JP2002025009A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
薄膜磁気ヘッド及びその製造方法Info
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Abstract
化及び狭小化を図り、かつディスクへの書きにじみが少
なく安定した高い出力が得られること。 【解決手段】 非磁性の磁気ギャップ膜14を介して上
部磁性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドにおい
て、上部磁性膜は、薄膜磁気ヘッドにおける浮上面位置
側の上部第1磁性膜171と、上部第1磁性膜に繋がっ
て磁気回路を形成する上部第2磁性膜172とからな
り、下部磁性膜は、下部第1磁性膜121と、下部第1
磁性膜上に形成された下部第2磁性膜122とからな
り、上部第1磁性膜171は、その浮上面位置と反対側
の後方端部がスロートハイト零位置を規定する絶縁層1
3に乗り上げる構造を有し、上部第1磁性膜171と磁
気ギャップ膜14と下部第2磁性膜122は同一のトラ
ック幅を形成する薄膜磁気ヘッド。
Description
等のヘッド・ディスク・アッセンブリ(HDA)に使用
される薄膜磁気ヘッド、特に記録特性に優れた高記録密
度対応の薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関するもの
である。
伴って磁気ディスク装置の記憶容量はますます大容量化
される傾向にある。このため、磁気ディスク装置に搭載
する薄膜磁気ヘッドの磁気コアのトラック幅も小さくな
る傾向に有り、またその製造上の精度も高い水準が要求
されてきている。更に記録特性上も磁気ディスク上への
信号の書きにじみを押さえ、かつ安定した高い出力が得
られることが要求されてきている。
す断面図、図7は同じく斜視図である。これら図6、図
7に示す従来の薄膜磁気ヘッドについて説明する。アル
ミナ系セラミックスからなる基板11上に磁性膜を被着
して下部磁性膜12を形成し後述上部磁性膜17とで磁
気回路を形成する磁気コアを構成する。次に、SiO 2
やAl2O3等の非磁性の金属酸化膜による磁気ギャッ
プ膜14を前記下部磁性膜12上に形成する。その後、
上記磁気コアの中央部、磁気ギャップ膜14上に第1絶
縁層13及び導体コイル層15を順次積層形成し、続い
てそれらの上部に、第2絶縁層16を積層し、最後に先
端部側の磁気ギャップ膜14上から磁気コア中央部の第
2絶縁層16上にわたって上部磁性膜17を形成する。
これにより、トラックの先端部分には上部磁性膜17及
び前記下部磁性膜12間に磁気ギャップが形成される。
なお、上記導体コイル層15は、上部磁性膜17、及び
下部両磁性膜12の間を通り磁気回路と交差する。
ック先端部分の、上部磁性膜17、下部磁性膜12及び
磁気ギャップ(磁気ギャップ膜14)が薄膜ヘッドスラ
イダの浮上面部分を形成し、磁気ディスク(図示せず)
に対して情報の読み書きを行う。このような従来の薄膜
磁気ヘッドの記録密度は、主として上部磁性膜の形状に
よって決まる。特に形状として重要な点は、トラック幅
を決定する上部磁性膜17の幅(図7に図示)、オーバ
ーライト等書き込み能力を決定するポール長(下部磁性
膜12の厚さ及び上部磁性膜17の厚さ)、分解能を決
定する磁気ギャップの厚さ、及びスロートハイト=0の
位置(図6に図示)、等であり、各々高精度に形成しな
ければならない。
膜17の幅を形成するには、約10μmの高さの絶縁膜
(第1絶縁層13、導体層15及び第2絶縁層16のト
ータル高さの積層部分)の段差下部にあたる下部磁性膜
とギャップ膜に対向した上部磁性膜17のパターンを高
精度に形成する必要が有る。前記上部磁性膜は、一般に
フォトレジストパターンをマスクにした、パターンめっ
き法、或いは、フレームめっき法を用いて形成される。
フォトレジストパターンは、このような高段差のある部
分に塗布すると、その塗布特性から段差の下部には厚く
