JP2002020176A - 流し込み施工用耐火物 - Google Patents

流し込み施工用耐火物

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JP2002020176A
JP2002020176A JP2000195251A JP2000195251A JP2002020176A JP 2002020176 A JP2002020176 A JP 2002020176A JP 2000195251 A JP2000195251 A JP 2000195251A JP 2000195251 A JP2000195251 A JP 2000195251A JP 2002020176 A JP2002020176 A JP 2002020176A
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潔 後藤
Hisashi Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離損傷と前記亀裂の発生を防止して十分な
耐用性が得られる流し込み材を提供。 【解決手段】 マグネシア系原料2〜23質量%、揮発
シリカ0.05〜3質量%、アルミナ系原料75〜97
質量%を含む耐火骨材組成100質量%に塩基性乳酸ア
ルミニウムを外掛け0.01〜2質量%添加すると共
に、前記耐火骨材組成100質量%に占める割合におい
て、前記マグネシア系原料のうち0.01〜3質量%を
ヨード吸着量20ヨードmg/g以上で且つ平均粒径1
μm以下の軽焼マグネシア微粉とし、さらに前記アルミ
ナ系原料のうち3〜15質量%を平均粒径1.5μm以
下のアルミナ超微粉とした流し込み材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナ−マグネ
シア質の流し込み施工用耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶鋼取鍋、タンデッシュ、真空脱ガス炉
等の溶鋼容器あるいは溶鋼処理装置の耐火物として使用
する流し込み施工用耐火物(以下「流し込み材」と称す
る。)として、例えば特開平11−130550号公報
等にアルミナ−マグネシア質が提案されている。
【0003】この材質は、アルミナ、マグネシアが持つ
耐食性と、アルミナとマグネシアの反応により生成され
るMgO・Al系スピネル(以下「スピネル」と
称する。)による耐スラグ浸透性によって、優れた耐用
性を発揮する。
【0004】しかし、近年の溶鋼容器および溶鋼処理装
置の使用条件は、溶鋼温度の上昇・滞湯時間の延長・ガ
ス吹き込み撹拌等によって苛酷化の一途をたどり、アル
ミナ−マグネシア質といえどもその寿命は決して十分な
ものではない。そこで、さらに耐用性に優れた流し込み
材が強く求められている。
【0005】特開平11−130550号公報にその改
善策として、結合剤に塩基性乳酸アルミニウムを添加し
たアルミナ−マグネシア質流し込み材が提案されてい
る。ここでは結合剤に乳酸アルミニウムを使用し、Ca
O源であるアルミナセメントおよびSiO源のシリカ
を除くことで、耐溶損性の改善と焼結抑制による耐熱ス
ポーリング性向上の効果を得ている。また、特開平10
−194853号公報にも、湿式吹付け施工用材質とし
て結合剤に塩基性乳酸アルミニウムを添加し、CaO源
であるアルミナセメントを除いたアルミナ−マグネシア
質流し込み材が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしアルミナ−マグ
ネシア質の場合、アルミナセメントおよびシリカを除く
と低融点物質の生成が少なくなることでアルミナとマグ
ネシアとによるスピネル生成反応が遅く、その分、スピ
ネル生成反応時の急激な膨張から膨張応力による内部亀
裂あるいは剥離損傷が生じる問題がある。
【0007】また、アルミナセメントおよびシリカを除
くと低融点物質の生成が抑制され、耐火物使用中にスラ
グとの接触境界に低融点物質層の形成が少なくなるため
か、スラグ浸透による構造的スポーリング抑制の防止の
効果に劣る。その結果、構造的スポーリングによる剥離
損傷と前記亀裂とによって十分な耐用性が得られない。
【0008】特開平10−194853号公報のように
施工が吹付けで行われる場合は、施工体組織が比較的多
孔質なため、アルミナとマグネシアの粒子間接触面積が
小さいことでスピネル生成反応が緩慢でしかも多孔質組
織が膨張吸収作用を持つことにより、アルミナセメント
