JP2002019503A - 子供用安全シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補強を必要としない、子供用シートを提供す
る。 【解決手段】 側壁（１４、１６）は、車輛用シートベ
ルトのラップ部分（２４）を受け入れるためのベルトガ
イド開口部（２０）をシート部分（１２）と背もたれ
（１８）との間の接合部と隣接して有する。夫々のアク
セススロット（２２）が各ベルトガイド開口部（２０）
から対応する側壁（１４、１６）の縁部まで延びてい
る。ショルダーストラップ（３０、３２）を含むハーネ
スが背もたれ（１８）に固定されている。シート本体
（１０、６０、７０、９０）は、背もたれ（１８）をシ
ート部分（１２）に向かって曲げる方向に力が背もたれ
（１８）に加わったとき、各アクセススロット（２２）
の側壁が互いに衝合するように変形するようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、子供用安全シート
であって、シート部分、背もたれ、及び垂直方向に延び
る側壁を持つシート本体を備え、側壁は、少なくともシ
ート部分と背もたれとの間の接合部の領域で、背もたれ
の側縁部から前方に及びシート部分の側縁部から上方に
突出しており、側壁は、車輛用シートベルトのラップ部
分を受け入れるためのベルトガイド開口部をシート部分
と背もたれとの間の接合部と隣接して有し、これによっ
て子供用シートを車輛の座席上の所定位置に固定でき、
また、背もたれに固定されたショルダーストラップを含
むハーネス（すなわち、乗員保持用の帯、換言すれば安
全ベルト）を備えている種類の、子供用安全シートに関
する。

【０００２】

【従来の技術】この種の子供用シートは、米国特許第
３，９９２，０５６号に開示されている。ラップベルト
を受け入れるための開口部は、ベルトを通さなければな
らない閉じた開口部の形態をしている。設置を容易にす
るため、このような開口部の代わりに側方に開放した凹
所を使用することが提案されてきた。しかしながら、こ
のようなシートが事故に遭遇すると、子供用ハーネスの
ショルダーストラップにより荷重が背もたれに加わる。
これは、背もたれをシート部分に対して前方に曲げる傾
向がある。このような凹所は、前記曲げ力が集中する弱
め点を構成する。従って、シート本体のこの領域を補強
する必要があり、かくしてその重量が全体として増大す
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような補強を必要としない、冒頭に記載した種類の子供
用シートを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上文中
に説明した種類の子供用シートにおいて、夫々のアクセ
ススロットが各ベルトガイド開口部から対応する側壁の
縁部まで延びており、シート本体は、背もたれをシート
部分に向かって曲げる方向に力が背もたれに加わったと
き、各アクセススロットの側壁が互いに衝合又は当接す
るように変形するようになっている、ことを特徴とす
る。

【０００５】次に、本発明の実施例を添付図面を参照し
て例として説明する。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１及び図２を参照すると、子供
用安全シートは、シート部分１２、側壁１４及び１６、
及び背もたれ１８を持つシート本体１０を備えている。
各側壁１４、１６は、開口部２０から対応する側壁１
４、１６の縁部までほぼ垂直方向に延びるスロット２２
を持つ細長い開口部２０の形態のベルトガイドを、シー
ト部分１２と背もたれ１８との間の接合部に有する。二
点式車両シートベルトを使用してシート１０を車輛の座
席に固定しようとする場合には、ラップベルト２４をス
ロット２２を通して開口部２０内に下方に通し、バック
ル２８を止める。シート本体１０の子供の乗員は、ラッ
プベルト２４の上に座る。

【０００７】図３は、バックル２８によって固定された
ラップストラップ２４及び斜めに伸びる又は斜行のショ
ルダーストラップ２６を持つ三点式車両シートベルトに
よって固定された図１及び図２のシート本体１０を示
す。子供の乗員はラップストラップ２４の上に座り、シ
ョルダーベルトを子供の背中とせもたれ１８との間に置
く。

【０００８】図４及び図５で最もよくわかるように、子
供用シート１０には、背もたれ１８に固定されたショル
ダーストラップ３０及び３２と、シート部分１２に固定
されたラップストラップ３４及び３６と、シート部分１
２に固定された股部ストラップ３８とを含むハーネスが
設けられている。通常、各ショルダーストラップ３０、
３２は、対応するラップストラップ３４、３６と一部品
（ワンピース）で形成される。子供用ハーネスは、バッ
クル４０によって固定される。

【０００９】図６を参照すると、突然の減速により子供
の乗員のトルソ（胴部）又は上肢が背もたれ１８から遠
ざかる方向に移動した場合、結果的に力がショルダース
トラップ３０及び３２によって背もたれ１８に及ぼさ
れ、これによってシート本体１０を一点鎖線で示す位置
又は配向から実線で示す位置又は配向に曲げる。その結
果、スロット２２が閉じ、これにより力をスロット２２
の後側壁４４からその前側壁４６に直接伝達し、これに
よってシート本体１０がこれ以上曲がらないように抵抗
する。

