JP2002030414A - マスク組立体の組立装置及び組立方法 - Google Patents

マスク組立体の組立装置及び組立方法

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JP2002030414A JP2000210185A JP2000210185A JP2002030414A JP 2002030414 A JP2002030414 A JP 2002030414A JP 2000210185 A JP2000210185 A JP 2000210185A JP 2000210185 A JP2000210185 A JP 2000210185A JP 2002030414 A JP2002030414 A JP 2002030414A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク組立体を簡易かつ精度良く組み立てる
こと。 【解決手段】 マスク組立体MAは、液晶ガラス基板W
と、その成膜面を部分的に遮蔽する磁性体性のマスクM
と、マスクMを吸引するマグネットを内蔵し、液晶ガラ
ス基板Wを裏面側からマスクMに押し付けるホルダとを
備える。マスク組立体MAの組立方法は、まずマスクM
上に位置決めして載置された液晶ガラス基板Wの上方
に、ホルダをマスクから離間させた状態で保持する。次
に、マスクM上の液晶ガラス基板Wの裏面をホルダHに
設けた複数の開口Haにそれぞれ挿通させた複数の押付
ピン5によって押圧することによって、液晶ガラス基板
WをマスクMに対して付勢して位置ずれを防止する。次
に、複数の押付ピン5によって液晶ガラス基板Wをマス
クMに対して付勢している状態で、ホルダHの保持を解
除してホルダHを液晶ガラス基板Wに押し付けさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、液晶ガラス基板
等にマスク成膜を行なうためのマスク成膜ラインにおい
て成膜材料源に対向して配置・搬送されるマスク組立体
の組み立てに利用される組立装置と、かかるマスク組立
体の組立方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ガラス基板のマスク成膜ラインで
は、例えば成膜材料源が下側にあるデポアップ形の装置
構成とする場合、マスクの上側に液晶ガラス基板を載
せ、マスクとともに液晶ガラス基板を成膜材料源上方で
一定方向に移動させることによってマスク成膜を行って
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この際、マスク上に液
晶ガラス基板を載せただけでは、成膜中にガラス基板と
マスクとの間に位置ずれが発生したり撓みが形成され、
品質の良い成膜が行えない。このため、液晶ガラス基板
の上にさらにマグネットを埋め込んだ押さえ板を載せ、
液晶ガラス基板を介して磁性体であるマスクを吸引・固
定するマスク組立体とすることが考えられる。そして、
このようなマスク組立体を成膜材料源上方で一定速度で
搬送することにより、マスクから露出した基板部分に所
望の成膜を行うことができる。
【0004】ここで、液晶ガラス基板の上にホルダを載
せる際には、下側のマスクと間の液晶ガラス基板とが予
め精密に位置決めされていなければならない。これを搬
送ロボットを用いて行おうとすると、まず液晶ガラス基
板用の搬送ロボットを用いて液晶ガラス基板をマスク上
に精密に位置決めして搬送し、次にホルダ用の搬送ロボ
ットを用いてホルダを液晶ガラス基板上に精密に位置決
めして搬送することになる。
【0005】さらに、位置決めして配置された液晶ガラ
ス基板の上にホルダをそのまま載せようとすると、マグ
ネットの磁力によりマスク及び液晶ガラス基板がホルダ
に吸引されて浮き上がり、マスクと液晶ガラス基板とを
精度良く位置決めしたままで保持することができない。
このため、ホルダを液晶ガラス基板上へ載せる場合は、
ガラス基板をマスクに対し位置決めしたままで押さえて
おく必要がある。この作業を両搬送ロボットに行わせよ
うとすると、両搬送ロボットが互いに干渉することを上
手に回避する必要が生じる。なお、このようにガラス基
板を押さえておく作業を治具等を用いて手作業で行うこ
とも可能ではあるが、作業性が悪く十分な精度が得られ
ない。
【0006】そこで、本発明は、上記のようなマスク組
立体を簡易かつ精度良く組み立てる際に用いる組立装置