およびシリカを除くことによる焼結抑制によって耐熱ス
ポーリング性が得られる。
【0009】これに対し、中子等の型枠を使用する流し
込み施工は、施工体組織が緻密であり、セメントを除い
ただけの材質では急激な膨張が避けられず、複雑な形状
を持つ実際の溶鋼容器あるいは溶鋼処理装置に対する内
張りにおいては、膨張応力による内部亀裂あるいは剥離
損傷が生じる。
【0010】また、アルミナセメントあるいはシリカを
除き、結合剤として塩基性乳酸アルミニウムを使用した
場合、養生時に発生する収縮亀裂を抑制できないため
か、施工体に欠陥を生じる。この亀裂は耐火物使用中
に、スラグや溶鋼の内部組織への侵入を容易にするた
め、構造的スポーリング抑制の防止の効果に劣る。その
結果、構造的スポーリングによる剥離損傷と前記亀裂と
によって十分な耐用性が得られない。
【0011】本発明は、型枠を使用して施工されるアル
ミナ−マグネシア質流し込み材において、剥離損傷と前
記亀裂の発生を防止して十分な耐用性が得られる流し込
み材を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の流し込み材は、
マグネシア系原料2〜23質量%、揮発シリカ0.05
〜3質量%、アルミナ系原料75〜97質量%を含む耐
火骨材組成100質量%に塩基性乳酸アルミニウムを外
掛け0.01〜2質量%添加すると共に、前記耐火骨材
組成100質量%に占める割合において、前記マグネシ
ア系原料のうち0.01〜3質量%をヨード吸着量20
ヨードmg/g以上で且つ平均粒径1μm以下の軽焼マ
グネシア微粉とし、さらに前記アルミナ系原料のうち3
〜15質量%を平均粒径1.5μm以下のアルミナ超微
粉としたことを特徴とする。
【0013】本発明では耐食性および耐熱スポーリング
性の向上を目的として、CaO源となるアルミナセメン
トを使用しないか、またはアルミナセメント量を低く押
さえる。また、揮発シリカの添加によって耐火物組織に
高温下での軟化性を付与し、スピネル生成時の膨張を吸
収緩和させる。
【0014】塩基性質乳酸アルミニウムは、施工水との
反応によるゲル化で養生中の流し込み材を硬化させる結
合剤としての役割の他に、そのゲル化に伴う膨張収縮で
施工体組織に微細亀裂を形成させる。この微細亀裂は、
施工体の乾燥・加熱時に組織内に残存することでクッシ
ョン材的な役目をし、スピネル生成に伴う施工体組織の
膨張を吸収する。
【0015】スピネル生成反応は1200℃程度から開
始する。揮発シリカによる膨張吸収作用は、1350℃
を超える高温域に限られるが、塩基性質乳酸アルミニウ
ムによる膨張吸収の効果は低温域での膨張吸収の効果を
持つことで、スピネル生成反応の開始温度である120
0℃を含む温度域全体を通して膨張吸収の効果をもつ。
【0016】本発明ではさらに特定の軽焼マグネシアお
よびアルミナ超微粉を併用する。これにより、本発明が
目的とする容積安定性および耐食性の効果を得ることが
できる。その理由は以下のとおりと考えられる。
【0017】塩基性乳酸アルミニウムのゲル化反応によ
る微細亀裂は、前記したように施工体の膨張吸収に効果
があるが、同時に養生収縮による亀裂が生じる。この養
生収縮の亀裂は、前記ゲル化反応による微細亀裂に比べ
て亀裂幅がはるかに大きく、耐食性低下の原因となる。
【0018】これに対し本発明は軽焼マグネシアを組み
合わせることで、混練時に軽焼マグネシアから溶出した
Mgにゲル化した塩基性乳酸アルミニウムが吸着し、塩
基性乳酸アルミニウム単独使用に見られた急激なゲル化
反応が抑制されることで、養生時の収縮亀裂が防止され
る。
【0019】また、本発明では軽焼マグネシアと塩基性
乳酸アルミニウムとの反応で養生時にマグネシアとアル
ミナが既に結合した養生形態にあり、これらが比較的低
温域でスピネル化する。ここで生成されるスピネルは粒
径がきわめて微細である。このことが、前記養生時の収
縮亀裂の防止とも相俟って耐食性および容積安定性の向
上に大きく貢献する。
【0020】本発明によるこれらの効果は、軽焼マグネ
シアの中でもヨード吸着量20ヨードmg/g以上で且
つ平均粒径1μm以下の軽焼マグネシア微粉を使用する
ことではじめて発揮される。塩基性乳酸アルミニウムと
の反応性のためか、軽焼マグネシアはヨード吸着量、平
均粒径のいずれかがこの範囲から外れても本発明が目指
す効果は得られない。
【0021】本発明では、平均粒径1.5μm以下のア
ルミナ超微粉を組み合わせる。これは施工体組織のマト
リックス部の充填性を高めることで、粒子間の余分な空
