JP2002028736A - パイプの凹み加工方法 - Google Patents

パイプの凹み加工方法

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JP2002028736A JP2000212960A JP2000212960A JP2002028736A JP 2002028736 A JP2002028736 A JP 2002028736A JP 2000212960 A JP2000212960 A JP 2000212960A JP 2000212960 A JP2000212960 A JP 2000212960A JP 2002028736 A JP2002028736 A JP 2002028736A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイプの凹部付近にバリが発生せず、プレス
装置の小型化が図れ、芯金の耐久性も高まり、パンチン
グ後の芯金とパイプとの離反作業が円滑化し、量産化に
適したパイプの凹み加工方法を提供する。 【解決手段】 芯金13の凹部13a〜13dと向かい
合うパイプ17の部分に、パイプ17の凹部17a〜1
7dと芯金13の凹部13a〜13dとの間に隙間をあ
けてパンチングする。この結果、芯金13の耐久性が高
まり、芯金13とパイプ17との離反作業が円滑化す
る。量産化に対応した加工方法を得られる。このとき、
パイプ17の凹み加工は剪断加工である。よって小さな
プレス圧で足り、プレス装置が小型化し、加工時にパイ
プ17の凹部17a〜17dの付近にバリが発生しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はパイプの凹み加工
方法、詳しくは、芯金の耐久性が高まり、パイプの凹部
にバリが発生せず、大量生産にも適したパイプの凹み加
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の運転席や助手席の上部には、乗
員の頭部を背後からささえる高さ調整自在なヘッドレス
トが取り付けられている。ヘッドレストは、主に、乗員
の頭部が押しつけられるクッション体と、これを座席に
挿着する略下向きコの字形をしたヘッドレストステーと
を有している。ヘッドレストステーの端部には、ステー
軸線方向に向かって所定ピッチで数個の凹部が形成され
ている。これらの凹部のいずれかに、座席上部に内設さ
れた掛止爪を掛止することで、ヘッドレストが座席に取
り付けられる。
【0003】ヘッドレストステーに凹み加工を施す方法
としては、例えば特許第2974049号公報に記載さ
れた「パイプへの凹み加工方法及びその加工装置」が知
られている。この従来法によれば、まずパイプに芯金を
挿入する。芯金の外周面には、軸線方向へ向かって数個
の凹部が形成されている。それぞれの凹部の凹みは、芯
金の周方向へ向かって刻設された数個の外周溝の一端に
連通され、さらに各外周溝の他端は、芯金の軸線の全長
にわたって刻設された断面円弧状の縦溝に連通されてい
る。縦溝は、芯金の外周面上で、各凹部に対して90度
だけ位置ずれしている。その後、芯金が挿入されたパイ
プを上型と下型とによって挟み込んで堅固に固定する。
次いで、図5の従来手段に係るパイプの凹み加工方法の
説明図に示すように、芯金100の各凹部101に対向
したパイプ102の部分に、それぞれ凹部付形用のパン
チ103を外方から打ちつける。その結果、パンチング
されたパイプ102の各部分が芯金100の対応する凹
部101の形状に塑性変形し、パイプ102の外周面の
所定位置に数個の凹部104が現出される。
【0004】次に、芯金100をパイプ102から引き
抜く。具体的には、まず芯金100を軸線を中心にして
回転させる。芯金100の外周面には各外周溝(図示せ
ず)が刻設されている。したがって、パイプ102の各
凹部104が芯金100の外周面に接触して、芯金10
0の回転を阻害するようなことはない。次いで、芯金1
00が、縦溝(図示せず)にパイプ102の各凹部10
4が収納される位置まで回転したなら、芯金100を軸
線方向へ引っ張ってパイプ102の中から芯金100を
抜き出す。それから、上型105と下型(図示せず)と
を型開きしてパイプ102を外す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のパイプの凹み加工方法にあっては、以下の問題点が
あった。すなわち、従来の凹み加工は、パイプ102の
凹部104(内壁面)が、芯金100の凹部101(底
壁面)に打ちつけられる型鍛造加工であった。そのた
め、加工後のパイプ102には、凹部104付近にバリ
が発生しやすかった。しかも、パンチング時は芯金10
0に大きな外力が作用し、例えば金属疲労などで短期間
のうちに芯金100が傷んでしまい、芯金100の耐久
性が低下していた。さらに、このような型鍛造加工で
は、パンチング時、パイプ102の凹部104が、芯金
100の凹部101に密着(接着)しやすく、芯金10
0を回動させて引き抜くという作業ができないことも多
々あった。そのため、この従来法は、現実の量産には不
向きであった。さらに、この従来法によるパンチング
は、パイプ102の塑性変形を伴なう型鍛造加工による
パンチングであった。型鍛造加工を行うには大きな外力
を加える必要がある。そのため、凹み加工用の設備とし
て大型のプレス装置を採用しなければならず、設備コス
トがかさむという問題点があった。
【0006】そこで、発明者は、長期にわたる鋭意研究
の結果、パイプの凹部が芯金の凹部に接触しないように
隙間をあけてパンチングすれば、この凹部の加工が形状
だけが変化して体積が変化しないせん断加工となり、そ
の結果、加工後のパイプの凹部付近にバリが発生せず、
パンチング時の外力も小さくなってプレス装置の小型化
が図れるとともに、芯金の耐久性も高まり、さらにパン
チング時にパイプの凹部が芯金の凹部に密着しないの
で、芯金とパイプとを離反させる作業が円滑化し、大量
生産に適した加工法となることを見出し、この発明を完
成させた。
【0007】
【発明の目的】この発明は、加工後のパイプの凹部付近
にバリが発生せず、プレス装置の小型化が図れ、芯金の
