JP2002019570A - 車両の衝突判定方法及び衝突判定装置 - Google Patents

車両の衝突判定方法及び衝突判定装置

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JP2002019570A JP2000203948A JP2000203948A JP2002019570A JP 2002019570 A JP2002019570 A JP 2002019570A JP 2000203948 A JP2000203948 A JP 2000203948A JP 2000203948 A JP2000203948 A JP 2000203948A JP 2002019570 A JP2002019570 A JP 2002019570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員の乗車形態や衝突形態に応じて、適切な
エアバッグの展開を行うことができる衝突判定方法を提
供する。 【解決手段】 車両に加わる加速度を検出し、この加速
度を演算処理して得られる結果を予め設定された閾値と
比較して衝突判定を行い、エアバッグを展開させるかど
うかを決定する車両の衝突判定方法において、検出され
た前記加速度を、複数の演算処理部で同時に演算処理
し、衝突形態又は乗員の乗車形態に応じて複数の閾値を
予め準備し、衝突時の前記乗員の乗車形態に応じて前記
複数の閾値の中から所定の閾値を選択し、選択された前
記閾値と前記演算処理部の演算結果とを比較し、この比
較結果に基づいて前記エアバッグの展開指令を出力する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に衝撃が作用
した際に、乗員の安全を確保するためのエアバッグを展
開させるかどうかの判断の基準となる車両の衝突判定方
法及び衝突判定装置に関し、特に、衝撃が作用した際
に、衝突の形態や乗員の乗車の形態等の種々の条件に基
づいてエアバッグを適切に展開させることができ、か
つ、ある条件の中速衝突でエアバッグが展開しないよう
に閾値を高く設定した場合であっても、高速正面衝突、
高速斜め衝突及び高速オフセット衝突等の衝突等におい
て遅れなくエアバッグを展開させることのできる車両の
衝突判定方法及び衝突判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前方エアバッグなどの乗員拘束シ
ステムを動作させるかどうかを判断するための車両の衝
突判定装置においては、車室内の中央に設置した加速度
計で車両に作用する加速度を計測し、エアバッグを展開
するかどうかを独自のアルゴリズムによって判断するよ
うにしている。前記加速度からは車両が衝突の際に失う
純粋な速度変化量が計測できる。
【0003】ところで、前記衝突判定は、衝突初期にお
けるまだ加速度が十分に発生しない時期での早期判定が
要求される。すなわち、エアバッグを展開させる必要の
ない軽衝突時に十分に加速度が発生している時間域との
識別、あるいは短時間にある程度の速度変化量が発生す
る縁石乗り上げや悪路走行との識別等が要求されてい
る。
【0004】このような要求に応えるために、例えば、
本出願人が先に提案した特開平8−40183号「衝突
判定装置」では、車両衝突時に発生する速度変化量から
一定時間区間の速度変化量の大小をもって衝突判定した
り、さらに該速度変化量をさらに微分した加速度グラジ
ェント量(加速度変化勾配)の大小や、加速度の特定の
周波数帯域を抽出して絶対値をとった衝撃力の大小をも
って衝突判定したり、衝突時の単純な速度変化量だけで
は掴めないような車両のフロント部位の構造物が複雑に
壊れて圧縮することで起こる速度変化量推移の変化度合
いを捕らえて、エアバッグ等の乗員拘束システムの作動
可否を決定する方法が提案されている。
【0005】また、近年では、乗員の安全確保の向上等
のために、適切なエアバッグの展開形態が求められるよ
うになってきている。すなわち、シートベルトを着用し
ているかどうかなどの乗員の乗車形態や衝突時の速度、
衝突の形態などによって、エアバッグを展開するかどう
かをより細かく判断したり、展開の速度を変える等、適
切に展開させることが求められるようになってきてい
る。
【0006】しかしながら、従来の車両の衝突判定装置
は、エアバッグなどの乗員拘束システムの作動が必要な
車両衝突の特徴を、各種物理量の組み合わせがある時間
帯で同時に閾値を超えることをもって捕捉しており、し
かも各演算量ごとに最初から一定不変の値に固定したも
のでしかなかった。このため、衝突に対するエアバッグ
の展開が画一的で、より乗員の保護に適切な形態でエア
バッグを展開させるといった試みがなされるまでには至
っていなかった。本発明は、上記の問題点にかんがみて
なされたもので、例えばシートベルトの着用や非着用と
いった乗員の乗車形態や衝突の形態に応じて、適切なエ
アバッグの展開形態を選択することができるようにする
とともに、判断しなければならない前記乗車態勢や衝突
の形態等のファクタが増えても、これらの判断を迅速に
行って、高速正面衝突、高速斜め衝突及び高速オフセッ
ト衝突といった高速での衝突の際にエアバッグの展開遅
