JP2002021999A - 自動車用自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動車用自動変速機の制御装置

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JP2002021999A
JP2002021999A JP2000208602A JP2000208602A JP2002021999A JP 2002021999 A JP2002021999 A JP 2002021999A JP 2000208602 A JP2000208602 A JP 2000208602A JP 2000208602 A JP2000208602 A JP 2000208602A JP 2002021999 A JP2002021999 A JP 2002021999A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速度偏差の絶対値が小さくなる運転状況下
での勾配判定を短時間の内に実施することができる自動
車用自動変速機の制御装置を提供すること。 【解決手段】 実加速度検出手段12で求めた実加速度
と加速度予想手段13で求めた予測加速度との大小関係
を比較手段16で比較する。予測加速度が実加速度を越
える場合はK・Dn+(1−K)・Dpの演算式によっ
て平滑加速度偏差Dを求める平滑加速度偏差演算手段1
4に対し値の小さなKを設定して現時点での加速度偏差
Dnを反映させる割合を減少させる一方、予測加速度が
実加速度を越えない場合には値の大きなKを設定するこ
とにより現時点での加速度偏差Dnを反映させる割合を
増大させる。このようにして降坂路走行中における平滑
加速度偏差Dの応答性を速めることで、アクセルOFF
状態で加速度偏差Dnの値が小さくても平滑加速度偏差
Dの値を速やかに増大できるようにし、降坂路走行時に
おける降坂路用変速マップ18aの選択処理が素早く行
われるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用自動変速
機の制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン負荷等から予測される自動車の
予測加速度と自動車の実加速度との間の加速度偏差を求
め、この加速度偏差の値に基いて路面の勾配を推定する
ことによって路面の勾配に応じた自動変速制御を行うよ
うにした自動車用自動変速機の制御装置が、例えば、特
公昭59−8698号や特公平1−55346号として
既に知られている。
【0003】これらの従来技術においては、スロットル
開度や変速比等の現在値を始めとする自動車の運転操作
状況を検出し、これと同じ運転操作条件を適用して平坦
路を走行したときに得られるであろう加速度の値を所定
の演算式に基いて予測し、この予測加速度と現時点にお
ける自動車の実加速度とを比較して路面の勾配状態を推
定するのが一般的である。
【0004】具体的には、登坂路を走行する際には平坦
路を走行する場合に比べて同一運転操作条件下での加速
度が小さくなるので、前述した予測加速度が実加速度を
上回ることを以って登坂路走行中であると推定すること
ができる。また、これとは逆に、降坂路を走行する際に
は、平坦路を走行する場合に比べて同一運転操作条件下
での加速度が大きくなるので、前述した実加速度が予測
加速度を上回ることを以って降坂路走行中であると推定
することができる。
【0005】通常、登坂路の走行中にはエンジンに掛か
る負荷が増大し、十分な加速を行うためには大きなトル
ク出力が要求されるので、シフトアップのタイミングを
遅めにして相対的に高い回転数でエンジンを回転させる
必要がある。また、これとは逆に、降坂路を走行する際
にはエンジンブレーキによる減速が要求される場合が多
いので、シフトダウンのタイミングを早めにすることが
望ましい。
【0006】そこで、このような状況を考慮して、自動
車用自動変速機の制御装置内には、登坂路走行に適した
登坂路用変速マップと降坂路走行に適した降坂路用変速
マップとが予め準備されており、自動車用自動変速機の
制御装置は、前述した推定結果に基いて何れかの変速マ
ップを選択するようになっている。
【0007】自動車の実加速度は車速センサによって検
出された車速を微分して求めるのが普通であるが、車速
センサによって検出される車速には、自動車の振動等に
伴って生じるノイズが含まれるため、単に、1サンプリ
ング周期間の車速の変化量をサンプリング周期で除した
だけで適切な実加速度が求められるとは限らない。
【0008】更に、適切でない実加速度の値を使用して
求めた加速度偏差の値に基いて路面の勾配を推定すれ
ば、路面の勾配状態を適切に判定できなくなるといった
問題が生じる。
【0009】そこで、実加速度と予測加速度との間の加
速度偏差を求める際には、1サンプリング周期の加速度
偏差の値だけでなく、それ以前の幾つかのサンプリング
周期で求められた加速度偏差の値も考慮し、これらの加
速度偏差のデータに対し現在のサンプリング周期で求め
られた加速度偏差の重みを反映させる平滑化処理を行っ
て路面の勾配判定のための平滑加速度偏差を求めること
が一般に行われている。
【0010】このような処理を行うことにより、車速セ
ンサから出力される車速に含まれるノイズの影響が軽減