耐久性も高まり、パンチング後の芯金とパイプとの離反
作業を円滑に行うことができ、これにより現実的に大量
生産を実施することができるパイプの凹み加工方法を提
供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、外周面に凹部を有する芯金が内挿されたパイプのこ
の凹部に対向する部分に、外方からパンチを打ちつけて
凹部を形成し、その後、芯金とパイプとを離反させるパ
イプの凹み加工方法において、上記パンチング時に、上
記パイプの凹部と、芯金の凹部との間に隙間を現出させ
るパイプの凹み加工方法である。芯金の素材は限定され
ない。例えば、耐久性が高く、変形しにくいステンレス
鋼などの各種の金属が挙げられる。また、芯金は中実体
でもよし、筒体でもよい。芯金の凹部の形状、形成個
数、形成位置は限定されない。凹み加工されるパイプの
素材は限定されない。例えば、鉄、アルミニウム、真鍮
などの各種の金属が挙げられる。
【0009】パイプ形成される凹部の形状および個数は
限定されない。通常、芯金の凹部の形状および個数とな
る。芯金とパイプとの離反は、芯金を移動させてもよい
し、パイプを移動させてもよい。また、両者を反対方向
へ移動させてもよい。その際、必ずしも請求項2のよう
に、芯金およびまたはパイプをそれぞれの軸線を中心に
して回動させてから行う必要はない。例えば、芯金をそ
の半径方向へ複数に分割可能な組み立て式とすれば、パ
ンチング後、パイプ内から芯金を部分的に抜き出すこと
ができる。パンチング時におけるパンチのストローク量
は限定されない。要は、パイプの凹部と芯金の凹部との
間に隙間を形成できる量であればよい。そして、隙間の
長さも限定されない。若干でも隙間があいていればよ
い。
【0010】また、請求項2の発明は、上記芯金の外周
面には、上記凹部のほかに、該凹部に連通して、上記パ
イプの凹部のパイプ軸線を中心とした相対的な回動を許
容する、芯金の周方向に延びた外周溝と、該外周溝に連
通して、上記パイプの凹部が軸線方向へ相対的に移動す
ることを許容する、芯金の軸線方向に延びた縦溝とを有
し、上記芯金とパイプとの離反時には、該芯金およびま
たはパイプをそれぞれの軸線を中心にして回動させるこ
とで、上記外周溝を通してパイプの凹部を縦溝に配置
し、その後、該縦溝をパイプの凹部の挿通用の溝として
利用して、上記芯金およびまたはパイプをそれぞれの軸
線方向へ移動させながら、上記芯金とパイプとを離反さ
せる請求項1に記載のパイプの凹み加工方法である。こ
の外周溝の溝形状は限定されない。例えば断面矩形状の
溝でも、断面半円形状の溝でもよい。また、溝の長さも
限定されない。要は、芯金の凹部と縦溝とを連通可能な
長さであればよい。縦溝の芯金の外周面上での形成位置
は限定されない。ただし、各凹部に対して60〜120
度だけ位置ずれしている方が好ましい。この範囲であれ
ば、パンチグ時の大きなプレス圧を、芯金の凹部とは反
対側の部分でしっかりと受け止めることができる。ま
た、縦溝の断面形状は限定されない。例えば断面円弧状
でもよいし、断面矩形状でもよい。
【0011】芯金の縦溝の長さも限定されない。通常、
芯金の凹部から先端までの長さである。パイプの凹部の
回動は、芯金を回動させてもよいし、パイプを回動させ
てもよい。また、その両方でもよい。パイプの凹部の移
動は、芯金を移動させてもよいし、パイプを移動させて
もよい。もちろんその両方でもよい。
【0012】さらに、請求項3の発明は、上記パンチン
グは、あらかじめ上記パイプを上型と下型とで挟み込ん
で固定した後に行われる請求項1または請求項2に記載
のパイプの凹み加工方法である。
【0013】
【作用】この発明によれば、外周面に凹部が形成された
芯金が内挿されたパイプの、この凹部に対向する部分
に、外方からパンチを打ちつける。その際、パイプの凹
部と芯金の凹部とが接触しないように隙間をあけてパン
チングする。その結果、パイプの凹部はせん断加工によ
って形成される。これにより、従来の型鍛造加工よりも
小さな外力で凹みを形成することができる。したがっ
て、プレス装置の小型化が図れて、設備コストの低減化
が図れる。しかも、芯金の耐久性も高まるとともに、加
工後のパイプの凹部付近にバリが発生しない。さらに
は、パンチング時、パイプの凹部と芯金の凹部との間に
隙間が形成されるので、従来法のように両凹部同士が密
着しない。よって、芯金とパイプとの離反作業を円滑に
行うことができる。これにより、従来法では、実際の凹
み加工時において、密着した凹部同士を外す作業を頻繁
に行わなければならず、現実的にはこのパイプの凹み加
工方法を自動化できなかったが、この発明では、この自
動化を実現することができる。
【0014】特に、請求項2の発明によれば、芯金とパ
イプとの離反時に、芯金をその軸線を中心にして回動さ
せたり、パイプをその軸線を中心にして回動させたり、
さらに芯金とパイプとを各軸線を中心にして互いに反対
方向へ回動させたりすることで、外周溝を通してパイプ
の凹部を縦溝に配置する。その後、縦溝をパイプの凹部
の挿通用の溝に利用して、芯金を軸線方向へ移動させた
り、パイプを軸線方向へ移動させたり、芯金とパイプと
を互いに軸線方向の反対向きに移動させたりしながら、
芯金とパイプとを離反させる。これにより、パンチング
後の芯金とパイプとの離反作業を、実際、円滑に行うこ
とができる。
【0015】また、請求項3の発明によれば、上型と下
型とにより、パイプを堅固に挟み込んでからパンチング
を行うので、パンチング時の大きな衝撃によるパイプの
ブレを抑えることができる。その結果、パイプの外周面
の正確な位置にパンチングを施すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。なお、説明の都合上、装置の前後方
向をX方向、幅方向をY方向、高さ方向をZ方向とす
る。図1は、この発明の一実施例に係るパイプの凹み加
工方法の各工程を示す断面図である。図2は、この発明
の一実施例に係るパイプの凹み加工方法に用いられたパ
イプの凹み加工装置の一部断面図を含む側面図である。
図3は、この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法に用いられたパイプの凹み加工装置の要部正面図であ
