JP2002015681A - カラーブラウン管装置 - Google Patents

カラーブラウン管装置

Info

Publication number
JP2002015681A
JP2002015681A JP2001081278A JP2001081278A JP2002015681A JP 2002015681 A JP2002015681 A JP 2002015681A JP 2001081278 A JP2001081278 A JP 2001081278A JP 2001081278 A JP2001081278 A JP 2001081278A JP 2002015681 A JP2002015681 A JP 2002015681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electron beam
dielectric
voltage
grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001081278A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Miyamoto
紀幸 宮本
Tsutomu Takegawa
勉 武川
Hirobumi Ueno
博文 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001081278A priority Critical patent/JP2002015681A/ja
Priority to US09/841,596 priority patent/US6703775B2/en
Publication of JP2002015681A publication Critical patent/JP2002015681A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
    • H01J29/48Electron guns
    • H01J29/50Electron guns two or more guns in a single vacuum space, e.g. for plural-ray tube
    • H01J29/503Three or more guns, the axes of which lay in a common plane

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体スクリーン全面で電子ビームスポット
の楕円歪を少なくして蛍光体スクリーン全面で良好な性
能を有するカラーブラウン管装置を提供するにある。 【解決手段】 この発明のカラーブラウン管装置の電子
銃は、主レンズを構成する最終加速電極G4とフォーカ
ス電極G3との間に1つの中間電極GMが配置され、こ
の中間電極GMには、前記最終加速電極G4に印加され
る電圧を分圧する分圧抵抗器Rにより分圧された電圧が
印加されている。フォーカス電極G3には、電子ビーム
の偏向量の増大とともに増加するダイナミック電圧が印
加され、最終加速電極G4とフォーカス電極G3の間に
誘電体Pが設けられ、この誘電体が中間電極GMに被着
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラーブラウン
管に係り、特に、蛍光体スクリーン周辺における電子ビ
ームスポット形状の楕円歪を改良し、良好な画質を有す
る画像を表示することができるカラーブラウン管装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にカラーブラウン管は、図1に示す
ように、パネル1がファンネル2に一体に接合され、パ
ネル1のフェースプレート内面には、赤、緑及び青に発
光する3色の蛍光体層からなる蛍光体スクリーン4が形
成されている。パネル1の内側には、蛍光体スクリーン
4に対向するように多数の電子ビーム通過孔が形成され
たシャドウマスク3が装着されている。ファンネル2の
ネック5内には、電子銃6が配置され、この電子銃6か
ら放出される3電子ビーム7B、7G、7Rは、ファン
ネル2の外側に装置された偏向ヨーク8の発生する磁界
により偏向されて蛍光体スクリーン4に向けられてい
る。蛍光体スクリーン4が偏向された電子ビーム7B、
7G、7Rによって水平及び垂直に走査されることによ
り、この蛍光体スクリーン4上にカラー画像が表示され
る。
【0003】このようなカラーブラウン管においては、
特に電子銃6が同一水平面上を通るセンタービーム及び
一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを
放出するインライン型電子銃に構成され、一方、水平偏
向磁界が糸巻型(ピンクッションタイプ)及び垂直偏向
磁界が樽型(バレルタイプ)となる非斉一磁界を偏向ヨ
ーク8が発生して3電子ビームを自己集中(セルフコン
バージェンス)させるインライン型カラーブラウン管が
ある。
【0004】一列配置の3電子ビームを放出するインラ
イン型の電子銃としては、各種方式のものがあるが、そ
の一種にBPF(Bi-Potential Focus)型ダイナミックフ
ォーカス(Dynamic Astigmatism Correction and Focu
s)方式といわれるものがある。このBPF型ダイナミ
ックフォーカス方式電子銃は、図2に示すように、一列
配置の3個のカソードKから蛍光体スクリーン4方向に
沿って順次配置された一体構造の第1グリッドG1乃至
第4グリッドG4からなり、その各グリッドG1〜G4
には、一列配置の3個のカソードKに対応して3個の電
子ビーム通過孔が形成されている。この電子銃では、カ
ソードKに約150Vの電圧が印加され、第1グリッド
G1は、接地され、第2グリッドG2には、約600V
