JP2004217511A - フラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法、および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価に効率良く量産可能なフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法、および装置を提供することにある。
【解決手段】 有機溶媒7の蒸気を存在させた反応容器2内にフィラメント3を配し、このフィラメント3を通電加熱により有機溶媒7の分解温度以上に加熱する。これにより、フィラメント3の熱によって、有機溶媒7の熱分解に適した温度環境の空間と、炭素成長に適した温度環境の空間とを反応容器2内に同時に作り出し、フラーレンの生成効率を向上させることができる。また、カーボンナノチューブ14を製造する場合には、触媒粒子12が担持されたゼオライト粉末13を、フィラメント3の近傍領域に配された保持台5上に載置し、触媒粒子12表面を炭素成長に適した温度環境とすることで、カーボンナノチューブ14の生成効率を向上できるとともに、装置の簡素化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 有機溶媒7の蒸気を存在させた反応容器2内にフィラメント3を配し、このフィラメント3を通電加熱により有機溶媒7の分解温度以上に加熱する。これにより、フィラメント3の熱によって、有機溶媒7の熱分解に適した温度環境の空間と、炭素成長に適した温度環境の空間とを反応容器2内に同時に作り出し、フラーレンの生成効率を向上させることができる。また、カーボンナノチューブ14を製造する場合には、触媒粒子12が担持されたゼオライト粉末13を、フィラメント3の近傍領域に配された保持台5上に載置し、触媒粒子12表面を炭素成長に適した温度環境とすることで、カーボンナノチューブ14の生成効率を向上できるとともに、装置の簡素化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法、および装置に関する。
フラーレンは、炭素からなるかご状物質の総称であり、一方、カーボンナノチューブは、グラファイトを同心円状に丸めた構造を持つ円筒状の炭素物質である。これらの物質は、エレクトロニクス、エネルギー分野など、様々な分野への応用が期待される新規な材料であり、その大量合成方法の確立が望まれている。
従来、フラーレンやカーボンナノチューブを製造する方法としては、(i)グラファイトにレーザを照射するレーザ蒸発法、(ii)グラファイトを電極としてアーク放電を行わせるアーク放電法、(iii)トルエン等の有機溶媒を燃焼させる燃焼法、(iv)触媒の存在下で炭化水素ガスを熱分解する化学気相成長法(CVD)等が開発されている(非特許文献1参照)。
本発明者らは、比較的低コストで不純物の少ないカーボンナノチューブの合成が可能なCVD法に着目し、これまでに単層カーボンナノチューブ等の合成に成功している(特許文献1参照)。
NEW DIAMOND,No.59,p21-24(2000) 特開2002−255519公報
NEW DIAMOND,No.59,p21-24(2000)
しかし、上記のような方法では、それぞれ以下のような問題があった。すなわち、(i)レーザ蒸発法では、原料として高価なグラファイトを使わなければならないため製造コストが高く、またスケールアップが難しいため量産には不向きである。(ii)アーク放電法では、レーザ蒸発法と同様に製造コストが高く、スケールアップが難しい他、不純物が多く生成するため精製に手間がかかる。(iii)燃焼法では、金属原子を内包した金属内包フラーレンを合成することが難しい。(iv)CVD法では、単位時間当たりの生成量がアーク放電法などに比べて低く、生産効率に劣る。特に、フラーレンに関しては、これまでにC60の生成が確認されているのみであり、C70以上の高次フラーレンを生成する一般的な方法としては適さない。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価に効率良く量産可能なフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法、および装置を提供することにある。
上記したように、本発明者らは、比較的低コストで不純物の少ないカーボンナノチューブの合成が可能なCVD法に着目して研究を重ねてきた。
ここで、合成プロセスにおいて、原料の分解により生じた炭素蒸気からの炭素成長は雰囲気温度に依存することが知られている。具体的には、600℃〜1200℃程度の環境下で反応が進行する。このため、従来、1000℃程度に加熱した電気炉中に反応容器を設置して合成を行っていた。ところが、このような方法では単位時間当たりの生成量が低く、短時間で大量合成を行うことが出来なかった。これは、原料である炭化水素の熱分解反応の進行が遅いことによるものと考えられる。
この問題を解決するためには、電気炉の設定温度を上げ、反応空間内の温度を高くして炭化水素の熱分解を促進させることも考えられる。しかし、温度を上げすぎると、かえって収率は低下する。これは、いったん生成したフラーレンやカーボンナノチューブが分解してしまうためと考えられる。
本発明者らは、CVD法による生産効率を向上させるために鋭意研究を重ねた結果、反応空間内に発熱体を配し、この発熱体を原料である有機溶媒の分解温度以上の温度に加熱することによって、効率良くフラーレンおよびカーボンナノチューブの合成を行うことが可能であることを見出した。本発明は、かかる新規な知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、有機溶媒を熱分解してフラーレンまたはカーボンナノチューブを合成するフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法であって、前記有機溶媒の蒸気を存在させた反応空間内に発熱体を配し、前記発熱体を前記有機溶媒の分解温度以上の温度に加熱することを特徴とする。
また、本発明のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置は、有機溶媒を熱分解してフラーレンまたはカーボンナノチューブを合成するためのフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置であって、前記有機溶媒の蒸気を導入可能な反応容器と、前記反応容器に接続されて前記有機溶媒の蒸気を前記反応容器内に供給する溶媒供給部と、前記反応容器の内部に設置されて前記有機溶媒の分解温度以上の温度に加熱可能な発熱体とを備えることを特徴とする。