されて信頼性の高い加速度偏差が得られるようになり、
結果的に、路面の勾配判定が的確に行えるようになるメ
リットがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような平滑化処理
はノイズの影響を軽減するには有効であるが、現時点に
おけるサンプリング周期で求められた加速度偏差の値が
勾配の判定結果に直ちに影響を与えないため、加速度偏
差の絶対値自体が比較的小さいような場合、勾配の判定
に長い時間が掛かってしまうといった問題がある。
【0012】具体的には、加速度偏差の絶対値自体が小
さくなる場合とは、降坂路走行中に高いギャ段でアクセ
ルOFFとしたときであり、このような状況下で勾配の
判定に長い時間が費やされると、降坂路走行の判定に要
する時間が長くなり、エンジンブレーキの使用等を考慮
した降坂路用変速マップが直ちに選択されず、エンジン
ブレーキの効きが不十分となるといった問題を生じる場
合がある。
【0013】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、加速度偏差の絶対値が比較的小さくな
る区間、つまり、降坂路を含む運転状況下での勾配判定
を短時間の内に実施することができ、常に、勾配に応じ
た適切な変速マップを選択することのできる自動車用自
動変速機の制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の実加
速度を検出する実加速度検出手段と、自動車の運転操作
状況に基いて自動車の加速度を予測する加速度予想手段
と、路面の勾配に対応させて自動変速の実行タイミング
を記憶した複数の変速マップと、実加速度検出手段で検
出された実加速度から加速度予想手段で予測された予測
加速度を減じて所定のサンプリング周期毎に実加速度と
予測加速度との間の加速度偏差を求め、直前の幾つかの
サンプリング周期で求められた加速度偏差と現在のサン
プリング周期で求められた加速度偏差とを母集合とする
加速度偏差のデータに対して現在のサンプリング周期で
求められた加速度偏差を所定の割合で反映させて平滑加
速度偏差を算出する平滑加速度偏差演算手段と、平滑加
速度偏差演算手段により求められた平滑加速度偏差の値
が相対的に大きい場合には前記複数の変速マップの内か
ら降坂路用変速マップを選択する一方、前記平滑加速度
偏差の値が相対的に小さい場合には前記複数の変速マッ
プの内から登坂路用変速マップを選択する変速マップ選
択手段と、変速マップ選択手段により選択された変速マ
ップに基いて自動変速の実行タイミングを制御する自動
変速制御手段とを備えた自動車用自動変速機の制御装置
であり、前記目的を達成するため、特に、実加速度検出
手段で検出された実加速度と加速度予想手段で予測され
た予測加速度との大小関係を比較する比較手段と、予測
加速度が実加速度を越える場合には平滑加速度偏差演算
手段に対し現在のサンプリング周期で求められた加速度
偏差を反映させる割合を減少させる指令を出力する一
方、前記予測加速度が実加速度を越えない場合には平滑
加速度偏差演算手段に対して現在のサンプリング周期で
求められた加速度偏差を反映させる割合を増大させる指
令を出力する重み付け調整手段とを設けたことを特徴と
する構成を有する。
【0015】このような構成によれば、予測加速度が実
加速度を越えた場合、つまり、自動車が登坂路を走行し
ている可能性が高い場合に現在のサンプリング周期で求
められた加速度偏差の値が平滑加速度偏差に与える影響
が抑制され、また、予測加速度が実加速度を越えない場
合、つまり、自動車が降坂路を走行している可能性が高
い場合には現在のサンプリング周期で求められた加速度
偏差の値が平滑加速度偏差に与える影響が増幅される。
従って、自動車が登坂路を走行している可能性が高い場
合に比べて自動車が降坂路を走行している可能性が高い
場合の方が平滑加速度偏差の変動の応答速度が速くな
り、加速度偏差の絶対値が小さくなるような状況下、つ
まり、アクセルをOFF状態とした降坂時であっても、
短い時間で平滑加速度偏差の値を増大させることがで
き、早急に降坂路用変速マップを選択できるようにな
る。より具体的にいえば、降坂路にさしかかる前、つま
り、平坦路あるいは登坂路を走行している場合には、一
般に、実加速度から予測加速度を減じた加速度偏差の値
は各サンプリング周期において負または零の値となって
いる。自動車が降坂路に入ると予測加速度の値は実加速
度の値を下回るので実加速度から予測加速度を減じた加
速度偏差の値は正の値に転じるが、前述したとおり、こ
の段階ではアクセルがOFFとされている場合が多く、
実加速度および予測加速度が共に零に近い値を示してい
るため、加速度偏差の値が正の値であってもその絶対値
が小さい。ここで、従来のように、過去のサンプリング
周期における加速度偏差の値を大幅に反映して平滑加速
度偏差の値を算出すると、負または零の値を有する過去
のサンプリング周期における加速度偏差の影響で平滑加
速度偏差の値がいつまでたっても正の値にならず、その
値が相対的に大きな値に達することもない。本発明は、
このような問題を解消するため、予測加速度が実加速度
を越えない場合、つまり、自動車が降坂路を走行してい
る可能性が高い場合に限り、現在のサンプリング周期で
求められた加速度偏差の値を平滑加速度偏差に大幅に反
映させ、この平滑加速度偏差の値が早い時期に相対的に
