JP2002018601A - 楕円包絡線切削装置 - Google Patents

楕円包絡線切削装置

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JP2002018601A
JP2002018601A JP2000205712A JP2000205712A JP2002018601A JP 2002018601 A JP2002018601 A JP 2002018601A JP 2000205712 A JP2000205712 A JP 2000205712A JP 2000205712 A JP2000205712 A JP 2000205712A JP 2002018601 A JP2002018601 A JP 2002018601A
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shaft
axis
sun gear
rotating
gear
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JP2000205712A
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Toru Koike
徹 小池
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 第3軸の軸心57に楕円62を描かせ、
ローラの軸心59に楕円63を描かせ、各軸心の距離を
以下の式に設定することで、軸心57と軸心59とを結
ぶ直線64を、この直線64上に配置した切削工具31
が描く楕円包絡線67の法線とする。 【数10】 【効果】 楕円包絡線を切削工具で切削する際に、切削
工具のすくい角を常に一定に保つことができ、楕円包絡
線形状を有するワークに安定した仕上げ面を形成するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楕円上に円の中心
を置き、この円を前記楕円上を移動させたときの円の軌
跡に外接する包絡線を楕円包絡線と呼ぶときに、この楕
円包絡線に沿って切削することのできる楕円包絡線切削
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10(a),(b)はエンジンのシリ
ンダの比較図である。 (a)は真円シリンダの平面略図であり、真円シリンダ
100の中央に点火プラグ101を配置し、この点火プ
ラグ101を囲うように4個のバルブ102・・・(・・・は
複数個を示す。以下同様。)を配置したシリンダであ
る。
【0003】(b)は断面が楕円包絡線の内面を有する
シリンダ(ここでは、以下「長楕円状シリンダ」と称す
る。)の平面略図であり、長楕円状シリンダ110は、
2個の点火プラグ111,111と、これらを囲う合計
8個のバルブ112・・・とを配置することのできるシリ
ンダである。
【0004】長楕円状シリンダ110は、(a)の真円
シリンダ100を2個並べて排気量を同一にしたものに
比較してエンジンの幅を短縮することができ、エンジン
のコンパクト化を図ることができる。しかし、長楕円状
シリンダ110は、真円シリンダ100に比べ機械加工
が格段に難しくなるという短所を有する。
【0005】図中に想像線で示した楕円シリンダ120
は、長径を2a、短径を2bとしたときに、x2/a2
2/b2=1で一義的に決まる形状のシリンダである。
この楕円シリンダ120に対して、上記した長楕円状シ
リンダ110は、その長径を楕円シリンダ120と同一
の2a、短径を2cとすると、2c>2bとなり、より
偏平な形状になるとともに、4隅に斜線を施したエリア
d(全4ヶ所)は、長楕円状シリンダ110に特有に含
まれ、長楕円状シリンダ110は、楕円シリンダ120
に比較してバルブレイアウト上で格段に有利となる。
【0006】上記した長楕円状シリンダのような楕円に
