有するプラスチックフィル
ム1および9を用いているので、プラスチックフィルム
1および9の厚さをそれぞれ50μm程度にできるこ
と、および低融点合金7をリード5,6の上に接続しな
いで、電極3,4に接続していること、すなわち、リー
ド5,6と低融点合金7とを平面的に配置していること
によって、保護素子A全体の厚さを400μm程度と薄
型化することができる。また、ホットメルト樹脂層2,
10による融着封止を行っているので、ホットメルト樹
脂層2,10同士の融着封止部分はもちろんのこと、電
極2,3およびリード5,6との封止部分も、ホットメ
ルト樹脂層2,10により融着封止されるため、容易か
つ確実に封止されて、高い耐湿性の保護素子が得られ
る。しかも、前述のように、電極2,3をプラスチック
フィルム1の長手方向の両端および短手方向の両端から
それぞれ寸法a,bだけ退入させているので、電極2,
3が封止端面に露出せず、しかもホットメルト樹脂層2
と10との融着封止面積が増大しており、優れた耐湿性
の保護素子が得られる。
【0029】また、前述のように、低融点合金7をリー
ド5,6の上に接続しないで、電極3,4に接続してい
ることによって、リード5,6を電子機器に組み込む場
合に、はんだ付けや抵抗溶接により接続しても、はんだ
付け時や抵抗溶接時の熱がリード5,6から直接低融点
合金7に伝達しないで、一旦電極3,4を介して低融点
合金7に伝達することによって、リード5,6のはんだ
付け時や抵抗溶接時の熱によって低融点合金7が誤溶融
することがない。換言すれば、はんだ付けや抵抗溶接の
時間を長くしても、低融点合金7が誤溶融しないので、
リード5,6を容易かつ確実にはんだ付けすることがで
きる。
【0030】
【製造方法の実施態様1】次に、本発明の第1実施態様
の保護素子Aの製造方法の第1実施態様について説明す
る。図3はその製造工程ブロック図で、図4ないし図9
は各工程におけるプラスチックフィルム等の正面図また
は部分断面図である。まず、前述した可撓性を有する材
料よりなり、片面全面にホットメルト樹脂層2を有する
プラスチックフィルム1を用意する(図3a,図4)。
次に、プラスチックフィルム1の表面にホットメルト樹
脂層2を介して銅,ニッケル,銅合金またはニッケル合
金等よりなる導電性箔材を接着するか、導電ペーストを
塗布乾燥するか、蒸着、スパッタ、めっき等により電極
3,4を形成する(図3b,図5)。もし必要であれ
ば、電極3,4の上に金層(図示省略)をめっき法等で
形成する。この金層は、後述するリード5,6のはんだ
付けおよび低融点合金7の溶接を容易にするとともに、
接続強度を大きくするのに役立つものである。また、電
極3,4の表面に、あるいは上記金層の表面に、低融点
合金7よりも高融点のはんだ層をめっき形成する。この
はんだ層は、後述するリード5,6のはんだ付けおよび
低融点合金7の溶接を容易にするとともに、接続強度を
大きくするのに役立つものである。前記のように電極
3,4に直接または必要により金層やはんだ層を形成し
た電極3,4の外方端に、銅,ニッケル,銅合金または
ニッケル合金等よりなるリード5,6を前記はんだ層等
を利用して接続する(図3c,図6)。また、前記電極
3,4に直接または必要により金層やはんだ層を形成し
た電極3,4の内方端間に、低融点合金7を溶接等によ
り接続する(図3d,図7)。この低融点合金7の上か
ら、この低融点合金7よりも融点の低いフラックス8を
塗布して、低融点合金7全体を被覆する。なお、常温で
糊状のフラックスを用いる場合は、フラックス8の融点
が低融点合金7の融点と同一かまたは若干高くてもよい
(図3e,図8)。最後に、電極3,4およびフラック
ス8の上から、前記プラスチックフィルム1と同種また
は異種の可撓性を有する材料からなり片面全面にホット
メルト樹脂層10を有するプラスチックフィルム9を被
せ(図9)、プラスチックフィルム1のホットメルト樹脂
層2とプラスチックフィルム9のホットメルト樹脂層1
0とを、レーザ照射加熱、高周波加熱、熱圧着等により
融着封止する。このとき、電極3,4およびリード5,
6の部分は、プラスチックフィルム9の内面側に形成さ
れているホットメルト樹脂層10の融着により確実に封
止される(図3f)。すると、図1および図2に示すよ
うな温度ヒューズと称される保護素子Aが得られる。
【0031】