る。図4は、この発明の一実施例に係るパイプの凹み加
工方法のパンチング工程を示す要部拡大斜視図である。
【0017】図2および図3において、10はこの発明
の一実施例に係るパイプの凹み加工方法に用いられたパ
イプ凹み加工装置であり、このパイプ凹み加工装置10
は、X方向へ長いベース板11と、ベース板11上に取
り付けられた下型12と、下型12に片持ちされて、X
方向へ長い中実の円柱体の芯金13と、芯金13を軸線
を中心にして回動させるY方向へ長い回動シリンダ14
と、下型12の上方に配置されて、下型12の上面に嵌
合される上型15と、上型15の上方に配置されたパン
チング用の加圧板16と、この加圧板16の前部の上下
面を貫通してそれぞれの元部が固着されて、芯金13に
外挿されたパイプ17に4つの凹部17a〜17d(図
1参照)をパンチングする4本のパンチ18A〜18D
とを備えている。以下、これらの構成体を詳細に説明す
る。
【0018】下型12は、その後端から中央部までが一
段高く形成されている。この隆起部分の上面のY方向の
中間部には、X方向に長い断面半円形状の下側嵌合溝1
9Aが形成されている。下型12の前端部12aは上方
へ屈曲されている。前端部12aの中央部には、ブッシ
ュ20を介して、上記芯金13の元部が水平に軸支され
ている。芯金13は、その下部だけが、溝形成部の内周
面との間にパイプ17の厚さと略同じ幅の隙間をあけ
て、下側嵌合溝19Aに収納されている。この下型嵌合
溝19Aと対峙する上側嵌合溝19Bは、上型15の下
面のY方向の中間部に形成されている。芯金13の元部
側の端は前端部12aより前方に配されている。この部
分に板片状の回動アーム21の一端が軸支されている。
一方、回動アーム21の他端には、回動シリンダ14の
ロッド14aの先端部が軸支されている。回動シリンダ
14の元部は、図示しないブラケットを介して、ベース
板11にY方向の垂直面内で揺動自在に軸支されてい
る。したがって、回動シリンダ14のロッド14aを出
し入れさせると、回動シリンダ14の揺動を伴ないなが
ら、回動アーム21を介して、芯金13がその軸線を中
心にして100度だけY方向の垂直面内で回動する。
【0019】図1,図2,図4に示すように、芯金13
の先部の外周面の上部には、軸線方向へ向かって所定間
隔ごとに4つの凹部13a〜13dが形成されている。
また、この芯金13の外周面には、これらの凹部13a
〜13dの凹みに連通して、芯金13の周方向に延びた
外周溝131a〜131dと、これらの外周溝131a
〜131dに連通して、芯金13の軸線方向に延びた縦
溝13eとが形成されている。各外周溝131a〜13
1dは、パンチングによってパイプ17に現出される凹
部17a〜17dの軸線方向への相対的な移動を許容す
る円弧形状に湾曲した短い溝である。また、縦溝13e
は、各凹部17a〜17dのパイプ軸線を中心とした相
対的な回動を許容する、芯金13の略全長にわたって形
成された断面三日月形状の長い溝である。この縦溝13
eは、芯金13の外周面上で、各凹部13a〜13dに
対して100度だけ周方向へ位置ずれしている。
【0020】上記上型15の前部には、上記4本のパン
チ18A〜18Dと対峙する範囲に陥没部15aが形成
されている。陥没部15aの底面には、その上下面(下
面は上側嵌合溝19Bの形成面)を貫通して、4本のパ
ンチ18A〜18Dの細くなった先端部18a〜18d
を、それぞれZ方向へ移動自在に収納する4つの孔部1
5bが形成されている。上型15の上面と上記加圧板1
6との間には、複数本のコイルばね22が配置されてい
る。各コイルばね22のばね力によって、通常時、各パ
ンチ18A〜18Dの先端部18a〜18dは、対応す
る孔部15bに収納されている。ただし、パンチング時
には、図示しない油圧シリンダの外力で加圧板16が押
し下げられる。これにより、各コイルばね22のばね力
に抗して、各パンチ18A〜18Dの先端部18a〜1
8dが、対応する各孔部15bから上側嵌合溝19B内
へ突出する。
【0021】次に、図1を参照して、このパイプ凹み加
工装置10によるパイプの凹み加工方法を説明する。ま
ず、下側嵌合溝19Aをガイドにして、芯金13にパイ
プ17を外挿する(図1(a),図1(a1))。次い
で、図示しない油圧シリンダのロッドを下方へ突出させ
て、上型15を下降させて下型12と嵌合させる。これ
により、下側嵌合溝19Aと上側嵌合溝19Bとが重な
ってパイプ17の嵌合孔を形成する。こうして、パイプ
17が下型12と上型15とにより堅固に挟み込まれて
固定される(図1(b),図1(b1))。その結果、
パンチング時の大きな衝撃によるパイプ17のブレを抑
えることができる。よって、パイプ17の上部の正確な
位置にパンチングすることができる。
【0022】続いて、油圧シリンダのロッドをさらに下
方へ突出させると、コイルばね22のばね力に抗して加
圧板16が下降する。これにより、各パンチ18A〜1
8Dの先端部18a〜18dが上側嵌合溝19B内へ突
出する。こうして、対応する凹部13a〜13dを形成
ガイドにして、パイプ17の上部に、4つの凹部17a
〜17dがパンチングされる。この際、各凹部17a〜
17dの下面と、芯金13の対応する凹部13a〜13
dの底面との間には、対応する凹部同士を接触させない
ように、それぞれ隙間Cがあけられる(図1(c),図
1(c1))。
【0023】こうして、パイプ17の凹部17a〜17
dは、従来の型鍛造加工よりも小さな外力で足りるせん
断加工によって形成される。その結果、プレス装置の小
型化が図れ、設備コストを低減することができる。しか
も、芯金13が受けるパンチング時の外力は従来に比べ
て小さいので、芯金13の耐久性も高まる。さらに、型
鍛造加工ではないので、加工後の各凹部17a〜17d
付近にバリが発生しない。このように、対応するパイプ
17の凹部17a〜17dと、芯金13の凹部13a〜
13dとの間に隙間Cが形成されるようにしたので、両
凹部同士が密着しない。これにより、芯金13の抜き出
し作業を円滑化することができる。そのため、従来法で
は、互いに密着した凹部同士を外す作業が必要であるこ
とから、凹み加工されたパイプ17の現出的な量産は不