の電圧が印加され、第3-1グリッドG3−1には、約
6KVの電圧が印加され、第3-2グリッドG3-2にも
約6KVの電圧が印加されている。第4グリッドG4に
は、約26KVの高電圧が印加されている。
【0005】このような電圧が印加される上述した電極
構造においては、カソードK、第1グリッドG1及び第
2グリッドG2により電子ビームが発生され、且つ、後
述する主レンズに対する物点を形成する三極部が構成さ
れる。第2グリッドG2乃至第3-1グリッドG3−1
間には、プリフォーカスレンズが形成され、このプリフ
ォーカスレンズは、前記三極部から放出される電子ビー
ムを予備集束する機能を有している。第3−2グリッド
G3-2乃至第4グリッドG4によりこの予備集束され
た前記電子ビームを、最終的に蛍光体スクリーン上に集
束させるBPF(Bi-Potential Focus)型の主レンズが形成
される。又、偏向ヨーク8によって、蛍光体スクリーン
周辺に電子ビームが偏向される場合、その偏向距離に応
じて、第3-2グリッドG3-2には、予め設定された電
圧が印加される。この電圧は、電子ビームが蛍光体スク
リーンの中心に向けられている場合に、最も低く、電子
ビームが蛍光体スクリーンコーナーに向けられるように
偏向される場合に高くなるパラボラ状の波形を有してい
る。蛍光体スクリーンコーナーに前述の電子ビームが偏
向されるに伴い、第3-2グリッドG3-2と第4グリッ
ドG4との電位差も小さくなり、前述の主レンズ強度
は、弱められ、蛍光体スクリーンコーナーに電子ビーム
が向けられた際に主レンズの強度が最も小さくなる。主
レンズの強度の変化に伴い、第3-1グリッドG3-1乃
至第3-2グリッドG3-2によって4極子レンズが形成
され、蛍光体スクリーンのコーナーに電子ビームが向け
られる際に、この4極子レンズは、最も強くなる。この
4極子レンズは、水平方向で集束作用を有し、垂直方向
で発散作用を有している。これによって、電子銃と蛍光
体スクリーンの距離が離れ、像点が遠くなることに対応
して主レンズ強度が弱められる。その結果、距離の変化
に基づくフォーカスエラーが補償され、又、偏向ヨーク
の糸巻型水平偏向磁界と樽型垂直偏向磁界とにより発生
する偏向収差が4極子レンズで補償される。
【0006】ところで、カラーブラウン管の画質を良好
にする為には、蛍光体スクリーン上でのフォーカス特性
を良好にすることが必要である。特に、一列配置の3電
子ビームを放出する電子銃を封入した方式のカラーブラ
ウン管においては、図3(a)に示すような偏向収差に
起因する電子ビームスポットの楕円歪及びにじみの発生
が問題となる。しかしながら、一般的にBPF型ダイナ
ミックフォーカス方式(Dynamic Astigmatism Correcti
on Focus方式)と呼ばれる偏向収差を補償する方式にお
いては、主レンズを形成する低電圧側電極が第3-1グ
リッドG3-1及び第3-2グリッドG3-2のように複
数に分割され、電子ビームの偏向に応じて4極子レンズ
が発生される。この方式では、図3(b)に示すような
にじみの問題を解消することができる。ところが、図3
(b)に示すように、蛍光体スクリーン水平軸端及び対
角軸端では、電子ビームスポットが横につぶれる現象が
依然発生し、前記シャドウマスク3との干渉によるモア
レ等が引き起こされ、電子ビームスポットで文字等を構
成した場合、見づらくなるという問題がある。
【0007】図4及び図5に示される光学レンズモデル
を参照して電子ビームが横に潰れる現象を以下に説明す
る。
【0008】図4(a)は、電子ビームが偏向されずに
蛍光体スクリーン中央に到達する場合に形成される光学
系及び電子ビームの軌跡を示している。図4(b)は、
電子ビームが偏向磁界により偏向されて画面周辺に到達
した場合に形成される光学系及び電子ビームの軌跡を示
している。蛍光体スクリーン上の電子ビームスポットの
大きさは、倍率(M)に依存し、電子ビーム水平方向の倍
率をMh、垂直方向倍率をMvと定義される。ここで、倍
率Mは、図4(a)及び(b)に示される(発散角αo/
入射角αi)で表すことが出来る。即ち、 Mh(水平倍率)=αoh(水平発散角)/αih(水平入射角) Mv(垂直倍率)=αov(垂直発散角)/αiv(垂直入射角) となる。
【0009】水平発散角αohと垂直発散角αovとが等し
い場合(αoh=αov)、図4(a)に示す無偏向時にお
いては、水平入射角αihと垂直入射角αivが等しく(αi
h=αiv)、水平倍率Mhと垂直倍率Mvが等しくなり(Mh
=M)、図4(b)に示す偏向時においては、水平発散
角αohが垂直発散角αovより小さく(αih<αiv)な
り、垂直倍率Mvが水平倍率Mhよりも小さくなる(Mv<
Mh)。即ち、電子ビームスポット形状は、蛍光体スク
リーン中央では、円形となるが、蛍光体スクリーン周辺
では横長となってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に、カラーブ
ラウン管の画質を良好にするためには、蛍光体スクリー
ン全面で良好なフォーカス状態を保ち、且つ、電子ビー
ムスポットの楕円歪を少なくすることが必要である。従
来のBPF型ダイナミックフォーカス方式の電子銃で
は、主レンズの低電圧側に適当なダイナミック電圧を印
加することで、主レンズ強度を可変すると同時に動的に
変化する4極子レンズを形成することで、偏向収差によ
る電子ビームの垂直方向のにじみを消すことができ、蛍
光体スクリーン全面でフォーカスすることは可能とな
る。しかしながら、蛍光体スクリーン周辺での電子ビー
ムスポットの横潰れは、顕著である。この現象は、電子
ビームを蛍光体スクリーン周辺に走査した場合に、電子
銃によって形成される電子レンズと偏向磁界の非点収差
によって水平方向倍率Mhと垂直方向倍率Mvが、Mv
<Mhの関係にあるため起こるものである。
【0011】ここで、従来技術として特開平6−124