形成され、例えば、10μm以上も塗布されてしまう。
感光性樹脂のフォトレジストのパターンはトラック幅を
高精度に形成する必要があるが、トラック幅を形成する
位置のフォトレジストの厚さが必要なめっき膜の厚さに
比較しても余分な程厚くなってしまうため、それだけ高
精度のパターンを作成出来なくなるという課題がある。
性の面から、図7に示すように、従来のような上部磁性
膜17と下部磁性膜12のようにトラック幅方向でそれ
ぞれの寸法に差があるとディスク上に信号を書き込む際
に書きにじみが生じてしまい高密度の磁気記録が出来な
いという課題があった。
め、塗布されたフォトレジストの厚さを必要最小限に薄
くすることによって、高精度フォトレジストパターンを
作成することを目的として、従来の構造に比較して段差
(図6において第1絶縁層と第2絶縁層を合わせた高
さ)の低い状態で上部磁性膜17の浮上面位置の幅、即
ち、記録トラック幅を高精度に形成する方法についての
検討もなされている。
おいては、第1絶縁層を形成後、上部磁性膜の先端部の
みを形成し、その後先端部の保護膜を形成した後、絶縁
膜及び上部磁性膜の後部を形成する方法が開示されてい
る。この方法によれば、上部磁性膜の先端部でトラック
幅を決定するので、第1絶縁膜だけ形成した段差が低い
状態で上部磁性膜のトラック幅が決定できるので、トラ
ック幅を高精度に形成できるという特徴がある。また、
トラックを構成する磁性膜上に保護膜を設けているた
め、それ以後の製造工程中での処理によって生じるポー
ル長の変動も無いと記載されている。
ては上部磁性膜、下部磁性膜それぞれの一部と磁気ギャ
ップ膜を1つのレジストフレームを用い、3層を連続し
てめっきする方法によって形成する方法が開示されてい
る。この方法によれば、やはり上部磁性膜は先端部分と
つなぎ部分の2つを接続して組み合わせることによって
上部磁性膜を形成するので、段差が低い状態で先端部の
上部磁性膜のトラック幅が決定できるので、トラック幅
を高精度化でき、かつ上部磁性膜及び下部磁性膜のトラ
ック幅を同一寸法で形成できるため、前記課題に記載し
た記録信号の書きにじみを小さくすることができると記
載されている。
特開平2−247809号公報に記載されている方法に
よれば、トラック幅の高精度化については実現可能であ
る。しかし、上部磁性膜及び下部磁性膜のトラック幅を
同一寸法で形成することに関しては何ら開示されていな
い。
されている従来技術によれば、トラック幅の高精度化及
び上部磁性膜と下部磁性膜のトラック幅が同一寸法で形
成された薄膜磁気ヘッドの製造は実現可能である。しか
し、記録特性上もう1つの重要な要素であるスロートハ
イト=0の位置形成に関しては何ら開示されていない。
成でき、更にディスク上への信号の書きにじみが少な
く、磁気特性に優れ、かつ安定した出力の得られる薄膜
磁気ヘッドとその製造方法を提供することに有る。
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
上部磁性膜は、薄膜磁気ヘッドにおける浮上面位置側の
上部第1磁性膜と、前記上部第1磁性膜に繋がって磁気
回路を形成する上部第2磁性膜とからなり、前記上部第
1磁性膜は、その浮上面位置と反対側の後方端部がスロ
ートハイト零位置を規定する絶縁層に乗り上げる構造を
有し、前記上部第1磁性膜と前記磁気ギャップ膜は同一
のトラック幅を形成する薄膜磁気ヘッド。
部磁性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドにおい
て、前記上部磁性膜は、薄膜磁気ヘッドにおける浮上面
位置側の上部第1磁性膜と、前記上部第1磁性膜に繋が
って磁気回路を形成する上部第2磁性膜とからなり、前
記下部磁性膜は、下部第1磁性膜と、前記下部第1磁性
膜上に形成された下部第2磁性膜とからなり、前記上部
第1磁性膜は、その浮上面位置と反対側の後方端部がス
ロートハイト零位置を規定する絶縁層に乗り上げる構造
を有し、前記上部第1磁性膜と前記磁気ギャップ膜と前