【製造方法の実施態様2】次に、本発明の第1実施態様
の保護素子Aの製造方法の第2実施態様について説明す
る。図10は、保護素子Aの製造方法の第2実施態様の
製造工程途中の平面図で、第1実施態様の図4ないし図
9に対応する平面図である。ここで、図4ないし図9で
は、各工程におけるプラスチックフィルム1等を正面か
ら見た状態を示しているが、本第2実施態様では、各工
程における状態を一つの平面図内に併示している。すな
わち、片面全面にホットメルト樹脂層2aを形成した長
尺のプラスチックフィルム1aを用意し、その短手方向
の両端に長手方向に沿って電極3…,4…(および必要
に応じて金層やはんだ層)を形成し、各電極3…,4…
の外方端に所定間隔でリード5…,6…を接続し、電極
3…,4…の内方端間にまたがって低融点合金7,7…
を溶接等により接続し、各低融点合金7,7…にフラッ
クス8,8…を塗布被覆し、さらにフラックス8,8…
の上方から片面全面にホットメルト樹脂層10aを形成
した長尺のプラスチックフィルム9aを被せて、ホット
メルト樹脂層2a,10a同士を融着封止する。融着封
止後、プラスチックフィルム1aおよび9aを各低融点
合金7およびフラックス8ごとに切断分離すると、図1
および図2に示す第1実施態様の保護素子Aと同様の保
護素子Aが得られる。
【0032】なお、前記図10において、各独立したリ
ード5,…,6,…に代えて、図示二点鎖線で示すよう
に、各リード5,…,6,…が一体となった櫛歯状のリ
ードフレーム5a,6aを用いると、各リード5,…,
6,…の取り扱いおよび位置決めが容易になる特長があ
る。このリードフレーム5a,6aは、電極3,…4…
にリードフレーム5a,6aを接続した後に切断分離し
てもよいし、電極3,…4…に低融点合金7を接続した
後に切断分離してもよいし、フラックス8,8…を塗布
乾燥固化後に切断分離してもよいし、プラスチックフィ
ルム1aおよび9aのホットメルト樹脂層2,10を融
着封止後、切断分離前または分離後に切断分離してもよ
い。
【0033】
【実施態様2】次に、本発明の第2実施態様の保護素子
Bについて説明する。本第2実施態様の保護素子Bは、
図1および図2の第1実施例における電極3,4を省略
して、リードにまたがって直接低融点合金を接続したも
のである。図11は保護素子Bの一部を切り開いた平面
図で、図12は長手方向の中心線に沿う断面図を示す。
図11および図12において、11はプラスチックフィ
ルムで、片面全面にホットメルト樹脂層12を有する。
13,14は銅、ニッケル、銅合金、ニッケル合金等か
らなるリードで、前記ホットメルト樹脂層12によりプ
ラスチックフィルム11に接着固定されている。これら
のリード13,14の内方端間にまたがって、低融点合
金15が溶接等により接続されている。前記リード1
3,14の内方端および低融点合金15にはフラックス
16が塗布されて被覆されている。そして、フラックス
16の上方からその片面全面にホットメルト樹脂層18
を形成したプラスチックフィルム17を、ホットメルト
樹脂層18側をもって被せ、レーザ照射加熱、高周波加
熱、熱圧着等により、ホットメルト樹脂層12,18同
士を融着して封止している。
【0034】この第2実施態様の保護素子Bにおいて
も、ホットメルト層12,18同士を加熱融着して封止
しているので、前記第1実施例の保護素子Aと同様の優
れた耐湿性が得られる。また、第1実施態様の保護素子
Aに比較して、電極3,4を有しないので、それだけ材
料費および加工費を低減でき、安価な保護素子を提供で
きるという特長がある。また、周囲の温度がリード1
3,14を介して直接低融点合金15に伝わるので、周
囲温度に迅速に対応する動作特性の優れた保護素子が得
られるという特長もある。
【0035】この第2実施態様の保護素子Bは、リード
5,6にまたがって予め低融点合金15を溶接等により
接続してリード−低融点合金一体構体を製造しておい
て、このリード−低融点合金一体構体を、プラスチック
フィルム11にホットメルト樹脂層12を利用して固定
し、低融点合金15にフラックス16を塗布してから、
ホットメルト樹脂層18を有するプラスチックフィルム
17を被せて、ホットメルト樹脂層12,18同士を融
着封止するようにしてもよい。なお、この第2実施態様
の保護素子Bも、1個ずつ製造できることはもちろんで
