JP2002020277A - 外用剤組成物 - Google Patents

外用剤組成物

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JP2002020277A
JP2002020277A JP2000197699A JP2000197699A JP2002020277A JP 2002020277 A JP2002020277 A JP 2002020277A JP 2000197699 A JP2000197699 A JP 2000197699A JP 2000197699 A JP2000197699 A JP 2000197699A JP 2002020277 A JP2002020277 A JP 2002020277A
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carbon atoms
polyacrylic acid
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JP2000197699A
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Yuko Ono
祐子 大野
Kimishi Hishiki
季未子 飛鋪
Satoru Kazuno
哲 数野
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な温感を有すると共に、持続性があり、
かつ皮膚刺激を起こすこともない外用剤組成物を提供す
ること。 【解決手段】 下記成分を含有することを特徴とする外
用剤組成物; (I)一般式(1)で表される化合物、及び(II)水溶
性高分子化合物 1質量%〜60質量%。 【化1】 (式中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基又はアル
ケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、又はフェ
ニル基を表し;nは1〜4の整数を表し;R’は炭素数
1〜12のアルキル基又はアルケニル基、炭素数3〜6
のシクロアルキル基、又はフェニル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟膏、クリーム、
ゲル、ローション、エアゾール剤、成形パップ剤、テー
プ剤、パウダー、ヘアトニック、パック、シャンプー等
の医薬品や香粧品等に配合して温感を付与する外用剤組
成物に関する。
【従来の技術】従来外用剤組成物には、皮膚への適用時
に温感を付与する成分が含有されており、製品の使用感
を向上させる物質として広く用いられている。外用剤組
成物に温感を付与する物質として、ノニル酸バニリルア
ミド、ニコチン酸ベンジル、トウガラシエキス、及びト
ウガラシエキスの主成分であるカプサイシン等の温感付
与剤が使用されている。しかし、これらは温感は強いも
のの、温感付与剤の配合量を増加させると「刺激」が強
くなる場合がある。一方、新しい温感付与剤として、バ
ニリルアルコール誘導体やその類縁化合物などが開発さ
れている。それらは、皮膚刺激がないものの、それらの
化合物のみでは必ずしも充分な温感を有するとはいえ
ず、これら温感付与剤の温感を増強させかつ持続性を有
する組成物が求められていた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、適度な温感を有すると共に、持続性
があり、かつ皮膚刺激を起こすこともない外用剤組成物
を提供することを課題とする。
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、外用剤組成
物の温感につき、適度な温感を有する外用剤組成物に関
して鋭意研究を重ねた結果、特定量の水溶性高分子と一
般式(1)に示す化合物を併用することにより、皮膚刺
激を生ずることもなく、温感を有意に増強し持続しうる
ことを見出し、本発明をなすに至った。即ち、本発明
は、下記成分を含有することを特徴とする外用剤組成物
を提供する。 (I)一般式(1)で表される化合物、及び(II)水溶
性高分子化合物 1質量%〜50質量%。
【0003】
【化3】
【0004】式中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル
基又はアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル
基、又はフェニル基を表し;nは1〜4の整数を表し;
R’は炭素数1〜12のアルキル基又はアルケニル基、
炭素数3〜6のシクロアルキル基、又はフェニル基を表
す。
【発明の実施の形態】(I)本発明で用いる上記一般式
(1)の化合物において、Rは水素、炭素数1〜6、好
ましくは1〜3、特に好ましくは1の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基又はアルケニル基、炭素数3〜6、好ましく
は3〜4のシクロアルキル基、或いはフェニル基を表
