JP2013253011A - 高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 - Google Patents

高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度で高品質の単層カーボンナノチューブを高効率で製造することができる単層カーボンナノチューブの製造方法、及び当該製造方法で得られる単層カーボンナノチューブを利用した透明導電膜を提供する。
【解決手段】化学気相成長法(CVD法)用いた単層カーボンナノチューブの製造方法であって、金属及びその化合物を含む金属不純物が500ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属不純物を殆ど含まない高純度で高品質な単層カーボンナノチューブ、その製造方法及びその応用に関するものである。
カーボンナノチューブ(以下「CNT」とも言う。)は炭素で構成されたグラファイトのシート(グラフェン)を筒状に丸めた構造物であり、円筒の直径は最小で0.4nmである。またカーボンナノチューブには円筒が1原子層のシートで構成された単層カーボンナノチューブから複数枚のシートで構成された多層カーボンナノチューブが存在する。特に単層カーボンナノチューブは、高電気伝導性、高電流密度、バリスチック伝導、高熱伝導度、機械的強度、耐熱性、化学的安定性、細い線幅など優れた特性を有している(特許文献1)。
単層カーボンナノチューブの製造方法として、レーザーオーブン法、アーク放電法といった方法も使用されるが、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン等の遷移金属或いはその化合物(酸化物、炭化物等)を触媒として用いたCVD法が比較的高品質の単層カーボンナノチューブを高効率で製造が可能という特徴を有していることから幅広く利用されている(特許文献2)。しかしながら、CVD法により製造される単層カーボンナノチューブには、触媒として用いた金属或いはその化合物(酸化物、炭化物など)が不純物として多量に含まれる。そのため、実用に供するには不純物を除去する必要があり、CVD法では精製工程を有することが必須となる。しかしながら、上記金属或いはその化合物からなる不純物を除去するには酸および/または高温で処理する必要があるが、その処理過程において、合成された単層カーボンナノチューブは損傷してしまう。その結果、カーボンナノチューブの切断によるカーボンナノチューブ長の短小化や、欠陥が生成しCNTの性能劣化を引起す。例えば、CNTの重要な利用形態である透明導電膜において、実用上必要とする透過率を確保した単層カーボンナノチューブ薄膜では充分な電気伝導性が得られないといった問題が起こる(非特許文献1)。
一方、非金属固体を成長核としたCVD法として、半導体(シリコン、ゲルマニウム、炭化珪素)、酸化物(酸化シリコン)やダイヤモンドのナノ粒子を成長核として使用する単層カーボンナノチューブを合成する方法が報告されている(特許文献2、非特許文献2,3)。この方法の場合、成長核に金属を含まないため金属フリーの単層カーボンナノチューブを得ることが可能になる反面、成長効率が極めて低く、充分な密度の単層カーボンナノチューブ薄膜が得られず、その結果、大量合成が困難であるという問題がある。また、成長核が原料ガスの分解を促進する作用を持たないため、原料ガスを自発的に熱分解することになり、金属触媒を利用したカーボンナノチューブの製造方法よりも高い成長温度が必要であり、基板の材料やデバイスの作製プロセスが制限されるという問題もある。
また、単層カーボンナノチューブを透明導電材料として用いるには、単層カーボンナノチューブを分散塗液とした後、基材に塗工して透明導電膜を得る方法が一般的である。しかしながら、分散塗液を得るための分散化工程を経る中で単層カーボンナノチューブが切断され透明性と電気伝導性が両立しないといった問題があり、更には、市販の高純度と謳われている単層カーボンナノチューブでも分散化工程を経ることにより触媒等の不純物が分離されて凝集し、ヘイズ値が高くなるなど塗膜あるいは透明導電膜としての品質に悪影響を及ぼす現象がある。
特開2011−173739号公報 特開2010−228970号公報
Dong-ming Sun et.al., Nature Nanotechnology 6, 156-161 (2011) D. Takagi et.al., Nano Letters 7, 2272-2275 (2007) D.Takagi et.al.,Journal of American Chemical Society, 131, 6922-6923 (2009)
このように金属触媒または非金属固体を成長核とする単層カーボンナノチューブの作製において、高純度単層カーボンナノチューブと高効率な単層カーボンナノチューブの製造を両立させることが従来技術では困難であった。
また、透明導電膜等への応用に関して、単層カーボンナノチューブを分散工程にかけることにより発生する応用製品への品質問題が指摘されている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、非金属材料を成長核とした高純度単層カーボンナノチューブの製造において、金属不純物を低減すると同時にアモルファスカーボンも低減した高純度で高品質の単層カーボンナノチューブを高効率で製造することができる単層カーボンナノチューブの製造方法、及び当該製造方法で得られる単層カーボンナノチューブを利用した透明導電膜を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)化学気相成長法(CVD法)を用いた単層カーボンナノチューブの製造方法であって、金属及びその化合物を含む金属不純物が500ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法、
