JP2013253011A - 高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 - Google Patents
高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013253011A JP2013253011A JP2013024501A JP2013024501A JP2013253011A JP 2013253011 A JP2013253011 A JP 2013253011A JP 2013024501 A JP2013024501 A JP 2013024501A JP 2013024501 A JP2013024501 A JP 2013024501A JP 2013253011 A JP2013253011 A JP 2013253011A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- growth
- walled carbon
- carbon nanotubes
- carbon nanotube
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B32/00—Carbon; Compounds thereof
- C01B32/15—Nano-sized carbon materials
- C01B32/158—Carbon nanotubes
- C01B32/16—Preparation
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
Abstract
【解決手段】化学気相成長法(CVD法)用いた単層カーボンナノチューブの製造方法であって、金属及びその化合物を含む金属不純物が500ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
【選択図】なし
Description
また、透明導電膜等への応用に関して、単層カーボンナノチューブを分散工程にかけることにより発生する応用製品への品質問題が指摘されている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、非金属材料を成長核とした高純度単層カーボンナノチューブの製造において、金属不純物を低減すると同時にアモルファスカーボンも低減した高純度で高品質の単層カーボンナノチューブを高効率で製造することができる単層カーボンナノチューブの製造方法、及び当該製造方法で得られる単層カーボンナノチューブを利用した透明導電膜を提供することを目的とする。
(1)化学気相成長法(CVD法)を用いた単層カーボンナノチューブの製造方法であって、金属及びその化合物を含む金属不純物が500ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法、
(2)前記金属不純物が300ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする、(1)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(3)非金属材料からなる粒子としてナノダイヤモンドを用いることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(4)非金属材料からなる粒子が水素添加ナノダイヤモンドであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(5)ナノダイヤモンドの成長核としての粒径が0.5〜4nmであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(6)ナノダイヤモンドを空気中、500℃〜700℃で高温加熱処理して、粒径を0.5〜4nmとしたナノダイヤモンドを成長核として使用することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(7)高温加熱処理前のナノダイヤモンドの50%粒径が4〜10nmであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(8)成長ガスが炭化水素、アルコール、炭化水素及びアルコールの混合物、炭化水素及び水の混合物、炭化水素及びアルコール及び水の混合物のいずれかであることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(9)アルコールとしてエタノール、炭化水素としてアセチレンを成長ガスに用いることを特徴とする、(8)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(10)エタノールとアセチレンの分圧比が99.78:0.22〜0:100であることを特徴とする、(9)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(11)アセチレンの希釈材としてアルゴンを用いることを特徴とする、(9)又は(10)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(12)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において基板よりも上流側の温度が700〜900℃であり、カーボンナノチューブが成長する基板の周辺温度が600〜850℃であり、且つ上流側の温度は基板周辺の温度よりも常に高いか同等以上であることを特徴とする、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(13)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった組成にすることを特徴とする、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(14)成長ガスとしてエタノールとアセチレンを使用し、エタノールとアセチレンの分圧比が成長初期段階では97.09:2.91〜0:100、定常成長段階では100:0〜99.55:0.45であり、且つ定常成長段階でのアセチレンに対するエタノールの分圧比は成長初期段階よりも常に大きいことを特徴とする、(13)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(15)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった分圧にすることを特徴とする、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(16)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、成長ガス分圧が成長初期段階では0.1Pa〜20kPa、定常成長段階では0.02Pa〜10kPaであり、且つ成長初期段階の成長ガス圧力より定常成長段階で使用する成長ガス圧力が低いことを特徴とする、(15)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(17)成長ガスとしてアセチレンを使用し、アセチレンの分圧が成長初期段階では0.5Pa〜20Pa、定常成長段階では0.02Pa〜10Paであり、且つ成長初期段階のアセチレン分圧より定常成長段階で使用するアセチレン分圧の方が低いことを特徴とする、(15)又は(16)に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(18)カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、全ガスの圧力が0.02Pa〜100kPaであることを特徴とする、(1)〜(17)のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法、
(19)(1)〜(18)のいずれか1項に記載の製造方法により得られ、金属不純物(酸化物などの化合物を含む)が500ppm以下であることを特徴とする、単層カーボンナノチューブ、
(20)(19)に記載の単層カーボンナノチューブを用いて得られる透明導電膜、
に関する。
