JP2002030936A - ディーゼルエンジンの渦流式燃焼室 - Google Patents
ディーゼルエンジンの渦流式燃焼室Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 噴霧燃料がノズル下流側の壁面に付着する不
都合を解消して燃焼の活性化を図り、ひいては、エンジ
ンの始動性と青白煙の発生を改善できるディーゼルエン
ジンの渦流式燃焼室を提供する。 【解決手段】 上半部渦流室（１ａ）に燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部渦流室（１
ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口金（５）に
下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを連通する傾
斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔（６）から流
入する気流により渦流式燃焼室（１）内に渦流（Ｓ）を
生成する。燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上
半部渦流室（１ａ）内に突入し、上半部渦流室（１ａ）
の壁面（２）のうち、燃料噴射ノズル（４）に対して渦
流（Ｓ）の進行方向の下流側に位置する壁面（２ｂ）を
噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退させる。
都合を解消して燃焼の活性化を図り、ひいては、エンジ
ンの始動性と青白煙の発生を改善できるディーゼルエン
ジンの渦流式燃焼室を提供する。 【解決手段】 上半部渦流室（１ａ）に燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部渦流室（１
ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口金（５）に
下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを連通する傾
斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔（６）から流
入する気流により渦流式燃焼室（１）内に渦流（Ｓ）を
生成する。燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上
半部渦流室（１ａ）内に突入し、上半部渦流室（１ａ）
の壁面（２）のうち、燃料噴射ノズル（４）に対して渦
流（Ｓ）の進行方向の下流側に位置する壁面（２ｂ）を
噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の渦流式燃焼室に関し、特に渦流式燃焼室内での燃焼の
活性化を図る技術に関する。
の渦流式燃焼室に関し、特に渦流式燃焼室内での燃焼の
活性化を図る技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの渦流式燃焼室とし
ては、従来より例えば図３に示すものが知られている。
この渦流式燃焼室（１）は、上半部渦流室（１ａ）と下
半部渦流室（１ｂ）とから成り、シリンダヘッド（１
０）内に縦長卵形近似の形状に形成され、上半部渦流室
（１ａ）内に燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を
臨ませ、下半部渦流室（１ｂ）を噴孔口金（５）で形成
し、この噴孔口金（５）に下半部渦流室（１ｂ）と主燃
焼室（７）とを連通する傾斜噴孔（６）を開口形成し、
この傾斜噴孔（６）から流入する気流により渦流（Ｓ）
を生成するように構成されている。
ては、従来より例えば図３に示すものが知られている。
この渦流式燃焼室（１）は、上半部渦流室（１ａ）と下
半部渦流室（１ｂ）とから成り、シリンダヘッド（１
０）内に縦長卵形近似の形状に形成され、上半部渦流室
（１ａ）内に燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を
臨ませ、下半部渦流室（１ｂ）を噴孔口金（５）で形成
し、この噴孔口金（５）に下半部渦流室（１ｂ）と主燃
焼室（７）とを連通する傾斜噴孔（６）を開口形成し、
この傾斜噴孔（６）から流入する気流により渦流（Ｓ）
を生成するように構成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記渦
流（Ｓ）の流速が速くなると、上記噴射部（４ａ）から
噴射された未燃の噴霧燃料がその渦流（Ｓ）に吹き流さ
れて、上半部渦流室（１）のノズル下流側の壁面に付着
し、燃焼の妨げになる。この現象は渦流（Ｓ）の流速を
強めて燃焼を活性化しようとする場合に問題となる。
流（Ｓ）の流速が速くなると、上記噴射部（４ａ）から
噴射された未燃の噴霧燃料がその渦流（Ｓ）に吹き流さ
れて、上半部渦流室（１）のノズル下流側の壁面に付着
し、燃焼の妨げになる。この現象は渦流（Ｓ）の流速を
強めて燃焼を活性化しようとする場合に問題となる。