を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、上記マスク組立体を簡易
かつ精度良く組み立てるための組立方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る組立装置は、基板の成膜面を部分的に
支持し遮蔽するためのマスク上に基板を位置決めして載
置する際にこの基板を保持する基板保持手段と、マスク
との間の吸引力によって基板を裏面側からマスクに押し
付け可能なホルダをマスクから離間させた状態で保持す
るホルダ保持手段と、ホルダに設けた複数の開口にそれ
ぞれ挿通されるとともにマスク上に位置決めされた基板
の裏面に当接可能な複数の押付ピンと、複数の押付ピン
を基板の裏面に押圧してこの基板をマスクに対して付勢
することによって、基板及びマスクの位置ずれを防止す
るピン駆動手段とを備える。
【0009】ここで、複数の押付ピンを基板の裏面に付
勢するピン駆動手段としては、空圧シリンダ等の付勢力
を調節できるものを用いることが望ましい。これによ
り、ホルダを基板に近接させる際に、押付ピンを後退さ
せる(基板に対して静止させる)こととなっても、押付
ピンによる基板の裏面への押圧力を一定に保つことがで
きる。また、基板をマスク上に位置決めして載置する際
には、基板保持手段として吸着パッド等を用いて基板を
保持することにより、基板の簡易で精密な把持が可能に
なる。また、ホルダを位置決めされた基板の上方に保持
したり基板へ近接させる際に、ホルダ保持手段として吸
着パッド等を用いて基板を保持することにより、基板の
簡易で精密な把持が可能になる。
【0010】上記組立装置では、マスク上に基板を位置
決めして載置する際に、基板保持手段によって基板を保
持しホルダ保持手段によってホルダを保持するので、単
一の搬送ロボットを用いてマスクと液晶ガラス基板とを
予め簡易に位置決めしつつ液晶ガラス基板上にホルダを
セットすることができる。この際、ホルダをホルダ保持
手段によってマスクから離間させた状態で、マスク上に
位置決めされた基板の裏面を複数の押付ピンによって押
圧することによって、この基板をマスクに対して付勢し
て基板及びマスクの位置ずれを防止することができるの
で、ホルダの保持を解除してホルダを基板へ近接させて
吸引力によってこの基板に押し付けさせる際にも、マス
クと基板との間に位置ずれが発生せず、簡易な作業によ
ってマスク組立体を精密に組み立てることができる。
【0011】また、上記組立装置の好ましい態様では、
ホルダが、マスクに対応する形状を有するフレーム部と
このフレーム部の間に設けた窓部とを有し、基板保持手
段が、基板の裏面において窓部に対応する領域でこの基
板を支持し、ホルダ保持手段が、ホルダのフレーム部を
支持する。
【0012】この場合、基板保持手段とホルダ保持手段
とがそれぞれ異なる領域で基板やホルダを支持すること
になるので、相互の干渉が回避され、また、基板保持手
段が窓部に対応する領域を支持するので、ホルダと基板
保持手段との干渉も回避できる。
【0013】また、本発明に係るマスク組立体の組立方
法は、成膜の対象となる基板と、この基板の成膜面を部
分的に支持し遮蔽するマスクと、このマスクとの間の吸
引力によって基板を裏面側からマスクに押し付けるホル
ダとを備えるマスク組立体の組立方法であって、基板を
マスク上に成膜面を下側にして位置決めして載置する第
1工程と、ホルダを位置決めされた基板の上方にマスク
から離間させた状態で保持する第2工程と、マスク上の
基板の裏面をホルダに設けた複数の開口にそれぞれ挿通
させた複数の押し付けピンによって押圧することによっ
て、この基板をマスクに対して付勢して位置ずれを防止
する第3工程と、複数の押付ピンによって基板をマスク
に対して付勢している状態で、ホルダを基板へ近接させ
て吸引力によってこの基板に押し付けさせる第4工程と
を備える。
【0014】上記組立方法では、第1工程で、基板をマ
スク上に成膜面を下側にして位置決めして載置するの
で、マスクと液晶ガラス基板とを予め簡易に位置決めす
ることができる。また、第3工程で、マスク上の基板の
裏面をホルダに設けた複数の開口にそれぞれ挿通させた
複数の押付ピンによって押圧することによって、この基
板をマスクに対して付勢して位置ずれを防止するので、
第4工程でホルダを基板へ近接させて吸引力によってこ
の基板に押し付けさせる際に、マスクと基板との間に位