(2)前記金属不純物が300ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする、(1)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(3)非金属材料からなる粒子としてナノダイヤモンドを用いることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(4)非金属材料からなる粒子が水素添加ナノダイヤモンドであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(5)ナノダイヤモンドの成長核としての粒径が0.5〜4nmであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(6)ナノダイヤモンドを空気中、500℃〜700℃で高温加熱処理して、粒径を0.5〜4nmとしたナノダイヤモンドを成長核として使用することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(7)高温加熱処理前のナノダイヤモンドの50%粒径が4〜10nmであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(8)成長ガスが炭化水素、アルコール、炭化水素及びアルコールの混合物、炭化水素及び水の混合物、炭化水素及びアルコール及び水の混合物のいずれかであることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(9)アルコールとしてエタノール、炭化水素としてアセチレンを成長ガスに用いることを特徴とする、(8)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(10)エタノールとアセチレンの分圧比が99.78:0.22〜0:100であることを特徴とする、(9)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(11)アセチレンの希釈材としてアルゴンを用いることを特徴とする、(9)又は(10)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(12)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において基板よりも上流側の温度が700〜900℃であり、カーボンナノチューブが成長する基板の周辺温度が600〜850℃であり、且つ上流側の温度は基板周辺の温度よりも常に高いか同等以上であることを特徴とする、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(13)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった組成にすることを特徴とする、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(14)成長ガスとしてエタノールとアセチレンを使用し、エタノールとアセチレンの分圧比が成長初期段階では97.09:2.91〜0:100、定常成長段階では100:0〜99.55:0.45であり、且つ定常成長段階でのアセチレンに対するエタノールの分圧比は成長初期段階よりも常に大きいことを特徴とする、(13)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(15)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった分圧にすることを特徴とする、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(16)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、成長ガス分圧が成長初期段階では0.1Pa〜20kPa、定常成長段階では0.02Pa〜10kPaであり、且つ成長初期段階の成長ガス圧力より定常成長段階で使用する成長ガス圧力が低いことを特徴とする、(15)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(17)成長ガスとしてアセチレンを使用し、アセチレンの分圧が成長初期段階では0.5Pa〜20Pa、定常成長段階では0.02Pa〜10Paであり、且つ成長初期段階のアセチレン分圧より定常成長段階で使用するアセチレン分圧の方が低いことを特徴とする、(15)又は(16)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(18)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、全ガスの圧力が0.02Pa〜100kPaであることを特徴とする、(1)〜(17)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(19)(1)〜(18)のいずれか1項に記載の製造方法により得られ、金属不純物(酸化物などの化合物を含む)が500ppm以下であることを特徴とする、単層カーボンナノチューブ、
(20)(19)に記載の単層カーボンナノチューブを用いて得られる透明導電膜、
に関する。
本発明により高純度、高品質な単層カーボンナノチューブが高効率で得られる。また、それを用いた透明導電膜は他の方法で得られた単層カーボンナノチューブからなる透明導電膜に対して優れた性能を有する。
定温条件対応のCVD装置の概略図 多温条件対応のCVD装置の概略図 実施例1での高温加熱処理(前熱処理)後のナノダイヤモンドのAFMデータ 実施例1において600℃で15分熱処理して得られた単層カーボンナノチューブのSEM像 実施例1において600℃で15分熱処理して得られた単層カーボンナノチューブのラマンデータ 市販単層カーボンナノチューブのSEM−EDSデータ 比較例2において不純分の多いナノダイヤモンドから得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル 比較例3において前熱処理なし、多温条件で得られた単層カーボンナノチューブのSEM像 比較例3において前熱処理なし、多温条件で得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル 実施例2においてエタノール/アセチレン=0/100、均一温度系で得られた単層カーボンナノチューブSEM像 実施例2においてエタノール/アセチレン=0/100、均一温度系で得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル 比較例4においてエタノール/アセチレン=100/0、均一温度系で得られた単層カーボンナノチューブのSEM像 