JP2002025980A - 半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

半導体ウエハの製造方法

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JP2002025980A
JP2002025980A JP2000201539A JP2000201539A JP2002025980A JP 2002025980 A JP2002025980 A JP 2002025980A JP 2000201539 A JP2000201539 A JP 2000201539A JP 2000201539 A JP2000201539 A JP 2000201539A JP 2002025980 A JP2002025980 A JP 2002025980A
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wafer
manufacturing
semiconductor wafer
dry etching
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JP2000201539A
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Michihiko Yanagisawa
道彦 柳澤
Kozo Abe
耕三 阿部
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SpeedFam Co Ltd
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Original Assignee
SpeedFam Co Ltd
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い平坦度に対応可能で、スライシング工程
で生じた加工変質層だけでなく、レーザマーキング工程
で生じた加工変質層も除去された高品質且つ歩留まりの
高いウエハを製造する半導体ウエハの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 レーザマーキング工程103で生じたウ
エハのマーク内の加工変質層をドライエッチング工程1
で完全にエッチング除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザマーキン
グ工程においてシリコンウエハ等の半導体ウエハの表面
や内部に生じた加工変質層を除去可能な半導体ウエハの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の半導体ウエハの製造方
法では、ウエハにレーザマークを打つことが求められる
場合に、例えば、図13或いは図14に示すような工程
が用いられている。なお、ここでは、洗浄や熱処理など
の加工と直接関係しない工程については省略する。図1
3はウエハの裏面を梨地状にすることが求められている
場合に用いられる工程の例であり、スライシング工程1
00と洗浄工程101と粗面取工程102とレーザマー
キング工程103とラッピング工程104とエッチング
工程105と片面ポリシング工程106とが採用されて
いる。具体的には、まず、スライシング工程100にお
いて、シリコン単結晶のインゴットを内周刃やワイヤー
ソー等の切断工具を用いて円盤状に切断することによ
り、半導体用のウエハを得る。 そして、洗浄工程10
1及び粗面取工程102を実行した後、レーザマーキン
グ工程103を実行する。すなわち、レーザをウエハの
レーザマーク部に照射して、当該ウエハを識別するため
の番号,記号,アルファベット又はバーコード等を刻設
する。しかる後、ラッピング工程104及びエッチング
工程105を経てウエハ裏面の梨地表面が作られ、その
後集積回路が作られる主面側の片面ポリシングが行われ
る。 また、図14は、ウエハの裏面光沢度を主面側の
80%以上とすることが必要な場合に用いられる加工工
程の例であり、スライシング工程100と洗浄工程10
1と面取工程102とレーザマーキング工程103とラ
