JP2002030266A - エポキシ樹脂系液状接着剤組成物およびそれを用いたリペアー方法 - Google Patents

エポキシ樹脂系液状接着剤組成物およびそれを用いたリペアー方法

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JP2002030266A
JP2002030266A JP2000213304A JP2000213304A JP2002030266A JP 2002030266 A JP2002030266 A JP 2002030266A JP 2000213304 A JP2000213304 A JP 2000213304A JP 2000213304 A JP2000213304 A JP 2000213304A JP 2002030266 A JP2002030266 A JP 2002030266A
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epoxy resin
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Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低粘度でかつ剥離除去が容易な優れたリペアー
性を備えたエポキシ樹脂系液状接着剤組成物を提供す
る。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有するエポ
キシ樹脂系液状接着剤組成物である。 (A)液状エポキシ樹脂。 (B)硬化剤。 (C)下記の一般式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする壁膜内に、ポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂を内包してなるマイクロカプセル粒子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱により硬化す
る低粘度のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物であって、
硬化接着後も剥離除去が可能なエポキシ樹脂系液状接着
剤組成物およびそれを用いたリペアー方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、エポキシ樹脂は優れた電気絶
縁性、耐熱性および接着性を有することから、接着剤組
成物の主成分として用いられ、液状やペースト状、シー
ト状等の使用形態にして自動車分野や電子産業分野等の
広範囲な分野で汎用されている。しかしながら、このよ
うなエポキシ樹脂を用いた接着剤組成物は、その硬化物
の接着力が極めて高く、また高温時の弾性率も高いため
に、被着体部品から硬化物を剥離除去することができ
ず、結果、被着体部品をリサイクルすることができない
という問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するために、例えば、特開平11−130946号公報
には、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の熱
可塑性樹脂をエポキシ樹脂中に均一に溶解した接着剤組
成物が開示されている。この接着剤組成物の硬化体は、
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に浸漬
することにより、上記熱可塑性樹脂成分が溶解しリペア
ー可能となることが開示されている。しかしながら、上
記接着剤組成物は、熱可塑性樹脂がエポキシ樹脂に溶解
しており極めて高い粘度を示すため、例えば、ノズル式
ディスペンサーや印刷工法により接着作業を自動化する
ことが困難であるばかりでなく、溶剤を用いたリペアー
性も充分であるとは言い難いものであった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、低粘度でかつ剥離除去が容易で優れたリペアー
性を備えたエポキシ樹脂系液状接着剤組成物およびそれ
を用いたリペアー方法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有するエ
ポキシ樹脂系液状接着剤組成物を第1の要旨とする。 (A)液状エポキシ樹脂。 (B)硬化剤。 (C)下記の一般式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする壁膜内に、ポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂を内包してなるマイクロカプセル粒子。
【化2】
【0006】また、本発明は、上記エポキシ樹脂系液状
接着剤組成物を用いて形成された硬化体層を介して被着
体に接着対象物を接着固定してなる物品のリペアー方法
であって、上記硬化体層を有機溶剤によって膨潤させた
後、物品から上記硬化体層を剥離除去し、残った部分の
少なくとも一部をリペアーに供するリペアー方法を第2
の要旨とする。
【0007】すなわち、本発明者は、低粘度でかつ硬化
接着後の剥離除去が容易でリペアー性に優れた接着剤組
成物を得る目的で鋭意研究を重ねた。その結果、前記特
定の構造単位を有する重合体を主成分とする壁膜内に、
ポリヒドロキシポリエーテル樹脂を内包してなるマイク
ロカプセル粒子を用いると、低粘度であり、しかも接着
後に接着剤組成物の硬化体を除去することが容易なリペ
アー性に優れた接着剤組成物が得られることを見出し、
本発明に到達した。
【0008】なお、本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤
組成物における「液状」とは、接着剤組成物が室温(2
5℃)で液状(ペースト状を含む)であるという趣旨で
ある。そして、本発明においては、液状とは、具体的に
は、25℃で粘度が100〜100万mPa・sの範囲
をいう。好ましくは3000〜10万mPa・sの範囲
である。
【0009】なかでも、上記マイクロカプセル粒子の壁
膜が、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート
化合物(a)およびトリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンの付加化合物(b)の少なくとも一方