す。このうち、炭素数1〜3のアルキル基が特に好まし
い。nは1〜4、好ましくは1〜2、特に好ましくは1
の整数を表す。R’は炭素数1〜12、好ましくは1〜
6、特に好ましくは3〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基又はアルケニル基、炭素数3〜6、好ましくは5〜6
のシクロアルキル基、又はフェニル基を表す。このう
ち、炭素数3〜6のアルキル基が特に好ましい。一般式
(1)において、−ORがオルト位、−(CH2)n
R’がパラ位のもの、−ORがオルト位、−(CH2
nR’がメタ位のものが好ましい。特に好ましい化合物
は、下記一般式(1−1)で表される化合物である。
【0005】
【化4】
【0006】式中、R’は、炭素数1〜12、好ましく
は1〜6、特に好ましくは3〜6の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基である。一般式(1)で表される化合物として
は、具体的には、バニリルn−プロピルエーテル、バニ
リルイソプロピルエーテル、バニリルn−ブチルエーテ
ル、バニリルn−アミルエーテル、バニリルイソアミル
エーテル、バニリルn−ヘキシルエーテル、バニリルn
−ペンチルエーテルなどがあげられる。このうち、バニ
リルn−ブチルエーテル、バニリルn−ヘキシルエーテ
ル、バニリルn−ペンチルエーテルが好ましく、バニリ
ルn−ブチルエーテルが特に好ましい。本発明の外用剤
組成物において、一般式(1)で表される化合物の配合
量は特に限定されないが、好ましくは0.001〜10
質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%であ
る。一般式(1)で表される化合物の配合量がこのよう
な範囲内にあると、皮膚に適用したときに刺激が強すぎ
ず、適度な温感を与えることができるので好ましい。ま
た、(II)水溶性高分子化合物等の他成分との混和性が
よく、本発明の組成物を含有する製剤等を容易に製造で
きるので好ましい。
【0007】(II)水溶性高分子化合物は、本発明の外
用剤組成物において、製剤に粘度をもたせることによ
り、皮膚上に長時間保持させ、一般式(1)で表される
化合物を徐々に放出させることにより適度な温感を持続
させる作用を有する物質である。このような水溶性高分
子化合物は、好ましくは質量平均分子量が1万〜100
0万、より好ましくは、30万〜700万であり、具体
的には、分子内にカルボキシル基を有する高分子化合
物、ポリビニル系高分子化合物、多糖類、ポリエチレン
オキサイド等が挙げられる。このうち、分子内にカルボ
キシル基を有する高分子化合物が好ましい。分子内にカ
ルボキシル基を有する高分子化合物としては、アクリル
酸類、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース及びその
ナトリウム塩、カリウム塩、アルギン酸ナトリウム、無
水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルスターチナト
リウム、カルボキシル基を有する天然ゴム等を挙げるこ
とができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み
合わせて使用することができる。これらの中でも、特に
ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩を使用する
と好適である。ポリアクリル酸としてはいずれのもので
も使用でき、その分子量及び直鎖状、分岐鎖状等の形状
には特に制限はないが、分子量1万〜1000万のもの
を用いることが好ましく、特に質量平均分子量が1万〜
50万、50万〜200万、200万〜700万の平均
分子量を有するポリアクリル酸及びその塩を2種以上組
み合わせると、使用感が向上するので好適である。な
お、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほ
か、カルボキシビニルポリマー、例えばカーボポール
(商品名:米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合
体を一部架橋したものも好適に使用し得る。
【0008】また、ポリアクリル酸塩としては上述の分
子量を有するポリアクリル酸のナトリウム塩、カリウム
塩等のポリアクリル酸の一価金属塩;ポリアクリル酸の
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩;ポリアク
リル酸のアンモニウム塩等の1種又は2種以上を好適に
使用し得る。分子内にカルボキシル基を有する水溶性高
分子化合物は、特に増粘効果が高いので、皮膚上に製剤
を保持させ、一般式(1)で表される化合物を徐々に放
出させることにより、適度な温感を持続させる作用に優
れるので好ましい。また、ポリアクリル酸とポリアクリ
ル酸塩とを併用する場合、これらの配合比(質量比)は
1:10〜10:1、特に1:9〜9:1とすることが