本発明の発熱体としては、例えば通電加熱によって発熱するタングステンフィラメント、タンタルフィラメント等の金属フィラメント、カーボン板等、または誘導加熱によって発熱する電導体等を挙げることができる。金属フィラメントを用いる場合には、直径が0.3mm程度のものが望ましい。また、金属フィラメントは、反応面積を増大させるために、互いに接触しないように多数本を格子状に配されてもよい。
発熱体の加熱温度は、使用する有機溶媒の分解温度以上であればよく、例えば有機溶媒としてエタノールを使用する場合には1200℃以上であればよいが、有機溶媒の分解を促進するためには、1800℃〜2200℃程度であることが好ましい。
フラーレンの合成においては、原料の熱分解により生じた炭素蒸気が発熱体の周囲空間へ拡散し、ここでフラーレンの形成が行われる。また、カーボンナノチューブの合成においては、原料の熱分解により生じた炭素蒸気が拡散して触媒粒子の表面に至り、ここで炭素成長が行われる。このため、フラーレン、カーボンナノチューブを効率良く合成するためには、発熱体の周囲に、フラーレン、カーボンナノチューブの生成に適切な温度に保持された領域が存在していることを要する。具体的には、600℃以上1000℃以下に保持されていることが好ましい。600℃未満では、フラーレン、カーボンナノチューブの生成反応が行われず、一方、1000℃より高ければ、いったん生成したフラーレンやカーボンナノチューブが分解されてしまうために却って生成効率が低下するからである。また、発熱体から周囲空間へ向かって温度が低くなるような温度勾配があることが必要である。
このような適切な温度領域は、発熱体からの放射熱等によって、発熱体の近傍に作り出される(以下、このような領域を「近傍領域」と称する)。したがって、本発明の方法および装置においては、従来のように反応容器を温めるための電気炉等、特別の設備を使用することを要しない。しかしながら、フラーレンやカーボンナノチューブを高収率で合成するためには、高温によるアニーリングプロセスが必要であり、上記の「近傍領域」とその外側の領域との間で急激な温度低下が生じていると、生成効率が低下することが分かってきている。したがって、反応空間の周囲に熱源を配置することにより、反応空間全体を加熱することがより好ましい。具体的には、反応容器を電気炉中に設置してもよく、反応容器の周囲にヒータを配置しても良い。このようにすれば、適切な温度に保持された近傍領域を安定的に、かつ広く確保するとともに、近傍領域とその外側の領域との間での急激な温度低下を防止し、合成反応をいっそう促進することができる。
本発明で使用する有機溶媒は、炭素原子を含むものであれば特に制限されないが、フラーレンの合成を目的とする場合には、炭素数6以上の炭化水素であることが好ましい。具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の鎖式炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素などを例示できる。特に、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の環式炭化水素であることが好ましい。
一方、カーボンナノチューブをの合成を目的とする場合には、アルコール類を好ましく使用することができる。使用するアルコール類の種類としては特に制限はないが、多層カーボンナノチューブの製造を目的とする場合には、炭素数の多いものを使用することが好ましい。また、単層カーボンナノチューブや、層数が少なく細い多層カーボンナノチューブの製造を目的とする場合には、メタノール、エタノール等、炭素数の少ないものを使用することが好ましい。
これらの有機溶媒は、単独で用いても良く、組み合わせて使用しても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスと混合して用いてもよい。特に、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをバッファガスとして使用して、有機溶媒を反応空間中に導入することが好ましい。このようにすれば、雰囲気圧や原料濃度等の反応条件を容易に制御することができ、生成物の種類や収率、品質のコントロールが可能となるためである。また、不活性ガスを使用することは、上述したアニーリングプロセスを行わせるためにも有効である。すなわち、反応空間中に不活性ガスを存在させることによって、発熱体からの周囲への熱拡散を有効に行わせ、近傍領域とその外側の領域との間での急激な温度低下を抑制できるのである。
また、金属内包フラーレンの合成を目的とする場合には、有機溶媒の蒸気中に、金属を共存させておけばよい。金属を共存させる方法としては、例えば(i)有機溶媒中に、目的とする金属を含む有機金属を溶解しておき、有機溶媒とともにこの有機金属を蒸発させて反応空間内に導入する方法、(ii)発熱体の近傍に、目的とする金属を含む有機金属を担持した担持材を配しておき、発熱体からの熱によってこの有機金属を昇華させる方法等が挙げられる。
また、雰囲気圧は200Torr以下であることが好ましい。特に、単層カーボンナノチューブの製造を目的とする場合には、50Torr以下であることが好ましい。
カーボンナノチューブの合成を目的とする場合には、触媒の存在を必要とする。触媒としては、カーボンナノチューブの合成に通常に用いられるものであれば特に制限はなく、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト、ロジウム−パラジウム、白金、モリブデン、バナジウム等、またはこれらの金属を含む有機金属等を使用できる。これらの触媒は、1種類を単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用しても良い。
特に、触媒粒子の安定性等の観点から、細孔を有する多孔性担体に触媒粒子を担持させておくことが好ましい。多孔性担体としては、ゼオライト、酸化マグネシウム等を使用できる。特に、フィールドエミッタ材料として適する、直線性・結晶性が良く層数の少ない多層カーボンナノチューブを生産するために、酸化マグネシウムが好適と考えられる。なお、触媒が担持された多孔性担体を調製する方法としては、(i)粉末状の多孔性担体と触媒粒子とを湿式混合し、乾燥させる方法、(ii)水晶基板や珪素基板の表面に多孔性担体の薄膜を成膜し、この膜上に、純水または有機溶媒に触媒粒子を分散させたスラリーをスピナー塗布等により塗布した後、乾燥させる方法、(iii)触媒粒子と多孔性担体とを超臨界流体中に含ませた後、熱処理する方法等が挙げられる。