成長ガス、希釈ガス、およびキャリアガスからなる全ガスの圧力は成長中一定にすることが多いが、成長ガス圧力の変化に合わせて通常0.02Pa〜100kPaの範囲、好ましくは10Pa〜20kPaで変化させてもよい。
また、成長初期段階および定常成長段階とも、分圧、分圧の和である全ガスの圧力を変化させるのと同時に、前述のガス組成も変更してもよい。
1cm角のシリコン基板上に、5〜15nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンド(日本化薬製 Ustalla TypeC)の0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で15分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。その成長核の原子間力顕微鏡(AFM)の測定結果を図2に示す。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール8sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)8sccm/アルゴン・水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図3に示す。また、SEM−EDSで金属由来の不純物は検出できず金属フリーの単層カーボンナノチューブが生成したことが判った。更に、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比(I(G)/I(Si)比))を比較したところ1.1(図4)という高い値が得られ、高効率(高収率)で単層カーボンナノチューブが生成していることが示された。また、I(G)/I(D)比から、後述する比較例2の未処理品に比べて高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが判った。
次に、高純度と謳われている市販の単層カーボンナノチューブをSEM−EDSで観察したところコバルト、モリブデンそしてシリコンが検出された(図5)。
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び23000ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で15分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール8sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)8sccm/アルゴン・水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのラマンスペクトルを図6に示す。I(G)/I(Si)比から高効率で単層カーボンナノチューブが生成していることが判るが、SEM−EDSでジルコニウム由来の不純物が検出された。
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール8sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)8sccm/アルゴン・水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブ(図7のSEM像)が得られたが、単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(図8)のGバンド、DバンドのI(G)/I(D)比から明らかなように構造に欠陥を有する低品質な単層カーボンナノチューブであった。
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1aで示される定温条件対応のCVD装置に基板を設置し、系内温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール0sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)20sccm、アルゴン・水素キャリア0sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図9に示す。また、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比(I(G)/I(Si)比)を比較したところ1.0という高い値が得られ(図10)、高効率(高収率)で単層カーボンナノチューブが生成していることが示された。
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1aで示される定温条件対応のCVD装置に基板を設置し、系内温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール20sccm、アセチレン0sccm、アルゴン・水素キャリア0sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図11に示す。また、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比(I(G)/I(Si)比)(図12)を比較したところ0.15と低効率(低収率)であった。
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール0sccm/アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)20sccm/アルゴン・水素キャリア0sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図13に示す。また、ラマン分光器を用いてカーボンナノチューブ起因のGバンドとSi起因のSiバンドの強度比I(G)/I(Si)比で3.7(図14)という高い値が得られ、高効率(高収率)で単層カーボンナノチューブが生成していることが示された。また、I(G)/I(D)比も11であり、高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
1cm角のシリコン基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール1sccm、アセチレン0sccm、アルゴン・水素キャリア19sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブのSEM像を図15に示す。また、ラマン分光器からI(G)/I(D)比が=60と高品質の単層カーボンナノチューブが得られたものの、I(G)/I(Si)比は0.11(図16)であり、低収率(低効率)でしか単層カーボンナノチューブは得られなかった。
1cm角の水晶基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力250Paの条件下エタノール4sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)12sccm、アルゴン/水素キャリア4sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Subst.)比は3.2と高く、且つI(G)/I(D)比も24と高い値(図17)が得られた。これらの値から高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。こうして得た単層カーボンナノチューブ膜の透過率は97%以上、表面抵抗値が9.44×103Ω/□だった。
1cm角の水晶基板上に、コバルトを蒸着し0.1nmの成長核となるCo基板を得た。この基板を加熱炉中で大気中600℃で10分加熱処理する。ついで図1bで示される定温条件対応のCVD装置に基板を設置し、系内温度750℃、圧力340Paの条件下エタノール8sccm、アセチレン0sccm、アルゴン・水素キャリア17sccmからなるガスを30分流して単層カーボンナノチューブを得た。また、上記条件での効率と品質を確認するため、Si基板と同条件で単層カーボンナノチューブの合成を行い、得られた単層カーボンナノチューブをラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Subst.)比は5.1と高く且つI(G)/I(D)比も21(図18)であり、実施例4とほぼ同等の高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られた。しかし、透明導電膜としての性能を評価したところ、膜透過率が97%、表面抵抗値が4.42×106Ω/□であった。CNT品質・生成効率としては同等であるにも拘らず実施例4に比し表面抵抗値が劣っていた。
