JP2002020498A - 球状複合粉体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

球状複合粉体及びこれを配合した化粧料

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JP2002020498A JP2000211438A JP2000211438A JP2002020498A JP 2002020498 A JP2002020498 A JP 2002020498A JP 2000211438 A JP2000211438 A JP 2000211438A JP 2000211438 A JP2000211438 A JP 2000211438A JP 2002020498 A JP2002020498 A JP 2002020498A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用色素を高い彩度で発色させることがで
き、又、水や有機溶剤に対して色素が溶出することのな
い複合粉体を提供すること、第2には、高彩度な色合い
を有して色味が良く、ブリーディングがなく、使用後に
落としやすく、色残りのない、安全な化粧料を提供する
こと。 【解決手段】 熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧
品法定色素から実質的になる略球状の複合粉体、及びこ
の複合粉体を配合した化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発色性に優れ、安
全性が高い、有機色素を組み込んだ球状複合粉体、及び
この球状複合粉体を配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、化粧料に対する多様な色彩ニーズ
から、化粧料にはこれまでにも増して多くの有機色素が
使用される傾向にある。このため化粧用色素を安定に配
合するための工夫が種々なされてきている。この例を挙
げると、特開平4−292664には、シリカ、ナイロ
ン、ポリエチレンに回転式ボールミルにより色素を表面
に複合化する方法が開示されている。また、特開平11
−12493には、屈折率2未満の無機粉体と有機色素
とを無機塩を用いて付着及び/又は固着させた複合粉体
を含有する化粧料が記載されている。これらの発明に
は、その有利な効果として、水や有機溶媒に対して安定
で、ブリーディング(溶出)が生じにくく、又、使用部
位への染着、すなわち色残りが少なく、使用性に優れ
る、と記載されているが、これらの効果は未だ十分では
ない。色素を担持媒体の表面に付着するのでなはなく、
担持媒体の内部に内包させる技術が望まれている。使用
する有機色素をより高い彩度に発色させることができ、
ブリーディングや色残りを更に改良できる化粧品中間原
料としての複合粉体、及び、ブリーディング防止及び色
残り防止が確実にでき、彩度の高い色に発色させた化粧
料が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、まず第1に、使用色素を高い彩度で発色さ
せることができ、又、水や有機溶剤に対して色素が溶出
することのない複合粉体を提供すること、第2には、高
彩度な色合いを有して色味が良く、ブリーディングがな
く、使用後に落としやすく、色残りのない、安全な化粧
料を提供すること、である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記諸課題は、
以下の方法により解決された。以下に好ましい実施態様
と共に列挙する。 項1)熱可塑性樹脂及び少なくとも1種のカラーインデ
ックス記載色素から実質的になる略球状の複合粉体、及
び、これを配合した化粧料、 項2)熱可塑性樹脂の融点の温度において色素が熱に安
定である項1)記載の複合粉体、 項3)熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧品法定色
素から実質的になる略球状の複合粉体、 ここで、「化粧品法定色素」とは、化粧品に配合できる
タール色素を言い、「医薬品等に使用することができる
タール色素を定める省令(昭和41年8月31日厚生省
令第30号)」に規定されたタール色素から選ばれた少
なくとも1種の色素をいう。 項4)化粧品法定色素が、赤色201号、赤色202
号、赤色204号、赤色205号、赤色223号、赤色
220号、赤色226号、赤色228号、赤色405
号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色
401号、青色404号、よりなる群から選ばれた項
3)記載の複合粉体、 項5)化粧品法定色素が、赤色104−1号、赤色20
1号、赤色202号、赤色223号、赤色226号、黒