比較例4においてエタノール/アセチレン=100/0、均一温度系で得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル 実施例3において多温法で得られた単層カーボンナノチューブのSEM像 実施例3において多温法で得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル 比較例5においてエタノール/アセチレン=100/0で得られた単層カーボンナノチューブSEM像 比較例5においてエタノール/アセチレン=100/0で得られた単層カーボンナノチューブラマンスペクトル 実施例4で得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル 比較例6で得られたCoからの単層カーボンナノチューブ 実施例5(ガス組性切り替えなし)及び実施例6(ガス組性切り替えあり)で得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトル 実施例7(ガス圧力切り替えなし)及び実施例8(ガス圧力切り替えあり)で得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトル
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本発明の成長核に用いられる非金属材料としてはダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン粒子、フラーレン、グラファイト、カーボンナノチューブなどの炭素材料、又は上記材料を複合した材料等が挙げられるが、好ましくは精製プロセスが不要な炭素材料、特に好ましくはダイヤモンドであり、更に好ましくはナノサイズを有するナノダイヤモンドである。当該非金属材料に含まれる金属不純物(金属及びその酸化物、炭化物などの化合物を含む)は透明性、電気導電性など応用分野において製品特性に影響を与えない量であることが必要であり、500ppm以下、好ましくは300ppm以下である。
本発明において用いられるダイヤモンドとして、天然単結晶ダイヤ、静圧法による単結晶ダイヤモンド、CVD法による多結晶ダイヤモンド膜、爆発間接衝撃法によるダイヤモンド及び/又は爆発直接衝撃法によるダイヤモンドがあるが、好ましくは爆発間接衝撃法及び/又は爆発直接衝撃法により合成されたダイヤモンドであり、更に好ましくはナノサイズに最も分散化が容易な爆発直接衝撃法により合成されたダイヤモンドである。爆発直接衝撃法によるダイヤモンドの合成方法は、例えば、WO2007/001031に記載されている。前記方法により得られたダイヤモンドは、ビーズミリング等の分散化法により50%粒径が50nm以下に、好ましくは30nm以下、更に好ましく4〜15nmに微粒子化された分散体として用いられる。ナノダイヤモンド分散体は室温で通常安定であるが、有機媒体中で更に安定な分散形とする為には、ダイヤモンドを水素雰囲気中300℃〜800℃の条件下で処理して得られた水素添加ナノダイヤモンドを用いることが更に好ましい。
本発明において使用する非金属材料はビーズミリング等の機械的方法で微粒子化して使用するのが好ましい。このような場合、ビーズも磨砕により微粒子化するため非金属材料中に不純物として混入する。このような非金属材料を用いて得られた単層カーボンナノチューブは透明導電材料などに応用されるとき導電性、透明性、ヘイズ等の膜特性に悪影響を及ぼすため、可能な限り金属等の不純物を低減しておかねばならない。その目安としては500ppm以下、望ましくは300ppm以下である。金属酸化物を含む金属に起因する不純物は通常、水を溶媒として酸又はアルカリ性条件下水溶性塩に変換して非金属材料から分離される。この時、場合によっては加熱工程を加えて精製工程を促進させても良い。
本発明においては、単層カーボンナノチューブ成長に必要な核となる非金属材料のうち、ナノダイヤモンドに関しては5nm以上の粒径では成長しないため0.5〜4nmの粒径でなければならない。前記したようにナノダイヤモンドを成長核原料としたときその粒径は4nmより大きい為、粒径を上記範囲の大きさにする必要がある。その方法としては通常ナノダイヤモンド分散液を基板に塗布・乾燥したのち、基板を加熱処理して所望の成長核にする方法が用いられる。その条件は処理中に空気をフローさせない場合は処理温度500〜800℃、処理時間は1分〜60分、望ましくは処理温度500〜700℃、処理時間は1分〜30分であり、処理中に空気をフローさせる場合は500〜700℃、処理時間は30秒〜30分であり、望ましくは500〜600℃、処理時間は30秒〜15分である。処理前のナノダイヤモンドの粒径は、処理温度、処理時間により異なるが、0.4〜4nmという加熱処理後の安定した粒径を、均一に高密度で且つ比較的短時間で得るためには、加熱処理前のナノダイヤモンドの50%粒径は50nm以下、望ましくは30nm以下、更に望ましくは4〜15nmとするのが好ましい。
本発明の炭素源として用いられる成長ガスは炭化水素、アルコール、炭化水素及びアルコールの混合物、炭化水素及び水の混合物、炭化水素及びアルコール及び水の混合物または一酸化炭素のいずれかである。炭化水素としてはメタン、エタン、プロパン、ブタン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテン、アセチレン等の不飽和炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が用いられるが、好ましくは不飽和炭化水素、芳香族炭化水素であり、更に好ましくは不飽和炭化水素、更に好ましくはアセチレンである。CNTの成長中に生じる不安定な欠陥やアモルファスカーボンの生成を抑制するために酸素含有化合物を混合しても良い。酸素含有物質しては水、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類が挙げられる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、オクチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等の脂環式アルコール類、エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、フェノール、クレゾール等の芳香族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノアセテート等のカルボン酸エステル類、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられ、状況に応じて使い分けられるが、好ましくは水、アルコール類であり、更に好ましくは水、エタノールである。また上記の水を除く酸素含有化合物は炭素源として用いることも可能である。