記下部第2磁性膜は同一のトラック幅を形成する薄膜磁
気ヘッド。
部磁性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方
法において、基板上に下部第1磁性膜を形成した後に、
スロートハイト零位置を規定する絶縁層を形成し、前記
下部第1磁性膜及び前記絶縁層の上に、トラック幅を決
める形状のレジストフレームを形成し、次に、前記レジ
ストフレームをマスクにしてメッキ法で、下部第2磁性
膜、非磁性のギャップ膜及び上部第1磁性膜を順に形成
し、この際、前記上部第1磁性膜は、その浮上面位置と
反対側の後方端部が前記絶縁層に乗り上げるように形成
し、続いて、前記絶縁層上に導体コイル層と第2絶縁層
を形成した後に、レジストフレームをマスクにして、前
記上部第1磁性膜の乗り上げ部を含めて前記上部第1磁
性膜の一部と前記第2絶縁層上に上部第2磁性膜を形成
する薄膜磁気ヘッドの製造方法。
部磁性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方
法において、基板上に下部第1磁性膜を被膜する際、磁
気回路に磁束を発生させる導体コイル層の浮上面位置寄
りに斜面部を形成し、その後に、スロートハイト零位置
を規定する絶縁層を形成し、前記下部第1磁性膜及び前
記絶縁層の上に、トラック幅を決める形状のレジストフ
レームを形成し、次に、前記レジストフレームをマスク
にしてメッキ法で、下部第2磁性膜、非磁性のギャップ
膜及び上部第1磁性膜を順に形成し、この際、前記上部
第1磁性膜は、その浮上面位置と反対側の後方端部が前
記絶縁層に乗り上げるように形成し、続いて、前記絶縁
層上に導体コイル層と第2絶縁層を形成した後に、レジ
ストフレームをマスクにして、前記上部第1磁性膜の乗
り上げ部を含めて前記上部第1磁性膜の一部と前記第2
絶縁層上に上部第2磁性膜を形成する薄膜磁気ヘッドの
製造方法。
ヘッド及びその製造方法について、図1〜図5を用いて
以下説明する。
ヘッドの先端部分要部を示す断面図であり、図2は本実
施形態に係る薄膜磁気ヘッドの先端部分斜視図である。
基板11上に下部第1磁性膜121が形成され、この下
部第1磁性膜121上方には、スロートハイト=0の位
置(スロートハイト零位置)より浮上面位置側で下部第
2磁性膜122が形成されると共に、下部第2磁性膜1
22の上面に磁気ギャップ14を介して対向した上部第
1磁性膜171が形成されている。これによって下部第
2磁性膜122と上部第1磁性膜171とでトラック部
分の先端部を形成していて、図2に示すようにトラック
幅を規定している。
ロートハイト零位置)は第1絶縁層13の先端で規定さ
れている。また、導体コイル層15は第1絶縁層13上
に形成され、その周囲は上部、下部磁性膜との間に介在
する第2絶縁層16で覆われている。そして、上部第2
磁性膜172は第2絶縁層の上に形成され、その先端部
分は上部第1磁性膜171と接続されている。具体的に
は、上部第2磁性膜172の先端部はスロートハイト零
位置より浮上面位置側で上部第1磁性膜171と接続さ
れている。
ッドと比較して説明する。従来例の上部磁性膜17に対
応するものとして、本発明においては、先端側の上部第
1磁性膜171と、スロートハイト零位置よりやや先端
側位置から導体コイル層15の中心位置に向かって延出
する上部第2磁性膜172と、からなり、且つ2つの磁
性膜171と172に分割されている。また、従来例の
下部磁性膜12に対応するものとして、本発明において
は、下部第1磁性膜121と、スロートハイト零位置か
ら浮上面位置に延出する下部第2磁性膜122と、に対
応しており、且つ2つに磁性膜121と122に分割さ
れている。
下部第1磁性膜121を形成したのち、下部第1磁性膜
121上にスロートハイト零位置を規定する第1絶縁層
13を形成する。トラック幅を規定する磁性膜を形成す
るために、第1磁性膜121および絶縁膜13の両者の
表面上に連続してレジストフレームを形成し、そのレジ