あるが。電極2,3を形成しない点を除いて、概ね図1
0と同様の製造方法を採用することができる。この場合
に、プラスチックフィルム11にホットメルト樹脂層1
2を利用してリード13,…14…を固定した後に、リ
ード13,…14,…の内方端にまたがって低融点合金
15を接続してもよいし、前述のように、予めリードリ
ード13,…14,…の内方端にまたがって低融点合金
15を接続してリード−低融点合金一体構体を製作して
おいて、このリード−低融点合金一体構体を、プラスチ
ックフィルム11にホットメルト樹脂層12を利用して
固定するようにしてもよい。
【0036】
【実施態様3】次に、本発明の第3実施態様の保護素子
Cについて説明する。本第3実施態様の保護素子Cは、
低融点合金と、通電発熱によりこの前記低融点合金を強
制的に溶断させる抵抗体とを具備する,いわゆる抵抗付
きヒューズに関するものである。図13は、本第3実施
態様の保護素子Cの上部プラスチックフィルム,フラッ
クス等の一部を切り開いた状態を示す平面図であり、図
14は図13の保護素子CにおけるX−X線に沿う縦断
面図で、図15は下部プラスチックフィルムの一部を切
り開いた下面図である。
【0037】図13ないし図15において、31は前記
同様の可撓性を有するプラスチックベースフィルムで、
その長手方向の両端近傍に偏芯して透孔32,33が穿
設されている。前記プラスチックベースフィルム31の
表面の一方端の前記透孔33を含まない位置,透孔32
を含む位置、および透孔33を含む位置にそれぞれ銅,
ニッケル、銅合金,ニッケル合金等よりなる電極34,
35,35が形成されている。また、プラスチックベー
スフィルム31の裏面の長手方向の両端には、それぞれ
前記透孔32,33を含む位置に銅,ニッケル,銅合
金,ニッケル合金等よりなる電極37,38が形成され
ている。なお、前記各電極34,35,36,37,3
8の上には、それぞれ金層やはんだ層が単独または積層
形成されてもよい。
【0038】ここで、前記プラスチックベースフィルム
31の表面側の電極35と裏面側の電極37とは透孔3
2内の導電体を介して接続されており、また、プラスチ
ックベースフィルム31の表面側の電極36と裏面側の
電極38とは透孔33内の導電体を介して接続されてい
る。なお、前記透孔32,33をプラスチックベースフ
ィルム31の表裏両面側からまたはそのいずれか一方側
からテーパ状に形成しておき、粗面化後Pd置換してお
き、電極をめっき法で形成することにより、プラスチッ
クベースフィルム31の表面側の電極34,35,36
と、裏面側の電極37,38と、さらにこれら表裏両面
の電極34ないし38を透孔32,33内で接続する接
続導電体とを同時に形成することができる。
【0039】なお、この第3実施態様の保護素子Cのプ
ラスチックベースフィルム31においては、第1,第2
の実施態様の保護素子A,Bと相違して、前記各電極3
4ないし38は、プラスチックベースフィルム31の長
手方向の両端および/または短手方向の両端まで形成し
てもよい。それは、後述するように、このプラスチック
ベースフィルム31よりも大きいサイズの上下部プラス
チックフィルムを用いて封止することにより、プラスチ
ックベースフィルム31が端面から露出することがない
からである。
【0040】前記プラスチックベースフイルム31の裏
面の電極37,38間にまたがって、例えば酸化ルテニ
ウム(RuO)等を蒸着,スパッタまたはめっきして抵
抗膜39が形成されている。なお、この抵抗膜39に代
えて厚膜抵抗やチップ抵抗を用いることもできる。
【0041】再び表面側に戻って、前記電極34ないし
36には、前述したように、必要によりそれぞれ金層や
低融点合金よりも高融点のはんだ層が形成されている。
そして、この電極34ないし36に、それぞれ銅板材,
ニッケル板材,銅合金板材またはニッケル合金板材等よ
りなるリード40,41,42が前記はんだ層等によっ
て固着接続されている。ここで、リード40と41は、
同一軸線上になるように接続固定され、リード42のみ
が異なる位置から導出されるように接続固定されている
とともに、その幅寸法も他のリード40,41より小さ
く設定されている。。
【0042】前記電極34と35の内方端間にまたがっ
て、低融点合金43が溶接等により接続されている。こ
こで、電極34と35に金層や低融点合金よりも高融点