近い形状に加工することのできる切削装置としては、例
えば、特開平5−84602号公報「長楕円ピストンの
外面切削加工方法および装置」が知られている。
【0007】上記公報の図4には、ピストン素材1′を
その回転軸線Cまわりに一定速度で回転させながら回転
軸線Cと直交するX軸に沿って移動させ、ピストン素材
1′の回転軸線Cと平行でかつX軸と直交するZ軸まわ
りに回転する刃具11をZ軸に沿って一定速度で往復移
動させ、ピストン素材1′のX軸に沿う移動速度及び移
動量を長楕円ピストンの外面形状に応じて可変制御する
構成が記載されている。また、同公報の図7(a)〜
(d)には、加工中のピストン素材1′と刃具11との
位置関係の経過が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】長楕円ピストンの外面
切削を行うには、他に、例えば、刃具11をZ軸回り
に回転させずに固定して、ピストン素材1′をその回転
軸線Cまわりに一定速度で回転させながら回転軸線Cと
直交するX軸に沿って移動させ、更に、ピストン素材
1′をZ軸に平行に一定速度で移動させる方法、ピス
トン素材1′を固定し、刃具11をZ軸まわりに回転さ
せずに回転軸線Cまわりに周回させながらX軸に沿って
移動させる方法がある。
【0009】上記,のうち、刃具を固定し、ワーク
を回転させるの方法について次図で説明する。なお、
上記公報と同一の構成については符号を振り直した。図
11(a)〜(d)はピストン素材の外面を長楕円に加
工する方法を説明する説明図である。 (a)において、回転中のピストン素材100の長軸1
01がX軸102に一致し、長軸101の端部101a
を刃具103で切削する場合、刃具103のすくい角を
角度α1とする。なお、104はピストン素材100の
自転の中心となる回転軸、105はピストン素材100
外面の切削部分の接線である。
【0010】(b)において、ピストン素材100がX
軸102に対して角度θ1だけ時計回りに回転するとと
もにX軸102に沿って刃具103側へ移動すると、刃
具103のすくい角は角度α1(図(a)参照)よりも
大きい角度α2となる。同様に、(c)において、ピス
トン素材100がX軸102に対して角度θ2(θ2>
θ1)だけ時計回りに回転するとともにX軸102に沿
って刃具103側へ移動すると、刃具103のすくい角
は角度α2(図(a)参照)よりも大きい角度α3とな
る。
【0011】この後、ピストン素材100が時計回りに
更に回転するとともに刃具103側へ移動すると、刃具
103のすくい角は次第に小さくなり、(d)におい
て、ピストン素材100がX軸102に対して90°だ
け時計回りに回転して、ピストン素材100の短軸10
6がX軸102に一致し、短軸106の端部106aを
刃具103が切削するときには、刃具103のすくい角
は、(a)のときと同じ角度α1となる。
【0012】このように、刃具103のすくい角は、ピ
ストン素材100の回転角によって刻々変化するので、
切削抵抗や切削温度が変化し、安定した仕上げ面を形成
するのが難しくなる。
【0013】そこで、本発明の目的は、楕円包絡線切削
装置において、切削工具のすくい角を常に一定に保つこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、回転系に対して非回転状態にしたベース
部と、このベース部に固定した第1軸と、この第1軸に
回転自在に取付けた第1回転筒と、この第1回転筒に、
第1軸の軸心から距離R12だけ軸心をオフセットさせ
た状態で回転自在に取付けた第2軸と、この第2軸に回
転自在に取付けた第2回転筒と、この第2回転筒に、第
2軸の軸心から距離R23だけ軸心をオフセットさせた
状態で回転自在に取付けた第3軸と、この第3軸に固定
した第3回転筒と、この第3回転筒に、第3軸の軸心か
ら距離R34だけ軸心をオフセットさせた状態で回転自
在に取付けた第4軸と、この第4軸に固定した第4回転