【０００４】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、未燃の噴霧燃料がノズル下流
側の壁面に付着する不都合を解消して燃焼の活性化を図
り、ひいては、エンジンの始動性と青白煙（スモーク）
の発生を改善できるディーゼルエンジンの渦流式燃焼室
を提供することにある。
ものであり、その目的は、未燃の噴霧燃料がノズル下流
側の壁面に付着する不都合を解消して燃焼の活性化を図
り、ひいては、エンジンの始動性と青白煙（スモーク）
の発生を改善できるディーゼルエンジンの渦流式燃焼室
を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の基本構成
を備える。即ち、本発明に係るディーゼルエンジンの渦
流式燃焼室（１）は、上半部渦流室（１ａ）と下半部渦
流室（１ｂ）とから成り、上半部渦流室（１ａ）内に燃
料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部
渦流室（１ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口
金（５）に下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを
連通する傾斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔
（６）から流入する気流により渦流（Ｓ）を生成するよ
うに構成される。
を備える。即ち、本発明に係るディーゼルエンジンの渦
流式燃焼室（１）は、上半部渦流室（１ａ）と下半部渦
流室（１ｂ）とから成り、上半部渦流室（１ａ）内に燃
料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部
渦流室（１ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口
金（５）に下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを
連通する傾斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔
（６）から流入する気流により渦流（Ｓ）を生成するよ
うに構成される。
【０００６】上記課題を解決するために、本発明は以下
のように構成される。即ち、請求項１に記載の発明は、
上記基本構成を備えるディーゼルエンジンの渦流式燃焼
室において、例えば図１に示すように、上記燃料噴射ノ
ズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１ａ）内
に突入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁面
（２）のうち、上記燃料噴射ノズル（４）に対して上記
渦流（Ｓ）の進行方向の下流側に位置する壁面（２ｂ）
を上記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退させた、
ことを特徴とする。
のように構成される。即ち、請求項１に記載の発明は、
上記基本構成を備えるディーゼルエンジンの渦流式燃焼
室において、例えば図１に示すように、上記燃料噴射ノ
ズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１ａ）内
に突入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁面
（２）のうち、上記燃料噴射ノズル（４）に対して上記
渦流（Ｓ）の進行方向の下流側に位置する壁面（２ｂ）
を上記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退させた、
ことを特徴とする。
【０００７】また、請求項２に記載の発明は、上記基本
構成を備えるディーゼルエンジンの渦流式燃焼室におい
て、例えば図２（Ａ）（Ｂ）に示すように、上記燃料噴
射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１
ａ）内に突入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁
面（２）にリング状の凹部（３）を周設し、上記渦流
（Ｓ）の部分流が当該リング状の凹部（３）に添う副分
流（Ｓｂ）を生成するように構成した、ことを特徴とす
る。
構成を備えるディーゼルエンジンの渦流式燃焼室におい
て、例えば図２（Ａ）（Ｂ）に示すように、上記燃料噴
射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１
ａ）内に突入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁
面（２）にリング状の凹部（３）を周設し、上記渦流
（Ｓ）の部分流が当該リング状の凹部（３）に添う副分
流（Ｓｂ）を生成するように構成した、ことを特徴とす
る。
【０００８】
【発明の作用・効果】本発明によれば、以下の作用・効
果を奏する。 （イ）請求項１に記載の発明では、燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１ａ）内に突