隙をなくし、塩基性乳酸アルミニウムのゲル化に伴う収
縮亀裂を防止する本発明の効果をより確実なものとす
る。
【0022】本発明で使用するマグネシア系原料の一部
または全部を、化学分析値でMgO含有量35質量%以
上の炭酸マグネシウム原料としてもよい。炭酸マグネシ
ウム原料は600℃付近からの分解(MgCO→Mg
O+CO)によって施工体組織中に微細空隙を生成す
る。そしてこの微細空隙は、スピネル生成時の膨張を吸
収緩和することに加え、施工体使用時における表層部の
過焼結を防止し、構造的スポーリングに対しても優れた
効果を発揮する。また、スピネル生成時に起因する残存
膨張を緩和する効果もある。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明で使用するマグネシア系原
料は、焼結品、電融品のいずれでもよい。MgO純度は
90質量%以上、さらに好ましくは95質量%である。
耐火骨材に占める割合は、2質量%未満では耐食性に劣
り、23質量%を超えるとマグネシア自身の熱膨張性に
よって耐スポーリング性が低下する。
【0024】このマグネシア系原料の一部又は全部を、
化学分析値でMgO含有量35質量%以上の炭酸マグネ
シウム原料としてもよい。炭酸マグネシウム原料を使用
することで施工体組織の耐スポーリング性はさらに向上
する。また、耐食性の面から炭酸マグネシウム原料の割
合は、マグネシア質原料全体の70質量%以下がより好
ましい。
【0025】マグネシア質原料の粒度は、後述のアルミ
ナ質原料と同様、流し込み材施工時の流動性あるいは施
工体の充填性等を考慮し粗粒、中粒、微粒に調整する。
【0026】本発明ではマグネシア系原料の一部にヨー
ド吸着量20ヨードmg/g以上、さらに好ましくは3
0〜200ヨードmg/gの軽焼マグネシア微粉を使用
する。また、この軽焼マグネシア微粉の平均粒径は、1
μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下とする。
【0027】軽焼マグネシア微粉のヨード吸着量が20
ヨードmg/g未満では塩基性乳酸アルミニウムとの反
応に劣るためか、養生時の収縮亀裂の防止に効果がな
い。軽焼マグネシア微粉は、平均粒径が1μmを超える
とヨード吸着量が20ヨードmg/g以上であっても塩
基性乳酸アルミニウムとの反応が遅いためか同様に養生
時の収縮亀裂の防止効果がない。また、軽焼マグネシア
微粉のこのヨード吸着量が200ヨードmg/gを超え
ると水和反応しやすくなって耐火物組織の耐消化性が低
下する傾向にあり好ましくない。
【0028】ここでのヨード吸着量の測定はマグネシア
微粉の表面性状の測定法であるJIS−K6338に準
じて行うことができる。平均粒径の測定はレーザー回析
法で行うことができる。また、後述するアルミナ超微粉
の粒径測定もレーザー回析法で測定できる。
【0029】軽焼マグネシアは、耐火骨材組成100質
量%に占める割合で0.01質量%未満では養生収縮を
防止する効果がない。3質量%を超えると流し込み材が
混練時に粘性が高くなり、施工時の流動性の低下で緻密
な施工体が得られ難い。
【0030】軽焼マグネシア微粉は、水酸化マグネシウ
ムを比較的低温域で焼成処理して得られるもので、製造
過程における粒径調整、焼成温度等の操作でヨード吸着
量が異なる。ヨード吸着量、粒度について種々の品質が
市販されており、本発明で使用する軽焼マグネシア微粉
もこの市販品から求めることができる。また、本発明で
限定したヨード吸着量および粒度の軽焼マグネシア微粉
を本発明で限定した範囲の量で使用しておれば、他のヨ
ード吸着量および粒度の軽焼マグネシア微粉を組み合わ
せて使用してもよい。
【0031】炭酸マグネシウムは、天然のマグネサイ
ト、合成炭酸マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム
(塩基性炭酸マグネシウム)等が使用でき、MgO含有
量は35質量%以上、粒径は1mm以下が望ましい。
【0032】アルミナ質原料は耐食性と容積安定性とを
兼ね備えた耐火原料である。電融品、焼結品を問わな
い。微粉部分での使用は微粉として入手しやすい仮焼ア
ルミナでもよい。Al純度は95質量%以上のも
のが好ましい。
【0033】アルミナ質原料の割合は75質量%未満で
は耐スポーリング性に劣る。97質量%を超えるとその
分、マグネシア質原料の割合が少なくなって耐スラグ浸
透性が低下する。
【0034】アルミナ質原料のうち耐火骨材組成100
質量%に占める割合で、3〜15質量%を平均粒径1.