633号公報、或いは、特願2000−73854号な
どの、電子銃構体外部に電極、或いは、コンデンサ部材
を新たに追加することによって、誘起するダイナミック
電圧を調整する方法が知られている。しかしながら、こ
れらの方法では、追加部を電極へ取り付ける際に電極の
変形を生じ、フォーカス性能が不安定になるという問題
がある。また、ブラウン管のネック、或いは、他の電極
に追加部品が近づくことによって耐圧性能の劣化が生じ
るという問題もある。さらに溶接や、部品の追加など電
子銃単価を上げる要因にもつながるものである。
【0012】一方、特開平2000−260349号公
報にて知られる方法では、複数個に分割されたフォーカ
ス電極間に誘電体を配置することによって抵抗器に接続
された電極に誘起するダイナミック電圧を調整してい
る。しかしながらこの方法では、4極子レンズおよび誘
電体が、主レンズの中心よりもカソード側に配置される
ため、水平方向倍率と垂直方向倍率との差を緩和するこ
とはできず、本発明の目的である画面周辺でのビームス
ポットの横潰れ改善はできない問題もある。
【0013】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
ものであって、その目的は、蛍光体スクリーン全面で電
子ビームスポットの楕円歪を少なくし蛍光体スクリーン
全面で良好な性能を有するカラーブラウン管を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、電子
ビームをスクリーン上に加速、集束する主レンズを含む
複数の電子レンズが形成される電子銃と、この電子銃か
ら放出した電子ビームを偏向して偏向された電子ビーム
でスクリーンを水平及び垂直方向に走査させる偏向ヨー
クと、を備え、前記電子銃の主レンズは、少なくとも電
子ビーム進行方向に沿って少なくともフォーカス電極及
び最終加速電極で構成されているカラーブラウン管装置
において、前記電子銃は、前記主レンズを構成する最終
加速電極とフォーカス電極の間に少なくとも1つの中間
電極が配置され、この中間電極には、前記最終加速電極
に印加される電圧を分圧する分圧抵抗器により分圧され
た電圧が印加され、前記フォーカス電極には、電子ビー
ムの偏向量の増大とともに増加するダイナミック電圧が
印加され、前記主レンズを形成する電極間に誘電体が設
けられ、この誘電体が前記電極のいずれかの電極に被着
形成されていることを特徴とするカラーブラウン管装置
が提供される。
【0015】また、この発明によれば、前記誘電体は、
前記ダイナミック電圧を印加される電極と前記中間電極
との間に設けられ、これら電極のいずれかに被着形成さ
れ、前記中間電極がディスク状に形成され、且つ、スク
リーンの水平方向と平行な方向に長軸をもつ非円形の電
子ビーム通過孔が形成されている上述した構成のカラー
ブラウン管装置が提供される。
【0016】更に、この発明によれば、前記誘電体は、
前記中間電極と最終加速電極間に設けられ、いずれかの
電極に被着形成され、前記中間電極はディスク状に形成
され、かつスクリーンの垂直方向と平行な方向に長軸を
もつ非円形の電子ビーム通過孔が形成されている上述し
たいずれかの構成を有するカラーブラウン管装置が提供
される。
【0017】更に、この発明によれば、前記誘電体は、
Al、AlN,Si、BaTiO、ソーダ
ライム、Si2,醐珪酸ガラス、光学ガラスからな
るセラミック又は、ガラスから選ばれた少なくとも1種
の誘電体である上述したいずれかの構成を有するカラー
ブラウン管装置が提供される。
【0018】更にまた、この発明によれば、前記誘電体
と、誘電体を被着形成する電極を構成する材料との熱膨
張特性曲線の関係は,室温以上500℃以下の範囲中の
連続した70%以上の区間における熱膨張係数の差が5
以上15×10−7/℃以下である上述したいずれかの
構成を有するカラーブラウン管装置が提供される。
【0019】水平方向倍率Mhと垂直方向倍率Mvの差
を緩和する方法として、主レンズの前段に配置された4
極子レンズを、主レンズを構成する電極の中央に形成す
ることでこの問題を緩和する。
【0020】光学モデルを使って説明すると、既に述べ
た様に従来の電子銃で電子ビームが偏向磁界により画面
周辺に到達した場合を示す図4(b)は、 Mh(水平倍率)=αoh(水平発散角)/αih(水平入射
角) Mv(垂直倍率)=αov(垂直発散角)/αiv(垂直入射
角)より αih<αivが原因となってMh>Mvが発生しているこ
とが分かる。即ち、αihを大きくし、αivを小さくする
ことで問題は緩和する。
【0021】主レンズのほぼ中央に4極子レンズを形成
した光学モデルが図5に示されている。この光学モデル
では、図4に示したモデルと同様に Mh'(水平倍率)=αoh'(水平発散角)/αih'(水平入射角) Mv'(垂直倍率) =αov'(垂直発散角)/αiv'(垂直入射
角) である。
【0022】ここで、図4(b)と第5図とを比較すれ
ば、明らかなように4極子レンズが偏向磁界によって形
成される4極子により近づくことで、 αoh(水平発散角)=αoh'(水平発散角) αov(垂直発散角)=αov'(垂直発散角) αih(水平入射角)>αih'(水平入射角) αiv(垂直入射角)>αiv'(垂直入射角) となる。即ち、 Mh'<Mh Mv'>Mv が得られ画面周辺での電子ビームスポット楕円率は、図
6に示すように緩和される。
【0023】前記のような構成にすれば、主レンズ中に
4極子レンズが形成されることとなる。また、主レンズ
を形成する電極の一部に誘電体を被着形成することで、
誘電体を被着形成した電極と対向して配置された電極に
より、前記4極子レンズの形成に必要な静電容量のコン
デンサが形成される。
【0024】以下にダイナミック電圧が印加される電極
と中間電極との間に誘電体を被着形成し、且つ、前記中
間電極に水平方向に長軸を持つ非円形の電子ビーム通過
