JP2002017000A - 超音波振動体の製造方法、超音波振動体及び超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波振動体の製造方法、超音波振動体及び超音波洗浄装置

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JP2002017000A
JP2002017000A JP2000200201A JP2000200201A JP2002017000A JP 2002017000 A JP2002017000 A JP 2002017000A JP 2000200201 A JP2000200201 A JP 2000200201A JP 2000200201 A JP2000200201 A JP 2000200201A JP 2002017000 A JP2002017000 A JP 2002017000A
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vibrator
ultrasonic
piezoelectric material
vibrating plate
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Osamu Sato
佐藤  修
Akinori Iso
明典 磯
Yukinobu Nishibe
幸伸 西部
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Shibaura Mechatronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は振動板に振動子を接着する作業を
省略できるようにした超音波振動体の製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 振動板12に超音波振動する振動子11
が設けられた超音波振動体の製造方法において、振動板
上に所定温度で溶融する粉末状の結合材料34及び圧電
材料35を順次供給する工程と、上記圧電材料を上記振
動板上で上記結合材とともに圧縮成形する工程と、圧縮
成形された圧電材料を焼成して上記振動子を形成すると
ともに溶融する結合材料によって上記振動板と振動子と
を工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は被洗浄物を洗浄す
る処理液に超音波振動を付与する超音波振動体の製造方
法、超音波振動体及び超音波洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、液晶製造装置や半導体製造装
置においては、ガラス基板や半導体ウエハなどの被洗浄
物を高い清浄度で洗浄することが要求される工程があ
る。上記被洗浄物を洗浄する方式としては、超音波振動
が付与された洗浄液を用いる超音波洗浄装置が知られて
いる。
【0003】上記超音波洗浄装置は本体を有し、この本
体には処理液を被洗浄物に向けて噴射するためのノズル
体が設けられている。また、本体内には振動板及びこの
振動板に取付けられた超音波振動子からなる超音波振動
体が設けられている。
【0004】上記超音波振動子には超音波発振器が接続
される。この超音波発振器は所定の周波数の電力を出力
し、その電力を上記超音波振動子に印加する。それによ
って、上記超音波振動子が超音波振動するから、その超
音波振動に上記振動板が連動し、この振動板によって上
記本体内に供給された処理液に超音波振動が付与される
ようになっている。
【0005】従来、上記超音波振動体の振動子は以下の
ごとく製造されていた。まず、粉末状の圧電材料を所定
の形状に圧縮成形する。ついで、圧縮成形された圧電材
料を加熱炉で所定の温度で焼成する。焼成後、銀ペース
トを焼付けるなどして電極を形成したのち、圧電性を与
えるために分極を行なうことで上記振動子が作られる。
そして、このようにして作られた振動子は、接着剤によ
って振動板に接着固定され、上記超音波振動体が形成さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した工
程で超音波振動体を製造する場合、振動子を接着剤によ
って振動板に接着固定する接着工程が必要になる。接着
工程は、振動子の製造工程とは別の工程になるから、そ
の接着工程によって生産性の低下を招くということがあ
る。
【0007】また、振動子を振動板に接着するときに、
これらの間に気泡が入り込んだり、接着剤の厚さが一定
しないなどのことがある。そのため、振動板と振動子と
の間の気泡部分では、振動子が無負荷状態となるため、
他の部分に比べて発熱し易くなり、破損の原因になると
いうことがあったり、接着剤の厚さが一定しないことで
性能(インピーダンス特性)にばらつきが生じるなどの