筒と、この第4回転筒に、第4軸の軸心から距離R45
だけ軸心をオフセットさせた状態で回転自在に取付けた
円筒部材と、この円筒部材の軸心に直交する面に円筒部
材の移動を案内するガイド手段を取付けるとともに第3
軸の軸心を中心に回転自在とした工具支持筒と、この工
具支持筒に取付けた切削工具と、第1回転筒の回転に伴
って第2軸、第3軸及び第4軸を回転させるために、第
1軸に設けた第1サンギヤ、この第1サンギヤを周回さ
せるために第2軸に設けた第1遊星ギヤ、これらの第1
サンギヤ及び第1遊星ギヤのそれぞれに噛み合う第1ア
イドルギヤ、第2軸と同心に設けた非回転の第2サンギ
ヤ、この第2サンギヤを周回させるために第3軸に設け
た第2遊星ギヤ、これらの第2サンギヤ及び第2遊星ギ
ヤのそれぞれに噛み合う第2アイドルギヤ、第3軸と同
心に設けた非回転の第3サンギヤ、この第3サンギヤを
周回させるために第4軸に設けた第3遊星ギヤ、これら
の第3サンギヤ及び第3遊星ギヤのそれぞれに噛み合う
第3アイドルギヤとからなり、R12、R23、R34
及びR45の関係を下記の式に設定することで、第3軸
の軸心に楕円を描かせ、この楕円上を円の中心が移動す
るときの円の軌跡に外接する楕円包絡線を切削工具で切
削する際に、切削工具のすくい角を常に一定に保つこと
ができる構成にしたことを特徴とする。
【0015】
【数2】
【0016】上記構成により、楕円包絡線を切削工具で
切削する際に、切削工具のすくい角を常に一定に保ち、
楕円包絡線形状を有するワークに安定した仕上げ面を形
成する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る楕円包絡線切削装置の
断面図であり、ワークの内面を切削する楕円包絡線切削
装置10(以下「切削装置10」と記す。)は、エンジ
ンのシリンダ等の穴の内面を楕円包絡線形状に切削する
装置であり、非回転状態にしたベース部11と、このベ
ース部11にナット12で固定した第1軸13と、この
第1軸13に回転自在に取付けた第1回転筒14と、こ
の第1回転筒14に回転自在に取付けた第2軸15と、
この第2軸15にナット16で固定した第2回転筒17
と、この第2回転筒17に回転自在に取付けた第3軸1
8と、この第3軸18にナット21で固定した第3回転
筒22と、この第3回転筒22に回転自在に取付けた第
4軸23と、この第4軸23にナット24で固定した第
4回転筒25と、この第4回転筒25に回転自在に取付
けた円筒部材としてのローラ26と、このローラ26を
案内するガイド手段としてのガイドレール27を取付け
るとともに後述する第2スライドテーブルに回転自在に
取付けた工具支持筒28と、この工具支持筒28に工具
支持部29を介して取付けた切削工具31とからなる。
なお、32は第1回転筒14を回転させるために第1回
転筒14とギヤで結合した駆動軸である。
【0018】切削工具31は、工具支持部29に着脱自
在に取付けたボデー31aと、このボデー31aの先端
に取付けたチップ31bとからなり、チップ31bの刃
部を外側に向け、この刃部でシリンダ等の固定したワー
ク33の内面を切削するものである。
【0019】図示しないが、切削装置10は、ワーク3
3に対してワーク33内面の中心線の延びる方向(図の
左右方向)に切削工具31を移動させる機構又は切削工
具31に対して各軸の延びる方向(図の左右方向)にワ
ーク33を移動させる機構を備える。
【0020】図2は本発明に係る切削装置の第1要部断
面図であり、図1に示した各軸、各回転筒及びスライド
テーブルの一部を示し、細部の部品は省略した。
【0021】切削装置10は、第1回転筒14の回転に
伴って第2軸15を回転させるために、第1軸13に設
けた第1サンギヤ34、この第1サンギヤ34を周回さ
せるために第2軸15に設けた第1遊星ギヤ35及びこ
れらの第1サンギヤ34及び第1遊星ギヤ35のそれぞ
れに噛み合う第1アイドルギヤ36と、第3軸18を回