また、カーボンナノチューブの合成においては、触媒粒子の表面で炭素成長が行われるので、熱分解により生じた炭素蒸気が拡散する空間、すなわち発熱体から触媒粒子の表面に至るまでの空間が、炭素成長に必要な温度範囲内に保持されていることを要する。したがって、特に熱源を配して反応空間の加熱を行わない場合には、触媒粒子を発熱体の近傍領域に配することで、発熱体からの放射熱等を利用して触媒粒子の表面を600℃以上1000℃以下に加熱することが好ましい。また、触媒粒子を保持する保持部材に熱源を組み込んでおき、この保持部材を加熱することで触媒粒子の表面を加熱しても良い。
本発明によれば、発熱体を反応空間内に設置し、原料である有機溶媒の分解温度以上の高温状態を局所的に作り出すことで、有機溶媒の熱分解を促進することができる。一方、発熱体の近傍には、より低温の領域(すなわち、発熱体からの放射熱等によって、炭素成長に適し、かつ、いったん生成したフラーレンおよびカーボンナノチューブが分解されない程度の温度に温められた領域)が存在する。そして、有機溶媒の分解により生成した炭素蒸気がこの近傍領域に拡散していくことで、フラーレンやカーボンナノチューブの生成が促進される。このように、発熱体の熱によって、有機溶媒の熱分解に適した温度環境の領域と、炭素成長に適した温度環境の領域とを反応空間内に同時に作り出すことで、熱分解と炭素成長とを共に促進し、生成効率を向上させることができる。
また、比較的分解温度が高い芳香族炭化水素等であっても、発熱体の温度を調整することにより容易に分解させることができるため、分解温度の制約を受けることなく、最適な原料を選択して使用することができる。加えて、安価で入手しやすく、取り扱いの容易な有機溶媒を原料として使用することができるから、製造工程や設備を簡易化できるとともに、製造コストを低減することができる。
特に、本発明の方法によれば、従来のCVDでは生成が確認されていなかったC70以上の高次フラーレンの製造が確認されたことから、本発明の方法は、単層または多層のカーボンナノチューブ、多種類のフラーレンの製造という多様な需要に対応可能な、極めて優れた方法であるということができる。
また、触媒を使用する場合には、触媒粒子を発熱体の近傍領域に配することで、発熱体からの放射熱等を利用して、触媒粒子の表面を炭素成長のために適切な温度に保持することができる。また、触媒粒子を保持する保持部材に熱源を組み込んでおき、保持部材を加熱することによっても、触媒粒子の表面を炭素成長のために適切な温度に保持することができる。これにより、カーボンナノチューブの生成効率を向上できるとともに、装置の簡素化を図ることができる。
さらに、本発明のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造は、簡易な構成の装置により行うことができる。また、反応容器を大型化したり、発熱体を複数個設置する等により、スケールアップを容易に行うことができる。このため、安価かつ容易に大量生産を実現することができる。また、使用する有機溶媒、触媒等を適宜に調整することによって、単層または多層のカーボンナノチューブ、および多種類のフラーレンの製造が可能であるから、同一の構成の装置で多様な需要に対応することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1および図2を参照しつつ詳細に説明する。
<装置の構成>
本実施形態のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置1(以下には、「製造装置1」と省略する。)は、有機溶媒7を熱分解してフラーレンまたはカーボンナノチューブを合成するための装置である。
製造装置1の概略図を図1に示した。この製造装置1には、例えばステンレスにより形成され、内部に有機溶媒7の蒸気を導入可能な反応容器2が備えられている。
本実施形態のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置1(以下には、「製造装置1」と省略する。)は、有機溶媒7を熱分解してフラーレンまたはカーボンナノチューブを合成するための装置である。
製造装置1の概略図を図1に示した。この製造装置1には、例えばステンレスにより形成され、内部に有機溶媒7の蒸気を導入可能な反応容器2が備えられている。
反応容器2の内部はフラーレンおよびカーボンナノチューブの合成が行われる反応空間Sとされ、ここには、フィラメント3(本発明の発熱体に該当する)が設けられている。このフィラメント3は、直径0.3mm程度のタングステン線により構成されたものである。フィラメント3の両端は、反応容器2の天井面から垂下された一対のリード4に接続されている。そして、一対のリード4は、それぞれ電源12のプラス端子およびマイナス端子に接続されている。
フィラメント3の下方には、保持台5(本発明の保持部材に該当する)が設けられている。保持台5は石英によりブロック状に形成されており、その上面は触媒が載せられる載置面5Aとされている。載置面5Aとフィラメント3との距離は約3mmとされ、この載置面5A上に載せられた触媒粒子12がフィラメント3からの放射熱によって加熱されるようになっている。フィラメント3と載置面5Aとの距離は、載置面5A上に載せられた触媒粒子12を600℃〜1000℃に熱することが可能な距離とされている。
この反応容器2の側方には、密閉容器状に形成された貯留容器6(本発明の溶媒供給部に該当する)が接続されている。貯留容器6の底部には有機溶媒7が貯留され、この有機溶媒7が蒸発することによって、貯留容器6内が有機溶媒7の蒸気で満たされている。貯留容器6の上壁部にはパイプ8の一端部が接続され、このパイプ8の他端部は、反応容器2の側壁部に連結されている。また、パイプ8には、貯留容器6から反応容器2への溶媒蒸気の流入量を調節するためのバルブ9が設けられている。
一方、反応容器2における、パイプ8が連結された側壁部と対向する側壁部には、吐出管10が設けられている。そして、この吐出管10には、反応容器2内の空気を容器外へ吐出させるための真空ポンプ11が取り付けられている。
<フラーレンの製造>
次に、上記のように構成された製造装置1を使用してフラーレンを製造する方法について述べる。
次に、上記のように構成された製造装置1を使用してフラーレンを製造する方法について述べる。
まず、貯留容器6内に有機溶媒7を貯留し、内部を有機溶媒7の蒸気で満たす。有機溶媒7としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素を使用する。