1cm角の水晶基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの0.5%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で10分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール1sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)9sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを15分間流し単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は0.20であり、且つI(G)/I(D)比は10であった(図19)。これらの値から高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
実施例5と同様の方法、同様の条件にて多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下エタノール1sccm、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)9sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを2分間流し、その後エタノール10sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスに切り替えて13分流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は0.39であり、且つI(G)/I(D)比は23であった(図19)。これらの値から実施例5よりさらに高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
1cm角の水晶基板上に、5〜10nmの粒度分布及び100ppmの金属不純物を有する水素添加ナノダイヤモンドの2.0wt%エタノール分散液を滴下塗布・乾燥し、水素添加ナノダイヤモンド塗布基板を得た。ついで塗布基板を加熱炉に設置し、大気中600℃で15分加熱処理して0.5〜4nmの水素添加ナノダイヤモンド成長核を得た。装置図1bで示される多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)10sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを60分間流し、単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は1.14であり、且つI(G)/I(D)比は11であった(図20)。これらの値から高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
実施例5と同様の方法、同様の条件にて多温条件対応のCVD装置に基板を設置し、上流温度850℃、基板周辺温度780℃、圧力500Paの条件下、アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)10sccm、アルゴン/水素キャリア10sccmからなるガスを2分間流し、その後アセチレン(アルゴンで2%に希釈されたもの)2sccm、アルゴン/水素キャリア18sccmからなる成長ガス分圧を1/5に低減したガスを58分間流して単層カーボンナノチューブを得た。このようにして得られた単層カーボンナノチューブを、ラマン分光器を用いて評価したところI(G)/I(Si)比は4.42であり、且つI(G)/I(D)比は20であった(図20)。これらの値から実施例7よりさらに高収率(高効率)且つ高品質の単層カーボンナノチューブが得られたことが示される。
また、こうして得た単層カーボンナノチューブ膜の透過率は97%以上、表面抵抗値が7.3×103Ω/□だった。
Claims (20)
- 化学気相成長法(CVD法)を用いた単層カーボンナノチューブの製造方法であって、金属及びその化合物を含む金属不純物が500ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 前記金属不純物が300ppm以下である非金属材料からなる粒子を成長核として使用することを特徴とする、請求項1に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 非金属材料からなる粒子としてナノダイヤモンドを用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 非金属材料からなる粒子が水素添加ナノダイヤモンドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- ナノダイヤモンドの成長核としての粒径が0.5〜4nmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- ナノダイヤモンドを空気中、500℃〜700℃で高温加熱処理して、粒径を0.5〜4nmとしたナノダイヤモンドを成長核として使用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 高温加熱処理前のナノダイヤモンドの50%粒径が4〜10nmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 成長ガスが炭化水素、アルコール、炭化水素及びアルコールの混合物、炭化水素及び水の混合物、炭化水素及びアルコール及び水の混合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- アルコールとしてエタノール、炭化水素としてアセチレンを成長ガスに用いることを特徴とする、請求項8に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- エタノールとアセチレンの分圧比が99.78:0.22〜0:100であることを特徴とする、請求項9に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- アセチレンの希釈材としてアルゴンを用いることを特徴とする、請求項9又は10に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において基板よりも上流側の温度が700〜900℃であり、カーボンナノチューブが成長する基板の周辺温度が600〜850℃であり、且つ上流側の温度は基板周辺の温度よりも常に高いか同等以上であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった組成にすることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 成長ガスとしてエタノールとアセチレンを使用し、エタノールとアセチレンの分圧比が成長初期段階では97.09:2.91〜0:100、定常成長段階では100:0〜99.55:0.45であり、且つ定常成長段階でのアセチレンに対するエタノールの分圧比は初期段階よりも常に大きいことを特徴とする、請求項13に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉へ成長ガスを導入した後において、カーボンナノチューブの成長初期段階で使用する成長ガスと、それ以降の定常的なカーボンナノチューブの成長段階(定常成長段階)で使用する成長ガスとでは異なった分圧にすることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、成長ガス分圧が成長初期段階では0.1Pa〜20kPa、定常成長段階では0.02Pa〜10kPaであり、且つ成長初期段階の成長ガス圧力より定常成長段階で使用する成長ガス圧力が低いことを特徴とする、請求項15に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 成長ガスとしてアセチレンを使用し、アセチレンの分圧が成長初期段階では0.5Pa〜20Pa、定常成長段階では0.02Pa〜10Paであり、且つ成長初期段階のアセチレン分圧より定常成長段階で使用するアセチレン分圧の方が低いことを特徴とする、請求項15又は16に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- カーボンナノチューブの成長に用いる反応炉において、全ガスの圧力が0.02Pa〜100kPaであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法により得られ、金属不純物(酸化物などの化合物を含む)が500ppm以下であることを特徴とする、単層カーボンナノチューブ。