と、アミン化合物とを反応させることにより形成された
ものであると、マイクロカプセルを調製する際の造膜
性、機械的強度、隔離性において特に優れるようにな
る。
【0010】そして、上記エポキシ樹脂系液状接着剤組
成物を用い形成された硬化体層を介して接着固定してな
る物品は、上記硬化体層を有機溶剤によって膨潤させた
後、物品から上記硬化体層を剥離除去し、残った部分の
少なくとも一部をリペアーに供することが可能となり、
物品の構成部材をリサイクルすることができるようにな
る。
【0011】また、上記リペアー方法において、有機溶
媒としてポリヒドロキシポリエーテル樹脂を室温下で溶
解させるものを用いると、室温下で上記エポキシ樹脂系
液状接着剤組成物硬化体が有機溶媒により膨潤して、硬
化体の除去が一層容易となる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0013】本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物
は、液状エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)
と、特定のマイクロカプセル粒子(C成分)とを用いて
得ることができる液状の接着剤組成物である。
【0014】上記液状エポキシ樹脂(A成分)として
は、常温で液状を示すものであれば特に限定するもので
はないが、通常、25℃で5〜50万mPa・sの粘度
を有するものが用いられる。また、重量平均分子量は2
00〜1000程度の比較的低分子量のエポキシ樹脂を
用いることが好ましく、エポキシ当量としては100〜
500程度で、1分子中に平均1.5個以上、好ましく
は平均2個以上のエポキシ基を有するものが好ましく用
いられる。具体的には、グリシジル型やビスフェノール
型、ノボラック型、ヘキサヒドロビスフェノール型、ダ
イマー型等のエポキシ樹脂があげられる。これらは単独
でもしくは2種以上併せて用いることができる。なお、
本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物の有する優れ
た特性を阻害せず、また溶液粘度の極度の上昇を伴わな
い範囲であれば、常温で固形状のエポキシ樹脂を任意に
混合することもできる。
【0015】上記液状エポキシ樹脂(A成分)とともに
用いられる硬化剤(B成分)としては、通常エポキシ樹
脂の硬化剤に用いられるものが使用される。具体的に
は、ジシアンジアミド系、イミダゾール系、フェノール
樹脂系、酸無水物系、酸ヒドラジド系、フッ素化ホウ素
化合物系、アミンイミド系、アミン系等の各種硬化剤が
用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用
いることができる。
【0016】上記硬化剤(B成分)の配合量は、液状エ
ポキシ樹脂(A成分)100重量部(以下「部」と略
す)に対して1〜80部に設定することが好ましく、特
に好ましくは3〜50部である。すなわち、配合量が1
部未満のように少なすぎると、エポキシ樹脂の硬化が充
分でなくなる恐れがあり、また80部を超えると、未反
応の官能基が多量に残存するようになり、スムーズに架
橋反応を行うことが困難となる傾向がみられるからであ
る。
【0017】さらに、上記硬化剤(B成分)のみでは硬
化が充分ではなく、硬化温度を低くする必要が生じた
り、硬化時間を長くする必要が生じる場合には、貯蔵安
定性を損なわない範囲内で通常用いられる硬化促進剤を
添加することができる。このような硬化促進剤として
は、例えば、アルキル置換グアニジン系、3−置換フェ
ニル−1,1−ジメチル尿素系、イミダゾール系、イミ
ダゾリン系、3級アミン系、有機ホスフィン系等の各種
硬化促進剤があげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いることができる。そして、これら硬化促
進剤の添加量は、上記液状エポキシ樹脂(A成分)10
0部に対して20部以下となるよう設定することが好ま
しく、特に好ましくは1〜20部の範囲に設定すること
である。
【0018】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る特定のマイクロカプセル粒子(C成分)は、下記の一
般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分
とする壁膜内に、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂を内
包したコア/シェル構造を有するものである。
【0019】
【化3】
【0020】上記一般式(1)において、R1 およびR
2 で表される一価の有機基としては、特に限定はなく、
例えば、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル
基等があげられ、なかでもメチル基が好ましい。そし
て、上記一般式(1)においては、R1 およびR2 がい
ずれもHである場合が好ましい。
【0021】上記特定のマイクロカプセル粒子(C成
分)は、例えば、つぎのようにして製造することができ
る。すなわち、コア成分であるポリヒドロキシポリエー
テル樹脂と、壁膜形成材料である多価イソシアネートを
塩化メチレン等の疎水性低沸点溶剤中に溶解し油相を形
成させる。この油相を分散安定剤を含んだ水相中に乳化
させO/W型のエマルジョンを調整する。この際、分散
した各油滴の粒径は、通常、0.1〜500μm、好ま
しくは0.1〜200μm程度とすることが、重合中の
エマルジョンの安定性の点から好ましい。ついで、この
エマルジョンの水相に多価アミンを添加し溶解すること
により、油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合
させて重付加反応を行う。もしくは、上記エマルジョン
を加温することによって油相中の多価イソシアネートが
水相との界面にて水と反応してアミンを形成し、引き続
き自己重付加反応を生起させる。このようにして、ポリ
ヒドロキシポリエーテル樹脂を内包するように前記一般
式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分と
する壁膜が形成され、ポリウレア樹脂系マイクロカプセ
ルの水性懸濁液を得る。なお、本発明においては、これ
ら2つの反応は同時に進行させて壁膜を形成してもよ
