JP2002027204A - フラットベッドスキャナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像読取対象物の端縁を明瞭化して画像情報
を無理なく抽出できるフラットベッドスキャナーを合理
的に構成する。 【解決手段】 取込み面に対して開閉自在に構成された
蓋部材１９の背景面Ｐを構成する背面部材２０を面ファ
スナー２２によって着脱自在に支持することで、この背
面部材２０を色又は柄が異なるものに取換え自在に構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像読取対象物が
載置される透明板製の取込み面が形成されると共に、こ
の取込み面を覆う閉じ姿勢と開放する開放姿勢とに切換
え自在な蓋部材を備え、この蓋部材を閉じ姿勢に設定し
て蓋部材と取込み面との間に挟み込んだ前記画像読取対
象物の画像情報を前記取込み面を介して光学的に取り込
むように構成されたフラットベッドスキャナーに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】上記のように構成されたフラットベッド
スキャナーは、コンピュータに対する画像情報の入力手
段として市販されるものが存在し、このフラットベッド
スキャナーで画像読取対象物の画像情報を取込む際には
蓋部材を閉じ姿勢に設定し、取込み面の側から光線を照
射して画像読取対象物の画像情報をスキャニングする使
用形態となる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述のように画像情報
を取込む際には、画像読取対象物の画像と蓋部材の背景
面の画像とをスキャニングによって同時に取込み、背景
面で取り囲まれる状態の画像読取対象物の端縁（輪郭）
をソフトウエア的に判別し、この判別に基づいて画像読
取対象物の画像情報を抽出する処理が行われるものが存
在する。しかし、蓋部材の背景面が画像読取対象物と同
様の色のものが用いられている場合には、ソフトウエア
的に画像読取対象物の端縁を判別するものであっても画
像読取対象物の端縁の判別が困難となり、画像読取対象
物の画像情報の取込みを行う際にはオペレータが人為的
な操作を行わねばならないこともある。

【０００４】本発明の目的は、画像読取対象物の画像情
報を容易に抽出できるフラットベッドスキャナーを合理
的に構成する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の特徴（請
求項１）は、画像読取対象物が載置される透明板製の取
込み面が形成されると共に、この取込み面を覆う閉じ姿
勢と開放する開放姿勢とに切換え自在な蓋部材を備え、
この蓋部材を閉じ姿勢に設定して蓋部材と取込み面との
間に挟み込んだ前記画像読取対象物の画像情報を前記取
込み面を介して光学的に取り込むように構成されたフラ
ットベッドスキャナーにおいて、前記蓋部材における前
記取込み面の側に配置されて前記画像情報を取り込むと
きの背景となる背景面が、前記画像読取対象物の端縁の
色又は柄と区別可能な色又は柄を備えて構成されている
点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。

【０００６】本発明の第２の特徴（請求項２）は請求項
１において、前記背景面が色又は柄が異なるものと変更
自在に構成されている点にあり、その作用、及び、効果
は次の通りである。

【０００７】本発明の第３の特徴（請求項３）は請求項
２において、前記背景面が、板状の背面部材で構成され
ると共に、この背面部材が前記蓋部材に対して取換え自
在に構成されている点にあり、その作用、及び、効果は
次の通りである。

【０００８】本発明の第４の特徴（請求項４）は請求項
２において、前記背景面が、シート状の背面部材で構成
されると共に、この背面部材の両端部を巻き取り自在に
支持する一対の軸体を前記蓋部材に備えている点にあ
り、その作用、及び、効果は次の通りである。

【０００９】〔作用〕

【００１０】上記第１の特徴によると、背景面が画像読
取対象物の端縁と区別可能な色又は柄を備えて構成され
ているので、画像読取対象物の画像情報を取込む際でも
背景面に対する画像読取対象物の端縁の区別を容易にす
るものとなり、例えば、画像読取対象物の端縁をソフト
ウエア的に区別する場合でも、画像情報に基づいて画像
読取対象物を容易に抽出する処理も可能になる。

【００１１】上記第２の特徴によると、背景面が変更自
在に構成されているので、背景面に対する画像読取対象
物の端縁が不明瞭である状況が発生した場合でも、背景
面を変更することにより、背景面と画像読取対象物の端
縁との差を明瞭にして、端縁の判別を容易にする。

【００１２】上記第３の特徴によると、背景面としての
背面部材を取換えることにより、この背面部材の色又は
柄を画像読取対象物の端縁の色又は柄と異なるものに変
更できるものとなる。

【００１３】上記第４の特徴によると、背景面としての
シート状の背面部材をスクロールするように移動させる
ことが可能となり、このように移動を行うことにより、
この背面部材を色又は柄を画像読取対象物の端縁の色又
は柄と異なるものに変更できるものとなる。