次に、反応容器2と貯留容器6との間のバルブ9が閉じられた状態で、真空ポンプ11を作動させて反応容器2内を減圧する。反応容器2内がほぼ真空状態となったら、バルブ9を開き、貯留容器6内の溶媒蒸気を反応容器2内に導入する。このとき、バルブ9を調節することにより、反応容器2内の圧力が200Torr以下となるようにする。
次に、反応容器2と貯留容器6との間のバルブ9が閉じられた状態で、真空ポンプ11を作動させて反応容器2内を減圧する。反応容器2内がほぼ真空状態となったら、バルブ9を開き、貯留容器6内の溶媒蒸気を反応容器2内に導入する。このとき、バルブ9を調節することにより、反応容器2内の圧力が200Torr以下となるようにする。
次いで、電源12のスイッチを入れて、両リード4間に電圧を印加する。すると、フィラメント3が有機溶媒7の分解温度以上である1800℃〜2000℃に加熱されることにより、局所的な高温状態が反応空間S内に作り出される。この熱により、フィラメント3の周囲に存在する有機溶媒7が熱分解し、炭素蒸気が生成する。生成した炭素蒸気はフィラメント3の近傍領域へ拡散しつつ、フラーレン合成に適した温度である600℃〜1200℃まで冷やされ、フラーレンが生成する。生成したフラーレンは煤状物質となって反応容器2の内壁に付着する。
このように、フィラメント3を反応容器2内に設置して加熱し、原料である有機溶媒7の分解温度以上の高温状態を局所的に作り出すことで、有機溶媒7の熱分解を促進することができる。一方、フィラメント3の近傍領域には、フィラメント3からの放射熱によって、炭素成長に適し、かついったん生成したフラーレンが分解されない600℃〜1000℃程度の温度環境の領域が存在する。そして、有機溶媒7の分解により生成した炭素蒸気がこの近傍領域に拡散していくことで、フラーレンの生成が促進される。このように、フィラメント3の熱によって、有機溶媒7の熱分解に適した温度環境の領域と、炭素成長に適した温度環境の領域とを反応空間S内に同時に作り出すことで、熱分解と炭素成長とを共に促進し、生成効率を向上させることができる。
また、比較的分解温度が高い芳香族炭化水素等であっても、フィラメント3の温度を調整することにより容易に分解させることができるため、分解温度の制約を受けることなく、フラーレンの生成に最適な原料を選択して使用することができる。加えて、安価で取り扱いの容易な有機溶媒7を原料として使用することができるから、製造工程や設備を簡易化できるとともに、製造コストを低減することができる。
<カーボンナノチューブの製造>
次に、上記のように構成された製造装置1を使用してカーボンナノチューブ14を製造する方法について述べる。
次に、上記のように構成された製造装置1を使用してカーボンナノチューブ14を製造する方法について述べる。
まず、保持台5上に、触媒粒子12を担持させたゼオライト粉末13(本発明の多孔性担体に該当する)を広げる。このゼオライト粉末13は、直径1μm程度の細孔13Aを有し、この細孔13A内に触媒粒子12を担持させたものである。
また、貯留容器6内に有機溶媒7を貯留し、内部を有機溶媒7の蒸気で満たす。ここで、有機溶媒7としては、メタノール等のアルコール類を使用する。
次に、フラーレンの場合と同様にして、真空ポンプ11を作動させて反応容器2内を減圧し、貯留容器6内の溶媒蒸気を反応容器2内に導入する。
また、貯留容器6内に有機溶媒7を貯留し、内部を有機溶媒7の蒸気で満たす。ここで、有機溶媒7としては、メタノール等のアルコール類を使用する。
次に、フラーレンの場合と同様にして、真空ポンプ11を作動させて反応容器2内を減圧し、貯留容器6内の溶媒蒸気を反応容器2内に導入する。
次いで、電源12のスイッチを入れて、両リード4間に電圧を印加する。すると、フィラメント3が有機溶媒7の分解温度以上である1800℃〜2000℃程度に加熱されることにより、局所的な高温状態が反応空間S内に作り出される。この熱により、フィラメント3の周囲に存在する有機溶媒7が熱分解し、炭素蒸気が生成する。生成した炭素蒸気はフィラメント3の近傍領域へ拡散して、触媒粒子12の表面に至り、ここにカーボンナノチューブ14の核となる半球状のキャップが形成される。そして、このキャップの根元で炭素成長が起こり、チューブが成長する(図2参照)。このとき、ゼオライト粉末13が、フィラメント3の近傍領域に配された保持台5上に置かれることによって、触媒粒子12の表面は、炭素成長に適し、かついったん生成したフラーレンが分解されない600℃〜1000℃程度に加熱される。これにより、カーボンナノチューブ14の生成が促進される。
このようにして生成したカーボンナノチューブ14は、ゼオライト粉末13の表面に堆積する。
このようにして生成したカーボンナノチューブ14は、ゼオライト粉末13の表面に堆積する。
最後に、ゼオライト粉末13を除去してカーボンナノチューブ14を回収する。ゼオライト粉末13の除去は、カーボンナノチューブ14が付着したゼオライト粉末13をフッ化水素で処理することにより行っても良く、熱処理することにより行っても良い。熱処理は、1Torr以下、好ましくは0.1Torr以下の雰囲気中で、ゼオライト粒子を1400℃以上、好ましくは2000℃以上に加熱することにより行うことができる。
このように、フィラメント3を反応容器2内に設置して加熱し、原料である有機溶媒7の分解温度以上の高温状態を局所的に作り出すことで、有機溶媒7の熱分解を促進することができる。一方、フィラメント3の近傍領域には、フィラメント3からの放射熱によって、炭素成長に適し、かついったん生成したカーボンナノチューブが分解されない600℃〜1000℃程度の温度環境の領域が存在する。そして、この近傍領域にゼオライト粉末13を配することで、フィラメント3からの放射熱を利用して、触媒粒子12の表面を炭素成長のために適切な温度に加熱し、カーボンナノチューブ14の生成を促進することができる。このように、フィラメント3の熱によって、有機溶媒7の熱分解に適した温度環境の領域と、炭素成長に適した温度環境の領域とを反応空間S内に同時に作り出すことで、熱分解と炭素成長とを共に促進し、生成効率を向上させることができる。また、製造装置1の簡素化を図ることができる。
さらに、比較的分解温度が高いアルコール類であっても、フィラメント3の温度を調整することにより容易に分解させることができるため、分解温度の制約を受けることなく、カーボンナノチューブ14の生成に最適な原料を選択して使用することができる。加えて、安価で取り扱いの容易な有機溶媒7を原料として使用することができるから、製造工程や設備を簡易化できるとともに、製造コストを低減することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