大きな値に達するようにして、降坂路用変速マップを早
急に選択できるようにしたものである。
【0016】具体的には、前記平滑加速度偏差演算手段
は、直前のサンプリング周期で求められた平滑加速度偏
差(Dp)と現在のサンプリング周期で求められた加速
度偏差(Dn)および0<K<1の範囲の数値からなる
重み付け係数(K)の値に基いてK・Dn+(1−K)
・Dpの演算式を実行することで現在のサンプリング周
期における平滑加速度偏差(D)を求める平滑加速度偏
差演算機能と、該演算処理実行後の現在のサンプリング
周期の時間内において前記平滑加速度偏差(Dp)の値
を前記平滑加速度偏差(D)の値に書き替える演算デー
タ更新機能とによって構成することができ、また、前記
重み付け調整手段は、0<Kd<1の範囲の数値からな
る第一の重み付け係数(Kd)と0<Kuf<1かつK
uf<Kdの範囲の数値からなる第二の重み付け係数
(Kuf)とを記憶する重み付け係数記憶機能と、前記
予測加速度が前記実加速度を越える場合に前記重み付け
係数(K)に第一の重み付け係数(Kuf)を設定する
一方、前記予測加速度が前記実加速度を越えない場合に
は前記重み付け係数(K)に第二の重み付け係数(K
d)を設定する重み付け係数設定機能とによって構成す
ることができる。
【0017】K・Dn+(1−K)・Dpの演算式にお
いて、(1−K)・Dpの項は直前の幾つかのサンプリ
ング周期で求められた加速度偏差の重み、また、K・D
nの項は現在のサンプリング周期で求められた加速度偏
差の重みである。従って、予測加速度が実加速度を越え
る場合に重み付け係数(K)に第一の重み付け係数(K
uf)を設定し、また、予測加速度が前記実加速度を越
えない場合には、それよりも値の小さな第二の重み付け
係数(Kd)を設定することにより、予測加速度が実加
速度を越える場合には現在のサンプリング周期で求めら
れた加速度偏差の影響の割合を減少させ、かつ、予測加
速度が実加速度を越えない場合には現在のサンプリング
周期で求められた加速度偏差の影響の割合を増大させる
といったことが可能となる。K・Dn+(1−K)・D
pの演算式によって現在のサンプリング周期における平
滑加速度偏差(D)の値を求めた後、この平滑加速度偏
差(D)の値を次のサンプリング周期の演算式で用いる
平滑加速度偏差(Dp)の値として更新設定するといっ
た処理がサンプリング周期毎に繰り返し実行されるの
で、K・Dn+(1−K)・Dpの演算式における(1
−K)・Dpの項は、あたかも漸化式のように、直前の
幾つかのサンプリング周期で求められた加速度偏差の影
響を含んだ値となる。
【0018】複数の変速マップとしては、降坂路用変速
マップおよび登坂路用変速マップに加え、平坦路用変速
マップを設けることが可能である。この場合、変速マッ
プ選択手段は、平滑加速度偏差の値が、正の値からなる
第一の判定値よりも大きい場合には降坂路用変速マップ
を選択し、平滑加速度偏差の値が、負の値からなる第二
の判定値よりも小さい場合には登坂路用変速マップを選
択し、平滑加速度偏差の値が、第一の判定値と第二の判
定値との間にある場合には平坦路用変速マップを選択す
るように構成する。
【0019】路面の勾配のタイプを降坂,登坂,平坦の
3つのタイプに分けて各々の勾配に最適な変速マップを
準備することにより、自動変速の実行タイミングを一層
的確に制御できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1は本発明を適用した一実
施形態の自動車用自動変速機1およびその制御装置2の
要部を簡略化して示したブロック図である。
【0021】自動車用自動変速機1の制御装置2には、
エンジン3の負荷を検出するスロットル開度センサ4,
エンジン3の回転速度を検出するエンジン回転センサ
5,車速を検出するための車速センサ6,自動車用自動
変速機1における入力軸の回転速度を検出する入力軸回
転センサ7,シフト位置を検出するシフト位置スイッチ
8、および、ブレーキの作動状態を検出するブレーキス
イッチ9の各々が接続されている。そして、制御装置2
は、これらのセンサおよびスイッチ類によって検出され
る自動車の運転状態に基いて適切な変速比を演算処理に
よって求め、シフトソレノイド10,11を駆動制御す
ることで、自動車用自動変速機1の変速比を自動制御す
るようになっている。
【0022】以上の点に関しては、CVT等を始めとす
る通常の自動車用自動変速機の分野において既に公知な
事項となっているので、詳細な構造や作用原理に関する
説明は省略する。
【0023】この実施形態の制御装置2は、演算処理用
のCPUと、その制御プログラムを格納したROM、お
よび、演算処理用のデータを一時記憶するためのRAM
等によって構成される。図2は制御装置2のCPUによ
って実施される演算機能の概略を示した機能ブロック図
である。
【0024】実加速度検出手段12は、前述した車速セ
ンサ6と制御装置2のCPUの演算機能とによって構成
される。例えば、車速センサ6から出力される速度検出
信号を所定のサンプリング周期毎にCPUが読み込み、
そのサンプリング周期で検出された自動車の速度から1
サンプリング周期前に検出された自動車の速度を減じ、
その値をサンプリング周期で除すことによって実加速度
を求めることができる。但し、自動車の振動や駆動輪の
スリップ等のために車速センサ6で検出される車速自体
