JP2002016803A - 画像処理装置及びカラー画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置及びカラー画像処理装置

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JP2002016803A
JP2002016803A JP2000178813A JP2000178813A JP2002016803A JP 2002016803 A JP2002016803 A JP 2002016803A JP 2000178813 A JP2000178813 A JP 2000178813A JP 2000178813 A JP2000178813 A JP 2000178813A JP 2002016803 A JP2002016803 A JP 2002016803A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリンタ等の出力装置の出力精度に起因した濃
度ムラやスジの発生による階調再現性の低下を防ぐ。 【解決手段】1画素256階調の入力階調画像データを
ディザ処理手段により基準閾値配列を用いてディザ処理
を行い1画素8階調の出力画像データに変換してからプ
リンタにより画像出力する画像処理装置において、主走
査方向と副走査方向とで異なる出力精度をもつプリンタ
を使用し、ディザ処理手段は、規定の閾値範囲内で相対
的に中間階調から高階調となる領域において局所的に非
周期的な閾値配列特性を持ち、かつプリンタの出力精度
が相対的に低い走査方向にドットが優先的に連なって順
次成長するような非等方的な閾値配列特性を持つように
基準閾値配列を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多値の入力画像デ
ータをディザ処理して、より小さい階調数の画像データ
に変換するプリンタ、複写機、ファクシミリ、MFP
(Multi-Function Peripheral)等に使用される画像処
理装置及びカラー画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ラインLED(発光ダイオード)
ヘッド、ラインサーマルヘッド、ラインインクジェット
ヘッド等ラインヘッドを用いたプリンタなどの画像形成
装置では、ヘッドが有する分解能のまま同じ大きさのド
ットを記録紙上に印刷することにより2値の画像を形成
していた。すなわち、ラインLEDヘッドの場合は、ラ
イン状に配列された複数の記録素子である複数のLED
のラスタ方向の間隔のまま同じ大きさのドットを記録紙
上に印刷し、ラインサーマルヘッドの場合は、ライン状
に配列された複数の記録素子である複数の発熱抵抗体の
ラスタ方向の間隔のまま同じ大きさのドットを記録紙上
に印刷し、ラインインクジェットヘッドの場合は、ライ
ン状に配列された複数の記録素子である複数のインク吐
出口のラスタ方向の間隔のまま同じ大きさのドットを記
録紙上に印刷して2値の画像を形成していた。また、こ
れらのヘッドを複数回走査する事により素子の間隔以上
の解像度に対応することも一般的に行われている。
【0003】このような記録ヘッドを備えた画像形成装
置においては、文字/線画画像は、単純にヘッドの分解
能分あるいは走査間隔分の2値画像として再現し、グラ
フィック/写真画像は、組織的ディザ法、あるいは誤差
拡散法といった擬似階調処理により画像を再現してい
た。この場合の擬似階調処理においては、高解像度の保
持と高階調の再現の両立は非常に難しく、特に組織的デ
ィザ処理では、解像度と階調性は相反する特性を有して
いた。なお、色文字や濃淡文字等にも擬似階調処理は使
用されている。
【0004】一方、このような記録ヘッドを備えた画像
形成装置において、さらに、入力画像データを多値ディ
ザ処理により生成した多値の画像データを用い、1画素
内の出力面積を変調することによって1画素内を数段階
の階調で表現できるような画像形成装置も出現してきて
いる。これら装置に使われる複数の記録素子から構成さ
れる記録ヘッドと出力されたドットの状態例を図40に
示す。図中1は記録ヘッド、2はインク吐出口である。
また、3は出力ドットを示している。
【0005】この図40においては簡単のため1画素を
白を含めた3値で表すことができる画像形成装置のドッ
ト出力例を示している。また、これらのライン状の記録
素子を4つ、あるいは3つ並列に配置することでC(シ
アン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラッ
ク)のカラー画像、あるいはCMYのカラー画像を記録
することができる。
【0006】このような多値の画像データを印字できる
画像形成装置においては、色変換処理やUCR(下色除
去)処理、あるいはガンマ補正といった各種画像処理を
施した後に、プリンタエンジン固有の規定の階調数を再
現するために、各色毎にスクリーン角を用いた多値ディ
ザ処理、あるいは多値誤差拡散処理といった多値の擬似
階調処理を行い1画素数ビットの多値画像データを得て
いる。そして、1画素により多くの情報量を集中させて
画像再現性の向上を図っている。
【0007】一般的に組織的ディザ処理は処理が軽く、
構成の自由度も高く、高速性がありコストも抑えること
ができる。ただし、画質的には誤差拡散処理の方が優れ
ていると言われている。組織的ディザ処理は閾値処理に
よる量子化誤差をそのまま切り捨てているのに対し、誤
差拡散処理では量子化誤差を周辺画素に保存している点
がアルゴリズム的な大きな違いである。この結果として
出力特性から見れば最適化された誤差拡散処理では人間
の視覚特性上から出力パターンが最も目立ちにくい高周
波特性を持った出力パターンとなり、エッジ保存効果も
大きいことが組織的ディザ処理に対して画質的に有利な
点となっている。
【0008】一方、多値の擬似中間調処理の場合は、2
値の場合ほどその画質に差は生じないことも判ってい
る。これは、多値化による効果として多値化のレベルを
増やすほど2値化の場合に比べて切り捨てられる量子化
誤差が格段に小さくなるためである。特に高解像度時に
於ける1画素で表現できる階調数が多いほどその画質に
は差は無くなってくる。
【0009】さらに、最近ではストカスティックディザ
やクラスタを改良した固定マスクディザを用いることに
よって、誤差拡散処理並みの出力特性を組織的ディザ処
理と同じ高速処理で実現する方法も開発されてきてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的な2
値のディザ処理は、基本的には単独1プレーンのディザ
マトリクスの閾値配列のみ考慮すれば良く、入力画素と
対応する位置のディザマトリクスの閾値との画素対画素
比較により2値の出力画像を得ている。この様子を図4
1に示す。この図41では既に公知の4×4Bayer
型ディザマトリクスを使用した場合の模式図である。こ
こでは説明の簡略化のため、入力4bitに対応したデ
ィザマトリクスの閾値と入力画像との比較がなされ、例
えば、入力画素値が対応するディザマトリクスの閾値よ
りも大きければ1(黒)、小さければ0(白)を出力
し、全体として1あるいは0の組み合わせを持つ2値化
出力状態を得る場合を示している。
【0011】ここでディザマトリクスは図41に示すよ
うに、その基本ディザマトリクス(基準閾値配列)サイ
ズ周期でタイル上に繰り返し使用され、入力全画素に対
して上述した処理を同様に行う構成となっている。ま
た、一般的なプリンタ等の出力装置においてはデジタル
的な正方格子で画素を構成できることはなく、各出力デ
バイスのプロセス上の制限から円形に近い形の出力とな
ることが多い。この場合の出力の様子を図42に示す。
この図42のドットサイズに示すように一般的にベタ画
像を印字した場合、隙間が発生しない様に印字画素の形
状は理想正方ピクセルを完全に覆う形、すなわち、解像
度ピッチの√2倍以上の直径を持つ円となるように設計
される。
【0012】一方、多値ディザ処理においては、上記し
た基本となるディザマトリクス配列の他に、深さ(画素
レベル)方向への考慮も必要となる。例えばD値の多値
ディザ処理を行う場合は(D−1)個分の閾値プレーン
が必要となり、個々の閾値プレーンのディザ閾値と入力
画像との比較がされ、D値の出力画像を得る。この場合
の多値ディザ処理の概略模式図を図43に示し、出力の
様子を図44に示す。図43は0(白)を含め8値の多
値出力を示す模式図になっている。
【0013】このとき一般的にディザ処理では各閾値プ
レーン間において何らかの相関性を持たせた方が画質的
に優れるため、この基準閾値配列を基に(D−1)個分
のディザマトリクスの閾値を自動的に算出することが多
い。
【0014】この各プレーン間の相関性を考慮した多値
ディザ処理としては、各プレーンに跨る閾値配列の振り
分け方により大きく分けて、図45の(a)、(b)に示す2
つのシーケンスがある。この図45においては説明を簡
単にするために、入力8bitの画像データを2×2の
基本閾値配列を使って1画素4値(2bit)の画像に
変換する多値ディザ処理を示している。
【0015】図45の(a)のシーケンス方法は、閾値を
小さい順に各プレーン単位に埋めていく方法であり、イ
ンクジェットプリンタ等、隣接画素のドットの出現状態
に基本的に影響され難く、単独画素毎での画像形成が安
定して再現する事ができるプリンタに使用されるディザ
処理である。解像度は、ほぼエンジンの解像性能に匹敵
し、非常に高く、ドット密度が高くなる場合であり、面
積変調で画像を再現する場合の理想的な方法である。た
だし、同一サイズ及び近接サイズの画素で画面が埋めら
れ易いため、印字精度の影響を受け易い。
【0016】図45の(b)のシーケンス方法は、閾値を
小さい順に処理対象となる任意の1つの画素に対して順
に埋めていく方法であり、レーザプリンタあるいはサー
マルプリンタ等、隣接画素のドットの出現状態に影響さ
れ易く、単独画素での画素形成が困難且つ不安定なプリ
ンタに多用されるディザ処理である。解像度は低く、ド
ット密度が粗くなる場合であり、このディザの閾値配列
をドット集中型にすると網点と呼ばれる画像が形成され
る。解像度が低いため画素単位の微小な印字精度ムラは
吸収される。
【0017】なお、この2例はどちらも1つの基準閾値
プレーンと深さ方向への画素成長順序の定義をすれば自
動的に全閾値が導き出される。
【0018】一方、記録ヘッド1を用いたプリンタにお
いて、これら装置に使われる記録素子から構成される記
録ヘッドと印字位置及び印字サイズ等の印字精度の関係
であるが、例えばインクジェットプリンタの場合は記録
素子であるノズルから吐出されるインク体積や方向は一
般的に個々のノズル毎にばらついてしまうことが多い。
この印字精度を問題の生じない程度の一定値以下に抑え
ることは不可能ではないが、製造コストが非常に高くな
ってしまう。
【0019】また、このプリントヘッドを複数回走査し
てヘッドの素子ピッチより高い解像度の画像を形成する
場合などは、走査ごとの書き出し位置がずれてしまう可
能性もあり、これを完全に補正するためには非常に高度
なメカ制御が必要となり、これもまたコスト的に問題と
なってくる。
【0020】このようにノズル毎にばらつくと、図46
に示すように、ドットが大きいノズルや隣接ドットが近
くなってしまっている箇所などは他の部分に比べて濃度
が高く、黒スジが発生してしまい、またドットが小さい
ノズルや隣接ドットとの距離が離れてしまっている箇所
は他の部分に比べて濃度が低下し白スジが発生するとい
った濃度ムラが発生し画質劣化を生じてしまう。
【0021】そこでこの対策としては市松状の間引き印
刷など同一ラインを同じノズルで印字させずに複数のノ
ズルで交互に印字させ、これら濃度ムラやスジの影響を
低減させる手法等が用いられている。
【0022】この手法によればスジ状の濃度ムラは何も
対策しないときよりも低減されることが期待できるが、
印字速度はその印字方法の複雑さに比例して遅くなって
しまうという問題がある。
【0023】また、多値の画像データを用い1画素内の
印字面積を変調することによって1画素内を数段階の階
調で表現できるような画像形成装置の場合には、比較的
ハイライト部では印字精度による濃度ムラは目立たない
が、隣接ドットが接するかどうかという程度の中間サイ
ズ以上のドットで一面平坦な階調画像を再現した場合に
はスジ状の濃度ムラは特に強く視覚に目立ってしまう。
特に人間の視覚特性からすると、水平方向および垂直方
向に対する視覚感度が非常に高いために、わずかな位置
ズレでもスジ状の濃度ムラとして認識してしまう可能性
が高い。
【0024】さらに、カラーの画像形成について述べる
と、最近のプリンタの画質設計においては、特にハイラ
イト部を含めた写真画質並の階調再現性の重要性が増し
ている。特に粒状性をより向上させる階調再現手法が1
つの重要な技術的課題となっている。
【0025】この粒状性を満足させるための技術とし
て、標準のC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ
ー)、K(ブラック)の4色のインクの他に淡いインク
を使って、例えば、ライトシアンやライトマゼンタ等の
インクを組み合わせてハイライト部の粒状性を向上させ
る方法等がある。但し、追加されたインクの数だけ記録
ヘッドや駆動機構が増える。また、記録ヘッドが各色共
ラインヘッド並みのノズル数を持ったヘッドの場合には
コスト的にも大きな重荷となる。また、カラーの場合
は、さらにC、M、Y、Kの各色のドットの微妙な重な
り方の変動から発生する色ムラの問題がある。
【0026】そこで、C、M、Y、Kの4色の場合につ
いて考えてみると、多値ディザ処理としては、スクリー
ン角を用いた網点ディザやBayerに代表される分散
系ディザ、あるいはその中間のクラスターディザ等の方
式が既に種々開発されている。
【0027】しかし、これらのディザ処理においては多
くの問題点を含んでいる。例えば、スクリーン角を用い
た網点をディザ処理に適用すると、各色間の干渉により
ロゼッタ等のモアレが発生してしまう。また、従来のB
ayer型のような分散系のディザマトリクスを使用す
るとドット配置の自由度が少ないため特定の階調部で視
覚に目立つテクスチャーが発生してしまう。このように
全色、全階調にわたって最適な出力特性を得るには解決
する問題は多い。
【0028】これらは2値に限らず、多値に適用したと
しても同様の現象が発生する。特に、図45の(b)に示
すシーケンスのディザ処理においては顕著に発生する