入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁面（２）の
うち、上記燃料噴射ノズル（４）に対して上記渦流
（Ｓ）の進行方向の下流側に位置する壁面（２ｂ）を上
記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退させたことか
ら、渦流式燃焼室（１）内での燃焼を活性化することが
できる。
果を奏する。 （イ）請求項１に記載の発明では、燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１ａ）内に突
入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁面（２）の
うち、上記燃料噴射ノズル（４）に対して上記渦流
（Ｓ）の進行方向の下流側に位置する壁面（２ｂ）を上
記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退させたことか
ら、渦流式燃焼室（１）内での燃焼を活性化することが
できる。
【０００９】即ち、上記燃料噴射ノズル（４）の噴射部
（４ａ）が上半部渦流室（１ａ）内に突入された状態
で、その噴射部（４ａ）から噴霧燃料が噴射されるが、
その噴霧燃料が流速の速い渦流（Ｓ）によって吹き流さ
れても、燃料噴射ノズル（４）の下流側に位置する壁面
（２ｂ）が上記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退
しているので、噴霧燃料が当該ノズル（４）の下流側に
位置する壁面（２ｂ）に付着しにくくなり、噴霧燃料が
渦流（Ｓ）に巻き込まれて空燃混合が一層促進される。
従って、渦流（Ｓ）の流速を強めて渦流式燃焼室（１）
内での燃焼を活性化することができ、ひいては、エンジ
ンの始動性と青白煙の発生を改善できる。
（４ａ）が上半部渦流室（１ａ）内に突入された状態
で、その噴射部（４ａ）から噴霧燃料が噴射されるが、
その噴霧燃料が流速の速い渦流（Ｓ）によって吹き流さ
れても、燃料噴射ノズル（４）の下流側に位置する壁面
（２ｂ）が上記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退
しているので、噴霧燃料が当該ノズル（４）の下流側に
位置する壁面（２ｂ）に付着しにくくなり、噴霧燃料が
渦流（Ｓ）に巻き込まれて空燃混合が一層促進される。
従って、渦流（Ｓ）の流速を強めて渦流式燃焼室（１）
内での燃焼を活性化することができ、ひいては、エンジ
ンの始動性と青白煙の発生を改善できる。
【００１０】（ロ）請求項２に記載の発明では、燃料噴
射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１
ａ）内に突入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁
面（２）にリング状の凹部（３）を周設し、上記渦流
（Ｓ）の部分流が当該リング状の凹部（３）に添う副分
流（Ｓｂ）を生成するように構成したことから、渦流式
燃焼室（１）内での燃焼を活性化することができる。
射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１
ａ）内に突入するとともに、上半部渦流室（１ａ）の壁
面（２）にリング状の凹部（３）を周設し、上記渦流
（Ｓ）の部分流が当該リング状の凹部（３）に添う副分
流（Ｓｂ）を生成するように構成したことから、渦流式
燃焼室（１）内での燃焼を活性化することができる。
【００１１】即ち、図２（Ａ）に示すように、上半部渦
流室（１ａ）の壁面（２）にリング状の凹部（３）が周
設されており、上記渦流（Ｓ）は、図２（Ｂ）に示すよ
うに、傾斜噴孔（６）の延長方向に向かう主分流（Ｓ
ａ）と当該凹部（３）に添う左右の副分流（Ｓｂ・Ｓ
ｂ）とに分流される。そして左右の副分流（Ｓｂ・Ｓ
ｂ）は、その下流で縦向きに旋回してきた主分流（Ｓ
ａ）と衝突して微小渦流を生成する。
流室（１ａ）の壁面（２）にリング状の凹部（３）が周
設されており、上記渦流（Ｓ）は、図２（Ｂ）に示すよ
うに、傾斜噴孔（６）の延長方向に向かう主分流（Ｓ
ａ）と当該凹部（３）に添う左右の副分流（Ｓｂ・Ｓ
ｂ）とに分流される。そして左右の副分流（Ｓｂ・Ｓ
ｂ）は、その下流で縦向きに旋回してきた主分流（Ｓ
ａ）と衝突して微小渦流を生成する。
【００１２】他方、燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４
ａ）が上半部渦流室（１ａ）内に突入された状態で、そ
の噴射部（４ａ）から噴霧燃料が噴射されるが、その噴
霧燃料が上記主分流（Ｓａ）によって吹き流されても、
ノズル下流側の壁面（２ｂ）に噴射部（４ａ）から遠ざ
かる方向へ上記凹部（３）が形成されているので、噴霧
燃料が当該ノズル（４）の下流側に位置する壁面（２
ｂ）に付着しにくくなる。つまり、上記副分流（Ｓｂ・
Ｓｂ）と主分流（Ｓａ）との衝突で生成された微小渦流
に噴霧燃料が巻き込まれて空燃混合が一層促進され、渦
流式燃焼室（１）内での燃焼を活性化することができ、