色401号、紫色401号、黄色4号、黄色401号、
青色404号、及び青色1号のアルミニウムレーキより
なる群から選ばれた項3)記載の複合粉体、 項6)熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧品法定色
素から実質的になる略球状の複合粉体を配合した化粧
料、 項7)口紅(リップスティック)、頬紅(チーク)、フ
ァンデーション、マニキュア又はアイカラーである項
6)記載の化粧料、 項8)化粧品法定色素が、赤色104−1号、赤色20
1号、赤色202号、赤色204号、赤色220号、赤
色223号、赤色226号、赤色228号、赤色405
号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色
401号、青色404号、よりなる群から選ばれた項
6)又は項7)記載の化粧料、 項9)化粧品法定色素が、赤色104−1号、赤色20
1号、赤色202号、赤色223号、赤色226号、黒
色401号、紫色401号、黄色4号、黄色401号、
青色404号、及び青色1号のアルミニウムレーキより
なる群から選ばれた項6)又は項7)記載の化粧料、 項10)熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロ
ン12、テフロン(登録商標)、エチレン・酢酸ビニル
コポリマー(EVA)よりなる群より選ばれた項6)な
いし9)いずれか1項に記載の化粧料、 項11)熱可塑性樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン11、ナイロン12、エチレン・酢酸ビニルコ
ポリマー(EVA)よりなる群より選ばれた項6)ない
し9)いずれか1項に記載の化粧料、 項12)複合粉体の90質量%以上が、3μm以上9μ
m以下の直径を有する、項6)ないし項11)いずれか
1項に記載の化粧料、 項13)複合粉体の90質量%以上が、5μm以上7μ
m以下の直径を有する、項6)ないし項11)いずれか
1項に記載の化粧料、 項14)熱に安定である色素を使用した項6)ないし項
13)いずれかの化粧料。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
複合粉体は、熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧品
用色素から実質的になる略球状を呈した複合粉体であ
る。本発明の化粧料は、少なくとも1種の上記複合粉体
を配合したものである。
【0006】本発明の化粧品法定色素とは、薬事法第4
2条第2項の規定に基づく化粧品品質基準、により化粧
品に使用することが許可されている色素をいう。この化
粧品品質基準は現在廃止の方向にあり、新たに化粧品基
準の制定が検討されているが、この化粧品基準において
も、化粧品に配合されるタール色素は、前記の省令に規
定されたタール色素以外のものであってはならない、と
される方向で検討が進んでいる。これらの法定色素は、
その色相により6群に大別され、以下に示す合計83種
類である。 (1)褐色201号、黒色401号、紫色201号、及
び紫色401号。 (2)青色1号、青色2号、青色201号、青色202
号、青色203号、青色204号、青色205号、青色
403号、及び青色404号。 (3)緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑
色205号、緑色3号、緑色401号、及び緑色402
号。 (4)黄色201号、黄色202−1号、黄色202−
2号、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄
色4号、黄色401号、黄色402号、黄色403−1
号、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色
407号、及び黄色5号。 (5)橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙
色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401
号、橙色402号、及び橙色403号。 (6)赤色102号、赤色104−1号、赤色105−
1号、赤色106号、赤色2号、赤色201号、赤色2
02号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、
赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色21
3号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤
色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223
号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色
228号、赤色230−1号、赤色230−2号、赤色
231号、赤色232号、赤色3号、赤色401号、赤
色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502
号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、及び
赤色506号。
【0007】以上83種の色素に加えて、厚生省令第3
0号別表1ないし3に掲げる各種金属レーキもまた本発
明に使用できる。具体的には、別表第1第19号のアル
ミニウムレーキ、別表第2第46号のアルミニウムレー
キ、別表第2第47号のバリウムレーキ、別表第2第4
8号のジルコニウムレーキ、別表第3第26号のアルミ
ニウムレーキ、別表第3第27号のバリウムレーキ、が
挙げられる。
【0008】本発明の複合粉体又は化粧料に好ましく使
用される化粧品法定色素は、赤色104−1号、赤色2
01号、赤色202号、赤色223号、赤色226号、
黒色401号、紫色401号、黄色4号、黄色401
号、青色404号、及び青色1号のアルミニウムレー
キ、よりなる群から選ばれる色素である。
【0009】本発明おいて、色素が熱に安定であると
は、熱可塑性樹脂の融点の温度に加熱したポリエチレン
グリコール中で、1時間の分解量が20%未満、好まし
くは、10%未満であることをいう。さらに詳しくは、
明成化学工業(株)製ポリエチレンオキサイドR150
またはこれと同等品13質量部中に混合した1質量部の
色素を180℃に1時間加熱した後の色素の残存量を吸
光度分析法に基づいて決定し、この残存率が80%以
上、好ましくは90%以上の色素が本発明に好ましく使
用できる。例えば、赤色201号、及び赤色202号の
方が、黄色401号よりも熱に安定である。
【0010】また本発明の複合粉体及び化粧料に特に好
ましく使用される化粧品法定色素は、赤色104−1
号、赤色201号、赤色202号、赤色223号、赤色
226号、黒色401号、紫色401号、黄色4号、黄
色401号、青色404号、及び青色1号のアルミニウ
ムレーキよりなる群から選ばれた色素である。
【0011】本発明の熱可塑性樹脂は、加熱により可塑
性を有する樹脂であり、複合球状粉体を形成する上で、
化粧品法定色素を保持ないし分散するバインダーとな
る。熱可塑性樹脂には、多くの合成高分子が該当する
が、本発明の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリア
ミド類、特に各種ナイロン、例えばナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン46、ポリエステル類、例
えばポリエチレンテレフタート、ポリカーボネート、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリふっ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアセター
ル、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリル酸メチル・
メタクリル酸メチルコポリマー、アクリロニトリル・ス
チレンコポリマー、エチレン・酢酸ビニルコポリマー
(EVA)、エチレン・アクリル酸コポリマー、エチレ
ン・プロピレンコポリマー、ABS樹脂(アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレンコポリマー)、熱可塑性弾
性体、例えばスチレン・ブタジエンブロックポリマー等
の付加重合体が例示できる。
【0012】本発明の熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン11、ナイロン12、テフロン、及びエチレン・酢
酸ビニルコポリマー(EVA)が好ましく、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、及びナイロン12が
特に好ましい。
【0013】熱可塑性樹脂は、2種以上の、同種又は異
種の、熱可塑性樹脂の混合物であっても良い。異種の熱
可塑性樹脂混合物(ポリマーブレンド)の成分が非相溶
である場合には、相溶化剤を用いて両相の分散を良化さ
せることが好ましい。更に好ましくは混合状態を制御し
たいわゆるポリマーアロイを本発明に用いることができ
る。ポリマーアロイを用いて、耐熱性、強靱性、造粒性
を改良することができる。ポリマーアロイの例として
は、ポリフェニレンオキサイド(PPO)/ポリスチレ
ン(PS)、ポリベンズイミダゾール(PBI)/ポリ
イミド(PI)、PPO/ABS、ABS/ポリカーボ
ネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)/PC、PET/PC、PBT/PET、PBI/
PI、ナイロン/変性ポリオレフィン、PBT/変性ポ
リオレフィン、ナイロン/PPO、ABS/ナイロン、
ABS/PBT、ナイロン/PPO、ナイロン/AB
S、ナイロン/PCを挙げることができ、その他の具体
例は、高分子学会編、先端高分子材料シリーズ3「高性
能ポリマーアロイ」、(平成3年、丸善)等に記載され
ている。
【0014】本発明において、必要に応じて、色相の異
なる又は類似の、2以上の異なった化粧品法定色素を併
用することができる。化粧品法定色素は熱可塑性樹脂の
球状粒子内部に含有させることが好ましい。
【0015】「実質的に熱可塑性樹脂及び化粧品法定色
素からなる」とは、その他の成分が20質量%以下、好
ましくは10質量%以下であって、化粧品法定色素の吸
収特性が阻害されないことを意味する。本発明の球状粉
体及び本発明の化粧料に配合する球状粉体は、熱可塑性
樹脂及び化粧品法定色素からなることが特に好ましい。
【0016】化粧品法定色素の熱可塑性樹脂組成物全体
に対する配合量にはこの組成物が微粒子に分散され造粒
される以上特に制限はないが、一般的には、0.1質量
%以上80質量%以下であり、好ましくは3ないし60
質量%である。より詳しくは、口紅(リップスティッ
ク)やほほ紅の場合には、好ましくは5質量%以上50
質量%以下、更に好ましくは10質量%以上30質量%
以下である。又、マニキュアやアイカラーの場合には、
好ましくは3質量%以上30質量%以下、更に好ましく
は5質量%以上20質量%以下である。
【0017】本発明の複合粉体及び本発明の化粧料に配
合する複合粉体は、以下の工程(1)及び工程(2)を
含む製造方法により製造することができる: (1)熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧品法定色
素から実質的になる熱可塑性樹脂組成物を、この組成物
と相溶性のない分散媒と共にこの組成物の融点以上の温
度に加熱して混合し、微粒子に分散する工程(1)、及
び(2)得られた熱可塑性樹脂組成物の微粒子をその融
点以下の温度に冷却して、平均粒径が約1μm以上約1
0μm以下である、略球状の複合粉体とする工程
(2)、を含むことを特徴とする球状複合粉体の製造方
法。
【0018】分散媒は、前記の工程(1)の分散工程に
おいて、熱可塑性樹脂組成物を微粒子に分散させるため
の連続相を形成し、熱可塑性樹脂と相溶性を有しない。
相溶性を有しないとは、加熱温度において、1質量%以
上の溶解度を有しないことをいう。分散媒は、好ましく
は熱可塑性樹脂に対して、相溶性を有さず、好ましくは
貧溶剤であることが望ましい。ここで、貧溶媒とは、所
定温度における熱可塑性樹脂溶液に添加するとその熱可
塑性樹脂の溶解度が減少するような溶媒をいう。本発明
の分散媒は、2以上の分散媒の混合物であっても良く、
熱可塑性樹脂組成物に対して、室温から工程(1)の加
熱温度の範囲にわたり、貧溶媒であることが望ましい。
本発明の分散媒は、熱可塑性樹脂組成物に対して、容量
で、0.5倍以上5倍以下使用される。
【0019】本発明に使用する分散媒の好ましい例は、
ポリアルキレンオキサイド類、例えばポリエチレンオキ
サイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル及びその誘導体(アセタール化体等)、ポリブテン、
ワックス、天然ゴム、合成ゴム、例えばポリブタジエ
ン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、石油樹脂等であ
り、これらを単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。ポリアルキレンオキサイド類は、異なった
重合度のものが市販されており、これらの成分を適宜組
み合わせることにより、工程(1)の分散温度において
分散媒が所望の粘弾性を有するように調節することがで
きる。
【0020】本発明において、熱可塑性樹脂組成物の融
点は、示差走査熱量測定(DSC)法により測定した融
点をいう。熱可塑性樹脂及び化粧品法定色素から実質的
になる熱可塑性樹脂組成物の融点は、熱可塑性樹脂の融
点で近似することができる。種々の熱可塑性樹脂の融点
は、ハンドブック類、製造メーカーの技術資料等に記載
されている(例えば、実用プラスチック辞典、材料編、
増補改訂、320ページ、表1−4(1993年、産業
調査会発行)。例えば、ナイロン12の融点は、約18
0℃である。本発明において、熱可塑性樹脂の融点は3
0℃以上300℃以下であることが好ましい。工程
(1)の微粒子分散工程の温度は、使用する熱可塑性樹