【００１４】〔発明の効果〕従って、画像読取対象物の
端縁を明瞭化して画像読取対象物の画像情報を容易に抽
出することも可能なフラットベッドスキャナーが合理的
に構成されたのである。又、画像読取対象物の端縁を明
瞭化する場合に背景面を変更することにより変更範囲を
広くした状態での明瞭化を可能にするばかりでなく、こ
の変更を比較的簡単な構造で可能にすることや、この変
更を行う場合に取換え操作を行うことなく可能にするも
のとなったのである。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に示すように、銀塩式の写真
フィルム１のコマの画像情報をデジタル信号化して取込
む画像処理部Ａと、この画像処理部Ａからのコマ画像情
報に基づいて銀塩式の印画紙２にプリントを行うプリン
ト処理部Ｂとを備えて写真プリント装置が構成されてい
る。

【００１６】前記画像処理部Ａは写真フィルム１のコマ
画像情報をＲ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の３原色に色
分解し、デジタル信号化して取り込むスキャナー３と、
取込んだ画像情報等を表示するモニター４とを上部に備
えると共に、テーブル５の上面に各種の情報を入力する
ための操作卓６とを備え、テーブル５の下方に汎用コン
ピュータで成る処理装置７を備え、サイドテーブル部８
に対してシート状の画像読取対象物Ｓからの画像情報を
取込むフラットベッドスキャナーＦＳを備えて構成され
ている。又、処理装置７には画像処理を行うマイクロプ
ロセッサー（図示せず）と、画像処理を可能にするソフ
トウエアとを備えると共に、メモリカードやＭＯやフロ
ッピー（登録商標）ディスク等の記憶媒体から画像デー
タを取り込む入力手段９とデータを保存するハードディ
スク１０とを内蔵して構成されている。

【００１７】前記プリント部Ｂは、筐体の内部のマイク
ロプロセッサを有した制御装置（図示せず）を備えると
共に、筐体の上面に２つの印画紙マガジンＭ、Ｍを載置
し、この印画紙マガジンＭ、Ｍから送られた印画紙２を
プリントサイズに切断して搬送する搬送系と、このよう
に切断された印画紙２に対して画像情報の露光を行う露
光部Ｅｘと、この露光部Ｅｘで露光された印画紙１の現
像処理を行うよう複数の現像処理槽を有した現像処理部
Ｄｅと、この現像処理部Ｄｅで現像処理された印画紙２
を乾燥する乾燥部Ｄｒと、この乾燥部Ｄｒで乾燥された
後に装置上面に送り出された印画紙２を横送りコンベア
１１を介して複数のトレイ１２Ｔに対してオーダ単位で
印画紙２を回収するソータ１２とを備えて構成されてい
る。尚、前記露光部Ｅｘには蛍光ビーム方式、液晶シャ
ッター方式、ＤＭＤ方式又はＦＯＣＲＴ方式等の露光ヘ
ッドを備えている。

【００１８】図２に示すように、前記フラットベッドス
キャナーＦＳは、本体１５の上面に透明板製の取込み面
１６を備えると共に、この取込み面１６にセットされた
シート状の画像読取対象物Ｓの画像情報を光学的に取込
むようＣＣＤ式やＣＩＳ式のスキャニング部１７を本体
１５に内蔵し、又、本体１５の上面にヒンジ１８を介し
て取込み面１６を覆う閉じ姿勢と開放する開放姿勢とに
切換え自在な蓋部材１９を備えている。そして、このフ
ラットベッドスキャナーＦＳで画像情報の取込みを行う
場合には蓋部材１９を閉じ姿勢に設定して蓋部材１９の
背景面Ｐと取込み面との間にシート状の画像読取対象物
Ｓを挟み込み、取込み面Ｐを介してスキャニング部１７
が光学的に画像情報の取込みを行うものとなっている。