孔が形成される電子銃における作用を説明する。
【0025】電子ビームが無偏向の状態の場合、フォー
カス電極乃至最終加速電極の電子ビーム通過孔中心軸上
の電位分布がバイポテンシャル型主レンズと同様となる
ように、分圧抵抗器から中間電極に電圧が供給されてい
る。例えば、フォーカス電極電圧が6KV、最終加速電
極電圧が26KV、かつ中間電極が主レンズの機械的中
心に配置されている場合には、中間電極に供給する電圧
は、フォーカス電極電圧と最終加速電極電圧の中間の1
6KVである。これによりフォーカス電極一中間電極間
の電界強度と中間電極一最終加速電極間の電界強度と
は、等しく、中間電極の電子ビーム通過孔近傍での電位
浸透は生じない。したがって、前記フォーカス電極乃至
最終加速電極で構成される主レンズは、バイポテンシャ
ル型電子レンズと等価となり、水平方向と垂直方向の集
束力が等しくなる。
【0026】次に電子ビームが偏向状態の場合、中間電
極には、前記フォーカス電極との間に形成されたコンデ
ンサの静電容量によって、前記ダイナミック電圧の交流
電圧成分が誘起され、中間電極電圧が上昇される。これ
によりフォーカス電極乃至最終加速電極の電子ビーム通
過孔中心軸上の電位分布がバイポテンシャル型主レンズ
とは異なり、フォーカス電極一中間電極間の電界強度が
中間電極一最終加速電極間の電界強度よりも強くなる。
結果として中間電極に形成した水平方向に長軸をもつ非
円形の電子ビーム通過孔を通して最終加速電極側に電位
浸透が生じ、主レンズ中に垂直方向に発散作用及び水平
方向に集束作用を有する4極子レンズが形成され、前記
主レンズに非点収差を生じる。これによりスクリーン周
辺での電子ビームスポットのにじみを解消するととも
に、4極子レンズが主レンズ中に形成されるため水平倍
率Mhと垂直倍率Mvとの差が縮小され、電子ビームス
ポットの楕円歪を緩和することができる。
【0027】ところで、前記4極子レンズの強度を十分
なものとするには、中間電極により高い交流電圧成分を
誘起させることが必要となる。中間電極に誘起する電圧
V1は、図7に示すようにフォーカス電極と中間電極と
の間に形成されるコンデンサの静電容量をC1、最終加
速電極と中間電極の間の静電容量をC2、フォーカス電
極に印加されるダイナミック電圧の交流電圧成分をVd
とすると、以下の式で表される。
【0028】
【数1】
【0029】従って、十分な4極子レンズ強度を得るた
めには、コンデンサの静電容量C1を大きくすればよ
く、これにより中間電極に誘起するダイナミック電圧V
1が高まってフォーカス電極一中間電極間の電界強度
と、中間電極一最終加速電極間の電界強度により大きい
差が生じ、前記主レンズ中の4極子レンズの強度が強ま
ることとなる。言い換えれば所望の4極子レンズ強度を
得るためのダイナミック電圧を低くすることができる。
【0030】一般にブラウン管は電子銃とネックとの隙
間が狭く、十分な静電容量を有するコンデンサ、即ち、
キャパシタを配置するスペースがない。
【0031】本発明によれば、コンデンサは電子銃構体
の電極ギャップ内におさまるため、誘電体の材種を選択
することで数10pF〜数1000pF以上のコンデン
サが得られ、任意の場所の静電容量を真空状態のみで形
成していた時よりも大きくすることができ、これを組み
合わせることで前記4極子レンズの強度を十分なものと
することができる。
【0032】前記C1を18.0pF、C2を2.5p
Fとすれば、中間電極に誘起する交流電圧成分V1は以
下のようになる。
【0033】
【数2】
【0034】即ち、Vdの約88%を中間電極に誘起さ
せることが可能となり、4極子レンズ強度を強めること
ができる。
【0035】また、前記中間電極の部品変形は、フォー
カス性能へ直接影響するため極力防ぐことが必要であ
る。この誘電体の被着形成は、電極自体の機械的強度を
高める他、誘電体を介して他の電極と固定すれば、電子
銃構体に組み込む際に中間電極自体に変形するような力
がかからない構造にできる作用もあり、安価で、簡単な
構造でフォーカス性能を安定的に得られるという効果も
ある。
【0036】上記の作用によって、より効率的に電子ビ
ームの楕円歪を緩和し、かつ安定したフォーカス性能を
得ることができる。
【0037】以上は誘電体をダイナミック電圧が印加さ
れる電極と中間電極との間に被着形成し、且つ、前記中
間電極に水平方向に長軸を持つ非円形の電子ビーム通過
孔を形成した場合について説明したが、誘電体を中間電
極と最終加速電極との間に被着形成し、かつ前記中間電
極に垂直方向に長軸を持つ非円形の電子ビーム通過孔を
形成した場合についても同様の作用を得ることができ
る。ただし中間電極に誘起される電圧を極力抑制するよ
うにしている点が上記説明と異なる。
【0038】この場合も,中間電極に誘起する電圧V2
は、次の式で表される。
【0039】
【数3】
【0040】従って、中間電極と最終加速電極との間に
被着形成される誘電体によって形成されるコンデンサの
静電容量C2をフォーカス電極と前記中間電極間の静電
容量C1より十分大きくすれば、中間電極に誘起するダ
イナミック電圧V2はゼロに近づき、電圧変化が非常に
小さくなる。
【0041】上記同様に、C1=2.5pF、C2=1
8.0pFとすれば、V2は以下のようになる。
【0042】
【数4】
【0043】即ち、中間電極に誘起するダイナミック電
圧をVdの約12%にまで抑制することができる。
【0044】これによりダイナミック電圧が印加されて
いるフォーカス電極と電位差を小さくすることができる
ため、フォーカス電極一中間電極間の電界強度と、中間
電極一最終加速電極間の電界強度により大きい差が生じ
る。結果として主レンズ中の4極子レンズ強度をより強
めることができ、上記同様の作用が得られる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