にノイズ(外乱)が含まれる場合もあり、この実加速度
検出手段12によって求められた加速度が本質的に正し
い加速度であるといった保証はない。
【0025】加速度予測手段13は、主に、前述したス
ロットル開度センサ4およびシフト位置スイッチ8と制
御装置2のCPUの演算機能とによって構成される。予
測加速度は、理論的に、〔(エンジン出力トルク×トル
クコンバータトルク比×変速比/タイヤ径−走行抵抗)
/車両重量〕の演算式によって求めることができる。こ
のうち、エンジン出力トルクはエンジンに送り込まれる
空気量、つまり、スロットル開度センサ4からの信号に
よって推定することが可能であり、トルクコンバータト
ルク比はエンジン回転数と自動車用自動変速機1におけ
る入力軸の回転速度の比によって決まり、変速比はシフ
ト位置スイッチ8等からの信号に基いて求められる。タ
イヤ径と車両重量は定数である。また、走行抵抗は車速
との関係によって特定できるので、車速と走行抵抗との
関係を記憶したデータファイル等をROMに記憶させて
おき、車速に応じてこのデータファイルを参照すること
により容易に求めることができる。つまり、制御装置2
のCPUの演算処理によって、平坦路の走行を前提とし
た場合の予測加速度を求めることが可能である。
【0026】これらの運転操作条件、つまり、エンジン
出力トルク,トルクコンバータトルク比,変速比,タイ
ヤ径,走行抵抗,車両重量等が同一であっても、登坂路
を走行する際には平坦路を走行する場合に比べて自動車
に作用する重力の抵抗が大きくなるため、自動車の加速
度が減少する。また、これとは逆に、降坂路を走行する
際には平坦路を走行する場合に比べて重力の影響により
加速度が増大する。従って、基本的には、実加速度検出
手段12によって求められた実加速度と加速度予測手段
13によって推定された予測加速度との大小関係を比較
することによって、自動車がどのような勾配の路面を走
行しているのかを判定することが可能である。
【0027】つまり、実加速度から予測加速度を減じた
加速度偏差の値が零よりも大きければ自動車は降坂路を
走行していることになり、また、この加速度偏差が零よ
りも小さな値であれば登坂路を走行中、そして、加速度
偏差の値が概ね零であれば平坦路を走行中であると判定
することができる。
【0028】しかしながら、前述したとおり、自動車の
振動や駆動輪のスリップ等によるノイズが実加速度の演
算結果に影響を与えているため、単に、実加速度および
予測加速度の瞬間的な値を比較するだけでは適切に勾配
の判定を実施することは困難である。
【0029】このような不都合を解消するのが平滑加速
度偏差演算手段14であり、この平滑加速度偏差演算手
段14は、制御装置2のCPUによって主要部を構成さ
れ、直前の幾つかのサンプリング周期で求められた加速
度偏差と現在のサンプリング周期で求められた加速度偏
差とを母集合とする加速度偏差のデータに対し、現在の
サンプリング周期で求められた加速度偏差を所定の割合
で反映させて平滑加速度偏差を算出する機能を備える。
【0030】その実質的な機能は、直前のサンプリング
周期で求められた平滑加速度偏差をDp、現在のサンプ
リング周期で求められた加速度偏差をDnとし、0<K
<1の範囲で設定されたた重み付け係数K(なまし係数
ともいう)を利用して、D=K・Dn+(1−K)・D
pの演算式を実行し、現在のサンプリング周期における
平滑加速度偏差Dを求めることによって達成される。
【0031】与式から明らかなように、0<K<1の範
囲で重み付け係数Kの値を大きめに設定すれば、現在の
サンプリング周期で求められた加速度偏差Dnの値が平
滑加速度偏差Dに及ぼす影響が大きくなり、また、これ
とは逆に、0<K<1の範囲で重み付け係数Kの値を小
さ目に設定すれば、現在のサンプリング周期で求められ
た加速度偏差Dnの値が平滑加速度偏差Dに及ぼす影響
は小さくなる。
【0032】このようにして重み付け係数Kの値を適切
に選択することで、自動車の振動や駆動輪のスリップ等
によるノイズの影響を除去して適切な実加速度、つま
り、平滑加速度偏差Dを求めることが可能となる。実際
に路面の勾配状態を判定する際には、実加速度から予測
加速度を減じた加速度偏差の値ではなく、この平滑加速
度偏差Dを使用する。
【0033】しかし、加速度偏差の絶対値自体が比較的
小さいような場合、例えば、アクセルをOFFにして降
坂路を走行しているときのように実加速度および予測加
速度が共に零に近い値を示すような状況下においては、
重み付け係数Kの値を小さ目に設定すると、平滑加速度
偏差Dの変化の応答が遅れ気味となり、降坂路の勾配判
定に長い時間が掛かってしまうといった弊害が生じる。
また、既に述べたとおり、重み付け係数Kの値を必要以
上に大きくしてしまうと、自動車の振動や駆動輪のスリ
ップ等によるノイズの影響を除去して適切な実加速度を
求めることが困難となる。
【0034】そこで、本実施形態においては、このよう
な問題を解消するため、重み付け調整手段15を設け、
路面の勾配状況に応じて重み付け係数Kの値自体を調整
するようにしている。
【0035】重み付け調整手段15は、制御装置2のC
PUによって主要部を構成され、同じく制御装置2のC
PUによって主要部を構成された比較手段16からの信
号を受け、加速度予測手段13で求められた予測加速度
が実加速度検出手段12で求められた実加速度を越える