1.フラーレンの合成
反応容器としては、直径8cm、高さ約15cmのガラス製の円筒容器を用いた。この反応容器内に、一対の電極を設置し、電極間にタングステンフィラメントを取り付けた。タングステンフィラメントとしては直径0.3mmのものを使用した。このフィラメントの電気抵抗は0.3Ωであった。
貯留容器としては、反応容器と同様の円筒容器を用いた。この貯留容器を、バルブを備えたパイプを介して反応容器と接続した。そして、貯留容器内に約10mlのトルエンを注ぎ込み、容器内をトルエンの蒸気で満たした。
1.フラーレンの合成
反応容器としては、直径8cm、高さ約15cmのガラス製の円筒容器を用いた。この反応容器内に、一対の電極を設置し、電極間にタングステンフィラメントを取り付けた。タングステンフィラメントとしては直径0.3mmのものを使用した。このフィラメントの電気抵抗は0.3Ωであった。
貯留容器としては、反応容器と同様の円筒容器を用いた。この貯留容器を、バルブを備えたパイプを介して反応容器と接続した。そして、貯留容器内に約10mlのトルエンを注ぎ込み、容器内をトルエンの蒸気で満たした。
バルブを閉じた状態で、反応容器に接続した真空ポンプにより、反応容器内を所定の圧力(例えば10−5Torr以下)となるまで減圧した。その後、バルブを開いてトルエンの蒸気を反応容器内に導入した。反応容器内の圧力は、バルブを調節することにより17Torrに調整した。
電極間に20Vの電圧を印加して、フィラメントを約1800℃〜2200℃に加熱し、フラーレンの合成を行った。約30秒で反応容器内が煤状物質で満たされた。
電極間に20Vの電圧を印加して、フィラメントを約1800℃〜2200℃に加熱し、フラーレンの合成を行った。約30秒で反応容器内が煤状物質で満たされた。
2.質量分析
上記1で得られた煤状物質を採取し、レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(LD−TOF−MS)により質量分析を行った。
上記1で得られた煤状物質を採取し、レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(LD−TOF−MS)により質量分析を行った。
3.結果
従来のCVD法では、容器内が煤状物質で満たされるまでに30分程度の時間を要していたが、本実施例では、同様の反応を僅か30秒間の加熱で終了することができ、生成効率が向上していることが確認された。
質量分析スペクトルを図3に示す。従来、CVD法によるフラーレンの生成においてはC60の生成が確認されているのみであったが、本実施例では、C60〜C150程度のフラーレンのピークが確認された。これにより、本発明の製造方法が、C70以上の高次フラーレンを生成できる方法であることが確認された。
従来のCVD法では、容器内が煤状物質で満たされるまでに30分程度の時間を要していたが、本実施例では、同様の反応を僅か30秒間の加熱で終了することができ、生成効率が向上していることが確認された。
質量分析スペクトルを図3に示す。従来、CVD法によるフラーレンの生成においてはC60の生成が確認されているのみであったが、本実施例では、C60〜C150程度のフラーレンのピークが確認された。これにより、本発明の製造方法が、C70以上の高次フラーレンを生成できる方法であることが確認された。
<実施例2>
1.触媒の調製
耐熱性Y型ゼオライト粉末(東ソー(株)製HSZ-390HUA、SiO2/Al2O3(モル比)=200)に、このゼオライト粉末に対してそれぞれ2.5重量%の酢酸鉄(II)、酢酸コバルト(II)を湿式混合し、乾燥することにより、触媒金属が担持されたゼオライト粉末を調製した。
1.触媒の調製
耐熱性Y型ゼオライト粉末(東ソー(株)製HSZ-390HUA、SiO2/Al2O3(モル比)=200)に、このゼオライト粉末に対してそれぞれ2.5重量%の酢酸鉄(II)、酢酸コバルト(II)を湿式混合し、乾燥することにより、触媒金属が担持されたゼオライト粉末を調製した。
2.カーボンナノチューブの合成
実験装置を上記実施例1と同様に組み立てた。但し、有機溶媒としてはエタノールを使用した。また、フィラメントの下方に石英基板を設置し、基板の上面とフィラメントとの距離が3mmとなるようにした。そして、この基板上に、上記1で調製したゼオライト粉末を載せた。
上記実施例1と同様の手順で反応容器内にエタノールの蒸気を導入し、フィラメントを加熱して、カーボンナノチューブの合成を行った。約30秒で、ゼオライト粉末上に煤状物質が堆積した。
実験装置を上記実施例1と同様に組み立てた。但し、有機溶媒としてはエタノールを使用した。また、フィラメントの下方に石英基板を設置し、基板の上面とフィラメントとの距離が3mmとなるようにした。そして、この基板上に、上記1で調製したゼオライト粉末を載せた。
上記実施例1と同様の手順で反応容器内にエタノールの蒸気を導入し、フィラメントを加熱して、カーボンナノチューブの合成を行った。約30秒で、ゼオライト粉末上に煤状物質が堆積した。
3.電子顕微鏡による観察
上記2で得られた煤状物質が堆積したゼオライト粉末を採取し、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)および走査型電子顕微鏡(SEM)により観察を行った。
上記2で得られた煤状物質が堆積したゼオライト粉末を採取し、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)および走査型電子顕微鏡(SEM)により観察を行った。
4.ラマン散乱スペクトルの測定
上記2で得られた煤状物質が堆積したゼオライト粉末を採取し、0.01Torrの圧力雰囲気下、2000℃で熱処理することによりゼオライトを除去した。処理後の煤状物質について、ラマン散乱スペクトルを測定した。
上記2で得られた煤状物質が堆積したゼオライト粉末を採取し、0.01Torrの圧力雰囲気下、2000℃で熱処理することによりゼオライトを除去した。処理後の煤状物質について、ラマン散乱スペクトルを測定した。
5.結果
従来のCVD法では、触媒粒子上に煤状物質が堆積するまでに30分程度の時間を要していたが、本実施例では、同様の反応を僅か30秒間の加熱で終了することができ、生成効率が向上していることが確認された。