カラーブラウン管を実施例に基づいて説明する。
【0046】この発明のカラーブラウン管は、図1に示
した一般的なブラウン管とほぼ同様の構造を有している
ことから、その説明は、省略する。従って、ブラウン管
の構造については、図1及びその説明を参照されたい。
【0047】図8には、この発明の一実施例であるカラ
ーブラウン管の同一水平面上を通るセンタービーム及び
一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを
放出するインライン型電子銃の水平断面を示している。
図8に示されるように電子銃は、3個のカソードKと、
このカソードKを各別に加熱する図示しない3個のヒー
タと、上記カソードK上に順次隣接して配置された一体
構造の第1グリッドG1乃至第4グリッドG4とを有
し、それらが一対の絶縁支持体により一体に固定されて
いる(絶縁支持体は図示せず)。
【0048】上記グリッドのうち、第1グリッドG1乃
至第2グリッドG2は、板状に形成され、その板面に
は、それぞれ上記一列配置の3個のカソードKに対応し
て3個の電子ビーム通過孔が形成されている。また、フ
ォーカス電極である第3グリッドG3は、筒状の電極か
らなり、それぞれの電極の両端には、電子ビームの通過
孔が形成されている。最終加速電極である第4グリッド
G4の第3グリッドG3側にも電子ビーム通過孔が形成
されている。第3グリッドG3と第4グリッドG4の間
には、図9或いは図10に示す様な横長の非円形電子ビ
ーム通過孔が形成されているディスク電極GMが配置さ
れる。ディスク電極GMと第3グリッドG3との間に
は、誘電体Pがその間の間隙を埋めるように被着形成さ
れている。第3グリッドG3との間の間隔と、前記ディ
スク電極GMと第4グリッドG4との間の間隔は、等し
く設定されている。また、誘電体Pは、帯電を避けるた
めに、図11(a)及び(b)に示すように電極の開口
よりも大きな開口を有するように形成されている。
【0049】本実施例においては、誘電体にソーダライ
ムを使用した。ディスク電極GMには、熱膨張を起因と
する部品変形が生じてソーダライムが剥離することを防
止するために、熱膨張特性曲線がソーダライムに近似し
ているNi‐Fe系合金の1種である50%Ni−Fe
合金が用いられている。
【0050】図11(c)は、誘電体P配置状態を示す
図である。誘電体Pを被着したとディスク電極GMと第
4グリッドG4との間にコンデンサが形成される。静電
容量Cは、誘電体が存在する部分の静電容量Cρと真空
空間の静電容量C0を合わせたものとなり、次式で与え
られる。
【0051】
【数5】
【0052】本案施例では、電極間に誘電体を挟み込む
ように配置しており、(5)式はC=Cρとなる。
【0053】誘電体が被着形成されたディスク電極GM
と第4グリッドG4との間隔d(ここでは、誘電体Pの
厚さに相当)、真空の誘電率ε0、誘電体Pの比誘電率
εsとしたとき、コンデンサの静電容量Cρは、次式で
与えられる。間隔dが小さく及びSが大きいものほど大
容量のコンデンサが形成される。
【0054】
【数6】
【0055】本実施例では、誘電体にはεs=7.2の
材種を用いている。また、電極間の真空空間のみの状態
での静電容量はあらかじめ実測により求めており、2.
5pFであった。
【0056】よって、誘電体Pの被着後の電極間の総合
静電容量Cpは(6)式より、 Cp=7.2×2.5=18.0pFとなる。
【0057】第3グリッドG3には、約6KVの電圧に
図12(b)に示すような偏向電流に同期して、図12
(a)に示すように偏向量が増大するに従い電圧が高く
なるパラボラ状の交流電圧Vdを重畳した電圧が印加さ
れる。第4グリッドG4には、約26KVの電圧が印加
されている。ディスク電極GMには、第4グリッドG4
の電圧を分圧する分圧抵抗器Rによって約16KVの電
圧が印加されている。ディスク電極GMの第3グリッド
G3の間には、誘電体Pがその間の間隙を埋めるように
被着形成されている。
【0058】まず、電子ビームが無偏向状態の場合に
は、第3グリッドG3乃至第4グリッドG4で形成され
る主レンズは、図13(a)に示すような電界となる。
図13(a)に示す電界は、図14(a)に示すようにデ
ィスク状電極GMが配置されていない第3グリッドと第
4グリッドの2つの電極で構成するバイポテンシャル型
主レンズの電界と等価である。したがって、第3グリッ
ドG3乃至第4グリッドG4で形成される主レンズは、
水平方向の集束力と垂直方向の集束力とが等しくなり、
非点収差を有しないこととなる。この状態での光学レン
ズモデルは、既に説明した図4(a)のように示され
る。無偏向状態では、主レンズは、バイポテンシャル型
主レンズと等価のため、水平入射角αihと垂直入射角α
ivは、等しく、レンズの倍率は、水平=垂直となる。よ
って、カソードKから射出された電子ビームは、第1グ
リッドG1、第2グリッドG2を通過し、第3グリッド
G3乃至第4グリッドG4で形成された主レンズで蛍光
体スクリーン中央に集束し、ほぼ円形の電子ビームスポ
ットが形成される。
【0059】尚、図13及び図14において、符号9
は、水平断面内における電子ビームの軌跡を示し、ま
た、符号10は、垂直断面内における電子ビームの軌跡
を示している。
【0060】次に、電子ビームが偏向ヨークによって偏
向される場合について説明する。電子ビームが偏向ヨー
クによって蛍光体スクリーン周辺へ偏向されるに従っ
て、第3グリッドG3の電圧は、パラボラ電圧によって
高くなる。ここで、ディスク電極GMには、分圧抵抗器
から電圧が供給されているため、第3グリッド−ディス
ク電極間で形成されるコンデンサ静電容量C1(約1
8.0pF)、ディスク電極一第4グリッド間静電容量
C2(約2.5pF)によってパラボラ状の交流電圧成
分V1が誘起され、ディスク電極の電圧は、図12
(a)に示すように変化される。このとき、V1=0.