が、図45の(a)のシーケンスのディザ処理においても
完全に消えるわけではない。さらに、クラスタータイプ
も含めて、これらの組織的ディザ処理全般に言えること
は、入力全階調域にわたって周期性が視覚に目立ち易い
と言う問題である。特に、プリンタのような比較的解像
度の低い出力装置の場合は、その周期性がきわめて視覚
に目立ってしまい易いと言う問題点がある。
【0029】このように従来の固定周期型ディザにおい
ては、現時点でも各種問題点を含んでおり、さらに様々
な出力装置毎に異なる特徴を持った各々の出力特性を考
慮した基準閾値配列の設計についても改良する余地があ
る。
【0030】最近ではストカスティックディザやクラス
タを改良した固定マスクディザを用いることによって、
誤差拡散処理並みの出力特性を組織的ディザ処理と同じ
高速処理で実現する方法も開発されてきている。この好
適な一例として、Robert Unichney著の「The Void-and-
Cluster Method for Dither Array Generation」(SPIE
/IS&T Symposium on Electronic Imaging Science and
Technology,San Jose,CA,February,1993)等がある。し
かし、これらの処理は、理想系での理論的な出力特性し
か考えられていないため、せいぜい2値プリンタのドッ
トオーバーラップモデルでの出力特性が考慮されている
程度である。
【0031】従って、固有の各出力装置のもつ実際の精
度的な出力特性等は考慮されていなく、さらに、マルチ
レベルの出力装置に対してもその実特性はほとんど配慮
されていない。
【0032】そこで、本発明は、プリンタ等の2次元平
面画像出力手段の出力精度に起因した濃度ムラやスジの
発生により階調再現性が低下することがない画像処理装
置及びカラー画像処理装置を提供する。また、本発明
は、さらに、色ムラを抑制でき、これによっても階調再
現性が低下することがないカラー画像処理装置を提供す
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、1画素M階調
の入力階調画像データをディザ処理手段により基準閾値
配列を用いてディザ処理を行い1画素N(M>N≧2)
階調の出力画像データに変換してから2次元平面画像出
力手段により画像出力する画像処理装置において、2次
元平面画像出力手段として主走査方向と副走査方向とで
異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段を使用
し、ディザ処理手段は、基準閾値配列を、規定の閾値範
囲内で相対的に中間階調から高階調となる領域において
局所的に非周期的な閾値配列特性を持ち、かつ2次元平
面画像出力手段の出力精度が相対的に低い走査方向にド
ットが優先的に連なって順次成長するような非等方的な
閾値配列特性を持つように設定した画像処理装置にあ
る。
【0034】また、本発明は、1画素M階調の入力階調
画像データをディザ処理手段により複数のディザ閾値プ
レーンに跨る閾値配列を用いて多値ディザ処理を行い1
画素N(M>N>2)階調の出力画像データに変換して
から2次元平面画像出力手段により画像出力する画像処
理装置において、ディザ処理手段は、入力画像データが
中間階調から高階調となる領域にあるときに2次元平面
画像出力手段が変換後の多値画像データを出力したとき
に出現するドットパターンの種類が、入力画像データが
低階調となる領域にあるときに2次元平面画像出力手段
が変換後の多値画像データを出力したときに出現するド
ットパターンの種類よりも多くなるように複数のディザ
閾値プレーンに跨る閾値配列を設定した画像処理装置に
ある。
【0035】また、本発明は、1画素M階調の入力階調
画像データを画像変換手段により基準閾値配列を用いて
K(K≧2)画素N(N≧2)階調の出力画像データに
変換してから2次元平面画像出力手段により画像出力す
る画像処理装置において、2次元平面画像出力手段とし
て主走査方向と副走査方向とで異なる出力精度をもつ2
次元平面画像出力手段を使用し、画像変換手段は、基準
閾値配列を、規定の閾値範囲内で相対的に中間階調から
高階調となる領域において局所的に非周期的な閾値配列
特性を持ち、かつ2次元平面画像出力手段の出力精度が
相対的に低い走査方向にドットが優先的に連なって順次
成長するような非等方的な閾値配列特性を持つように設
定した画像処理装置にある。
【0036】また、本発明は、1画素M階調のカラー入
力階調画像データをディザ処理手段により基準閾値配列
を用いてディザ処理を行い1画素N(M>N≧2)階調
の出力画像データに変換してから2次元平面画像出力手
段により画像出力するカラー画像処理装置において、2
次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査方向と
で異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段を使用
し、ディザ処理手段は、少なくとも2種類の色成分に対
する基準閾値配列を、規定の閾値範囲内で相対的に中間
階調から高階調となる領域において局所的に非周期的な
閾値配列特性を持ち、かつ2次元平面画像出力手段の出
力精度が相対的に低い走査方向にドットが優先的に連な
って順次成長するような非等方的な閾値配列特性を持つ
ように設定したカラー画像処理装置にある。
【0037】また、本発明は、1画素M階調のカラー入
力階調画像データをディザ処理手段により基準閾値配列
を用いてディザ処理を行い1画素N(M>N≧2)階調
の出力画像データに変換してから2次元平面画像出力手
段により画像出力するカラー画像処理装置において、2
次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査方向と
で異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段を使用
し、ディザ処理手段は、少なくとも2種類の色成分に対
しては規定の閾値範囲内で相対的に中間階調から高階調
となる領域において局所的に非周期的な閾値配列特性を
持ち、かつ2次元平面画像出力手段の出力精度が相対的
に低い走査方向にドットが優先的に連なって順次成長す
るような非等方的な閾値配列特性を持つ基準閾値配列を
用いてディザ処理を行う第1のディザ処理機能と、残り
の色成分に対しては局所的に周期的で、かつ規則的な閾
値配列特性を持つ基準閾値配列を用いてディザ処理を行
う第2のディザ処理機能とを備えたカラー画像処理装置
にある。
【0038】また、本発明は、1画素M階調のカラー入
力階調画像データをディザ処理手段により基準閾値配列
を用いてディザ処理を行い1画素N(M>N≧2)階調
の出力画像データに変換してから2次元平面画像出力手
段により画像出力するカラー画像処理装置において、2
次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査方向と
で異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段を使用
し、ディザ処理手段は、少なくとも2種類の色成分に対
しては規定の閾値範囲内で相対的に中間階調から高階調
となる領域において局所的に非周期的な閾値配列特性を
持ち、かつ2次元平面画像出力手段の出力精度が相対的
に低い走査方向にドットが優先的に連なって順次成長す
るような非等方的な閾値配列特性を持つ基準閾値配列を
用いてディザ処理を行う第1のディザ処理機能と、残り
の色成分に対しては誤差拡散処理によりディザ処理を行
う第2のディザ処理機能とを備えたカラー画像処理装置
にある。
【0039】さらに、本発明は、少なくともイエローを
含む複数色からなる1画素M階調のカラー入力階調画像
データをディザ処理手段により複数のディザ閾値プレー
ンに跨る閾値配列を用いて多値ディザ処理を行い1画素
N(M>N>2)階調の出力画像データに変換してから
2次元平面画像出力手段により画像出力するカラー画像
処理装置において、ディザ処理手段は、イエロー成分の
実質解像度が他の色成分の実質解像度よりも低下する複
数のディザ閾値プレーンに跨る閾値配列を用いて多値デ
ィザ処理を行うカラー画像処理装置にある。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。なお、この実施の形態は本発明をカラー
インクジェットプリンタに適用したものについて述べ
る。図1は、全体のハードウェア構成を示すブロック図
で、ホストコンピュータ11からプリンタ12に対して
1画素M階調のカラー画像データを転送するようになっ
ている。すなわち、ホストコンピュータ11はプリンタ
12とのインターフェース特性に合わせて、ドライバ1
11からプリンタ12のプリンタコントローラ121に
コードあるいはラスタのデータを転送するようになって
いる。
【0041】前記プリンタ12は、前記プリンタコント
ローラ121により、プリンタエンジン122を駆動制
御するようになっている。前記プリンタコントローラ1
21は、前記ホストコンピュータ11から送られてきた
コード化された画像データ、例えばPDL等のページ記
述言語をビットマップに展開し、かつ、各画像処理を行
った後、内蔵しているイメージメモリに格納するように
なっている。
【0042】前記プリンタエンジン122は、前記プリ
ンタコントローラ121からのビットマップの画像デー
タを駆動信号に変換し、用紙の搬送やカラーインクジェ
ットヘッドの駆動等を行って印字動作を行うようになっ
ている。
【0043】なお、前記ホストコンピュータ11とプリ
ンタ12との関係は必ずしも1対1である必要はなく、
最近普及しているネットワークにネットワークプリンタ
として使用しても良く、この場合は複数対1の関係にな
る。また、前記プリンタコントローラ121とプリンタ
エンジン122とのインターフェースは、基本的にプリ
ンタのアーキテクチャに依存するものであり規定化され
るものではない。
【0044】図2は、前記プリンタコントローラ121
内の画像処理部の一構成例を示すブロック図で、色変換
処理部21、BG/UCR処理部22、ガンマ(γ)補
正部23、擬似階調処理部24からなり、例えば、入力
された各色8bitのモニターなどで標準的なRGB色
信号を、先ず、色変換処理部21で、プリンタでの色再
現色のCMY色に変換してBG/UCR処理部22に供
給する。なお、R,G,Bはレッド、グリーン、ブルー
の各色を示し、C,M,Yはシアン、マゼンタ、イエロ
ーの各色を示している。
【0045】前記BG/UCR処理部22は、CMY色
から墨成分を抽出し、且つ、その後のCMY色を決定
し、最終的にCMYK色に変換してガンマ補正部23に
供給する。なお、Kはブラックを示している。
【0046】前記ガンマ補正部23は、CMYK色に対
してプリンタの実質出力特性に応じた濃度補正を行って
擬似階調処理部24に供給する。そして、前記擬似階調
処理部24は、各色毎に多値ディザ処理により1画素の
データをプリンタ12の印字能力に合わせた各色2〜4
bit程度の、より小さい階調数の多値画像データに変
換するようになっている。
【0047】図3は前記プリンタエンジン122のハー
ドウェア構成を示すブロック図で、コントロール部31
を備え、各色数bitの多値画像データにより前記コン
トロール部31は前記プリンタコントローラ121から
の画像データによりシアンインクジェットヘッド32、
マゼンタインクジェットヘッド33、イエローインクジ
ェットヘッド34、ブラックインクジェットヘッド35
をそれぞれ駆動制御するとともに、前記各ヘッド32〜
35を回転ドラムの回転軸方向に往復移動制御するヘッ
ド移動用装置36、印字用紙を回転ドラムに搬送する用
紙搬送モータ37、回転ドラムを回転駆動するドラム用
モータ38、回転ドラムに巻き付けた印字用紙を帯電固
定する帯電ローラを備えた用紙固定装置39をそれぞれ
駆動制御するようになっている。
【0048】前記プリンタエンジン122は回転ドラム
の回転軸方向に沿って前記各ヘッド32〜35を並べて
搭載した往復移動機構を設け、前記用紙搬送用モータ3
7により搬送される印字用紙を前記回転ドラムに巻き付
けるとともにこの巻き付けた印字用紙を用紙固定装置3
9で帯電固定し、その後、ドラム用モータ38により回
転ドラムを回転させるとともに前記各インクジェットヘ
ッド32〜35を印字データに基づいて駆動し、さら
に、ヘッド移動用装置36により往復移動機構を駆動
し、回転ドラムが1回転したときに各インクジェットヘ
ッド32〜35がそのインク吐出口間隔の1/2だけ移
動し、さらに続けて前記各インクジェットヘッド32〜
35を印字データに基づいて駆動し、回転ドラムが2回
転したときに1枚の印字用紙に対する印字が終了し、こ
れにより、印字用紙に対して各インクジェットヘッド3
2〜35のインク吐出間隔の2倍の解像度で印字できる
ようになっている。
【0049】前記擬似階調処理部24は本発明の要部を
構成するのもので、この処理部の機能について、例えば
8bit、256階調(0:白、255:黒)の入力階
調画像データを擬似中間調処理して各色3bit、8階
調(0:白、7:黒)に変換する場合を例として説明す
る。なお、入力、出力とも上記階調数に限定されるもの
ではなく、任意の階調数に変更できることは、以下の実
施例から容易に察することができる。
【0050】プリンタの能力として各色3bitの画像
が扱える場合、例えば、擬似階調処理によって各色3b
itの多値の画像データを得ることができる。これは、
図4に示すように1画素につき各色7種類の可変ドット
サイズを用いて、白を含め計8階調の階調を1画素内で
再現できる。なお、これを基本8階調特性と呼ぶ。
【0051】また、一般的に各階調の各ドットのサイズ
は、できれば濃度的にリニアな特性になるように各色毎
に予めサイズが調整されていることが望ましいが、プロ
セス上の制限から完全に合わせ込むことは不可能に近
い。例えば、このインクジェットプリンタについて言え
ば、輝度や濃度をリニアに持っていくよりもインク吐出
体積を各ドロップ毎に線形な特性に持っていくことの方
が比較的実現は容易である。
【0052】また、各階調のインクドロップ数や駆動波
形を調整にしてターゲット特性を合わせることもできな
くはないが、この場合駆動波形が複雑になり、冗長的な
処理になり易い。また、この基本8階調特性をターゲッ
ト特性に合わせ込んでも擬似中間調処理による全256
階調再現時においてはターゲットとした理想階調カーブ
からのずれが生ずるのは必至である。また、これらの特
性は使用する用紙の特性がわずかに異なっても大きく影