い。続いて、この水性懸濁液から、加温や減圧等の手段
により低沸点溶剤を除去する。その後、遠心分離、ある
いはフィルター濾過により水相中の分散安定剤等を除去
し、残存水分を凍結乾燥または噴霧乾燥により上記特定
のマイクロカプセル粒子(C成分)を製造する。
【0022】また、上記マイクロカプセル粒子の壁膜中
に微量に残存するアミン化合物やアミノ基を酸性化合物
等の各種ブロック剤で中和することにより、一層の保存
安定性を図ることができる。
【0023】上記壁膜形成材料である多価イソシアネー
トとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有
する化合物であればよく、具体的には、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトメチロー
ルプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート
とトリメチロールプロパン付加物、トリフェニルジメチ
レントリイソシアネート、テトラフェニルトリメチレン
テトライソシアネート、ペンタフェニルテトラメチレン
ペンタイソシアネート等のポリフェニレンポリメチレン
ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト等の脂肪族多価イソシアネートの3量体のようなイソ
シアネートプレポリマー等があげられる。これらは単独
でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0024】上記イソシアネートのなかでも、マイクロ
カプセルを調製する際の造膜性、機械的強度、隔離性の
点から、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンの付加物、ポリフェニレンポリメチレンポリイソ
シアネート類を用いることが好ましい。
【0025】一方、上記多価イソシアネート類と反応さ
せる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ
基を有する化合物であればよく、具体的には、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,
8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレ
ンジアミン、m−キシリレンジアミン等があげられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0026】このようなことから、上記特定のマイクロ
カプセル粒子(C成分)では、ポリフェニレンポリメチ
レンポリイソシアネート化合物(a)およびトリレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンの付加化合物
(b)の少なくとも一方と、アミン化合物とを反応させ
ることにより壁膜が形成されると、先に述べたように、
一層優れた特性、すなわち、マイクロカプセルを調製す
る際の造膜性、機械的強度、隔離性に関して優れたもの
が得られるようになる。
【0027】また、本発明においては、油相中に多価イ
ソシアネートとともに多価アルコールを使用し、ウレタ
ン結合を併有したポリウレタン・ポリウレアを壁膜とす
ることもできる。使用される多価アルコールとしては、
カテコール、ナフタレンジオール、1,4−ブチレング
リコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ソルビトール等があげられる。
【0028】そして、本発明において、C成分のマイク
ロカプセル粒子のコア部となるポリヒドロキシポリエー
テル樹脂としては、特に限定されるものではないが、後
述する特定の有機溶剤によって室温で溶解するものが好
ましい。具体的には、下記の一般式(2)で表される繰
り返し単位を主要構成成分とするフェノキシ樹脂、下記
の一般式(3)で表される繰り返し単位を主要構成成分
とする部分臭素化フェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】上記部分臭素化フェノキシ樹脂は、臭素化
ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールF、臭素化ビ
スフェノールS等の2官能フェノールと、非臭素化2官
能フェノールと、エピクロルヒドリンとを反応させて得
られる重合体であり、ランダム共重合体およびブロック
共重合体のいずれであってもよい。
【0032】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂の分
子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは重
量平均分子量3,000〜100,000である。ま
た、上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂の重合体末端
はオキシラン環(エポキシ基)であることが生成したマ
イクロカプセル粒子のシェルの隔離性の点から好まし
い。すなわち、ヒドロキシ末端の重合体では乳化物の油
/水界面にヒドロキシ基が配向し、良質のシェル形成を
妨げるからである。なお、上記重量平均分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定
し、ポリスチレン換算で求めたものである。また、上記
ポリヒドロキシポリエーテル樹脂のガラス転移温度(T
g)は、特に限定されるものではないが、ガラス転移温
度50〜160℃が好ましい。すなわち、ガラス転移温
度(Tg)を高めに設定することにより、優れた耐熱性
を備えるようになる。
【0033】本発明の特定のマイクロカプセル粒子(C
成分)の製造に際して用いられる、上記コア成分および
壁膜形成材料を溶解等する疎水性低沸点溶剤としては、
具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、トルエン、キシレン等があげられ
る。
【0034】さらに、本発明の特定のマイクロカプセル
粒子(C成分)の製造に際して用いられる分散安定剤と
しては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセル
ロース等の水溶性高分子類、あるいはアニオン系界面活