可能であったのに対して、一実施例では凹部同士が密着
しないので、凹み加工の自動化が可能となり、この凹み
を有するパイプ17を現実的に量産することができる。
【0024】次に、回動シリンダ14の作動によって、
芯金13を軸線を中心にして100度だけ回動させる。
すると、パイプ17の各凹部17a〜17dが、それぞ
れの対応する各外周溝131a〜131dを通して、縦
溝13eの内部に配置される(図1(d),図1(d
1))。このとき、芯金13の外周面には各外周溝13
1a〜131dが刻設されている。したがって、それぞ
れの凹部17a〜17dが芯金13の外周面に接触し
て、芯金13の回転を阻害するようなことがない。その
際、各パンチ18A〜18Dは下方へ押し下げられたま
まとする。続いて、図示しない油圧シリンダのロッドを
引き上げると、各コイルばね22のばね力によって各パ
ンチ18A〜18Dが上方へ押し戻される。これと同時
に、上型15および加圧板16が引き上げられて、型開
きされる(図1(e),図1(e1))。その後、パイ
プ17が芯金13から引き抜かれる(図1(f))。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、芯金の凹部に対向す
るパイプの部分に、パイプの凹部が芯金の凹部に接触し
ないように隙間をあけてパンチングされるようにしたの
で、芯金の耐久性が高まり、しかも芯金とパイプとを離
反させる作業が円滑にできて、凹み加工の自動化を図る
ことができる。また、このパイプの凹み加工がせん断加
工であるので、小さなプレス圧で加工を行うことができ
る。さらに、芯金の耐久性も高まるとともに、加工後の
パイプ凹部付近にバリの発生もない。
【0026】特に、請求項2の発明によれば、芯金の外
周面に、凹部のほかに外周溝および縦溝を形成したの
で、パンチング後の芯金とパイプとの離反作業を円滑に
行うことができる。
【0027】また、請求項3の発明によれば、パンチン
グに際して、上型と下型とでパイプを堅固に挟んでパン
チングするので、パンチング時の衝撃によるパイプのブ
レを抑えて、パイプの外周面の正確な位置に凹部をパン
チングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の一実施例に係るパイプの凹み
加工方法の芯金へのパイプの挿入工程を示すパイプ軸線
を含む面に沿った断面図である。 (a1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の芯金へのパイプの挿入工程を示すパイプ軸線に直交
する面に沿った断面図である。 (b)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
の金型嵌合工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断面
図である。 (b1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の金型嵌合工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿っ
た断面図である。 (c)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
のパンチング工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断
面図である。 (c1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法のパンチング工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿
った断面図である。 (c2)図1(c)の部分拡大図である。 (d)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
の芯金回動工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断面
図である。 (d1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の芯金回動工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿っ
た断面図である。 (e)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
の金型開き工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断面
図である。 (e1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の金型開き工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿っ
た断面図である。 (f)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
のパイプ引き抜き工程を示すパイプ軸線を含む面に沿っ
た断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法に用いられたパイプの凹み加工装置の一部断面図を含
む側面図である。
【図3】この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法に用いられたパイプの凹み加工装置の要部正面図であ
る。
【図4】この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法のパンチング工程を示す要部拡大斜視図である。
【図5】従来手段に係るパイプの凹み加工方法の説明図
である。
【符号の説明】
10 パイプの凹み加工装置、 12 下型、 13 芯金、 13a〜13d 凹部、 131a〜131d 外周溝、 13e 縦溝、 17 パイプ、 17a〜17d 凹部、 18A〜18D パンチ、 C 隙間。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月16日(2000.10.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 パイプの凹み加工方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はパイプの凹み加工