れが生じない衝突判定方法及び衝突判定装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、車両に加わる加速度を検
出し、この加速度を演算処理して得られる結果を予め設
定された閾値と比較して衝突判定を行い、エアバッグを
展開させるかどうかを決定する車両の衝突判定方法にお
いて、検出された前記加速度を、複数の演算処理部で同
時に演算処理し、衝突形態又は乗員の乗車形態に応じて
複数の閾値を予め準備し、衝突時の前記乗員の乗車形態
に応じて前記複数の閾値の中から所定の閾値を選択し、
選択された前記閾値と前記演算処理部の演算結果とを比
較し、この比較結果に基づいて前記エアバッグの展開指
令を出力する方法としている。この方法によれば、各種
物理量の閾値の判断基準を可変にすることによって、種
々の条件に応じて衝突判定をすることができるようにな
る。この閾値と比較するための加速度の演算処理を同時
に行っているので、これらの判断を迅速に行って、高速
正面衝突、高速斜め衝突及び高速オフセット衝突といっ
た高速での衝突の際にもエアバッグの展開遅れが生じな
いようにすることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記演算処理の
結果及び前記閾値との比較結果に基づいて、前記エアバ
ッグを段階的に展開させる方法としてある。この方法に
よれば、高速衝突や低速衝突などの衝突の形態やシート
ベルトを着用しているか否かといった乗員の乗車形態等
に応じて、多様なエアバッグの展開を行うことができ、
乗員の安全を確保する上で最も適したエアバッグの展開
を行うことが可能になる。また、例えば、シートベルト
だけで乗員の安全を十分に確保することができるような
衝突の場合には、エアバッグの展開を制限することがで
きる。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記閾値を、シ
ートベルト着用と非着用とで複数準備し、前記演算処理
が、少なくとも、前記加速度から加速度グラジエント量
及び速度変化量を求めるものを含む方法としてある。こ
の方法によれば、シートベルトを着用しているかどうか
及び衝突時の速度が低速か、中速か、高速かによって、
エアバッグを展開するかどうか、どのような形態でエア
バッグを展開させるかを決定することが可能になる。例
えば、シートベルトを着用していれば乗員の安全を十分
に確保することができる程度の速度で走行している場合
には、エアバッグを展開しないように設定することが可
能である。
【0010】請求項4に記載の発明は、衝突初期の加速
度変動量に顕著に現れる高周波数の帯域成分と低周波数
の帯域成分とを抽出し、抽出された前記低周波数の帯域
成分に基づいて閾値を決定し、この閾値を前記高周波数
の帯域成分とを比較し、この比較結果に基づいて、前記
エアバッグを展開させるようにする方法である。この場
合、請求項5に記載するように、前記加速度グラジェン
ト量、前記速度変化量及び前記加速度変動量が、各々に
ついて設定された所定の閾値を超えたときに、前記エア
バッグを展開させるようにするのが好ましい。この方法
によれば、例えば、シートベルトを装着しているといっ
た条件の中速衝突ではエアバッグが展開しないように閾
値を高く設定したことによって、高速正面衝突、高速斜
め衝突及び高速オフセット衝突等の衝突等において衝突
判定に時間がかかり、そのためにエアバッグの展開に遅
れが生じるおそれがあるような場合に、衝突の初期の加
速度変動量の中に顕著に現れる周波数の帯域成分から衝
突の際の衝撃を演算によって求め、これによってエアバ
ッグを展開させることで、上記のような不都合を回避す
ることができる。
【0011】請求項6に記載の発明は、前記加速度グラ
ジェント量から低速、中速及び高速時の衝突判定を行う
ほかに、予め設定された時間内における前記速度変化量
に基づいて前記低速、中速及び高速時の衝突判定をさら
に行う方法としてある。この方法によれば、例えばきわ
めて短い時間に大きな速度変化が生じた場合に、エアバ
ッグを展開させるように設定することができ、特に高速
時におけるエアバッグ展開を保証することができる。
【0012】請求項7に記載の発明は、車両に加わる加
速度を検出し、この加速度を演算処理して得られる結果
を予め設定された閾値と比較して衝突判定を行い、エア
バッグを展開させるかどうかを決定する車両の衝突判定
装置において、前記加速度から加速度勾配量を演算する
加速度グラジェント量演算部と、予め設定された時間内
における速度の変化量を演算する一つ又は複数の第1速
度変化量演算部と、前記加速度グラジェント量演算部に
よって演算された加速度グラジェント量が入力され、シ
ートベルトを着用しているか否かによって異なる閾値が
設定されるとともに、この閾値と前記加速度グラジェン
ト量とを比較する第1比較部と、前記第1速度変化量演
算部によって演算された速度変化量が入力され、シート
ベルトを着用しているか否かによって異なる閾値が設定
されるとともに、この閾値と前記速度変化量とを比較す
る第2比較部と、この前記第1比較部の比較結果と前記
第2比較部の比較結果とから、エアバッグを展開させる
か否かを判断する第1判断部とを有する構成としてあ