ッピング工程又は粗研削工程107と仕上げ研削工程1
08と両面ポリシング工程109と仕上げ片面ポリシン
グ工程110が採用されている。以下、各工程に関して
説明するが、レーザマーキング工程103までは上記ウ
エハの裏面を梨地状にする場合と同じ工程となるので省
略する。レーザマーキング工程103を終了後、ラッピ
ング工程又は粗研削工程107によってウエハ両面に残
留しているスライシング時の加工歪みを除去し、さらに
仕上げ研削工程108によって一層の低歪化と高平坦化
を行う。その後、完全に加工歪を除去するための両面ポ
リシング工程109を行い、集積回路を製造するために
必要な超平滑面を仕上げ片面ポリシング工程110によ
って得る。尚、上記ラッピング工程又は粗研削工程10
7から両面ポリシング工程109までは平坦化加工工程
に該当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の半導体ウエハの製造方法では、次のような問題
がある。例えば、図13に示した方法は、高集積化する
半導体デバイスを製造するために必要とされる高い平坦
度を歩留まり良く実現できなくなりつつある。これは、
高い平坦度を実現するためには、エッチング時の薬液の
流動や発熱反応によって生じる温度ばらつきを高精度に
コントロールすることが難しく、片面ポリッシングでも
エッチング後の形状を修正できないことによるものであ
る。また、図14に示した工程は高い平坦度を実現可能
なものとして期待されるが、次のような課題が残されて
いる。スライシング工程100では、シリコン単結晶の
インゴットを内周刃やワイヤーソー等の切断工具を用い
て円盤状に切断するため、工具の形状に応じた凹凸がウ
エハの表面に生じると共に、加工変質層がウエハ表面か
ら25μm〜50μm程度の深さまで形成される。この
加工変質層は、ラッピング又は粗研削工程107及び仕
上げ研削工程と108において、除去可能である。しか
しながら、レーザマーキング工程103では、レーザマ
ーク部という微小な領域にレーザビームエネルギを集中
させて加熱し、シリコンを溶融気化させて番号等を刻設
するため、番号などを形成する溝の内側部や底部に加工
変質層が発生する。このような加工変質層は、ウエハの
表面を除去するだけのラッピング又は研削工程では除去
することができず、残存してしまう。この結果、パーテ
ィクルがレーザマーク部に残存して、後工程での発塵源
になったり、また、加工変質層を形成するシリコン自体
が剥がれ落ちて、後工程での発塵源となったりして、ウ
エハ上に集積回路を製造する工程の歩留まり低下を招い
てしまう。
【0004】この発明は上述した課題を解決するために
なされたもので、高い平坦度に対応可能で、スライシン
グ工程で生じた加工変質層だけでなく、レーザマーキン
グ工程で生じた加工変質層も除去された高品質且つ歩留
まりの良いウエハを製造する半導体ウエハの製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、シリコン単結晶でなるインゴッ
トを切断して半導体用のウエハを得るスライシング工程
と、スライシング工程で得たウエハを識別するためのマ
ークをレーザによってウエハのレーザマーク部に形成す
るレーザマーキング工程と、レーザマーキング工程を経
たウエハをラッピング工程又は粗研削工程107から両
面ポリシング工程109までの加工工程で、平坦化・無
歪化・鏡面化する平坦化加工工程と、この平坦化加工工
程で得たウエハの面に中性活性種を局所的に吹き付けな
がら当該ウエハの加工変質層を除去するドライエッチン
グ工程とを具備する半導体ウエハの製造方法であって、
ドライエッチング工程は、放電管内に収納され且つハロ
ゲン元素を含む化合物のガスを放電させて、中性活性種
を含むプラズマを発生させるプラズマ発生過程と、プラ
ズマ中の中性活性種をプラズマから分離して、この中性
活性種を放電管のノズル部の開口側に輸送し、この中性
活性種を当該開口に対向するウエハの面に局所的に吹き
付ける活性種輸送過程と、ノズル部をウエハ面に沿って
相対的に移動させることにより、ウエハの加工変質層を
エッチング除去する加工変質層除去過程とを有する構成
とした。かかる構成により、スライシング工程により、
シリコン単結晶でなるインゴットが切断されて半導体用
のウエハが得られ、レーザマーキング工程によって、こ
のウエハのレーザマーク部にマークが形成される。そし
て、研削工程及び研磨工程によって、ウエハ表面の加工
変質層が除去される。ドライエッチング工程において、
平坦化加工工程で得られたウエハの一層の高平坦化を行
うとともにレーザマーク部のウエハの加工変質層が除去
される。具体的には、ドライエッチング工程において、
プラズマ発生過程が実行され、放電管内のハロゲン元素
を含む化合物のガスが放電され、中性活性種を含むプラ
ズマが放電管内で発生する。すると、活性種輸送過程の
実行により、プラズマ中の中性活性種がプラズマから分
離され、この中性活性種が放電管のノズル部の開口側に
輸送されて、当該開口に対向するウエハの面に局所的に
吹き付けられる。そして、加工変質層除去過程の実行に
より、ノズル部がウエハ面に沿って相対的に移動され、
ウエハのレーザマーキング部に生じた加工変質層がエッ
チング除去される。
【0006】また、ハロゲン元素を含む化合物のガスの
一例として、請求項2の発明は、請求項1に記載の半導
体ウエハの製造方法において、ドライエッチング工程に
おけるプラズマ発生過程のハロゲン元素を含む化合物の
ガスは、SF6(六フッ化硫黄)ガス,CF4(四フッ化
炭素)ガス及びNF3(三フッ化窒素)ガスのうちの少
なくとも一種のガスを含む構成とした。
【0007】特に、請求項3の発明は、請求項1または
請求項2に記載の半導体ウエハの製造方法において、ド
ライエッチング工程における加工変質層除去過程は、マ
スク部材をウエハ面に非接触状態で接近させ、マスク部
材に穿設され且つレーザマーク部と略同等の大きさの開
口をレーザマーク部に対向させた状態で、ノズル部をウ
エハ面に沿って相対的に移動させることにより、ウエハ
の加工変質層をエッチング除去する構成とした。さら
に、請求項4の発明は、請求項3に記載の半導体ウエハ
の製造方法において、マスク部材は、アルミニウム酸化
物,アルミニウム窒化物及びカーボンのいずれかで形成
されている構成とした。また、請求項5の発明は、請求
項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体ウエハの
製造方法において、上記加工変質工程を含んだドライエ
ッチング工程が上記レーザーマーク工程の後に行わ構成
とした。これにより、レーザマーキング工程によって精
製した溝内の加工変質層を後工程のドライエッチング工
程によって除去することができ、後工程でウエハ表面の
加工変質層を取り除くことになる。
【0008】また、請求項6の発明は、請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載の半導体ウエハの製造方法に
おいて、ドライエッチング工程で処理されたウエハの面
を鏡面研磨するポリシング工程を設けた構成としてあ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は、この発明の第1の実施形態
に係る半導体ウエハの製造方法を示すブロック図であ
る。なお、図14に示した上記ウエハの裏面光沢度を主
面側の80%以上とすることが必要な場合に用いられる
従来の半導体ウエハの製造方法に係る工程と同工程につ
いては同符号を付して説明する。図1に示すように、こ
の実施形態の半導体ウエハの製造方法は、スライシング
工程100と、洗浄工程101と、粗面取工程102
と、レーザマーキング工程103と、ラッピング工程又
は粗研削工程107及び仕上げ研削工程108と、ポリ
シング工程としての両面ポリシング工程109及び仕上
げ片面ポリシング工程110と、ドライエッチング工程
1とを具備している。
【0010】まず、スライシング工程100を実行す
る。スライシング工程100は、シリコン単結晶でなる
インゴットを切断して半導体用のウエハを得る工程であ
り、この工程を実行することで得たウエハには、図2に
示すように、加工変質層B1や表面うねりが25μm〜
50μm程度の深さまで形成される。次いで、洗浄工程
101を実行する。すなわち、スライシング工程100
で得たウエハWの全面を洗浄する。そして、面取工程1
02を実行して、洗浄工程101で洗浄されたウエハW
の外周部を面取りする。
【0011】上記のようにスライシング工程100〜粗
面取工程102を経て面取りされた円盤状のウエハW
に、レーザマーキング工程103を実行する。レーザマ
ーキング工程103は、当該ウエハWのレーザマーク部
に識別用のマークをレーザによって形成する工程であ
る。具体的には、Nd:YAGレーザを使用し、レーザ
ビームの焦点をウエハWの表面に合わせて、ウエハWの
レーザマーク部LMのシリコンを溶融気化させること
で、図3に示すように、レーザマーク部LMに「1,
2,3」等のマークを刻設する。レーザマーキング工程
103は、レーザの高周波パルス照射であるので、マー
クの深さは一カ所に照射する高周波パルス数によって調
整する。マークは、ガルバノメータと呼ばれるミラーシ
ステムにより、レーザをウエハW上のレーザマーク部L
M内をX−Y走査照射することで、形成する。上記のよ
うに、ウエハWにマークを形成すると、図4に示すよう
に、マークの溝Mの内側部と底部とに加工変質層B2,
B3が生成される。したがって、この段階では、ウエハ
Wの加工面に、スライシング工程100による加工変質
層B1とレーザマーキング工程103による加工変質層
B2,B3とが存在する。
【0012】そこで、上記のようにしてマークが刻設さ
れたウエハWに対して、ラッピング工程又は粗研削工程
107と仕上げ研削工程108とを実行して、ウエハW
の表面を加工することで平坦化した後、両面ポリシング
工程109を実行して、ウエハWの両面を鏡面研磨す
る。これにより、図5に示すように、ウエハW表面の加
工変質層B1の大部分が除去され、ウエハW表面が平坦
に磨き上げられる。しかし、平坦化加工工程でのラッピ
ング工程又は粗研削工程107〜両面ポリシング工程1
09では、回転する定盤などでウエハWの表面を除去す
るだけであるので、溝M内部の加工変質層B2,B3は
除去されず、図5に示すように、加工変質層B2,B3
が溝M内に残存する。
【0013】そこで、ドライエッチング工程1を実行す
る。ドライエッチング工程1は、上記工程で得たウエハ
Wの面に中性活性種を局所的に吹き付けながら当該ウエ
ハの平坦化加工工程で得られたウエハの一層の高平坦化
を行うとともにレーザマーク部の加工変質層を除去する
工程であり、プラズマ発生過程3と活性種輸送過程4と
加工変質層除去過程5とでなる。図6は、ドライエッチ
ング工程1を具体的に実行するための局所エッチング装
置を示す概略構成図である。この局所エッチング装置
は、プラズマ発生器10と、放電管20と、ガス供給装
置30と、X−Y駆動機構50とを具備している。
【0014】プラズマ発生器10は、放電管20内のガ
スを放電させて中性活性種Gを含んだプラズマを生成す
るための機器であり、マイクロ波発振器11と導波管1
2とよりなる。マイクロ波発振器11は、マグネトロン
であり、所定周波数のマイクロ波Mを発振することがで
きる。導波管12は、マイクロ波発振器11から発振さ
れたマイクロ波Mを伝搬するためのもので、放電管20
に外挿されている。このような導波管12の左側端内部
には、マイクロ波Mを反射して定在波を形成する反射板
(ショートプランジャ)13aが取り付けられている。
また、導波管12の中途には、マイクロ波Mの位相合わ
せを行う3スタブチューナ13bと、マイクロ波発振器
11に向かう反射マイクロ波Mを90゜方向(図6の表
面方向)に曲げるアイソレータ13cとが取り付けられ
ている。
【0015】放電管20は、誘電体のアルミニウム酸化
物で形成された外径25.4mmのパイプ状の円筒体で
あり、その下端部でノズル部20aを形成している。こ
の放電管20の長さは、放電管20内で発生したイオ
ン,電子などの荷電粒子がノズル部20aの開口20b
から噴射する前に失活するに十分な大きさに設定されて
いる。このような放電管20の上端部には、ガス供給装
置30の供給パイプ31が連結されている。ガス供給装
置30は、放電管20内にガスを供給するための装置で
あり、SF6(六フッ化硫黄)ガスのボンベ32を有
し、ボンベ32がバルブ33と流量制御器34を介して
供給パイプ31に連結されている。
【0016】ウエハWは、チャンバ40内のチャック4
1上に配置されると、チャック41の静電気力で吸着さ
れるようになっている。チャンバ40には、真空ポンプ
42が取り付けられており、この真空ポンプ42によっ
てチャンバ40内を真空にすることができる。また、チ
ャンバ40の上面中央部には、孔43が穿設され、この
孔43を介して放電管20のノズル部20aがチャンバ
40内に挿入されている。また、孔43と放電管20と
の間にはO−リング44が装着され、孔43と放電管2
0との間が気密に保持されている。
【0017】X−Y駆動機構50は、このようなチャン
バ40内に配されており、チャック41を下方から支持
している。このX−Y駆動機構50は、そのX駆動モー
タ51によってチャック41を図6の左右に移動させ、
そのY駆動モータ52によってチャック41とX駆動モ
ータ51とを一体に図6の紙面表裏に移動させる。すな
わち、このX−Y駆動機構50によって、ノズル部20
aをウエハWに対して相対的にX−Y方向に移動させる
ことができる。このX−Y駆動部50のX駆動モータ5
1及びY駆動モータ52の駆動制御は、制御コンピュー
タ49が所定のプログラムに基づいて行う。
【0018】かかる局所エッチング装置によるドライエ
ッチング工程1の実行は、次のようにして行う。まず、
図6において、ウエハWをチャック41に吸着させた状
態で、真空ポンプ42を駆動してチャンバ40内を約1
00Paの低気圧状態にする。
【0019】この状態で、ドライエッチング工程1を実
行する。ドライエッチング工程1においては、まず、プ
ラズマ発生過程3を実行する。プラズマ発生過程3は、
放電管20内のガスを、放電させて、中性活性種Gを含
むプラズマを発生させる過程である。具体的には、ガス
供給装置30のバルブ33を開き、ボンベ32内のSF
6ガスを供給パイプ31に流出して、このガスを放電管
20内に供給する。このとき、バルブ33の開度を調整
して、SF6ガスの圧力を所定値に維持すると共に、流
量制御器34により混合ガスの流量を例えば800SC
CMに調整する。そして、上記SF6ガスの供給作業と
並行して、マイクロ波発振器11を駆動し、例えばパワ
ー1kWで周波数2.45GHzのマイクロ波Mを出力
する。すると、SF6ガスがマイクロ波Mによって放電
されて、F(フッ素)原子などの中性活性種Gを含んだ
プラズマが生成される。
【0020】すると、活性種輸送過程4が実行される。
すなわち、放電で生じた各種のガスが、長い放電管20
内をノズル部20aの開口20b側に輸送され、放電部
位から遠く離れたウエハWの表面に吹き付けられる。こ
のとき、輸送中のガス内の電子やイオンなどの荷電粒子
が放電管20の内壁や他の粒子に頻繁に衝突し、ノズル
部20aの開口20bから噴射される前に消滅する。こ
の結果、衝突で消滅しにくく寿命が長い中性Fラジカル
の中性活性種GのみがウエハWの表面に噴射されること
となる。従って、あたかもプラズマ中の中性活性種Gが
プラズマから分離されてウエハWの表面側に輸送された
状態になる。
【0021】この状態で、平坦化加工工程で得られたウ
エハの一層の高平坦化を行うとともにレーザマーク部の
加工変質層除去過程5を実行する。加工変質層除去過程
5は、ノズル部20aをウエハWの表面に沿って相対的
に移動させることにより、ウエハWの加工変質層をエッ
チング除去する過程である。具体的には、制御コンピュ
ータ49によりX−Y駆動機構50を駆動し、ウエハW
を吸着したチャック41をX−Y方向にジグザグ状に移
動させる。すなわち、図7に示すように、ノズル部20
aをウエハWに対して相対的に上下にジグザグ状に走査
させる。このとき、ノズル部20aのウエハWに対する
相対速度は、相対厚部の厚さに略反比例するように設定
しておく。これにより、図8に示すように、ノズル部2
0aが非相対厚部Wbの真上を高速度で移動し、相対厚
部Waの上方にくると相対厚部Waの厚さに応じて速度
を下げる。この結果、相対厚部Waに対するエッチング
時間が長くなり、相対厚部Waが平坦に削られることと
なる。このようにして、ウエハWの表面全面を順次局所
エッチングすることで、ウエハW表面を平坦化すること
ができる。また、上記のように相対走査速度を厚さに反
比例させることなく、一様な速度としてウエハW表面か
ら所定量エッチング除去することもできる。このとき、
図9に示すように、中性活性種Gは、マークの溝M内に
入り込む。したがって、溝M内に入り込んだ中性活性種
Gが溝Mの内側部及び底部に存在している加工変質層B
2,B3を除去する。この結果、図10に示すように、
溝M内の加工変質層B2,B3が除去されることとな
り、加工変質層がなく、高い平坦度のウエハを得ること
ができる。
【0022】そして、最後に、仕上げ片面ポリシング工
程110面を実行し、ドライエッチング工程1で処理さ
れたウエハWの面を鏡面研磨し、半導体ウエハの製造方
法の工程を完了する。
【0023】このように、この実施形態の半導体ウエハ
の製造方法によれば、スライシング工程100で生じた
加工変質層B1を平坦化工程での粗研削工程107〜両
面ポリシング工程109によりほぼ除去した後、レーザ
マーキング工程103で生じたマークの溝M内の加工変
質層B2,B3をドライエッチング工程1によって除去
することができるので、パーティクルの発生源を除去す
ることができる。この結果、歩留まりの良い高品質のウ
エハWを製造することができる。尚、上記条件で、ノズ
ル部20aの相対平均速度を20mm/sに設定して、
この半導体ウエハの製造方法を実行したところ、加工取
りしろは10μmであり、従来の方法と比較すると、そ
の歩留まりが1.2倍に向上した。また、図13で示し
た上記ウエハ裏面を梨地状にすることが求められている
場合の半導体ウエハの製造方法に関しても、上記ウエハ
の裏面光沢度を80%以上とする場合の製造方法と同様
に、歩留まりの良い高品質のウエハWを製造することが
できる。
【0024】(第2の実施形態)図11は、この発明の
第2の実施形態に係る半導体ウエハの製造方法を示す断
面図である。この実施形態では、ドライエッチング工程
1における加工変質層除去過程5において、図11に示
すように、所定のマスク部材6を用いて加工変質層をエ
ッチング除去する点が、上記第1の実施形態と異なる。
【0025】図12は、マスク部材6を示す斜視図であ
る。図12に示すように、マスク部材6は、ウエハWと
対応した形状の円盤体であり、その径はウエハWと同等
又は若干大きめに設定されている。また、このマスク部
材6はマスク部材6自体のエッチングを防止するため、
アルミニウム酸化物,アルミニウム窒化物及びカーボン
のいずれかで形成されており、ウエハWのレーザマーク
部LMに対応する箇所には、レーザマーク部LMと略同
等の大きさの開口60が穿設されている。
【0026】かかるマスク部材6を用いて、加工変質層
除去過程5を実行する際には、図11に示すように、マ
スク部材6をウエハW面から若干距離δだけ離して、マ
スク部材6をウエハW面に非接触状態にし、この状態
で、マスク部材6の開口60をウエハWのレーザマーク
部LMに対向させる。そして、放電管20のノズル部2
0aをレーザマーク部LM内のマーク「1,2,3」の
字体に沿って移動させながら、あるいは文字単位もしく
はレーザマーク全体を対象として、中性活性種Gを開口
60に向けて噴射する。これにより、中性活性種Gがマ
ーク「1,2,3」の字体の溝M内に集中的に入り込
み、溝M内の加工変質層B2,B3のみをエッチング除
去することができ、効率的である。その他の構成,作用
及び効果は上記第1の実施形態と同様であるので、その
記載は省略する。
【0027】(第3の実施形態)図15は第3の実施形
態に係る半導体ウエハの製造方法を示すブロック図であ
る。この実施形態では、ドライエッチング工程1がレー
ザマーキング工程103の後で行われる点が上記第1又
は第2の実施形態と異なる。ここでは、第2の実施形態
におけるドライエッチング工程1をレーザマーキング工
程103の後で行う場合に関して説明する。レーザマー
キング工程103で刻設されたレーザマーク部LMに対
応する箇所には上記第2の実施形態と同様に、図12に
示すようなマスク部材6を配置し、ドライエッチング工
程1によりレーザマーク部LM内のマーク「1,2,
3」の字体に沿って移動させながら、あるいは文字単位
もしくはレーザマーク全体を対象として、中性活性種G
を開口に向けて噴射し、溝M内の加工変質層B1,B2
のみをエッチング除去することができる。特に、ウエハ
表面の加工変質層が平坦化加工工程によって完全に除去
され、求められる平坦度を良好な歩留まりで実現できる
場合はこの実施形態を実行することによって、ドライエ
ッチング工程1における余分なエッチング作業を省略で
きるのでスループットの向上が図られる。尚、上記ドラ
イエッチング工程1によりレーザマスク部の加工変質層
のみを除去したウエハをその後のラッピング工程又は粗
研削工程107,仕上げ研削工程108,両面ポリシン
グ工程109の後に再度ドライエッチング工程1を行っ
て、さらなる高平坦化を図ることもできる。その他の構
成,作用及び効果は上記第1の実施形態と同様であるの
で、その記載は省略する。
【0028】なお、この発明は、上記実施形態に限定さ
れるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の
変形や変更が可能である。例えば、上記実施形態では、
プラズマ発生過程実行手段として、マイクロ波を発振し
てプラズマを発生するプラズマ発生器10を用いたが、
中性活性種を生成しうる手段であれば良く、例えば直流
電場や高周波によってプラズマを発生して中性活性種を
生成するプラズマ発生器など、各種のプラズマ発生器を
プラズマ発生過程実行手段として用いることができるこ
とは勿論である。また、上記実施形態では、ドライエッ
チング工程1におけるプラズマ発生過程にSF6(六フ
ッ化硫黄)ガスを用いたが、CF4(四フッ化炭素)ガ
ス及びNF3(三フッ化窒素)ガス等を用いても良い。
【0029】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明の
半導体ウエハの製造方法によれば、レーザマーキング工
程で生じたレーザマーキング部の加工変質層とウエハ面
に残存する加工変質層を、ドライエッチング工程によっ
て除去することができるので、高品質且つ歩留まりの良
いウエハを製造することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体ウエハ
の製造方法を示すブロック図である。
【図2】スライシング工程による加工変質層の生成状態
を示す断面図である。
【図3】レーザマーキング工程においてレーザマーク部
にマークが刻設されたウエハを示す平面図である。
【図4】レーザマーキング工程によってマークの溝内に
加工変質層が生成された状態を示す断面図である。
【図5】両面ポリッシング工程によって、ウエハ表面の
加工変質層が除去された状態を示す断面図である。
【図6】ドライエッチング工程を具体的に実行するため
の局所エッチング装置を示す概略構成図である。
【図7】ノズル部の走査状態を示す平面図である。
【図8】高平坦化ならびに加工変質層除去過程の実行状
態を示す断面図である。
【図9】中性活性種が溝内の加工変質層のエッチング除
去する状態を示す断面図である。
【図10】レーザマークの溝内の加工変質層が完全にエ
ッチング除去された状態を示す断面図である。
【図11】この発明の第2の実施形態に係る半導体ウエ
ハの製造方法を示す断面図である。
【図12】マスク部材を示す斜視図である。
【図13】ウエハ裏面を梨地状にすることが求められて
いる場合に用いられる半導体ウエハの製造方法を示すブ
ロック図である。
【図14】ウエハの裏面光沢度を主面側の80%以上と
することが必要な場合に用いられる半導体ウエハの製造
方法を示すブロック図である。
【図15】この発明の第3の実施形態に係る半導体ウエ
ハの製造方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ドライエッチング工程、 3…プラズマ発生過程、
4…活性種輸送過程、 5…加工変質層除去過程、
6…マスク部材、 10…プラズマ発生器、20…放電
管、 20a…ノズル部、 20b…開口、 30…ガ
ス供給装置、50…X−Y駆動機構、 100…スライ
シング工程、 101…洗浄工程、102…面取工程、
103…レーザマーキング工程、 104…粗研削工
程、 105…エッチング工程、 106…片面ポリシ
ング工程、 107…ラッピング工程又は粗研削工程、
108…仕上げ研削工程、 109…両面ポリシング
工程、 110…仕上げ片面ポリシング工程、 W…ウ
エハ、 G…中性活性種。