脂の融点よりも、10℃ないし200℃高い温度に加熱
し、好ましくは20℃ないし150℃高い温度に加熱
し、混合することが好ましい。加熱温度が低すぎると、
熱可塑性樹脂組成物は微粒子に分散されにくく、絡まっ
た繊維状になりやすい。加熱温度が高すぎると、熱分解
等が起こるために好ましくない。
【0021】本発明に使用するほぼ球状の複合粉体の製
造方法において、工程(1)において樹脂組成物を分散
媒中に微粒子に分散するための方法・装置は特に限定さ
れない。例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、単軸押出機、2軸押出機等によって分散することが
できる。本発明の造粒方法では、湿式撹拌造粒に属する
と考えられ、微粒子を分裂する力である、撹拌による剪
断力と、微粒子を保持する力である、組成物の粘弾性及
び界面張力とのバランスにより、粒子サイズが決定され
ると考えられる。均一な粒子サイズ分布を得るために
は、撹拌による剪断力と組成物の粘弾性を均一にするこ
とが好ましく、このためには、密閉型の分散機を用い
て、かつその分散機内部の温度分布を均一にすることが
好ましい。
【0022】本発明において、工程(2)の後に、熱可
塑性樹脂組成物と分散媒の混合物を、融点以下に冷却し
た後、該組成物の貧溶媒でかつ分散媒の良溶媒である展
開溶媒とこの混合物を混合して、複合粉体の懸濁液とし
ても良い。この場合、該混合物を冷却した後、クラッシ
ャー等で粉砕したり、ペレタイザーでペレット化した
り、押出機、ロール等でシート状に成形してから展開溶
媒中に浸漬してもよい。
【0023】展開溶媒としては、水、有機溶媒及びこれ
らの混合物を用いることができる。分散媒として、ポリ
アルキレンオキシド類を用いると、水を展開溶剤として
使用することができる。複合粉体の懸濁液から目的とす
る球状複合粉体を、遠心分離、濾過、又はこれらの方法
を組み合わせて分離することができる。分離した複合粉
体は、必要に応じて、乾燥してから使用する。
【0024】本発明の複合粉体の製造方法によれば、平
均粒子径が約0.1μm以上であって約10μm以下の
略球状の粒子(以下、単に「球状粒子」ともいう。)を
得ることができる。ここで、「略球状」とは、粒子の直
交3軸の比が2以下のものをいう。略球状の粒子には、
真球状の粒子を含むことはいうまでもない。約0.1μ
m以上とは、0.01μmの数分の1までを含むことを
いう。約10μm以下とは、数十μmの粒子径のものま
で含むことを意味する。好ましくは、1μm以上であっ
て、10μm以下の平均粒子径である。中でも複合粉体
の90質量%以上が、3μm以上9μm以下の直径を有
する複合粉体、及びこれを配合した化粧料が好ましく、
複合粉体の80質量%以上が、5μm以上7μm以下の
直径を有する複合粉体、及びこれを配合した化粧料が特
に好ましい。複合粉体の形状及び粒子径は、電子顕微
鏡、光学顕微鏡等により測定できる。本発明の平均粒子
径とは、粒子の直径の数平均をいう。
【0025】本発明の化粧料に、ナイロン(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12)を熱
可塑性樹脂として使用した複合粉体を使用することによ
り、ローリング効果を発現させることができ、化粧品の
のびを良くすることができ、サラサラした感触を与え
る。又、プレス製品への配合では、プレス性が向上する
ため、作業性が向上し、ワレの防止に有効である。本発
明の球状複合粒子を配合することにより、これらの特性
を加味することができる。本発明の化粧料には、化粧品
に従来から使用されてきた粉体、油剤、界面活性剤、紫
外線吸収剤、粘剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、香
料、色素を同時に配合することができる。
【0026】本発明において、熱可塑性樹脂、化粧品法
定色素、複合粉体の粒子径又は粒子径分布、分散媒、展
開溶剤、等の要素の好ましい例、又は、工程条件の好ま
しい範囲から任意の2以上を組み合わせた態様は、更に
好ましい実施態様である。以下に本発明の実施例を挙げ
るが、本発明はこれに限られるものではない。
【0027】
【実施例】実施例1〜10 (粉体製造1:球状有機色素含有ナイロン複合粉体1)
ダイセル化学工業(株)製のダイアミド(ナイロン1
2)0.70Kgと赤色202号0.30Kgとを、明
成化学工業(株)製のポリエチレンオキサイドR150
の1.3Kgと良く混合した後、2軸型の加圧混練機中
で、230℃に均一に加熱しながら混合し、球状有機色
素含有ナイロン複合粉体を製造した。得られた混合物を
約150℃に冷却した後、分散媒である水20リットル
と混合して球状有機色素含有ナイロン複合粉体の懸濁液
とした。遠心分離法により目的とする複合粉体を分離し
た後、加熱乾燥して、平均粒子径が5μmの有機色素赤