る。この構成によれば、加速度グラジェント量演算部で
演算された加速度グラジェント量及び第1速度変化量演
算部で演算された速度量によって衝突の形態が判断され
る。そして、第1比較部及び第2比較部を経ることで衝
突判定がなされ、この判定結果にもとづいて、エアバッ
グを展開させるかどうか等が決定される。
【0013】請求項8に記載の発明のように、前記エア
バッグを複数段に展開可能にし、前記第1比較部の比較
結果と前記第2比較部の比較結果との組み合わせによっ
て、前記エアバッグの展開の形態を決定するように構成
することも可能である。この構成によれば、衝突の形態
や乗員の乗車形態等の条件に応じて、エアバッグの展開
形態を種々に変更することが可能になり、これら条件に
応じた適切なエアバッグの展開を行うことが可能にな
る。
【0014】請求項9に記載の発明は、衝突初期の加速
度変動量の中に顕著に現れる高周波数の周波数成分を前
記加速度中から抽出する高周波数成分抽出部及び低周波
数の周波数成分を抽出する低周波数成分抽出部と、前記
低周波数成分抽出部から抽出された周波数成分に基づい
て予め決定された複数の閾値の中から所定の閾値を選択
する閾値選択部と、この閾値選択部によって選択された
閾値と前記高周波数成分抽出部から抽出された高周波数
とを比較する第3比較部と、この第3比較部の比較結果
に基づいてエアバッグを展開させるかどうかを判断する
第2判断部とを有する構成としてある。この場合、請求
項10に記載の発明のように、前記第2判断部は、前記
加速度グラジェント量、前記速度変化量及び前記加速度
変動量が、各々に対して設定された所定の閾値を超えた
か否かによって、エアバッグを展開させるかどうかを判
断するように構成するとよい。この構成によれば、例え
ば、シートベルトを装着しているといった条件の中速衝
突ではエアバッグが展開しないように閾値を高く設定し
たような場合においても、衝突のきわめて初期に衝突判
定を行うことができるようになるので、閾値が高いこと
による判断遅れを回避し、高速正面衝突、高速斜め衝突
及び高速オフセット衝突等おいても時間遅れなくエアバ
ッグを展開させることが可能になる。
【0015】請求項11に記載の発明は、予め決定され
た時間内での速度の変化量を演算する第2速度変化量演
算部と、この第2速度変化量演算部によって求められた
速度変化量が入力され、シートベルトを着用しているか
否かによって異なる閾値が設定されるとともに、この閾
値と前記速度変化量とを比較し、エアバッグを展開させ
るかどうかを判断する第4比較部とを有する構成として
ある。この構成によれば、例えばきわめて短い時間に大
きな速度変化が生じた場合に、エアバッグを展開させる
ように設定することができ、特に高速時におけるエアバ
ッグ展開を保証することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図1
ないし図9を参照して説明する。図1及び図2は、本発
明の車両の衝突判定装置の一実施形態にかかるブロック
図で、図2(a)は図1のブロック図に連続するブロッ
ク図、図2(b)は図2(a)の閾値選択部の詳細図で
ある。図1のブロック図と図2(a)のブロック図と
は、それぞれ、接続部X1〜X5で連続する。図3は図
1の車両判定装置が識別する衝突モードの判定表例,図
4は加速度変動量の検知を、二変数特徴空間による識別
分布例によって示す図、図5〜図10は加速度変動量の
時間軸に対する分布を示すグラフで、それぞれ高速正面
衝突(56km/h),高速斜め衝突(48km/h,
30°),中速正面衝突Hi(32km/h),中速正
面衝突Lo(24km/h),低速正面衝突(14km
/h),悪路走行の場合を示している。
【0017】図1及び図2に示すように、車両の衝突判
定装置1は、加速度信号を検出する加速度センサ2と、
この加速度センサ2から出力された加速度信号をアンチ
エリアシング用のローパスフィルタ3を介して受け取
り、A/D変換を行うAD変換器4と、このAD変換器
4で離散値加速度データG(k)に変換された前記加速
度信号を処理するディジタル信号処理部1aと、ディジ
タル信号処理部1aの判定結果に基づいて、多段インフ
レータのスクイブの1段目を点火するか、1段目と2段
目の両方を点火するかを決める出力部1bとを有してい
る。この実施形態では、前記多段インフレータにより、
二段階にエアバッグを展開することができるようになっ
ている。
【0018】加速度センサ2としては、ピエゾ抵抗式の
半導体加速度センサや容量式半導体加速度センサあるい
は圧電素子を用いた加速度センサなど任意方式のセンサ
を用いることができる。ローパスフィルタ3は、AD変
換器4による折り返し歪みの影響を排除するためのもの
で、加速度センサ2と別体に設けてもよいし、加速度セ
ンサ2に内蔵させてもよい。
【0019】ディジタル信号処理部1aに取り込まれた
加速度データG(k)は、ディジタル信号処理部1aに
設けられた後述する複数(この実施形態では3つ)のブ
ロック1,2,3の各演算処理ブロックに送られ、各ブ
ロック1,2,3で衝突の形態が識別される。ディジタ
ル信号処理部1aは、各ブロック1,2,3から出力さ
れた識別結果から衝突の判定を行い、この衝突判定に基