性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等
の界面活性剤類等があげられる。また、コロイダルシリ
カ、粘度鉱物等の親水性無機コロイド物質類等を用いる
こともできる。これらのなかでも界面重合中の乳化物の
安定性の面から、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメ
チルセルロース等の水溶性高分子類が特に好ましく用い
られる。
【0035】このような材料および製造方法にて得られ
る特定のマイクロカプセル粒子(C成分)は、前記一般
式(1)で表される構造単位を有する重合体をシェル成
分とし、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂をコア成分と
するコア/シェル構造を形成している。
【0036】このようにして得られる特定のマイクロカ
プセル粒子(C成分)の粒径は、エポキシ樹脂への均一
な分散性の点から、0.1〜500μmの範囲に設定す
ることが好ましく、より好ましくは0.5〜30μmで
ある。すなわち、0.1μmよりも小さくなると粒子同
士の凝集が激しくなり扱いが困難になる。また、500
μmを超え大きくなるとエポキシ樹脂硬化物中の均一性
が乏しくなるからである。
【0037】上記特定のマイクロカプセル粒子(C成
分)におけるコア成分とシェル成分の比率は、コア/シ
ェル重量比において、95/5〜60/40に設定する
ことが好ましく、より好ましくは90/10〜70/3
0である。すなわち、コア重量比率が全体の95重量%
を超えると、シェル部分が薄くなり隔離性に乏しくな
り、マトリックス成分である周囲のエポキシ樹脂成分に
より容易に膨潤するため本発明の接着剤組成物は液状を
保つことが困難となる。また、60重量%を下回るとシ
ェル厚が厚くなるため、マイクロカプセルの熱破壊に時
間を要するようになるからである。
【0038】上記特定のマイクロカプセル粒子(C成
分)は、前記液状エポキシ樹脂(A成分)100部に対
して10〜80部の範囲に、特に好ましくは20〜60
部の範囲で添加し混合して用いる。すなわち、上記C成
分の配合量が10部に満たない場合は、液状接着剤組成
物の硬化物のリペアー性が乏しくなる恐れがあり、逆に
80部を超えて添加すると、エポキシ樹脂系液状接着剤
組成物の粘度の増加が著しくなり作業性が低下する傾向
がみられるからである。
【0039】なお、本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤
組成物には、前記A〜C成分に加え、目的や用途等必要
応じて各種添加剤を適宜配合することができる。
【0040】上記各種添加剤としては、シリカ、クレ
ー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、カオ
リン、マイカ、アルミナ、水和アルミナ、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、タルク、アンチモン化合
物等の各種充填剤、顔料、老化防止剤等があげられる。
【0041】さらに、本発明のエポキシ樹脂系液状接着
剤組成物には、例えば、用途によっては導電性粒子を添
加して導電性接着剤もしくは異方導電性接着剤とするこ
とができる。上記導電性粒子としては、例えば、金、
銀、ニッケル、銅、亜鉛、錫、インジウム、パラジウム
等の金属粒子、これら金属粒子に金メッキ、ニッケルメ
ッキ等を施したものがあげられる。また、架橋ポリスチ
レン樹脂、架橋エポキシ樹脂、架橋フェノール樹脂、架
橋アクリル樹脂等の架橋された高分子核(コア)に、金
メッキ、ニッケルメッキ(シェル)等を施したものを用
いることも可能である。
【0042】上記導電粒子の最大粒径は20μm以下が
好ましく、10μm以下が特に好ましい。すなわち、最
大粒径が20μmを超えると、塗布表面の平滑性が損な
われたり、例えば、ディスペンサー塗布時においてニー
ドルの穴をふさぐ等のおそれがあるからである。
【0043】上記導電粒子の使用量は、特に限定はない
が、エポキシ樹脂系液状接着剤組成物100体積部に対
して0.1〜10体積部が好ましく、より好ましくは
0.5〜5体積部である。すなわち、導電粒子の使用量
が0.1体積部未満であると、例えば電子部品装置の接
続信頼性が低下するおそれがあり、充填量が10体積部
を超えると、導電粒子間でショート(短絡)の危険性が
大きくなるからである。
【0044】なお、本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤
組成物には、被着体との接着促進、各種無機質粒子との
界面接着強化等を目的として、前記各成分とともに、シ
ランカップリング剤を併用することも可能である。上記
シランカップリング剤としては、特に限定はなく、例え
ば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン等があげられ、これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。
【0045】さらに、前記各成分とともに、三酸化アン
チモン,五酸化アンチモン,臭素化エポキシ樹脂等の難
燃剤や難燃助剤、ポリエチレンワックス,カルナバワッ
クス,モンタンサン系ワックス,アミド系ワックス等の
離型剤、シリコーン化合物等の低応力化剤、着色剤等
を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜配合すること
も可能である。
【0046】本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物
は、例えば、上記各成分を、ロール、ヘンシェルミキサ
ー、ニーダー、ディスパー、溶融混合釜等を用いて、室
温下で均一に分散、混合することにより得ることができ
る。
【0047】本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物
の用途としては、特に限定はなく様々な分野に用いら
れ、例えば、電子部品の電極同士の接合に用いることが
できる。すなわち、配線回路基板の所定の位置(フリッ
プチップ搭載部分)に本発明のエポキシ樹脂系液状接着
剤組成物を塗布する。ついで、配線回路基板の所定位置
にフリップチップを位置合わせした後、所定の条件で加
熱、圧着して、上記液状接着剤組成物を硬化させる。こ
