JP2002029717A - 炭素材料の製造法及びその製造装置 - Google Patents
炭素材料の製造法及びその製造装置Info
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Abstract
固体状の非晶質炭素を直接安定してカーボンナノチュー
ブ又はフラーレンに変化させることのできる炭素材料の
製造法その製造装置を提供するにある。 【解決手段】本発明は、 固体状の非晶質炭素とカーボ
ンナノチューブとを含む混合物を、非晶質炭素の自己組
織化温度領域で非酸化性雰囲気中で加熱処理することに
より、非晶質炭素をカーボンナノチューブ及びフラーレ
ンの少なくとも一方に変化させることを特徴とする炭素
材料の製造法、又、容器と、容器内に装荷された原料と
なる非晶質炭素と、フラーレン及びカーボンナノチュー
ブの少なくとも一方とを混合攪拌させる黒鉛又はセラミ
ックス製の攪拌部材と、容器と共に内容物を加熱する加
熱手段と、容器内の内容物を攪拌する攪拌手段とを有す
ることを特徴とする炭素材料の製造装置にある。
Description
料からなるカーボンナノチューブ又はフラーレンに係る
新規な炭素材料の製造法及びその製造装置に関する。
種々の立体構造を採ることが知られており、層状グラフ
ァイト構造やダイヤモンド構造などがその例である。最
近になって、複数の炭素原子がボール状の構造を成すフ
ラーレンや、チューブ状の構造を成すカーボンナノチュ
ーブと呼ばれる新規な立体構造が発見された。これらが
どのような温度・圧力環境で構造的に安定かについては
まだ研究段階にあるものの、工業材料としての応用を目
的にそれらの製造方法については幾つかの提案がされて
いる。
ーブの製造法を大別すると次の三通りになる。第一に、
金属触媒を含浸させた二本の黒鉛棒を突き合わせて通電
することにより、接触部分から炭素を気化させて、同時
に気化したナノメートルサイズの炭素を金属触媒粒子上
に成長させるアーク放電法がある。第二に、アーク放電
させるかわりにレーザビームを照射して炭素原子を気化
させ、同様の金属触媒を利用して立体構造に成長させる
レーザアブレーション法がある。第三に、ガス状の炭化
水素を熱分解して、触媒金属板上に再成長させるCVD(C
hemical VaporDeposition)法がある。
後,触媒上に再び固相成長させる方法である。固相の状
態にある炭素原子を一度気相(ガス)にした後、再び固
相の立体構造を得るようにしている。
用した代表例としては、電子放出装置への応用がある。
その詳細は、一例として文献、「真空」1999年第
42巻8号 ページ 722 から 726に説明されてい
る。カーボンナノチューブはナノメートルサイズの炭素
の管であり、電気伝導性を有する。そのため、カーボン
ナノチューブに電界を加えると、管の端部などで電界集
中が生じ、電子を外部に容易に引き出すことができる。
引き出された電子を蛍光板に当てると発光するので、光
源やディスプレイとして使用できる。従来の電子放出源
と比べると、カーボンナノチューブはその断面サイズが
小さいため、電界集中が効果的に生じると考えられてい
る。このため、電子放出に必要とされる電圧が小さい。
また、高真空環境を必要としないなど、電子放出装置の
電子放出源として用いられる。
開平7―61803号公報、特開平11―43316号
公報、特開2000―86217号公報、特開2000
―95509号公報に上述と同様な方法が示されてい
る。
フラーレンおよびカーボンナノチューブの製造法による
と、所望の立体構造を得るために、炭素原子を一度気相
の状態にする必要があるため、反応過程でガス化した炭
素原子を扱わなければならず、そのため、反応のための
製造装置が複雑になり、量産のための反応制御が難しい
という問題があった。また、従来の製造方法によると、
フラーレンやカーボンナノチューブは生成されるもの
の、同時安定に生成されるとは限らず、そのためフラー
レンとカーボンナノチューブとを所望の比率で含有する
炭素材料を一度に多量に得ることは難しかった。
料の固体状の非晶質炭素を直接安定してカーボンナノチ
ューブ又はフラーレンに変化させる炭素材料の製造方法
及びその製造装置を提供するにある。
る固体状の非晶質炭素、好ましくは粒径1mm以下と、