好ましい。ポリアクリル酸塩は、ポリアクリル酸を10
0%中和したものでもよいし、部分中和したものでもよ
い。部分中和したポリアクリル酸塩を単独で又はポリア
クリル酸と共に使用する場合、ポリアクリル酸塩及びポ
リアクリル酸中のカルボキシル基に対する中和カルボキ
シル基の比が上記比率になるようにするのが好ましい。
また、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩などの分子
内にカルボキシル基を有する水溶性高分子化合物の合計
配合量は、本発明の組成物全体の1〜30%、特に3〜
25%とすることが好ましい。配合量がこの範囲内にあ
ると、充分に温感が持続する一方、製造時の作業性に問
題が生じたり、貼付剤を剥がす時に痛みを感じることが
ないので好ましい。また、組成物のpHが低い場合でも
使用感が損なわれることがないので好ましい。
【0009】なお、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸
塩以外の金属で架橋する水溶性高分子化合物を使用する
場合、その配合量は、ポリアクリル酸及びポリアクリル
酸塩を使用する場合と同程度とすると、好適である。ポ
リビニル系高分子としては、好ましくは平均質量分子量
が1万〜1000万、より好ましくは30万〜700万
のポリアクリル酸(塩)、ポリマレイン酸(塩)、アク
リル酸−マレイン酸共重合物(塩)、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。これら
の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のポリアク
リル酸の一価金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩;アン
モニウム塩等があげられる。このうち、平均質量分子量
が30万〜500万のポリアクリル酸(塩)、ポリビニ
ルアルコールが好ましい。また、ポリビニル系高分子の
合計配合量は、本発明の組成物全体の1〜30%、特に
1〜20%とすることが好ましい。
【0010】多糖類としては、好ましくは平均質量分子
量が1万〜1000万、より好ましくは30万〜700
万のセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース(塩)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、アルギン酸(塩)、キサンタンガム、アラビヤガ
ム、トラガントガム、カラヤガム、ゼラチンなどがあげ
られる。このうち、平均質量分子量が50万〜500万
のカルボキシメチルセルロース(塩)が好ましい。ま
た、多糖類の合計配合量は、本発明の組成物全体の1〜
30%、特に1〜20%とすることが好ましい。これら
の水溶性高分子化合物は、単独で使用することもできる
し2種類以上を併用することもできる。(II)成分の水
溶性高分子化合物の配合量は、本発明の組成物の全質量
を基準として、1〜60質量%であり、好ましくは1.
5〜40%、より好ましくは2〜30%質量%である。
水溶性高分子の配合量がこの範囲内にあると、本発明の
組成物を皮膚に適用したときに適度な温感を付与するこ
とができ、また、適度な粘度を有することにより皮膚上
に製剤を保持することができ、さらに、適度な軟らかさ
の製剤が得られるので好ましい。
【0011】本発明の組成物は、通常、(I)及び(I
I)の成分と水とから調製されるが、本発明の効果を損
なわない範囲で、通常用いられている各種添加剤を含有
することができる。具体的には、多価アルコール、一般
式(1)以外の温感付与剤、薬効成分、鎮痛作用、鎮静
作用を有する植物抽出物、界面活性剤、油性成分、pH
調整剤、無機粉体、紫外線吸収剤・散乱剤、保湿剤、ア
ルコール類、キレート剤、噴射剤、パラベン類等の防腐
剤、色素等があげられる。多価アルコールとしては、通
常外用剤に用いられるいずれのものでも使用し得、例え
ばグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,3−ブチレングリコール、マルチトー
ル、キシリトール等の1種又は2種以上を使用し得る。
なお、多価アルコールを添加する場合、その配合量は組
成物全体の50%以下とすることが望ましい。一般式
(1)で表される化合物以外の温感付与剤として、トウ
ガラシエキス、カプサイシン、ノニル酸バニリルアミ
ド、ニコチン酸ベンジル、ジンジャーエキス、サンショ
ウエキス、ペッパー等を使用できる。これらを1種単独
で、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0012】本発明の外用剤組成物において、これらの
温感付与剤の配合量は特に限定されないが、好ましくは
0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.0
1〜5質量%である。また、一般式(1)との比(質量
比)は、好ましくは、一般式(1)の化合物:一般式
(1)で表される化合物以外の温感付与剤=1:100