【００１９】又、前記蓋部材１９の背景面Ｐは色又は柄
が異なるものと変更自在に構成されている。具体的に
は、色として色相、明度、彩度が異なるものが準備さ
れ、又、柄として、格子柄や小さいドットが多数形成さ
れた柄のように単位エリアに対して画像情報が存在する
部位と存在しない部位とが明瞭に弁別されるものが準備
されている。そして、この変更を可能にする構造として
図３に示すように背景面Ｐとして樹脂シート等の板状で
柔軟な画像読取対象物Ｓの背面部材２０を用い、この背
面部材２０と蓋部材１９との間にスポンジ材のように柔
軟で適度の押圧力を作用させ得る押圧材２１を配置し、
又、背面部材２０を蓋部材１９に対して着脱自在に支持
する面ファスナー２２を備える構成を採用することが考
えられる。これと異なる構造として図４に示すように、
背景面Ｐとして柔軟な長尺のシート状の背面部材２０を
用いると共に、この背面部材２０の両端部を巻き取る一
対の軸体２３、２３を蓋部材１９に備える構成が考えら
れる。尚、このように長尺のシート状の背面部材２０を
用いる場合には、背面部材２０を取込み面１６と等しい
幅に形成すると共に、この背面部材２０に対して取込み
面１０と略等しい領域に亘って、設定された色又は柄が
形成され、夫々の軸体２３、２３に対して同図に示す如
く回転操作用のハンドル２４を備えること、あるいは、
巻き取り操作用の電動モータを備えることになる。

【００２０】次に画像読取対象物Ｓの画像情報を取込む
処理を図５のフローチャートに従って説明する。この処
理では、背面の指定を行い、予め設定された解像度でプ
レスキャンを行って画像情報を粗く取込み、このプレス
キャンの結果をモニター１０に表示する処理を行う（＃
１０１〜＃１０３ステップ）。ここで背面の指定とは前
述したように背景面Ｐとして選択した背面部材２０に対
して予め設定された識別番号や名称を操作卓６から入力
する処理であり、このように背面を指定することにより
背面の色相や明度や柄に基づいて画像読取対象物Ｓの端
縁（輪郭）を判別しやすくする。又、このように操作卓
６から背面部材２０を特定する情報を人為的に入力する
処理に代えて、蓋部材１９に対して背面部材２０を特定
し得るセンサを備えることや、背面部材２０を特定する
情報を入力するためのスイッチを備えることや、画像読
取対象物Ｓをセットせずにスキャニングを行うことで背
面部材２０の情報を入力するよう構成することも可能で
ある。尚、このようにプレスキャンを行う際に、背面の
指定を全く行わずに処理を開始するよう処理形態を設定
することも可能であり、このように処理形態を設定した
場合にはプレスキャンの結果から背面部材２０の変更の
是非を判断する処理を行わせることや、最適となる背面
部材２０の選択を行わせる処理のプロセスを付加するこ
とも有効である。

【００２１】次に、前述のように指定された背景に基づ
いて取込んだ画像情報から画像読取対象物Ｓの端縁を明
瞭化した状態で取込みエリアの判別を行い、この判別が
可能である場合には、判別結果を取込みエリアに設定
し、又、選択された背景が不適正であった場合のように
画像読取対象物Ｓの端縁の判別が不能であった場合には
フラットベッドスキャナーＦＳで画像情報が取込み可能
な全領域を取込みエリアに設定し、この後に、この取込
みエリアを、既にモニター４に表示されている画像情報
と重ね合わせる状態で表示する（＃１０４〜＃１０８ス
テップ）。又、この処理で、画像読取対象物Ｓの端縁の
判別が不能である場合には、背面部材２０の切換えを促
すメッセージ等をモニター４に表示するよう処理形態を
設定することも可能である。

【００２２】この処理で取込みエリアの判別を行う際に
は前述のように指定された背景に基づき、プレスキャン
で取込まれた画像情報から色又は柄が異なる領域を識別
し、この識別によって得られた画像情報の境界部位を端
縁として、この端縁に取り囲まれた領域（不完全に取り
囲まれた状態でも領域が推定される）を取込みエリアに
設定する処理（例えば、フラットベッドスキャナーの取
込み可能なエリア内の領域を示す座標情報）が行われ
る。又、端縁が明瞭でない場合にはフラットベッドスキ
ャナーで画像情報が取込み可能な全領域が取込みエリア
に設定される。特に、このように取込みエリアを設定す
る処理では、複数の画像読取対象物Ｓをフラットベッド
スキャナーＦＳにセットした場合のように、複数の取込
みエリアを設定する必要がある状況では複数の取込みエ
リアを設定する処理が行われる。

【００２３】次に、取込みエリアが設定されると前記プ
レスキャンでの解像度より高い解像度によって、メイン
スキャンを行って取込みエリア内だけの画像情報の取込
みを行い、その画像情報を前記ハードディスク１０やメ
モリに保存する処理を行うものとなっている（＃１０
９、＃１１０ステップ）。