種となるカーボンナノチューブ及びフラーレン、好まし
くは内径1〜50nmアスペクト比1〜数万の少なくと
も一方とを有する混合物を、前記非晶質炭素の自己組織
化温度領域で非酸化性雰囲気中で加熱処理することによ
り、前記非晶質炭素をカーボンナノチューブ及びフラー
レンの少なくとも一方に変化させることを特徴とする炭
素材料の製造法にある。これらの種の添加量は、1〜1
5重量%が好ましい。
囲気中で加熱処理する固相反応により非晶質炭素をカー
ボンナノチューブ又はフラーレンに変化させることを特
徴とする。また、加熱処理温度を調整することにより生
成したカーボンナノチューブを2μm以下、好ましくは
1μm以下の長さに分断することができる。1μm以下
の長さに分断することにより、ディスプレイ用エミッ
タ、電池(負極材、セパレータ等)、水素吸蔵材等に用
いられる。
素をガス化させずに、固相状態のままで室温で安定な非
晶質化またはCVD法などで得られたダイヤモンド構造物
を、その後の加熱プロセスにより、700〜1100℃の範囲
で発生する炭素原子のカーボンナノチューブ安定化を利
用して、固相状態の非晶質炭素またはダイヤモンド構造
物をフラーレンやカーボンナノチューブに直接変化させ
るようにしている。より具体的には、対象とする炭素材
料を室温で安定な非晶質炭素もしくはダイヤモンドから
フラーレンへの相変態温度まで加熱することで、非晶質
炭素もしくはダイヤモンドを、フラーレンやカーボンナ
ノチューブに変化させるようにしている。ここで相変態
温度とは、非晶質炭素もしくはダイヤモンドがフラーレ
ンやカーボンナノチューブに自己組織化を始める温度
(自己組織化開始温度)であって、実験の結果、大気圧
以下の反応雰囲気の下で700〜1100℃の範囲にあること
が分かった。比較的低い圧力下にある固相の炭素材料の
構造を自己組織化開始温度以上に加熱することで、700
℃より低温で安定な非晶質炭素もしくはダイヤモンド構
造物から、1000℃近傍より高温で安定と考えられるフラ
ーレンやカーボンナノチューブに、自発的に構造変換さ
せるようにしている。
なった方法で、非晶質炭素もしくはダイヤモンドからフ
ラーレンおよびカーボンナノチューブを直接生成させた
り、逆にフラーレンおよびナノチューブから非晶質炭素
もしくはダイヤモンドを直接生成させることができる。
ンとカーボンナノチューブとが混在し、一体化した炭素
材料を安定且つ高い回収率で製造できる。混在の比率
は、反応環境の圧力や温度条件を変えるほか、反応促進
の核として最初に与える炭素立体構造物にどのような構
造のものを採用するかによって制御できる。反応生成の
結果、カーボンナノチューブ長手方向にフラーレンを木
の芽状に成長させることができる。
原料となる非晶質炭素と、フラーレン及びカーボンナノ
チューブの少なくとも一方とを混合攪拌させる黒鉛又は
セラミックス製の攪拌部材と、前記容器と共に内容物を
加熱する加熱手段と、前記容器内の内容物を攪拌する攪
拌手段とを備えたことを特徴とする炭素材料の製造装置
にある。
いずれかよりなること、容器内を減圧下、水素、不活性
ガスのいずれかの雰囲気に設定出来る手段を有するもの
である。
ーブおよびフラーレンを製造する製造装置の斜視図であ
る。本製造装置は、炭素坩堝の容器14内に炭素材料の
原料10、粒径5cm以下の攪拌用の黒鉛、セラミック
ス製の攪拌部材13、炭素製蓋15、ヒータ50、稼動
金属製ステージ51を備えたものである。攪拌は稼動金
属製ステージ51のステージおよびロッドの移動方向5
3の振動によって行われる。攪拌は、バイブレーション
により、上下方向の振動を与えた。
ンナノチューブおよびフラーレンに変化させることにあ
る。そのためには、カーボンナノチューブおよびフラー
レンをその生成核となる種として非晶質炭素である粒径
100μm以下の煤中に約10重量%混合分散させ、振
動させながら非酸化雰囲気中で加熱するものである。本
発明方法では、非晶質炭素の供給量が不足しないように
容器自身を炭素系物質で作り、前記容器を真空放熱コイ
ルに囲まれた攪拌用のテーブル上に乗せる。前記容器が
攪拌用テーブルの運動にともなって上下左右に振動す
る。前記テーブルおよびそれを保持するロッドは鉄基も
しくはニッケル基の耐熱合金を用いる。その時、前記容