方法、詳しくは、芯金の耐久性が高まり、パイプの凹部
にバリが発生せず、大量生産にも適したパイプの凹み加
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の運転席や助手席の上部には、乗
員の頭部を背後からささえる高さ調整自在なヘッドレス
トが取り付けられている。ヘッドレストは、主に、乗員
の頭部が押しつけられるクッション体と、これを座席に
挿着する略下向きコの字形をしたヘッドレストステーと
を有している。ヘッドレストステーの端部には、ステー
軸線方向に向かって所定ピッチで数個の凹部が形成され
ている。これらの凹部のいずれかに、座席上部に内設さ
れた掛止爪を掛止することで、ヘッドレストが座席に取
り付けられる。
【0003】ヘッドレストステーに凹み加工を施す方法
としては、例えば特許第2974049号公報に記載さ
れた「パイプへの凹み加工方法」が知られている。この
従来法によれば、まずパイプに芯金を挿入する。芯金の
外周面には、軸線方向へ向かって数個の凹部が形成され
ている。それぞれの凹部は、芯金の周方向へ沿って刻設
された数個の外周溝の一端に連通され、さらに各外周溝
の他端は、芯金にその軸線の全長にわたって刻設された
断面円弧状の縦溝に連通されている。縦溝は、芯金の外
周面上で、各凹部に対して90度だけ位置ずれしてい
る。次に、芯金が挿入されたパイプを上型と下型とによ
って挟み込んで堅固に固定する。次いで、図5の従来手
段に係るパイプの凹み加工方法の説明図に示すように、
芯金100の各凹部101に対向したパイプ102の部
分に、凹部付形用のパンチ103を外方からそれぞれ打
ちつける。その結果、パンチングされたパイプ102の
各部分が芯金100の対応する凹部101の形状に塑性
変形し、パイプ102の外周面の所定位置に数個の凹部
104が現出される。
【0004】次に、芯金100をパイプ102から引き
抜く。具体的には、まず芯金100をその軸線を中心に
して回転させる。芯金100の外周面には各外周溝(図
示せず)が刻設されている。したがって、パイプ102
の各凹部104が芯金100の外周面に接触して、芯金
100の回転を阻害するようなことはない。次いで、芯
金100が、縦溝(図示せず)にパイプ102の各凹部
104が収納される位置まで回転したなら、芯金100
を軸線方向へ引っ張ってパイプ102の中から芯金10
0を抜き出す。それから、上型105と下型(図示せ
ず)とを型開きしてパイプ102を外す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のパイプの凹み加工方法にあっては、以下の問題点が
あった。すなわち、従来の凹み加工は、パイプ102の
凹部104(内壁面)が、芯金100の凹部101(底
壁面)に打ちつけられる型鍛造加工であった。そのた
め、加工後のパイプ102には、凹部104付近にバリ
が発生しやすかった。しかも、パンチング時は芯金10
0に大きな外力が作用し、例えば金属疲労などで短期間
のうちに芯金100が傷んでしまい、芯金100の耐久
性が低下していた。さらに、このような型鍛造加工で
は、パンチング時、パイプ102の凹部104が、芯金
100の凹部101に密着(接着)しやすく、芯金10
0を回動させて引き抜くという作業ができないことも多
々あった。そのため、この従来法は、現実の量産には不
向きであった。さらに、この従来法によるパンチング
は、パイプ102の塑性変形を伴なう型鍛造加工による
ものであった。型鍛造加工を行うには大きな外力を加え
る必要がある。そのため、凹み加工用の設備として大型
のプレス装置を採用しなければならず、設備コストがか
さむという問題点があった。
【0006】そこで、発明者は、長期にわたる鋭意研究
の結果、パイプの凹部が芯金の凹部外壁に接触しないよ
うにこれらの間に隙間をあけてパンチングすれば、この
凹部の加工が形状だけが変化して体積が変化しないせん
断加工となり、その結果、加工後のパイプの凹部付近に
バリが発生せず、パンチング時の外力も小さくなってプ
レス装置の小型化が図れるとともに、芯金の耐久性も高
まり、さらにパンチング時にパイプの凹部が芯金の凹部
底壁面に密着しないので、芯金とパイプとを離反させる
作業が円滑化し、大量生産に適した加工法となることを
見出し、この発明を完成させた。
【0007】
【発明の目的】この発明は、加工後のパイプの凹部付近
にバリが発生せず、プレス装置の小型化が図れ、芯金の
耐久性も高まり、パンチング後の芯金とパイプとの離反
作業を円滑に行うことができ、これにより現実的に大量
生産を実施することができるパイプの凹み加工方法を提
供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、外周面に凹部を有する芯金が内挿されたパイプのこ
の凹部に対向する部分に、パイプの外方からパンチを打
ちつけてせん断加工により凹部を形成し、その後、芯金
とパイプとを離反させるパイプの凹み加工方法であっ
て、上記パンチング時、そのパンチング方向にあって、
上記パイプの凹部と芯金の凹部との間に隙間を現出させ
るパイプの凹み加工方法である。芯金の素材は限定され
ない。例えば、耐久性が高く、変形しにくいステンレス
鋼などの各種の金属が挙げられる。また、芯金は中実体
でもよし、筒体でもよい。芯金の凹部の形状、形成個
数、形成位置は限定されない。凹み加工されるパイプの
素材は限定されない。例えば、鉄、アルミニウム、真鍮
などの各種の金属が挙げられる。
【0009】パイプ形成される凹部の形状および個数は
限定されない。通常、芯金の凹部の形状および個数とな
る。芯金とパイプとの離反は、芯金を移動させてもよい
し、パイプを移動させてもよい。また、両者を反対方向
へ移動させてもよい。その際、必ずしも請求項2のよう
に、芯金およびまたはパイプをそれぞれの軸線を中心に
して回動させてから行う必要はない。例えば、芯金をそ
の半径方向へ複数に分割可能な組み立て式とすれば、パ