こともある。
【0008】この発明は、接着工程を必要とせずに振動
板に振動子を結合固定できるようにした超音波振動体の
製造方法、超音波振動体及び超音波洗浄装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、振動
板に超音波振動する振動子が設けられた超音波振動体の
製造方法において、振動板上に所定温度で溶融する粉末
状の結合材料及び圧電材料を順次供給する工程と、上記
圧電材料を上記振動板上で上記結合材とともに圧縮成形
する工程と、圧縮成形された圧電材料を焼成して上記振
動子を形成するとともに溶融する結合材料によって上記
振動板と振動子とを結合固定する工程とを具備したこと
を特徴とする超音波振動体の製造方法にある。
【0010】請求項2の発明は、圧電材料を焼成する工
程の後に、この圧電材料の上面に電極を設ける工程と、
圧電材料に圧電性を与えるために分極する工程とを有す
ることを特徴とする請求項1記載の超音波振動体の製造
方法にある。
【0011】請求項3の発明は、振動板上に振動子が設
けられる超音波振動体において、上記振動子は、圧電材
料を上記振動板上で圧縮成形してから焼成することで形
成されるとともに、振動板と振動子との間には、圧電材
料の焼成時に溶融して振動子を振動板に固着する結合材
料が設けられていることを特徴とする超音波振動体にあ
る。
【0012】請求項4の発明は、超音波振動が付与され
た処理液によって被洗浄物を洗浄するための超音波洗浄
装置において、内部に処理液が供給される本体と、この
本体に設けられ本体内に供給された処理液を流出させる
ノズル体と、上記本体内に設けられ一方の面が本体内に
供給される処理液に接触する振動板及びこの振動板の他
方の面に設けられ振動板を超音波振動させる超音波振動
子とを有する超音波振動体とを具備し、上記超音波振動
体は請求項3に記載された構成であることを特徴とする
超音波振動装置にある。
【0013】請求項1と請求項2の発明によれば、粉末
状の圧電材料を振動板上で圧縮成形して振動子を形成す
るため、振動子を振動板に接着固定する工程が不要にな
る。
【0014】請求項3の発明によれば、接着工程を必要
としない超音波振動体を提供することができる。
【0015】請求項4の発明によれば、接着工程を必要
としない超音波振動体を用いた超音波洗浄装置を提供す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図面を参照して説明する。
【0017】図1はこの発明の第1の実施の形態を示す
ポイント型の超音波洗浄装置を示し、この装置は本体1
を有する。この本体1は、耐薬品性を備えた金属材料に
よって内部を処理液の流通部2とした中空状に形成され
ている。上記本体1の側面には上記流通部2に連通する
供給口3が形成され、下端面には同じく流通部2に連通
する流出口4が形成されている。
【0018】上記供給口3は図示しない処理液の供給源
に配管接続される。上記流出口4にはノズル体5が取付
けられている。それによって、上記供給口3から流通部
2内に供給された処理液は上記ノズル体5から図示しな
い被洗浄物に向けて噴出するようになっている。上記ノ
ズル体5は有機溶剤に対する耐性(耐薬品性)とフッ素
樹脂に比べて機械的特性に優れた合成樹脂、たとえばP
BI(ポリベンゾイミダゾール)またはPEEK(ポリ
エーテルエーテルケトン)の合成樹脂によって形成され
ている。
【0019】なお、本体1の流通部2の内周面に耐薬品
性を備えた樹脂をコーティングしてもよい。また、上記
ノズル体5は合成樹脂でなく、石英などで形成してもよ
い。
【0020】上記本体1には一端が上記流通部2に連通
し他端が本体1の上端面に開放した大径部6が形成され
ている。この大径部6は上記流通部2よりも大径に形成
されている。したがって、流通部2と大径部6との境界
部には段部7が形成されている。
【0021】上記段部7には環状溝8が設けられ、この
環状溝8にはOリング9が収容されている。上記段部7
には、図2に示すように振動板12及びこの振動板12
の上面に結合材料12aによって結合固定された振動子
11とからなる超音波振動体10が、その振動板12の
下面の周辺部を上記Oリング9に接合させて設けられて
いる。上記振動板12はステンレスなどの金属材料によ
って上記振動子11とほぼ同じ大きさに形成されてい
る。
【0022】上記振動子11の上面には、図2に示すよ
うに電極11aが設けられている。この電極11aと上
記振動板12との間には後述するごとく高周波電圧が印
加される。それによって、上記振動子11が超音波振動
し、この超音波振動に振動板12が連動する。なお、超
音波振動体10は後述するごとく製造される。
【0023】上記本体1の段部7に下面周辺部を係合さ
せた上記振動板12の上面、つまり超音波振動子11の