器内部にその内壁を削り落とす目的で、小塊を複数個入
れることで十分な非晶質炭素量を確保出来る。攪拌のも
う一つの目的は、カーボンナノチューブおよびフラーレ
ンの生成核に、常に十分な非晶質炭素が供給させるため
である。
0〜1100℃の自己組織化開始温度20以上の温度で
熱処理することにより、固体状の非晶質炭素をカーボン
ナノチューブおよびフラーレンに変化させることが出来
る。作製されたカーボンナノチューブはいずれも先端部
が開放しておらず、いわゆる先端部分にフラーレンのキ
ャップを被せたような閉じた構造をしており、カーボン
ナノチューブの最外面に多数のフラーレンが付着してい
るものである。
ーボンナノチューブを製造する技術等によって得られ
た、50体積%以下のカーボンナノチューブ片もしくはフ
ラーレンが固体状の非晶質炭素中に共存している状態、
もしくは、別な方法を用いて固体状態で得られた非晶質
炭素中に、新たにカーボンナノチューブ片もしくはフラ
ーレンを体積比0.1程度添加した状態から、1気圧以下に
減圧した環境下での自己組織化を利用した熱処理プロセ
スによって、固体状の非晶質炭素がフラーレンおよびナ
ノチューブに変化した形態を示す。
非晶質炭素やダイヤモンド構造の炭素など)および生成
反応の核となる炭素立体構造物(カーボンナノチューブ
片やフラーレン)が自己組織化開始温度まで加熱される
ことにより、カーボンナノチューブが生成され成長し、
同時にフラーレンも生成された状態を示す断面図であ
る。反応の過程において、図2に示す自己組織化開始温
度20より高温の700〜1100℃で加熱する点が重要であ
る。加熱反応雰囲気の圧力としては大気圧以下(10-7 P
aから2HPa)、雰囲気としては水素、不活性ガス、ない
しはガスのない減圧状態(真空)が望ましい。
る上で、核となる立体構造物の種類をカーボンナノチュ
ーブ片およびフラーレンの中から選択すれば、生成後の
立体構造物であるカーボンナノチューブおよびフラーレ
ンの組成を制御できる。反応温度変化の時間に対するプ
ロファイルや圧力を変化させても制御可能である。反応
を促進するために、混合物中に、 鉄 、コバルト、 珪
素 等の金属触媒材料の粉末を添加することが好まし
い。立体構造物として、カーボンナノチューブやフラー
レンなどを使用すれば、一般に炭素の五員環を四個もし
くはそれ以上含む立体構造物を得ることができる。
熱処理過程を変更することによりカーボンナノチューブ
を分断する方法を示す。
た熱処理過程に変更することにより、最初の自己組織化
温度領域21で非晶質炭素がカーボンナノチューブ及び
フラーレンに変化させた後、自己組織化温度領域より低
い非晶質化温度領域22に下げて前記製造装置をそのま
ま作動させることにより、前記自己組織温度領域で作製
したカーボンナノチューブ及びフラーレンが再び非晶質
化する。この非晶質化過程では、得られたカーボンナノ
チューブ及びフラーレンの局部から非晶質化が進行し、
一例として、10μm程度の長さのカーボンナノチュー
ブでは、0.1〜2μm程度の間隔で非晶質部分が発生
し、5〜100個程度の短いカーボンナノチューブに変
化する。又、非晶質化過程からそのまま自己組織化温度
領域に再加熱することにより、非晶質部分はカーボンナ
ノチューブ及びフラーレンに変化する。従って、図3に
示した熱処理を複数回繰返せば、カーボンナノチューブ
は繰返し数に応じて寸断されるので、繰返し数を増やす
ことによってフラーレンの数を増加させることが出来
る。非晶質化温度領域22は300〜700℃が好まし
い。
ラーレンにダイヤモンド構造の炭素を内包した場合のカ
ーボンナノチューブ及びフラーレンの製造法を示す。
製造法によって生成されたカーボンナノチューブの中空
部分に、非晶質炭素もしくはダイヤモンド構造炭素が充
填されている状態、(b)はそれが無いものを示す。こ
の場合、フラーレンおよびナノチューブの直径は1.4
nm以上である。カーボンナノチューブの内部を満たす
充填物である非晶質炭素およびダイヤモンド構造炭素
は、図1に示した生成反応前の原料の非晶質炭素やダイ
ヤモンド構造の炭素などが取り込まれたものである。本
実施例に係わる製造法によると、カーボンナノチューブ
及びフラーレン生成の原料となる固体状の非晶質炭素も