得られた煤状物質のHRTEM写真を図4に、SEM写真を図5に示す。図4より、単層カーボンナノチューブのバンドル(束)が形成されていることが確認された。また、図5より、ゼオライト粒子上に蜘蛛の巣状の単層カーボンナノチューブのバンドルが確認された。
また、ラマン散乱スペクトルを図6に示す。図6より、160cm−1〜300cm−1付近に、直径0.8mm〜1.5mmの単層カーボンナノチューブ由来のピークが分布していた。
従来のCVD法では、触媒粒子上に煤状物質が堆積するまでに30分程度の時間を要していたが、本実施例では、同様の反応を僅か30秒間の加熱で終了することができ、生成効率が向上していることが確認された。
得られた煤状物質のHRTEM写真を図4に、SEM写真を図5に示す。図4より、単層カーボンナノチューブのバンドル(束)が形成されていることが確認された。また、図5より、ゼオライト粒子上に蜘蛛の巣状の単層カーボンナノチューブのバンドルが確認された。
また、ラマン散乱スペクトルを図6に示す。図6より、160cm−1〜300cm−1付近に、直径0.8mm〜1.5mmの単層カーボンナノチューブ由来のピークが分布していた。
以上のように本実施例によれば、簡易な構成の装置を用いて、高次フラーレンおよびカーボンナノチューブを効率良く合成できることが確認された。
<実施例3>
1.触媒の調製
酸化マグネシウム粉末に、この酸化マグネシウム粉末に対して2.5重量%の酢酸コバルト(II)を湿式混合し、乾燥することにより、触媒金属が担持された酸化マグネシウム粉末を調製した。
1.触媒の調製
酸化マグネシウム粉末に、この酸化マグネシウム粉末に対して2.5重量%の酢酸コバルト(II)を湿式混合し、乾燥することにより、触媒金属が担持された酸化マグネシウム粉末を調製した。
2.カーボンナノチューブの合成
図7に示す装置20を組み立てた。反応容器21としては、直径5cmのガラス製の円筒容器を用いた。この反応容器21内に、一対の電極22を設置し、電極間に実施例1と同様のタングステンフィラメント23を取り付けた。また、反応容器の周囲に電気炉24を配した。フィラメント23の下方に石英基板25を設置し、この基板上に、上記1で調製した酸化マグネシウム粉末を載せた。
実施例1と同様に、反応容器21をバルブ27、29を介して円筒容器状の貯留容器26、および真空ポンプ(図示せず)と接続した。そして、貯留容器26内にエタノール28を注ぎ込んで、貯留容器26内をエタノール28の蒸気で満たした。
図7に示す装置20を組み立てた。反応容器21としては、直径5cmのガラス製の円筒容器を用いた。この反応容器21内に、一対の電極22を設置し、電極間に実施例1と同様のタングステンフィラメント23を取り付けた。また、反応容器の周囲に電気炉24を配した。フィラメント23の下方に石英基板25を設置し、この基板上に、上記1で調製した酸化マグネシウム粉末を載せた。
実施例1と同様に、反応容器21をバルブ27、29を介して円筒容器状の貯留容器26、および真空ポンプ(図示せず)と接続した。そして、貯留容器26内にエタノール28を注ぎ込んで、貯留容器26内をエタノール28の蒸気で満たした。
電気炉24により反応容器21内の反応空間Sを約1000℃に加熱した。この状態で、実施例1と同様にして、反応容器21内を所定の圧力となるまで減圧し、その後、エタノール28の蒸気を反応容器21内に導入した。反応容器21内の圧力は、真空ポンプ側のバルブ29を調節することにより47Torrに調整した。
電極22間に20Vの電圧を印加して、フィラメント23を約1800℃〜2200℃に加熱し、カーボンナノチューブの合成を行った。約3分で、酸化マグネシウム粉末上に煤状物質が堆積した。
電極22間に20Vの電圧を印加して、フィラメント23を約1800℃〜2200℃に加熱し、カーボンナノチューブの合成を行った。約3分で、酸化マグネシウム粉末上に煤状物質が堆積した。
最後に、酸化マグネシウム粉末および触媒金属を除去してカーボンナノチューブを精製した。得られた煤状物質を、37%の塩酸中で約15分間の超音波処理を2回行った後、ろ過して精製カーボンナノチューブを得た。
3.熱重量分析
上記2で得られた煤状物質、および精製したカーボンナノチューブについて、熱重量分析(TGA)を行った。熱重量分析は、大気中、昇温速度5℃/minで行った。
上記2で得られた煤状物質、および精製したカーボンナノチューブについて、熱重量分析(TGA)を行った。熱重量分析は、大気中、昇温速度5℃/minで行った。
4.電子顕微鏡による観察
上記2で得られた煤状物質中に含まれるカーボンナノチューブ、および精製したカーボンナノチューブについて、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)により観察を行った。
上記2で得られた煤状物質中に含まれるカーボンナノチューブ、および精製したカーボンナノチューブについて、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)により観察を行った。
5.ラマン散乱スペクトルの測定
上記2で得られた精製したカーボンナノチューブについて、ラマン散乱スペクトルを測定した。測定は、励起波長633nmで行った。
上記2で得られた精製したカーボンナノチューブについて、ラマン散乱スペクトルを測定した。測定は、励起波長633nmで行った。
6.層数および径の分布の測定
各カーボンナノチューブの層数・内径・外径をTEM観察により調べた。
各カーボンナノチューブの層数・内径・外径をTEM観察により調べた。
7.電界放出実験
アノード基板として直径4mmのステンレス板を、カソード基板としてアノード基板と同様のステンレス板の表面に鉄を蒸着したものを使用した。
上記2で得られた精製したカーボンナノチューブ1mgをエタノール10mlに分散し、カソード基板の鉄薄膜上にスプレーした後、乾燥させることによりカーボンナノチューブ層を形成させた。この後、堆積したカーボンナノチューブとカソード基板との電気的、機械的コンタクトをよくする目的で、真空(10−8Pa)中で400℃で熱処理した。このカソード基板とアノード基板とを100μmの間隔を空けて真空容器中に設置し、両基板間に電圧を印加することにより、電界放出を観測した。
アノード基板として直径4mmのステンレス板を、カソード基板としてアノード基板と同様のステンレス板の表面に鉄を蒸着したものを使用した。
上記2で得られた精製したカーボンナノチューブ1mgをエタノール10mlに分散し、カソード基板の鉄薄膜上にスプレーした後、乾燥させることによりカーボンナノチューブ層を形成させた。この後、堆積したカーボンナノチューブとカソード基板との電気的、機械的コンタクトをよくする目的で、真空(10−8Pa)中で400℃で熱処理した。このカソード基板とアノード基板とを100μmの間隔を空けて真空容器中に設置し、両基板間に電圧を印加することにより、電界放出を観測した。