場合、つまり、自動車が登坂路を走行している可能性が
高い場合には、平滑加速度偏差演算手段14に対して現
在のサンプリング周期で求められた加速度偏差を反映さ
せる割合を減少させる指令を出力する。また、予測加速
度が実加速度を越えない場合、つまり、自動車が降坂路
を走行している可能性が高い場合には、平滑加速度偏差
演算手段14に対して現在のサンプリング周期で求めら
れた加速度偏差を反映させる割合を増大させる指令を出
力する。
【0036】ここで、本実施形態においては、0<Kd
<1の範囲の数値からなる第一の重み付け係数Kdと0
<Kuf<1かつKuf<Kdの範囲の数値からなる第
二の重み付け係数Kufとが予め制御装置2のROMに
保存されており、前述した現在の加速度偏差を反映させ
る割合を減少させるための指令は、値の小さな第二の重
み付け係数Kufを平滑加速度偏差演算手段14の重み
付け係数Kとして設定することにより達成され、また、
現在の加速度偏差を反映させる割合を増大させるための
指令は、値の大きな第一の重み付け係数Kdを平滑加速
度偏差演算手段14の重み付け係数Kとして設定するこ
とにより達成される。つまり、重み付けを調整するため
の指令は、実質的には、重み付け調整手段15から平滑
加速度偏差演算手段14に設定される重み付け係数Kの
値である。
【0037】そして、変速マップ選択手段17は、平滑
加速度偏差演算手段14によって求められた平滑加速度
偏差Dの値が相対的に大きい場合、より具体的には、平
滑加速度偏差Dの値が平坦路と降坂路との境界を示す第
一の判定値Ddを越えた場合に、制御装置2のROMに
準備された複数の変速マップ18の内から降坂路用変速
マップ18aを選択する一方、平滑加速度偏差Dの値が
相対的に小さい場合、より具体的には、平滑加速度偏差
Dの値が平坦路と登坂路との境界を示す第二の判定値D
uを下回った場合には、制御装置2のROMに準備され
た複数の変速マップ18の内から登坂路用変速マップ1
8bを選択する。また、平滑加速度偏差Dの値が第一の
判定値Ddと第二の判定値Duとの間にある場合には、
制御装置2のROMに準備された平坦路用変速マップ1
8cを選択することになる。
【0038】通常、降坂路用変速マップ18aにおいて
は、エンジンブレーキによる減速要求等に的確に応える
必要上、シフトダウンのタイミングが早めになるように
変速タイミングが設定されており、また、登坂路用変速
マップ18bにおいては、登坂路における十分な加速を
行い、かつ、ビジーシフトを防止するために、シフトア
ップのタイミングが遅めになるように設定されている。
平坦路用変速マップ18cの特性は両者の中間的なもの
である。
【0039】更に、本実施形態においては、平滑加速度
偏差Dの値が微小に変動することによって頻繁に変速マ
ップの選択状態が切り替わって走行状態が不安定になる
のを防止するため、前述した第一の判定値Ddよりも僅
かに小さな第三の判定値Dd’と前述した第二の判定値
Duよりも僅かに大きな第四の判定値Du’の値が予め
ROMに設定されている。そして、平滑加速度偏差Dの
値が第一の判定値Ddと第三の判定値Dd’との間にあ
る場合には、降坂路用変速マップ18aと平坦路用変速
マップ18cとの間での選択操作の切り換えを行わず、
それまで使用していた降坂路用変速マップ18aあるい
は平坦路用変速マップ18cをそのまま選択し続けるよ
うにし、また、平滑加速度偏差Dの値が第二の判定値D
uと第四の判定値Du’との間にある場合には、登坂路
用変速マップ18bと平坦路用変速マップ18cとの間
での選択操作の切り換えを行わずに、それまで使用して
いた登坂路用変速マップ18bあるいは平坦路用変速マ
ップ18cをそのまま選択し続けるようにしている。
【0040】第三の判定値Dd’と第四の判定値Du’
との大小関係は、Dd’>Du’である。
【0041】自動変速制御手段19は、制御装置2のC
PUによって主要部を構成され、変速マップ選択手段1
7によってその時点で選択されている変速マップの特性
に基いて、従来と同様にして自動車用自動変速機1のシ
フトソレノイド10,11を制御し、自動車用自動変速
機1の変速比を調整する。
【0042】以下、制御装置2におけるCPUの処理動
作を具体的に示す図3のフローチャートを参照して、図
2に示した各手段の実質的な動作を詳細に説明する。図
3の処理は制御装置2のCPUによって所定周期毎に繰
り返し実行されるものである。また、図3では変速マッ
プの選択処理に関わる部分の処理のみを示すものとし、
CPUによる他の自動制御に関しては説明を省略してい
る。
【0043】まず、所定周期毎の変速マップ選択処理を
開始した加速度予測手段13としてのCPUは、スロッ
トル開度センサ4やシフト位置スイッチ8からのデータ
を読み込み、前述した〔(エンジン出力トルク×トルク
コンバータトルク比×変速比/タイヤ径−走行抵抗)/
車両重量〕の演算式を実行して予測加速度Asを求める
(ステップs1)。
【0044】次いで、実加速度検出手段12としてのC
PUが、車速センサ6から車速の現在値を読み込み、こ
の現在値と前回のサンプリング周期で取得された車速デ
ータとの間の速度偏差とサンプリング周期の時間長とに
基いて実加速度Arを求める(ステップs2)。
【0045】次いで、比較手段16としてのCPUは、
実加速度Arの値から予測加速度Asの値を減じ、当該
サンプリング周期に固有の加速度偏差Dnの値を算出し