- 請求項19に記載の単層カーボンナノチューブを用いて得られる透明導電膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013024501A JP6091237B2 (ja) | 2012-02-13 | 2013-02-12 | 高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012027970 | 2012-02-13 | ||
JP2012027970 | 2012-02-13 | ||
JP2013024501A JP6091237B2 (ja) | 2012-02-13 | 2013-02-12 | 高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013253011A true JP2013253011A (ja) | 2013-12-19 |
JP6091237B2 JP6091237B2 (ja) | 2017-03-08 |
Family
ID=49950871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013024501A Active JP6091237B2 (ja) | 2012-02-13 | 2013-02-12 | 高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9440855B2 (ja) |
JP (1) | JP6091237B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016021693A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2016-02-11 | 日本化薬株式会社 | 電界効果型トランジスタおよびそれを用いたセンサ |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3468763B1 (en) * | 2016-06-10 | 2023-08-16 | Michael A. Pope | Method and apparatus for producing large-area monolayer films of solution dispersed nanomaterials |
CN113213454B (zh) * | 2021-04-21 | 2022-06-24 | 温州大学 | 以石墨烯为催化剂制备单壁碳纳米管的方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002029717A (ja) * | 2000-07-13 | 2002-01-29 | Hitachi Ltd | 炭素材料の製造法及びその製造装置 |
US20060093545A1 (en) * | 2003-02-07 | 2006-05-04 | Bussan Nanotech Research Institute Inc. | Process for producing monolayer carbon nanotube with uniform diameter |
JP2010504268A (ja) * | 2006-09-21 | 2010-02-12 | アイメック | メタルフリーナノ粒子を用いたカーボンナノチューブの成長 |
JP2010228970A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | カーボンナノチューブの製造方法およびカーボンナノチューブ構造 |
JP2011173739A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | カーボンナノチューブの製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8178203B2 (en) * | 2004-07-27 | 2012-05-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Aligned single-walled carbon nanotube aggregate, bulk aligned single-walled carbon nanotube aggregate, and powdered aligned single-walled carbon nanotube aggregate |
WO2007001031A1 (ja) | 2005-06-29 | 2007-01-04 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 微細ダイヤモンドの製造方法及び微細ダイヤモンド |
WO2009008291A1 (ja) * | 2007-07-06 | 2009-01-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | カーボンナノチューブ成膜方法、成膜装置及びカーボンナノチューブ膜 |
-
2013
- 2013-02-12 US US13/764,981 patent/US9440855B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2013-02-12 JP JP2013024501A patent/JP6091237B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002029717A (ja) * | 2000-07-13 | 2002-01-29 | Hitachi Ltd | 炭素材料の製造法及びその製造装置 |
US20060093545A1 (en) * | 2003-02-07 | 2006-05-04 | Bussan Nanotech Research Institute Inc. | Process for producing monolayer carbon nanotube with uniform diameter |
JP2010504268A (ja) * | 2006-09-21 | 2010-02-12 | アイメック | メタルフリーナノ粒子を用いたカーボンナノチューブの成長 |
JP2010228970A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | カーボンナノチューブの製造方法およびカーボンナノチューブ構造 |
JP2011173739A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | カーボンナノチューブの製造方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6016036580; D.Takagi, et al: 'Carbon Nanotube Growth from Diamond' J.Am.Chem.Soc. Vol.131、No.20, 2009, p.6922-6923 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016021693A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2016-02-11 | 日本化薬株式会社 | 電界効果型トランジスタおよびそれを用いたセンサ |