のようにして、上記エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の
硬化体を介して、上記配線回路基板とフリップチップと
が電気的に接続された電子部品を得ることができる。
【0048】本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物
の塗布方法としては、特に限定はなく、例えば、スクリ
ーン印刷法、ディスペンサー塗布法、転写法等があげら
れる。
【0049】上記エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の硬
化加熱条件は、液状エポキシ樹脂(A成分)の反応開始
温度以下が好ましく、具体的には、120〜180℃×
2〜60分程度である。
【0050】本発明のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物
は、常温下では上記マイクロカプセル粒子(C成分)は
液状エポキシ樹脂(A成分)に不溶であるが、高温条件
下では液状エポキシ樹脂(A成分)中に上記マイクロカ
プセル粒子(C成分)のシェル成分およびコア成分であ
るポリヒドロキシポリエーテル樹脂成分が溶解する。そ
の後、硬化剤(B成分)による液状エポキシ樹脂(A成
分)の硬化反応が進行し三次元架橋した硬化物が得られ
る。上記硬化物中では、リペアー成分であるポリヒドロ
キシポリエーテル樹脂成分が均一に溶解もしくは分散し
ている。この硬化物を特定の有機溶媒中に浸漬した場
合、上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂成分が上記有
機溶媒により溶解もしくは膨潤し、硬化物の強度が低下
してリペアー可能となるのである。
【0051】つぎに、上記特性を有する本発明のエポキ
シ樹脂系液状接着剤組成物を用いたリペアー方法につい
ては、特に限定するものではなく様々な分野の物品が対
象となるが、先に述べた電子部品を一例にして説明す
る。すなわち、まず、フリップチップが搭載された配線
回路基板である電子部品を、有機溶媒浴に浸漬する。通
常、浸漬した後、約5〜10分後にエポキシ樹脂系液状
接着剤組成物からなる硬化体の軟化現象が生起する。こ
の軟化により、上記硬化体が膨潤して溶媒和したことを
確認することができる。ついで、上記有機溶媒浴から電
子部品を引き上げた後、上記電子部品を解体し、接着剤
部分を除去することにより、フリップチップおよび配線
回路基板を再利用することができる。
【0052】上記リペアー方法に用いられる有機溶媒と
しては、ケトン系溶剤、グリコールジエーテル系溶剤、
含窒素系溶剤等を用いることが好ましい。これらは単独
でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0053】上記ケトン系溶剤としては、アセトフェノ
ン、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソブ
チルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、
シクロヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、メチルオ
キシド、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノ
ン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピル
ケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−ヘ
プチルケトン、ホロン等が好ましく用いられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0054】上記グリコールジエーテル系溶剤として
は、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルグリコール、トリエチレングリコールジメチル
エーテル等が好ましく用いられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0055】上記含窒素系溶剤としては、N,N′−ジ
メチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド等が好
ましく用いられる。これは単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。
【0056】そして、上記有機溶媒としては、マイクロ
カプセル粒子(C成分)の内包されたポリヒドロキシポ
リエーテル樹脂を室温下で溶解させるものを用いること
が特に好ましく用いられる。具体的には、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン、エチレングリコー
ル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、N,N′−ジメチルホルムアミドを用いること
が特に好ましい。
【0057】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0058】
【実施例1】〔マイクロカプセル粒子の調製〕ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂(フェノトートYP−55、東
都化成社製、重量平均分子量3万、ガラス転移温度84
℃)9.3部、塩化メチレン84部、エチルセルソルブ
9.3部、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネ
ートモノマー(ミリオネートMR200、日本ポリウレ
タン工業社製)1.0部を均一に溶解させて、油相を調
製した。一方、蒸留水150部とポリビニルアルコール
4.5部からなる水相を別途調製し、この中に上記調製
した油相を添加して、ホモミキサーにて乳化しエマルジ
ョン状態にし、これを攪拌機、還流管、滴下漏斗を備え
た重合反応器に仕込んだ。
【0059】一方、ジエチレントリアミン4.5部を含
む水溶液15部を調製し、これを上記重合反応器に備え
られた滴下漏斗内に投入し、重合反応器中のエマルジョ
ンに滴下して30℃で5時間界面重合を行った。つぎ
に、重合反応器から還流管、滴下漏斗、蓋部を外し、オ