転させるために、第2軸15と同心に配置した第2サン
ギヤ37、この第2サンギヤ37を周回させるために第
3軸18に設けた第2遊星ギヤ38及びこれらの第2サ
ンギヤ37及び第2遊星ギヤ38のそれぞれに噛み合う
第2アイドルギヤ41とを備える。
【0022】図3は本発明に係る切削装置の第2要部断
面図であり、図1に示した各軸、各回転筒及びスライド
テーブルの一部を示し、細部の部品は省略した。切削装
置10は、第4軸23を回転させるために、第3軸18
と同心に配置した第3サンギヤ42、この第3サンギヤ
42を周回させるために第4軸23に一体成形した第3
遊星ギヤ43及びこれらの第3サンギヤ42及び第3遊
星ギヤ43のそれぞれに噛み合う第3アイドルギヤ44
とからなる。
【0023】以上に述べた第1サンギヤ34、第1遊星
ギヤ35、第1アイドルギヤ36、第2サンギヤ37、
第2遊星ギヤ38、第2アイドルギヤ41、第3サンギ
ヤ42、第3遊星ギヤ43及び第3アイドルギヤ44
は、歯数がすべて同一のものとする。
【0024】図2に戻って、48は第2サンギヤ37を
備えるとともに回転はしないが第2軸15に直交する面
上を移動することのできる第1スライドテーブル、51
は第3サンギヤ42を備えるとともに回転はしないが第
3軸18に直交する面上を移動することのできる第2ス
ライドテーブルである。
【0025】以上に述べた切削装置10の作用として各
軸、各回転筒の自転について次に説明する。図4は本発
明に係る切削装置の作用を説明する第1作用図である。
なお、図では、各軸、各回転筒及び各ギヤの配置の理解
を容易にするために、各回転筒及び各ギヤを、第1軸〜
第4軸まで各軸毎に1段ずつ順に下げて記載し、各軸毎
にX軸を設け、X軸上に各軸とアイドルギヤとを配置
し、第1軸の軸心はXY座標の原点に配置した。
【0026】図2及び図3にも示したが、第2軸15
は、第1軸13の軸心55から距離R12だけ軸心56
をオフセットさせたものであり、第3軸18は、第2軸
15の軸心56から距離R23だけ軸心57をオフセッ
トさせたものであり、第4軸23は、第3軸18の軸心
57から距離R34だけ軸心58をオフセットさせたも
のである。また、ローラ26は、第4軸23の軸心58
から距離R45だけ軸心59をオフセットさせたもので
あり、切削工具31のチップ31bは、第3軸18の軸
心57を中心とする刃部の半径をR36としたものであ
る。
【0027】まず、第1回転筒14が時計回りに回転し
たとすると、この第1回転筒14に回転自在に取付けた
第2軸15は第1回転筒14と一体的に第1軸13(回
転しない)を時計回りに周回するため、これに伴って第
1軸13に取付けた第1サンギヤ34(回転しない)に
噛み合う第1アイドルギヤ36は時計回りに回転し、こ
の第1アイドルギヤ36に噛み合う第1遊星ギヤ35は
反時計回りに回転する。
【0028】この第1遊星ギヤ35を取付けた第2軸1
5は反時計回りに回転し、この第2軸15に固定した第
2回転筒17も反時計回りに回転する。第2回転筒17
が反時計回りに回転すると、この第2回転筒17に回転
自在に取付けた第3軸18は第2回転筒17と一体的に
第2軸15を反時計回りに周回するため、非回転とした
第1スライドテーブル48(図2参照)に取付けた第2
サンギヤ37に第2アイドルギヤ41を介して噛み合う
第2遊星ギヤ38は時計回りに回転する。
【0029】この第2遊星ギヤ38を取付けた第3軸1
8は時計回りに回転し、この第3軸18に固定した第3
回転筒22も時計回りに回転する。第3回転筒22が時
計回りに回転すると、この第3回転筒22に回転自在に
取付けた第4軸23は第3回転筒22と一体的に第3軸
18を時計回りに周回するため、非回転とした第2スラ
イドテーブル51(図3参照)に取付けた第3サンギヤ
42に第3アイドルギヤ44を介して噛み合う第3遊星
ギヤ43は反時計回りに回転する。
【0030】この第3遊星ギヤ43を取付けた第4軸2
3は反時計回りに回転し、この第4軸23に固定した第