0〜1000:1である。薬効成分として、サリチル酸
(塩、誘導体)、インドメタシン、ケトプロフェン、フ
ルルビプロフェンなどの抗炎症剤、アミノ安息香酸エチ
ル、塩酸リドカイン、塩酸ジブカインなどの局所麻酔
剤、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ケトチ
フェンなどの抗アレルギー剤、フェルビナク等の鎮痛剤
などを使用することができる。本発明の外用剤組成物に
おいて、薬効成分の配合量は特に限定されないが、好ま
しくは0.01〜30質量%であり、より好ましくは
0.1〜20質量%である。
【0013】利尿、鎮痛、鎮静作用を有する成分とし
て、植物抽出物を使用することができる。このような植
物抽出物としては、植物から抽出される精油類又はエキ
ス類を挙げることができる。具体的には、利尿作用を有
する成分として、アニス、アンジェリカ、安息番、イモ
ーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバ
ナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウ
ッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッ
ド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セー
ジ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビ
ン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、バ
チュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッ
パー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモング
ラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、シモツ
ケソウ、ヤグルマギク、アーモンド、アザミ、アルニ
カ、イトスギ、ウイキョウ、エニシダ、エリカ、オオグ
ルマ、カラシ、カロコン、カンズイ、キクニガナ、ギョ
ウギシバ、キンセンカ、クサノオウ、クレソン、ゲン
カ、ゲンチアナ、サリランボ、シカゼンシ、シラカバ、
シダ、シツリシ、ショウノウ、ショウリク、ジンギョ
ウ、スモモ、セイヨウナシ、セイヨウヒメスノキ、タイ
ソウ、タクシャ、タンポポ、チモ、チャービル、チョレ
イ、テンモンドウ、トウガシ、ノイバラ、ノラニンジ
ン、ハゴロモグサ、ハッカ、トネリコ、ヒメオドリコソ
ウ、ヒメスイバ、ブクリョウ、ボリジ、マグワート、マ
ヨラナ、メリッサ、モクツウ、モモ、ヤドリギ、ユーカ
リ、ヨクイニン、ラベンダー、レンギョウ、ワサビダイ
コン等からの抽出物を挙げることができるが、これらの
中でも、特に、カモミール、セージ、パセリ、ローズマ
リー、シモツケギク、シモツセソウ、ヤグルマギク、ア
ニス、ローレル、アンジェリカ、フェンネル、ハッカ
(ペパーミント、レモンバーム)、ラベンダー、タイム
等からの抽出物が好適である。
【0014】また、鎮痛作用を有するものとして、アミ
リス、安息香、イモーテル、イランイラン、オレンジ、
カモミール、クラリセージ、サイプレス、サンダルウッ
ド、シダーウッド、ジャスミン、セロリ、タジェティー
ズ、タンジェリン、ディル、乳香、ネロリ、バイオレッ
ト、パセリ、パチュリー、バーベナ、バラ、ヒソップ、
ファー、プチグレン、ベチバー、ベルガモット、ボダイ
ジュ花、マージョラム、マンダリン、メリッサ、ラベン
ダー等からの抽出物を挙げることができる。これらのう
ち、マージョラム、メリッサ、シダーウッド、タンジェ
リンが好適である。さらに、鎮静作用を有するものとし
て、具体的には、例えばエレミ、オリガナム、カモミー
ル、カユプテ、ガーリック、ガルバナム、カンファー、
クミン、クローブ、コリアンダー、ジンジャー、スパイ
クラベンダー、ゼラニウム、テレビン、ナツメグ、ニア
ウリ、バジル、バーチ、ピメント、ブラックペッパー、
ペパーミント、ベルガモット、マージョラム、ユーカ
リ、ラバンジン、ラベンダー、ローズウッド、ローズマ
リー、ローレル等からの抽出物を挙げることができる。
これらのうち、ジンジャー、ユーカリ、ラベンダー、バ
ジルが好適である。これらは1種単独で又は2種以上を
適宜組み合わせて使用することができる。本発明の外用
剤組成物において、このような植物抽出物の配合量は特
に限定されないが、好ましくは0.0001〜10質量
%であり、より好ましくは0.0001〜5質量%であ
る。
【0015】界面活性剤としては、脂肪酸トリグリセラ
イド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、レシチン誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ニ
ッコールTO−10(ポリソルベート80)、ニッコー
ルBL−25(POE(25)ラウリルエーテル)、ニ