JPWO2016021693A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2017-07-06 | 日本化薬株式会社 | 電界効果型トランジスタおよびそれを用いたセンサ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US9440855B2 (en) | 2016-09-13 |
JP6091237B2 (ja) | 2017-03-08 |
US20140056800A1 (en) | 2014-02-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pang et al. | CVD growth of 1D and 2D sp 2 carbon nanomaterials | |
Hong et al. | Controlling the growth of single-walled carbon nanotubes on surfaces using metal and non-metal catalysts | |
Huynh et al. | Understanding the synthesis of directly spinnable carbon nanotube forests | |
JP5054068B2 (ja) | カーボンナノチューブフィルムの製造方法 | |
Rashidi et al. | Single-wall carbon nanotubes synthesized using organic additives to Co–Mo catalysts supported on nanoporous MgO | |
EP2850032B1 (en) | Methods of growing uniform, large-scale, multilayer graphene films | |
Wang et al. | Chirality-controlled synthesis of single-walled carbon nanotubes—From mechanistic studies toward experimental realization | |
Khorrami et al. | Influence of carrier gas flow rate on carbon nanotubes growth by TCVD with Cu catalyst | |
Yardimci et al. | The effects of catalyst pretreatment, growth atmosphere and temperature on carbon nanotube synthesis using Co–Mo/MgO catalyst | |
Chaisitsak et al. | Hot filament enhanced CVD synthesis of carbon nanotubes by using a carbon filament | |
Pasha et al. | Hot filament CVD of Fe–Cr catalyst for thermal CVD carbon nanotube growth from liquid petroleum gas | |
JP6091237B2 (ja) | 高純度カーボンナノチューブ、その製造方法及びそれを用いた透明導電膜 | |
Lee et al. | The structural and surface properties of carbon nanotube synthesized by microwave plasma chemical vapor deposition method for superhydrophobic coating | |
Liu et al. | New technique of synthesizing single-walled carbon nanotubes from ethanol using fluidized-bed over Fe–Mo/MgO catalyst | |
Zhang et al. | Large scale production of carbon nanotube arrays on the sphere surface from liquefied petroleum gas at low cost | |
Ratkovic et al. | Thermal stability evolution of carbon nanotubes caused by liquid oxidation | |
Kozawa et al. | Single-walled carbon nanotube growth on SiO2/Si using Rh catalysts by alcohol gas source chemical vapor deposition | |
Xu et al. | Preparation of Mg1− xFexMoO4 catalyst and its application to grow MWNTs with high efficiency | |
Mansoor et al. | Optimization of ethanol flow rate for improved catalytic activity of Ni particles to synthesize MWCNTs using a CVD reactor | |
Liu et al. | Effects of argon flow rate and reaction temperature on synthesizing single-walled carbon nanotubes from ethanol | |
Sahoo et al. | Carbon nanoflake growth from carbon nanotubes by hot filament chemical vapor deposition | |
Rao et al. | Effect of hydrogen on the growth of single-walled carbon nanotubes by thermal chemical vapor deposition | |
Bao et al. | Catalyst-free synthesis of carbon nanofibers by ultrasonic spray pyrolysis of ethanol | |
Qian et al. | Surface growth of single-walled carbon nanotubes from ruthenium nanoparticles | |
Mahmoodi et al. | Various temperature effects on the growth of carbon nanotubes (CNTs) by thermal chemical vapor deposition (TCVD) method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160112 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160202 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160927 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170117 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6091237 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |