JP2002025767A - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子の製造方法

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JP2002025767A
JP2002025767A JP2000201126A JP2000201126A JP2002025767A JP 2002025767 A JP2002025767 A JP 2002025767A JP 2000201126 A JP2000201126 A JP 2000201126A JP 2000201126 A JP2000201126 A JP 2000201126A JP 2002025767 A JP2002025767 A JP 2002025767A
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JP2000201126A
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Kimitaka Ohata
公孝 大畑
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性が高く、かつ表示品位の優れた有機E
L素子の製造方法およびそれにより得られた有機EL素
子を複数配置した有機ELディスプレイを提供すること
を課題とする。 【解決手段】 有機EL素子の製造方法であって、
(A)第一電極の形成工程、(B)熱発泡性材料を含む
隔壁形成材料で第一電極上に隔壁を形成する工程、また
は熱発泡性材料を含まない隔壁形成材料で第一電極上に
隔壁の下層を形成し、次いで熱発泡性材料を含む隔壁形
成材料で隔壁の下層上に隔壁の上層を形成する工程、
(C)有機層を形成する工程、(D)第二電極の形成工
程、(E)熱処理工程、ならびに(F)隔壁上部の第二
電極の除去工程を含み、かつ(B)、(E)および
(F)をこの順で行う有機EL素子の製造方法により、
上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(エレク
トロルミネッセンス)素子の製造方法およびそれにより
得られた有機ELディスプレイに関する。さらに詳しく
は、本発明は、信頼性が高く、かつ表示品位の優れた有
機EL素子の製造方法およびそれにより得られた有機E
L素子を複数配置した有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な有機EL素子(画素)は、陽極
/発光層/陰極を基本構成とし、さらに正孔輸送層や電
子輸送層などの電荷輸送層を導入したもの、例えば、陽
極/正孔輸送層/発光層/陰極、陽極/発光層/電子輸
送層/陰極、および陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸
送層/陰極などの構成のものが知られている。
【0003】有機EL素子を構成する有機材料は、一般
に湿気や熱に対する耐久性が低いので、これらは素子の
信頼性を低下させる原因となる。そこで、素子を湿気や
熱から遮蔽するために封止膜の形成が行われている。ま
た、陽極−陰極間のリーク(短絡)防止や素子間のクロ
ストーク防止のために素子間領域への隔壁の形成が行わ
れている。
【0004】有機EL素子の電極としては、例えば、複
数本の第一電極をストライプ状に形成し、これと直交す
る方向に複数本の第二電極をストライプ状に形成したマ
トリックスタイプのものがある。このようなマトリック
スを駆動手段で操作することにより、マトリックスの交
点に形成された画素を発光させ、これらを順次画像信号
で制御することにより画像表示装置とする。
【0005】他方、発光層や電荷輸送層などの有機層
は、水分、酸素、有機溶媒および紫外線などの光により
劣化し易い。そこで、上記のような第二電極の形成(パ
ターニング)は、その形成方法が限定される。
【0006】例えば、特開平11−67455号公報に
は、隔壁上にその隔壁よりさらに狭い狭幅隔壁を形成
し、素子形成領域の全面に第二電極を形成した後、隔壁
上の狭幅隔壁と第二電極の一部とを除去することによ
り、パターニングを行う方法が開示されている。ここで
は、除去方法として、粘着ローラーや研磨ローラーを用
いる方法、機械研磨や吸引方式のような物理的な方法が
挙げられている。
【0007】このような除去工程において、狭幅隔壁と
隔壁との密着力が強い場合には、狭幅隔壁が完全に除去
されず、パターニングが不十分となる。また、ローラー
を用いる場合、隔壁が低いと、ローラーが発光に寄与す
る電極も同時に除去してしまう可能性がある。この問題
を回避するために隔壁を高くする必要があるが、隔壁が
高すぎると隔壁自体が、有機層や電極を蒸着法で形成す
る際の影となり、膜厚むらが生じ、素子の表示品位の低
下、信頼性の低下を起こしてしまう。
【0008】特開平7−139586号公報には、加熱
時に発泡して被接着体に対する接着力を低下させるため
の加熱発泡剤を含有した、接着性を有する粘弾性体製の
制振材が開示されている。しかしながら、この公報に記
載の発明は、振動を吸収抑制するための制振材に関する
ものであり、本発明とは利用分野が異なるだけでなく、
前記公報には有機EL素子への応用についての記載はな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、信頼性が高
く、かつ表示品位の優れた有機EL素子の製造方法およ
びそれにより得られた有機EL素子を複数配置した有機
ELディスプレイを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を行った結果、熱発泡性材料を
含む隔壁形成材料で隔壁を形成し、次いで電極を形成
し、これを熱処理することにより、熱発泡性材料が発泡
し、隔壁が膨張し、隔壁の接着力が低下して、隔壁上部
の電極の除去が容易にできること、および隔壁の膨張
(膜厚の増大)により、ローラーなどの除去装置を用い
ても、発光に寄与する電極部分との接触を避けることが
でき、その部分が除去されないことを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0011】かくして、本発明によれば、支持基板上に
形成された第一電極と第二電極との間に有機層と隔壁と
を有し、隔壁が有機層の周囲またはその一部に配置され
た有機EL素子の製造方法であって、(A)支持基板上
に第一電極を形成する工程、(B)熱発泡性材料を含む
隔壁形成材料で第一電極上に隔壁を形成するか、あるい
は熱発泡性材料を含まない隔壁形成材料で第一電極上に
隔壁の下層を形成し、次いで熱発泡性材料を含む隔壁形
成材料で隔壁の下層上に隔壁の上層を形成する工程、
(C)第一電極上に有機層を形成する工程、(D)隔壁
上および有機層上に第二電極を形成する工程、(E)熱
発泡性材料を発泡させるために熱処理する工程、ならび
に(F)発泡した隔壁上部の第二電極または隔壁上部の
第二電極と隔壁の一部を除去する工程を含み、かつ
(B)、(E)および(F)をこの順で行うことを特徴
とする有機EL素子の製造方法が提供される。
【0012】また、本発明によれば、上記の製造方法に
より得られた有機EL素子を複数配置した有機ELディ
スプレイが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明により製造される有
機EL素子の構成を説明する。本発明の有機EL素子
は、支持基板、パターニングによりマトリックス状に支
持基板上に形成された第一電極、さらに有機層と第二電
極とが積層された構造で、素子を分離するように隔壁が
設けられている。
【0014】支持基板は、少なくとも一方の電極側に配
され、その材質としては、通常この種の有機EL素子の
支持基板として使用されるものであれば特に限定される
ものではない。例えば、石英、ソーダガラスなどの無機
材料、ポリイミド、ポリエステルなどの有機材料が挙げ
られる。
【0015】第一電極と第二電極の材質は、有機EL素
子の構成により選定される。すなわち、有機EL素子に
おいて、支持基板が透明基板で、かつ第一電極が透明電
極である場合には、有機層からの発光が支持基板側から
放出されるので、発光効率を高めるために、第二電極を
反射電極とするのが好ましい。逆に、第二電極が透明電
極である場合には、有機層からの発光が第二電極側から
放出されるので、第一電極を反射電極とするのが好まし
い。
【0016】透明電極の材質としては、例えば、インジ
ウム−錫酸化物(ITO)、SnO2、Au薄膜などの無機材
料やポリアニリン、ポリチオフェン薄膜などの有機材料
が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0017】また、反射電極の材質としては、仕事関数
が4.0eV以下の金属を含む合金もしくはそれらの積層構
造などが好ましく、例えば、マグネシウム、リチウム、
カルシウムなどが挙げられるが、特にこれらに限定され
ない。第一電極および第二電極は、陽極および陰極のい
ずれかであり、第一電極が陽極である場合、第二電極は
陰極となる。
【0018】隔壁は、マスク蒸着時の土台、陽極−陰極
間のリーク防止、画素間のクロストーク防止および画素
間における有機材料の混合防止のためのブロック膜とし
て機能し、画素部の周囲またはその一部に配置される。
また、隔壁の大きさ、形状およびその材質は特に限定さ
れないが、素子の機能に応じて選定するのが好ましい。
【0019】本発明における隔壁は、熱発泡性材料を含
む隔壁形成材料で第一電極上に形成したものか、あるい
は熱発泡性材料を含まない隔壁形成材料で第一電極上に
下層(以下、「絶縁性隔壁」ともいう)を形成し、次い
で熱発泡性材料を含む隔壁形成材料で下層上に上層(以
下、「電極分離用隔壁」ともいう)を形成したものであ
る。隔壁としては、後者の積層型が好ましい。
【0020】熱発泡性材料を含む隔壁形成材料と熱発泡
性材料を含まない隔壁形成材料とは、通常この種の有機
EL素子の隔壁形成材料として用いられる感光性ポリイ
ミドのようなフォトポリマーなどの高分子材料を基材と
する。これらの隔壁形成材料には、必要に応じて公知の
添加剤を添加することができ、その配合量は適宜決定で
きる。
【0021】絶縁性隔壁は、陽極−陰極間のリーク防
止、画素間のクロストーク防止のために絶縁性が要求さ
れる。したがって、絶縁性隔壁を形成するための熱発泡
性材料を含まない隔壁形成材料には、例えばSiO2,SiN
x,Al202,Y2O3,Ta2O5などの無機絶縁材料やポリイミ
ド、エポキシ樹脂のような有機絶縁材料が添加されるの
が好ましい。
【0022】熱発泡性材料を含む隔壁形成材料は、基材
に公知の熱発泡材料を含むものである。熱発泡性材料と
しては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、p,p'-オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド、パラトルエンスルホニルヒド
ラジドのような有機発泡剤;炭酸水素ナトリウム、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニ
ウム、水素化ホウ酸ナトリウムのような無機発泡剤;ト
リクロロモノフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン
などのハロゲン化炭化水素などの公知の材料が挙げられ
るが、特にこれらに限定されない。これらの中でも、ア
ゾジカルボンアミドおよび炭酸水素ナトリウムが特に好
ましい。また、上記の熱発泡性材料は2種類以上を併用
することができる。
【0023】また、熱発泡性材料は、その性状により塩
化ビニリデン、アクリロニトリルのような高分子材料で
マイクロカプセル化して用いることもできる。このよう
なマイクロカプセル化したもの(以下、「熱発泡性マイ
クロカプセル」と称する)としては、例えば、商品名:
マツモトマイクロスクフェアー、松本油脂製薬社製)が
挙げられる。
【0024】熱発泡による膨張体積量は特に限定されな
いが、第二電極を除去するために、隔壁の膜厚は、少な
くとも隔壁上に形成する第二電極の膜厚よりも大きく、
第二電極の厚さ(0.01〜10μm程度)の1.1〜100
倍が好ましい。また、熱処理前の隔壁全体の膜厚は10μ
m以下が好ましい。隔壁全体の膜厚が10μmを超える
と、有機層および第二電極を均一な膜厚に成膜すること
が困難になるので好ましくない。また、積層型の隔壁の
場合、絶縁性隔壁の膜厚は0.01〜15μm程度、電
極分離用隔壁は0.01〜15μm程度である。
【0025】熱発泡性材料を含む隔壁形成材料には、熱
発泡材料の発泡を促進するために、尿素、アゾビスイソ
ブチロニロリルのような発泡助剤を添加してもよい。例
えば、熱発泡性材料のアゾジカルボンアミドと尿素との
組み合わせが好ましい。
【0026】上記の隔壁形成材料には、その他の公知の
添加剤が含まれていてもよい。そのような添加剤として
は、光重合開始剤、形成フォーム剤、増量剤、充填剤な
どが挙げられ、例えば、光重合開始剤としては、メトキ
シアセトフェン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル
アセトフェノンなどが挙げられる。
【0027】有機層は単層、積層のどちらでもよく、特
に限定されない。電極を含む構成としては、例えば、第
一電極/発光層/第二電極、第一電極/正孔輸送層/電
子輸送性発光層/第二電極、および第一電極/正孔輸送
層/発光層/電子輸送層/第二電極などが挙げられる。
ここで、電子輸送性発光層とは、電子輸送材料を含む発
光層を意味する。また、有機層は正孔注入材料、電子注
入材料、電荷制限材料などの無機材料を含んでいてもよ
い。例えば、電荷制限材料としてのフッ化リチウムなど
の無機材料が挙げられる。
【0028】発光層は、公知の低分子発光材料、高分子
発光材料および添加剤を組み合わせて形成することがで
きる。低分子発光材料としては、例えば、8−ヒドロキ
シキノリロール誘導体やチアゾール誘導体、ベンズオキ
サゾール誘導体、キナクリドン誘導体、スチリルアリー
レン誘導体、ペリレン誘導体、オキサゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリフェ
ニルアミン誘導体、蛍光性金属錯体が挙げられるが、特
にこれらに限定されない。
【0029】高分子発光材料としては、例えば、ポリパ
ラフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリビニルカル
バゾール(PVK)、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフ
ェン誘導体が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。また、添加剤としては、例えば、クマリン誘導体、
キナクリドン誘導体、公知のレーザー用色素などのドー
パント材料が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。
【0030】正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として
は、例えば、トリフェニルアミン誘導体、PPV誘導体、P
VK、ポリアニリンなどの導電性高分子、p型半導体材料
などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。電子
輸送層に用いる電子輸送性材料としては、例えば、オキ
サジアゾール誘導体、有機金属錯体、PPV誘導体が挙げ
られるが、特にこれらに限定されない。
【0031】図1および図2に本発明による有機EL素
子の構成を示す。図1は隔壁の一部を除去しない場合の
構成であり、図2は隔壁の一部を除去する場合の構成で
ある。図中、1は支持基板、2aおよび2bは第一電極
および第二電極、3は有機層、4は絶縁性隔壁、5は電
極分離用隔壁、7は気泡、9は封止膜、10は封止キャ
ップを示す。
【0032】次に、本発明の有機EL素子の製造方法に
ついて説明する。なお、この製造方法は、第一電極側か
ら行っているが、第二電極側から作成してもよく、本発
明は以下の製造方法に限定されるものではない。
【0033】まず、支持基板1上に第一電極2aとして
ITOなどの透明電極をスパッタ法、真空蒸着法、塗布
法など公知の方法にて成膜する。続いて、フォトリソグ
ラフィー法など公知の方法によりストライプ状などの所
定の形状にパターニングする(図3(a)、図4
(a)、図5(a))。
【0034】次いで、絶縁性隔壁4および電極分離用隔
壁5を、公知の方法、例えば、真空蒸着法、スパッタ
法、フォトリソグラフィー法やロールコート、ラミネー
ト、印刷法などで、あるいはこれらを組み合わせて成膜
およびパターニングする(図3(b)、図4(b)、図
5(b))。
【0035】次に、ここで基板を洗浄するのが好まし
い。本発明の製造方法においては、基板の洗浄工程は、
全工程中に少なくとも1回行うのが好ましい。その方法
としては、例えば、超音波洗浄、シャワー洗浄、蒸気洗
浄、UVオゾン洗浄、プラズマ洗浄などの公知の方法が挙
げられる。
【0036】次に、有機層3を真空蒸着法などの乾式法
やスピンコート法、インクジェット法、印刷法などの塗
布法(湿式法)などの公知の方法により成膜する(図3
(b)、図4(b)、図5(b))。また、有機層を積
層とする場合には、上記の方法を繰り返して行ってもよ
いし、組み合わせて行ってもよい。
【0037】次いで、第二電極2bを真空蒸着法やスパ
ッタ法、塗布法など公知の方法により成膜する(図3
(c)、図4(c、)図5(c))。
【0038】続いて、熱処理により電極分離用隔壁5を
発泡(膨張)させる(図3(d)、図4(d)、図5
(d))。図中、6は熱、7は発泡した気泡である。熱
処理方法は特に限定されないが、ホットプレートもしく
はオーブンによる加熱、加熱ガスの吹き付けが好まし
い。加熱温度は、特に限定するものではないが、有機層
にダメージを与えないようにするため、有機層の融点よ
りも低い温度が好ましく、250℃以下が好ましく、150℃
以下が特に好ましい。また、第二電極の酸化を防止する
ために酸素および水分の少ない条件下で熱処理するのが
好ましく、乾燥窒素や乾燥不活性ガスの雰囲気下で処理
するのが好ましい。
【0039】続いて、第二電極2b(さらに電極分離用
隔壁5の一部)を除去する(図3(e)、図4(e)、
図5(d))。除去方法は特に限定されないが、除去が
容易に行える点で、粘着材付きローラー8またはシート
を用いる方法、ガス(特に不活性ガス)を吹き付ける方
法が好ましい。図中、11は熱風である。電極分離用隔
壁の引き剥がしの強さは、特に限定するものではない
が、その作業を高めるために100g重/10mm以下が好まし
い。
【0040】図3(e)は粘着材付きローラー8による
第二電極2bの除去、図4(e)は粘着材付きローラー
8による第二電極2bおよび電極分離用隔壁5の一部の
除去、図5(d)はガスの吹き付けによる第二電極2b
および電極分離用隔壁5の除去をそれぞれ示す。図3
(f)、図4(f)および図5(e)はそれぞれ除去工
程が完了した状態を示す。
【0041】上記の除去工程で用いる粘着材付きローラ
ーおよびシートの粘着材の膜厚は特に限定されず、前工
程の熱処理条件にもよるが、少なくとも電極分離用隔壁
5上の第二電極2bを除去し得るものであればよい。ま
た、絶縁性隔壁4と電極分離用隔壁5との積層隔壁の場
合には、電極分離用隔壁5の一部が、除去工程で第二電
極2bと共に除去されてもよい。
【0042】次いで、公知の方法により封止膜9または
封止キャップ10で素子を封止する(図3(g)、図4
(g)、図5(f))。その方法としては、例えば、ガ
ラスや金属キャップで封止する方法および封止用フィル
ムをラミネートする方法が挙げられ、これらの方法は容
易であり、好ましい。ガラスや金属キャップで封止する
場合には、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ネオンなどの
不活性ガスまたはシリコン系オイル、フッ素含有オイル
などの不活性オイルをキャップ内に充填するのが好まし
い。また、不活性オイルには、コントラスト向上のため
にカーボンなどを分散させてもよい。
【0043】本発明によれば、上記の製造方法により得
られた有機EL素子を複数配置した有機ELディスプレ
イを提供することができる。
【0044】
【実施例】本発明を実施例および比較例によりさらに具
体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定
されるものではない。
【0045】実施例1 ガラス基板(厚さ0.7mm)上に第一電極としてITOを
スパッタ法にて成膜(2000Å)した後、フォトリソグラ
フィー法にてストライプ状にパターニングを行った。続
いて、絶縁性隔壁として感光性ポリイミド(膜厚1μ
m)をフォトリソグラフィー法にてITOに対し平行方
向に、ITOの一部を覆うようにガラス基板上に成膜し
た。続いて、電極分離用隔壁としてアゾジカルボンアミ
ドおよび尿素を含むフォトポリマーをフォトリソグラフ
ィー法にてITOに対し垂直方向に絶縁性隔壁上に成膜
した。この時、電極分離用隔壁の膜厚は0.5μmであっ
た。
【0046】続いて、ガラス基板を真空蒸着装置にセッ
トし、正孔輸送層としてトリフェニルアミン誘導体(α
−NPD)を400Å、電子輸送性発光層としてトリス(8
-キノリノール)アルミニウム(Alq3)を600Å、および
フッ化リチウム(LiF)を5Å、第二電極としてアルミ
ニウムを2000Å、順次蒸着した。
【0047】以上のようにして作成した有機EL素子を
真空蒸着装置から取り出し、乾燥窒素中で130℃の乾燥
窒素ガスを5分間、第二電極側から吹き付けて電極分離
用隔壁を発泡させた。熱処理後の電極分離用隔壁の膜厚
を測定したところ、3μmと膨張していることが確認で
きた。続いて、粘着材付きローラー(粘着材膜厚1.5μ
m)を電極分離用隔壁の長手方向に沿って移動させるこ
とにより隔壁上部の第二電極を除去した。最後に、乾燥
窒素下でガラス基板の第二電極側にガラスキャップを貼
り付けることにより素子を封止して、有機EL素子を完
成させた。
【0048】この素子は、Alq3から12000cd/m2の発光が
得られ、第二電極の電気的な分離を行わない素子と比べ
て何ら遜色のないものであった。また、第二電極の電気
的な分離が完全に行われており、発光に寄与する電極へ
のダメージはまったく観察されなかった。
【0049】比較例1 電極分離用隔壁に熱発泡性材料を分散させないこと以外
は実施例1と同様にして、有機EL素子を完成させた。
この素子では、部分的に第二電極の電気的な分離が行わ
れていないところが観察された。また、必要とされる部
分の電極の一部が除去され、表示品位の低下が観察され
た。
【0050】実施例2 電極分離用隔壁の発泡処理を130℃、ホットプレート処
理(2分間)とした以外は実施例1と同様にして、有機
EL素子を完成させた。この素子は、発光状態および第
二電極の電気的な分離について、実施例1と比べて何ら
遜色のないものであった。
【0051】実施例3 ガラス基板(厚さ1.4mm)上に第一電極としてITOを
スパッタ法にて成膜(2000Å)した後、フォトリソグラ
フィー法にてストライプ状にパターニングを行った。続
いて、絶縁性隔壁として感光性ポリイミド(膜厚1μ
m)をフォトリソグラフィー法にてITOに対し平行方
向に、ITOの一部を覆うようにガラス基板上に成膜し
た。続いて、電極分離用隔壁として熱発泡性マイクロカ
プセルを含むフォトポリマーを凸版印刷法にてITOに
対し垂直方向に絶縁性隔壁上に形成した。この時、電極
分離用隔壁の膜厚は20μmであった。
【0052】続いて、正孔輸送層としてポリパラフェニ
レンビニレン(PPV)をスピンコート法により70nm成膜
した後、発光層としてポリフルオレンをインクジェット
法により50nm成膜した。この素子を真空蒸着装置にセッ
トし、第二電極として抵抗加熱法によりカルシウム(10
0nm)および銀(100nm)を蒸着した。
【0053】以上のようにして作成した有機EL素子を
真空蒸着装置から取り出して、乾燥窒素中にて130℃の
乾燥窒素ガスを5分間、第二電極側から吹き付けて電極
分離用隔壁を発泡させた。熱処理後、電極分離用隔壁の
膜厚を測定したところ、40μmであった。続いて、粘着
材付きローラーを電極分離用隔壁の長手方向に沿って移
動させることにより隔壁上部の第二電極を除去した。最
後に、乾燥窒素下でガラス基板の第二電極側に金属キャ
ップを貼り付けることにより素子を封止して、有機EL
素子を完成させた。
【0054】この素子は、第二電極の電気的な分離を行
わない素子と比べて何ら遜色のないものであった。ま
た、第二電極の電気的な分離が完全に行われており、発
光に寄与する電極へのダメージは観察されなかった。
【0055】実施例4 ガラス基板(厚さ1.4mm)上に第一電極としてITOを
スパッタ法にて成膜(2000Å)した後、フォトリソグラ
フィー法にてストライプ状にパターニングを行った。続
いて、絶縁性隔壁として感光性ポリイミド(膜厚1μ
m)をフォトリソグラフィー法にてITOに対し平行方
向に、ITOの一部を覆うようにガラス基板上に成膜し
た。続いて、電極分離用隔壁として炭酸水素ナトリウム
を含むフォトポリマーを凸版印刷法にてITOに対し垂
直方向に絶縁性隔壁上に形成した。この時、電極分離用
隔壁の膜厚は10μmであった。
【0056】続いて、正孔輸送層としてPPVをスピンコ
ート法により70nm成膜した後、発光層としてポリフルオ
レンをインクジェット法により50nm成膜した。この素子
を真空蒸着装置にセットし、第二電極として抵抗加熱法
によりカルシウム(100nm)および銀(100nm)を蒸着し
た。
【0057】以上のようにして作成した有機EL素子を
真空蒸着装置から取り出して、乾燥窒素中にて130℃の
乾燥窒素ガスを5分間、第二電極側から吹き付けて電極
分離用隔壁を発泡させた。熱処理後、電極分離用隔壁の
膜厚を測定したところ、25μmであった。続いて、粘着
材付きローラーを電極分離用隔壁の長手方向に沿って移
動させることにより隔壁上部の第二電極を除去した。最
後に、乾燥窒素下でガラス基板の第二電極側にガラスキ
ャップを貼り付けることにより素子を封止して、有機E
L素子を完成させた。
【0058】この素子は、第二電極の電気的な分離を行
わない素子と比べて何ら遜色のないものであった。ま
た、第二電極の電気的な分離が完全に行われており、発
光に寄与する電極へのダメージは観察されなかった。
【0059】実施例5 ガラス基板(厚さ1.4mm)上に第一電極としてITOを
スパッタ法にて成膜(2000Å)した後、フォトリソグラ
フィー法にてストライプ状にパターニングを行った。続
いて、絶縁性隔壁として感光性ポリイミド(膜厚1μ
m)を凸版印刷法にてITOに対し平行方向に、ITO
の一部を覆うようにガラス基板上に成膜した。続いて、
電極分離用隔壁としてアゾジカルボンアミドおよび尿素
を含むフォトポリマーを凸版印刷法にてITOに対し垂
直方向に絶縁性隔壁上に成膜した。この時、電極分離用
隔壁の膜厚は0.5μmであった。
【0060】続いて、正孔輸送層としてPPVをスピンコ
ート法により50nm成膜した。さらに、緑色発光層として
ポリフルオレンを凸版印刷法により70nm成膜した。次
に、赤色発光層としてローダミン101を分散させたポリ
フルオレンを凸版印刷法により50nm成膜した。最後に、
電子輸送性青色発光層としてポリジオクチルフロオレン
をスピンコート法により45nm成膜した。次に、ガラス基
板を真空蒸着装置にセットし、第二電極としてカルシウ
ム(100nm)および保護膜として銀(100nm)を真空蒸着
法にて蒸着した。
【0061】以上のようにして作成した有機EL素子を
真空蒸着装置から取り出して、130℃のホットプレート
上で2分間、処理して電極分離用隔壁を発泡させた。熱
処理後、電極分離用隔壁の膜厚を測定したところ、3μ
mであった。さらに、このガラス基板を乾燥窒素中で、
乾燥窒素ガスを第二電極側から吹き付けて、隔壁上部の
第二電極を除去した。続いて、ガラス基板の第二電極側
に封止用フィルムを真空圧着することにより素子を封止
して、有機EL素子を完成させた。
【0062】最後に、この素子に駆動用電源および信号
を入力したところ、この素子は動画表示が可能なフルカ
ラーディスプレイであった。この素子は、第二電極の電
気的な分離が確実に行われており、かつ発光に寄与する
電極へのダメージは観察されなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、隔壁上部の第二電極を
容易に除去することができるので、容易で確実な第二電
極のパターニングが可能となる。したがって、信頼性が
高く、かつ表示品位の優れた有機EL素子およびそれに
より得られた有機EL素子を複数配置した有機ELディ
スプレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子(隔壁の一部を除去しな
い場合)の素子構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子(隔壁の一部を除去する
場合)の素子構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の有機EL素子の製造工程を示す概略断
面図である。
【図4】本発明の有機EL素子の製造工程を示す概略断
面図である。
【図5】本発明の有機EL素子の製造工程を示す概略断
面図である。
【符号の説明】 1 支持基板 2a 第1電極 2b 第2電極 3 有機層 4 絶縁性隔壁 5 電極分離用隔壁 6 熱 7 気泡 8 粘着材付きローラー 9 封止膜 10 封止キャップ 11 熱風

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板上に形成された第一電極と第二
    電極との間に有機層と隔壁とを有し、隔壁が有機層の周
    囲またはその一部に配置された有機EL素子の製造方法
    であって、(A)支持基板上に第一電極を形成する工
    程、(B)熱発泡性材料を含む隔壁形成材料で第一電極
    上に隔壁を形成するか、あるいは熱発泡性材料を含まな
    い隔壁形成材料で第一電極上に隔壁の下層を形成し、次
    いで熱発泡性材料を含む隔壁形成材料で隔壁の下層上に
    隔壁の上層を形成する工程、(C)第一電極上に有機層
    を形成する工程、(D)隔壁上および有機層上に第二電
    極を形成する工程、(E)熱発泡性材料を発泡させるた
    めに熱処理する工程、ならびに(F)発泡した隔壁上部
    の第二電極または隔壁上部の第二電極と隔壁の一部を除
    去する工程を含み、かつ(B)、(E)および(F)を
    この順で行うことを特徴とする有機EL素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 熱発泡性材料が、マイクロカプセル化さ
    れたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(E)が、ホットプレートもしくは
    オーブンによる加熱または加熱ガスの吹き付けにより行
    われる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(F)が、粘着材付きローラーまた
    はシートにより行われるか、あるいは不活性ガスの吹き
    付けにより行われる請求項1〜3のいずれか1つに記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の製
    造方法により得られた有機EL素子を複数配置した有機
    ELディスプレイ。
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