響を受ける。
【0053】従って、設計上は階調特性が大きく歪まな
い程度にできるだけシンプルな構成とし、ガンマ補正等
の処理でエンジンの印字特性を補正することが最も簡単
な手法である。但し、少なくとも最大階調値のドットサ
イズは、エンジンの持つ純解像度の正方ピクセルに対し
てこれを完全に覆う以上の径で円を形成することが一般
的である。
【0054】前記擬似階調処理部24は多値ディザ処理
を行うもので、その基本的なハードウェア構成を図5に
基づいて述べる。なお、多値ディザ処理の実現構成は、
基本的にどの様な実現方法をとっても良いが、この図5
はその一例である。
【0055】51は主カウンタであり、主走査方向に任
意の一定数で周期的にカウントするものである。そのサ
イズは、ここでは主走査方向128画素カウントまでの
周期に対応している。52は副カウンタであり、副走査
方向に任意の一定数で周期的にカウントするものであ
る。そのサイズは、ここでは副走査方向128画素カウ
ントまでの周期に対応している。
【0056】53はエンコード部で、このエンコード部
53は前記主カウンタ51及び副カウンタ52から入力
されるカウンタ値から、その位置に対応する多プレーン
のディザ閾値配列に基づいて、あるエンコードされたM
AX6bitのコードを出力する。ここで、MAX6b
itにしたことは、入力画像データが8bit、256
階調、擬似階調処理後3bit、8階調になるとしたと
き、多値ディザ処理で256階調を超えない最大再現階
調数を実現することができる閾値の最大個数xは、25
6/{x*(8−1)+1}≧1 ゆえに、x≦36
となり、従って、MAX6bitあれば多値ディザ処理
で必要十分な256階調までの擬似階調処理の再現が網
羅できることに基づいている。基本的なハードウェア構
成はRAM等で簡単に実現できる。
【0057】54はLUT(Look Up Table)部で、こ
れもRAM等からなり、コード化されたMAX6bit
のデータと8bit、256階調の入力画像データに基
づいて実際の多値ディザ処理による変換結果を、3bi
t、8階調で出力するものである。
【0058】このような構成の擬似階調処理部24は、
1画素8bit、256階調の入力画像データを、多値
ディザ処理により1画素3bit、8階調且つ256階
調までの擬似階調表現が可能となる。また、前記エンコ
ード部53、LUT部54がRAM等で構成されている
ときは、擬似階調処理する以前に、RAMの中身である
図6に示したディザ基準閾値配列や図7に示したプレー
ン間にまたがる多値閾値配列のシーケンスをもとに計算
し、テーブル化したデータを各セレクタ55、56、5
7を介して初期ロードすることにより、任意のシーケン
スに変更できる多値ディザ処理が可能になる。
【0059】次に多値ディザ処理のアルゴリズムの具体
的構成について説明する。図6、7に多値ディザ処理の
シーケンスアルゴリズムの構成例を示す。説明を簡略化
するために非常に小さなサイズのディザ閾値配列で説明
をする。
【0060】図6は基準閾値配列であり、ここでは45
度のスクリーン角を持つスクリュー型のディザマトリク
スである。この場合、1画素8値の擬似階調再現数は、
8×(8−1)+1=57階調であり、本来からすれば
階調数が少ないが、説明を簡単化するためこの57階調
の構成で説明する。尚、階調数が増えても基本的な処理
の構成は何ら変わらない。
【0061】図6の基準閾値配列の場合は図5における
主カウンタ51及び副カウンタ52のbit数は共に2
bitであり、これをエンコード部53でエンコードし
た3bitのデータと入力画像データとからLUT部5
4で多値ディザ処理を行い3bitの画像データとして
出力する。
【0062】この図6を基準閾値配列として用いた場合
の、深さ方向、すなわち、画素レベル方向の閾値配列の
シーケンスを図7の(a)、(b)、(c)に示す。この閾値は
0〜255で正規化しておらず単純な閾値の大小の連番
で表わしている。なお、図7において横方向の軸項目は
基準閾値を表しており、縦方向の軸項目は多値プレーン
のレベル番号を示している。
【0063】先ず、図7の(a)の閾値配列のシーケンス
は、図45の(a)と同じ閾値配列構成であり、理想的な
閾値配置ではあるが、印字精度の影響を受け易く濃度ム
ラや縦スジの問題が発生する。また、図7の(b)の閾値
配列のシーケンスは、図45の(b)と同じ閾値配列構成
であり、エンジン精度からくる濃度ムラや縦スジの問題
は目立ちにくくなるが解像度が落ちるという問題が発生
する。また、図7の(c)の閾値配列のシーケンスは、そ
の中間特性を示す閾値配列構成例である。図8に一面均
一な中間階調で図6の基準閾値配列を使用したときの上
記3種類の多値ディザ処理による印字例を示す。図8の
(a)は、図7の(a)による印字結果であり、図8の(b)
は、図7の(b)による印字結果であり、図8の(c)は図7
の(c)による印字結果である。
【0064】以上のような多値ディザ処理の構成におい
て、上記ディザ基準閾値配列と複数の多値ディザ閾値プ
レーン間のシーケンスの両面に関してこれらを組み合わ
せてプリンタに最適な画像再現性を実現する手法につい
て以下に述べる。なお、これら2つの基本構成は、画質
的な観点から図7に示すようにお互いに何らかの相関性
を持っている。また、もう一つ多値ディザ処理の特徴と
して、説明の簡略化のため図7の(a)のシーケンスを例
にとって説明する。
【0065】図9に示すように、多値ディザ処理の出力
において2値ディザ処理の出力と同じように印字される
画素がオンかオフ(ベタ白)の状態をとるのは閾値的に
第1閾値プレーンのみが対象となる低階調部、すなわ
ち、ハイライト部だけである。第1閾値プレーンでの閾
値比較がすべてオンになる、より高い階調部ではすべて
の画素に何らかサイズのドットが埋まっている状態とな
り、どちらかと言えば非常に空間周波数の高いAM変調
的な出力特性となる。この場合、各画素が1つの網点に
相当し、この各網点が徐々に成長していくようなイメー
ジとなる。なお、網点自体の再現レベル数は少ない。
【0066】このようなドット形成行程は、同じ解像度
であれば2値のオンかオフの状態をとるドット再現方式
よりも、特に、粒状性の点においてはるかに高画質な画
像を得られることが判っている。さらに、2値ディザ出
力と同じFM変調的に再現される第1閾値プレーン中に
おいて処理される程度の低階調部においては、通常の2
値のプリンタに比べてプリンタのもつ解像度ピッチに対
する用紙上に形成されるドットが非常に小さいため粒状
性の良い画像を得ることができる。
【0067】また、多値ディザ処理の場合、各閾値プレ
ーン毎に再現しなければならない階調数は、上記シーケ
ンスを例に取れば単純にプレーン枚数分に分割できるた
め、例えば、8値の多値ディザ処理の場合は、256/
(8−1)≒36階調分で済み、この階調再現を7閾値
プレーン分繰り返し行うだけである。従って、36階調
分だけのパターン設計の最適化を行えば済むので、2値
のように全256階調分において周期性が無く、さら
に、テクスチャを発生させないようにしなければならな
い閾値設計に比べ比較的簡単に最適化が行える。
【0068】この例のように、多値の画素を形成できる
出力装置である場合、最小ドロップ、つまり第1基本階
調ドットから第数基本階調ドット(なお、これは用紙や
印字精度によって異なる。)のドットサイズは、そのプ
リンタのもつ解像度ピッチに対して図4にも示すよう
に、より小さいため、隣接するドット同士は接触しな
い。このような場合はできるだけ各ドットが分散するよ
うなパターンの設計ができ、その方が視覚的にも好まし
い。また、この時さらにディザ閾値配列が視覚上強調的
に繰り返し周期が見えないような設計をした方が好まし
い。
【0069】このような多値ディザ画像を形成できるプ
リンタである場合、ドットをなるべく分散させたディザ
閾値配列を設計することができるが、一方、実際のプリ
ンタにおいては、主/副走査方向の2次元平面上の両走
査方向に対して物理的な精度が全く同じとなることは希
であり、通常、プリンタのアーキテクチャによりどちら
か一方の精度が落ちることが普通である。インクジェッ
トプリンタの場合は、記録素子であるインク吐出口から
吐出されるインク体積や方向のばらつきにより、主走査
方向に精度が落ちることになる。
【0070】この時、なるべく全方位にわたって等方的
に分散するドットを再現するディザ処理では、印字精度
に偏りがあるにもかかわらず等価的な処理が行われるた
め、印字精度の補償が実質的に行われていないことにな
る。実印字上の濃度ムラやスジに起因する不必要なノイ
ズ周波数成分がうまく打ち消されない。但し、基本解像
度ピッチに対して隣接ドットが離れているような低階調
部の場合はこの濃度ムラやスジは視覚に比較的目立ち難
く、ちょうど隣接ドットが接するか接しないか程度の中
間から高階調部のドットサイズの場合に最も目立つよう
になる。
【0071】さらに、このような多値のプリンタの場
合、基本階調特性にもよるが大抵の場合において低階調
部においては微小ドットが局所的に非周期的なランダム
に分散されたドットパターンよりも周期的に規則的に分
散された組織的ディザによるドットパターンの方が視覚
的に好ましい滑らかな出力を得る。但し、人間の視覚特
性は水平方向及び垂直方向に強い感度を示すため、隣り
合うドットが斜め方向に並んでいる方が更に高画質を得
ることができる。
【0072】また、用紙上に形成する最大の第7基本階
調ドットを少なくとも基本解像度の正方ピクセルを完全
に覆うサイズに設定した場合、他の各基本階調ドット特
性は一般的に図10のようになる。なお、図10は、適
当な用紙上に各基本階調毎にその同一サイズドットを一
面に印字した場合の各濃度を測定したものである。この
図から判ることは、第0基本階調濃度、つまり用紙のベ
タ白濃度から第1ドロップにより全体を埋め尽くされた
第1基本階調濃度の差は、他の隣接基本階調間の濃度差
よりも大きくなるということである。従って階調再現上
非常に重要な低階調部の再現において単純な多値ディザ
閾値シーケンスでは低階調部での階調分解能が低くな
り、各階調間の濃度変化が大きく、階調ジャンプが視覚
に目立ちや易くなる可能性もある。
【0073】上記点を考慮し、図11を用いて、8bi
t、256階調(0:白、255:黒)の入力階調画像
データを擬似中間調処理して各色3bit、8階調
(0:白、7:黒)に変換する場合を具体的に説明す
る。図11のA2は基準閾値配列を示し、マトリクスサ
イズは30×30である。
【0074】ここで、多値ディザ処理で256階調を超
えない最大再現階調数を実現することが可能な異なる閾
値の最大個数xは、256/{x*(8−1)+1}≧
1 ゆえに、x≦36である。これは言い換えると7
プレーンある閾値配列のうち各閾値プレーンが担当する
階調数は36階調分と言うことである。つまり、1プレ
ーン中36階調分の出力パターンが存在することにな
る。因みに、この時全閾値プレーンでは36*7+1=
253階調の階調が再現できる。
【0075】この36階調分を最小単位のマトリクスで
構成した場合6×6となり、この各6×6の閾値マトリ
クス内の任意画素を1つずつオンすることによって36
階調分の階調を再現できる。ここで、図11に示すよう
に6×6の閾値配列A1を最小ディザ単位とすると、3
0×30の全閾値配列A2は、A1の最小閾値配列が主走
査方向に5つ、副走査方向に5つの計25個がちょうど
収まるサイズである。このようにマトリクスサイズを最
小ディザ単位の整数倍にすれば、組織的ディザによる繰
り返し処理の繋ぎ目もスムーズに移行でき都合がよい。
【0076】次に基準閾値の配置の仕方であるが、図1
1の各閾値マトリクス内に記されている数値をもって説
明する。なお、閾値マトリクスが空白な部分は5以上の
数値が埋められることを意味している。また、ディザ処
理は、閾値の小さい順に入力階調が大きくなるに従って
出力画素がオンになっていく。
【0077】低階調部においては、図11に示すよう
に、各閾値が1〜4まで順番にオンされていくがこの閾
値配列を見れば判るように、低階調部では局所的に周期
的な(6×6単位マトリクス)ディザの閾値配列として
いる。さらに、この周期的な組織的ディザの閾値配列
は、近接画素間で水平あるいは垂直方向に配置されるこ
とがないように工夫されている。これにより低階調部で
は周期的かつ視覚に目立たない滑らかな階調再現が実現
される。また、実験によりこの周期的なディザ配列とな
る隣接する画素の間隔は、2画素より間隔が開いてい
る。すなわち、水平方向あるいは、垂直方向に1つおき
の配置にならないようになっている。このようにすれば
低階調部の粒状性は低下しない。
【0078】次に、空白部へ閾値を埋めていく処理を行
うが、基本的には各最小ディザ単位の内の1画素が入力
階調毎にそれぞれ1つずつオンしていけば全36階調が
再現できるわけである。低階調部での周期的な組織的デ
ィザの閾値配置から、次に相対的に中階調部から高階調
部にかけて(この例では、閾値5〜36の範囲)は、隣
接最小ディザブロック間で局所的に非周期である出力パ
ターンとなるような閾値構成を実現させる。
【0079】これを実現させる最も簡単な方法は、乱数
により、残りの未閾値化部分である閾値5〜36の範囲
を決定していく方法である。つまり、個々の最小ディザ
単位毎にランダムに次の階調値部分を選択していき、こ
の選択した部分に小さい順に閾値を割り当てる。これに
より全マトリクスサイズにわたって、1〜36の閾値を
割り振ることができる。
【0080】一般的に、乱数により決定された閾値パタ
ーンは均一階調面を処理した場合、視覚に不快な連続面
を構成することによる障害が生じノイジーとなることが
判っているが、ここでは低階調部において最も均質に分
散された組織的な閾値配列としていること、さらに、マ
ルチレベルによるプリンタにおいては低い基本階調ドッ
トでは隣接するドット同士は接触しないため、2値の場
合に比べて視覚に不快な黒塊が認識しにくい。従って、
乱数によって残りの閾値を生成しても視覚に不快なテク
スチャは発生しない。
【0081】一方、さらに好適な閾値の求め方は、各基
本ディザ単位内で最も分散性が良くなる部分を周辺の最
小ディザ単位をも参照しながら畳込みフィルタ処理によ
り算出していく方法である。この処理を図12の流れ図
に示す。
【0082】先ず、ステップS1にて、図11の数値1
〜4で示された閾値の個所がオンになった状態を想定
し、このオンの部分を1、残りの部分を0としたサイズ
30×30のパターンを初期パターンとする。次に、ス
テップS2にて、この初期パターンに対して、畳込みフ