ひいては、エンジンの始動性と青白煙の発生を改善でき
る。
ａ）が上半部渦流室（１ａ）内に突入された状態で、そ
の噴射部（４ａ）から噴霧燃料が噴射されるが、その噴
霧燃料が上記主分流（Ｓａ）によって吹き流されても、
ノズル下流側の壁面（２ｂ）に噴射部（４ａ）から遠ざ
かる方向へ上記凹部（３）が形成されているので、噴霧
燃料が当該ノズル（４）の下流側に位置する壁面（２
ｂ）に付着しにくくなる。つまり、上記副分流（Ｓｂ・
Ｓｂ）と主分流（Ｓａ）との衝突で生成された微小渦流
に噴霧燃料が巻き込まれて空燃混合が一層促進され、渦
流式燃焼室（１）内での燃焼を活性化することができ、
ひいては、エンジンの始動性と青白煙の発生を改善でき
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。図１は本発明の第１の実施形態
に係る渦流式燃焼室の縦断面図である。この実施形態は
従来例と同様の基本構成を備えている。即ち、この実施
形態に係るディーゼルエンジンの渦流式燃焼室（１）
は、上半部渦流室（１ａ）と下半部渦流室（１ｂ）とか
ら成り、上半部渦流室（１ａ）内に燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部渦流室（１
ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口金（５）に
下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを連通する傾
斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔（６）から流
入する気流によりその内面に沿う渦流（Ｓ）を生成する
ように構成されている。
面に基づいて説明する。図１は本発明の第１の実施形態
に係る渦流式燃焼室の縦断面図である。この実施形態は
従来例と同様の基本構成を備えている。即ち、この実施
形態に係るディーゼルエンジンの渦流式燃焼室（１）
は、上半部渦流室（１ａ）と下半部渦流室（１ｂ）とか
ら成り、上半部渦流室（１ａ）内に燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部渦流室（１
ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口金（５）に
下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを連通する傾
斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔（６）から流
入する気流によりその内面に沿う渦流（Ｓ）を生成する
ように構成されている。
【００１４】以下、本発明の特徴構成について説明す
る。第１の実施形態では、図１に示すように、上記燃料
噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１
ａ）内に突入する。この渦流式燃焼室（１）の基本形状
は、縦長卵形近似の形状で、上半部渦流室（１ａ）の半
径が下半部渦流室（１ｂ）の半径よりも若干大きく形成
されている。そしてこの実施形態では、上半部渦流室
（１ａ）の壁面（２）のうち、上記燃料噴射ノズル
（４）に対して上記渦流（Ｓ）の進行方向の下流側に位
置する壁面（２ｂ）を上記噴射部（４ａ）から遠ざかる
方向へ後退させてある。
る。第１の実施形態では、図１に示すように、上記燃料
噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦流室（１
ａ）内に突入する。この渦流式燃焼室（１）の基本形状
は、縦長卵形近似の形状で、上半部渦流室（１ａ）の半
径が下半部渦流室（１ｂ）の半径よりも若干大きく形成
されている。そしてこの実施形態では、上半部渦流室
（１ａ）の壁面（２）のうち、上記燃料噴射ノズル
（４）に対して上記渦流（Ｓ）の進行方向の下流側に位
置する壁面（２ｂ）を上記噴射部（４ａ）から遠ざかる
方向へ後退させてある。
【００１５】前記噴孔口金（５）のノズル下流側の上縁
部内面（５ａ）は、上記壁面（２ｂ）と滑らかに連続す
るように形成されている。これは、上記渦流（Ｓ）の縦
向きの旋回が円滑となるように意図したものである。ま
た、図１中の仮想線（２ａ）は当該渦流式燃焼室（１）
の縦長卵形近似の基本形状を示し、上半部渦流室（１
ａ）のノズル下流側の壁面（２ｂ）と従来例との対比を
明確にしたものである。また、上記壁面（２ｂ）の後退
形状は、渦流式燃焼室（１）内での燃焼の活性化を意図
したものである。
部内面（５ａ）は、上記壁面（２ｂ）と滑らかに連続す
るように形成されている。これは、上記渦流（Ｓ）の縦
向きの旋回が円滑となるように意図したものである。ま
た、図１中の仮想線（２ａ）は当該渦流式燃焼室（１）
の縦長卵形近似の基本形状を示し、上半部渦流室（１
ａ）のノズル下流側の壁面（２ｂ）と従来例との対比を
明確にしたものである。また、上記壁面（２ｂ）の後退
形状は、渦流式燃焼室（１）内での燃焼の活性化を意図
したものである。
【００１６】即ち、上記燃料噴射ノズル（４）の噴射部