のはんだ層が形成されていると、低融点合金43の溶接
性が向上し、低融点合金43を容易かつ確実に接続で
き、接続抵抗を低減し、内部抵抗の小さい保護素子が得
られる。前記低融点合金43の表面は、フラックス44
によって被覆されている。
【0043】そして、前記フラックス44の上方から
と、前記抵抗膜39の下方からは、それぞれ片面全面に
ホットメルト樹脂層46を有する上部プラスチックフィ
ルム45と、ホットメルト樹脂層48を有する下部プラ
スチックフィルム47とが、それぞれホットメルト樹脂
層46,48側をもって被せられ、これら両プラスチッ
クフィルム45,47の周縁同士をレーザ照射加熱、高
周波加熱、熱圧着等により、ホットメルト樹脂層46,
48同士を融着封止してある。
【0044】ここで、図13から明らかなように、上部
プラスチックフィルム45と下部プラスチックフィルム
47とは、プラスチックベースフィルム31よりも、長
手方向で片側寸法cだけ大きく、また短手方向で片側寸
法dだけ大きいサイズにしていることによって、プラス
チックベースフィルム31からはみ出る上下部プラスチ
ックフィルム45,47のホットメルト樹脂層46,4
8同士が融着封止されるため、電極34ないし38が、
プラスチックベースフィルム31の長手方向の両端およ
び/または短手方向の両端まで形成されていても、何ら
支障なく封止できる。
【0045】本第3実施態様の保護素子Cにおいても、
可撓性でかつホットメルト樹脂層46,48を有するプ
ラスチックフイルム45および47を用い、ホットメル
ト樹脂層46,48同士を融着封止したので、耐湿性の
優れた保護素子が提供できるという作用効果が得られる
のみならず、抵抗膜39への通電発熱により、低融点合
金43を強制的に溶断させることができるので、低融点
合金43の融点は前記第1実施態様や第2実施態様の保
護素子A,Bにおける周囲温度に応答する低融点合金
7,15ほど厳密な溶断精度が要求されなくなるので、
低融点合金43の選択範囲が広くなり、入手容易な安価
な材料を採用できるのみならず、温度ヒューズが使用で
きなかった新たな用途にも適用できるという特有の作用
効果を奏する。
【0046】次に、上記第3実施態様の保護素子Cの使
用方法例について説明する。図16は、上記の保護素子
Cの等価回路図を示す。図16において、50,51,
52は端子で、それぞれリード40,41,42に対応
している。また、Fはヒューズ素子で低融点合金43に
対応しており、前記端子50(40),51(41)間
に接続されている。さらに、Rは抵抗で抵抗膜39に対
応しており、前記端子51(41),52(42)間に
接続されている。
【0047】図17は前記抵抗付きヒューズよりなる保
護素子Cを、リチウムイオン二次電池の過充電防止に適
用した場合の回路図を示す。図17において、61,6
2は正負直流電源端子で、63,64は正負直流負荷端
子である。前記正直流電源端子61には保護素子Cの端
子50(40)が接続され、正直流負荷端子63には保
護素子Cの端子51(41)が接続されている。したが
って、前記正直流電源端子61と正直流負荷端子63間
には保護素子Cのヒューズ素子F(低融点合金43)が
接続されている。また、負直流電源端子62は負直流負
荷端子64に接続されている。さらに、保護素子Cの端
子52(42)は、負荷の端子電圧を検知する検知回路
の電圧検知動作によって導通状態となるスイッチング素
子,例えばNPN型トランジスタ65のコレクタ−エミ
ッタを介して、負直流電源端子62(負直流負荷端子6
4)に接続されている。前記正直流負荷端子63とスイ
ッチング素子65の制御端子(ベース)間には、電圧検
知回路66が接続されている。前記電圧検知回路66
は、電圧検知手段の一例としてのツェナダイオード67
と電流制限抵抗68の直列回路からなり、前記ツェナダ
イオード67のカソードが前記性直流負荷端子63に接
続されており、前記電流制限抵抗68の他端はスイッチ
ング素子65の制御端子(ベース)に接続されている。
ここで、前記図17のように保護素子Cを接続する場合
に、前述のとおり、リード40,41が一直線状に導出
されており、リード42のみが異なる位置から導出され
ており、しかもその幅が他のリード40,41と異なっ
ているので、これらリード40,41,42,すなわち
端子50,51,52の判別が容易で、誤接続すること