88Vdとなる。例えば、Vdが600Vのときは、V
1は528Vである。このときの第3グリッドG3乃至
第4グリッドG4で形成される主レンズは、図15
(a)に示すような電界となる。また、電子ビーム通過
孔中心軸上の電位分布は、図15(b)のようになる。
即ち、ディスク電極の電圧の上昇によって、第3グリッ
ド−ディスク電極間の電界強度が、ディスク電極一第4
グリッド間の電界強度よりも強くなる。結果として、デ
ィスク電極に形成した水平方向に長軸を有する非円形の
電子ビーム通過孔を介して最終加速電極側に電位浸透が
生じ、主レンズ中に垂直方向に発散作用及び水平方向に
集束作用を有する4極子レンズが形成される。これによ
り主レンズは、非点収差を有することとなる。その結
果、スクリーン周辺での電子ビームスポットのにじみが
解消されるとともに水平倍率Mhと垂直倍率Mvとの差
が縮小され、図6に示すように電子ビームスポットの楕
円歪を緩和することができる。
【0061】図16には、この発明の第2の実施例に係
るカラーブラウン管のインライン型電子銃であって、同
一水平面上を通るセンタービーム及び一対のサイドビー
ムからなる一列配置の3電子ビームを放出するインライ
ン型電子銃の水平断面を示している。インライン型電子
銃は、3個のカソードKと、このカソードKを各別に加
熱する3個のヒータ(図示せず)と、上記カソードK上
に順次隣接して配置された一体構造の第1グリッドG1
乃至第6グリッドG6とを有し、それらが一対の絶縁支
持体(図示せず)により一体に固定されている。
【0062】上記グリッドのうち、第1グリッドG1乃
至第2グリッドG2は、板状に形成され、その板面に
は、それぞれ上記一列配置の3個のカソードKに対応し
て3個の電子ビーム通過孔が形成されている。また、フ
ォーカス電極である第3グリッドG3は、筒状の電極か
らなり、それぞれの電極の両端には、電子ビームの通過
孔が形成されている。最終加速電極である第4グリッド
G4の第3グリッドG3側にも電子ビーム通過孔が形成
されている。第3グリッドG3と第4グリッドG4の間
には図17に示すような縦長の非円形電子ビーム通過孔
を形成したディスク電極GMが配置される。ディスク電
極GMと第4グリッドG4との間には、誘電体Pがその
間の間隙を埋めるように被着形成されている。ディスク
電極GMと第3グリッドG3との間隔と前記ディスク電
極GMと第4グリッドG4との間隔は、等しく設定され
ている。誘電体Pは、帯電を避けるために、図11に示
すようにディスク電極GMの開口よりも大きめに形成さ
れている開口を有している。第1の実施例と同様に、誘
電体Pには、ソーダライムを、ディスク電極GMには、
50%Ni−Fe合金を使用している。
【0063】第3グリッドG3には、約6KVの電圧に
図12(b)に示すように偏向電流に同期して、図12
(a)に示すように偏向量が増大するに従い電圧が高く
なるパラボラ状の交流電圧Vdを重畳した電圧が印加さ
れる。第4グリッドG4には、約26KVの電圧が印加
されている、ディスク電極GMには、第4グリッドG4
の電圧を分圧する分圧抵抗器Rによって約16KVの電
圧が印加されている。ディスク電極GMの前記第4グリ
ッドG4の間には、誘電体Pがその間隙を埋めるように
被着形成されている。
【0064】まず、電子ビームが無偏向状態の場合で
は、第3グリッドG3乃至第4グリッドG4で形成され
る主レンズは、第1の実施例と同様に、ディスク電極G
Mが配置されず、第3グリッドG3と第4グリッドG4
の2つの電極で構成するバイポテンシャル型主レンズの
電界と等価である。したがって、第3グリッドG3乃至
第4グリッドG4で形成される主レンズは、水平方向の
集束力と垂直方向の集束力とが等しくなり、非点収差を
有さないこととなる。よって、ほぼ円形の電子ビームス
ポットがスクリーンの中央の領域に形成される。
【0065】次に、電子ビームが偏向ヨークによって偏
向される場合について説明する。電子ビームが偏向ヨー
クによって蛍光体スクリーン周辺へ偏向されるに従って
第3グリッドG3の電圧は、パラボラ電圧によって高く
なる。ここで、ディスク電極GMには、分圧抵抗器から
電圧が供給されているため、第3グリッドーディスク電
極間で形成されるコンデンサの静電容量α(約18.0
pF)、ディスク電極一第4グリッド間静電容量C2
(約2.5pF)によって交流電圧成分V2の誘起が抑
えられ、ディスク電極の電圧は、わずかな変化しか生じ
ない。このとき、V2=0.12Vdとなる。例えば、
Vdが600Vのときは、V2は、72Vである。このと
きの第3グリッドG3乃至第4グリッドG4で形成され
る主レンズは、第18図(a)に示すような電界とな
る。また、電子ビーム通過孔の中心軸上の電位分布は、
第18図(b)のようになる。即ち、ディスク電極GM
の電圧の上昇が抑えられることによって、第3グリッド
G3−ディスク電極GM間の電界強度が、ディスク電極
GM一第4グリッドG4間の電界強度よりも弱くなる。
結果として、ディスク電極GMに形成した垂直方向に長
軸をもつ非円形の電子ビーム通過孔を介して第3グリッ
ドG3側に電位浸透が生じ、主レンズ中に垂直方向に発
散作用及び水平方向に集束作用を有する4極子レンズが
形成される。これにより主レンズは、非点収差を有する
こととなる。その結果、スクリーン周辺での電子ビーム
スポットのにじみを解消するとともに水平倍率Mhと垂
直倍率Mvとの差を縮小でき、電子ビームスポットの楕
円歪を緩和することができる。
【0066】なお、本実施例では、誘電体にソーダライ
ム(旭硝子社製)を使用しているが、耐電圧特性、ガス
放出特性から選ばれたAl,AlN, Si
、BaTiO、ソーダライム、光学ガラス、硼
珪酸ガラス、SiOからなるセラミック、又はガラス
の中から選ばれた誘電体であれば良く、材種を選択する
ことで希望の静電容量を得ることが出来る。
【0067】また、本実施例では、誘電体は、1種の誘
電体にて構成しているが、上記の中から選ばれた誘電体
であれば、複数種の誘電体を組み合わせて被着形成して
も構わない。被着形成する電極も、請求項の範囲内であ
れば、どの電極でも構わない。
【0068】誘電体を被覆する電極を構成する材料も、
本実施例では、50%Ni−Fe合金を使用している
が、被着する誘電体ごとに熱膨張特性曲線を合わせるこ
とが好ましい。その特性は、ソーダライム及び白板ガラ
ス{光学ガラス(SCHOTT社製)}で実験した結果をもとに
説明すると、誘電体が被着形成されている電極を構成す
る材料の熱膨張特性曲線と、誘電体との熱膨張特性曲線
との関係は、室温以上500℃以下の範囲中の連続した
70%以上の区間における熱膨張係数の差が5以上15
×1Oー7/℃以下で、さらに好ましくは、作業温度範囲
中、お互いの曲線の大小関係を保持したままで推移する