ンチング後、パイプ内から芯金を部分的に抜き出すこと
ができる。パンチング時におけるパンチのストローク量
は限定されない。要は、パンチング方向にあってパイプ
の凹部と芯金の凹部との間に隙間を形成できる量であれ
ばよい。そして、隙間の長さも限定されない。若干でも
隙間があいていればよい。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、上記芯金
の外周面には、上記凹部のほかに、この凹部に連通し
て、上記パイプの凹部のパイプ軸線を中心とした相対的
な回動を許容する、芯金の周方向に延びた外周溝と、こ
の外周溝に連通して、上記パイプの凹部が軸線方向へ相
対的に移動することを許容する、芯金の軸線方向に延び
た縦溝とを有し、上記芯金とパイプとの離反時には、こ
の芯金およびまたはパイプをそれぞれの軸線を中心にし
て回動させることで、上記外周溝を通してパイプの凹部
を縦溝に配置し、その後、この縦溝をパイプの凹部の挿
通用の溝として利用して、上記芯金およびまたはパイプ
をそれぞれの軸線方向へ移動させながら、上記芯金とパ
イプとを離反させる請求項1に記載のパイプの凹み加工
方法である。この外周溝の溝形状は限定されない。例え
ば断面矩形状の溝でも、断面半円形状の溝でもよい。ま
た、溝の長さも限定されない。要は、芯金の凹部と縦溝
とを連通可能な長さであればよい。縦溝の芯金の外周面
上での形成位置は限定されない。ただし、各凹部に対し
て60〜120度だけ位置ずれしている方が好ましい。
この範囲であれば、パンチグ時の大きなプレス圧を、芯
金の凹部とは反対側の部分でしっかりと受け止めること
ができる。また、縦溝の断面形状は限定されない。例え
ば断面円弧状でもよいし、断面矩形状でもよい。
【0011】芯金の縦溝の長さも限定されない。通常、
芯金の凹部から先端までの長さである。パイプの凹部の
回動は、芯金を回動させてもよいし、パイプを回動させ
てもよい。また、その両方でもよい。パイプの凹部の移
動は、芯金を移動させてもよいし、パイプを移動させて
もよい。もちろんその両方でもよい。
【0012】さらに、請求項3の発明は、上記パンチン
グは、あらかじめ上記パイプを上型と下型とで挟み込ん
で固定した後に行われる請求項1または請求項2に記載
のパイプの凹み加工方法である。
【0013】
【作用】この発明によれば、外周面に凹部が形成された
芯金が内挿されたパイプの、この凹部に対向する部分
に、外方からパンチを打ちつける。その際、パイプの凹
部と芯金の凹部とが接触しないようにパンチング方向に
あって隙間をあけてパンチングする。その結果、パイプ
の凹部はせん断加工によって形成される。これにより、
従来の型鍛造加工よりも小さな外力で凹みを形成するこ
とができる。したがって、プレス装置の小型化が図れ
て、設備コストの低減化が図れる。しかも、芯金の耐久
性も高まるとともに、加工後のパイプの凹部付近にバリ
が発生しない。さらには、パンチング時、パイプの凹部
と芯金の凹部との間にパンチング方向に隙間が形成され
るので、従来法のように両凹部の対向面同士が密着しな
い。よって、芯金とパイプとの離反作業を円滑に行うこ
とができる。これにより、従来法では、実際の凹み加工
時において、密着した凹部同士を外す作業を頻繁に行わ
なければならず、現実的にはこのパイプの凹み加工方法
を自動化できなかったが、この発明では、この自動化を
実現することができる。
【0014】特に、請求項2に記載の発明によれば、芯
金とパイプとの離反時に、芯金をその軸線を中心にして
回動させたり、パイプをその軸線を中心にして回動させ
たり、さらに芯金とパイプとを各軸線を中心にして互い
に反対方向へ回動させたりすることで、外周溝を通して
パイプの凹部を縦溝に配置する。その後、縦溝をパイプ
の凹部の挿通用の溝に利用して、芯金を軸線方向へ移動
させたり、パイプを軸線方向へ移動させたり、芯金とパ
イプとを互いに軸線方向の反対向きに移動させたりしな
がら、芯金とパイプとを離反させる。これにより、パン
チング後の芯金とパイプとの離反作業を、実際、円滑に
行うことができる。
【0015】また、請求項3に記載の発明によれば、上
型と下型とにより、パイプを堅固に挟み込んでからパン
チングを行うので、パンチング時の大きな衝撃によるパ
イプのブレを抑えることができる。その結果、パイプの
外周面の正確な位置にパンチングを施すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。なお、説明の都合上、装置の前後方
向をX方向、幅方向をY方向、高さ方向をZ方向とす
る。図1は、この発明の一実施例に係るパイプの凹み加
工方法の各工程を示す断面図である。図2は、この発明
の一実施例に係るパイプの凹み加工方法に用いられたパ
イプの凹み加工装置の一部断面図を含む側面図である。
図3は、この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法に用いられたパイプの凹み加工装置の要部正面図であ
る。図4は、この発明の一実施例に係るパイプの凹み加
工方法のパンチング工程を示す要部拡大斜視図である。
【0017】図2および図3において、10はこの発明
の一実施例に係るパイプの凹み加工方法に用いられたパ
イプ凹み加工装置であり、このパイプ凹み加工装置10
は、X方向へ長いベース板11と、ベース板11上に取
り付けられた下型12と、下型12に片持ちされて、X
方向へ長い中実の円柱体の芯金13と、芯金13を軸線
を中心にして回動させるY方向へ長い回動シリンダ14
と、下型12の上方に配置されて、下型12の上面に嵌
合される上型15と、上型15の上方に配置されたパン
チング用の加圧板16と、この加圧板16の前部の上下
面を貫通してそれぞれの元部が固着されて、芯金13に
外挿されたパイプ17に4つの凹部17a〜17d(図
1参照)をパンチングする4本のパンチ18A〜18D
とを備えている。以下、これらの構成体を詳細に説明す
る。
【0018】下型12は、その後端から中央部までが一
段高く形成されている。この隆起部分の上面のY方向の
中間部には、X方向に長い断面半円形状の下側嵌合溝1
9Aが形成されている。下型12の前端部12aは上方
へ屈曲されている。前端部12aの中央部には、ブッシ