8.結果
1)熱重量分析
煤状物質、および精製したカーボンナノチューブについて熱重量分析を行って得た減量曲線を図8、図9に示した。
1)熱重量分析
煤状物質、および精製したカーボンナノチューブについて熱重量分析を行って得た減量曲線を図8、図9に示した。
図8より、約500℃までは煤状物質は安定していたが、約400℃〜500℃で不純物であるアモルファスカーボンが分解し、重量が約1%減少した。また、500℃を超えるとカーボンナノチューブが分解し始め、約670℃までの間で重量が急激に減少した。この間の重量減少率は29%であった。約670℃を超えると、この温度では分解しない酸化マグネシウムおよび金属触媒のみが残留し、減量曲線は再び水平な重量レベルを示した。この間の重量減少率は29%であった。残留した酸化マグネシウムおよび金属触媒の重量は約70%であった。
なお、詳細にデータは示さないが、上記実施例2で得られた煤状物質を同様に分析したところ、アモルファスカーボンは約7%であった。このことから、電気炉を使用して反応空間を加熱することにより、反応空間内の温度が安定し、高純度のカーボンナノチューブが合成されたと考えられる。
なお、詳細にデータは示さないが、上記実施例2で得られた煤状物質を同様に分析したところ、アモルファスカーボンは約7%であった。このことから、電気炉を使用して反応空間を加熱することにより、反応空間内の温度が安定し、高純度のカーボンナノチューブが合成されたと考えられる。
また、図9より、塩酸処理によって精製したカーボンナノチューブについては、残留した酸化マグネシウムおよび金属触媒の残留量を約18%にまで減少させることができた。なお、詳細にデータは示さないが、塩酸処理により、酸化マグネシウムおよび金属触媒の残留量を最大で約4%にまで減少させることができた。
2)電子顕微鏡による観察
煤状物質中に含まれるカーボンナノチューブについての電子顕微鏡写真を図10、図11に、精製したカーボンナノチューブについての電子顕微鏡写真を図12、図13に示した。
これらの写真より、得られたカーボンナノチューブは直線性が高く、かつ比較的細い多層ナノチューブであることが分かった。実施例2と異なり多層ナノチューブとなったのは、多孔性担体として使用した酸化マグネシウムが、実施例2のゼオライトと比較して金属触媒の拡散が大きく、触媒粒子が若干成長するためであると考えられる。特に、有機溶媒としてのエタノールと、多孔性担体としての酸化マグネシウムとの組み合わせが、比較的層数が少なく細い多層ナノチューブの製造に適したものであると考えられる。
煤状物質中に含まれるカーボンナノチューブについての電子顕微鏡写真を図10、図11に、精製したカーボンナノチューブについての電子顕微鏡写真を図12、図13に示した。
これらの写真より、得られたカーボンナノチューブは直線性が高く、かつ比較的細い多層ナノチューブであることが分かった。実施例2と異なり多層ナノチューブとなったのは、多孔性担体として使用した酸化マグネシウムが、実施例2のゼオライトと比較して金属触媒の拡散が大きく、触媒粒子が若干成長するためであると考えられる。特に、有機溶媒としてのエタノールと、多孔性担体としての酸化マグネシウムとの組み合わせが、比較的層数が少なく細い多層ナノチューブの製造に適したものであると考えられる。
また、図10、11と図12、13との比較より、塩酸処理によってカーボンナノチューブに付着していたアモルファスカーボンが殆ど取り除かれていること、およびチューブの先端が開いていることが分かる。
3)ラマン散乱スペクトルの測定
図14には、精製したカーボンナノチューブのラマン散乱スペクトルを、図15には、図14における波数50〜300cm−1の範囲を拡大したスペクトルを示した。
波数とカーボンナノチューブの直径との間には、次式
直径=248/波数・・・(1)
の関係があることから、図15において、126cm−1のピークは直径2.0cm、149cm−1のピークは直径1.7cm、217cm−1のピークは直径1.1cmのカーボンナノチューブをそれぞれ示していることが分かる。
図14には、精製したカーボンナノチューブのラマン散乱スペクトルを、図15には、図14における波数50〜300cm−1の範囲を拡大したスペクトルを示した。
波数とカーボンナノチューブの直径との間には、次式
直径=248/波数・・・(1)
の関係があることから、図15において、126cm−1のピークは直径2.0cm、149cm−1のピークは直径1.7cm、217cm−1のピークは直径1.1cmのカーボンナノチューブをそれぞれ示していることが分かる。
4)層数および径の分布
精製したカーボンナノチューブの層数の分布を示すグラフを図16に、外径の分布を示すグラフを図17に、内径の分布を示すグラフを図18に示した。図16より、主として10層以下の比較的層数が少ない多層カーボンナノチューブが生成していることがわかった。また、図17および図18より、外径が10nm以下、内径が5nm以下のものが中心であった。このことから、比較的細く、かつ中心までグラファイト層の詰まったカーボンナノチューブが生成しているといえる。
精製したカーボンナノチューブの層数の分布を示すグラフを図16に、外径の分布を示すグラフを図17に、内径の分布を示すグラフを図18に示した。図16より、主として10層以下の比較的層数が少ない多層カーボンナノチューブが生成していることがわかった。また、図17および図18より、外径が10nm以下、内径が5nm以下のものが中心であった。このことから、比較的細く、かつ中心までグラファイト層の詰まったカーボンナノチューブが生成しているといえる。
5)電界放出実験
上記したように、得られたカーボンナノチューブが比較的細くて直線性の良い多層ナノチューブであり、かつ不純物の少ないものであったことから、エミッタ材料への応用に適すると考え、電界放出実験を行った。電流−電圧特性を示すグラフを図19に、電流密度分布を示す図を図20に示した。
上記したように、得られたカーボンナノチューブが比較的細くて直線性の良い多層ナノチューブであり、かつ不純物の少ないものであったことから、エミッタ材料への応用に適すると考え、電界放出実験を行った。電流−電圧特性を示すグラフを図19に、電流密度分布を示す図を図20に示した。