(ステップs3)、この加速度偏差Dnの値が零を越え
ているか否か、つまり、自動車が降坂路を走行している
可能性が高いのか、登坂路または平坦路を走行している
可能性が高いのかを判定する(ステップs4)。
【0046】そして、ステップs4の判別結果が真とな
った場合、つまり、自動車が降坂路を走行している可能
性が高いと判定された場合には、重み付け調整手段15
における重み付け係数設定機能実現手段としてのCPU
は、値の大きな方の第一の重み付け係数Kdを重み付け
係数記憶機能実現手段としてのROMから選択して重み
付け係数記憶レジスタKに更新設定する(ステップs
5)。また、加速度偏差Dnの値が零を越えておらず自
動車が登坂路を走行している可能性が高いと判定された
場合には、重み付け係数設定機能実現手段としてのCP
Uは、値の小さな方の第二の重み付け係数Kufを選択
して重み付け係数記憶レジスタKに更新設定する(ステ
ップs6)。
【0047】このような処理操作により、自動車が降坂
路を走行している可能性が高い場合には、平滑加速度偏
差演算手段14に対し現在のサンプリング周期で求めら
れた加速度偏差Dnを反映させる割合を増大させる指令
が出力され、また、自動車が登坂路を走行している可能
性が高い場合には、平滑加速度偏差演算手段14に対し
現在のサンプリング周期で求められた加速度偏差Dnを
反映させる割合を減少させる指令が出力されることにな
る。
【0048】次いで、平滑加速度偏差演算手段14とし
てのCPUは、直前のサンプリング周期で求められてR
AM上に一時記憶されていた平滑加速度偏差Dpの値を
読み込み(ステップs7)、平滑加速度偏差演算機能実
現手段としてのCPUが、前述したD=K・Dn+(1
−K)・Dpの演算式を実行して、現在のサンプリング
周期における平滑加速度偏差Dの値を算出する(ステッ
プs8)。そして、更に、演算データ更新機能実現手段
としてのCPUが、ここで求められた平滑加速度偏差D
の値を、次周期の処理で演算に使用するデータとしてレ
ジスタDpに更新設定する(ステップs9)。
【0049】次いで、変速マップ選択手段17としての
CPUは、平滑加速度偏差Dの値が第一の判定値Ddの
値を超えているのか(ステップs10)、第二の判定値
Duの値を下回っているのか(ステップs11)、第三
の判定値Dd’と第四の判定値Du’の範囲内にあるの
か、あるいは、第一の判定値Ddと第三の判定値Dd’
との間または第二の判定値Duと第四の判定値Du’と
の間にあるのかを判定する(ステップs12)。
【0050】ここで、平滑加速度偏差Dの値が第一の判
定値Ddの値を超えていれば、自動車が明らかに降坂路
を走行中であることを意味し、また、平滑加速度偏差D
の値が第二の判定値Duの値を下回っていれば、自動車
が明らかに登坂路を走行中であることを意味する。ま
た、平滑加速度偏差Dの値が第三の判定値Dd’と第四
の判定値Du’の範囲内にあれば、自動車が平坦路を走
行中であることを意味する。一方、平滑加速度偏差Dの
値が第一の判定値Ddと第三の判定値Dd’との間、ま
たは、第二の判定値Duと第四の判定値Du’との間に
ある場合には、降坂路,平坦路,登坂路の何れの勾配を
走行しているかを的確に判定するこが難しい不感帯の範
囲にあることを意味し、このような状況下で不用意に変
速マップの選択状態を切り換えると、過剰な回数の切り
換え操作が行われて、いわゆるシフトビジーの問題が生
じる可能性がある。
【0051】そこで、ステップs10の判別結果が真と
なった場合、つまり、自動車が明らかに降坂路を走行し
ている場合に限り、変速マップ選択手段17としてのC
PUは、ROMに記憶された複数の変速マップ18の内
から降坂路用変速マップ18aを選択し(ステップs1
4)、また、ステップs11の判別結果が真となった場
合、つまり、自動車が明らかに登坂路を走行している場
合に限って、変速マップ選択手段17としてのCPU
は、ROMに記憶された複数の変速マップ18の内から
登坂路用変速マップ18bを選択する(ステップs1
5)。また、ステップs12の判別結果が真となった場
合、つまり、自動車が明らかに平坦路を走行している場
合に限って、変速マップ選択手段17としてのCPU
は、ROMに記憶された複数の変速マップ18の内から
平坦路用変速マップ18cを選択することになる(ステ
ップs13)。
【0052】これに対し、ステップs10〜ステップs
12の判別結果が全て偽となった場合、つまり、平滑加
速度偏差Dの値が第一の判定値Ddと第三の判定値D
d’との間、あるいは、第二の判定値Duと第四の判定
値Du’との間にある場合には、平滑加速度偏差Dの微
小な変化に伴う過剰なマップ切り換えによって生じるビ
ジーシフトを防止するため、変速マップ選択手段17と
してのCPUは、変速マップの選択切り換えは行わず、
それまで使用していた変速マップの選択状態をそのまま
維持することになる。
【0053】そして、自動変速制御手段19としてのC
PUは、現時点で選択されている変速マップの特性に基
き、従来と同様にしてシフトソレノイド10,11を駆
動制御し、自動車用自動変速機1の変速比を調整する。
この点に関しては従来技術と同様であるので処理の説明
は割愛する。
【0054】以上に述べた処理操作が所定周期毎に繰り
返し実行される結果、ステップs8のD=K・Dn+
(1−K)・Dpの演算式における(1−K)・Dpの