【００１０】図７は、ショルダーストラップ３０及び３
２を股部ストラップ３８に連結するいわゆるＴシールド
５０を備えたシート本体１０を示す。この種の子供用ハ
ーネスは、ラップストラップを持たない。

【００１１】図８及び図９は、側壁１４及び１６の細長
い開口部２２と隣接しているがこれらの開口部から離間
された二つの開口部６４及び６６が背もたれ６２に設け
られていること以外は図１乃至図７に示すシート本体１
０と同様のシート本体６０を持つ子供用シートを示す。
車輛用シートベルトのラップストラップ２４及びショル
ダーストラップ２６は、背もたれ６２に当たった状態に
保持されるようにこれらの開口部に通してある。シート
本体６０及び子供用ハーネスのこの他の部品には、図３
及び図４に示すシートの対応する部品と同じ参照番号が
附してあり、詳細に説明しない。

【００１２】図１０は、ベース７０及び取り外し可能な
背もたれ７２を含む子供用シートを示す。ベース７０
は、座面７４及び二つの側壁７６を含み、これらの側壁
の各々には、図１乃至図８の開口部２０及びスロット２
２と同様に、対応する側壁７６の上側まで延びる垂直ス
ロット８０を持つ開口部７８が設けられている。ベース
７０は、開口部７８内に配置された少なくとも車輛用シ
ートベルトのラップストラップによって車輛の座席（車
輛のシート）に固定される。

【００１３】背もたれ７２は下方に延びる脚部８２を有
し、これらの脚部は、側壁７６の後端の各側で突出して
いる。これらの脚部には、背もたれ７２をベース７０に
固定するボルト８４を受け入れるための孔が設けられて
いる。子供用ハーネスのショルダーストラップ（図示せ
ず）は、背もたれ７２に固定される。荷重がこれらのシ
ョルダーストラップに加わると、結果的に、力が、背も
たれ７２の側壁の下縁部８６から、スロット８０の後側
の側壁７６の上縁部８８に伝達される。力が十分である
場合には、スロット８０は、図６に示すスロット２２と
同様に閉鎖する傾向となる。背もたれ７２を取り外す
と、ベース７０は、ブースターシート（子供用の補助椅
子）として役立つ。

【００１４】図１１は、図１０に示すシートの変形例を
示し、ベース９０及び背もたれ９２を有する。図１０と
は対照的に、背もたれ９２は、下方に延びる脚部９４を
有しており、下方に延びる脚部９４は、側壁７６の内側
に及びベース部分９０の座面７４に設けられたスロット
内に突出し、そこにボルト９６によって固定される。図
１１に示すシートの他の部品には、図１０及び図１１に
示すシートの対応する部品と同じ参照番号が附してあ
り、詳細に説明しない。

【００１５】添付図面に示す任意の子供用シートを体の
大きな子供がハーネス３２、３６、３８なしで使用した
とき、このような子供は、欧州特許第０３２６２６５号
（ＥＰ−Ａ−０３２６２６５）に記載されているよう
に、車輛用シートベルトによってシートに拘束される。

【００１６】以上のように、本実施例に係る子供用安全
シートは、シート本体（１０）を備えている。シート本
体（１０）は、シート部分（１２）と、背もたれ（１
８）と、垂直方向に延びる側壁（１４、１６）とを有し
ている。側壁（１４、１６）は、背もたれ（１８）の側
縁部（サイドエッジ）から前方に突出していると共に、
シート部分（１２）の側縁部（サイドエッジ）から上方
に突出している。側壁（１４、１６）は、車輛用シート
ベルトのラップ部分（２４）を受け入れるためのベルト
ガイド開口部（２０）を有しており、このベルトガイド
開口部（２０）は、シート部分（１２）と背もたれ（１
８）との間の接合部に隣接している。夫々のアクセスス
ロット（２２）が、各ベルトガイド開口部（２０）か
ら、対応する側壁（１４、１６）の縁部（エッジ）まで
延びている。本実施例に係る子供用安全シートは、ま
た、背もたれ（１８）に固定されたショルダーストラッ
プ（３０、３２）を含むハーネス（すなわち、乗員保持
用の帯、換言すれば安全ベルト）を備えている。シート
本体（１０、６０、７０、９０）は、背もたれ（１８）
をシート部分（１２）に向かって曲げる方向に力が背も
たれ（１８）に加わったとき、各アクセススロット（２
２）の側壁が互いに衝合又は当接するように変形するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、車輛用二点式シートベルトによって所
定位置に保持された本発明による子供用シートの、その
子供用ハーネスの一部を取り除いた斜視図である。

【図２】図２は、図１に示すシートの通常の状態の側面
図である。

【図３】図３は、車輛用三点式シートベルトによって所
定位置に保持された図１及び図２に示す子供用シート
の、その五点式子供用ハーネスの一部を取り除いた斜視
図である。