4回転筒25も反時計回りに回転する。第4回転筒25
が反時計回りに回転すると、この第4回転筒25と一体
的にローラ26が第4軸23を反時計回りに周回するた
め、このローラ26をガイドレール27が案内しながら
工具支持筒28が反時計回りに回転し、切削工具31は
第3軸18の軸心57を中心にして反時計回りに回転す
る。
【0031】次に切削装置10の作用として各軸、各回
転筒の公転について説明する。図5(a),(b)は本
発明に係る切削装置の作用を説明する第2作用図であ
り、各軸の公転を、各軸の軸心及び各ギヤの移動で説明
する。 (a)において、初めに、第1軸の軸心55をXY座標
の原点にとり、第2軸の軸心56、第3軸の軸心57及
び第4軸の軸心58をX軸上に配置して、この状態から
公転を開始させる。
【0032】(b)において、第2軸の軸心56を第1
軸の軸心55に対して白抜き矢印のように時計回りに角
度θだけ周回させると、各ギヤは図4で示したのと同様
に矢印の方向に回転し、これによって、第3軸の軸心5
7は第2軸の軸心に対して白抜き矢印のように反時計回
りに角度θだけ周回し、第4軸の軸心58は第3軸の軸
心57に対して白抜き矢印のように時計回りに角度θだ
け周回する。
【0033】図6(a),(b)は本発明に係る切削装
置の作用を説明する第3作用図である。 (a)は、図5(a)に対応する第4回転筒25、ロー
ラ26、ガイドレール27、工具支持筒28、切削工具
31の状態を示す。ローラ26の軸心59及び切削工具
31はX軸上にある。
【0034】(b)は、図5(b)に対応する状態であ
り、第4軸の軸心58が第3軸の軸心57に対して白抜
き矢印のように時計回りに角度θだけ周回すると、ロー
ラ26の軸心59は、第4軸の軸心58に対して白抜き
矢印のように反時計回りに角度θだけ周回する。
【0035】これにより、ローラ26は、ガイドレール
27にガイドされつつ工具支持筒28を軸心57を中心
に反時計回りに回転させる。これにより、切削工具31
は、第3軸の軸心57を中心に反時計回りに回転する。
【0036】図7は本発明に係る切削装置の作用を説明
する第4作用図であり、図5(b)、図6(b)の状態
における各軸の軸心及び切削工具を抜き書きしたもので
ある。第3軸の軸心57の座標を(a,b)及びローラ
の軸心59の座標を(c,d)とすると、第2軸の軸心
56が第1軸を時計回りに角度θだけ周回したときに、
座標(a,b)は以下の[数3]、座標(c,d)は以
下の[数4]で示す式により表すことができる。
【0037】
【数3】
【0038】
【数4】
【0039】以上より、第3軸の軸心57は、長軸の半
径が(R12+R23)、短軸の半径が(−R12+R
23)の楕円上を移動する。また、ローラの軸心59
は、一方の軸の半径が(R12+R23−R34+R4
5)、他方の軸の半径が(−R12+R23+R34+
R45)の楕円上を移動する。
【0040】図8は本発明に係る切削装置の軸心及び切
削工具の軌跡を説明する説明図であり、図7で説明した
第3軸の軸心57が描く楕円62及びローラの軸心59
が描く楕円63を示す。楕円62は、偏平状であり、楕
円63は、楕円62に対して短軸の径が大きい。
【0041】ここで、図4に示した各軸の距離R12,
R23,R34,R45の関係を、R12=R34、R
23=R45とすると、[数4]に示した(10)式
は、c 2+d2=(2・R23)2となり、ローラの軸心
59は半径2・R23の円を描く。
【0042】図7に戻って、第3軸の軸心を中心に回転
する工具支持筒に取付けた切削工具31の軌跡を求める
ために、まず、上記した第3軸の軸心57とローラの軸
心59とを結ぶ直線の式を求める過程を[数5]に示
す。
【0043】
【数5】
【0044】即ち、切削工具31は、傾きが上記(1
7)式で求められるm、切片が上記(19)式で求めら
れるnの直線64上にある。次に、第3軸の軸心57が