本発明でいう高品質、高純度、金属フリー、高効率については次のように定義できる。高品質については、CNTのラマンスペクトルにおいてCNTのグラフェン構造に由来するG−バンド(1590cm−1付近)と、CNT壁に存在する点欠陥や結晶単欠陥に起因するD−バンド(1350cm−1付近)の強度比I(G)/I(D)で表され、比率が高いほど高品質であると言える。高純度とはアモルファスカーボンや金属不純物の少ないことを言い、アモルファスカーボンに関してはI(G)/I(D)比で、金属不純物については化学的或いは物理的手段で含有量が特定される。金属フリーとは透明導電用途に使用可能な金属不純物含量を指し500ppm以下、望ましくは300ppm以下である。高効率はCNT成長の度合いを言い、シリコン基板上でCNTを成長させたときのG−バンドとシリコンに起因するSiの強度比I(G)/I(Si)で示され数値が高いほど高効率(高収率)で成長していると判断できる。
本発明の炭素源である炭化水素は単独で使用することも可能であるが、炭化水素と酸素含有化合物は混合して用いても良い。また、ガスの混合比は成長中一定としてもよいが、成長途中で変化させることも可能である。エタノールとアセチレンの場合エタノール/アセチレンの分圧比で99.78:0.22〜0:100が好ましい。更に好ましくは、成長初期段階では97.09:2.91〜0:100のガス組成とし、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)では100:0〜99.55:0.45とし、定常成長段階でのアセチレンに対するエタノールの分圧比を成長初期段階よりも常に大きくすることである。又、アセチレンは可燃性で引火性が極めて高く、爆発限界が2.5〜93%と爆発範囲が広く爆発危険性が極めて大きい為、安全性の高い不活性気体で希釈することが望ましく、好ましくはアルゴンを用いる。通常、希釈ガス中のアセチレン濃度は爆発限界を外れる2.5%以下、好ましくは2%以下で用いる。
本発明において、成長ガスのみを用いる場合にはその圧力、成長ガス、希釈ガス、キャリアガスなど複数の種類のガスを用いる場合には、それぞれの分圧およびその分圧の和である全ガス圧力を一定に保持してカーボンナノチューブを成長することが多いが、成長途中にこれらの圧力を変化させてもよい。ガス圧力一定の場合、成長ガス圧力の条件は0.02Pa〜20kPaの範囲、好ましくは0.1Pa〜10kPaの範囲である。成長途中で適切に圧力を変化させることにより、圧力一定の場合よりも高品質なカーボンナノチューブを高効率で生成することが可能となる。そのための圧力条件は、成長ガス圧力が0.02Pa〜20kPaの範囲、更に好ましくは成長初期段階では0.1Pa〜20kPa、定常成長段階では0.02Pa〜10kPaとし、定常成長段階での成長ガス圧力を成長初期段階よりも小さくすることである。またCVD装置内の全ガス圧力は、通常0.02Pa〜100kPaの範囲、好ましくは10Pa〜20kPaである。
成長ガス、希釈ガス、およびキャリアガスからなる全ガスの圧力は成長中一定にすることが多いが、成長ガス圧力の変化に合わせて通常0.02Pa〜100kPaの範囲、好ましくは10Pa〜20kPaで変化させてもよい。
また、成長初期段階および定常成長段階とも、分圧、分圧の和である全ガスの圧力を変化させるのと同時に、前述のガス組成も変更してもよい。
本発明で用いる非金属材料を成長核として用いる時のCVD反応装置は従来から用いられている図1aに示すようなガス活性化温度とCNT成長温度が単一温度領域にある装置が使用できる。非金属粒子は従来技術で用いられている鉄やコバルトなどの金属触媒のような原料ガスの分解を促進する効果を持たないため、非金属粒子から単層カーボンナノチューブを成長させるためには、原料ガスが自発的に熱分解を起こす温度以上で処理する必要がある。その最適な温度領域は用いられる成長ガスの種類や混合組成により異なるが、通常は700〜1000℃である。
更に高効率で高品質、高純度な単層カーボンナノチューブを得るためには、図1bで示すような、原料ガス活性化温度と単層カーボンナノチューブ成長温度とを個別に設定した多温度領域CVD装置を用いることが出来、更に好ましい。この装置を用いることにより成長核上の表面拡散や単層カーボンナノチューブ形成過程を独立に制御することが可能となり、より高効率で高品質、高純度な単層カーボンナノチューブを得ることが可能となる。この場合も最適な温度領域は用いられる成長ガスの種類や分圧、および混合組成により異なるが、上流側の原料ガス活性化温度は700〜1200℃、好ましくは700〜900℃であり、基板周辺温度は500〜1000℃、好ましくは600〜850℃である。この時、上流側の温度を熱分解温度よりも充分に高くし、試料周辺温度はそれよりも常に高いか同等かの条件にすることにより高効率・高品質成長に適した結果を得ることが出来る。
本発明の単層カーボンナノチューブを用いて得られる透明導電膜は、フラットパネルディスプレイ、太陽電池、タッチパネルの電極、車両用フロントガラスや冷蔵ショーウィンドウなどの防曇窓ガラスの透明ヒーター、各種用途向けの帯電防止膜、電磁遮蔽膜等に用いられる。金属触媒から生成した単層カーボンナノチューブを用いて透明導電膜とするには一般的には単層カーボンナノチューブに含有される金属類を除去して一旦精製単層カーボンナノチューブとした後、分散化工程を経て分散塗液としそれを基材に塗工・乾燥して透明導電膜とする。しかしながら金属類の除去工程を経てもCNT中にある金属を本発明の不純物量まで下げることは出来ない。また、精製工程で単層カーボンナノチューブに欠陥が生じたり切断されたりするという問題点を有している。さらに、分散化工程では単層カーボンナノチューブが切断され、その結果導電性が低下するという問題がある。さらに、除去できなかった金属不純物は分散工程中に分離・凝集して、導電膜のヘイズ値が大きくなり透明膜としての性能が損なわれるという問題もある。