【図４】図４は、子供用ハーネス全体が示してある図３
と対応する斜視図である。

【図５】図５は、図４に示すシートの側面図である。

【図６】図６は、背もたれに前方への荷重が加わった結
果を示す、図２と同様の側面図である。

【図７】図７は、五点式子供用ハーネスの代わりにＴシ
ールドを採用した図４に示す子供用シートの斜視図であ
る。

【図８】図８は、車輛用シートベルトの通し方が異な
る、図３と対応する子供用シートの斜視図である。

【図９】図９は、車輛用シートベルトの通し方が異な
る、図４と対応する子供用シートの斜視図である。

【図１０】図１０は、取り外し可能な背もたれを持つ本
発明による別の子供用シートの側面図である。

【図１１】図１１は、取り外し可能な背もたれを取り付
けるための構成が異なる、図１０に示すシートと同様の
別の子供用シートの側面図である。

【符号の説明】

１０ シート本体 １２ シート部分 １４、１６ 側壁 １８ 背もたれ ２０ 開口部 ２２ スロット ２４ ラップベルト ２６ 斜行ショル
ダーストラップ ２８ バックル ３０、３２ ショ
ルダーストラップ ３４、３６ ラップストラップ ３８ 股部ストラ
ップ ４０ バックル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594056476 Ｓｅｔｏｎ Ｈｏｕｓｅ，Ｗａｒｗｉｃｋ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｐａｒｋ，Ｇａ ｌｌｏｗｓ Ｈｉｌｌ，Ｗａｒｗｉｃｋｓ ｈｉｒｅ ＣＶ34 ６ＤＥ，Ｅｎｇｌａｎ ｄ (72)発明者 デビッド・ウィリアム・バーレー イギリス国ピーオー21・４エックスエヌ, ウェスト・サセックス，ボグノー・レジ ス，アルドウィック，クライグウェル・レ ーン 65 Ｆターム(参考） 3B087 CE07 DE06

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 子供用安全シートであって、 シート部分（１２、７０、９０）、背もたれ（１８、６
   ２、７２、９２）、及び垂直方向に延びる側壁（１４、
   １６、７６）を持つシート本体（１０、６０、７０、９
   ０）を備え、 前記側壁は、少なくとも前記シート部分（１２、７０、
   ９０）と前記背もたれ（１８、６２、７２、９２）との
   間の接合部の領域で、前記背もたれ（１８、６２、７
   ２、９２）の側縁部から前方に及びシート部分の側縁部
   から上方に突出しており、 前記側壁（１４、１６、７６）は、車輛用シートベルト
   のラップ部分（２４）を受け入れるためのベルトガイド
   開口部（２０）を前記シート部分（１２、７０、９０）
   と前記背もたれ（１８、６２、７２、９２）との間の接
   合部と隣接して有し、これによって前記子供用シートを
   車輛の座席上の所定位置に固定でき、 前記背もたれ（１８、６２、７２、９２）に固定された
   ショルダーストラップ（３０、３２）を含むハーネスが
   設けられている、子供用安全シートにおいて、夫々のア
   クセススロット（２２）が、各ベルトガイド開口部（２
   ０）から、対応する側壁（１４、１６、７６）の縁部ま
   で延びており、 前記シート本体（１０、６０、７０、９０）は、前記背
   もたれ（１８、６２、７２、９２）を前記シート部分
   （１２、７０、９０）に向かって曲げる方向に力が前記
   背もたれに加わったとき、各アクセススロット（２２）
   の側壁が互いに衝合するように変形するようになってい
   る、ことを特徴とする子供用安全シート。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の子供用安全シートにお
   いて、 前記側壁（１４、１６）は、前記背もたれ（１８、６
   ２）の頂部から前記シート部分（１２）の前縁部まで延
   びる、子供用安全シート。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の子供用安全シー
   トにおいて、 各ベルトガイド開口部（２０）は、対応するアクセスス
   ロット（２２）よりも幅が広い、子供用安全シート。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の子供用安全シートにお
   いて、 各ベルトガイド開口部（２０）は、二つの端壁及びこれ
   らの端壁よりもかなり長い二つの側壁によって境界が定
   められており、前記アクセススロット（２２）は、前記
   端壁から離間された位置で前記側壁の一方を通って開放
   している、子供用安全シート。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４のうちのいずれか一項に
   記載の子供用安全シートにおいて、 前記背もたれ（６２）は、車輛用シートベルトの前記シ
   ョルダーストラップ（２６）を受け入れるための一対の
   開口部（６４、６６）を有する、子供用安全シート。
6. 【請求項６】 請求項１乃至５のうちのいずれか一項に
   記載の子供用安全シートにおいて、 前記背もたれ（７２、９２）は、前記アクセススロット
   （８０）の後方に配置された横方向枢軸（８４、９６）
   によって前記シート部分（７０、９０）に枢着されてお
   り、 前記背もたれ（７２、９２）の前方への角度をなした移
   動は、前記背もたれ（７２）の下縁部（８６）が、前記
   スロット（８０）の後方で前記側壁（７６）の上縁部
   （８８）と衝合することによって制限される、子供用安
   全シート。