描く楕円62の接線の式を求める過程を[数6]に示
す。
【0045】
【数6】
【0046】図8において、上記(20)式で表される
接線65と、上記(11)式で表される前述の直線64
とが直交すれば、接線65及び直線64のそれぞれの傾
きから[数7]に示す関係が成り立つ。
【0047】
【数7】
【0048】逆に、上記した(21)式が成り立てば、
直線64、即ち第3軸の軸心57とローラの軸心59と
を結ぶ直線64は、第3軸が描く楕円62の法線とな
る。
【0049】直線64の延長上にある切削工具31は、
回転中心が第3軸の軸心57であり、且つ楕円62の法
線である直線64上にあるから、切削工具31の刃部6
6は楕円包絡線67を描く。
【0050】上記したように、直線64は、楕円62の
法線であるから、刃部66は楕円包絡線67上で第3軸
の軸心57から最短距離の位置にある。このことより、
第3軸の軸心57を中心にして楕円包絡線67に接する
円68を描いたときに、楕円包絡線67上の刃部66は
円68上にあり、また、刃部66の位置で円68の接線
69を描いたとき、接線69は楕円包絡線67の接線に
もなる。
【0051】従って、直線64は、楕円包絡線67の法
線であり、刃部66が楕円包絡線67上のどの位置にあ
っても法線を維持することができる。以上より、切削工
具31で楕円包絡線67を加工する場合には、常に一定
のすくい角とすることができる。
【0052】以上の図1、図4及び図8で説明したよう
に、本発明は、回転系に対して非回転状態にしたベース
部11と、このベース部11に固定した第1軸13と、
この第1軸13に回転自在に取付けた第1回転筒14
と、この第1回転筒14に、第1軸13の軸心55から
距離R12だけ軸心56をオフセットさせた状態で回転
自在に取付けた第2軸15と、この第2軸15に回転自
在に取付けた第2回転筒17と、この第2回転筒17
に、第2軸15の軸心56から距離R23だけ軸心57
をオフセットさせた状態で回転自在に取付けた第3軸1
8と、この第3軸18に固定した第3回転筒22と、こ
の第3回転筒22に、第3軸18の軸心57から距離R
34だけ軸心58をオフセットさせた状態で回転自在に
取付けた第4軸23と、この第4軸23に固定した第4
回転筒25と、この第4回転筒25に、第4軸23の軸
心58から距離R45だけ軸心59をオフセットさせた
状態で回転自在に取付けたローラ26と、このローラ2
6の軸心59に直交する面にローラ26の移動を案内す
るガイドレール27を取付けるとともに第3軸18の軸
心57を中心に回転自在とした工具支持筒28と、この
工具支持筒28に取付けた切削工具31と、第1回転筒
14の回転に伴って第2軸15、第3軸18及び第4軸
23を回転させるために、第1軸13に設けた第1サン
ギヤ34、この第1サンギヤ34を周回させるために第
2軸15に設けた第1遊星ギヤ35、これらの第1サン
ギヤ34及び第1遊星ギヤ35のそれぞれに噛み合う第
1アイドルギヤ36、第2軸15と同心に設けた非回転
の第2サンギヤ37、この第2サンギヤ37を周回させ
るために第3軸18に設けた第2遊星ギヤ38、これら
の第2サンギヤ37及び第2遊星ギヤ38のそれぞれに
噛み合う第2アイドルギヤ41、第3軸18と同心に設
けた非回転の第3サンギヤ42、この第3サンギヤ42
を周回させるために第4軸23に設けた第3遊星ギヤ4
3、これらの第3サンギヤ42及び第3遊星ギヤ43の
それぞれに噛み合う第3アイドルギヤ44とからなり、
距離R12、R23、R34及びR45の関係を下記の
式に設定することで、第3軸18の軸心57に楕円62
を描かせ、この楕円62上を円の中心が移動するときの
円の軌跡に外接する楕円包絡線67を切削工具31で切
削する際に、切削工具31のすくい角を常に一定に保つ
ことができる構成にしたことを特徴とする。
【0053】
【数8】
【0054】上記構成により、楕円包絡線67を切削工
具31で切削する際に、切削工具31のすくい角を常に