ープンな状態で35℃にて残存塩化メチレンを揮散させ
た。得られたサスペンジョン中の粒子の平均径(凝集の
ない一次粒子としての)は4μmであった。
【0060】続いて、遠心分離により水相中のポリビニ
ルアルコール等を除去した後、噴霧乾燥することによっ
て自由流動性を有する凝集状粒子を得た。この凝集状粒
子の平均径は約50μmであった。この凝集状粒子を超
音速ジェット粉砕機により連続的に処理し凝集の少ない
粉体状のコア/シェル構造のマイクロカプセル粒子を得
た〔シェル部分は前記一般式(1)で表される構造単位
を有する重合体を主成分とする壁膜であり、式(1)
中、R1 ,R2 はHである〕。
【0061】〔エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の調
製〕ビスフェノール系液状エポキシ樹脂(エポキシ当量
約165、粘度2.1×103 mPa・s)(以下「エ
ポキシ樹脂A」という)16部、トリメチロールプロパ
ン系液状エポキシ樹脂(エポキシ当量約130、粘度2
00mPa・s)(以下「エポキシ樹脂B」という)4
部、ジヒドラジッド系加熱硬化型硬化剤(MAI、大塚
化学社製)5部、リン系潜在性硬化促進剤(マイクロカ
プセル化トリフェニルホスフィン)2.5部、上記粉体
状のマイクロカプセル粒子9.2部を配合し、3本ロー
ルを通して液状接着剤組成物を得た。
【0062】
【比較例1】エポキシ樹脂A16部、エポキシ樹脂B4
部、ジヒドラジッド系加熱硬化型硬化剤5部、リン系潜
在性硬化促進剤2.5部を配合し、3本ロールを通して
液状接着剤組成物を得た。
【0063】
【比較例2】〔フェノキシ樹脂粒子の調製〕ポリヒドロ
キシポリエーテル樹脂(フェノトートYP−55、東都
化成社製、重量平均分子量3万、ガラス転移温度84
℃)9.3部、塩化メチレン84部、エチルセルソルブ
9.3部を均一に溶解させて油相を調製した。一方、蒸
留水150部とポリビニルアルコール4.5部からなる
水相を別途調製し、この中に上記調製した油相を添加し
て、ホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、こ
れを攪拌機により攪拌しながらオープンな状態で35℃
にて残存塩化エチレンを揮散させた。得られたサスペン
ジョン中の粒子の平均径(凝集のない一次粒子として
の)は3μmであった。
【0064】続いて、遠心分離により水相中のポリビニ
ルアルコール等を除去した後、噴霧乾燥することによっ
て自由流動性を有する凝集状粒子を得た。この凝集状粒
子の平均径は約50μmであった。この凝集状粒子を超
音速ジェット粉砕機により連続的に処理し粉体状のポリ
ヒドロキシポリエーテル粒子(フェノキシ樹脂粒子)を
得た。
【0065】〔エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の調
製〕エポキシ樹脂A16部、エポキシ樹脂B4部、ジヒ
ドラジッド系加熱硬化型硬化剤5部、リン系潜在性硬化
促進剤2.5部、上記粉体状のポリヒドロキシポリエー
テル粒子8.3部を配合した。そして、3本ロールを通
して液状接着剤組成物を得ようとしたが、分散途中で増
粘し流動性を消失した。これは上記ポリヒドロキシポリ
エーテル成分(フェノキシ樹脂成分)がエポキシ樹脂成
分中に溶解したためである。
【0066】
【実施例2〜3】粉体状のマイクロカプセル粒子の配合
量を後記の表1〜表2に示す配合量に変えた。それ以外
は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂系液状接着剤組成
物を作製した。
【0067】
【実施例4】〔マイクロカプセル粒子の調製〕ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂(エピコート#1010、油化
シェル社製、重量平均分子量5000、ガラス転移温度
75℃)9.3部、塩化メチレン84部、エチルセルソ
ルブ9.3部、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシ
アネートモノマー(ミリオネートMR200、日本ポリ
ウレタン工業社製)2.3部を均一に溶解させて油相を
調製した。一方、蒸留水150部とポリビニルアルコー
ル4.5部からなる水相を別途調製し、この中に上記調
製した油相を添加して、ホモミキサーにて乳化しエマル
ジョン状態にし、これを攪拌機、還流管、滴下漏斗を備
えた重合反応器に仕込んだ。
【0068】一方、ジエチレントリアミン4.5部を含
む水溶液15部を調製し、これを上記重合反応器に備え
られた滴下漏斗内に投入し、重合反応器中のエマルジョ
ンに滴下して30℃で5時間界面重合を行った。つぎ
に、重合反応器から還流管、滴下漏斗、蓋部を外し、オ
ープンな状態で35℃にて残存塩化メチレンを揮散させ
た。得られたサスペンジョン中の粒子の平均径(凝集の
ない一次粒子としての)は5μmであった。
【0069】続いて、遠心分離により水相中のポリビニ
ルアルコール等を除去した後、噴霧乾燥することによっ
て自由流動性を有する凝集状粒子を得た。この凝集状粒
子の平均径は約50μmであった。この凝集状粒子を超
音速ジェット粉砕機により連続的に処理し凝集の少ない
粉体状のコア/シェル構造のマイクロカプセル粒子を得
た〔シェル部分は前記一般式(1)で表される構造単位
を有する重合体を主成分とする壁膜であり、式(1)
中、R1 ,R2 はHである〕。
【0070】〔エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の調
製〕エポキシ樹脂A16部、エポキシ樹脂B4部、ジヒ
ドラジッド系加熱硬化型硬化剤5部、リン系潜在性硬化
促進剤2.5部、上記粉体状のマイクロカプセル粒子1
0.3部を配合し、3本ロールを通して液状接着剤組成
物を得た。
【0071】
【実施例5】〔マイクロカプセル粒子の調製〕ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂(エポトートYP−55、東都
化成社製、重量平均分子量30000、ガラス転移温度
84℃)9.3部、塩化メチレン84部、エチルセルソ
ルブ9.3部、トリレンジイソシアネートとトリメチロ
ールプロパンの付加物(コロネートL、日本ポリウレタ
ン工業社製)3.1部を均一に溶解させて油相を調製し
た。一方、蒸留水150部とポリビニルアルコール4.