置ずれが発生せず、簡易な作業によって位置ずれのない
マスク組立体を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るマスク組立体
の組立方法及び組立装置の実施形態を図面を参照しつつ
具体的に説明する。
【0016】図1は、マスク組立体を用いてマスク成膜
を行う成膜装置の構造を説明する図である。この成膜装
置は、成膜室である真空容器10と、真空容器10中に
プラズマビームPBを供給するプラズマ源であるプラズ
マガン30と、真空容器10内の底部に配置されてプラ
ズマビームPBが入射する陽極部材50と、真空容器1
0上部に配置されてマスク組立体MAを陽極部材50の
上方で移動させる搬送機構70と、真空容器10内を所
定の真空度及び雰囲気に調整する真空排気装置等からな
る雰囲気調整装置90とを備える。
【0017】ここで、プラズマガン30は、プラズマビ
ームPBを発生する圧力勾配型のプラズマガンであり、
プラズマガン30と真空容器10との間には、プラズマ
ビームPBを真空容器10まで導く中間電極41、4
2、ステアリングコイル44等が配置されている。ま
た、陽極部材50は、プラズマガン30からのプラズマ
ビームPBを下方に導くとともに蒸発材料を収容するハ
ース本体53を有するハース51と、その周囲に配置さ
れた環状の補助陽極52とからなる。搬送機構70は、
搬送路71内に水平方向に等間隔で配列された複数のコ
ロ72と、これらのコロ72を適当な速度で回転させて
マスク組立体MAを一定速度で移動させる駆動装置(図
示を省略)とを備える。
【0018】この成膜装置においては、プラズマガン3
0の陰極31と真空容器10内のハース51との間で放
電が生じ、これによりプラズマビームPBが生成され
る。このプラズマビームPBは、ステアリングコイル4
4や補助陽極52内の永久磁石等により決定される磁界
に案内されてハース51に到達する。ハース本体53に
収納された例えばITO(インジウム錫酸化物)等の蒸
発材料は、プラズマビームPBにより加熱されて蒸発す
る。この蒸発粒子は、プラズマビームPBによりイオン
化され、搬送機構70によって一定速度で移動するマス
ク組立体MAの下面に露出する液晶ガラス基板の表面に
付着し、ここにITO(インジウム錫酸化物)等の被膜
が形成される。
【0019】図2は、成膜用治具であるマスク組立体M
Aの構造を説明する分解斜視図である。マスク組立体M
Aは、成膜の対象となる液晶ガラス基板Wを、マスクM
とホルダHとで挟んだ構造になっている。
【0020】液晶ガラス基板Wは、矩形の薄板であり、
成膜面WaがマスクMに対向し、裏面WbがホルダHに
対向する。マスクMは、一対の矩形開口を有するフレー
ム状の薄板であり、磁性体で形成されている。ホルダH
は、マスクMと同様に一対の矩形開口Hbを有するフレ
ーム状の外形を有するが、ある程度の厚みがあり、マス
クMを磁力によって吸引するマグネットを内蔵する。な
お、ホルダHには、後に説明する組立装置の押付ピンを
挿通させるため、多数の開口Haが枠に沿って等間隔で
形成されている。
【0021】マスクMは、成膜に際して液晶ガラス基板
Wの成膜面Waを部分的に支持し遮蔽する。ホルダH
は、マスクMとの間の磁気吸引力によって液晶ガラス基
板Wをその裏面Wb側からマスクMに押し付ける。これ
により、マスクMと液晶ガラス基板Wとをアライメント
した状態で保持することができる。
【0022】図3は、マスク組立体MAの組立装置の構
造を説明する図である。この組立装置は、保持したホル
ダHを液晶ガラス基板Wを載せたマスクM上にセットす
るための組立用ハンド100と、組立用ハンド100を
目的の場所に搬送して適宜動作させる搬送ロボットであ
る搬送装置200と、組立用ハンド100の位置を検出
して搬送装置200にフィードバックする位置センサ3
00と、組立用ハンド100に設けた後述する吸着パッ
ドや空圧シリンダ等を適当なタイミングで動作させる吸
排気装置400とを備える。なお、搬送装置200、位
置センサ300、及び吸排気装置400は、図示を省略
するコンピュータによってその動作が統括的に制御され
る。
【0023】組立用ハンド100は、ハンド本体2の下
部に等間隔で取り付けられ下方に延びる多数のガラス基
板用吸着部材8と、ハンド本体2の下部に等間隔で取り
付けられ下方に延びる多数のホルダ用吸着部材3と、ハ
ンド本体2に近接したりこれから離間する可動部材4