5μm以下のアルミナ超微粉を使用する。このアルミナ
超微粉の割合が3質量%未満では施工体の収縮亀裂防止
の効果に劣り、15質量%を超えるとスピネル反応過多
となるためか耐スポーリング性の低下を招く。
【0035】前記のアルミナ超微粉は、市販品から入手
しやすいという点で仮焼アルミナの使用が好ましい。仮
焼アルミナは種々の粒度のものが知られている。本発明
では平均粒径11.5μm以下のアルミナ超微粉を3〜
15質量%使用している以上、他の粒径のアルミナ超微
粉を組み合わせてもよい。また、平均粒径1.5μm以
下範囲で、粒径が異なるアルミナ超微粉を複数組み合わ
せてもよい。
【0036】揮発シリカは、例えばシリコンまたは珪素
合金製造の際の副産物として得られれ、シリカフラワー
またはマイクロシリカ等の商品名で市販されている。平
均粒径1μm以下の超微粒子であり、スピネル生成時の
膨張を吸収緩和する効果を持つ。その割合は3質量%以
下とする。3質量%を超えると低融点物質を生成が多く
なり耐食性を低下させる。最も好ましい範囲は0.05
〜1.5質量%である。
【0037】耐火骨材は以上の組成を必須とするが、必
要によってはさらにスピネル、炭化珪素、クロム鉱、炭
素等を組み合わせてもよい。スピネルは比較的多く配合
してもよいが、本発明におけるアルミナとマグネシアと
の反応によるスピネル生成を阻害させないためにも、耐
火骨材組成に占める割合で20質量%以下が好ましい。
【0038】塩基性乳酸アルミニウムは、例えば水溶性
アルミニウムと炭酸または炭酸塩等と乳酸を反応させて
製造される。Al/乳酸がモル比で0.3〜2の
ものが好ましいが、これに限定されるものではなく、グ
リコール酸、クエン酸を含有した乳酸アルミニウムでも
よい。
【0039】塩基性乳酸アルミニウムの添加割合は、耐
火骨材組成100質量%に対する外掛けで0.05質量
%未満では膨張吸収の効果がなく、2質量%を超えると
耐食性が低下する。また、その添加は予め水で解いた状
態で行ってもよい。
【0040】本発明では結合剤としてのアルミナセメン
トを原則として使用しないが、使用条件が比較的過酷で
ない場合は、耐火骨材組成100質量%に対して1質量
%以下の範囲で添加してもよい。1質量%以下の範囲で
は施工体の膨張に伴う迫り出しを耐食性を低下させるこ
となく防止する効果がある。1質量%を超えると耐食性
低下の原因となる。
【0041】結合剤として例えば水硬性アルミナ微粉を
添加してもよい。水硬性アルミナ微粉はアルミナセメン
トと違って耐食性低下の原因とならず、しかも施工体の
膨張に伴う迫り出しを防止する効果がある。
【0042】その他、流し込み材の添加物として知られ
ている解こう剤、耐火粗大粒子、硬化調整剤、金属短繊
維(例えばステンレス鋼ファイバー)、有機繊維、ガラ
ス粉、炭素粉、ピッチ粉、セラミックファイバー、発泡
剤等を添加してもよい。
【0043】特に解こう剤の添加は施工時の流動性付与
として必要である。具体例としては、例えばトリポリリ
ン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリ
ン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソー
ダ、クエン酸ソーダ、カルボキシル基含有ポリエーテル
系分散剤、酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スル
ホン酸ソーダ等がある。その添加割合は、耐火骨材10
0質量%に対する外掛けで0.01〜0.5質量%が好
ましい。
【0044】耐火粗大粒子は、耐火物組織内に発生した
亀裂の発達を寸断することで剥離損傷防止の効果があ
る。具体例としてはアルミナ質、スピネル質、ムライト
質、マグネシア質等である。またアルミナ質あるいはス