上面の電極11aにはコイルばね13が下端を電気的に
接触させて設けられ、振動板12は本体1を介してアー
スされている。上記コイルばね13は内部カラ−15に
収容され、この内部カラー15は外部カラー14に収容
されている。
【0024】上記本体1の大径部6には、導電材によっ
て形成された絶縁盤16が設けられている。この絶縁盤
16の下面は上記各カラー14,15の上端面に接触し
ている。
【0025】上記本体1の大径部6には上記絶縁盤16
の上方から導電性材料によって形成された加圧部材17
が螺合されている。この加圧部材17の下面には上記内
部カラー15に収容された絶縁部材18が設けられ、こ
の絶縁部材18と上記コイルばね13との間には上記内
部カラ−15内に入り込んで上記コイルばね13を加圧
するとともにこのコイルばね13と電気的に接触した電
極部材19が設けられている。
【0026】上記加圧部材17の中央部には挿通孔22
が形成され、ここには同軸ケ−ブル21の一端部が挿通
固定されている。この同軸ケ−ブル21の一端部の芯線
21aは上記電極部材19に接続され、被覆線21bは
上記加圧部材17及び本体1を介して上記振動板12に
電気的に接続される。そして、この同軸ケ−ブル21の
他端部は超音波発振器23に接続される。
【0027】したがって、上記超音波発振器23によっ
て上記超音波振動子11の電極11aと振動板12とに
高周波電圧を印加すれば、この超音波振動子11を超音
波振動させることができるようになっている。
【0028】なお、上記本体1の大径部6の開口部に
は、液体が大径部6に流入するのを防止するためのOリ
ング26が設けられ、さらに上端面には加圧部材17が
大径部6から抜け出るのを防止するための押え板24が
ねじ25によって固定されている。
【0029】上記超音波振動体10は図3(a)〜
(d)に示す順序で製造される。図3(a)において、
31は下型で、32は上型である。下型31にはキャビ
ティ33が形成されているとともに、複数のノックアウ
トピン31aが設けられている。
【0030】上記下型31のキャビティ33内には振動
板12を収容する。この振動板12上には結合材料34
及び粉末状の圧電材料35を順次収容する。
【0031】上記圧電材料35としては粉末状の酸化
鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどが用いられ、上
記結合材料34としては加熱されることで溶融して圧電
材料35と振動板12とを結合固定する材料、たとえば
圧電材料35よりも粒子が小さく、大きな結合力を呈す
る二酸化珪素などが用いられる。
【0032】上記下型31のキャビティ33内の振動板
12上に、所定量の結合材料34と圧電材料35とを供
給したならば、図3(b)に示すように上型32を閉じ
て圧電材料35を圧縮成形する。圧縮成形は50〜30
0MPaの圧力で行なわれる。それによって、圧電材料
35は振動板12上で所定の形状に成形される。
【0033】圧電材料35を圧縮成形したならば、図3
(c)に示すように上型32を開き、ノックアウトピン
31aによって振動板12を突き上げる。それによっ
て、振動板12とともに所定形状に成形された圧電材料
35を下型31のキャビティ33から取り出すことがで
きる。
【0034】下型31から振動板12とともに取り出さ
れた圧電材料35は、図3(c)に示すように電気ヒー
タなどの熱源36を有する加熱炉37に入れて所定の温
度で焼成する。焼成温度は通常、1150〜1350℃
程度で行なわれる。
【0035】圧電材料35は焼成することで磁器化及び
緻密化される。圧電材料35の焼成時には、振動板12
と圧電材料35との間に供給された結合材料34が溶融
し、この結合材料34が凝固することで、振動板12と
圧電材料35とを強固に結合する。したがって、圧電材
料35の焼成時に、振動子11となる圧電材料35を振
動板12上に固着することができる。
【0036】圧電材料35を焼成したならば、その圧電
材料35の上面に、たとえば銀ペーストを焼付けるなど
して図2に示す電極11aを形成したのち、高電界を印
加して等方性微結晶の方向を揃えて圧電性を付与する分
極を行なうことで、振動板12上に振動子11が形成さ
れる。
【0037】すなわち、上記構成の超音波振動体10に
よれば、振動板12の上面で圧電材料35を圧縮成形
し、その圧電材料35を焼成することで、振動子11を
形成するようにした。振動板12の上面には、結合材料
12aを介して圧電材料35を設けたことで、圧電材料
35の焼成時に結合材料12aが溶融して圧電材料35
を振動板12に結合固定する。そのため、振動子11の
成形と、振動子11を振動板12に結合固定する作業と
を同時に行なうことができる。
【0038】結合材料12aは、圧電材料35とともに
振動板12上で圧縮成形されてから圧縮材料35の焼成