ッコールHCO−10(POE(10)硬化ヒマシ油、
いずれもニッコーケミカル(株)製)、グリチルリチン
酸塩があげられる。これらを単独で又は2種以上を適宜
組み合わせて使用することができる。油性成分として
は、流動パラフィン、ヒマシ油、スクワレン、スクワラ
ン、ホホバ油、シリコーン等があげられる。これらを単
独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することがで
きる。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、酒石酸
等があげられる。これらを単独で又は2種以上を適宜組
み合わせて使用することができる。無機粉体としては、
カオリン、スメクタイト、ベントナイト、マカタイト等
があげられる。これらを単独で又は2種以上を適宜組み
合わせて使用することができる。
【0016】キレート剤としては、エデト酸ナトリウ
ム、α−ジオキシム類、フェニレンジアミン類等があげ
られる。これらを単独で又は2種以上を適宜組み合わせ
て使用することができる。噴射剤としては、ジメチルエ
ーテル、フロンガス等があげられる。これらを単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
硬化剤としては、水酸化アルミニウム、合成ヒドロタル
サイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ジヒドロキシ
アルミニウムアミノアセテート等があげられる。これら
を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用すること
ができる。保湿剤としては、グリセリン、ソルビトー
ル、尿素、アミノ酸等があげられる。これらを単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
紫外線吸収剤・散乱剤としては、パラアミノ安息香酸、
ジイソプロピル桂皮酸メチル、サリチル酸−2−エチル
ヘキシル、酸化チタン、酸化亜鉛等があげられる。これ
らを単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。アルコール類としては、エタノール、セタ
ノール、フェノール等があげられる。これらを単独で又
は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0017】本発明の外用剤組成物は、軟膏、クリー
ム、ゲル、ローション、エアゾール剤、成形パップ剤、
テープ剤、パウダー、ヘアトニック、パック、シャンプ
ー等の医薬品や香粧品に配合して温感を付与する組成物
として使用されるが、特に本発明の組成物を支持体上に
展延してなるシート剤として使用するのが好ましい。シ
ート剤として使用する場合、支持体単位面積当たりの本
発明の組成物の質量は特に制限されないが、0.02〜
0.6g/cm2となるように展延するのが好ましい。
また、皮膚に適用したときにはがれたり、めくれたりす
ることなく、剥離時に痛みを生じることのない適度な粘
着力を有するのが好ましい。この粘着力は、粘着剤組成
物の各成分の種類、配合量により調整するが、特にマト
リックスとなる高分子化合物の種類により良好な粘着力
が得られる。高分子化合物としては、カルボキシル基を
有する水溶性高分子化合物(ポリアクリル酸系、カルボ
キシメチルセルロース等)が好ましい。このシート剤は
肩、腹部、顔等に温感を付与する製剤として使用される
ほか、足の疲れやむくみを解消するフットケア用シート
剤としても使用できる。
【0018】フットケア用シート剤として使用する場
合、長辺の長さが15cm以上であり、かつ短辺の長辺に対
する長さの比率が0.2〜0.7であることが好ましい。ここ
で、フットケア用シート剤等のシート剤にする場合、支
持体の形成材料としては、通常のシート剤の支持体に用
いられているものを使用することができ、このような材
料として、例えば厚織り、糸織り、ガーゼ、コール天、
ネル等の織布、平編み、ゴム編み、タック編み、二目編
み等の製法による編布、スパンレース、スパンボンド、
サーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ等の
製法による不織布などを挙げることができるが、これら
の中でも特に不織布が好適に使用される。不織布の素材
は、特に限定されないが、熱可塑性繊維を単独で使用す
るか、又は熱可塑性繊維と非熱可塑性繊維との混紡とす
ることが望ましい。熱可塑性繊維としては、例えばポリ
エステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタ
ン繊維等が挙げられ、非熱可塑性繊維としては、例えば
レーヨン、キュプラ、麻、絹等を挙げることができる。
なお、支持体の厚さは、特に制限されるものではない。
【0019】上記支持体の伸縮性については、特に制限
されるものではないが、本発明の目的の点から、例えば
上記伸縮性を下記に説明する50%伸張回復率によって
表した場合、短辺方向の回復率が30%以上、特に40