ものである。今回発明者らが実験した結果を表1、表2
に併せて示す。表1、表2より本実施例によれば、良好
に被着形成されたコンデンサを備えることが出来る。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、電子ビー
ムを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズに
動的に変化する非点収差効果の作用と、誘電体を被着形
成することで形成される電極間の静電容量の微調整が可
能なコンデンサを備えることにより、蛍光体スクリーン
全面で電子ビームスポットの楕円歪みを効率よく緩和さ
せ、かつ安定したフォーカス性能を得ることができ、良
好な画質のカラーブラウン管装置を提供することができ
る。
【0072】従来技術として知られている特開平6−1
24633号公報、或いは、特願2000−73854
号に方法との比較において、本発明による誘電体の被着
形成法では、電極自体の機械的強度を高める他、誘電体
を介して他の電極と固定するため、電子銃構体に組み込
む際に、中間電極自体に変形するような力がかからない
構造にできる作用もあり、安価で、簡単な構造でフォー
カス性能を安定的に得られるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なカラーブラウン管の構造を概略的に示
す断面図である。
【図2】従来のカラーブラウン管に組み込まれる電子銃
の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】(a)(b)は、図2に示す従来の電子銃によ
って蛍光体スクリーン上に形成される電子ビームスポッ
トの楕円歪を概略的に示す平面図である。
【図4】(a)(b)は、従来の電子銃を光学レンズモ
デルで表した図である。
【図5】この発明の一実施例に係るカラーブラウン管装
置に組み込まれる電子銃を光学レンズモデルで表した図
である。
【図6】図5に示した光学レンズモデルを有する電子銃
によって蛍光体スクリーン上に形成される電子ビームス
ポットの楕円率が改善された状態を概略的に示す平面図
である。
【図7】この発明の一実施例に係るカラーブラウン管装
置に組み込まれる中間電極を有する電子銃において、こ
の中間電極と他の電極に生じる静電容量を概略的に示す
断面図である。
【図8】この発明の一実施例に係るカラーブラウン管装
置に組み込まれる電子銃の構造を概略的に示す水平断面
図である。
【図9】図8に示したディスク電極の一例を示す斜視図
である。
【図10】図8に示したディスク電極の他の例を示す斜
視図である。
【図11】(a)、(b)及び(c)は、誘電体が被着
された図8に示したディスク電極の構造を示す平面図、
斜視図及び概略断面図である。
【図12】(a)及び(b)は、フォーカス電極に印加
する電圧の波形図及び偏向ヨークに供給される偏向ヨー
ク電流を示す波形図である。
【図13】(a)及び(b)は、回転対称バイポテンシ
ャルレンズの間にディスク電極を挿入した図8に示され
る電極構造における水平及び垂直断面及びその内の等電
位線を概略的に示す断面図及び軸上の電位を示すグラフ
である。中間電極と他の電極に生じる静電容量を示す図
である。
【図14】(a)及び(b)は、回転対称バイポテンシ
ャルレンズの水平及び垂直断面及びその内の等電位線を
概略的に示す断面図及び軸上の電位を示すグラフであ
る。
【図15】(a)及び(b)は、回転対称バイポテンシ
ャルレンズの間にディスク電極を挿入した図8に示され
る電極構造における水平及び垂直断面及びその内の等電
位線を概略的に示す断面図及び軸上の電位を示すグラフ
である。
【図16】この発明の他の実施例に係るカラーブラウン
管装置に組み込まれる電子銃の構造を概略的に示す水平
断面図である。
【図17】図16に示したディスク電極の形状を示す斜
視図である。
【図18】(a)及び(b)は、回転対称バイポテンシ
ャルレンズの間にディスク電極を挿入した図16に示さ
れる電極構造における水平及び垂直断面及びその内の等
電位線を概略的に示す断面図及び軸上の電位を示すグラ
フである。
【符号の説明】
k…カソード G1…第1グリッド G2…第2グリッド C3…第3グリッド G3-1…第3-1グリッド C3-2…第3-2グリッド C4…第4グリッド GM…ディスク電極 P…誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武川 勉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 上野 博文 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5C041 AA03 AA14 AB07 AB14 AC25 AC26 AC35 AC46 AD02 AD04 AE01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームをスクリーン上に加速、集束す
    る主レンズを含む複数の電子レンズが形成される電子銃
    と、 この電子銃から放出した電子ビームを偏向して偏向され
    た電子ビームでスクリーンを水平及び垂直方向に走査さ
    せる偏向ヨークと、 を備え、前記電子銃の主レンズは、少なくとも電子ビー
    ム進行方向に沿って少なくともフォーカス電極及び最終
    加速電極で構成されているカラーブラウン管装置におい
    て、 前記電子銃は、前記主レンズを構成する最終加速電極と
    フォーカス電極の間に少なくとも1つの中間電極が配置
    され、この中間電極には、前記最終加速電極に印加され
    る電圧を分圧する分圧抵抗器により分圧された電圧が印
    加され、前記フォーカス電極には、電子ビームの偏向量
    の増大とともに増加するダイナミック電圧が印加され、
    前記主レンズを形成する電極間に誘電体が設けられ、こ
    の誘電体が前記電極のいずれかの電極に被着形成されて
    いることを特徴とするカラーブラウン管装置。
  2. 【請求項2】前記誘電体は、前記ダイナミック電圧が印
    加される電極と前記中間電極との間に設けられ、この電
    極のいずれかに被着形成され、前記中間電極は、ディス
    ク状に形成され、且つ、スクリーンの水平方向と平行な
    方向に長軸をもつ非円形の電子ビーム通過孔が形成され
    ていることを特徴とする請求項1のカラーブラウン管装
    置。
  3. 【請求項3】前記誘電体は、前記中間電極と最終加速電
    極間に設けられ、この電極のいずれかに被着形成され、
    前記中間電極は、ディスク状に形成され、かつスクリー
    ンの垂直方向と平行な方向に長軸を有する非円形の電子