（４ａ）が上半部渦流室（１ａ）内に突入された状態
で、その噴射部（４ａ）から噴射された噴霧燃料が、流
速の速い渦流（Ｓ）によって吹き流されても、ノズル下
流側の壁面（２ｂ）が噴射部（４ａ）から遠ざかる方向
へ後退しているので、当該噴霧燃料がその壁面（２ｂ）
に付着しにくくなる。従って、渦流（Ｓ）の流速を強め
て渦流燃焼室（１）内での燃焼を活性化することがで
き、ひいては、エンジンの始動性と青白煙の発生を改善
できるのである。
（４ａ）が上半部渦流室（１ａ）内に突入された状態
で、その噴射部（４ａ）から噴射された噴霧燃料が、流
速の速い渦流（Ｓ）によって吹き流されても、ノズル下
流側の壁面（２ｂ）が噴射部（４ａ）から遠ざかる方向
へ後退しているので、当該噴霧燃料がその壁面（２ｂ）
に付着しにくくなる。従って、渦流（Ｓ）の流速を強め
て渦流燃焼室（１）内での燃焼を活性化することがで
き、ひいては、エンジンの始動性と青白煙の発生を改善
できるのである。
【００１７】図２は本発明の第２の実施形態を示し、図
２（Ａ）はその実施形態に係る渦流式燃焼室の縦断面
図、図２（Ｂ）はその渦流式燃焼室内における渦流の分
流状態を模式的に示す平面図である。この実施形態で
は、図２（Ａ）（Ｂ）に示すように、燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を渦流燃焼室（１）内に突入す
るとともに、上半部渦流室（１）の壁面（２）にリング
状の凹部（３）を周設し、上記渦流（Ｓ）の部分流が当
該凹部（３）に添う副分流（Ｓｂ）を生成するように構
成されている。さらに具体的には、上記リング状の凹部
（３）は、渦流式燃焼室（１）の中心部（Ｃ）を通る垂
直軸線に対して略軸対称となるように形成されている。
２（Ａ）はその実施形態に係る渦流式燃焼室の縦断面
図、図２（Ｂ）はその渦流式燃焼室内における渦流の分
流状態を模式的に示す平面図である。この実施形態で
は、図２（Ａ）（Ｂ）に示すように、燃料噴射ノズル
（４）の噴射部（４ａ）を渦流燃焼室（１）内に突入す
るとともに、上半部渦流室（１）の壁面（２）にリング
状の凹部（３）を周設し、上記渦流（Ｓ）の部分流が当
該凹部（３）に添う副分流（Ｓｂ）を生成するように構
成されている。さらに具体的には、上記リング状の凹部
（３）は、渦流式燃焼室（１）の中心部（Ｃ）を通る垂
直軸線に対して略軸対称となるように形成されている。
【００１８】前記噴孔口金（５）の上縁部内面（５ａ）
は、上記渦流（Ｓ）の縦向きの旋回を円滑にするよう
に、上記壁面（２ｂ）と滑らかに連続するように形成さ
れている。また、図２（Ａ）中の仮想線（２ａ）は当該
渦流式燃焼室（１）の縦長卵形近似の基本形状を示し、
上半部渦流室（１）の壁面（２）に形成されたリング状
の凹部（３）と従来例との対比を明確にしたものであ
る。
は、上記渦流（Ｓ）の縦向きの旋回を円滑にするよう
に、上記壁面（２ｂ）と滑らかに連続するように形成さ
れている。また、図２（Ａ）中の仮想線（２ａ）は当該
渦流式燃焼室（１）の縦長卵形近似の基本形状を示し、
上半部渦流室（１）の壁面（２）に形成されたリング状
の凹部（３）と従来例との対比を明確にしたものであ
る。
【００１９】上記リング状の凹部（３）は、図２（Ａ）
に示すように、上半部渦流室（１ａ）の壁面（２）に周
設されており、ピストン（１１）の圧縮行程で傾斜噴孔
（６）から流入する気流により生成される渦流（Ｓ）
は、図２（Ｂ）に示すように、当該傾斜噴孔（６）の延
長方向に向かう主分流（Ｓａ）と上記凹部（３）に添う
左右の副分流（Ｓｂ・Ｓｂ）とに分流される。そして左
右の副分流（Ｓｂ・Ｓｂ）は、その下流で縦向きに旋回
してきた主分流（Ｓａ）と衝突して微小渦流を生成す
る。
に示すように、上半部渦流室（１ａ）の壁面（２）に周
設されており、ピストン（１１）の圧縮行程で傾斜噴孔
（６）から流入する気流により生成される渦流（Ｓ）
は、図２（Ｂ）に示すように、当該傾斜噴孔（６）の延
長方向に向かう主分流（Ｓａ）と上記凹部（３）に添う
左右の副分流（Ｓｂ・Ｓｂ）とに分流される。そして左
右の副分流（Ｓｂ・Ｓｂ）は、その下流で縦向きに旋回
してきた主分流（Ｓａ）と衝突して微小渦流を生成す
る。
【００２０】他方、燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４
ａ）は、上半部渦流室（１ａ）内に突入されており、こ
の状態で噴射部（４ａ）から噴射される噴霧燃料が、上
記主分流（Ｓａ）によって吹き流されても、ノズル下流
側の壁面に噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ上記凹部
（３）が形成されることとなるので、噴霧燃料が当該ノ
ズル（４）の下流側に位置する凹部（３）に付着しにく
くなる。そして上記副分流（Ｓｂ・Ｓｂ）と主分流（Ｓ
ａ）との衝突で生成された微小渦流に上記噴霧燃料が巻
き込まれて空燃混合が一層促進され、渦流式燃焼室
（１）内での燃焼を活性化することができ、ひいては、
エンジンの始動性と青白煙の発生を改善できるのであ
る。
ａ）は、上半部渦流室（１ａ）内に突入されており、こ
の状態で噴射部（４ａ）から噴射される噴霧燃料が、上
記主分流（Ｓａ）によって吹き流されても、ノズル下流