づいて出力部1bの論理和回路31,32が、どのよう
な形態でエアバッグを展開させるかを決定する。
【0020】ディジタル信号処理部1aによって行われ
る衝突判定と、エアバッグ展開の形態を、図3の表に示
す。例えば、衝突判定が、時速14km以下の「低速正
面衝突」や「悪路走行」である場合には、シートベルト
をしているかどうかに関わらず、エアバッグは展開させ
ない。「中速正面衝突Lo」の場合には、シートベルト
を装着していればエアバッグは展開させないが、シート
ベルトを装着していない場合は、多段インフレータの一
段目のみを動作させてエアバッグを展開させる。「高速
オフセット衝突」、「高速斜め衝突」及び「高速正面衝
突」では、乗員がシートベルトをしているかどうかに関
わらず、エアバッグを2段階で展開させる。
【0021】次に、各ブロック1,2,3の構成及び各
ブロック1,2,3がどのようにして衝突判定を行うか
について説明する。 [ブロック1]ブロック1は、加速度グラジェント(勾
配)量GR1(k)を演算する第1加速度グラジェント
量演算部である加速度グラジェント量演算部a5と、中
区間における速度の変化量を求める中区間速度変化量演
算部6と、長区間における速度の変化量を求める長区間
速度変化量演算部7と、加速度グラジェント量演算器a
5から出力された信号が入力され、乗員がシートベルト
を装着しているかの状態信号で変化する閾値を有する比
較部12及び13と、中区間速度変化量演算部6から出
力された信号が入力され、乗員がシートベルトを装着し
ているかの状態信号で変化する閾値を有する比較部14
と、長区間速度変化量演算部7から出力された信号が入
力され、乗員がシートベルトを装着しているかの状態信
号で変化する閾値を有する比較部15と、比較部12,
13からの出力を一定時間保持するワンショットタイマ
ー16,17と、ワンショットタイマー16,17から
出力された信号が入力される論理積回路18,19と、
比較部14及び15から出力された信号が入力される論
理和回路20とから概略構成される。なお、中区間速度
変化量演算部6、長区間速度変化量演算部7、比較部1
4.15及び論理和回路20は、次に説明するブロック
2と共通である。
【0022】[加速度グラジェント量演算部a5]加速
度グラジェント量演算部a5では、加速度グラジェント
量GR1(k)が演算される。加速度グラジェント量演
算部a5は、移動平均器5aと微分器5bとを有してい
て、加速度データG(k)を移動平均器5aでスムージ
ングした後、微分器5bで処理して加速度グラジェント
量GR1(k)を求めている。この加速度グラジェント
量GR1(k)に基づいて衝突判定が行われる。このよ
うにして求められた加速度グラジェント量GR1(k)
は、出力部1bの1段目の論理和回路31に対応して設
けられた比較部12及び2段目の論理和回路32に対応
して設けられた比較部13に送られる。
【0023】比較部12の閾値は、乗員がシートベルト
を着用していない時のLow閾値と、着用している時の
Mid閾値の間で変化する。また、比較部13の閾値
は、乗員がシートベルトを着用していない時のMid閾
値と、着用している時のHigh閾値との間で変化す
る。そして、比較部13,14で、Low,Mid及び
Highの3段階の閾値と加速度グラジェント量GR1
(k)の演算結果とを比較し、その結果をそれぞれワン
ショットタイマー16,17に入力し、一定時間保持し
た出力が、出力部1bの論理和回路31,32に出力す
る信号を選択する論理積回路18及び第2選択部である
論理積回路19に入力される。
【0024】ここで、前記3段階の閾値の基準は、Lo
wが低速正面衝突(例えば14km/h)を非判定(O
FF)にする閾値、Midが中速正面衝突Lo(例えば
24km/h)を非判定(OFF)にする閾値、Hig
hが中速正面衝突Hi(例えば32km/h)を非判定
(OFF)にする閾値となるようにする。なお、加速度
グラジェント量演算部a5の移動平均器5aは、一定区
間の積分を行う積分器としてもよい。また、微分器5b
は、例えばシンプソンの微分式を用いるのが好ましい
が、単純な前,後方差分はもちろん任意の微分系アルゴ
リズムで代用することもできる。
【0025】[中区間速度変化量演算部6]中区間速度
変化量演算部6で演算される中区間速度変化量MV
(k)は、加速度データG(k)を区間積分器1で一定
時間区間、例えば16msの区間で逐次加算して得ら
れ、比較部14に送られる。比較部14の閾値は、この
実施形態では固定値であり、高速正面衝突を短時間(例
えば15〜20ms位)で判定でき且つ悪路走行などを
判定(ON)しない閾値を設定する。
【0026】[長区間速度変化量演算部7]長区間速度
変化量演算部7で演算される長区間速度変化量LV
(k)は、加速度データG(k)を区間積分器2で一定
時間区間、例えば44msの区間で逐次加算して得ら
れ、比較部15に送られる。比較部15の閾値は、この
実施形態では可変値であり、乗員のシートベルト非着用
時にはLow閾値で、着用時にはHigh閾値となるよ
うにする。ここで、この2段階の閾値は、高速斜め衝突
と高速オフセット衝突を判定(最終判定時間、例えば3
0〜40ms位)でき且つ悪路走行などを判定(ON)