ピネル質を主材としたれんが屑、耐火物使用後品等でも
よい。
【0045】耐火粗大粒子の粒径は、耐火骨材の最大粒
径との兼ね合いもあるが、10〜50mmが好ましい。
また、その割合は耐火骨材100質量%に対する外掛け
で35質量%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜3
0質量%である。35質量%を超えると粒度構成のバラ
ンスの悪さから施工体の強度に劣り、耐食性の低下を招
く。
【0046】本発明の流し込み材の施工は、常法どお
り、以上の配合組成物全体に外掛け4〜8質量%程度を
もって施工水を添加し、中子等の型枠を使用して流し込
み施工される。また、流し込み時には振動の付与で充填
率を向上させる。
【0047】
【実施例】以下に本発明実施例とその比較例を示す。各
例は表1及び表2に示す流し込み材組成に施工水分を外
掛け6.5質量%添加・混練し、型枠に流し込み施工
し、養生後、110℃×24時間で乾燥後して試験片を
得た。試験方法は、以下のとおりである。
【0048】なお、各例におけるアルミナ超微粉は、昭
和電工(株)製の仮焼アルミナでを使用した。揮発シリ
カはエルケム(株)製のシリカフラワーを使用した。ま
た、塩基性乳酸アルミニウムは多木化学(株)製であ
る。
【0049】耐食性;質量比で鋼片:転炉スラグ(Fe
O含有量;20質量%)=50:50を侵食剤とし、1
700℃×5時間の回転侵食試験を行い、溶損寸法を測
定した。
【0050】耐スラグ浸透性;前記の条件で回転侵食試
験を行った後、スラグ浸透寸法を測定した。
【0051】耐スポーリング性;質量比で鋼片:転炉ス
ラグ(FeO含有量;20質量%)=50:50を侵食
剤とし、回転侵食試験装置を用いて1700℃×30分
加熱後、30分空冷し、これを6回くり返し、亀裂発生
の状況を観察した。◎…亀裂なし、〇…微亀裂、△…小
亀裂、×…大亀裂。
【0052】実機試験;270トン溶鋼取鍋に中子を用
いて流し込み施工し、養生後、使用前に約1000℃で
加熱乾燥後、使用した。溶損速度(mm/チャージ)お
よび使用後の構造的スポーリングの程度を確認した。
【0053】
【表1】
【表2】 本発明による実施例は、いずれもアルミナ−マグネシア
質流し込み材がもつ耐食性、耐スラグ浸透性の効果がい
かんなく発揮され、耐食性および耐スポーリング性に優
れた効果を発揮する。この効果は実機試験の耐用性にお
いて確認される。
【0054】実施例6〜8はマグネシア系原料の一部ま
たは全部を炭酸マグネシウム(MgO:47質量%)を
使用した例であって、特に耐構造的スポーリング性に優
れることで、耐用性が一段と向上している。また、試験
データとして表には示していないが、本発明実施例にお
いてアルミナセメントを1質量%以下の範囲で添加した
ものは、急熱乾燥によっても施工体は迫り出しが無く、
施工能率に優れている。
【0055】これに対し塩基性乳酸アルミニウムを添加
しない比較例1、揮発シリカを添加しない比較例2は膨
張緩和による亀裂、剥離抑制の効果が不十分のため耐ス
ポーリング性、耐スラグ浸透性共にに劣る。アルミナセ
メントの添加量が多い比較例3と揮発シリカの添加量が
多い比較例4は、低融点物質の生成過多のためか、耐食
性に劣る。
【0056】塩基性乳酸アルミニウムの添加量が多すぎ
る比較例5は、養生収縮亀裂が著しいことで耐食性およ
び耐スラグ浸透性に劣る。マグネシア質原料の割合が多
い比較例6は、膨張による組織破壊・亀裂の発生によ
り、耐スポーリング性、耐スラグ浸透性共に劣る。マグ
ネシア質原料の割合が少ない比較例7は、アルミナ−マ
グネシア質流し込材がもつ耐食性、耐スラグ浸透性の効
果が発揮されない。
【0057】軽焼マグネシア微粉を添加していない比較
例8、アルミナ超微粉を添加しない比較例9、ヨード吸
着量が本発明で限定した範囲より少ない軽焼マグネシア