側の壁面に噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ上記凹部
（３）が形成されることとなるので、噴霧燃料が当該ノ
ズル（４）の下流側に位置する凹部（３）に付着しにく
くなる。そして上記副分流（Ｓｂ・Ｓｂ）と主分流（Ｓ
ａ）との衝突で生成された微小渦流に上記噴霧燃料が巻
き込まれて空燃混合が一層促進され、渦流式燃焼室
（１）内での燃焼を活性化することができ、ひいては、
エンジンの始動性と青白煙の発生を改善できるのであ
る。
【００２１】上記リング状凹部（３）のノズル上流側に
は、渦流式燃焼室（１）の中央部（Ｃ）に対向する縦向
きの突条稜線（３ａ）が形成されている。これは、上記
突条稜線（３ａ）により左右の凹部（３・３）に添う副
分流（Ｓｂ・Ｓｂ）を生成し易くしたものである。ま
た、上半部渦流室（１ａ）の天井壁部分（２ｃ）は、仮
想線（２ａ）で示す卵形近似の基本形状よりも下方に位
置している。これは、上記リング状凹部（３）を設ける
ことで燃焼室全体の圧縮比が低下するのを防止すること
を意図したものである。
は、渦流式燃焼室（１）の中央部（Ｃ）に対向する縦向
きの突条稜線（３ａ）が形成されている。これは、上記
突条稜線（３ａ）により左右の凹部（３・３）に添う副
分流（Ｓｂ・Ｓｂ）を生成し易くしたものである。ま
た、上半部渦流室（１ａ）の天井壁部分（２ｃ）は、仮
想線（２ａ）で示す卵形近似の基本形状よりも下方に位
置している。これは、上記リング状凹部（３）を設ける
ことで燃焼室全体の圧縮比が低下するのを防止すること
を意図したものである。
【００２２】上記の実施形態では、渦流式燃焼室（１）
の基本形状を卵形近似の形状としたものについて例示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、この発
明の要旨を変更しない範囲内において種々の設計変更を
施すことが可能である。
の基本形状を卵形近似の形状としたものについて例示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、この発
明の要旨を変更しない範囲内において種々の設計変更を
施すことが可能である。
【図１】本発明の第１の実施形態に係る渦流式燃焼室の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図２】本発明の第２の実施形態を示し、図２（Ａ）は
その実施形態に係る渦流式燃焼室の縦断面図、図２
（Ｂ）はその渦流式燃焼室内における渦流の分流状態を
模式的に示す平面図である。
その実施形態に係る渦流式燃焼室の縦断面図、図２
（Ｂ）はその渦流式燃焼室内における渦流の分流状態を
模式的に示す平面図である。
【図３】ディーゼルエンジンの従来例に係る渦流式燃焼
室の縦断面図である。
室の縦断面図である。
１…渦流式燃焼室、１ａ…上半部渦流室、１ｂ…下半部
渦流室、２…上半部渦流室の壁面、２ｂ…ノズル下流側
の壁面、３…リング状の凹部、４…燃料噴射ノズル、４
ａ…噴射部、５…噴孔口金、６…傾斜噴孔、７…主燃焼
室、Ｃ…渦流式燃焼室の中心部、Ｓ…渦流、Ｓｂ…副分
流。
渦流室、２…上半部渦流室の壁面、２ｂ…ノズル下流側
の壁面、３…リング状の凹部、４…燃料噴射ノズル、４
ａ…噴射部、５…噴孔口金、６…傾斜噴孔、７…主燃焼
室、Ｃ…渦流式燃焼室の中心部、Ｓ…渦流、Ｓｂ…副分
流。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花田 崇 大阪府堺市築港新町３丁８番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 (72)発明者 藤原 祐彦 大阪府堺市築港新町３丁８番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 Ｆターム(参考） 3G023 AA03 AA07 AA08 AB05 AC05 AD03 AD09 AD22 AD23
Claims (2)
- 【請求項１】 上半部渦流室（１ａ）と下半部渦流室
（１ｂ）とから成り、上半部渦流室（１ａ）内に燃料噴
射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部渦流
室（１ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口金
（５）に下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを連
通する傾斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔
（６）から流入する気流により渦流（Ｓ）を生成するよ
うに構成したディーゼルエンジンの渦流式燃焼室におい
て、 上記燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦
流室（１ａ）内に突入させるとともに、上半部渦流室
（１ａ）の壁面（２）のうち、上記燃料噴射ノズル
（４）に対し上記渦流（Ｓ）の下流側に位置する壁面
（２ｂ）を上記噴射部（４ａ）から遠ざかる方向へ後退