本発明で得た単層カーボンナノチューブは金属不純物が極めて少ないため金属除去の生成工程が不要であり、基板に直接成長させることにより分散工程も不要で成長した単層カーボンナノチューブをそのまま利用できるため導電性、透明性に優れた透明導電膜を得ることが出来る。一方、これと同じ方法で金属触媒を用いて単層カーボンナノチューブを同じような収量で得た透明導電膜は、理由は不明であるが、本発明の導電膜に比べて導電性が劣っている。また、樹脂フィルムのように耐熱性のない基板を用いた場合は、CoMoCAT法類似の方法を用いて単層カーボンナノチューブを作製・冷却工程を経てフィルムに定着させることにより透明導電膜を得ることが出来る。透明導電膜としての性能は用途によりまちまちであるが10Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、更に好ましくは10Ω/□以下である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
実施例1
1cm角のシリコン基板上に、5〜15nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンド(日本化薬製 Ustalla TypeC)の0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で15分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。その成長核の原子間力顕微鏡(AFM)の測定結果を図2に示す。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール8sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)8sccm/アルゴン・水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図3に示す。また、SEM−EDSで金属由来の不純物は検出できず金属フリーの単層カーボンナノチューブが生成したことが判った。更に、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比(I(G)/I(Si)比))を比較したところ1.1(図4)という高い値が得られ、高効率(高収率)で単層カーボンナノチューブが生成していることが示された。また、I(G)/I(D)比から、後述する比較例2の未処理品に比べて高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが判った。
比較例1
次に、高純度と謳われている市販の単層カーボンナノチューブをSEM−EDSで観察したところコバルト、モリブデンそしてシリコンが検出された(図5)。
比較例2
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び23000ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で15分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール8sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)8sccm/アルゴン・水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトルを図6に示す。I(G)/I(Si)比から高効率で単層カーボンナノチューブが生成していることが判るが、SEM−EDSでジルコニウム由来の不純物が検出された。
比較例3
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール8sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)8sccm/アルゴン・水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブ(図7のSEM像)が得られたが、単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(図8)のGバンド、DバンドのI(G)/I(D)比から明らかなように構造に欠陥を有する低品質な単層カーボンナノチューブであった。
実施例2(エタノールとアセチレン比の検討)
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1aで示される定温条件対応のCVD装置に基板を設置し、系内温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール0sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)20sccm、アルゴン・水素キャリア0sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図9に示す。また、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比(I(G)/I(Si)比)を比較したところ1.0という高い値が得られ(図10)、高効率(高収率)で単層カーボンナノチューブが生成していることが示された。
比較例4
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1aで示される定温条件対応のCVD装置に基板を設置し、系内温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール20sccm、アセチレン0sccm、アルゴン・水素キャリア0sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図11に示す。また、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比(I(G)/I(Si)比)(図12)を比較したところ0.15と低効率(低収率)であった。
実施例3