ュ20を介して、上記芯金13の元部が水平に軸支され
ている。芯金13は、その下部だけが、溝形成部の内周
面との間にパイプ17の厚さと略同じ幅の隙間をあけ
て、下側嵌合溝19Aに収納されている。この下型嵌合
溝19Aと対峙する上側嵌合溝19Bは、上型15の下
面のY方向の中間部に形成されている。芯金13の元部
側の端は前端部12aより前方に配されている。この部
分に板片状の回動アーム21の一端が軸支されている。
一方、回動アーム21の他端には、回動シリンダ14の
ロッド14aの先端部が軸支されている。回動シリンダ
14の元部は、図示しないブラケットを介して、ベース
板11にY方向の垂直面内で揺動自在に軸支されてい
る。したがって、回動シリンダ14のロッド14aを出
し入れさせると、回動シリンダ14の揺動を伴ないなが
ら、回動アーム21を介して、芯金13がその軸線を中
心にして100度だけY方向の垂直面内で回動する。
【0019】図1,図2,図4に示すように、芯金13
の先部の外周面の上部には、軸線方向へ向かって所定間
隔ごとに4つの凹部13a〜13dが形成されている。
また、この芯金13の外周面には、これらの凹部13a
〜13dの凹みに連通して、芯金13の周方向に延びた
外周溝131a〜131dと、これらの外周溝131a
〜131dに連通して、芯金13の軸線方向に延びた縦
溝13eとが形成されている。各外周溝131a〜13
1dは、パンチングによってパイプ17に現出される凹
部17a〜17dの軸線方向への相対的な移動を許容す
る円弧形状に湾曲した短い溝である。また、縦溝13e
は、各凹部17a〜17dのパイプ軸線を中心とした相
対的な回動を許容する、芯金13の略全長にわたって形
成された断面三日月形状の長い溝である。この縦溝13
eは、芯金13の外周面上で、各凹部13a〜13dに
対して100度だけ周方向へ位置ずれしている。
【0020】上記上型15の前部には、上記4本のパン
チ18A〜18Dと対峙する範囲に陥没部15aが形成
されている。陥没部15aの底面には、その上下面(下
面は上側嵌合溝19Bの形成面)を貫通して、4本のパ
ンチ18A〜18Dの細くなった先端部18a〜18d
を、それぞれZ方向へ移動自在に収納する4つの孔部1
5bが形成されている。上型15の上面と上記加圧板1
6との間には、複数本のコイルばね22が配置されてい
る。各コイルばね22のばね力によって、通常時、各パ
ンチ18A〜18Dの先端部18a〜18dは、対応す
る孔部15bに収納されている。ただし、パンチング時
には、図示しない油圧シリンダの外力で加圧板16が押
し下げられる。これにより、各コイルばね22のばね力
に抗して、各パンチ18A〜18Dの先端部18a〜1
8dが、対応する各孔部15bから上側嵌合溝19B内
へ突出する。
【0021】次に、図1を参照して、このパイプ凹み加
工装置10によるパイプの凹み加工方法を説明する。ま
ず、下側嵌合溝19Aをガイドにして、芯金13にパイ
プ17を外挿する(図1(a),図1(a1))。次い
で、図示しない油圧シリンダのロッドを下方へ突出させ
て、上型15を下降させて下型12と嵌合させる。これ
により、下側嵌合溝19Aと上側嵌合溝19Bとが重な
ってパイプ17の嵌合孔を形成する。こうして、パイプ
17が下型12と上型15とにより堅固に挟み込まれて
固定される(図1(b),図1(b1))。その結果、
パンチング時の大きな衝撃によるパイプ17のブレを抑
えることができる。よって、パイプ17の上部の正確な
位置にパンチングすることができる。
【0022】続いて、油圧シリンダのロッドをさらに下
方へ突出させると、コイルばね22のばね力に抗して加
圧板16が下降する。これにより、各パンチ18A〜1
8Dの先端部18a〜18dが上側嵌合溝19B内へ突
出する。こうして、対応する凹部13a〜13dを形成
ガイドにして、パイプ17の上部に、4つの凹部17a
〜17dがパンチングされる。この際、各凹部17a〜
17dの下面と、芯金13の対応する凹部13a〜13
dの底面との間には、対応する凹部同士を接触させない
ように、それぞれ隙間Cがあけられる(図1(c),図
1(c1))。
【0023】こうして、パイプ17の凹部17a〜17
dは、従来の型鍛造加工よりも小さな外力で足りるせん
断加工によって形成される。その結果、プレス装置の小
型化が図れ、設備コストを低減することができる。しか
も、芯金13が受けるパンチング時の外力は従来に比べ
て小さいので、芯金13の耐久性も高まる。さらに、型
鍛造加工ではないので、加工後の各凹部17a〜17d
付近にバリが発生しない。このように、対応するパイプ
17の凹部17a〜17dと、芯金13の凹部13a〜
13dとの間に隙間Cが形成されるようにしたので、両
凹部同士が密着しない。これにより、芯金13の抜き出
し作業を円滑化することができる。そのため、従来法で
は、互いに密着した凹部同士を外す作業が必要であるこ
とから、凹み加工されたパイプ17の現出的な量産は不
可能であったのに対して、一実施例では凹部同士が密着
しないので、凹み加工の自動化が可能となり、この凹み
を有するパイプ17を現実的に量産することができる。
【0024】次に、回動シリンダ14の作動によって、
芯金13を軸線を中心にして100度だけ回動させる。
すると、パイプ17の各凹部17a〜17dが、それぞ
れの対応する各外周溝131a〜131dを通して、縦
溝13eの内部に配置される(図1(d),図1(d
1))。このとき、芯金13の外周面には各外周溝13
1a〜131dが刻設されている。したがって、それぞ
れの凹部17a〜17dが芯金13の外周面に接触し
て、芯金13の回転を阻害するようなことがない。その
際、各パンチ18A〜18Dは下方へ押し下げられたま
まとする。続いて、図示しない油圧シリンダのロッドを
引き上げると、各コイルばね22のばね力によって各パ
ンチ18A〜18Dが上方へ押し戻される。これと同時
に、上型15および加圧板16が引き上げられて、型開
きされる(図1(e),図1(e1))。その後、パイ
プ17が芯金13から引き抜かれる(図1(f))。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、芯金の凹部に対向す