%以上であり、長辺方向の回復率が40%以上、特に5
0%以上であることが望ましい。50%伸張回復率が低
すぎると、例えばフットケア用シート剤を足の裏を中心
として足の甲に至るように貼付した際に、歩行時の足の
動きに追従できなくなったり、また、動きに対する追従
はできても支持体の戻りが十分ではなくなる場合があ
り、そのために皮膚からフットケア用シート剤が浮き上
がり易くなり、その結果、使用感の低下につながった
り、付与される温感の強さが低下したりするという事態
が生じる可能性がある。一方、支持体の伸縮性を下記に
説明する50%モジュラス値として表す場合、短辺方向
の50%モジュラス値が100〜10000g/50m
m、特に200〜5000g/50mmであって、長辺方
向の50%モジュラス値が10〜500g/50mm、特
に30〜300g/50mmであることが望ましい。各モ
ジュラス値が低すぎる場合、含水粘着剤の展延工程にお
ける適切な条件設定が困難となることがあり、一方、各
モジュラス値が高すぎる場合、例えばフットケア用シー
ト剤を足の裏を中心として貼付した際に、足の裏の動き
に対する追従性が低下するため、フットケア用シート剤
が周囲より浮き上がり易くなり、その結果使用感の低下
や付与される温感の強さが低下したりする事態が生じる
可能性がある。
【0020】ここで、上記50%伸張回復率及び50%
モジュラス値は以下のようにして測定される。即ち試長
150mm×幅50mmの試験片につき、拡張力試験機を用
いてつまみ間隔100mmで試長をつかみ、伸張速度20
0mm/分でつまみ間隔が100mmから150mmになるま
で引き伸ばし、そのときの応力(g)を記録する。更
に、同速度で元の位置まで戻したときの試長の長さB
(mm)、初期の長さA(mm)を読みとり、下記の式から算
出する。 50%伸張回復率(%)=100−{(B−A)/A}
×100 また、一方向における50%モジュラス値は以下のよう
にして測定される。すなわち、抗張力試験機を用いて、
50mm×100mmの試験片につき、引張速度200mm×
分で100mm片が150mmになるまで引き延ばしたとき
の応力を記録する。本発明の組成物をシート剤として使
用する場合、本発明の組成物を上記の支持体上に均一に
展延し、必要によりオレフィン系合成樹脂(ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレン等)、PET、ポリ
ウレタン、ナイロン、エチルセルロース、ポリエーテル
ブロックアミド共重合体等の剥離ライナーで展延面を覆
い、適当な大きさに裁断して製品とすることができる。
【発明の効果】本発明の外用剤組成物は、ポリアクリル
酸及び/又はポリアクリル酸塩を含有する外用剤基剤に
温感付与として一般式(1)で表される化合物を配合す
ることにより、外用剤として適度な温感の強さと接続性
を有し、刺激を生ずることがない、高い安全性を有する
外用剤組成物が得られる。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。 <実施例1〜7、比較例1,2>:湿布シート 表1の各成分を混合機内に入れてペースト状になるまで
充分に攪拌して水性粘着組成物を調製し、これをポリエ
ステル製の編布上に130g/m2になるように均一に塗
布し、ポリエチレンフィルムのフェイシングを施し、湿
布シートを製造した。各湿布シートを皮膚に貼り付けた
ときの温感の強さ及び持続性を専用パネラー10名を被験
者として下記の官能試験及び皮膚刺激性試験を行った。
結果を表1に併記する。なお、上記被験者の皮膚の痛み
及び発赤を観察したところ、異常は認められなかった。
【0022】<官能試験>実施例及び比較例の湿布シー
トを健常人20名の肩およびふくらはぎに付与し、湿布
シートの皮膚貼付時から0、5、1、2、3、4、5時
間後毎の温感を各パネラー毎に下記の評価基準に基づい
て官能評価した。 評価基準: 0:温感を感じない。 1:温感はあるが極めて弱い 2:弱い温感がある 3:温感がある 4:明らかに温感がある 5:強い温感がある 温感の強さは、各パネラーの評価点の最高点を平均した
値を指標とした。また、温感の持続性は、健常人20名
の肩およびふくらはぎに貼付し、湿布シートの皮膚貼付
時から温感を感じなくなった時間を平均し求めた値を指
標とした。
【0023】
【表1】 ニッコールTO−10;ニッコーケミカル製、ポリソル
ベート80 ニッコールBL−25;ニッコーケミカル製、POE
(25)ラウリルエーテル ニッコールHCO−10;ニッコーケミカル製、POE
(10)硬化ヒマシ油 なお、POEはポリオキシエチレンを表す。
【0024】 実施例8:ゲル剤 組成(g/100g) ポリアクリル酸(質量平均分子量150万) 3.0 濃グリセリン 1.0 エタノール 7.0 メチルパラベン 0.1 プロピルパラベン 0.02 バニリルブチルエーテル 1.0 ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル 0.6 水酸化ナトリウム 適量 精製水 残量 上記成分のうち、ポリオキシエチレン(21)ラウリル