しくはダイヤモンド構造の炭素から、固相―固相の直接
反応により、フラーレンあるいはカーボンナノチューブ
を生成させることができる。(a)は、原料中の非晶質
炭素もしくはダイヤモンド構造炭素がカーボンナノチュ
ーブ及びフラーレンの内径のサイズにフィットするほど
十分小さければフラーレンあるいはカーボンナノチュー
ブがそれを包み込むように形成される。
に下げることによって、フラーレンあるいはカーボンナ
ノチューブから非晶質炭素もしくはダイヤモンドを逆に
生成させることもできる。なお、カーボンナノチューブ
の内部を満たす充填物である非晶質炭素又はダイヤモン
ド構造炭素は、図4に示した生成反応前の原料(非晶質
炭素やダイヤモンド構造の炭素など)が取り込まれたも
のである。
(カーボンナノチューブ構造)は、特に単層であり、チ
ューブ側面全体が六員環構造を成し、更に、上記立体構
造は、ボール状構造(フラーレン構造)であり、少なく
とも1層の炭素層構造より構成される。
によって、自己組織化開始温度Tc以上に加熱した場合
に生成されたフラーレンおよびナノチューブの形態の一
例を示す概観図である。図5(a)は全体図、(b)は
四角で囲んだ部分の拡大図、(c)は(b)とは異なっ
た構造の同じく拡大図である。本発明に係わる炭素材料
の製造法によって生成された、非晶質炭素もしくはダイ
ヤモンド構造炭素を中空部分に有するカーボンナノチュ
ーブが自己組織化温度20以上に加熱された場合、ナノ
チューブの中空部分に含まれる非晶質炭素もしくはダイ
ヤモンドが、更にカーボンナノチューブに自己組織化
し、新たな層を形成するプロセスを示す概観図である。
この反応は、観察の結果、可逆的であり、自己組織化開
始温度20以下に保持した場合、カーボンナノチューブ
の中空部分に非晶質炭素もしくはダイヤモンドが再び充
填されるようにすることができる。フラーレンはカーボ
ンナノチューブの外壁に付着した状態で生成し、その個
数は反応雰囲気の条件や温度プロファイルに依存する
が、代表的な値として1個/μmから20個/μmの範
囲で存在した。
製造法によって生成された、長さが1〜10μmのカー
ボンナノチューブの形態例を示す。図5(b)は、カー
ボンナノチューブとフラーレンとが一体化されている様
子を断面図で示している。図5(c)は,カーボンナノ
チューブの内部に更に非晶質炭素やダイヤモンドなどの
充填物が充填された状態を示している。
面図であり、(a)はは13層のチューブで構成される
多層ナノチューブの全体図を示す。(b)は先端形状は
拡大図に示されるような閉鎖された場合である。(c)は
開放された場合である。側面の壁状の部分は閉鎖型と開
放型で優位差はなく、閉鎖型の先端部分はフラーレンの
半月球が開放型ナノチューブの先端にキャップ状に付着
した状態になる。(c)の先端が開放されて形成させる
には、非晶質化温度で1時間以上加熱することにより準
安定な五員環構造が崩壊して、先端部分が開放されて形
成される。
(カーボンナノチューブ構造)は、特に単層であり、チ
ューブ側面全体が六員環構造を成し立体構造は、ボール
状構造(フラーレン構造)であり、ボール状構造(フラ
ーレン構造)は少なくとも1層の炭素層構造より構成さ
れる。チューブ状構造(カーボンナノチューブ構造)あ
るいはボール状構造(フラーレン構造)は、最小断面径
1.4nm以上の中空部を有し、中空部には非晶質炭素
又はダイヤモンド構造炭素が含まれ、又、立体構造は、
チューブ状構造(カーボンナノチューブ構造)とボール
状構造(フラーレン構造)とを同時に含み、ボール状構
造(フラーレン構造)を成す立体構造物の全てあるいは
一部がチューブ状構造(カーボンナノチューブ構造)を
成す立体構造物の全てあるいは一部の長手方向に沿って
接触あるいは一体構造化している。
によって生成された、幾何学的な立体構造の炭素原子配
列を示す。図7(a)はナノチューブの側面は幾何学的に
平面のグラファイト構造である。グラファイト構造は、
六員環構造と呼ばれる、六角形に化学結合した炭素が亀
の甲羅状に整然と配列した平面状の1枚のシートで構成
される。図7(b)はナノチューブ側面部分を示し、前
記図7(a)のシート状グラファイト構造を円筒状に丸
めた形状になっている。図7(b)のキャップ部分は、
六員環構造のみでは平面状になってしまうため、六員環