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール0sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)20sccm/アルゴン・水素キャリア0sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図13に示す。また、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比I(G)/I(Si)比で3.7(図14)という高い値が得られ、高効率(高収率)で単層カーボンナノチューブが生成していることが示された。また、I(G)/I(D)比も11であり、高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
比較例5
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール1sccm、アセチレン0sccm、アルゴン・水素キャリア19sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図15に示す。また、ラマン分光器からI(G)/I(D)比が=60と高品質の単層カーボンナノチューブが得られたものの、I(G)/I(Si)比は0.11(図16)であり、低収率(低効率)でしか単層カーボンナノチューブは得られなかった。
実施例4
1cm角の水晶基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール4sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)12sccm、アルゴン/水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Subst.)比は3.2と高く、且つI(G)/I(D)比も24と高い値(図17)が得られた。これらの値から高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。こうして得た単層カーボンナノチューブ膜の透過率は97%以上、表面抵抗値が9.44×10Ω/□だった。
比較例6
1cm角の水晶基板上に、コバルトを蒸着し0.1nmの成長核となるCo基板を得た。この基板を加熱炉中で大気中600℃で10分加熱処理する。ついで図1bで示される定温条件対応のCVD装置に基板を設置し、系内温度750℃、圧力340Paの条件下エタノール8sccm、アセチレン0sccm、アルゴン・水素キャリア17sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。また、上記条件での効率と品質を確認するため、Si基板と同条件で単層カーボンナノチューブの合成を行い、得られた単層カーボンナノチューブをラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Subst.)比は5.1と高く且つI(G)/I(D)比も21(図18)であり、実施例4とほぼ同等の高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られた。しかし、透明導電膜としての性能を評価したところ、膜透過率が97%、表面抵抗値が4.42×10Ω/□であった。CNT品質・生成効率としては同等であるにも拘らず実施例4に比し表面抵抗値が劣っていた。
実施例5
1cm角の水晶基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール1sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)9sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを15分間流し単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は0.20であり、且つI(G)/I(D)比は10であった(図19)。これらの値から高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
実施例6
実施例5と同様の方法、同様の条件にて多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール1sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)9sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを2分間流し、その後エタノール10sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスに切り替えて13分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は0.39であり、且つI(G)/I(D)比は23であった(図19)。これらの値から実施例5よりさらに高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
実施例7
1cm角の水晶基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの2.0wt%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で15分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)10sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを60分間流し、単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は1.14であり、且つI(G)/I(D)比は11であった(図20)。これらの値から高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
実施例8
実施例5と同様の方法、同様の条件にて多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)10sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを2分間流し、その後アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)2sccm、アルゴン/水素キャリア18sccmからなる成長ガス分圧を1/5に低減したガスを58分間流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は4.42であり、且つI(G)/I(D)比は20であった(図20)。これらの値から実施例7よりさらに高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