微粉を使用した比較例10、軽焼マグネシア微粉の平均
粒子径が大きい比較例11は、いずれも養生収縮亀裂に
より、耐食性に劣る。比較例12はアルミナ超微粉の割
合が多く、耐スポーリング性に劣る。
【0058】実施例3の配合組成をベースとし、軽焼マ
グネシア粉のヨード吸着量のみ変化させ、軽焼マグネシ
ア粉のヨード吸着量に対する耐食性および耐スラグ浸透
性の関係を試験し、その結果をグラフ化したのが図1で
ある。
【0059】耐食性はヨード吸着量20mg/gの軽焼
マグネシア粉を使用した場合の溶損寸法、スラグ浸透寸
法のそれぞれを100とした指数で示し、数値が小さい
ほど耐食性、耐スラグ浸透性に優れる。同グラフの結果
からも、本発明で限定したヨード吸着量の軽焼マグネシ
ア粉の使用が耐食性、耐スラグ浸透性に優れていること
が確認される。
【0060】実機試験は溶鋼取鍋の内張りにおいて行な
ったが、本発明の流し込み材はこれに限らず、タンデッ
シュ、真空脱ガス炉、転炉、電気炉等の溶鋼容器、溶鋼
処理容器の内張りにも使用することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明のアルミナ−マグネシア質流し込
み材は、近年の溶鋼容器および溶鋼処理装置おける過酷
な使用条件においても優れた耐用性を発揮することがで
きる。その結果、溶鋼容器あるいは溶鋼処理装置の稼働
率向上、内張り耐火物の原単位の低下、内張り耐火物の
補修回数の低減など、この効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミナ−マグネシア質流し込み材において軽
焼マグネシア粉のヨード吸着量に対する耐食性および耐
スラグ浸透性の関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒部 利弘 北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播 磨株式会社第二製造事業部八幡不定形工場 内 (72)発明者 後藤 潔 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 中村 壽志 東海市東海町5−3 新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 4G033 AA02 AA03 AA06 AA24 AB01 AB02 AB21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシア系原料2〜23質量%、揮発
    シリカ0.05〜3質量%、アルミナ系原料75〜97
    質量%を含む耐火骨材組成100質量%に塩基性乳酸ア
    ルミニウムを外掛け0.01〜2質量%添加すると共
    に、前記耐火骨材組成100質量%に占める割合におい
    て、前記マグネシア系原料のうち0.01〜3質量%を
    ヨード吸着量20ヨードmg/g以上で且つ平均粒径1
    μm以下の軽焼マグネシア微粉とし、さらに前記アルミ
    ナ系原料のうち3〜15質量%を平均粒径1.5μm以
    下のアルミナ超微粉とした流し込み施工用耐火物。
  2. 【請求項2】 マグネシア系原料の一部または全部を化
    学分析値でMgO含有量35質量%以上の炭酸マグネシ
    ウム原料とした請求項1記載の流し込み施工用耐火物。
  3. 【請求項3】 アルミナセメントを添加しない請求項1
    または2記載の流し込み施工用耐火物。
  4. 【請求項4】 耐火骨材組成100質量%に対し、アル
    ミナセメントを外掛け1質量%以下添加した請求項1、
    2または3記載の流し込み施工用耐火物。
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