構造から炭素が一つ欠落した、五個の炭素が五角形に化
学結合した五員環構造を導入することで、六員環構造の
みの平面構造から、五員環構造および六員環構造の混在
する立体炭素構造に、幾何学的に形状変化する。図7
(c)はフラーレンの全体像であり、サッカーボールに
代表される球体表面を構成し、五員環構造および六員環
構造が混在した幾何学模様になっている。五員環構造の
ような欠員環構造を部分部分に有することで、前記図7
(a)のグラファイト平面構造から球状の立体炭素構造
が形成される。
処理を摂氏700℃以下のフラーレンおよびカーボンナ
ノチューブの非晶質化温度で保持した後、フラーレンお
よびカーボンナノチューブの自己組織化温度である摂氏
700℃から摂氏1100℃の間に設定することによ
り、カーボンナノチューブの長さを10μm以下に切断
したフラーレンおよびカーボンナノチューブがえられ
る。
り、反応雰囲気の組成は水素、不活性ガス、ないしはガ
スのない状態(真空)、もしくは、その組み合わせであ
る。上記加熱処理の最高温度を、摂氏700℃から摂氏
1100℃の間に設定した所定温度(自己組織化開始温
度)以上にすることでフラーレンおよびカーボンナノチ
ューブを製造することができる。得られたフラーレンお
よびカーボンナノチューブは、摂氏700℃以下に保持
することで非晶質炭素にすることができる。
℃以下に保持することで長軸側が部分的に非晶質化し,
10μm以下に細かく寸断させることができ、10μm以
下に細かく寸断されたカーボンナノチューブは、摂氏7
00℃から摂氏1100℃の間に設定した所定温度(自
己組織化開始温度)以上にすることで、カーボンナノチ
ューブに接触した非晶質炭素がフラーレンおよびカーボ
ンナノチューブに自己組織化することができる。
れたもの、又は少なくとも一端が閉鎖されたチューブ状
構造(カーボンナノチューブ構造)であり、少なくとも
1層の炭素層構造より構成されるものである。
煤と呼ばれる固体状の非晶質炭素から容易にフラーレン
やカーボンナノチューブを生成することができる。又、
これにより、非晶質炭素もしくはダイヤモンド構造の炭
素をフラーレンおよびナノチューブの中心孔に充填させ
ることができ、電子放出材料としての導電性および電子
放出特性を変化させることができる。更に、本発明によ
りカーボンナノチューブの切断を、熱処理によって容易
に行うことが出来る。このように、カーボンナノチュー
ブおよびフラーレンを安定、かつ高い回収率で製造でき
る顕著な効果が得られる。
ーレンの製造装置を示す模式図。
ノチューブの熱処理プロファイル。
ノチューブ切断の熱処理プロファイル。
素で充填されたカーボンナノチューブの内部構造が温度
に伴って変化する様子を示す概念図。
ノチューブとフラーレンとの混合物(一体化物)の説明
図。
ノチューブ先端部分が閉じた構造と開いた構造を示す説
明図。
ノチューブ及びフラーレンの分子構造を示す説明図。
12…フラーレン、13…攪拌部材、14…容器、15
…炭素製蓋、20…自己組織化開始温度、21…自己組
織化温度領域、22…非晶質化温度領域、30…カーボ
ンナノチューブの高分解能像、31…フラーレンの高分
解能像、32…カーボンナノチューブ内部に充填してい
るダイヤモンド構造の炭素、33…フラーレン内部に充
填しているダイヤモンド構造の炭素、40…フラーレン
のキャップを被ったカーボンナノチューブの高分解能
像、41…先端の開いたカーボンナノチューブの高分解
能像、42…六員環の炭素分子構造、43…五員環の炭
素分子構造、50…ヒータ、51…稼動金属製ステー
ジ、52…ステージ保持用金属製ロッド、53…ステー
ジおよびロッドの移動方向。
Claims (18)
- 【請求項1】固体状の非晶質炭素とカーボンナノチュー
ブ及びフラーレンの少なくとも一方とを含む混合物を、
前記非晶質炭素の自己組織化温度領域で非酸化性雰囲気
中で加熱処理することにより、前記非晶質炭素をカーボ
ンナノチューブ及びフラーレンの少なくとも一方に変化
させることを特徴とする炭素材料の製造法。 - 【請求項2】固体状の非晶質炭素とフラーレン又はカー
ボンナノチューブの少なくとも一方とを含む混合物を、
700℃以下の前記フラーレン又はカーボンナノチュー
ブの非晶質化温度領域で保持した後、前記フラーレン又