色202号を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉
体1を得た。この複合粉体は粒子径が5〜7μmの範囲
に全複合粉体の85質量%が含まれる粒子径分布を有し
ていた。 (粉体製造2:球状有機色素含有ナイロン複合粉体2)
上記の粉体製造1において、赤色202号0.30Kg
に替えて、赤色201号0.30Kgを使用する以外は
全く同様にして、赤色201号を内包したほぼ真球状の
球状ナイロン複合粉体2を得た。
【0028】(粉体製造3〜10)粉体製造1と同様に
して、粉体製造3〜10を行った。粉末製造1〜10に
より得られた球状複合粉体の組成を以下に示す。
【表1】単位:質量%
【0029】実施例11〜16 上記の複合粉体を配合したリップスティックの実施例を
以下に示す。
【表2】単位:質量%
【0030】実施例17〜19 同じく前記の複合粉体を配合した頬紅の実施例を以下に
示す。
【表3】単位:質量%
【0031】実施例20〜22 前記の複合粉体を配合したパウダーファンデーションの
実施例を以下に示す。
【表4】単位:質量%
【0032】実施例23〜24 マニキュアの実施例を以下に示す。
【表5】単位:質量%
【0033】実施例25〜26 同じく前記の複合粉体を配合したアイシャドウの実施例
を示す。
【表6】単位:質量%
【0034】実施例27 (粉体製造11〜12:球状有機色素含有複合粉体)ダ
イセル化学工業(株)製のダイアミド(ナイロン12)
0.70Kgを使用する替わりに東ソー(株)製ウルト
ラセン(EVA)を使用する以外は全く同様にしてEV
Aに赤色202号を内包した球状複合粉体11を製造し
た。ダイセル化学工業(株)製のダイアミド(ナイロン
12)0.70Kgを使用する替わりに三菱化学(株)
ノバテックPP(ポリプロピレン)を使用する以外は全
く同様にしてポリプロピレンに赤色202号を内包した
球状複合粉体12を製造した。
【0035】
【本発明の効果】本発明の球状複合粉体及びこれを配合
した化粧料は、発色性に優れる。すなわち、色素の吸収
スペクトルの半値幅が狭くなり、また低吸収領域でシャ
ープに吸収が消失する。このため本発明の化粧料は、鮮
やかで、微妙な色合いにできる。本発明の化粧料は、落
としやすく、色残りがない。例えば、本発明の口紅は、
伸びが良く、口元になめらかになじむ他、使用後には石
けんで落としやすく、又、くちびるに染色したり、色残
りすることがない。本発明の頬紅は自然で透明感のある
メイクができ、また使用後には石けんによる洗い落とし
が簡単である。本発明の化粧料は、色素が熱可塑性樹脂
に内包されており、直接肌に接することがないので、敏
感な肌にもアレルギー症状を起こさない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/031 A61K 7/031 7/032 7/032 7/04 7/04 C08L 101/00 C08L 101/00 C09B 67/02 C09B 67/02 Z C09C 3/10 C09C 3/10 Fターム(参考) 4C083 AA082 AA122 AB052 AB242 AB432 AB442 AC012 AC022 AC032 AC102 AC242 AC352 AC392 AC792 AC842 AC852 AC862 AC932 AD011 AD042 AD072 AD092 AD262 AD512 BB21 CC12 CC13 CC28 CC36 DD17 DD23 DD31 EE03 EE07 EE10 4F070 AA13 AA18 AA24 AA28 AA54 AE04 DA39 DC07 4J002 AA011 FD096 GB00 4J037 EE03 FF03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧
    品法定色素から実質的になる略球状の複合粉体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の化粧
    品法定色素から実質的になる略球状の複合粉体を配合し
    た化粧料。
  3. 【請求項3】 口紅、頬紅、ファンデーション、マニキ
    ュア及びアイカラーよりなる群から選ばれた請求項2記
    載の化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008056688A1 (fr) * 2006-11-08 2008-05-15 Shiseido Company Ltd. Colorant pour préparation cosmétique et cosmétique de maquillage

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