ストフレームの隙間に、上記下部第2磁性膜122、磁
気ギャップ膜14、及び上部第一磁性膜171の3層を
連続してめっき法によって形成する。
フレームの間隙で下部第1磁性膜121上にのみめっき
膜は成長するが、めっき膜厚さが絶縁膜13の厚さより
厚くなってくると、レジストフレームの間隙で絶縁膜1
3の上部に当たる部分にもめっき膜が溢れたように成長
してくる。この時、絶縁膜13の厚さは、おおよそ下部
第2磁性膜122の厚さとギャップ膜14の厚さをあわ
せた厚さよりも厚い方が、スロートハイト零位置から浮
上面位置までのギャップ深さ(磁気ヘッド特性で重要な
ファクタ)を規定の一定値とするためには、望ましい。
この時、上部第1磁性膜171が、絶縁膜13の上部に
溢れたようにめっきされて、その溢れた部分でも上部第
1磁性膜171と後述する上部第2磁性膜とが接触し
(図1に図示)、その接触面積が大となって好都合であ
る。
の上面には上記上部第2磁性膜172の先端部が接合さ
れる。このとき、絶縁膜13の上にも溢れたように形成
された上部第1磁性膜171は、上部第2磁性膜との接
触面積を広くとることができるので、上部磁性膜の先端
部分に十分な磁界を供給することができるのである。即
ち、詳細は後述するが、スロートハイト零位置から浮上
面位置に亘って形成されたレジストフレームの隙間でト
ラック幅を規定されて下部第2磁性膜122、ギャップ
膜14及び上部第1磁性膜171の3層が連続して膜成
長し、この3層上に更にフロートハイト零位置から浮上
面位置側にかけて上部第2磁性膜172が形成されて、
この上部第2磁性膜172と上部第1磁性膜171の接
触は、スロートハイト零位置から浮上面位置側に掛けて
の平坦接触部と図1に図示の溢れ部分接触部とからな
る。本実施形態においては、上述した溢れ部分接触部を
設けることによって第1と第2の上部磁性膜の接触面積
を広く確保することができるのである。
第1と第2の上部磁性膜が接触していたので、その接触
面積を広くするためには、スロートハイト零位置から若
干浮上面位置側の位置に亘って下部磁性膜と上部磁性膜
の対向面積を広くする必要があり、そうすると、対向面
積を広くした部分での上部磁性膜と下部磁性膜との間の
磁束のもれが大きくなって、実質的なヘッドの記録特性
が劣化してしまうという課題がある。しかしながら、本
発明では、下部第2磁性膜122と上部第1磁性膜が磁
気ギャップ膜14に対向した面積を最小にすることがで
きるので、ヘッドの記録特性の向上を図ることができる
という特徴がある。
上面には、上部第2磁性膜172の表面加工、ここでは
エッチング加工に対する保護膜を形成してもよい。この
保護膜は、例えばSiO2やAl2O3等の無機絶縁膜
を採用することができる。
トラック幅と上部第1磁性膜171の溢れ部分を図示し
たものである。ここで、図1と図2では、下部第1磁性
膜121の上に下部第2磁性膜122を形成した構成例
を示したが、双方の磁性膜121,122を区別せず
に、全体として下部磁性膜であるとして把握することも
でき得る。
ヘッドの製造方法の一例を示す断面図である。この図3
(a)〜(f)を用いて製造工程を説明する。まず、ア
ルミナ系セラミックスからなる基板11上にCo系アモ
ルファスやFe、Ni、Co系等の磁性膜をスパッタ
法、またはめっき法で被着し、ウェットエッチング法、
イオンミリング法、ドライエッチング法、またはリフト
オフ法を用いて下部第1磁性膜121を形成する(図3
(a))。
ートハイト=0の位置を規定するため、及び上記下部第
1磁性膜121と後述導体コイル層15間の絶縁を得る
ために樹脂系の材料、又はSiO2やAl2O3等の非
磁性の金属酸化膜による第1絶縁層13を被着形成する
(図3(b))。
2磁性膜上と第1絶縁層の上部に連続して形成する。こ
のフォトレジストフレームの間隙に、上記下部第2磁性
膜122、磁気ギャップ膜14、及び上部第1磁性膜1
71の3層を連続して形成する。この時の形成方法とし
ては、めっき法を用いることが望ましい。また、上記下