と、可動部材4の下面に等間隔で取り付けられ下方に延
びる多数の押付ピン5と、可動部材4を昇降移動させる
空圧シリンダ6とを備える。
【0024】基板用吸着部材8は基板保持手段であり、
各基板用吸着部材8は先端に吸着パッド8aを有する。
各吸着パッド8aは、吸排気装置400により負圧を形
成することによって、図2に示すマスク組立体MAの液
晶ガラス基板Wの上面の適所を吸着することができる。
【0025】ホルダ用吸着部材3はホルダ保持手段であ
り、各ホルダ用吸着部材3は先端に吸着パッド3aを有
する。各吸着パッド3aは、吸排気装置400により負
圧を形成することによって、図2に示すマスク組立体M
AのホルダHの上面の適所を吸着することができる。
【0026】可動部材4は、ハンド本体2に設けた開口
2aに通されているガイド棒4aを有し、ハンド本体2
に対して滑らかに昇降する。可動部材4には、複数の開
口4dが設けてあり、これらに各ホルダ用吸着部材3を
それぞれ通すことによって、可動部材4と各ホルダ用吸
着部材3との干渉を避ける構造になっている。
【0027】可動部材4から延びる各押付ピン5の下端
は、高さが一致しており同一面上に配置される。このよ
うな配置の押付ピン5により、後に詳細に説明するが、
マスクM上に載置された液晶ガラス基板Wを裏面から均
一に押し付けることができる。
【0028】空圧シリンダ6は、ピン駆動手段として連
結部材7を介して可動部材4に接続されており、押付ピ
ン5の下端が吸着パッド3aの下端よりも所定距離だけ
下側になる下端位置まで降下させることができる。
【0029】図4は、ホルダ用吸着部材3及び基板用吸
着部材8の配置関係を説明する図である。図示のよう
に、ホルダ用吸着部材3は、ハンド本体2の縁に沿って
適宜配列されている。また、基板用吸着部材8は、フレ
ーム状の構造を有するハンド本体2に設けた複数の矩形
状の窓2dに渡した支持棒に固定されている。つまり、
ホルダ用吸着部材3は、ホルダHのフレーム構造に対応
するハンド本体2の縁部分に配置され、基板用吸着部材
8は、ホルダHのフレーム構造との干渉を避けるよう
に、ハンド本体2の縁部分よりも内側すなわち中央側に
配列されている。
【0030】図5は、ホルダ用吸着部材3及び基板用吸
着部材8の動作を説明する図である。図5(a)は、基
板用吸着部材8による液晶ガラス基板Wの保持を説明
し、図5(b)は、ホルダ用吸着部材3によるホルダH
の保持を説明する。
【0031】図5(a)に示すように、液晶ガラス基板
Wは、ホルダ用吸着部材3よりも下側まで延びている基
板用吸着部材8によって支持される。一方、図5(b)
に示すように、ホルダHは、上側のホルダ用吸着部材3
によって支持される。ホルダ用吸着部材3によってホル
ダHを支持する場合、基板用吸着部材8の吸着パッド8
aは、ホルダHの矩形開口Hbに入り込むので、ホルダ
Hとの干渉を回避することができる。また、吸着パッド
8aの下端と吸着パッド3aの下端との高低差は、ホル
ダHの厚み以下となっている。これにより、ホルダ用吸
着部材3がホルダHを保持しているときにも、ホルダH
の下端から吸着パッド8aが突出しないので、ホルダH
を液晶ガラス基板W上に配置する際に、液晶ガラス基板
Wと吸着パッド8aとが干渉することを回避できる。
【0032】図6〜9は、図3に示す組立装置を用いた
マスク組立体MAの組み立てを説明する図である。
【0033】まず、組立用ハンド100において空圧シ
リンダ6に適当な圧力のガスを供給して可動部材4を上
端位置まで上昇させる。さらに、搬送装置200と位置
センサ300とを利用して、組立用ハンド100を支持
ピンSP上に載置され成膜面を下側にした液晶ガラス基
板W上方まで移動させここで降下させる。これにより、
液晶ガラス基板Wの裏面に吸着パッド8を吸着させ、液
晶ガラス基板Wを組立用ハンド100の下部に保持する
ことができる(図6(a)参照)。
【0034】次に、搬送装置200と位置センサ300
とを利用して、液晶ガラス基板Wを保持した組立用ハン
ド100をマスクM上方に移動させここで降下させる。
これにより、マスクMに対し液晶ガラス基板Wが精密に
位置決めされて配置されるので、吸着パッド3aによる
吸着を解除する(図6(b)参照)。
【0035】次に、組立用ハンド100において空圧シ
リンダ6に適当な圧力のガスを供給して可動部材4を下
端位置まで降下させる。さらに、搬送装置200と位置
センサ300とを利用して、組立用ハンド100を支持