フロントページの続き (72)発明者 阿部 耕三 群馬県安中市中野谷555番地の1 株式会 社スーパーシリコン研究所内 Fターム(参考) 5F004 AA07 AA11 BA13 DA01 DA17 DA18 EA03 EB08 FA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン単結晶でなるインゴットを切断
    して半導体用のウエハを得るスライシング工程と、 上記スライシング工程で得た上記ウエハを識別するため
    のマークをレーザによって上記ウエハのレーザマーク部
    に形成するレーザマーキング工程と、 上記レーザマーキング工程を経た上記ウエハの面に中性
    活性種を局所的に吹き付けながら当該ウエハの加工変質
    層を除去するドライエッチング工程とを具備する半導体
    ウエハの製造方法であって、 上記ドライエッチング工程は、 放電管内に収納され且つハロゲン元素を含む化合物のガ
    スを放電させて、中性活性種を含むプラズマを発生させ
    るプラズマ発生過程と、 上記プラズマ中の中性活性種をプラズマから分離して、
    この中性活性種を放電管のノズル部の開口側に輸送し、
    この中性活性種を当該開口に対向するウエハの面に局所
    的に吹き付ける活性種輸送過程と、 上記ノズル部を上記ウエハ面に沿って相対的に移動させ
    ることにより、上記ウエハの加工変質層を除去する加工
    変質層除去過程とを有することを特徴とする半導体ウエ
    ハの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体ウエハの製造方
    法において、 上記ドライエッチング工程におけるプラズマ発生過程の
    上記ハロゲン元素を含む化合物のガスは、SF6(六フ
    ッ化硫黄)ガス,CF4(四フッ化炭素)ガス及びNF3
    (三フッ化窒素)ガスのうちの少なくとも一種のガスを
    含む、 ことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の半導体
    ウエハの製造方法において、 上記ドライエッチング工程における加工変質層除去過程
    は、マスク部材を上記ウエハ面に非接触状態で接近さ
    せ、上記マスク部材に穿設され且つ上記レーザマーク部
    と略同等の大きさの開口をレーザマーク部に対向させた
    状態で、上記ノズル部を上記ウエハ面に沿って相対的に
    移動させることにより、上記ウエハの加工変質層を除去
    する、 ことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体ウエハの製造方
    法において、 上記マスク部材は、アルミニウム酸化物,アルミニウム
    窒化物及びカーボンのいずれかで形成されている、 ことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の半導体ウエハの製造方法において、 上記加工変質層除去過程を含んだドライエッチング工程
    が上記レーザーマーク工程の後に行われる、ことを特徴
    とする半導体ウエハの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の半導体ウエハの製造方法において、 上記ドライエッチング工程で処理されたウエハの面を鏡
    面研磨するポリシング工程を設けた、 ことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007158202A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Fujitsu Ltd 半導体製造装置、半導体製造装置のプリメンテナンス周期決定方法、及び、半導体製造装置のプリメンテナンス方法
KR101219386B1 (ko) * 2011-02-16 2013-01-21 한국기계연구원 관통형 실리콘 비아의 가공방법 및 그에 의해 제조된 반도체 칩
KR101249857B1 (ko) 2011-08-09 2013-04-05 주식회사 엘지실트론 실리콘 웨이퍼 제조 방법

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