項は、あたかも漸化式のように、直前の幾つかのサンプ
リング周期で求められた加速度偏差の影響を含んだ値と
なる。これにより、瞬間的に生じる振動や駆動輪の滑り
等によるノイズの影響が除去され、適切な平滑加速度偏
差Dが求められる。
【0055】更に、自動車が降坂路を走行している可能
性が高い場合、つまり、ステップs4の判定結果が真と
なる場合においては、登坂路を走行している場合と比べ
て相対的に大きな値を有する第一の重み付け係数Kdの
値が重み付け係数Kの値として採用されるので、実加速
度Arおよび予測加速度Arから求められる加速度偏差
Dnの絶対値が相対的に小さくなる降坂路の走行中にお
いても、ノイズによる影響が問題とならない範囲で、比
較的短時間のうちに現在の加速度偏差Dnの値を平滑加
速度偏差Dに反映させ、平滑加速度偏差Dの値を第一の
判定値Ddまで上昇させることが可能となり、降坂路侵
入後、短時間のうちに降坂路用変速マップ18aを使用
した自動変速制御が実施できるようになる。そして、こ
れにより、降坂路走行時におけるエンジンブレーキの動
作性能が保証される。
【0056】以上、一実施形態として3種類の変速マッ
プを利用する場合について述べたが、勾配の状況に応じ
て更に多数の変速マップを準備し、これに合わせてマッ
プ選択の場合分けを実施するアルゴリズムを作成するこ
とも可能である。また、これとは逆に平坦路走行時のマ
ップを降坂用または登坂用のマップで兼ねさせることに
よって変速マップを2種に限定してしまうことも理論的
には可能である。
【0057】また、重み付け係数Kの種別を3種以上と
し、加速度偏差Dnの値に応じて重み付け係数Kの値を
更に細かく設定することも可能である。
【0058】予測加速度Asや実加速度Arの演算に関
しては前述したものに制限する必要はなく、公知の技術
を任意に転用してよい。また、平滑加速度偏差Dの演算
式に関しても、前述したものに限る必要はない。
【0059】例えば、最近のサンプリング周期で算出さ
れた加速度偏差自体をファースト・イン・ファースト・
アウトでシフトレジスタ状に記憶するn個のレジスタR
1〜Rnを準備しておき、ステップs4の判別結果が偽
となった場合にはレジスタR1〜Rnの積算値をnで除
して平滑加速度偏差Dに代わる値を求め、また、ステッ
プs4の判別結果が真となった場合にはレジスタR1〜
Ri(但し、i<n)の積算値をiで除して平滑加速度
偏差Dに代わる値を求めることによっても、降坂路走行
時における現サンプリング周期の加速度偏差Dnの影響
力を増大させることが可能である。この場合、登坂路走
行時には最新n個の加速度偏差の平均値が求められる一
方、降坂路走行時には、それよりも少ない最新i個の加
速度偏差の平均値が求められることになるので、降坂走
行時の場合の方が登坂路走行時の場合に比べて過去のサ
ンプリング周期における加速度偏差の影響が減少し、相
対的に、現サンプリング周期の加速度偏差Dnの影響力
が増大されることになる。なお、ステップs4の判別処
理実行後にこのような処理を実施する場合には、ステッ
プs5〜ステップs9の処理をなくし、代わりにレジス
タ内のデータのシフト処理を行うようにし、前述のよう
にして求められた加速度偏差の平均値をステップs10
以降の処理でDの値に代えて利用することになる。
【0060】
【発明の効果】本発明の自動車用自動変速機の制御装置
によれば、自動車が登坂路を走行している可能性が高い
場合には現在のサンプリング周期で求められた加速度偏
差の値が平滑加速度偏差に与える影響が抑制される一
方、自動車が降坂路を走行している可能性が高い場合に
は現在のサンプリング周期で求められた加速度偏差の値
が平滑加速度偏差に与える影響が増幅される。この結
果、登坂路を走行している場合に比べて降坂路を走行し
ている場合の平滑加速度偏差の変動の応答速度を速くす
ることができ、アクセルをOFF状態とした降坂時であ
っても短い時間で平滑加速度偏差の値を増大させること
ができるようになり、早急に降坂路用変速マップを選択
できるようになる。しかも、実加速度と予測加速度との
大小関係に基いて変速マップを選択するのではなく、平
滑化された平滑加速度偏差の値に基いて変速マップを選
択するので、加速度偏差を求める際の実速度に含まれる
ノイズの影響を免れて、降坂路用変速マップ,登坂路用
変速マップ,平坦路用変速マップの内から勾配に応じた
適切な変速マップを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の自動車用自動変
速機の要部を簡略化して示したブロック図である。
【図2】同実施形態の自動車用自動変速機の制御装置に
配備されたCPUによって実現される演算機能の概略を
示した機能ブロック図である。
【図3】同CPUによって実施される変速マップ選択処
理の要部を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動車用自動変速機 2 自動車用自動変速機の制御装置 3 エンジン 4 スロットル開度センサ 5 エンジン回転センサ 6 車速センサ 7 入力軸回転センサ 8 シフト位置スイッチ 9 ブレーキスイッチ 10 シフトソレノイド 11 シフトソレノイド 12 実加速度検出手段 13 加速度予測手段 14 平滑加速度偏差演算手段 15 重み付け調整手段 16 比較手段 17 変速マップ選択手段 18 変速マップ 18a 降坂路用変速マップ 18b 登坂路用変速マップ 18c 平坦路用変速マップ 19 自動変速制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の実加速度を検出する実加速度検