一定に保つことができ、楕円包絡線67形状を有するワ
ーク33に安定した仕上げ面を形成することができる。
【0055】図9は本発明に係る切削装置の別の実施の
形態を示す断面図であり、ワークの外面を楕円包絡線形
状に切削する切削装置を示す。なお、図1に示した実施
の形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明
は省略する。切削装置70は、図1に示した切削工具1
0に対して、切削工具31のチップ31bの刃部が内側
を向くように工具支持筒28への工具支持部29の取付
位置のみを変更することで、固定したピストン等のワー
ク71の外面を切削するようにしたものである。この切
削装置70においても、切削装置10と同様の効果を得
ることができる。
【0056】また、更なる別の実施の形態として、図3
に示した第3軸18の軸心57を中心とする切削工具3
1のチップ31bの刃部の半径R36を、R36=0に
した切削装置では、第3軸18の軸心57の位置にチッ
プ31bの刃部の位置が一致し、チップ31bの刃部
は、[数3]の(5)式で示した楕円を描く、即ち、チ
ップ31bの刃部で上記楕円を切削することができる。
このことは、図9に示した切削装置70においても同様
である。
【0057】尚、本発明の各ギヤは、軸又はスライドテ
ーブルに一体的に形成してもよいし、軸又はスライドテ
ーブルと別体にして、軸又はスライドテーブルに取付け
てもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の楕円包絡線切削装置は、回転系に対し
て非回転状態にしたベース部と、このベース部に固定し
た第1軸と、この第1軸に回転自在に取付けた第1回転
筒と、この第1回転筒に回転自在に取付けた第2軸と、
この第2軸に回転自在に取付けた第2回転筒と、この第
2回転筒に回転自在に取付けた第3軸と、この第3軸に
固定した第3回転筒と、この第3回転筒に回転自在に取
付けた第4軸と、この第4軸に固定した第4回転筒と、
この第4回転筒に回転自在に取付けた円筒部材と、この
円筒部材の軸心に直交する面に円筒部材の移動を案内す
るガイド手段を取付けるとともに第3軸の軸心を中心に
回転自在とした工具支持筒と、この工具支持筒に取付け
た切削工具と、第1回転筒の回転に伴って第2軸、第3
軸及び第4軸を回転させるために、第1軸に設けた第1
サンギヤ、この第1サンギヤを周回させるために第2軸
に設けた第1遊星ギヤ、これらの第1サンギヤ及び第1
遊星ギヤのそれぞれに噛み合う第1アイドルギヤ、第2
軸と同心に設けた非回転の第2サンギヤ、この第2サン
ギヤを周回させるために第3軸に設けた第2遊星ギヤ、
これらの第2サンギヤ及び第2遊星ギヤのそれぞれに噛
み合う第2アイドルギヤ、第3軸と同心に設けた非回転
の第3サンギヤ、この第3サンギヤを周回させるために
第4軸に設けた第3遊星ギヤ、これらの第3サンギヤ及
び第3遊星ギヤのそれぞれに噛み合う第3アイドルギヤ
とからなり、距離R12、R23、R34及びR45の
関係を下記の式に設定したので、楕円包絡線を切削工具
で切削する際に、切削工具のすくい角を常に一定に保つ
ことができ、楕円包絡線形状を有するワークに安定した
仕上げ面を形成することができる。
【0059】
【数9】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る楕円包絡線切削装置の断面図
【図2】本発明に係る切削装置の第1要部断面図
【図3】本発明に係る切削装置の第2要部断面図
【図4】本発明に係る切削装置の作用を説明する第1作
用図
【図5】本発明に係る切削装置の作用を説明する第2作
用図
【図6】本発明に係る切削装置の作用を説明する第3作
用図
【図7】本発明に係る切削装置の作用を説明する第4作
用図
【図8】本発明に係る切削装置の軸心及び切削工具の軌
跡を説明する説明図
【図9】本発明に係る切削装置の別の実施の形態を示す
断面図