させた、ことを特徴とするディーゼルエンジンの渦流式
燃焼室。 - 【請求項２】 上半部渦流室（１ａ）と下半部渦流室
（１ｂ）とから成り、上半部渦流室（１ａ）内に燃料噴
射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を臨ませ、下半部渦流
室（１ｂ）を噴孔口金（５）で形成し、この噴孔口金
（５）に下半部渦流室（１ｂ）と主燃焼室（７）とを連
通する傾斜噴孔（６）を開口形成し、この傾斜噴孔
（６）から流入する気流により渦流（Ｓ）を生成するよ
うに構成したディーゼルエンジンの渦流式燃焼室におい
て、 上記燃料噴射ノズル（４）の噴射部（４ａ）を上半部渦
流室（１ａ）内に突入させるとともに、上半部渦流室
（１ａ）の壁面（２）にリング状の凹部（３）を周設
し、上記渦流（Ｓ）の部分流が当該リング状の凹部
（３）に添う副分流（Ｓｂ）を生成するように構成し
た、ことを特徴とするディーゼルエンジンの渦流式燃焼
室。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000213573A JP2002030936A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | ディーゼルエンジンの渦流式燃焼室 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000213573A JP2002030936A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | ディーゼルエンジンの渦流式燃焼室 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002030936A true JP2002030936A (ja) | 2002-01-31 |
Family
ID=18709305
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000213573A Pending JP2002030936A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | ディーゼルエンジンの渦流式燃焼室 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002030936A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100427734C (zh) * | 2003-11-19 | 2008-10-22 | Musi发动机有限公司 | 内燃机 |
| KR100965375B1 (ko) * | 2007-12-03 | 2010-06-22 | 대동공업주식회사 | 디젤엔진의 와류실식 연소실 |
| WO2013012258A3 (ko) * | 2011-07-19 | 2013-06-13 | 현대중공업 주식회사 | 가스 엔진용 예연소실 구조체 |
| EP2998538A1 (en) * | 2014-09-19 | 2016-03-23 | Caterpillar Motoren GmbH & Co. KG | Pre-chamber of internal combustion engine |
-
2000
- 2000-07-14 JP JP2000213573A patent/JP2002030936A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100427734C (zh) * | 2003-11-19 | 2008-10-22 | Musi发动机有限公司 | 内燃机 |
| KR100965375B1 (ko) * | 2007-12-03 | 2010-06-22 | 대동공업주식회사 | 디젤엔진의 와류실식 연소실 |
| WO2013012258A3 (ko) * | 2011-07-19 | 2013-06-13 | 현대중공업 주식회사 | 가스 엔진용 예연소실 구조체 |
| KR101307080B1 (ko) * | 2011-07-19 | 2013-09-11 | 현대중공업 주식회사 | 가스 엔진용 예연소실 구조체 |
| CN104040138A (zh) * | 2011-07-19 | 2014-09-10 | 现代重工业株式会社 | 用于气体发动机的预燃室结构体 |
| US9371771B2 (en) | 2011-07-19 | 2016-06-21 | Hyundai Heavy Industries Co., Ltd. | Precombustion chamber for gas engine |
| EP2998538A1 (en) * | 2014-09-19 | 2016-03-23 | Caterpillar Motoren GmbH & Co. KG | Pre-chamber of internal combustion engine |
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