部第2磁性膜122には、Co系アモルファスやFe、
Ni、Co系等の磁性膜を用い、特に高飽和磁束密度を
有する材料を用いることが望ましい。また、磁気ギャッ
プ膜14には、Cr、Cu、Au、Mo、Pd、Rh、
Pt等のめっき法で形成可能な非磁性金属膜あるいはそ
れらの合金を用いることが望ましい。また上部第1磁性
膜171は、Co系アモルファスやFe、Ni、Co系
等の磁性膜を用い、特に高飽和磁束密度を有する材料を
用いることが望ましい(図3(c))。
気ギャップ膜14は、上記第1絶縁膜13の高さより低
く抑え、上記上部第1磁性膜171は第1絶縁膜13に
乗り上げる構造を持つように形成する。その理由は先に
述べたとおりである。
ッタ法、イオンミリング法またはリフトオフ法等を用い
て、SiO2やAl2O3等の非磁性の金属酸化膜によ
る上部第1磁性膜171を保護する保護膜を形成するこ
とも可能である。この時、第1絶縁膜13上の中央部か
ら後方側にかけても保護膜が形成されるが、少なくとも
上記第1磁性膜171と後述上部第2磁性膜172とを
磁気的に接続(接合)するためのコンタクトホールを形
成する必要があることはいうまでもない。
15を形成する。導体コイルはCuやAu等からなる導
体膜をスパッタ法、またはめっき法で被着し、続いてウ
ェットエッチング法、イオンミリング法またはリフトオ
フ法等を用いて導体コイル層15を形成する(図3
(d))。
2磁性膜172との絶縁を得るために樹脂系材料、又は
SiO2やAl2O3等の非磁性の金属酸化膜による第
2絶縁層16を被着形成する(図3(e))。ここで
は、導体コイル層15を1層だけ形成するように記載し
たが導体コイル層を2層、3層と増やした場合も、前記
導体コイル層15及び前記第2絶縁層16と同様の方法
で形成すれば良い。
i、Co系等の磁性膜をスパッタ法、またはめっき法で
被着し、ウェットエッチング法、イオンミリング法、ド
ライエッチング法、またはリフトオフ法を用いて上部第
2磁性膜172を形成する(図3(f))。この時、上
部第2磁性膜には比抵抗の高い材料を用いれば、渦電流
損を低減することができ、高周波記録に適した薄膜磁気
ヘッドを提供することができる。
気ヘッドの断面図を図4に示す。図4に示すように本発
明による薄膜磁気ヘッドは導体コイルを2層構造にした
場合の構造についての例を示している。
成されている。下部第1磁性膜121には先端側部分を
残して下方へ落ち込む降下斜面部12aが形成されてい
る。降下斜面部12aの後方側には、下部第1磁性膜1
21の上に絶縁層131が形成されている。絶縁層13
1上には第1導体コイル層151が形成される。この第
1導体コイル層151上と下部第1磁性膜121の先端
部分上にスロートハイト=0の位置を規定する絶縁層1
3が形成される。
上には、下部第2磁性膜122、ギャップ膜14、続い
て上部第1磁性膜171が連続して形成されている。こ
の時、上部第1磁性膜171の一部は絶縁層13の上に
も形成されている。絶縁層13の上には、第2導体コイ
ル層152が形成されている。その上に第2導体コイル
層152を覆うように、第3絶縁層132が形成されて
いる。そして、第1上部磁性膜の後端部に接続し、第3
絶縁層132上に、上部第2磁性膜172が形成されて
いる。
ドの構成と比較して、本発明の薄膜磁気ヘッドの構造の
特徴を示す。従来構造の薄膜磁気ヘッドの上部磁性膜1
7に対応するものとして、本発明の実施形態では、先端
側の上部第1磁性膜171と、スロートハイト零位置の
若干浮上面位置側から導体コイル層の中心位置に延出す
る上部第2磁性膜172と、から構成されていて、且つ
2つの磁性膜171と172に分割されている。上部磁
性膜を分割することによってトラック先端部分のフォト
レジストフレーム寸法の高精度化を図り、したがって、
トラック幅の精度を高精度化することができるという特
徴がある。
性膜12についても、本実施形態では、同様にスロート
ハイト零位置から浮上面位置に亘る下部第2磁性膜12
2と、スロートハイト零位置から上記導体コイル層15