ピンSP上に載置されたホルダH上方まで移動させる
(図7(a)参照)。
【0036】次に、組立用ハンド100を降下させ、ホ
ルダHの裏面に吸着パッド3aを吸着させることによ
り、ホルダHを組立用ハンド100の下部に保持する
(図7(b)参照)。この際、ホルダHに設けた開口H
aに押付ピン5が通されるので、ホルダHと押付ピン5
との干渉が回避される。
【0037】次に、搬送装置200と位置センサ300
とを利用して、ホルダHを保持した組立用ハンド100
をマスクM上の液晶ガラス基板W上方に移動させ、組立
用ハンド100を適宜降下させる。これにより、押付ピ
ン5の先端でマスクM上の液晶ガラス基板Wを裏面側か
ら押圧し、液晶ガラス基板WをマスクMに付勢して、液
晶ガラス基板WとマスクMとを相互に固定する(図8
(a)参照)。この際、空圧シリンダ6の内圧は適当な
値に調整されているので、液晶ガラス基板WをマスクM
に押圧する力を適当な値に維持することができる。
【0038】なお、図示の状態では、ホルダHからの磁
力はマスクMに及ばない。すなわち、可動部材4が下端
位置にあるとき、押付ピン5の下端は、吸着パッド3a
の下端よりも、ホルダHの厚さとホルダHの磁場が十分
に減衰する距離とを加算した距離だけ下側になってい
る。
【0039】次に、搬送装置200と位置センサ300
とを利用して、ホルダHを保持した組立用ハンド100
をさらに降下させ、ホルダHを液晶ガラス基板Wの裏面
に徐々に近接させ、ホルダHを液晶ガラス基板Wの裏面
に当接させる。(図8(b)参照)。ここで、組立用ハ
ンド100を降下させても、空圧シリンダ6が干渉部材
となって、可動部材4が上昇するので、液晶ガラス基板
WはマスクMに予め設定した一定の押圧力で固定され
る。つまり、ホルダH内のマグネットの磁力によりマス
クMがホルダHに引き付けられても、押付ピン5により
液晶ガラス基板Wを押し付けているため、マスクM及び
液晶ガラス基板Wは位置決めされたままで移動しない。
なお、押付ピン5による液晶ガラス基板Wの押付力は、
組立用ハンド100を降下させても、空圧シリンダ6の
供給圧及び受圧面積にて定まる一定値に維持される。
【0040】次に、吸着パッド3aによる吸着を解除
し、搬送装置200と位置センサ300とを利用して組
立用ハンド100を上昇させる(図9(a)参照)。さ
らに、組立用ハンド100を上昇させ、押付ピン5の先
端がホルダH上端よりも高い位置になるようにする(図
9(b)参照)。この状態では、マスクMがホルダH内
のマグネットの磁力により引き付けられているため、マ
スクM、液晶ガラス基板W及びホルダHの3点は密着し
ている。
【0041】以上により、マスクMとホルダHとの間に
液晶ガラス基板Wを位置決めして挟むことができ、図1
の成膜装置に投入すべきマスク組立体MAを組み立てる
ことができる。
【0042】以上実施形態に即してこの発明を説明した
が、この発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。例えば、上記マスク組立体MAは、図1のようなデ
ポアップ形のマスク成膜ラインだけでなく、材料源が上
側でマスク組立体MAが下側となるようなデポダウン形
のマスク成膜ラインでも用いることができる。
【0043】また、上記マスク組立体MAを用いて成膜
する材料もITO等の透明導電膜材料に限らず、金属
膜、誘電体膜、絶縁膜等の各種のものとすることができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るマスク組立体の組立装置によれば、マスク上に基
板を位置決めして載置する際に、基板保持手段によって
基板を保持しホルダ保持手段によってホルダを保持する
ので、単一の搬送ロボットを用いてマスクと液晶ガラス
基板とを予め簡易に位置決めしつつ液晶ガラス基板上に
ホルダをセットすることができる。この際、ホルダをホ
ルダ保持手段によってマスクから離間させた状態で、マ
スク上に位置決めせされた基板の裏面を複数の押付ピン
によって押圧することによって、この基板をマスクに対
して付勢して基板及びマスクの位置ずれを防止すること
ができるので、ホルダの保持を解除してホルダを基板へ
近接させて吸引力によってこの基板に押し付けさせる際
にも、マスクと基板との間に位置ずれが発生せず、簡易
な作業によってマスク組立体を精密に組み立てることが
できる。
【0045】本発明に係るマスク組立体の組立方法によ