しない閾値を設定する。このように、閾値を2段階にす
るのは、前記最終判定時間が、一般的には、シートベル
ト非着用時の方が着用時よりも速くなるからである。
【0027】なお、展開の状況に対する衝突速度及び形
態との関係は、乗員のシートベルト着用状態によっても
変化する。この場合は、ディジタル信号処理1aにシー
トベルト着用/非着用信号を取り込み、判定する閾値を
変更する。上記閾値及び以下に説明する閾値の設定は、
ディジタル信号処理部1aのマイクロコンピュータによ
ってソフトウェア的に行うことができる。したがって、
閾値の種類及び値はこの明細書中に説明されているもの
に限らず、適宜に設定を変更することが可能である。
【0028】[論理和回路20]比較部14,15の出
力は、これらの出力結果に基づいて所定の出力を行う第
1選択部としての論理和回路20に入力される。論理和
回路20の出力は、中区間速度変化量演算部6又は長区
間速度変化量演算部7の出力結果のいずれか一方が、各
比較部14,15の何れかの閾値を越えたときに、アク
ティブとなる。論理和回路20の出力は、論理積回路1
8,19の各々に入力される。
【0029】[論理積回路18,19]論理積回路18
は、ワンショットタイマ−16の出力と論理和回路20
の出力がともにアクティブになったときにアクティブに
なり、論理積回路19は、ワンショットタイマ−17の
出力と論理和回路20の出力がともにアクティブになっ
たときにアクティブになる。論理積回路18,19のい
ずれか一方がアクティブになると、これに対応する論理
和回路31又は論理和回路32が独立してアクティブ
(点火)となる。
【0030】[論理和回路31及び論理和回路32]論
理和回路31及び論理和回路32の出力信号は、既に説
明したように、各々、多段インフレータのスクイブの1
段目と2段目の点火信号に対応している。このように、
エアバッグを多段インフレータにより段階的に展開させ
ることで、例えば、高速衝突のような激しい衝突では、
1段目と2段目を点火し、ハードなエアバッグ展開を制
御することができる。また、逆に、中速衝突のようなゆ
るやかな衝突では、1段目のみを点火し、ソフトなエア
バッグ展開を制御することができる。
【0031】[ブロック2]上記したように、ブロック
1では、加速度グラジェント量と速度変化量の両方が所
定の閾値を越えたときに、点火するかどうかの判定を行
っていて、高,中,低速の正面衝突の識別に有効であ
る。
【0032】しかしながら、高速斜め衝突や高速オフセ
ット衝突では、シートベルト非着用時の低い閾値(低速
正面衝突14km/hがOFFの設定)では判定できる
が、シートベルト着用時の高い閾値(中速正面衝突Lo
24km/hがOFFの設定)だと判定時間が大幅に遅
れてしまうので、次のブロック2で判定時間を改善して
いる。すなわち、ブロック2では、加速度グラジェント
量と速度変化量に加え、加速度変動量の3つが閾値を越
えた時に衝突判定をするように構成されていて、衝突初
期に車両の局部的潰れにより生じる加速度変動から、高
速斜め衝突と高速オフセット衝突を判定遅れなく識別す
るようにしている。
【0033】ブロック2は、第2加速度グラジェント量
演算部である加速度グラジェント量演算部b10と、こ
の加速度グラジェント量演算部b10で演算された加速
度グラジェント量が入力され、乗員がシートベルトを装
着しているかどうかの状態で変化する閾値を有する比較
部27と、この比較部27の出力を一定時間保持するワ
ンショットタイマー28と、加速度変動量演算部33
と、この加速度変動量演算部33の出力を一定時間保持
するワンショットタイマー25と、ワンショットタイマ
ー25,28の出力及びブロック1とで共有している論
理和回路20からの出力の3つの出力が入力される論理
積回路26で構成される。
【0034】[加速度変動量演算部33]加速度変動量
演算部33は、加速度データG(k)の高周波数成分H
Fを演算する高周波数成分演算部8と、加速度データG
(k)の低周波数成分LFを演算する低周波数成分演算
部9と、低周波数成分LFの値により高周波数成分HF
の判定閾値を設ける判断領域とを有している。
【0035】図5〜図10に加速度変動量の時間軸に対
する分布をグラフで示す。図5は高速正面衝突(56k
m/h)の場合を,図6は高速斜め衝突(48km/
h,30°)の場合を,図7は中速正面衝突Hi(32
km/h)の場合を,図8は中速正面衝突Lo(24k
m/h)の場合を,図9は低速正面衝突(14km/
h)の場合を,図10は悪路走行の場合を示している。
これらグラフから、各衝突形態によって、加速度変動量
の中の高周波数成分HFと低周波数成分LFの分布が異
なることがわかる。そこで、加速度変動量の中から高周
波数成分HFと低周波成分LFを抽出し、これらの分布
形態を調べることで、衝突のきわめて初期に、衝突の形
態を判断することができるようになる。
【0036】[高周波数成分演算部8]高周波数成分演
算部8は、加速度データG(k)の高周波数成分を抽出
するハイパスフィルタ8aと、このハイパスフィルタ8
aの出力を絶対値演算する絶対値回路(abs)8b
と、この絶対値回路8bの出力を一定時間の区間累積す
る区間積分器3から概略構成される。ここで、例えばハ