るパイプの部分に、パイプの凹部が芯金の凹部に接触し
ないようにパンチング方向にあって隙間をあけてパンチ
ングされるようにしたので、芯金の耐久性が高まり、し
かも芯金とパイプとを離反させる作業が円滑にできて、
凹み加工の自動化を図ることができる。また、このパイ
プの凹み加工がせん断加工であるので、小さなプレス圧
で加工を行うことができる。さらに、芯金の耐久性も高
まるとともに、加工後のパイプ凹部付近にバリの発生も
ない。
【0026】特に、請求項2に記載の発明によれば、芯
金の外周面に、凹部のほかに外周溝および縦溝を形成し
たので、パンチング後の芯金とパイプとの離反作業を円
滑に行うことができる。
【0027】また、請求項3に記載の発明によれば、パ
ンチングに際して、上型と下型とでパイプを堅固に挟ん
でパンチングするので、パンチング時の衝撃によるパイ
プのブレを抑えて、パイプの外周面の正確な位置に凹部
をパンチングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の一実施例に係るパイプの凹み
加工方法の芯金へのパイプの挿入工程を示すパイプ軸線
を含む面に沿った断面図である。 (a1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の芯金へのパイプの挿入工程を示すパイプ軸線に直交
する面に沿った断面図である。 (b)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
の金型嵌合工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断面
図である。 (b1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の金型嵌合工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿っ
た断面図である。 (c)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
のパンチング工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断
面図である。 (c1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法のパンチング工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿
った断面図である。 (c2)図1(c)の部分拡大図である。 (d)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
の芯金回動工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断面
図である。 (d1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の芯金回動工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿っ
た断面図である。 (e)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
の金型開き工程を示すパイプ軸線を含む面に沿った断面
図である。 (e1)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法の金型開き工程を示すパイプ軸線に直交する面に沿っ
た断面図である。 (f)この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方法
のパイプ引き抜き工程を示すパイプ軸線を含む面に沿っ
た断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法に用いられたパイプの凹み加工装置の一部断面図を含
む側面図である。
【図3】この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法に用いられたパイプの凹み加工装置の要部正面図であ
る。
【図4】この発明の一実施例に係るパイプの凹み加工方
法のパンチング工程を示す要部拡大斜視図である。
【図5】従来手段に係るパイプの凹み加工方法の説明図
である。
【符号の説明】 10 パイプの凹み加工装置、 12 下型、 13 芯金、 13a〜13d 凹部、 131a〜131d 外周溝、 13e 縦溝、 17 パイプ、 17a〜17d 凹部、 18A〜18D パンチ、 C 隙間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に凹部を有する芯金が内挿された
    パイプのこの凹部に対向する部分に、外方からパンチを
    打ちつけて凹部を形成し、その後、芯金とパイプとを離
    反させるパイプの凹み加工方法において、 上記パンチング時に、上記パイプの凹部と、芯金の凹部
    との間に隙間を現出させるパイプの凹み加工方法。
  2. 【請求項2】 上記芯金の外周面には、 上記凹部のほかに、該凹部に連通して、上記パイプの凹
    部のパイプ軸線を中心とした相対的な回動を許容する、
    芯金の周方向に延びた外周溝と、 該外周溝に連通して、上記パイプの凹部が軸線方向へ相
    対的に移動することを許容する、芯金の軸線方向に延び
    た縦溝とを有し、 上記芯金とパイプとの離反時には、該芯金およびまたは
    パイプをそれぞれの軸線を中心にして回動させること
    で、上記外周溝を通してパイプの凹部を縦溝に配置し、
    その後、該縦溝をパイプの凹部の挿通用の溝として利用
    して、上記芯金およびまたはパイプをそれぞれの軸線方
    向へ移動させながら、上記芯金とパイプとを離反させる
    請求項1に記載のパイプの凹み加工方法。
  3. 【請求項3】 上記パンチングは、あらかじめ上記パイ
    プを上型と下型とで挟み込んで固定した後に行われる請
    求項1または請求項2に記載のパイプの凹み加工方法。
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