時に溶融される。そのため、二酸化珪素からなる結合材
料12aは、緻密なガラス状の結晶体となるため、内部
に気泡が残存して超音波振動体10の性能劣化を招くこ
とがない。
【0039】結合材料12aの粒子は、圧縮材料35の
粒子よりも小さいため、焼成された圧縮材料35内に入
り込む状態、つまり単独で層状に存在するのではなく、
圧縮材料35に混じり合った状態となって圧縮材料35
を振動板12に結合するから、その結合強度が強固とな
る。
【0040】結合材料12aが圧縮材料35に混じり合
うことで、結合材料12aによって生じるインピーダン
スの増加は結合面の全体にわたってほぼ均一となる。そ
のため、製造される超音波振動体10ごとに超音波発生
効率にばらつきが生じるのを防止することができる。
【0041】上記一実施の形態では、超音波洗浄装置と
してポイント型の場合を例に挙げたが、ノズル体に細長
いスリットが形成され、被洗浄物の幅方向を所定の長さ
にわたって洗浄するスリット型の超音波洗浄装置にも適
用することができる。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、振動板上に粉末状の
結合材料と圧電材料を順次供給し、上記圧電材料を振動
板上で圧縮成形してから焼成することで、振動子を形成
するようにした。
【0043】そのため、焼成時に結合材料が溶融して圧
電材料、つまり振動子が振動板に結合固定されるから、
振動子の成形工程とは別に、振動子を振動板に接着固定
する工程が不要となり、生産性の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明一実施の形態を示す超音波洗浄装置の
縦断面図。
【図2】超音波振動体の拡大断面図。
【図3】超音波振動体の製造工程を示す図。
【符号の説明】
1…本体 5…ノズル体 11…振動子 12…振動板 34…結合材料 35…圧電材料
フロントページの続き (72)発明者 西部 幸伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1000番地1 芝 浦メカトロニクス株式会社横浜事業所内 Fターム(参考) 3B201 AA02 BB32 BB84 BB92 5D019 AA26 BB02 EE02 HH01 5D107 AA20 BB11 CC01 CC10 CC11 CD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板に超音波振動する振動子が設けら
    れた超音波振動体の製造方法において、 振動板上に所定温度で溶融する粉末状の結合材料及び圧
    電材料を順次供給する工程と、 上記圧電材料を上記振動板上で上記結合材とともに圧縮
    成形する工程と、 圧縮成形された圧電材料を焼成して上記振動子を形成す
    るとともに溶融する結合材料によって上記振動板と振動
    子とを結合固定する工程とを具備したことを特徴とする
    超音波振動体の製造方法。
  2. 【請求項2】 圧電材料を焼成する工程の後に、この圧
    電材料の上面に電極を設ける工程と、圧電材料に圧電性
    を与えるために分極する工程とを有することを特徴とす
    る請求項1記載の超音波振動体の製造方法。
  3. 【請求項3】 振動板上に振動子が設けられる超音波振
    動体において、 上記振動子は、圧電材料を上記振動板上で圧縮成形して
    から焼成することで形成されるとともに、振動板と振動
    子との間には、圧電材料の焼成時に溶融して振動子を振
    動板に固着する結合材料が設けられていることを特徴と
    する超音波振動体。
  4. 【請求項4】 超音波振動が付与された処理液によって
    被洗浄物を洗浄するための超音波洗浄装置において、 内部に処理液が供給される本体と、 この本体に設けられ本体内に供給された処理液を流出さ
    せるノズル体と、 上記本体内に設けられ一方の面が本体内に供給される処
    理液に接触する振動板及びこの振動板の他方の面に設け
    られ振動板を超音波振動させる超音波振動子とを有する
    超音波振動体とを具備し、 上記超音波振動体は請求項3に記載された構成であるこ
    とを特徴とする超音波振動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009211276A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Fujitsu Ltd 燃料品質判定プログラム、燃料品質判定方法、及び燃料品質判定装置
CN109967330A (zh) * 2018-12-27 2019-07-05 无锡市宇超电子有限公司 一种超声换能装置

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