【００２４】このように画像情報が取込まれる画像読取
対象物Ｓの一例として、プリント部Ｂの露光部Ｅｘに備
えられたリニア型の発光素子を有する露光ヘッドを校正
するためのテストチャートが想定される。つまり、この
校正用のテストチャートはＲ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ
（青）の発光素子を予め設定された信号で順次駆動し乍
ら印画紙２を副走査方向に移動させ、その後、現像処理
を行うことで得られるものであり、現像処理後のテスト
チャート（画像読取対象物Ｓ）には露光ドットラインが
形成される。又、露光ヘッドの校正を行う場合にはテス
トチャートの画像情報を前述のようにフラットベッドス
キャナーＦＳで取込み、このフラットベッドスキャナー
ＦＳからの情報に基づいて夫々の露光ドットラインの濃
度を計測し、この計測結果に基づいて露光ヘッドの発光
素子夫々に対する補正係数を設定する処理が行われ、露
光むらを解消できるものとなっている。

【００２５】尚、このフラットベッドスキャナーＦＳで
取込み可能な画像情報として画像がプリントされた印画
紙２をセットし、その印画紙２にプリントされた画像情
報を取込み、焼き増しを行う場合と同じようにプリント
を行う際の画像情報として取込む際に利用できることは
言うまでもないことであり、現像されたフィルムの画像
情報を取込むことに利用しても良い。

【００２６】このように、本発明では、フラットベッド
スキャナーＦＳの蓋部材１９の背景面Ｐを変更自在に構
成し、このフラットベッドスキャナーＦＳの取込み面１
６と背景面Ｐとの間に挟み込まれた画像読取対象物Ｓの
画像情報をプレスキャンで粗く取り込み、このように取
込んだ画像情報からソフトウエア的に画像読取対象物Ｓ
の端縁を判別するよう構成することにより、例えば、画
像読取対象物Ｓの端縁の色が背景面Ｐと近似する場合で
も、画像読取対象物Ｓの色又は柄を適切に設定すること
で画像読取対象物Ｓと背景との境界を明瞭化して、この
境界の内部を取込みエリアに設定することを可能にする
ものとなり、その結果、オペレータが取込みエリアを人
為的に設定する処理を行わずとも取込みエリア内だけを
取込むメインスキャンを可能にして、取込む画像情報の
量を少なくするばかりでなく、迅速な取込み処理を可能
にするものとなっている。

【００２７】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態
以外に、例えば、図６に示すように、蓋部材１９の背景
面Ｐにヒンジ２７を介して開閉自在に開口を有する枠体
２８を設け、又、この枠体２８に対して閉じ姿勢に維持
する弾性ロック部材２９を設け、この弾性ロック部材２
９と係合する孔部３０を蓋部材１９に形成して実施する
ことも可能である。この構成によると、背面部材２０を
取換える際には、枠体２８を開放姿勢に設定してシート
状の背面部材２０を取換えた後に枠体２８を閉じ姿勢に
設定する操作で済むと共に、背面部材２０の全ての外周
を押さえ込む形態となり安定的に支持できるものとなっ
ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】写真プリント装置の全体斜視図

【図２】蓋部材を閉じた状態と開放した状態とのフラッ
トベッドスキャナーの斜視図

【図３】背面部材の取換え構造を示す斜視図

【図４】背面部材を変更する構造を示す断面図

【図５】画像情報取込みルーチンのフローチャート

【図６】別実施の形態の背面部材の取換え構造を示す斜
視図

【符号の説明】

１６ 取込み面 １９ 蓋部材 ２０ 背面部材 ２２ 軸体 Ｐ 背景面 Ｓ 画像読取対象物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０４Ｎ 1/04 １０６

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像読取対象物が載置される透明板製の
   取込み面が形成されると共に、この取込み面を覆う閉じ
   姿勢と開放する開放姿勢とに切換え自在な蓋部材を備
   え、この蓋部材を閉じ姿勢に設定して蓋部材と取込み面
   との間に挟み込んだ前記画像読取対象物の画像情報を前
   記取込み面を介して光学的に取り込むように構成された
   フラットベッドスキャナーであって、 前記蓋部材における前記取込み面の側に配置されて前記
   画像情報を取り込むときの背景となる背景面が、前記画
   像読取対象物の端縁の色又は柄と区別可能な色又は柄を
   備えて構成されているフラットベッドスキャナー。
2. 【請求項２】 前記背景面が色又は柄が異なるものと変
   更自在に構成されている請求項１記載のフラットベッド
   スキャナー。
3. 【請求項３】 前記背景面が、板状の背面部材で構成さ
   れると共に、この背面部材が前記蓋部材に対して取換え
   自在に構成されている請求項２記載のフラットベッドス
   キャナー。
4. 【請求項４】 前記背景面が、シート状の背面部材で構
   成されると共に、この背面部材の両端部を巻き取り自在
   に支持する一対の軸体を前記蓋部材に備えている請求項
   ２記載のフラットベッドスキャナー。