の中心位置に延出する下部第1磁性膜121と、から構
成され、且つ2つの磁性膜に分割されている。さらに、
下部第1磁性膜121には先端側部分を残して、即ち、
スロートハイト零位置から若干コイル中心位置側へずれ
た位置から、下方へ落ち込む降下斜面部12aが形成さ
れている。このようにして、コイルを2層構造に形成し
た場合についても、トラック部分の先端部を平坦化し、
レジストフレームを形成するフォトレジストの膜厚を必
要最小限に薄くすることによって、高精度のパターンを
形成することができる。従って、トラック幅の精度を高
精度化することができるという特徴がある。即ち、コイ
ルを2層構造とすることに伴う嵩高の寸法を降下斜面部
で補償しているのである。
上面には、上部第2磁性膜172の表面加工、ここでは
エッチング加工に対して保護をするための保護膜を形成
することも可能である。
第2磁性膜122とギャップ膜14と上部第1磁性膜1
71とを連続して下部第1磁性膜121上に形成する構
造について説明したが、他の構造として下部第2磁性膜
の無い構造でも本発明は可能である。すなわち、下部第
1磁性膜121上に直接ギャップ膜14を形成し、連続
して上部第1磁性膜171を形成することも可能であ
る。
磁気ヘッドの製造方法の一例を示す断面図である。図5
(a)〜(h)を用いて製造工程を説明する。本実施形
態の薄膜磁気ヘッドは、まずアルミナ系セラミックスか
らなる基板11上にCo系アモルファスやFe、Ni、
Co系等の磁性膜をスパッタ法、またはめっき法で被着
し、ウェットエッチング法、イオンミリング法、ドライ
エッチング法、またはリフトオフ法を用いて下部第1磁
性膜121を形成する(図5(a))。
ハイト=0の位置より後端側(コイル中心位置側)に降
下面部12aをウェットエッチング法、イオンミリング
法、ドライエッチング法、またはリフトオフ法を用いて
形成する(図5(b))。次に、前記降下面部12aよ
り後端側において、下部第1磁性膜121と後述導体コ
イル層15間の絶縁を得るために樹脂系材、又はSiO
2やAl2O3等の非磁性の金属酸化膜による第1絶縁
層13を被着形成する(図5(c))。次に、磁界を誘
導するためのCuやAu等からなる導体膜をスパッタ
法、またはめっき法で被着し、続いてウェットエッチン
グ法、イオンミリング法またはリフトオフ法等を用いて
導体コイル層151を形成する(図5(d))。その
後、前記導体コイル層151との絶縁を得る為、及びス
ロートハイト=0の位置を規定する為に前記下部第1磁
性膜121上に樹脂系材料、又はSiO2やAl2O 3
等の非磁性の金属酸化膜による絶縁層13を被着形成す
る(図5(e))。
下部第2磁性膜122、磁気ギャップ膜14、及び上部
第1磁性膜171の3層を連続して形成する。この時の
形成方法としては、めっき法を用いることが望ましい。
また、上記下部第2磁性膜122には、Co系アモルフ
ァスやFe、Ni、Co系等の磁性膜を用いることが出
来る。特に高飽和磁束密度を有する材料を用いることが
望ましい。
u、Au、Mo、Pd、Rh、Pt等のめっき法で形成
可能な非磁性金属膜あるいはそれらの合金を用いること
が望ましい。また上部第1磁性膜171は、Co系アモ
ルファスやFe、Ni、Co系等の磁性膜を用い、特
に、高飽和磁束密度を有する材料を用いることが望まし
い。また、上記下部第2磁性膜122、及び磁気ギャッ
プ膜14は、上記第1絶縁膜13の高さより低く抑え、
上記上部第1磁性膜171は第1絶縁膜13に乗り上げ
る構造を持つことが望ましい。
上に保護膜を形成して、他の工程による磁気コアのエッ
チング現象を防止することも可能である。この時、第1
絶縁膜13上の中央部から後方側にかけても保護膜が形
成されるが、少なくとも上記第1磁性膜171と後述上
部第2磁性膜172とを磁気的に接続するためのコンタ
クトホールも形成する必要があることは言うまでもな
い。
からなる導体膜をスパッタ法、またはめっき法で被着し
続いてウェットエッチング法、イオンミリング法または