イパスフィルタ8aのカットオフ周波数は100Hzな
どが選ばれるが、DC付近の低周波数を含まない領域で
車両の特性に合わせ柔軟に設定できるものである。ま
た、ハイパスフィルタ8aとしては、例えば前方もしく
は後方差分などの各種微分系演算アルゴリズムでも代用
できる。絶対値回路(abs)8bは、前記ハイパスフ
ィルタ8a後の出力を次の区間積分器8cで一定時間幅
の含有量として取り込むためである。
【0037】[低周波数成分演算部9]低周波数成分演
算部9は、加速度データG(k)の低周波数成分を抽出
するローパスフィルタ9aと、このローパスフィルタ9
aの出力を絶対値演算する絶対値回路(abs)9b
と、前記絶対値回路9bの出力を一定時間区間累積する
区間積分器9cから概略構成される。ここで、例えばロ
ーパスフィルタ9aのカットオフ周波数は50Hzなど
が選ばれるが、DC付近を含む領域で車両の特性に合わ
せて柔軟に設定できるものである。
【0038】次の絶対値回路(abs)9bを使用しな
い場合は、他の区間積分同様、判定したい減速方向の低
周波数成分にのみ着目することができる。また、単純に
区間積分器9cのみで低周波数成分を抽出しても良く、
この場合は減速方向の速度変化量となる。
【0039】判断領域は、例えば以下のような手順で設
定される。まず、低周波数成分LFを、閾値を選択する
ための閾値選択部22に入力する。閾値選択部22で
は、条件分岐部22aで低周波数成分LFを分析し、低
周波数成分LFが予め設定された閾値ThLFより小さ
いか大きいかを判断する。低周波数成分LFが閾値Th
LFより小さい、すなわちLF<ThLFであると判断
したときは、高周波数成分HFを判定する閾値としてT
hHF1を選択する。
【0040】低周波数成分LFが閾値ThLFより大き
いとき、すなわち、LF≧ThLFのときは、α・LF
+ThHF2を選択する。閾値ThLF、ThHF1、
ThHF2は、実車の衝突実験によるデータ(波形)で
設定される。ここで、αは定数で、閾値直線の傾きを示
す。符号Sで区分けされた領域が判断領域である。上記
手順によって選択された閾値は、比較部21に取り込ま
れ、高周波数成分HFを判定する閾値となる。なお、判
断領域の設定は上記手順に限られるものでなく、例え
ば、低周波数成分LFの大きさごとに段階的に閾値Th
LFを変化させて形成される階段状の領域によって判断
領域を形成するようにしてもよい。
【0041】図4は、前記ロジックを2変数特徴空間で
示した図である。高速正面衝突と高速斜め衝突及び高速
オフセット衝突の演算値は、判定領域(ON領域)に分
布するが、中速正面衝突Hi,中速正面衝突Lo,低速
正面衝突では判定領域には分布しない(OFF領域にと
どまる)。図5〜図10のグラフに示すように、ワンシ
ョットタイマー25は、高速正面衝突と高速斜め衝突の
みで出力されており、高速正面衝突と高速斜め衝突のみ
を判定する(ONする)ことがわかる。従って、ブロッ
ク2での識別性能は、中速正面衝突Hi以下の正面衝突
に影響されることなく閾値を設定することができ、斜め
衝突やオフセット衝突の判定に合わせた設定が可能とな
る。
【0042】加速度グラジェント量演算部b10で演算
される加速度グラジェント量GR2(k)は、加速度デ
ータG(k)を移動平均器10aでスムージングした後
で微分器10bで処理され、比較部27に送られる。こ
の比較部27の閾値は、乗員のシートベルト非着用時の
Low閾値と、着用時のHigh閾値との間で可変であ
る。ここで、前記2段階の閾値の基準は、高速斜め衝突
と高速オフセット衝突の最終判定時間内に判定(ON)
し、低速正面衝突が非判定(OFF)できる値に設定さ
れるが、前記最終判定時間は一般的にシートベルト非着
用時の方が着用時よりも速くなるので、Low閾値とH
igh閾値の2段階とするものである。比較部27の出
力は、ワンショットタイマー28に入力され、一定時間
保持した出力が前記論理積回路26に入力される。
【0043】また、移動平均器5aは一定区間の積分で
も代用できるし、微分器5bは、例えばシンプソンの微
分定理を用いるのが好ましい。微分器5bは、単純な
前,後方差分はもちろん任意の微分系アルゴリズムを代
用することもできる。前記論理積回路26の出力は、該
論理和回路31,32にそれぞれ接続され、前記論理積
回路26の出力がアクティブになったときにそれぞれ1
段目31と2段目32がアクティブ(点火)となる。
【0044】[ブロック3]この実施形態では、ブロッ
ク1の衝突判定を補完して識別性能を向上させるため
に、ブロック3を設けている。このブロック3は、短区
間の速度変化量が閾値を越えた時に衝突判定を行い、ブ
ロック1と同様に高,中,低速の正面衝突の識別を行う
ものである。ブロック3は、第2速度変化量演算部であ
る短区間速度変化量演算部11と、乗員がシートベルト
を装着しているかどうかの状態信号によって変化する閾
値を有する比較部29,30から概略構成される。短区
間速度変化量演算部11で演算される短区間速度変化量
SV(k)は、加速度データG(k)を区間積分器5で
一定時間の区間、例えば10msの区間で逐次加算され
る。比較部29の閾値は、乗員のシートベルト非着用時
にはLow閾値とし、着用時にはMid閾値となるよう