    出手段と、自動車の運転操作状況に基いて自動車の加速
    度を予測する加速度予想手段と、路面の勾配に対応させ
    て自動変速の実行タイミングを記憶した複数の変速マッ
    プと、前記実加速度検出手段で検出された実加速度から
    前記加速度予想手段で予測された予測加速度を減じて所
    定のサンプリング周期毎に実加速度と予測加速度との間
    の加速度偏差を求め、直前の幾つかのサンプリング周期
    で求められた加速度偏差と現在のサンプリング周期で求
    められた加速度偏差とを母集合とする加速度偏差のデー
    タに対して前記現在のサンプリング周期で求められた加
    速度偏差を所定の割合で反映させて平滑加速度偏差を算
    出する平滑加速度偏差演算手段と、前記平滑加速度偏差
    演算手段により求められた平滑加速度偏差の値が相対的
    に大きい場合には前記複数の変速マップの内から降坂路
    用変速マップを選択する一方、前記平滑加速度偏差の値
    が相対的に小さい場合には前記複数の変速マップの内か
    ら登坂路用変速マップを選択する変速マップ選択手段
    と、前記変速マップ選択手段により選択された変速マッ
    プに基いて自動変速の実行タイミングを制御する自動変
    速制御手段とを備えた自動車用自動変速機の制御装置で
    あって、前記実加速度検出手段で検出された実加速度と
    前記加速度予想手段で予測された予測加速度との大小関
    係を比較する比較手段と、前記予測加速度が前記実加速
    度を越える場合には前記平滑加速度偏差演算手段に対し
    現在のサンプリング周期で求められた加速度偏差を反映
    させる割合を減少させる指令を出力する一方、前記予測
    加速度が前記実加速度を越えない場合には前記平滑加速
    度偏差演算手段に対して現在のサンプリング周期で求め
    られた加速度偏差を反映させる割合を増大させる指令を
    出力する重み付け調整手段とを設けたことを特徴とする
    自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記平滑加速度偏差演算手段は、直前の
    サンプリング周期で求められた平滑加速度偏差(Dp)
    と現在のサンプリング周期で求められた加速度偏差(D
    n)および0<K<1の範囲の数値からなる重み付け係
    数(K)の値に基いてK・Dn+(1−K)・Dpの演
    算式を実行することで現在のサンプリング周期における
    平滑加速度偏差(D)を求める平滑加速度偏差演算機能
    と、該演算処理実行後の現在のサンプリング周期の時間
    内において前記平滑加速度偏差(Dp)の値を前記平滑
    加速度偏差(D)の値に書き替える演算データ更新機能
    とを備え、前記重み付け調整手段は、0<Kd<1の範
    囲の数値からなる第一の重み付け係数(Kd)と0<K
    uf<1かつKuf<Kdの範囲の数値からなる第二の
    重み付け係数(Kuf)とを記憶する重み付け係数記憶
    機能と、前記予測加速度が前記実加速度を越える場合に
    前記重み付け係数(K)に前記第一の重み付け係数(K
    uf)を設定する一方、前記予測加速度が前記実加速度
    を越えない場合には前記重み付け係数(K)に前記第二
    の重み付け係数(Kd)を設定する重み付け係数設定機
    能とを備えていることを特徴とする請求項1記載の自動
    変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の変速マップは降坂路用変速マ
    ップおよび登坂路用変速マップと平坦路用変速マップと
    によって構成され、前記変速マップ選択手段は、前記平
    滑加速度偏差の値が、正の値からなる第一の判定値より
    も大きい場合には前記複数の変速マップの内から降坂路
    用変速マップを選択し、前記平滑加速度偏差の値が、負
    の値からなる第二の判定値よりも小さい場合には前記複
    数の変速マップの内から登坂路用変速マップを選択し、
    前記平滑加速度偏差の値が、前記第一の判定値と前記第
    二の判定値との間にある場合には前記複数の変速マップ
    の内から平坦路用変速マップを選択するものである請求
    項1または請求項2記載の自動変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115384512A (zh) * 2022-04-19 2022-11-25 一汽奔腾轿车有限公司 一种电液机械式自动变速器的坡路控制方法

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CN115384512A (zh) * 2022-04-19 2022-11-25 一汽奔腾轿车有限公司 一种电液机械式自动变速器的坡路控制方法

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