エーテルを精製水に溶解後、エタノール中に濃グリセリ
ン、パラベン類、バニリルブチルエーテルを溶解したも
のを添加、混合し、水酸化ナトリウムでpHを4.0に調
整した。これにポリアクリル酸を溶解し、実施例の皮膚
外用剤として透明ゲル剤を得た。このゲル剤を皮膚に適
用すると、適度な温感が得られ、接続性も認められた。
また、皮膚刺激は認められなかった。
【0025】 実施例9:ローション剤 組成(g/100g) ポリオキシエチレン(10)ノニル フェニルエーテル(ニッコールNP−10) 1.0 グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5 エタノール 20.0 1,3−ブチレングリコール 3.0 ポリアクリル酸(質量平均分子量30万) 1.0 バニリルブチルエーテル 1.0 水酸化ナトリウム 適量 精製水 残量 上記成分のうち、ポリオキシエチレン(10)ノニルフ
ェニルエーテル、グリチルリチン酸モノアンモニウム及
びポリアクリル酸を精製水に溶解した後、エタノール中
にバニリルブチルエーテルを溶解したものを混合、溶解
し、水酸化ナトリウムで製剤のpHを5.0に調製し、実施
例の皮膚外用剤として透明ローション剤を得た。このロ
ーション剤を皮膚に適用すると、適度な温感が得られ、
持続性も認められた。また、皮膚刺激も認められなかっ
た。
【0026】 実施例10:軟膏 組成(g/100g) ステアリン酸ポリエチレングリコール400 20.0 マクロゴール4000 30.0 マクロゴール400 30.0 パルミチン酸ソルビタン 1.0 ポリアクリル酸(質量平均分子量50万) 1.0 バニリルブチルエーテル 0.5 精製水 残量 上記成分のうち、マクロゴール400およびマクロゴー
ル4000を65°Cに加温して溶解した後、攪拌しな
がらパルミチン酸ソルビタン、バニリルブチルエーテル
を混合する。これに、ポリアクリル酸を精製水に溶解し
たものを加え、実施例の外用剤として軟膏を得た。この
軟膏剤を皮膚に適用すると、適度な温感が得られ、持続
性も認められた。また、皮膚刺激は認められなかった。
【0027】 実施例11:クリーム 組成(g/100g) 流動パラフィン 10.0 脂肪酸トリグリセライド(炭素数18) 3.0 トリステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO) 3.0 グリセリン 6.0 ポリアクリル酸(質量平均分子量50万) 1.0 1,3−ブチレングリコール 3.0 バニリルブチルエーテル 1.0 精製水 残量 上記成分を混合し、クリームを調製した。このクリーム
を皮膚に適用すると適度な温感が得られ持続性も認めら
れた。また、皮膚刺激は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 数野 哲 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA71 BB31 CC18 DD08 DD28 DD30 DD38 DD39 DD44 DD49 DD52 EE09 EE16 EE23 EE32 EE42 EE53 EE58 4C206 AA01 CA27 MA02 MA05 MA83 ZA89 ZC71

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分を含有することを特徴とする外
    用剤組成物; (I)一般式(1)で表される化合物、及び(II)水溶
    性高分子化合物 1質量%〜60質量%。 【化1】 (式中、Rは水素、炭素数1〜6のアルキル基又はアル
    ケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、又はフェ
    ニル基を表し;nは1〜4の整数を表し;R’は炭素数
    1〜12のアルキル基又はアルケニル基、炭素数3〜6
    のシクロアルキル基、又はフェニル基を表す。)
  2. 【請求項2】 下記成分を含有することを特徴とする外
    用剤組成物; (I)R’が炭素数1〜12のアルキル基である一般式
    (1−1)で表される化合物、及び(II)水溶性高分子
    化合物 1質量%〜60質量%。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の外用剤組成物を有
    することを特徴とするシート剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062570A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Nippon Shokubai Co Ltd 水溶性重合体含水ゲルの乾燥方法及び水溶性重合体
JP5966231B1 (ja) * 2015-12-14 2016-08-10 有限会社アント アミノ酸配合顔用皮膚外用剤

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