5部からなる水相を別途調製し、この中に上記調製した
油相を添加して、ホモミキサーにて乳化しエマルジョン
状態にし、これを攪拌機、還流管、滴下漏斗を備えた重
合反応器に仕込んだ。
【0072】一方、ジエチレントリアミン4.5部を含
む水溶液15部を調製し、これを上記重合反応器に備え
られた滴下漏斗内に投入し、重合反応器中のエマルジョ
ンに滴下して30℃で5時間界面重合を行った。つぎ
に、重合反応器から還流管、滴下漏斗、蓋部を外し、オ
ープンな状態で35℃にて残存塩化メチレンを揮散させ
た。得られたサスペンジョン中の粒子の平均径(凝集の
ない一次粒子としての)は6μmであった。
【0073】続いて、遠心分離により水相中のポリビニ
ルアルコール等を除去した後、噴霧乾燥することによっ
て自由流動性を有する凝集状粒子を得た。この凝集状粒
子の平均径は約50μmであった。この凝集状粒子を超
音速ジェット粉砕機により連続的に処理し凝集の少ない
粉体状のコア/シェル構造のマイクロカプセル粒子を得
た〔シェル部分は前記一般式(1)で表される構造単位
を有する重合体を主成分とする壁膜であり、式(1)
中、R1 ,R2 はHである〕。
【0074】〔エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の調
製〕エポキシ樹脂A16部、エポキシ樹脂B4部、ジヒ
ドラジッド系加熱硬化型硬化剤5部、リン系潜在性硬化
促進剤2.5部、上記粉体状のマイクロカプセル粒子1
0.3部を配合し、3本ロールを通して液状接着剤組成
物を得た。
【0075】
【比較例3】〔ポリエーテルスルホン粒子の調製〕ポリ
エーテルスルホン樹脂9.3部、塩化メチレン84部、
エチルセルソルブ9.3部を均一に溶解させて油相を調
製した。一方、蒸留水150部とポリビニルアルコール
4.5部からなる水相を別途調製し、この中に上記調製
した油相を添加して、ホモミキサーにて乳化しエマルジ
ョン状態にし、これを攪拌機により攪拌しながらオープ
ンな状態で35℃にて残存塩化メチレンを揮散させた。
得られたサスペンジョン中の粒子の平均径(凝集のない
一次粒子としての)は5μmであった。
【0076】続いて、遠心分離により水相中のポリビニ
ルアルコール等を除去した後、噴霧乾燥することによっ
て自由流動性を有する凝集状粒子を得た。この凝集状粒
子の平均径は約50μmであった。この凝集状粒子を超
音速ジェット粉砕機により連続的に処理し粉体状のポリ
エーテルスルホン粒子を得た。
【0077】〔エポキシ樹脂系液状接着剤組成物の調
製〕エポキシ樹脂A16部、エポキシ樹脂B4部、ジヒ
ドラジッド系加熱硬化型硬化剤5部、リン系潜在性硬化
促進剤2.5部、上記粉体状のポリエーテルスルホン粒
子8.3部を配合し、3本ロールを通して液状接着剤組
成物を得た。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】このようにして得られた実施例および比較
例のエポキシ樹脂系液状接着剤組成物の各特性を、下記
に示す試験方法に従い測定した。これらの結果を後記の
表3〜表4に併せて示した。
【0081】〔接着剤組成物の粘度〕E型回転粘度計を
用い、25℃で回転速度10rpmの粘度を測定した。
【0082】〔リペアー性(1)〕液状接着剤組成物を
150μmの厚みに皮膜化し、これを175℃で30分
間の条件で硬化させた。得られたフィルム状硬化物を、
N,N−ジメチルホルムアミドとジエチレングリコール
ジメチルエーテルの混合溶剤(混合重量比1:1、溶剤
温度40℃)に浸漬し、フィルム状硬化物が軟化するま
での時間を測定した。
【0083】〔剪断接着力〕液状接着剤組成物を鋼板
(SPCC−SD:100mm×25mm×厚み1.6
mm)に接着面積25×12.5mmの層厚0.12m
mで塗布し、175℃×30分間で接着硬化させ接着剤
層を形成した。これらの試験片についてテンシロン引張
試験機を用いて剪断接着力を測定した(引張速度5mm
/分、測定温度20℃)。
【0084】〔リペアー性(2)〕上記剪断接着力で作
製した試験片を、N,N−ジメチルホルムアミドとジエ
チレングリコールジメチルエーテルの混合溶剤浴(混合
重量比1:1、溶剤温度40℃)に1時間浸漬し、試験
片を手で解体した。その結果を下記のように評価した。 ○:解体可能であり、接着剤層もきれいに剥ぎ取ること
が可能であった。 △:解体可能であるが、接着剤層が残った。 ×:解体が不可能であった。
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】上記表3および表4の結果から、実施例品
は、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂が内包されたコア
/シェル構造のマイクロカプセルを含有する液状接着剤
組成物であることから、低粘度でかつ優れたリペアー性
を備えていることがわかる。
【0088】これに対して、比較例1品は、マイクロカ
プセルを含有しない通常の液状接着剤組成物であるた
め、有機溶媒に浸漬しても膨潤せずリペアー性(1)に
おいては軟化せず、またリペアー性(2)においては解
体できなかった。また、比較例2品は、フェノキシ樹脂
粒子を含有した液状接着剤組成物であることから、液状
接着剤組成物の作製中にポリヒドロキシポリエーテル成
分がエポキシ樹脂中に溶解し、結果、増粘して流動性を
失ってしまった。このため、各試験の測定が不可能とな
った。そして、比較例3品はポリエーテルスルホン粒子
を含有した液状接着剤組成物であることから、リペアー