がない。
【0048】図17の回路構成において、正負直流電源
端子61,62間に、直流電源の一例として充電器69
を接続するとともに、正負直流負荷端子63,64に負
荷の一例としてリチウムイオン二次電池70を接続す
る。すると、充電器69−端子61−端子50(40)
−ヒューズ素子F(低融点合金43)−端子51(4
1)−端子63−リチウムイオン二次電池70−端子6
4−端子62−充電器69の経路で、リチウムイオン二
次電池70が充電される。このリチウムイオン二次電池
70の端子電圧は、電圧検知回路66によって検知され
るが、充電開始直後はリチウムイオン二次電池70の端
子電圧が低いため、ツェナダイオード67が非導通状態
であり、したがって、トランジスタ65にベース電流が
供給されないため、トランジスタ65はオフ状態であ
る。
【0049】充電時間の経過とともに、リチウムイオン
二次電池70の端子電圧は次第に上昇していき、ついに
リチウムイオン二次電池70の端子電圧が所定電圧に達
して充電が完了すると、ツェナダイオード67が導通状
態になり、トランジスタ65にベース電流が流れ、トラ
ンジスタ65が導通状態となる。すると、充電器69−
端子61−端子50(40)−ヒューズ素子F(低融点
合金43)−端子51(41)−抵抗R(抵抗膜39)
−端子52(42)−トランジスタ65−端子62−充
電器69の経路で電流が流れ、抵抗R(抵抗膜39)が
発熱する。この抵抗R(抵抗膜39)の発熱は、プラス
チックベースフィルム31を介して表面側の低融点合金
43(ヒューズ素子F)に伝達され、低融点合金43
(ヒューズ素子F)が溶断する。すると、リチウムイオ
ン二次電池70の充電が停止されて、過充電が防止され
るとともに、抵抗R(抵抗膜39)がヒューズ素子F
(低融点合金43)の2次側に接続されているので、抵
抗R(抵抗膜39)への通電加熱も停止される。
【0050】なお、本発明の上記各実施態様は、特定の
構造のものについて説明したが、本発明は上記実施例に
示した構造に限定されるものではなく、本発明の精神を
逸脱しない範囲で、各種の変形が可能であることはいう
までもない。
【0051】例えば、図1および図2に示す第1実施態
様の保護素子Aにおいて、リード5,6を電極3,4に
接続しないで、プラスチックフィルム1に透孔を形成
し、その裏面に電極およびはんだ層を形成するとともに
表裏面の電極を透孔内の導電体で接続して、この裏面の
電極およびはんだ層にリードを接続するようにしてもよ
い。そのようにすると、プラスチックフィルム1と9と
の融着封止部分にリードが介在されないので、プラスチ
ックフィルム1と9との接合部が平面状となり、融着封
止がより一層確実になり、耐湿性が向上するという特徴
がある。
【0052】また、図1および図2に示す第1実態様の
保護素子Aにおいて、リード5,6を設ける代わりに、
薄膜または厚膜状の電極3,4を下側プラスチックフィ
ルム1の端面または透孔を通って裏面に延長形成するこ
とにより、表面実装タイプにすることもできる。
【0053】さらにまた、図13ないし図15に示す第
3実施態様の保護素子Cにおいては、抵抗膜39をプラ
スチックベースフィルム31の低融点合金43の接続固
着面側と反対側に設ける場合について説明したが、低融
点合金43の固着面側と同一面側に設けてもよい。この
場合、抵抗膜39の表面に絶縁層を形成し、この絶縁層
の上に低融点合金43を形成することが望ましい。その
ような構成によれば、抵抗膜39の発熱は薄い絶縁層を
介して低融点合金43に伝達されるので、抵抗膜39へ
の通電開始後、短時間で低融点合金43を溶断させるこ
とができるという特長がある。換言すれば、抵抗膜39
のより小さな発熱で低融点合金43を溶断できるという
特長がある。その場合、当然、プラスチックベースフィ
ルム31の透孔32,33やプラスチックベースフィル
ム31の裏面側の電極37,38は不要である。
【0054】また、リード5,6、13,14および4
0ないし42は、電流容量を損なわない限り、封止部分
を幅狭状にするか、封止部分を蛇行させるか、封止部分
に透孔を形成するかして、プラスチックフィルム1,1
1,45と9,17,47との融着封止面積を増大させる
ことが望ましい。場合によっては、リード5,6、1
3,14および40ないし42の封止部分に、エムボス
またはハーフエッチングによる凹部を設けて、封止界面
を凹凸状にしてもよい。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上のように、離隔した導体間
にまたがって形成された低融点合金と、低融点合金を被
覆するフラックスと、前記導体およびフラックスを上下
から可撓性を有するプラスチックフィルムで封止した保
護素子において、前記プラスチックフィルムが、封止面
にホットメルト樹脂層を有し、このホットメルト樹脂層
が加熱により融着封止されていることを特徴とする保護
素子であるから、ホットメルト樹脂層を加熱融着封止す
ると、上下プラスチックフィルム同士はもちろんのこ
と、導体とプラスチックフィルム間もホットメルト樹脂
層を介して容易かつ確実に封止でき、耐湿性の優れた保
護素子が提供できる。また、導体部分のみに接着剤を塗
布するものに比較して、導体部分に一々接着材を塗布す
る煩雑な作業が省略できるのみならず、接着剤の塗布忘
れや塗布不良等による耐湿性低下がなく、容易かつ確実
に優れた耐湿性の保護素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの一部を
切り開いた平面図
【図2】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの長手方
向の中心線に沿う断面図
【図3】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程ブロツク図
【図4】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程におけるプラスチックフィルムの正面図
【図5】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程におけるプラスチックフィルムに電極を形成した状態
の正面図
【図6】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程におけるプラスチックフィルム上の電極にリードを接
続した状態の正面図
【図7】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程における電極間にまたがって低融点合金を接続した状
態の正面図
【図8】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程における低融点合金をフラックスで被覆した状態の正
面図
【図9】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの製造工
程における下部プラスチックフィルムと上部プラスチッ
クフィルムを融着封止する前の状態を示す一部を断面で
示す正面図
【図10】 本発明の第1実施態様の保護素子Aの別の
製造工程における各工程を併示した平面図
【図11】 本発明の第2実施態様の保護素子Bの一部
を切り開いた平面図
【図12】 本発明の第2実施態様の保護素子Bの中心
線に沿う断面図
【図13】 本発明の第3実施態様の保護素子Cの一部
を切り開いた平面図
【図14】 本発明の第3実施態様の保護素子CのX−
X線に沿う断面図
【図15】 本発明の第3実施態様の保護素子Cの一部
を切り開いた下面図
【図16】 本発明の第3実施態様の保護素子Cの等価
回路図
【図17】 本発明の第3実施態様の保護素子Cをリチ
ウムイオン二次電池の過充電防止に適用した回路図
【図18】 従来の保護素子Dの一部を切り開いた平面
【図19】 従来の保護素子Dの中心線に沿う断面図
【符号の説明】
1、1a、9、9a,11、17、45、47 プラス
チックフィルム 2、2a、10、10a、12、18、46、48 ホ
ットメルト樹脂層 3、4、34、35、36、37、38 電極 5、6、13、14、40、41、42 リード 5a、6a リードフレーム 7、15、43 低融点合金 8、16、44 フラックス 31 プラスチックベースフィルム 32、33 透孔 39 抵抗膜 50、51、52 端子 61、62 正負直流電源端子 63、64 正負直流負荷端子 65 スイッチング素子(トランジスタ) 66 電圧検知回路 67 電圧検知素子(ツェナダイオード) 68 電流制限抵抗 69 直流電源(充電器) 70 負荷(リチウムイオン二次電池) F ヒューズ素子 R 抵抗

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離隔した導体間にまたがって形成された低
    融点合金と、低融点合金を被覆するフラックスと、前記
    導体およびフラックスを上下から可撓性を有するプラス
    チックフィルムで封止した保護素子において、前記プラ
    スチックフィルムが、封止面にホットメルト樹脂層を有
    し、このホットメルト樹脂層が加熱により融着封止され
    ていることを特徴とする保護素子。
  2. 【請求項2】前記プラスチックフィルムが、ポリアミド
    (PA),アクリロニトリルブタジエンスチレン(AB
    S),アクリロニトリルスチレン(AS),ポリメチル
    メタアクリル(PMMA),ポリビニルアルコール(P
    VAL),ポリ塩化ビニリデン(PVDC),ポリエチ
    レンテレフタレート(PET),ポリアセタール(PO
    M),ポリカーボネート(PC),ポリフェニレンエー
    テル(PPE),ポリブチレンテレフタレート(PBT
    P),超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE),ポ
    リふっ化ビニリデン(PVDF),ポリサルホン(PS
    F),ポリエーテルサルフォン(PES),ポリフェニ
    レンサルファイド(PPS),ポリアリレート(PA
    R),ポリアミドイミド(PAI),ポリエーテルイミ
    ド(PEI),ポリエーテルエーテルケトン(PEE
    K),ポリイミド(PI),液晶ポリマ(LCP),ポ
    リテトラフロロエチレン(PTFE),フエノール(P
    F),ユリア(UF),メラミン(MF),不飽和ポリ
    エステル(UP),エポキシ(EP),シリコーン(S
    I),ポリウレタン(PUR)およびポリエチレンナフ
    タレート(PEN)の中から選択された1種,またはこ
    れらの2種以上を混合したもの,またはこれらの2種以
    上を積層したもの,またはこれらを主成分とするものの
    いずれかであることを特徴とする請求項1に記載の保護
    素子。
  3. 【請求項3】前記ホットメルト樹脂層が、ポリアミド
    系、ゴム系、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル
    系、フェノール系、酢酸ビニル系のいずれかであること
    を特徴とする請求項1に記載の保護素子。
  4. 【請求項4】前記ホットメルト樹脂層が、前記プラスチ
    ックフィルムの封止面全面に形成されていることを特徴
    とする請求項1または3のいずれかに記載の保護素子。
  5. 【請求項5】前記導体が、前記プラスチックフィルムの
    封止面に形成された電極であることを特徴とする請求項
    1に記載された保護素子。
  6. 【請求項6】前記電極が、導電ペーストの塗布,箔の接
    着,めっき,蒸着,スパッタのいずれかで形成されたも
    のであることを特徴とする請求項5に記載の保護素子。
  7. 【請求項7】前記導体が、リードであることを特徴とす
    る請求項1に記載の保護素子。
  8. 【請求項8】前記導体が、銅,ニッケル,銅合金または
    ニツケル合金の中から選択されたものであることを特徴
    とする請求項5ないし7のいずれかに記載の保護素子。
  9. 【請求項9】前記導体の一部または全面に、金層を有す
    ることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載
    の保護素子。
  10. 【請求項10】前記導体が、表面にはんだ層を有するこ
    とを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載の保
    護素子。
  11. 【請求項11】前記保護素子が、温度ヒューズ,抵抗付
    きヒューズ,電流ヒューズまたは温度ヒューズ兼電流ヒ
    ューズのいずれかであることを特徴とする請求項1ない
    し10のいずれかに記載の保護素子。
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