ィルタ処理を行い、値が0である位置のパターン内で最
も疎になる部分、すなわち、フィルタの演算の結果、最
小の値をとる部分を検出する。この時、好適なフィルタ
の一例として下記式の形状のフィルタを使用すると、優
れた出力パターンを得られることが判った。
【0083】
【数1】
【0084】なお、ここで、iは主走査方向の畳み込み
変数、jは副走査方向の畳み込み変数、ki,kj、n
は任意の定数である。
【0085】そして、ki,kjは実際に印字されるド
ット径(最小ドット径)及びピッチ間隔によって最適な
値が決まり、指数部nはドット形状、特にドットのエッ
ジ形状によって最適な値が決まるようになっている。本
式は用紙上に印字されるインクドットの光学的特性をパ
ターン化した近似計算モデルである。
【0086】この時同じ値をとる位置が複数ある場合が
想定される。これは初期パターンが周期的な組織的ディ
ザであるがため起り易いが、この時どの位置を選択する
かをランダムに選択しても最初に得られた位置としても
好適な結果が得られる。
【0087】続いてステップS3にて、この検出された
位置の画素に対してその順位を保存し(この場合は、対
象が最小ディザ周期単位ではなく、全マトリクスサイズ
での一連の順位が決定される。)、さらに、その位置の
ビットを0から1に変更したパターンを生成する。これ
を0のビットパターンが無くなるまで繰り返し行い、全
30×30画素の優先順位を決定する。なお、優先順位
の割り当ては、既に周期的なパターンで再現する部分
(25×4=100個)を予め最初の順位割り振ってお
くと、計算行程では101〜900までの優先順位が得
られ、これを5〜36の閾値に割り振ることにより行
う。
【0088】この優先順位に従って、閾値を割り当てて
いく。サイズ30×30のマトリクスの場合は、25個
の画素づつ閾値が1つづつ増加していくような割り当て
となる。これにより残りの5〜36の閾値を持つ画素の
位置が決定され、最終的に30×30のマトリクス内全
ての閾値が埋まる。これが30×30サイズのディザ基
準閾値配列となる。
【0089】この時、さらに相対的に印字精度の低い方
向にドットが連なるように閾値を生成するように、フィ
ルタ演算の重みを主走査方向と副走査方向で相対的に変
える。つまり上記数1式のki、kjの値に重みを持た
せる。詳しくは、ki<kjとすることにより、印字精
度が低い主走査方向に連結し易いパターンを生成するこ
とができる。なお、この連結の強度は、ki、kjの比
率を変えることにより、図13に示すように印字精度に
応じて最適に設定することが望ましい。
【0090】これにより多値のプリンタの場合、非等方
に生成される基準閾値配列は、単独では印字精度に対し
て大きな補正効果を持つことはないが、各閾値プレーン
間のシーケンスと組み合わせることで、濃度ムラやスジ
といった印字誤差を大きく緩和する作用を持てるように
なる。なお、2値のプリンタで2値ディザ処理を行う場
合は、最初から解像度ピッチに対して大きなドットが隣
接画素間で連結するため濃度ムラやスジに対して強くな
る。従って、この基準閾値配列のみで効果を有する。
【0091】なお、この周期的な組織的ディザによる閾
値の配置と、局所的に非周期的なディザ閾値の配置との
切り替わりは、基本ディザ単位内の画素数のおよそ1/
10程度が良いことが分かった。これはあまり多くの画
素を組織的ディザの閾値で固定してしまうと、空いてい
る領域の自由度が著しく低くなってしまうために、特定
階調で逆に不自然なテクスチャ等が発生してしまう可能
性があるからである。実験的には、周期的な組織的ディ
ザで構成する範囲は、基準閾値範囲の0〜20%程度ま
でが良い結果を得ている。
【0092】また、マトリクスサイズであるが、このサ
イズが余りにも小さいと周期性あるいは不要なテクスチ
ャが見えてしまうので、冗長的ではない適当なサイズが
必要である。この最適サイズは、各ドットの基本特性及
び用紙との相性により変化する。各基本階調画素のドッ
ト設計上、極端に大きな非線型性を示すことが無いよう
であれば、1画素M階調の入力階調画像データを、多値
ディザ処理して1画素N(M>N>2)階調のより小さ
い階調数の画像データへ変換する場合には、多値ディザ
処理のマトリクスサイズをK×L、多値化した後の出力
階調数をN階調とおくと、
【0093】
【数2】
【0094】の範囲の整数となるようにKとLを設定
し、また特に正方マトリクス(L×L)の場合には、
【0095】
【数3】
【0096】の範囲の整数となるように設定するように
すれば周期性及びテクスチャの発生を押さえることがで
きる。この最小限界値の方は視覚的な我慢限界を示し、
最大限界値の方は冗長的なサイズにならない限界を示
す。なお、これによって導き出されるマトリクスサイズ
は、2値のストカスティックディザ一般にいわれている
128×128以上の好適サイズに対して、もはや大規
模マトリクスサイズとは呼べない小さなサイズとなり、
より小さなハードウェア構成で実現することができる。
【0097】さらに、組織的ディザの基本周期で割り切
れる整数値をとることを考えると、上記2つのマトリク
スサイズの条件を満たす、例えば、図11の右側に示す
ように30×24等の非正方のマトリクスでも良い。
【0098】ここでは最小ディザ単位を正方マトリクス
とした例について述べたが、図14に示すように最小デ
ィザ単位を長方マトリクスにしても良い。図14におい
ては、8bit、256階調(0:白、255:黒)の
入力階調画像データを擬似中間調処理して各色2bi
t、4階調(0:白、3:黒)に変換する場合を例とし
て説明する。
【0099】この場合、多値ディザ処理で256階調を
超えない最大再現階調数を実現することが可能な異なる
閾値の最大個数xは、256/{x*(4−1)+1}
≧1 ゆえにx≦85である。これは言い換えると3
プレーンある閾値配列のうち各閾値プレーンが担当する
階調数は85階調分と言うことである。なお、必ずしも
85階調にする必要はなく、説明をわかりやすくするた
めに、今回は80階調分の出力パターンを各閾値プレー
ンが担当するようにしている。因みに、この時全閾値プ
レーンでは80*3+1=241階調の階調が再現でき
る。
【0100】この80階調分を最小単位のマトリクスで
構成した場合10×8となり、この10×8の閾値マト
リクスの任意画素を1つずつオンすることによって80
階調分の階調を再現できる。ここで、図14に示すよう
に10×8の閾値配列B1を最小ディザ単位とすると、
40×40の全閾値配列B2は、B1の最小閾値配列が主
走査方向に4つ、副走査方向に5つの計20個がちょう
ど収まるサイズである。
【0101】このようにマトリクスサイズを最小ディザ
単位の整数倍にすれば、組織的ディザによる繰り返し処
理の繋ぎ目もスムーズに移行でき都合がよい。なお、図
14では主走査方向に10画素、副走査方向に8画素と
して最小ディザ単位を構成しているが、この割り振り方
を主/副走査方向に入れ替えても別に差し支えない。
【0102】また、前記ディザマトリクスのサイズは、
以下の条件にも合致していれば
【数4】 により、例えば、40×48等の非正方のマトリクスサ
イズとしても良い。
【0103】図11、及び図14の例では、最小画素数
構成のディザマトリクスに対して強制的に斜め成分を持
たせる構成とした例であるが、上述した手法を使えば、
例えば、図15に示すように、適当な階調数、適当な角
度、適当なマトリクスサイズを持つスクリーンディザマ
トリクスに関して、この低階調部のパターンのみ使って
同様に全マトリクス内の閾値を生成できる。この場合も
当然前記2つの各マトリクスサイズの条件は満足する。
【0104】また、再現する全階調数は常に256階調
にする必要はなく、スクリーンディザを使用する場合で
も固有の階調再現数が決定されてしまうので、視覚を満
足させる適当な階調数を再現できれば良い。このように
低階調部においては、周期的な組織的ディザの法則に沿
ったパターンを用いて基準閾値配列を算出することにな
る。
【0105】次に、他の好適な例について述べると、低
階調部においては局所的に非周期的なランダムな出力特
性を持つパターンとなるように、ディザの基準閾値配列
を設定し、中間階調部から高階調部にかけては、相対的
に印字精度が低い走査方向にドットが優先的に連なる非
等方的な出力パターンとなるようにディザの基準閾値配
列を設定する。
【0106】これは低階調部において、周期的にドット
を再現させるよりも、局所的に非周期的に分散させてド
ットを再現させた方が視覚特性上奇麗な出力が得られる
場合が当てはまる。この場合も基準閾値配列の0〜20
%の範囲が、印字精度によって中間階調部から高階調部
での出力特性とは異なる特性を示す範囲となる。すなわ
ち、中間階調部から高階調部では、印字精度に関わらず
濃度ムラやスジが常に見え易いが、低階調部では印字精
度によって相対的に濃度ムラやスジが見えにくい状態が
発生しやすいという特性がある。
【0107】ここで実際に印字精度の変動による濃度ム
ラやスジが比較的目立たない低階調部においても、プリ
ンタにより印字された出力の見え具合により、以下に示
すように低階調部の閾値の設定を切り替えても良い。
【0108】すなわち、低濃度部において印字ムラやス
ジが目立たないプリンタの特性の場合での閾値設定は、
図11に示すパターンの代わりに、完全に等方的で、確
率統計的にマトリクスの主走査方向/副走査方向の各行
/各列に均一数の出力ドットが発生するような出力パタ
ーンを求めこれを初期パターンとして用いても良いし、
低階調領域の任意の均一階調を、最適化した誤差拡散ア
ルゴリズムで処理して得られたパターンを初期パターン
として用いても良い。
【0109】そしてこの初期パターンを用いて、それ以
上の高階調部の閾値をランダムに作成するか、畳込みフ
ィルタを使って、相対的に印字精度が低い走査方向にド
ットが優先的に連なる非等方的な出力パターンとなる閾
値を求める。また同様に、この中間階調部から高階調部
にかけての連結強度は、印字精度に応じて最適に設定す
ることが望ましい。また、低階調部側での閾値の割り振
りは、組織的ディザのパターンのように最初から順序が
決定されているわけではないので、予め順序を確率統計
的に各低階調部においてマトリクスの各行/各列に均一
数の出力ドットが得られる閾値を求めても良いし、高階
調側の閾値算出手法を低階調側に当てはめて算出しても
良い。マトリクスサイズも比較的小さく、低階調側の階
調数はたかだか知れているので手動で最適化を行うこと
も容易である。
【0110】また、低階調部においても実際に比較的濃
度ムラやスジが目立てしまうプリンタの特性の場合は、
低階調部から率先して相対的に印字精度が低い走査方向
にドットが優先的に連なる非等方的な出力パターンとな
るようにディザの基準閾値配列を設定する。この場合の
閾値設定は、図11に示すパターンの代わりに、完全に
非等方的で、強制的にマトリクスの主走査方向に連なる
出力ドットが発生するような出力パターンを求め、これ
を初期パターンとして用いても良いし、任意の均一階調
を主走査方向に出力が連続するように誤差拡散マトリク
スの係数を最適化した誤差拡散で処理した出力パターン
を初期パターンとして用いても良い。なお、初期パター
ンとして、別に低階調部において主走査方向に連結する
特性を示す組織的ディザの閾値配列を用いても良い。そ
してこの初期パターンを用いて、それ以上の高階調部の
閾値を前記手法と同様に求める。
【0111】これにより低階調部において、周期的にド
ットを再現させるよりも、局所的に非周期的にドットを
再現させた方が視覚特性上好ましい場合においても、全
階調域で最適な出力が得られるようになる基準ディザ閾
値が求められる。また、中間階調部から高階調部では印
字ムラやスジを目立たなくさせるために非等方的なパタ
ーンとなる基準ディザ閾値を得ることが出来る。
【0112】先に述べたように、これにより生成した基
準閾値配列の各種は、多値のプリンタでは印字精度に対
して単独では大きな補正効果を持つことはないが、次に
述べる各閾値プレーン間のシーケンスと組み合わせるこ
とで、濃度ムラやスジといった印字誤差を大きく緩和す
る作用を持てるようになる。
【0113】上記では基準閾値配列について述べたが、
次に上記で得られた基準閾値配列を各マルチレベルプレ
ーン方向に展開する手法について述べる。先に説明した
ように、多値ディザ処理のシーケンスにより、面積変調
で階調を再現するプリンタではそのドット出力特性は大
きく異なってくる。
【0114】上記2つの基本構成(基準閾値配列と閾値
プレーン間のシーケンス)において、印字ムラ、スジ等
の印字精度の補償に関して言えば、複数の多値ディザ閾
値プレーン間のシーケンスを変更することによる画質改
善効果の方が大きい。
【0115】プリンタのアーキテクチャにより閾値シー
ケンスが限られてくる場合とは異なり、本実施の形態の
ようなプリンタでは比較的容易に閾値プレーン間のシー
ケンスを変更できる。但し、基本的に閾値プレーン間の
シーケンスを変更することにより、印字精度からくる印
字ムラやスジ等を比較的容易に抑制する効果を持つ反
面、解像度と階調再現性に対して大きく影響を及ぼすた
め、注意深く設計されていなければならない。
【0116】また、ここでは閾値シーケンスに関して大
きく2つの最適化のための工夫を取り入れている。先
ず、1つ目の最適化として、図10を用いて説明する。
図10は先に説明したように、面積変調で画像を再現す
る出力装置の一般的な出力濃度特性であり、中間階調部
から高階調部に比べて低階調部の再現分解能が低い。こ
れは低階調部において、基本1階調の同一サイズのドッ
トを用紙の白地部に階調が1ステップあがる毎に基準閾
値配列に従って順番に配置していくよりも、第1基本階
調のみでなく、第2基本階調以降のドットを適度に織り
交ぜて印字した場合の方が階調再現上滑らかな隣接階調
間の濃度変化を得られやすい場合があると言うことを意
味することになる。
【0117】この様子を図16に示す。図16の(a)
は、図7の(a)と同じ、解像度を最も高くする場合のシ
ーケンスによるドット成長行程である。一方、図16の
(b)に示すように、最小ドットのみの構成でなく、別の
サイズのドットを織り交ぜてやることでも理論上は同じ
濃度の出力を得ることができる。ここで図10の出力特
性から考えると、濃度的な変化は、図16の(b)の成長
行程の方が各隣接階調間では滑らかな濃度変化が得られ
る場合があると言うことである。但し、この場合、基本
1階調ドットより大きなドットを低階調部に出力させる
わけであるから、視覚上その大小の不快なパターンが見
えないことが前提である。