    ビーム通過孔が形成されていることを特徴とする請求項
    1のカラーブラウン管装置。
  4. 【請求項4】前記誘電体は、Al、AlN、Si
    ,BaTiO、ソーダライム、Si硼珪
    酸ガラス、光学ガラスからなるセラミック又は、ガラス
    から選ばれた少なくとも1種の誘電体であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかのカラーブラウン管装
    置。
  5. 【請求項5】前記誘電体と、誘電体を被着形成する電極
    を構成する材料との熱膨張特性曲線の関係は、室温以上
    500℃以下までの範囲の連続した70%以上の区間に
    おける熱膨張係数の差が5以上15×10−7/℃以下
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかのカ
    ラーブラウン管装置。
JP2001081278A 2000-04-26 2001-03-21 カラーブラウン管装置 Pending JP2002015681A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001081278A JP2002015681A (ja) 2000-04-26 2001-03-21 カラーブラウン管装置
US09/841,596 US6703775B2 (en) 2000-04-26 2001-04-25 Color cathode ray tube apparatus with an electron gun having an intermediate electrode

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-126071 2000-04-26
JP2000126071 2000-04-26
JP2001081278A JP2002015681A (ja) 2000-04-26 2001-03-21 カラーブラウン管装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002015681A true JP2002015681A (ja) 2002-01-18

Family

ID=26590859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001081278A Pending JP2002015681A (ja) 2000-04-26 2001-03-21 カラーブラウン管装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6703775B2 (ja)
JP (1) JP2002015681A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100274874B1 (ko) * 1998-11-23 2001-01-15 김순택 음극선관용 원 핀 다이나믹 전자총
JP2005322520A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Matsushita Toshiba Picture Display Co Ltd 陰極線管
KR20060098321A (ko) * 2005-03-11 2006-09-18 삼성에스디아이 주식회사 음극선관용 전자총 및 음극선관

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR930000580B1 (ko) * 1990-08-31 1993-01-25 주식회사 금성사 음극선관용 전자총
US5336444A (en) * 1992-05-29 1994-08-09 International Business Machines Corporation Ceramic via composition, multilayer ceramic circuit containing same, and process for using same
JPH06124663A (ja) 1992-10-13 1994-05-06 Toshiba Corp 陰極線管
KR100314540B1 (ko) * 1993-06-01 2001-12-28 이데이 노부유끼 음극선관용전자총
JPH10144234A (ja) 1996-11-14 1998-05-29 Matsushita Electron Corp カラー陰極線管
KR100274874B1 (ko) * 1998-11-23 2001-01-15 김순택 음극선관용 원 핀 다이나믹 전자총

Also Published As

Publication number Publication date
US6703775B2 (en) 2004-03-09
US20010050526A1 (en) 2001-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5449983A (en) Color cathode ray tube apparatus
US5519290A (en) Color cathode ray tube apparatus
JPH0360146B2 (ja)
JP2002015681A (ja) カラーブラウン管装置
US6614156B2 (en) Cathode-ray tube apparatus
JPH0636706A (ja) カラー受像管
JP3719741B2 (ja) カラー受像管装置
JP2001084921A (ja) カラーブラウン管装置
KR100432058B1 (ko) 음극선관장치
JP3672390B2 (ja) カラー陰極線管用電子銃
JPH0636705A (ja) カラー受像管
JPS63198241A (ja) カラー陰極線管
KR100405233B1 (ko) 칼라음극선관 장치
US6486624B2 (en) Cathode ray tube apparatus
JPH07169410A (ja) カラー受像管用インライン型電子銃
KR100646910B1 (ko) 음극선관장치
JPH09320483A (ja) 陰極線管用電子銃
JP3300397B2 (ja) カラー受像管
JP2878731B2 (ja) カラー受像管装置
KR20000032542A (ko) 칼라 음극선관용 전자총
JPH07282740A (ja) カラ−陰極線管用電子銃
JP2004516635A5 (ja)
JPH0883575A (ja) カラー受像管
JP2003016964A (ja) 陰極線管装置
JP2001143637A (ja) カラーブラウン管装置