また、こうして得た単層カーボンナノチューブ膜の透過率は97%以上、表面抵抗値が7.3×10Ω/□だった。
カーボンナノチューブは、半導体や光学機器などの様々な分野にて利用されているのみならず、医薬品デリバリー(DDS)のキャリアとしても利用が見込まれる。特に、本発明のように不純物のないカーボンナノチューブは、より優れたDDSとしての応用が期待される。

Claims (20)

  1. 化学気相成長法(CVD法)を用いた単層カーボンナノチューブの製造方法であって、金属及びその化合物を含む金属不純物が500ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 前記金属不純物が300ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする、請求項1に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 非金属材料からなる粒子としてナノダイヤモンドを用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 非金属材料からなる粒子が水素添加ナノダイヤモンドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  5. ナノダイヤモンドの成長核としての粒径が0.5〜4nmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  6. ナノダイヤモンドを空気中、500℃〜700℃で高温加熱処理して、粒径を0.5〜4nmとしたナノダイヤモンドを成長核として使用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  7. 高温加熱処理前のナノダイヤモンドの50%粒径が4〜10nmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  8. 成長ガスが炭化水素、アルコール、炭化水素及びアルコールの混合物、炭化水素及び水の混合物、炭化水素及びアルコール及び水の混合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  9. アルコールとしてエタノール、炭化水素としてアセチレンを成長ガスに用いることを特徴とする、請求項8に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  10. エタノールとアセチレンの分圧比が99.78:0.22〜0:100であることを特徴とする、請求項9に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  11. アセチレンの希釈材としてアルゴンを用いることを特徴とする、請求項9又は10に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  12. カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において基板よりも上流側の温度が700〜900℃であり、カーボンナノチューブが成長する基板の周辺温度が600〜850℃であり、且つ上流側の温度は基板周辺の温度よりも常に高いか同等以上であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  13. カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった組成にすることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  14. 成長ガスとしてエタノールとアセチレンを使用し、エタノールとアセチレンの分圧比が成長初期段階では97.09:2.91〜0:100、定常成長段階では100:0〜99.55:0.45であり、且つ定常成長段階でのアセチレンに対するエタノールの分圧比は初期段階よりも常に大きいことを特徴とする、請求項13に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  15. カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった分圧にすることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  16. カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、成長ガス分圧が成長初期段階では0.1Pa〜20kPa、定常成長段階では0.02Pa〜10kPaであり、且つ成長初期段階の成長ガス圧力より定常成長段階で使用する成長ガス圧力が低いことを特徴とする、請求項15に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  17. 成長ガスとしてアセチレンを使用し、アセチレンの分圧が成長初期段階では0.5Pa〜20Pa、定常成長段階では0.02Pa〜10Paであり、且つ成長初期段階のアセチレン分圧より定常成長段階で使用するアセチレン分圧の方が低いことを特徴とする、請求項15又は16に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  18. カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、全ガスの圧力が0.02Pa〜100kPaであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法により得られ、金属不純物(酸化物などの化合物を含む)が500ppm以下であることを特徴とする、単層カーボンナノチューブ。
  20. 請求項19に記載の単層カーボンナノチューブを用いて得られる透明導電膜。
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