【0118】ここで最適なドット出力パターンを得るた
めの好適な方法としては、図17の(a)に示すような成
長を示す基本1階調のドットのみを埋めていく出力パタ
ーンの代わりに、図17の(b)に示すように、周期的な
組織的ディザの出力パターンを示す階調までの部分の
み、つまり第1基本階調のドットを全体に配置する前
に、数基本階調分、先にドットを成長させることであ
る。このドットが視覚に大きく認識できない程度の基本
階調であれば、図17の(a)に示す出力パターンより遥
かに滑らかな階調となって見えるわけである。
【0119】この図17の(b)の出力パターンに従った
閾値シーケンスを図18に示す。この例では、周期的な
組織的ディザの出力を示す基準閾値は4までであり、こ
の対応する位置に対して基本3階調までのドットを優先
的に出力させている。なお、この処理は、出力パターン
自体を視覚に対して好適なものにする効果の他、隣接ド
ット間が離れているため印字精度等にも強い出力パター
ンが得られると言う点においても有効である。この有効
範囲は全入力画像データが取りうる階調範囲のうち、そ
の値がおよそ0から10%の範囲であると、効果がより
発揮される。
【0120】上記においては、周期的な出力パターンに
対して、基本3階調までのドットを優先的に出力させる
場合について述べたが、実際、このシーケンスの設定
は、基本階調特性のドット径によって大きく左右され
る。つまりプリンタのもつ純解像度によって基本ドット
サイズは決定されるが、例えば、同じ出力階調数でも3
00dpi/600dpiでは基本となる最小ドットの
サイズ及びピッチは異なる。また、解像度が高くなれば
その実質的な設計の難易度により、理想ドット径に対し
て実測されるドットの特性は大きくずれた非線形的なも
のになってしまう。
【0121】従って、これら様々な要因による異なる基
本階調特性(特にドット径)によってシーケンスの設定
は上記した規則に従って図19の(a)、(b)に示すように
任意最適化される。また、このシーケンスの設定は同様
に印字精度により上記した規則に従って図19の(a)、
(b)に示すように任意最適化される。
【0122】一方、シーケンスに関するもう一つの好適
な例、例えば、第1基本階調において均一にドットを割
り振った場合において第1基本階調のドットサイズが極
めて微小で良好な特性をもつもので、周期的な組織的デ
ィザ配列よりも視覚に満足する出力が得られる場合につ
いて述べると、経験的に入力画像の低階調側の0〜20
%で再現される画像に対しては、隣接の画素ピッチ間隔
に対して、構成される画素のサイズが小さいため、濃度
ムラや縦スジ等が目立たないことを利用して、この範囲
にある入力画像に対しては空間周波数を上げるようにデ
ィザ閾値配列を与える。図20に一例を示す。
【0123】これにより入力画像データが低階調部のと
きに変換した多値画像データにより出現するドットサイ
ズの種類は実質的により少なく、入力画像データが中間
階調部から高階調部にかけての範囲のデータのときに
は、変換した多値画像データにより出現するドットパタ
ーンの種類が低階調部に比べて実質的に多くなる。
【0124】これによりプリンタの階調再現では非常に
重要な要素である低階調部での画素を目立たなくし、階
調再現性を向上し、濃度ムラやスジが目立ちやすい部分
は、ドットの種類を分散して濃度ムラやスジを目立たな
くさせることができる。また、ランダムに閾値を配置さ
せる場合とは異なり、各閾値プレーン間に相関があるた
め基本ディザマトリクスから各プレーンの閾値を自動的
に求めることができ、ハードウェアの簡素化も期待でき
る。
【0125】さらに、様々な要因による異なる基本階調
特性(特にドット径)によってシーケンスの設定は、上
記した規則に従って図21の(a)、(b)に示すように任意
最適化されるものである。また、このシーケンスの設定
は、同様に印字精度により上記した規則に従って図21
の(a)、(b)に示すように任意最適化されるものでもあ
る。なお、閾値シーケンスに関する例は、これもまた先
に説明した基準閾値配列の最適化と組み合わせた場合さ
らに効果を発揮する。
【0126】図22の(a)は、通常の局所的に非周期的
で均一に分散化された基準閾値配列だけに着目した場合
についてのおよそ中間階調部での閾値のオン/オフ特性
を示す。また、図22の(b)は、相対的に印字精度が低
い走査方向にドットが優先的に連なる非等方的な出力特
性を示すパターンとなるように生成した基準閾値配列に
よるおよそ中間階調部での閾値のオン/オフ特性を示
す。
【0127】一方、図23の各パターンは模式的にさま
ざまな多値ディザ処理で実際に用紙上に印字した場合の
出力パターンの様子を示す図であるが、図中点線C−C
で示された部分に相当する画素が、例えばインクヘッド
のミスディレクション等の影響で右方向にずれている。
なお、図23の(a)〜(c)はそれぞれ図7の(a)〜(c)のシ
ーケンスにそれぞれ対応している。また、図23の(c)
は、基準閾値配列的には、図22の(a)のように等方的
規則に沿ったものである。
【0128】一方、図23の(d)はこの実施の形態によ
る出力パターンの様子を示す図であり、基準閾値配列
は、図22の(b)の非等方的にしたものに相当する。図
23の(d)の場合においては基準閾値配列を横方向に優
先的に連結させている。つまり、横方向の隣接画素間の
閾値が相対的に近傍の値を取り易くなっており、横方向
に優先的にドットが成長しやすい状態をとる。
【0129】これにより図23の(c)においてもそれな
りに補正効果は期待できるが、さらに、図23の(d)の
ような出力パターンを得ることができる、基準閾値配列
及び閾値プレーン間シーケンスの構成にすることによ
り、印字位置精度が低い場合においても、より濃度ムラ
やスジをより目立たなくさせる効果を発揮する。
【0130】次に、多値ディザ閾値配列にガンマ補正を
組み込む場合について説明する。一般的に、擬似中間調
処理で再現できる理論階調数は、単位マトリクス内の異
なる閾値の総数で決定される。スクリーン系のディザ
は、パターンのサイズ、角度等の組み合わせ方によって
決まる固有数の階調再現が可能であり、ストカスティッ
ク系ディザ及び誤差拡散では通常入力階調数と同じ25
6階調の再現が可能である。
【0131】しかし、この理論階調数は擬似中間調処理
部のみを想定した場合である。実際は擬似中間調処理前
段の全ての画像処理部で階調損失が起こり得るので、最
終的に擬似中間調処理部に入力される画像データは限ら
れた階調数でしかなく、擬似中間調処理部では全く使用
されない出力パターンが存在するようになる。
【0132】通常の画像処理の流れでは、色変換→BG
/UCR→ガンマ補正→擬似中間調の順となり、各画像
処理部では、デジタル演算処理による丸め誤差あるいは
色域圧縮等による階調損失が発生する。
【0133】ここで色変換部、UCR部での階調損失
は、基本的に復元不可能であるので、ガンマ補正部と擬
似中間調部における階調再現性について述べる。
【0134】ガンマ補正処理は、エンジンの基本階調特
性を、例えば、輝度リニアや濃度リニアなどのターゲッ
ト特性に補正するための処理であり、図24に示す関係
がある。つまり測定されたエンジンの基本階調特性から
ターゲット特性に対して対象となるガンマ補正曲線を用
いて入力画像データを変換することにより、最終的に出
力される階調特性をターゲット特性に合わせ込む処理で
ある。なお、図ではターゲットカーブは直線であるが、
任意の曲線で置き換えることもできる。
【0135】一般的に、ドットを円で表現する面積変調
の出力装置の基本特性は、ターゲット特性よりガンマが
立った図24のグラフgの直線より上側の特性となる。
γ補正の実処理としては各色デジタル1LUT演算で行
われることが多い。
【0136】図24において、デジタル1LUTによる
演算では具体的に図25に示すような変換が行われる。
低階調部では、デジタル丸め誤差により複数個繰り返し
同じデータに変換され、高階調部においては飛び飛びの
値に変換される。
【0137】つまり、階調再現上重要な低階調部の再現
においては、異なる入力画像であっても出力されるハー
フトーンパターンは全く同じパターンとなり易く、高階
調部では使用されないハーフトーンパターンが存在し、
全体として階調再現数が減少し、画像処理上非常に効率
が悪いものとなってしまう。この現象は、エンジンの基
本特性がターゲット特性から離れているほどデジタル変
換精度が落ち、階調再現数が大幅に減少するようにな
る。但し、インクジェットプリンタに関して言えば、比
較的理想に近い特性を持っている。
【0138】そこで、ここではガンマ補正をハーフトー
ン処理内部に組み込み、階調損失を理論的に抑制するマ
トリクスを生成する。2値のディザ処理に関してはガン
マ補正を組み込んだディザ閾値生成方法については周知
であるが、多値ディザ処理の場合は各プレーン間の基本
階調特性が線形的ではないことから様々な閾値プレーン
間のシーケンスにすべて対応するようにした場合、従来
の手法は適用困難である。
【0139】例えば、1画素8値、マトリクスサイズが
32×32の時、ある任意の階調に対して、同時にON
/OFFが切り替わるドット数は32×32×(8−
1)/255≒28個であり、通常の擬似中間調処理で
はこの個数は各階調均等に割り付けされている。
【0140】本処理の基本原理は、このハーフトーン処
理において画素のON/OFFを決定する全閾値プレー
ン間の閾値にガンマ変換特性を組込み、全閾値プレーン
の各閾値処理において画素をONさせる個数をガンマ特
性に合わせて制御する。つまり、階調損失を引き起こす
デジタル変換のガンマ補正部をスルーして、擬似中間調
部でのONドット総数の調整だけで処理を実現すること
により、実質階調数を復元する。
【0141】この場合のON数というのは多値の場合、
画素レベル方向、すなわち、7閾値レベルのうちの何番
目の閾値までONしたかにより1画素につき最大7個の
ON数があり、この数を示している。
【0142】このガンマ補正が組み込まれた多値ディザ
閾値配列の算出の方法を図26の流れ図に示す。先ず、
ステップS11にて、予めドット数が均等に割り振られ
た多値ディザマトリクスを用いた多値ディザ処理により
実質的なエンジンの階調特性を得る。次に、ステップS
12にて、γターケッドの決定を行い、ステップS13
にて階調を0にセットする。
【0143】続いて、ステップS14にて、決定された
ターゲット特性に合わせて通常のガンマ変換と同様に、
各入力階調値に対し、このターゲット特性にあわせて変
換するガンマ補正階調値を算出する。このときガンマ補
正階調値は整数ではなく、実数として計算させると、よ
り精度を向上できる。
【0144】続いて、ステップS15にて、算出した出
力ガンマ補正階調値から、この値に最も近い値を、変化
するドット数が各階調均等に割り振られた多値ディザマ
トリクスの出力特性の曲線上から得てこのときのONド
ット数に換算する。なお、出力曲線は実際に測定した点
を用いて任意補間したものである。この時、出力ガンマ
補正階調値を実数で計算させると、1ドット単位までの
分解能が得られる。
【0145】続いて、ステップS16にて、閾値優先順
位表からON画素分の抽出を行い、ステップS17に
て、ONさせるドット数に応じて、全閾値プレーン間の
優先順位の小さい順に多値ディザの閾値を割り当て、ス
テップS18にて、階調を1つインクリメントする。そ
して、ステップS14からS18の処理を全階調にわた
って繰返し行うことで、全閾値プレーンにおいてすべて
の閾値を埋めることが出来る。
【0146】この時、多値ディザの基準閾値配列は、既
に、全ての優先順位が計算されているため、この優先順
位を図27の例に示すように各シーケンスに沿って全閾
値プレーン間において予め展開し、最終的な全閾値プレ
ーン間の優先順位を求めておく。
【0147】なお、低階調部において周期的なパターン
を出力させる場合は、基準閾値配列の優先順位は組織的
ディザの規則に沿った優先順位とし、中間階調から高階
調にかけては基準閾値配列を求める計算過程で既に基準
閾値配列内の優先順位が決定されている。
【0148】図27の例においては、説明を簡単にする
ため基準閾値は4まで、閾値プレーンは3プレーンとし
ている。なお、実際には基準閾値の優先順位は1から1
6間である。ここで、図27の閾値プレーン間のシーケ
ンスを見てみると、まず基準閾値1及び第1閾値プレー
ンの部分が対象となり、この部分に相当する部分に優先
順位が割り振られていく。次に基準閾値1及び第2閾値
プレーンの部分が対象となり、この部分に相当する部分
に次の優先順位が割り振られていく。これをシーケンス
の全順番の1〜12まで行うことにより、全閾値プレー
ン間に1から48の優先順位が割り振られる。
【0149】そしてこの優先順位に沿って対応する階調
の画素のONする数だけそれに対応する出力を示す閾値
を設定していくことにより、どのような複雑な閾値プレ
ーン間のシーケンスであっても全閾値プレーンにおいて
閾値が一意に決定される。
【0150】以上により、本実施の形態においては、基
準閾値配列と閾値プレーン間のシーケンスを最適に組み
合わせることで、1つのディザ閾値プレーンの組で印字
精度や実際のドットの出力特性に応じて各階調間で最適
な出力特性となる多値ディザ処理を行うことが可能とな
り、さらに、この多値ディザ閾値自体にガンマ補正処理
を組み込むことで、より階調再現性の高い画像を得るこ
とが可能となった。
【0151】なお、上記した実施の形態では、基本的
に、例えば、ブラックの場合など単色での構成について
述べたが、これをこのままカラー画像に拡張することは
容易に実現できる。但し、注意を要するのは色間の出力
パターンの関係に関して若干の考察が必要となる。
【0152】カラー画像の場合、通常各色毎に多値ディ
ザ処理を行う。ここでは少なくとも2色以上の色に対し
て上記した実施の形態の基準閾値配列を持つ多値ディザ
処理の構成を適用する。
【0153】いくつかの色は上記した実施の形態の基準
閾値配列の構成を使用しなくても良い。例えば、Yel
lowのように視覚に極めてドット粒子が目立ちにくい
色に関しては、上記した実施の形態の基準閾値配列の構
成を用いず、単純な従来型のディザ閾値配列を適用して
も良いし、Blackのようにエッジをより強調させた
いような色の場合は多値誤差拡散処理を適用して、より
エッジ効果を強める処理を行うこともできる。
【0154】一方、上記した実施の形態の処理を適用す
る色の場合は、例えば、全く同じ閾値パターンを各色に
適用すると、Dot−On−Dotの出力パターンとな
り、出力特性の変動等によりドット印字位置がずれた場