【図10】エンジンのシリンダの比較図
【図11】ピストン素材の外面を長楕円に加工する方法
を説明する説明図
【符号の説明】
10,70…楕円包絡線切削装置、11…ベース部、1
3…第1軸、14…第1回転筒、15…第2軸、17…
第2回転筒、18…第3軸、22…第3回転筒、23…
第4軸、25…第4回転筒、26…円筒部材(ロー
ラ)、27…ガイド手段(ガイドレール)、28…工具
支持筒、31…切削工具、34…第1サンギヤ、35…
第1遊星ギヤ、36…第1アイドルギヤ、37…第2サ
ンギヤ、38…第2遊星ギヤ、41…第2アイドルギ
ヤ、42…第3サンギヤ、43…第3遊星ギヤ、44…
第3アイドルギヤ、57…第3軸の軸心、67…楕円包
絡線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転系に対して非回転状態にしたベース
    部と、このベース部に固定した第1軸と、この第1軸に
    回転自在に取付けた第1回転筒と、この第1回転筒に、
    前記第1軸の軸心から距離R12だけ軸心をオフセット
    させた状態で回転自在に取付けた第2軸と、この第2軸
    に回転自在に取付けた第2回転筒と、この第2回転筒
    に、前記第2軸の軸心から距離R23だけ軸心をオフセ
    ットさせた状態で回転自在に取付けた第3軸と、この第
    3軸に固定した第3回転筒と、この第3回転筒に、前記
    第3軸の軸心から距離R34だけ軸心をオフセットさせ
    た状態で回転自在に取付けた第4軸と、この第4軸に固
    定した第4回転筒と、この第4回転筒に、前記第4軸の
    軸心から距離R45だけ軸心をオフセットさせた状態で
    回転自在に取付けた円筒部材と、この円筒部材の軸心に
    直交する面に前記円筒部材の移動を案内するガイド手段
    を取付けるとともに前記第3軸の軸心を中心に回転自在
    とした工具支持筒と、この工具支持筒に取付けた切削工
    具と、前記第1回転筒の回転に伴って第2軸、第3軸及
    び第4軸を回転させるために、第1軸に設けた第1サン
    ギヤ、この第1サンギヤを周回させるために第2軸に設
    けた第1遊星ギヤ、これらの第1サンギヤ及び第1遊星
    ギヤのそれぞれに噛み合う第1アイドルギヤ、第2軸と
    同心に設けた非回転の第2サンギヤ、この第2サンギヤ
    を周回させるために第3軸に設けた第2遊星ギヤ、これ
    らの第2サンギヤ及び第2遊星ギヤのそれぞれに噛み合
    う第2アイドルギヤ、第3軸と同心に設けた非回転の第
    3サンギヤ、この第3サンギヤを周回させるために第4
    軸に設けた第3遊星ギヤ、これらの第3サンギヤ及び第
    3遊星ギヤのそれぞれに噛み合う第3アイドルギヤとか
    らなり、 前記距離R12、R23、R34及びR45の関係を下
    記の式に設定することで、前記第3軸の軸心に楕円を描
    かせ、この楕円上を円の中心が移動するときの円の軌跡
    に外接する楕円包絡線を切削工具で切削する際に、切削
    工具のすくい角を常に一定に保つことができる構成にし
    たことを特徴とする楕円包絡線切削装置。 【数1】
JP2000205712A 2000-07-06 2000-07-06 楕円包絡線切削装置 Pending JP2002018601A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007525333A (ja) * 2004-02-26 2007-09-06 フェデラル−モーグル コーポレイション 不規則な表面を成形するための磁気浮上型高速スピンドル
US7504064B2 (en) 2002-09-19 2009-03-17 Hyun-Gwon Jo Method of shaping clay

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