れば、第1工程で、基板をマスク上に成膜面を下側にし
て位置決めして載置するので、マスクと液晶ガラス基板
とを予め簡易に位置決めすることができる。また、第3
工程で、マスク上の基板の裏面をホルダに設けた複数の
開口にそれぞれ挿通させた複数の押付ピンによって押圧
することによって、この基板をマスクに対して付勢して
位置ずれを防止するので、第4工程でホルダを基板へ近
接させて吸引力によってこの基板に押し付けさせる際
に、マスクと基板との間に位置ずれが発生せず、簡易な
作業によって位置ずれのないマスク組立体を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスク組立体を用いてマスク成膜を行う成膜装
置の構造図である。
【図2】マスク組立体の構造を説明する分解斜視図であ
る。
【図3】マスク組立体の組立装置の構造を説明する図で
ある。
【図4】マスク用吸着部材及び基板用吸着部材の配置関
係を説明する図である。
【図5】(a)は、基板用吸着部材の動作を説明する図
であり、(b)は、マスク用吸着部材の動作を説明する
図でありる。
【図6】(a)、(b)は、図3の装置を用いたマスク
組立体の組み立て工程を説明する図である。
【図7】(a)、(b)は、図3の装置を用いたマスク
組立体の組み立て工程を説明する図である。
【図8】(a)、(b)は、図3の装置を用いたマスク
組立体の組み立て工程を説明する図である。
【図9】(a)、(b)は、図3の装置を用いたマスク
組立体の組み立て工程を説明する図である。
【符号の説明】
2 ハンド本体 3 ホルダ用吸着部材 3a 吸着パッド 4 可動部材 5 押付ピン 6 空圧シリンダ 8 基板用吸着部材 8a 吸着パッド 10 真空容器 30 プラズマガン 50 陽極部材 51 ハース 70 搬送機構 71 搬送路 72 コロ 100 組立用ハンド 200 搬送装置 300 位置センサ 400 吸排気装置 H ホルダ M マスク MA マスク組立体 PB プラズマビーム W 液晶ガラス基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の成膜面を部分的に支持し遮蔽する
    ためのマスク上に前記基板を位置決めして載置する際に
    当該基板を保持する基板保持手段と、 前記マスクとの間の吸引力によって前記基板を裏面側か
    ら前記マスクに押し付け可能なホルダを、前記マスクか
    ら離間させた状態で保持するホルダ保持手段と、 前記ホルダに設けた複数の開口にそれぞれ挿通されると
    ともに、前記マスク上に位置決めされた前記基板の裏面
    に当接可能な複数の押付ピンと、 前記複数の押付ピンを前記基板の裏面に押圧して当該基
    板を前記マスクに対して付勢することによって、前記基
    板及び前記マスクの位置ずれを防止するピン駆動手段と
    を備えるマスク組立体の組立装置。
  2. 【請求項2】 前記ホルダは、前記マスクに対応する形
    状を有するフレーム部と当該フレーム部の間に設けた窓
    部とを有し、前記基板保持手段は、前記基板の裏面にお
    いて前記窓部に対応する領域で当該基板を支持し、ホル
    ダ保持手段は、前記ホルダの前記フレーム部を支持する
    ことを特徴とする請求項1記載のマスク組立体の組立装
    置。
  3. 【請求項3】 成膜の対象となる基板と、当該基板の成
    膜面を部分的に支持し遮蔽するマスクと、当該マスクと
    の間の吸引力によって基板を裏面側から前記マスクに押
    し付けるホルダとを備えるマスク組立体の組立方法であ
    って、 前記基板を前記マスク上に成膜面を下側にして位置決め
    して載置する第1工程と、 前記ホルダを位置決めされた前記基板の上方に前記マス
    クから離間させた状態で保持する第2工程と、 前記マスク上の前記基板の裏面を前記ホルダに設けた複
    数の開口にそれぞれ挿通させた複数の押し付けピンによ
    って押圧することによって、当該基板をマスクに対して
    付勢して位置ずれを防止する第3工程と、 前記複数の押付ピンによって前記基板を前記マスクに対
    して付勢している状態で、前記ホルダを前記基板へ近接
    させて前記吸引力によって当該基板に押し付けさせる第
    4工程とを備えるマスク組立体の組立方法。
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