リフトオフ法等を用いて第2導体コイル層152を形成
する。更に、この第2導体コイル層152と後述上部第
2磁性膜172との絶縁を得るために樹脂系材料、又は
SiO2やAl2O3等の非磁性の金属酸化膜による第
3絶縁層132を被着形成する(図6(g))。
成するように記載したが導体コイル層を1層あるいは3
層、4層と増やした場合も、前記導体コイル層152及
び前記第2絶縁層132と同様の方法で形成すれば良
い。
i、Co系等の磁性膜をスパッタ法、またはめっき法で
被着し、ウェットエッチング法、イオンミリング法、ド
ライエッチング法、またはリフトオフ法を用いて上部第
2磁性膜172を形成する(図6(h))。この時、上
部第2磁性膜172には比抵抗の高い磁性材料を用いて
も良い。このように比抵抗の高い磁性材料を使うことに
より、磁性層内の渦電流損を低減し、高周波磁気記録に
適する薄膜磁気ヘッドを実現できる。
下部第1磁性膜を形成した後、絶縁膜でスロートハイト
=0の位置を規定しておく。その後、上部磁性膜及び下
部磁性膜、それぞれの先端側の上部第1磁性膜、同下部
第2磁性膜及び磁気ギャップを同一のレジストフレーム
を用い連続して形成する。その際、レジストフレームは
低段差部で形成することから、フォトレジストの塗布膜
厚も、めっき膜厚に対してほぼ同等程度まで薄くするこ
とができると共に、段差部分からの露光光の散乱等も少
ないので、高精度なパターンが形成できる。また同一の
レジストフレームを用い連続して下部第2磁性膜、磁気
ギャップ膜、および、上部第1磁性膜、を形成すること
から、それぞれを同一寸法で形成できるので、書きにじ
みを少なくすることができる。
ック幅の高精度化及び狭小化が可能となり、且つ、上部
第1磁性膜と下部第2磁性膜のトラック幅寸法を同一に
することができ、ディスク上への信号の書きにじみを少
なくすることが可能で、例えば1平方インチ当り30ギ
ガビット以上の高記録密度が達成できる磁気記憶装置を
実現可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供する
ことができる。
部分要部を示す断面図である。
視図である。
方法の一例を示す断面図である。
先端部分要部を示す断面図である。
製造方法の一例を示す断面図である。
を示す断面図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 非磁性の磁気ギャップ膜を介して上部磁
性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記上部磁性膜は、薄膜磁気ヘッドにおける浮上面位置
側の上部第1磁性膜と、前記上部第1磁性膜に繋がって
磁気回路を形成する上部第2磁性膜とからなり、 前記上部第1磁性膜は、その浮上面位置と反対側の後方
端部がスロートハイト零位置を規定する絶縁層に乗り上
げる構造を有し、 前記上部第1磁性膜と前記磁気ギャップ膜は同一のトラ
ック幅を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】 非磁性の磁気ギャップ膜を介して上部磁
性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記上部磁性膜は、薄膜磁気ヘッドにおける浮上面位置
側の上部第1磁性膜と、前記上部第1磁性膜に繋がって
磁気回路を形成する上部第2磁性膜とからなり、 前記下部磁性膜は、下部第1磁性膜と、前記下部第1磁
性膜上に形成された下部第2磁性膜とからなり、 前記上部第1磁性膜は、その浮上面位置と反対側の後方
端部がスロートハイト零位置を規定する絶縁層に乗り上
げる構造を有し、 前記上部第1磁性膜と前記磁気ギャップ膜と前記下部第
2磁性膜は同一のトラック幅を形成することを特徴とす
る薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の薄膜磁気ヘッド
において、 前記下部磁性膜又は前記下部第1磁性膜に、前記磁気回