変化する。比較部30の閾値は、乗員のシートベルト非
着用時にはMid閾値とし、着用時にはHigh閾値と
なるよう変化する。
【0045】このように、3段階の閾値にて前記短区間
速度変化量演算部11の演算結果を1段目と2段目に割
り振り判定している。ここで、前記3段階の閾値の基準
は、悪路走行などが判定しない閾値で且つ、Lowが低
速正面衝突(例えば14km/h)を非判定(OFF)
にする閾値、Midが中速正面衝突Lo(例えば24k
m/h)を非判定(OFF)にする閾値、Highが中
速正面衝突Hi(例えば32km/h)を非判定(OF
F)にする閾値となるようにする。比較部29,30の
出力は、次の論理和回路31,32にそれぞれ入力され
る。
【0046】本発明の好適な実施形態を説明したが、本
発明は上記の実施形態により何ら限定されるものではな
い。例えば、上記の実施形態では、説明の便宜のため
に、共通の出力部から、運転席又は助手席のエアバッグ
スクイブの1段目と2段目の点火信号が出力されるよう
にしているが、例えば、運転席と助手席の両方のエアバ
ッグの各々について、独立してシートベルト着用/非着
用の信号を受信して制御するように構成してもよい。こ
の場合は、各演算部は共有とし、各演算部より後の比較
部等及びエアバッグを展開させるための出力部を各エア
バッグ毎に設けるとよい。また、上記の実施形態では、
速度変化量演算部は、短区間、中区間及び長区間の3つ
の時間間隔における速度変化量を演算するものとして説
明したが、このほかに更に細かい区間で速度変化量を演
算するように構成してもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、衝突形
態や乗員の乗車形態等の条件に応じて、最適なエアバッ
グの展開を行うことができる。また、シートベルトの着
用のみで乗員の安全を十分に確保できるような軽衝突の
場合には、エアバッグを展開しないようにすることがで
きる。さらに、エアバッグの展開形態を複数段にするこ
とで、例えば、激しい衝突の際にはエアバッグをハード
に展開させ、比較的緩やかな衝突の際にはソフトな展開
をさせることができるようになる。これらにより、乗員
の安全性を向上させることができるとともに、エアバッ
グ展開に伴う修理コスト低減を図ることができる。ま
た、上記したような多数の条件に基づいて衝突判定を行
ったり、高い閾値を設定した際にも、高速正面衝突、高
速斜め衝突及び高速オフセット衝突等の判定を短時間で
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の衝突判定装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図2】図1のブロック図に連続する車両の衝突判定装
置のブロック図である。
【図3】図1及び図2の車両判定装置が識別する衝突モ
ードの判定例を示す表である。
【図4】加速度変動量の検知を、2変数特徴空間による
識別分布例で示したグラフである。
【図5】加速度変動量の時間軸に対する分布を示すグラ
フで、高速正面衝突(56km/h)の場合を示してい
る。
【図6】加速度変動量の時間軸に対する分布を示すグラ
フで、高速斜め衝突(48km/h,30°)の場合を
示している。
【図7】加速度変動量の時間軸に対する分布を示すグラ
フで、中速正面衝突Hi(32km/h)の場合を示し
ている。
【図8】加速度変動量の時間軸に対する分布を示すグラ
フで、中速正面衝突Lo(24km/h)の場合を示し
ている。
【図9】加速度変動量の時間軸に対する分布を示すグラ
フで、低速正面衝突(14km/h)の場合を示してい
る。
【図10】加速度変動量の時間軸に対する分布を示すグ
ラフで、悪路走行の場合を示している。
【符号の説明】
1a ディジタル信号処理部 1b 出力部 2 加速度センサ 5 第1加速度グラジェント量演算部 6 中区間速度変化量演算部(第1速度変化量演算部) 7 長区間速度変化量演算部(第1速度変化量演算部) 8 高周波数成分演算部 9 低周波数成分演算部 10 第2加速度グラジェント量演算部 11 短区間速度変化量演算部(第2速度変化量演算
部) 12,13 比較部(第1比較部) 14,15 比較部(第2比較部) 21 比較部(第3比較部) 29,30 比較部(第4比較部) 18,19 論理和回路(第1判断部) 26 論理和回路(第2判断部) 31,32 論理和回路
フロントページの続き (72)発明者 齋藤 知巳 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 3D054 EE13 EE14 EE15 EE19 EE22 EE31 EE36 EE60 FF16 FF18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に加わる加速度を検出し、この加速
    度を演算処理して得られる結果を予め設定された閾値と
    比較して衝突判定を行い、エアバッグを展開させるかど
    うかを決定する車両の衝突判定方法において、 検出された前記加速度を、複数の演算処理部で同時に演
    算処理し、 衝突形態又は乗員の乗車形態に応じて複数の閾値を予め