性(1)においては軟化に90分の長時間を要し、また
リペアー性(2)においては解体できなかった。
【0089】
【発明の効果】以上のように、本発明のエポキシ樹脂系
液状接着剤組成物は、液状エポキシ樹脂(A成分)と、
硬化剤(B成分)と、前記一般式(1)で表される構造
単位を有する重合体を主成分とする壁膜内に、ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂を内包してなるマイクロカプセ
ル粒子(C成分)を含有するものである。このため、低
粘度であり、しかも接着後に接着剤組成物の硬化体を除
去することが容易な優れたリペアー性を備えている。し
たがって、例えば、物品の接着工程中に何らかの不具合
が発生した場合や、上記物品の市場流通後において接着
部分に故障等が生じた場合等は、物品を極めて容易にリ
ペアーすることができ、従来のように物品そのものを廃
棄する必要がないため、リサイクル性に優れている。
【0090】なかでも、上記マイクロカプセル粒子(C
成分)の壁膜が、ポリフェニレンポリメチレンポリイソ
シアネート化合物(a)およびトリレンジイソシアネー
トとトリメチロールプロパンの付加化合物(b)の少な
くとも一方と、アミン化合物とを反応させることにより
形成されたものであると、マイクロカプセルを調製する
際の造膜性、機械的強度、隔離性において特に優れるよ
うになる。
【0091】そして、上記エポキシ樹脂系液状接着剤組
成物を用い形成された硬化体層を介して接着固定してな
る物品に関して、上記硬化体層を有機溶剤によって膨潤
させた後、物品から上記硬化体層を剥離除去することが
可能となり、残った部分の少なくとも一部をリペアーに
供されることからリサイクル性に富んだものである。
【0092】また、上記リペアー方法において、有機溶
媒としてポリヒドロキシポリエーテル樹脂を室温下で溶
解させるものを用いた場合、室温下で上記エポキシ樹脂
系液状接着剤組成物硬化体が有機溶媒により膨潤して、
硬化体の除去が一層容易となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 5/00 C09J 5/00 171/10 171/10 175/02 175/02 Fターム(参考) 4J034 CA14 CA15 CA16 CB03 CB04 CB07 CC12 CC62 CC65 HA07 HA08 HA09 HC03 HC12 HC13 HC61 HC64 HC65 HC67 HC71 HD05 MA24 QC04 QD06 RA08 4J036 AB07 AD08 AF06 AG03 DB15 DC02 DC05 DC19 DC25 DC26 DC31 DC35 DC36 DC41 DD07 FB07 FB12 JA06 4J040 EB022 EC001 EE062 EF062 HA086 HB47 HC01 HC15 HC16 HC19 HC23 HD22 JA01 JA05 JA12 JB02 KA16 KA17 LA11 MA02 MA04 MA10 NA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するこ
    とを特徴とするエポキシ樹脂系液状接着剤組成物。 (A)液状エポキシ樹脂。 (B)硬化剤。 (C)下記の一般式(1)で表される構造単位を有する
    重合体を主成分とする壁膜内に、ポリヒドロキシポリエ
    ーテル樹脂を内包してなるマイクロカプセル粒子。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記(C)成分であるマイクロカプセル
    粒子の壁膜が、下記の(a)および(b)の少なくとも
    一方と、アミン化合物とを反応させることにより形成さ
    れたものである請求項1記載のエポキシ樹脂系液状接着
    剤組成物。 (a)ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート
    化合物。 (b)トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロ
    パンの付加化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエポキシ樹脂系
    液状接着剤組成物を用いて形成された硬化体層を介して
    被着体に接着対象物を接着固定してなる物品のリペアー
    方法であって、上記硬化体層を有機溶剤によって膨潤さ
    せた後、物品から上記硬化体層を剥離除去し、残った部
    分の少なくとも一部をリペアーに供することを特徴とす
    るリペアー方法。
  4. 【請求項4】 上記有機溶剤が、ポリヒドロキシポリエ
    ーテル樹脂を室温下で溶解させるものである請求項3記
    載のリペアー方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110628069A (zh) * 2019-10-31 2019-12-31 常州市华虹化工有限公司 一种注塑表面缺陷修复的塑件表面处理剂及其制备方法
WO2024043288A1 (ja) * 2022-08-24 2024-02-29 日東電工株式会社 接着剤組成物、接着剤層、接着シート、積層体、接合体、接合体の製造方法、及び接合体の解体方法

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