合、色ムラ等に弱くなってしまうという問題があるた
め、各色毎に基準閾値配列を異ならせる必要がある。こ
の場合に各色毎に基準閾値配列を個別に作成しても良い
が、一度作成した基準閾値配列を反転や回転、あるいは
シフトといった操作により作成した方がより容易に実現
である。
【0155】これは一般的に、2値のプリンタの場合は
各色のパターンの相関性により、より色モアレに関して
はシビアな設計が要求されるが、多値のプリンタの場合
は各色のパターン自体の組み合わせによる色モアレは発
生しにくいため、比較的簡単な閾値の変更操作により、
高精細な画像が得られることが期待できるからである。
また、もともと分散性の強い閾値配列でもあるので上記
閾値操作でも十分である。但し、低階調部を周期的な規
則的組織的ディザで画像を再現する場合は、それに対応
する階調部分に対しては周期性が非常に強いパターンと
なるために、色間の干渉を考慮して適度な閾値設計が必
要となる。
【0156】この好適な一例としては、最小ディザ単位
における閾値の割り当てを、例えば、図28に示すよう
に反転や回転あるいはシフトといった操作により再配置
するか、あるいはまったく別のパターンを新規に作成
し、この新規作成した基準閾値パターンをもとに全マト
リクス内の閾値を再生成すれば良い。この時、図28に
示すように各色間での低階調部においては、同じ位置に
ドットが重ならず、なるべく並置されるようにドットが
配置されることが好ましい。これは低階調部であるにも
かかわらずドットが重なってしまう部分は実質2次色と
なり、ドットの存在自体がより視覚に目立ってしまうか
らである。さらに、この階調部分は周期性を持たせてあ
るため、この周期性も目立ちやすくなってしまうからで
ある。
【0157】一方、カラーに関する閾値プレーン間のシ
ーケンスに関しては、各色成分の実質上の印字精度によ
りそのシーケンスを最適に設定することが可能である。
これは色毎の各多値ディザ処理が独立に処理されるため
であり、この構成は容易に実現できる。
【0158】また、統計的な印字精度が同じでも、一般
的に各色により濃度ムラや縦スジの視覚への影響は大き
く異なることが知られている。例えば、同じ印字精度の
時は、Y→C→M→Kの順に、より視覚にノイズとして
目立つとされている。そこで、各色による多値ディザ処
理において、各色毎に閾値プレーン間のシーケンスを適
宜変更して擬似階調処理を行うことにより、より最適な
出力画像を得ることができる。
【0159】以上、ここでは、CMYKの4色のカラー
について述べたが、これは4色に限らず、CMYの3
色、あるいは他の色の組み合わせでも容易に実現でき
る。また、この実施の形態では全般にわたって多値ディ
ザ処理について説明したが、閾値プレーン間シーケンス
の設定等、多値に限定された処理の部分を除けば大部分
は2値のディザ処理にも容易に適用できるものである。
【0160】これまで濃度ムラやスジといった印字精度
に対する画質改善について説明してきたがこれらは主に
単色毎の影響が主な要因であった。一方、カラーの場合
は、さらにC、M、Y、Kの各色のドットの微妙な重な
り方の変動から発生する色ムラの問題がある。安定した
色再現においてはこのカラーレジストレーション技術が
画質向上要因として重要な役割を持っている。
【0161】ここでKは一般にC、M、Yを置き換えた
特別な色であるということを考慮し、ここでは色に関す
る基本的な説明としてC、M、Yの3色について述べ
る。通常、カラープリンタでの色再現は紙面上で各色を
重ね合わせるか、あるいは並置させるかであり、図29
の(a)、(b)に示すように色の重なり方が印字する位置に
よって異なると、現実的なインクの分光反射特性から色
が異なって見え、色ムラが発生してしまう。
【0162】図29の(a)は一般的に並置的加法混色、
図29の(b)は減法混色と呼ばれ、色の重なり方の両極
端の状態を示すものである。実際、用紙上で形成される
各ドットの色の重なり方は、これら図29の(a)、(b)の
中間の配置となるものや1色のみずれているものなど様
々な形態が想定されるため、これら色ずれを総合的に考
慮する必要がある。
【0163】面積変調で階調を再現するプリンタにおけ
る色ズレ発生要因としては、メカずれやヘッドのスキュ
ーによるものなどがある。これらを高価な部品を使用し
たり、完全にメカ的にフィードバック補正することは不
可能ではないが、コスト上限界がある。そこで、画像処
理によってその対策を行う手法について述べる。
【0164】なお、カラーレジストレーション技術につ
いては説明を簡単にするために前述したようなミスディ
レクション等に起因する局所的な色変動ではなく用紙全
体にわたってなだらかに変化するズレに対する補正とし
て説明する。
【0165】各色ズレ要因から用紙上に形成される各色
ドット間の誤差が現実的にどの程度の範囲に収まればそ
れなりの画像として成立するかであるが、一般的には最
大ズレ量が80〜120μm程度が限界である。電子写
真方式とインクジェット方式ではプロセスの複雑さによ
り一般的に電子写真方式の方が色ズレを抑えるのが難し
い。また、色ムラは文字/線画像と写真画像とでは視覚
特性上エッジ部の色の変化が最も見苦しく見えることか
ら文字/線画像の方が画質条件的には厳しくなるのが一
般である。
【0166】色ムラに対して一般的に効果があるハーフ
トーン処理として知られているものは、大きく分けてス
クリーン処理、すなわち、網点処理とドット分散化処理
の2つの手法である。
【0167】スクリーン処理は、複数の画素で網点と呼
ばれる塊を周期的に形成し、この網点の大きさで階調を
再現する。そしてこの網点の並びを図30に示すように
各色毎に角度を変えることにより特定の色がズレた場合
でも各色のドットの重なり具合に面積補償がかかる仕組
みである。
【0168】各色の網点の生成方法、間隔及び角度の調
整は、アナログ的に高精度で行う方法やデジタル的に近
似的に行う方法等があるが、本質的な高画質化手段は同
じで解像度をより高くし、線数を確保することである。
また、基本的に出力デバイスは2値を前提とした処理で
ある。
【0169】これらのアルゴリズムは印刷機や電子写真
プリンタ等ではよく知られた手法であるが、ここでは多
値の独立した画素を形成するというプロセス手段が基本
的に異なること、より低解像度でも高画質な画像を再現
可能にするという要素があるため上記手法は適さない。
【0170】その理由は、ここでのハーフトーン処理は
多値であるため3次元的に閾値配列を指定することがで
きる。従って、基準閾値配列にスクリーン角を持たせ、
かつ画素の深さ方向への閾値順位の割り当てを図7の
(b)に示すように割り当てればそれなりにスクリーン処
理と同等の効果を得ることが期待できる。しかし、この
実施の形態の場合はピクセル中心からの単独画素成長が
基本であるので網点を形成しようとしても1つの塊とな
らずに所々に隙間が発生してしまう階調が存在する。ま
た、印刷機ほどの高解像度を有していないプリンタなど
で上記のような手法の処理を行うと実質的な解像度が大
きく低下しドットの塊自体が非常に目立ってしまうとい
う問題が発生する。
【0171】そこでこの実施の形態では、基準閾値配列
におけるドット分散化処理とディザ閾値プレーン間の閾
値配列のシーケンスとに創意を凝らすことで色ムラを抑
えることを実現する。すなわち、基準閾値配列において
は、画素を塊となるように閾値を配置するのではなく、
この個々の画素を均一分散的に配置しこの個々のドット
の密度で濃淡を表現する。このとき各色互いに分散的な
ドットの並びにより特定色がずれたとしても、そのラン
ダムさにより確率統計的に各色間の面積重なり率の変動
を抑制させるものである。
【0172】古典的なスクリーン処理に対して、このよ
うに基準閾値配列の閾値を分散的に配置することによ
り、実質解像度を高くでき、エッジの再現性を向上させ
ることができる。また、モアレやロゼッタモアレが発生
し難い。従って、プリンタのような低解像度の装置には
向いているという利点を持っている。そしてこの均一分
散化した基準閾値配列と、以下に説明するディザ閾値プ
レーン間の閾値配列のシーケンスを組み合わせて色ムラ
を抑制する。
【0173】次に、ディザ閾値プレーン間の閾値配列の
シーケンスについて説明する。ここでは各色毎の視覚に
与える影響への考察が重要である。それは色により視覚
にノイズとして与える影響が異なるためである。従っ
て、いかに実質的な解像度を落とさず、かつ粒状性を悪
化させずに色ムラを抑えるかという点について各色毎の
単色での特性及び2次色、3次色の組み合わせ特性を上
手く把握するかが重要なポイントとなる。
【0174】先ず、単色であるが、色ムラという観点か
らは単色での色再現は無視できる。しかし、2次、3次
色と色を重ねたときに発生する色ムラに対して単色での
特性を考慮することによって色ムラを抑制する有効な手
段が得られる。
【0175】一般的に視覚にノイズとして与える影響
は、Y→C→M→Kの順に大きくなるとされている。従
って、Kに対して図7の(b)のようなディザ閾値プレー
ン間の閾値配列のシーケンスを適用すれば、ドットの塊
が認識されやすく最も粒状性が悪化する。一方、Yに対
して同様のシーケンスを適用した場合は最も視覚に認識
され難く画質低下の度合いが低い。なお、C及びMはそ
の中間の特性を示す。
【0176】この単色での特徴を考慮した上で2次色、
3次色について色ムラ抑制方法を以下に説明する。色の
組み合わせ方は24bitフルカラーであれば、224
=約1600万色というように膨大な組み合わせが存在
する。本実施の形態のプリンタのように各色1画素3b
it、8階調程度で再現される低階調デバイスであれ
ば、物理的なドットサイズの組み合わせとしては、8
=512通りであるが、ハーフトーン処理と組み合わせ
て、ある任意の面積範囲を通してフルカラーに近い色の
組み合わせを疑似的に実現している。
【0177】ここで、このようなすべての色の組み合わ
せに対して、色ズレによる色ムラが同じような視覚感度
で認識されることはなく、組み合わせて再現する色によ
っては、物理的に同じ色ズレ量であっても色ムラが目立
つものと全く目立たないのもが存在する。
【0178】一般的に色ズレ等による色ムラの変動量を
表す尺度として色変動量ΔEが用いられる。このΔE
は、
【0179】
【数5】 であり、ΔEが大きいほど、色変動量が大きい。
【0180】以下、この色変動量を使用して説明する。
まず2次色において面積変調で色を再現する場合、理論
的に最も色変動量が大きくなる2色間のドット配置パタ
ーンは、図31に示すように色間の面積的な重なり率の
差が最も大きい、ドットとドットが完全に重なるdot
−on−dot状態とある色に対して別のある色が解像
度ピッチに対して半画素分ずれた状態との間での色の差
である。
【0181】なお、図31ではY−C間での色の配置を
示している。しかし、この2次色の組み合わせがC−M
であるかM−Yであるか前記Y−Cであるか、あるいは
組み合わされる各色のドットのサイズ等によっては同じ
色変動量になることはない。そこで同一階調値間での図
31に示される2種類の色間のドット配置を再現し、色
変動量を求める実験を行った結果、Y成分が含まれる2
次色において色変動量が大きくなる傾向が判明した。こ
れはM−Yの組み合わせであるRED系、Y−Cの組み
合わせであるGREEN系の色変動が大きいということ
である。
【0182】なお、C−Mの組み合わせであるBLUE
系は、REDやGREENに比べて色変動量が小さい。
つまり、単独色では最も目立たないY成分は他の色と組
み合わせた場合、最も色変動に影響を与えている。但
し、2次色の色変動量は3次色に比べて絶対値的には小
さい。
【0183】次に3次色の場合であるが、3次色におい
ても各3色の色間のドット配置がdot−on−dot
の状態になる場合とそれぞれの色が適当にずれた場合が
最も色変動量が大きくなることは容易に想像できる。3
次色の場合は2次色に比べて組み合わせ可能な色数がよ
り多くなり、色間のズレによる色変動量が2次色に比べ
てより大きくなる場合と2次色同様全く変化しない場合
とがある。しかし、傾向的に色変動量は各色のドットが
中間サイズの組み合わせの場合に大きくなることが判っ
ている。この場合においてもY成分の値が色変動に大き
く作用している。
【0184】そこでこの実施の形態では上記特徴を考慮
した上で実質的な解像度を落とさず、かつ粒状性を悪化
させずに、色ムラを抑えるために以下に述べる構成のハ
ーフトーンを実現する。
【0185】視覚にドットのパターン自体が目立つ、
C,M,Kについては、解像度を基本的に落とさず、粒
状性を悪化させないために、図7の(a)に示す閾値並び
のようなドットがより均一サイズで構成され、分散され
た最高解像度のディザ閾値プレーン間のシーケンスによ
って画像を実現する。
【0186】一方、単色では視覚にほとんどドットパタ
ーンが識別できないYについては、図7の(c)、あるい
は図7の(b)に示す閾値並びに近い、より多種のドット
サイズが出力されるディザ閾値プレーン間のシーケンス
で画像を実現する。
【0187】この処理による効果を図32及び図33を
使って説明する。なお、図32、図33はYとCの2色
での出力の様子を示しているが、MとYあるいはC、
M、Yの3次色においても同様である。
【0188】図32はYについてもCと同様の高解像度
シーケンスで処理したものである。図32の(a)は2色
間の色ずれが無い場合、図32の(b)は2色間の色ずれ
が最大で発生した場合の出力パターンの様子を示した図
である。図32の(a)においては2色間の重なりが完全
に一致し、図32の(b)においては2色間が全く重なっ
ていない。このように2色間の重なり面積率が色ズレに
よって大きく変化してしまうと色変動量が相対的に大き
くなってしまう。
【0189】一方、この実施の形態による出力パターン
を図33に示す。図33の(a)は2色間の色ずれが無い
場合、図33の(b)は2色間の色ずれが最大で発生した
場合の出力パターンの様子を示した図である。図33に
おいては最も視覚に目立たないYの出力パターンを様々
なサイズのドットで構成し、図33の(b)のように色ズ
レが発生してもドットパターンが大きい、あるYドット
は対象となるCドット以外の隣接のCドットにドットパ
ターンの重なりが発生し、ドットパターンが小さい、あ
るYドットはそのまま孤立し、全体を通しては確率的に
2色間の色の重なり面積率がおおよそ一定になるように
補償がかかるようになっている。つまり、図32のよう
な出力パターンに比べて色変動率は大きく抑制される。
【0190】従って、C、M、Kにおいては、高解像度