    準備し、 衝突の時の前記乗員の乗車形態に応じて前記複数の閾値
    の中から所定の閾値を選択し、 選択された前記閾値と前記演算処理部の演算結果とを比
    較し、 この比較結果に基づいて前記エアバッグの展開指令を出
    力することを特徴とする車両の衝突判定方法。
  2. 【請求項2】 前記比較結果に基づいて、前記エアバッ
    グの展開を段階的に行うことを特徴とする請求項1に記
    載の車両の衝突判定方法。
  3. 【請求項3】 前記閾値を、シートベルト着用と非着用
    とで複数準備し、前記演算処理が、少なくとも、前記加
    速度から加速度グラジエント量及び速度変化量を求める
    ものを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車
    両の衝突判定方法。
  4. 【請求項4】 衝突初期の加速度変動量の中に顕著に現
    れる高周波数の帯域成分と低周波数の帯域成分とを抽出
    し、抽出された前記低周波数の帯域成分に基づいて閾値
    を決定し、この閾値を前記高周波数の帯域成分とを比較
    し、この比較結果に基づいて、前記エアバッグを展開さ
    せるようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の車両の衝突判定方法。
  5. 【請求項5】 前記加速度グラジェント量、前記速度変
    化量及び前記加速度変動量が、各々について設定された
    所定の閾値を超えたときに、前記エアバッグを展開させ
    るようにすることを特徴とする請求項4に記載の車両の
    衝突判定方法。
  6. 【請求項6】 前記加速度グラジェント量から低速、中
    速及び高速時の衝突判定を行うほかに、予め設定された
    時間内における前記速度変化量に基づいて前記低速、中
    速及び高速時の衝突判定をさらに行うことを特徴とする
    請求項2に記載の車両の衝突判定方法。
  7. 【請求項7】 車両に加わる加速度を検出し、この加速
    度を演算処理して得られる結果を予め設定された閾値と
    比較して衝突判定を行い、エアバッグを展開させるかど
    うかを決定する車両の衝突判定装置において、 前記加速度から加速度勾配量を演算する加速度グラジェ
    ント量演算部と、 予め設定された時間内における速度の変化量を同時に演
    算する一つ又は複数の第1速度変化量演算部と、 前記加速度グラジェント量演算部によって演算された加
    速度グラジェント量が入力され、シートベルトを着用し
    ているか否かによって異なる閾値が設定されるととも
    に、この閾値と前記加速度グラジェント量とを比較する
    第1比較部と、 前記第1速度変化量演算部によって演算された速度変化
    量が入力され、シートベルトを着用しているか否かによ
    って異なる閾値が設定されるとともに、この閾値と前記
    速度変化量とを比較する第2比較部と、 この前記第1比較部の比較結果と前記第2比較部の比較
    結果とから、エアバッグを展開させるか否かを判断する
    第1判断部とを有すること、 を特徴とする車両の衝突判定装置。
  8. 【請求項8】 前記エアバッグを複数段に展開可能に
    し、前記第1比較部の比較結果と前記第2比較部の比較
    結果との組み合わせによって、前記エアバッグの展開の
    形態を決定するようにしたことを特徴とする請求項7に
    記載の車両の衝突判定装置。
  9. 【請求項9】 衝突の際に顕著に現れる高周波数の周波
    数成分を前記加速度中から抽出する高周波数成分抽出部
    及び低周波数の周波数成分を抽出する低周波数成分抽出
    部と、前記低周波数成分抽出部から抽出された周波数成
    分に基づいて予め決定された複数の閾値の中から所定の
    閾値を選択する閾値選択部と、この閾値選択部によって
    選択された閾値と前記高周波数成分抽出部から抽出され
    た高周波数とを比較する第3比較部と、この第3比較部
    の比較結果に基づいてエアバッグを展開させるかどうか
    を判断する第2判断部とを有することを特徴とする請求
    項7又は8に記載の車両の衝突判定装置。
  10. 【請求項10】 前記第2判断部は、前記加速度グラジ
    ェント量、前記速度変化量及び前記加速度変動量が、各
    々に対して設定された所定の閾値を超えたか否かによっ
    て、エアバッグを展開させるかどうかを判断することを
    特徴とする請求項9に記載の車両の衝突判定装置。
  11. 【請求項11】 予め決定された時間内での速度の変化
    量を演算する第2速度変化量演算部と、この第2速度変
    化量演算部によって求められた速度変化量が入力され、
    シートベルトを着用しているか否かによって異なる閾値
    が設定されるとともに、この閾値と前記速度変化量とを
    比較し、エアバッグを展開させるかどうかを判断する第
    4比較部とを有することを特徴とする請求項7〜10の
    いずれかに記載の車両の衝突判定装置。
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