路に磁束を発生させる導体コイル層の浮上面位置寄りに
斜面部を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項4】 非磁性の磁気ギャップ膜を介して上部磁
性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法に
おいて、 基板上に下部第1磁性膜を形成した後に、スロートハイ
ト零位置を規定する絶縁層を形成し、 前記下部第1磁性膜及び前記絶縁層の上に、トラック幅
を決める形状のレジストフレームを形成し、 次に、前記レジストフレームをマスクにしてメッキ法
で、下部第2磁性膜、非磁性のギャップ膜及び上部第1
磁性膜を順に形成し、この際、前記上部第1磁性膜は、
その浮上面位置と反対側の後方端部が前記絶縁層に乗り
上げるように形成し、 続いて、前記絶縁層上に導体コイル層と第2絶縁層を形
成した後に、レジストフレームをマスクにして、前記上
部第1磁性膜の乗り上げ部を含めて前記上部第1磁性膜
の一部と前記第2絶縁層上に上部第2磁性膜を形成する
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項5】 非磁性の磁気ギャップ膜を介して上部磁
性膜と下部磁性膜を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法に
おいて、 基板上に下部第1磁性膜を被膜する際、磁気回路に磁束
を発生させる導体コイル層の浮上面位置寄りに斜面部を
形成し、その後に、スロートハイト零位置を規定する絶
縁層を形成し、 前記下部第1磁性膜及び前記絶縁層の上に、トラック幅
を決める形状のレジストフレームを形成し、 次に、前記レジストフレームをマスクにしてメッキ法
で、下部第2磁性膜、非磁性のギャップ膜及び上部第1
磁性膜を順に形成し、この際、前記上部第1磁性膜は、
その浮上面位置と反対側の後方端部が前記絶縁層に乗り
上げるように形成し、 続いて、前記絶縁層上に導体コイル層と第2絶縁層を形
成した後に、レジストフレームをマスクにして、前記上
部第1磁性膜の乗り上げ部を含めて前記上部第1磁性膜
の一部と前記第2絶縁層上に上部第2磁性膜を形成する
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載の薄膜磁気ヘッド
の製造方法において、 前記上部第1磁性膜を形成した後に、上部第1磁性膜の
表面に、上部第2磁性膜との接続部分を除いて保護膜を
形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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JP2000211590A JP3799221B2 (ja) | 2000-07-12 | 2000-07-12 | 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002025009A5 JP2002025009A5 (ja) | 2005-10-27 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7554763B2 (en) | 2003-11-14 | 2009-06-30 | Tdk Corporation | Magnetic head having an insulating layer comprised of an organic layer on an inorganic layer |
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2000
- 2000-07-12 JP JP2000211590A patent/JP3799221B2/ja not_active Expired - Fee Related
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