でのディザ閾値プレーン間のシーケンスを採用し、単色
では視覚に最も目立ち難いYのディザ閾値プレーン間の
シーケンスのみ操作して実質解像度を落とすことによっ
て、色ズレを抑制するとともに、実質解像度、あるいは
粒状性を大きく落とすこと無く、出力デバイスの解像性
能を最大限に生かした出力画像を得ることができる。
【0191】この実施の形態においては、C、M、Kに
ついては最高解像度でのハーフトーン処理を行い、視覚
に最も目立たないY成分のみのシーケンスを変更して解
像度を落とす方法について述べたが、さらに好適なC、
M、Kのパターン形成方法を以下に述べる。
【0192】C、M、Kに関して、図7の(a)のシーケ
ンスを用いるとその出力特性は粒状性の観点から見る
と、各同一サイズのベタドット出力となる階調近辺にお
いて図34に示すように、極端に他の階調部より粒状性
が良くなる部分が存在する。なお、図7に示す基準閾値
数は8と少ないが、説明の簡略化のためこのサイズで説
明を続ける。基準閾値数が変更しても基本的な動作原理
に影響はない。
【0193】この様子を図35及び図36を用いて説明
する。図35と図36はベタドット近辺のそれぞれ任意
の階調部における出力パターンを示したものである。な
お、図35と図36は基本的にドットサイズが異なるの
みである。ここで図35の(b)及び図36の(b)の部分が
同一ベタドット出力部の様子を示したものである。図3
5の(a)及び図36の(a)の部分は、図35の(b)及び図
36の(b)の部分より階調値が小さい場合、図35の(c)
及び図36の(c)の部分は、図35の(b)及び図36の
(b)の部分より階調値が大きい場合である。
【0194】この図で判るように、全く同一のサイズで
ドットが並んでいる図35の(b)及び図36の(b)の出力
パターンを見ると、図35の(a)及び図36の(a)や図3
5の(c)及び図36の(c)の出力パターンに比べて粒状性
が極端に良くなることは容易に理解できる。また、グラ
デーションのような画像を印字した場合、隣接階調間で
粒状性の違いが激しいのでテクスチャとして目立ってし
まうという問題点もある。このように階調再現性におけ
る全体のバランスの点において、ある任意の階調のみ図
34のように特別に粒状性が良くなるような出力は好ま
しいものではない。
【0195】さらに、図35の(b)及び図36の(b)のパ
ターンは、ドットが均一に並んでいるがために前記ミス
ディレクション等によるスジや濃度ムラの部分で説明し
たように、外乱等の変動に対して最も弱く、わずかな印
字ムラ等がそのまま視覚に認識できてしまう。
【0196】そこで、さらに好適な例としては、図37
に示すようなディザ閾値プレーン間のシーケンスの設定
を行うことにより、ベタドット出力となる階調再現部を
出力させないようにすることで、全体の粒状性のバラン
スを均一にする手法を実現する。つまり、図37の(a)
のシーケンスにおいてはベタドット出力となる階調の前
後で他のサイズのドットが混在するように強制的にドッ
トの閾値順序、つまり出力優先順位を変更する。この出
力の様子を図38に示す。
【0197】図38の(a)は図7の(a)に示す最高解像度
シーケンスでの出力パターン、図38の(b)は同一ベタ
ドットを防止した出力パターンである。図38の(b)を
見れば判るように、本実施の形態の手法によれば、単一
のドットで均一に埋め尽くされる階調の出力パターンは
存在しなくなり、全階調にわたって2あるいは3種類以
上のドットで構成されるようになる。
【0198】従って、全階調を通して安定した粒状性の
特性を持ったバランスの良い出力画像が得られる。な
お、図37の(a)のシーケンスは、それぞれのC、M、
Kの色の特性を考慮して、Kに対してよりノイズが目立
ち難い、C、Mに対しては図37の(b)のシーケンスに
置き替えたり、あるいはノイズが最も目立つKに対して
は図37の(c)のシーケンスに置き替えたりすることが
できる。
【0199】また、各基本階調ドット間の相対的なサイ
ズの差により、図37の(b)、(c)のようにシーケンスを
置き替えることもできる。つまり、隣接基本階調間のド
ットサイズの差が大きければ図37の(b)のシーケンス
に置き替えたり、ドットサイズに差が無ければ図37の
(c)のシーケンスに置き替えたりすることができる。
【0200】さらに、図37ではシーケンスの影響は次
の閾値プレーン1段分の影響のみであったが、C、M、
K色毎に、あるいは各基本階調ドット間の相対的なサイ
ズの差により、図39の(a)に示すようなシーケンスを
2段以上の閾値プレーンに作用させても良い。同様に実
際の出力特性を評価した上で、図39の(b)に示すよう
にこれらのシーケンスを閾値プレーン毎に変動的に設定
することも容易に実現できる。すなわち、解像度をなる
べく保ったまま、基本的に同一ベタドット部分が存在し
ない様な出力パターンを構成できれば、上記以外の任意
のシーケンスを適用することができる。
【0201】以上説明したC、M、Y、Kそれぞれ最適
なシーケンスを使用することにより、色ズレを抑制し、
さらに基本的な実質解像度を高く保ったまま粒状性が全
階調に渡って変化しない出力画像を得ることができる。
【0202】なお、この実施の形態では多値ディザ処理
について説明をしたが、これに限る必要はなく当業者で
あれば容易に濃度パターン法等にも応用できる。つま
り、多値ディザ処理においては、入力画像データとディ
ザ閾値が1:1の対応で、入力画像データと最終的に出
力される画像データは1:1の関係となるのに対して、
濃度パターン法においては、入力画像データと変換閾値
が1:K(K≧2)の対応で、入力画像データと最終的
に出力される画像データは1:K(K≧2)の関係とな
るだけである。当然、Kは主走査/副走査方向の両方、
あるいはどちらか一方にどのように拡張しても良い。
【0203】また、この実施の形態では2次元平面画像
出力手段としてプリンタを使用した場合について述べた
が必ずしもこれに限定するものではなく、CRTディス
プレイや液晶ディスプレイなどのディスプレイを2次元
平面画像出力手段として使用してもよい。
【0204】
【発明の効果】本発明によれば、プリンタ等の出力装置
の出力精度に起因した濃度ムラやスジの発生を抑えるこ
とができ、階調再現性の低下を防止できる。また、本発
明によれば、色ムラを抑制でき、階調再現性の低下を防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における全体のハードウェ
ア構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態における画像処理部の構成を示す
ブロック図。
【図3】同実施の形態におけるプリンタエンジンの構成
を示すブロック図。
【図4】同実施の形態における各階調の画素サイズを示
す図。
【図5】同実施の形態における擬似階調処理部の構成を
示すブロック図。
【図6】同実施の形態におけるディザ基準閾値配列を示
す図。
【図7】同実施の形態における閾値プレーンにおけるシ
ーケンスの一例を示す図。
【図8】図7の多値ディザ処理による各出力例を示す
図。
【図9】図7の(a)のシーケンスにおける画素成長例を
示す図。
【図10】多値ディザ処理の基本階調特性を示すグラ
フ。
【図11】同実施の形態における基準閾値配列を示す
図。
【図12】同実施の形態における閾値生成処理を示す流
れ図。
【図13】同実施の形態における各基本ディザ閾値にお
けるドット再現を示す図。
【図14】同実施の形態における他の基準閾値配列を示
す図。
【図15】同実施の形態における他の基準閾値配列を示
す図。
【図16】同実施の形態における各シーケンスの画素成
長例を示す図。
【図17】同実施の形態における各シーケンスの他の画
素成長例を示す図。
【図18】同実施の形態におけるシーケンスの一例を示
す図。
【図19】図18に示すシーケンスの変更例を示す図。
【図20】同実施の形態におけるシーケンスの他の例を
示す図。
【図21】同実施の形態におけるシーケンスの他の例を
示す図。
【図22】同実施の形態における基本ディザ閾値におけ
るドット再現を示す図。
【図23】印字ムラを含んだ各シーケンスにおける出力
パターンを示す図。
【図24】ガンマ特性及びその補正を説明するための
図。
【図25】通常のテーブル変換によるガンマ変換を示す
図。
【図26】同実施の形態におけるガンマ補正を組込んだ
全閾値プレーン間のディザ閾値を決定する処理を示す流
れ図。
【図27】同実施の形態において全閾値プレーン間の優
先順位を求める操作を説明するための図。
【図28】同実施の形態における各色間の低階調部のド
ットの配置関係を示す図。
【図29】カラープリンタによる各色の印字位置関係を
示す図。
【図30】周知のスクリーン角処理を説明するための
図。
【図31】2次色間の色ズレドット配置パターン例を示
す図。
【図32】2色間の色ズレドット配置パターン例を示す
図。
【図33】同実施の形態における2色間の色ズレドット
配置パターン例を示す図。
【図34】均一ドットによってベタ印字したときの粒状
性特性を示すグラフ。
【図35】任意ドットサイズの均一ベタ付近の印字パタ
ーンの例を示す図。
【図36】任意ドットサイズの均一ベタ付近の印字パタ
ーンの例を示す図。
【図37】同実施の形態における多値ディサ処理のシー
ケンスの他の例を示す図。
【図38】同実施の形態における他のドット配置パター
ン例を示す図。
【図39】同実施の形態における多値ディサ処理のシー
ケンスの他の例を示す図。
【図40】ライン記録ヘッド及びその印字例を示す図。
【図41】2値ディザ処理のアルゴリズムを示す図。
【図42】図41の2値ディザ処理による印字出力例を
示す図。
【図43】多値ディザ処理のアルゴリズムを示す図。
【図44】図43の多値ディザ処理による印字出力例を
示す図。
【図45】多値ディザ処理のシーケンスを示す図。
【図46】従来におけるライン記録ヘッドによる印字ム
ラの例を示す図。
【符号の説明】
24…擬似階調処理部 32〜35…インクジェットヘッド 51…主カウンタ 52…副カウンタ 53…エンコード部 54…LUT部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/52 H04N 1/46 B Fターム(参考) 2C262 AA02 AA24 AA26 AA27 AB03 AB05 AB07 BB03 BB06 BB07 BB10 BB19 BB22 BB24 BB34 BC07 CA08 GA21 5B057 BA30 CA01 CA08 CB01 CB07 CC02 CD02 CD03 CE11 CE13 CE16 CH07 CH18 5C077 LL04 LL19 MP08 NN09 NN11 NN19 PP20 PP33 PQ08 RR08 RR09 TT02 TT05 TT06 5C079 HB03 LA12 LA31 LC05 LC09 LC11 MA04 NA05 PA01 PA02 PA03

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1画素M階調の入力階調画像データをデ
    ィザ処理手段により基準閾値配列を用いてディザ処理を
    行い1画素N(M>N≧2)階調の出力画像データに変
    換してから2次元平面画像出力手段により画像出力する
    画像処理装置において、 前記2次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査
    方向とで異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段
    を使用し、前記ディザ処理手段は、基準閾値配列を、規
    定の閾値範囲内で相対的に中間階調から高階調となる領
    域において局所的に非周期的な閾値配列特性を持ち、か
    つ前記2次元平面画像出力手段の出力精度が相対的に低
    い走査方向にドットが優先的に連なって順次成長するよ
    うな非等方的な閾値配列特性を持つように設定したこと
    を特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 ディザ処理手段は、基準閾値配列を、規
    定の閾値範囲内で相対的に低階調となる領域において2
    次元平面画像出力手段が等方的な出力特性を示すような
    閾値配列特性を持つように設定したことを特徴とする請
    求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 ディザ処理手段は、基準閾値配列を、規
    定の閾値範囲内で相対的に低階調となる領域において2
    次元平面画像出力手段が非等方的な出力特性を示すよう
    な閾値配列特性を持つように設定したことを特徴とする
    請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 ディザ処理手段は、規定の閾値範囲内で
    相対的に低階調となる領域において2次元平面画像出力
    手段が等方的な出力特性を示すような閾値配列特性を持
    つように設定した第1の基準閾値配列と、規定の閾値範
    囲内で相対的に低階調となる領域において2次元平面画
    像出力手段が非等方的な出力特性を示すような閾値配列
    特性を持つように設定した第2の基準閾値配列を備え、
    前記2次元平面画像出力手段の出力精度に応じて前記各
    基準閾値配列を選択することを特徴とする請求項1記載
    の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 ディザ処理手段は、基準閾値配列におけ
    る局所的に非周期的な閾値配列特性を、2次元平面画像
    出力手段の出力特性を模倣した近似計算モデルから導き
    出して設定したこと特徴とする請求項1記載の画像処理
    装置。
  6. 【請求項6】 ディザ処理手段は、基準閾値配列におけ
    る局所的に非周期的な閾値配列特性を、ランダムに導き
    出して設定したこと特徴とする請求項1記載の画像処理
    装置。
  7. 【請求項7】 非等方的な閾値配列特性を、2次元平面
    画像出力手段における主走査方向と副走査方向との出力
    精度の差が大きいときには非等方性が大きく、出力精度
    の差が小さいときには非等方性が小さくなるように設定
    したことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 ディザ処理手段は、基準閾値配列ととも