はカーボンナノチューブの自己組織化温度領域の700
〜1100℃の温度に加熱処理することを特徴とする炭
素材料の製造法。 - 【請求項3】請求項1又は2において、前記加熱処理を
減圧下、又は水素及び不活性ガスのいずれかで行うこと
を特徴とする炭素材料の製造法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記加
熱処理によって得られたフラーレン又はカーボンナノチ
ューブを700℃以下に保持することにより非晶質炭素
に戻す工程と該戻された非晶質炭素を700〜1100
℃の自己組織化開始温度以上で加熱処理することによっ
てフラーレン又はカーボンナノチューブに変化させる工
程とを少なくとも一回繰り返すことを特徴とする炭素材
料の製造法。 - 【請求項5】請求項4において、前記カーボンナノチュ
ーブを700℃以下の温度で加熱処理することにより長
軸側に部分的に非晶質化し,長さ10μm以下に寸断さ
せることを特徴とする炭素材料の製造法。 - 【請求項6】請求項5において、前記10μm以下に細
かく寸断されたカーボンナノチューブを700〜110
0℃の間の自己組織化開始温度以上の温度で加熱処理す
ることにより、前記カーボンナノチューブに接触した非
晶質炭素をフラーレン又はカーボンナノチューブに自己
組織化することを特徴とする炭素材料の製造法。 - 【請求項7】請求項1〜6いずれかにおいて、前記カー
ボンナノチューブは、両端が開放された構造、又は少な
くとも一端が閉鎖されたチューブ状構造を有し、少なく
とも1層の炭素層構造よりなることを特徴とする炭素材
料の製造法。 - 【請求項8】請求項1〜6いずれかにおいて、前記カー
ボンナノチューブは、単層であり、該チューブ側面全体
が六員環構造を成すことを特徴とする炭素材料の製造
法。 - 【請求項9】請求項1〜6いずれかにおいて、前記フラ
ーレンは、ボール状構造を有し、少なくとも1層の炭素
層構造により構成されることを特徴とする炭素材料の製
造法。 - 【請求項10】請求項1〜6いずれかにおいて、前記カ
ーボンナノチューブ又はフラーレンは、断面直径が1.
4nm以上の中空部を有することを特徴とする炭素材料
の製造法。 - 【請求項11】請求項1〜10のいずれかにおいて、前
記中空部に非晶質炭素又はダイヤモンド構造炭素が含ま
れることを特徴とする炭素材料の製造法。 - 【請求項12】請求項1〜10のいずれかにおいて、前
記炭素材料は、カーボンナノチューブとボール状構造の
フラーレンとを同時に含み、前記フラーレンの全て又は
一部が、前記カーボンナノチューブの全てあるいは一部
の長手方向に沿って接触又は一体化していることを特徴
とする炭素材料の製造法。 - 【請求項13】請求項1〜10のいずれかにおいて、前
記ボール状構造のフラーレンは、前記カーボンナノチュ
ーブの単位長さ当たり1〜20個/μm存在することを
特徴とする炭素材料の製造法。 - 【請求項14】1層以上の炭素層構造により構成される
カーボンナノチューブと、1層以上の炭素層構造により
構成されるボール状構造のフラーレンとを含み、前記フ
ラーレンの全て又は一部が、前記カーボンナノチューブ
の全て又は一部の長手方向に沿って接触又は一体化して
いることを特徴とする炭素材料。 - 【請求項15】請求項14において、前記ボール状構造
のフラーレンは、前記カーボンナノチューブの単位長さ
当たり1〜20個/μm有することを特徴とする炭素材
料。 - 【請求項16】容器と、該容器内に装荷された原料とな
る非晶質炭素と、フラーレン及びカーボンナノチューブ
の少なくとも一方とを混合攪拌させる黒鉛又はセラミッ
クス製の攪拌部材と、前記容器と共に内容物を加熱する
加熱手段と、前記容器内の内容物を攪拌する攪拌手段と
を備えたことを特徴とする炭素材料の製造装置。 - 【請求項17】請求項16において、前記容器は黒鉛、
アルミナ、ジルコニアのいずれかよりなることを特徴と
する炭素材料の製造装置。 - 【請求項18】請求項16又は17において、前記容器
は密閉式炉であり、減圧下、水素、不活性ガスのいずれ
かであることを特徴とする炭素材料の製造装置。
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