図19より、総電流量を約1mAとするのに必要な電圧は495Vであった。このように低い閾値電圧は、アーク放電法によって得られるカーボンナノチューブで最も成績の良いものと同等のレベルであった。また、図20より、非常に均一に電界放出していることが分かった。通常のCVD法は、アーク放電法と比べて得られるカーボンナノチューブの結晶性が悪いといわれているが、本実施例では、反応空間内に発熱体としての金属フィラメントを配し、かつ、反応空間の周囲に電気炉を配して反応空間内の温度を安定させることで、アーク放電法並みに結晶性が良く、かつ細いカーボンナノチューブを得ることができ、このことがエミッション性の向上に寄与しているものと考えられる。そして、CVD法がもともと備えている低コストという利点を考え合わせると、本発明は、品質の良いカーボンナノチューブの大量生産への道を開くものとしてきわめて優れたものであると考えられる。
なお、本発明は以下のように変形して実施することもできる。また、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態および実施例では、触媒粒子をゼオライト粉末に担持させたが、本発明によれば触媒粒子は必ずしも多孔性担体に担持させる必要はなく、直接に保持台上に載せても良い。
(2)上記実施形態および実施例では、有機溶媒蒸気は単独で反応容器中に導入されたが、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをバッファガスとして使用して、有機溶媒を反応空間中に導入してもよい。
(3)上記実施形態および実施例では、1個のフィラメント3を反応容器2中に設置したが、本発明によれば発熱体の個数は上記実施形態および実施例の限りではなく、2個以上であっても良い。
(4)多孔性担体を載せる保持台に熱源を内蔵させ、炭素成長に適した温度である600℃〜1000℃に保持して、反応を行わせても良い。このような構成によれば、触媒粒子の表面温度のコントロールを容易に行うことができるため、フラーレンおよびカーボンナノチューブの生成効率を一層向上させることができる。
(1)上記実施形態および実施例では、触媒粒子をゼオライト粉末に担持させたが、本発明によれば触媒粒子は必ずしも多孔性担体に担持させる必要はなく、直接に保持台上に載せても良い。
(2)上記実施形態および実施例では、有機溶媒蒸気は単独で反応容器中に導入されたが、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをバッファガスとして使用して、有機溶媒を反応空間中に導入してもよい。
(3)上記実施形態および実施例では、1個のフィラメント3を反応容器2中に設置したが、本発明によれば発熱体の個数は上記実施形態および実施例の限りではなく、2個以上であっても良い。
(4)多孔性担体を載せる保持台に熱源を内蔵させ、炭素成長に適した温度である600℃〜1000℃に保持して、反応を行わせても良い。このような構成によれば、触媒粒子の表面温度のコントロールを容易に行うことができるため、フラーレンおよびカーボンナノチューブの生成効率を一層向上させることができる。
1…製造装置
2…反応容器
3…フィラメント(発熱体)
5…保持台(保持部材)
6…貯留容器(溶媒供給部)
7…有機溶媒
12…触媒粒子
13A…細孔
13…ゼオライト粉末(多孔性担体)
S…反応空間
2…反応容器
3…フィラメント(発熱体)
5…保持台(保持部材)
6…貯留容器(溶媒供給部)
7…有機溶媒
12…触媒粒子
13A…細孔
13…ゼオライト粉末(多孔性担体)
S…反応空間
Claims (11)
- 有機溶媒を熱分解してフラーレンまたはカーボンナノチューブを合成するフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法であって、
前記有機溶媒の蒸気を存在させた反応空間内に発熱体を配し、前記発熱体を前記有機溶媒の分解温度以上の温度に加熱することを特徴とするフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。 - 雰囲気圧200Torr以下で反応を行わせることを特徴とする請求項1に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記反応空間の周囲に配された熱源により前記反応空間内が加熱されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記有機溶媒が炭素数6以上の炭化水素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記反応空間内において前記発熱体の近傍領域に触媒粒子を配することで、前記発熱体からの放射熱等を利用して前記触媒粒子の表面を600℃以上1000℃以下に加熱することを特徴とする請求項5に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記触媒粒子は細孔を備えた多孔性担体に担持されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記多孔性担体が酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項7に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造方法。
- 有機溶媒を熱分解してフラーレンまたはカーボンナノチューブを合成するためのフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置であって、
前記有機溶媒の蒸気を導入可能な反応容器と、
前記反応容器に接続されて前記有機溶媒の蒸気を前記反応容器内に供給する溶媒供給部と、
前記反応容器の内部に設置されて前記有機溶媒の分解温度以上の温度に加熱可能な発熱体とを備えることを特徴とするフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置。 - 前記容器内には触媒粒子を保持可能な保持部材が備えられ、この保持部材が前記発熱体の近傍領域に配されることで、前記発熱体からの放射熱等を利用して前記触媒粒子の表面を600℃以上1000℃以下に加熱可能とされていることを特徴とする請求項9に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置。
- 前記保持部材に備えられた熱源によって前記触媒粒子の表面を600℃以上1000℃以下に加熱可能とされていることを特徴とする請求項10に記載のフラーレンまたはカーボンナノチューブの製造装置。
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