    にこの基準閾値配列に相関を持たせて生成した複数の閾
    値配列を用いてディザ処理を行うことを特徴とする請求
    項1記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 ディザ処理手段は、基準閾値配列におけ
    る規定の閾値範囲内の20%以下(但し、0は含まな
    い)の領域を相対的に低階調となる領域としたことを特
    徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 1画素M階調の入力階調画像データを
    ディザ処理手段により複数のディザ閾値プレーンに跨る
    閾値配列を用いて多値ディザ処理を行い1画素N(M>
    N>2)階調の出力画像データに変換してから2次元平
    面画像出力手段により画像出力する画像処理装置におい
    て、 前記ディザ処理手段は、入力画像データが中間階調から
    高階調となる領域にあるときに前記2次元平面画像出力
    手段が変換後の多値画像データを出力したときに出現す
    るドットパターンの種類が、入力画像データが低階調と
    なる領域にあるときに前記2次元平面画像出力手段が変
    換後の多値画像データを出力したときに出現するドット
    パターンの種類よりも多くなるように複数のディザ閾値
    プレーンに跨る閾値配列を設定したことを特徴とする画
    像処理装置。
  11. 【請求項11】 入力画像データが低階調となる領域
    は、この入力画像データが取り得る階調範囲の約20%
    以下(但し、0は含まない)の領域としたことを特徴と
    する請求項10記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 複数のディザ閾値プレーンに跨る閾値
    配列を2次元平面画像出力手段の基本階調特性から導き
    出して設定したことを特徴とする請求項10記載の画像
    処理装置。
  13. 【請求項13】 複数のディザ閾値プレーンに跨る閾値
    配列を2次元平面画像出力手段の出力精度から導き出し
    て設定したことを特徴とする請求項10記載の画像処理
    装置。
  14. 【請求項14】 1画素M階調の入力階調画像データを
    画像変換手段により基準閾値配列を用いてK(K≧2)
    画素N(N≧2)階調の出力画像データに変換してから
    2次元平面画像出力手段により画像出力する画像処理装
    置において、 前記2次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査
    方向とで異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段
    を使用し、前記画像変換手段は、基準閾値配列を、規定
    の閾値範囲内で相対的に中間階調から高階調となる領域
    において局所的に非周期的な閾値配列特性を持ち、かつ
    前記2次元平面画像出力手段の出力精度が相対的に低い
    走査方向にドットが優先的に連なって順次成長するよう
    な非等方的な閾値配列特性を持つように設定したことを
    特徴とする画像処理装置。
  15. 【請求項15】 画像変換手段は、基準閾値配列を、規
    定の閾値範囲内で相対的に低階調となる領域において2
    次元平面画像出力手段が等方的な出力特性を示すような
    閾値配列特性を持つように設定したことを特徴とする請
    求項14記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 画像変換手段は、基準閾値配列を、規
    定の閾値範囲内で相対的に低階調となる領域において2
    次元平面画像出力手段が非等方的な出力特性を示すよう
    な閾値配列特性を持つように設定したことを特徴とする
    請求項14記載の画像処理装置。
  17. 【請求項17】 画像変換手段は、規定の閾値範囲内で
    相対的に低階調となる領域において2次元平面画像出力
    手段が等方的な出力特性を示すような閾値配列特性を持
    つように設定した第1の基準閾値配列と、規定の閾値範
    囲内で相対的に低階調となる領域において2次元平面画
    像出力手段が非等方的な出力特性を示すような閾値配列
    特性を持つように設定した第2の基準閾値配列を備え、
    前記2次元平面画像出力手段の出力精度に応じて前記各
    基準閾値配列を選択することを特徴とする請求項14記
    載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 画像変換手段は、基準閾値配列におけ
    る局所的に非周期的な閾値配列特性を、2次元平面画像
    出力手段の出力特性を模倣した近似計算モデルから導き
    出して設定したこと特徴とする請求項14記載の画像処
    理装置。
  19. 【請求項19】 画像変換手段は、基準閾値配列におけ
    る局所的に非周期的な閾値配列特性を、ランダムに導き
    出して設定したこと特徴とする請求項14記載の画像処
    理装置。
  20. 【請求項20】 非等方的な閾値配列特性を、2次元平
    面画像出力手段における主走査方向と副走査方向との出
    力精度の差が大きいときには非等方性が大きく、出力精
    度の差が小さいときには非等方性が小さくなるように設
    定したことを特徴とする請求項14記載の画像処理装
    置。
  21. 【請求項21】 画像変換手段は、基準閾値配列ととも
    にこの基準閾値配列に相関を持たせて生成した複数の閾
    値配列を用いて画像変換処理を行うことを特徴とする請
    求項14記載の画像処理装置。
  22. 【請求項22】 画像変換手段は、基準閾値配列におけ
    る規定の閾値範囲内の20%以下(但し、0は含まな
    い)の領域を相対的に低階調となる領域としたことを特
    徴とする請求項14記載の画像処理装置。
  23. 【請求項23】 1画素M階調のカラー入力階調画像デ
    ータをディザ処理手段により基準閾値配列を用いてディ
    ザ処理を行い1画素N(M>N≧2)階調の出力画像デ
    ータに変換してから2次元平面画像出力手段により画像
    出力するカラー画像処理装置において、 前記2次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査
    方向とで異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段
    を使用し、前記ディザ処理手段は、少なくとも2種類の
    色成分に対する基準閾値配列を、規定の閾値範囲内で相
    対的に中間階調から高階調となる領域において局所的に
    非周期的な閾値配列特性を持ち、かつ前記2次元平面画
    像出力手段の出力精度が相対的に低い走査方向にドット
    が優先的に連なって順次成長するような非等方的な閾値
    配列特性を持つように設定したことを特徴とするカラー
    画像処理装置。
  24. 【請求項24】 ディザ処理手段は、少なくとも1種類
    の色成分に対しては予め設定した基準閾値配列をディザ
    処理に使用し、残りの色成分に対しては前記基準閾値配
    列を反転、回転あるいはシフトさせた基準閾値配列をデ
    ィザ処理に使用することを特徴とする請求項23記載の
    カラー画像処理装置。
  25. 【請求項25】 ディザ処理手段がディザ処理に使用す
    る各色成分に対する基準閾値配列は、規定の閾値範囲内
    で相対的に低階調となる領域において2次元平面画像出
    力手段が出力する各色成分の画素ドットが同一位置に配
    置されないように設定したことを特徴とする請求項23
    又は24記載のカラー画像処理装置。
  26. 【請求項26】 ディザ処理手段は、基準閾値配列を、
    規定の閾値範囲内で相対的に低階調となる領域において
    2次元平面画像出力手段が等方的な出力特性を示すよう
    な閾値配列特性を持つように設定したことを特徴とする
    請求項23記載のカラー画像処理装置。
  27. 【請求項27】 ディザ処理手段は、基準閾値配列を、
    規定の閾値範囲内で相対的に低階調となる領域において
    2次元平面画像出力手段が非等方的な出力特性を示すよ
    うな閾値配列特性を持つように設定したことを特徴とす
    る請求項23記載のカラー画像処理装置。
  28. 【請求項28】 ディザ処理手段は、規定の閾値範囲内
    で相対的に低階調となる領域において2次元平面画像出
    力手段が等方的な出力特性を示すような閾値配列特性を
    持つように設定した第1の基準閾値配列と、規定の閾値
    範囲内で相対的に低階調となる領域において2次元平面
    画像出力手段が非等方的な出力特性を示すような閾値配
    列特性を持つように設定した第2の基準閾値配列を備
    え、前記2次元平面画像出力手段の出力精度に応じて前
    記各基準閾値配列を選択することを特徴とする請求項2
    3記載のカラー画像処理装置。
  29. 【請求項29】 ディザ処理手段は、複数のディザ閾値
    プレーンに跨る閾値配列を用いて多値ディザ処理を行う
    ものであり、入力画像データが中間階調から高階調とな
    る領域にあるときに2次元平面画像出力手段が変換後の
    多値画像データを出力したときに出現するドットパター
    ンの種類が、入力画像データが低階調となる領域にある
    ときに前記2次元平面画像出力手段が変換後の多値画像
    データを出力したときに出現するドットパターンの種類
    よりも多くなるように前記複数のディザ閾値プレーンに
    跨る閾値配列を設定し、この設定したディザ閾値プレー
    ンを用いて多値ディザ処理を行うことを特徴とする請求
    項23記載のカラー画像処理装置。
  30. 【請求項30】 ディザ処理手段は、規定の閾値範囲内
    で相対的に低階調となる領域において2次元平面画像出
    力手段が等方的な出力特性を示す閾値配列特性となる第
    1の基準閾値配列を用いてディザ処理を行う第1のディ
    ザ処理機能と、規定の閾値範囲内で相対的に低階調とな
    る領域において2次元平面画像出力手段が非等方的な出
    力特性を示す閾値配列特性となる第2の基準閾値配列を
    用いてディザ処理を行う第2のディザ処理機能を備え、
    色成分に応じて前記各ディザ処理機能を選択することを
    特徴とする請求項23記載のカラー画像処理装置。
  31. 【請求項31】 1画素M階調のカラー入力階調画像デ
    ータをディザ処理手段により基準閾値配列を用いてディ
    ザ処理を行い1画素N(M>N≧2)階調の出力画像デ
    ータに変換してから2次元平面画像出力手段により画像
    出力するカラー画像処理装置において、 前記2次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査
    方向とで異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段
    を使用し、 前記ディザ処理手段は、少なくとも2種類の色成分に対
    しては規定の閾値範囲内で相対的に中間階調から高階調
    となる領域において局所的に非周期的な閾値配列特性を
    持ち、かつ前記2次元平面画像出力手段の出力精度が相
    対的に低い走査方向にドットが優先的に連なって順次成
    長するような非等方的な閾値配列特性を持つ基準閾値配
    列を用いてディザ処理を行う第1のディザ処理機能と、
    残りの色成分に対しては局所的に周期的で、かつ規則的
    な閾値配列特性を持つ基準閾値配列を用いてディザ処理
    を行う第2のディザ処理機能とを備えたことを特徴とす
    るカラー画像処理装置。
  32. 【請求項32】 1画素M階調のカラー入力階調画像デ
    ータをディザ処理手段により基準閾値配列を用いてディ
    ザ処理を行い1画素N(M>N≧2)階調の出力画像デ
    ータに変換してから2次元平面画像出力手段により画像
    出力するカラー画像処理装置において、 前記2次元平面画像出力手段として主走査方向と副走査
    方向とで異なる出力精度をもつ2次元平面画像出力手段
    を使用し、 前記ディザ処理手段は、少なくとも2種類の色成分に対
    しては規定の閾値範囲内で相対的に中間階調から高階調
    となる領域において局所的に非周期的な閾値配列特性を
    持ち、かつ前記2次元平面画像出力手段の出力精度が相
    対的に低い走査方向にドットが優先的に連なって順次成
    長するような非等方的な閾値配列特性を持つ基準閾値配
    列を用いてディザ処理を行う第1のディザ処理機能と、
    残りの色成分に対しては誤差拡散処理によりディザ処理
    を行う第2のディザ処理機能とを備えたことを特徴とす
    るカラー画像処理装置。
  33. 【請求項33】 少なくともイエローを含む複数色から
    なる1画素M階調のカラー入力階調画像データをディザ
    処理手段により複数のディザ閾値プレーンに跨る閾値配
    列を用いて多値ディザ処理を行い1画素N(M>N>
    2)階調の出力画像データに変換してから2次元平面画
    像出力手段により画像出力するカラー画像処理装置にお
    いて、 前記ディザ処理手段は、イエロー成分の実質解像度が他
    の色成分の実質解像度よりも低下する複数のディザ閾値
    プレーンに跨る閾値配列を用いて多値ディザ処理を行う
    ことを特徴とするカラー画像処理装置。
  34. 【請求項34】 ディザ処理手段は、複数のディザ閾値
    プレーンに跨る閾値配列としてイエロー成分以外の他の
    色成分の実質解像度が最高となる閾値配列を用いたこと
    を特徴とする請求項33記載のカラー画像処理装置。
  35. 【請求項35】 ディザ処理手段は、イエロー以外の他
    の色成分に対する複数のディザ閾値プレーンに跨る閾値
    配列を、任意の均一階調を再現した場合に単一サイズの
    ドットでベタ印字されることがない閾値配列としたこと
    を特徴とする請求項33記載のカラー画像処理装置。
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