JP2001143637A - カラーブラウン管装置 - Google Patents

カラーブラウン管装置

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JP2001143637A
JP2001143637A JP32659699A JP32659699A JP2001143637A JP 2001143637 A JP2001143637 A JP 2001143637A JP 32659699 A JP32659699 A JP 32659699A JP 32659699 A JP32659699 A JP 32659699A JP 2001143637 A JP2001143637 A JP 2001143637A
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electrode
focusing
voltage
grid
electron beam
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JP32659699A
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English (en)
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Kazunori Sato
和則 佐藤
Tomonari Ishihara
智成 石原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面全面でビームスポットの形状を良好にし
て品位良好な画像を表示するカラーブラウン管装置を構
成することを目的とする。 【解決手段】 カラーブラウン管装置において、電子銃
26の一列配置の3電子ビームを発生する電子ビーム発生
部をカソードおよび第1、第2、第3、第4電極G1,G2,
G3,G4 で構成し、その第1電極を接地、第2電極に集束
電極G52 よりも低い電圧、第3電極を集束電極に接続し
て、一定のフォーカス電圧に電子ビームの偏向角度の増
大にともなって上昇する電圧を重畳したダイナミック電
圧、第4電極に第3電極よりも高い電圧を印加し、第
2、第4電極により形成されるレンズが電子ビームの偏
向角度の増大にともなって垂直方向の集束が水平方向の
集束よりも強い非点収差を強める作用をもつ構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラーブラウン
管装置に係り、特に画面周辺部におけるビームスポット
の楕円歪を軽減して品位良好な画像を表示するカラーブ
ラウン管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラーブラウン管装置は、パネル
およびファンネルからなる外囲器を有し、そのファンネ
ルのネック内に配設された電子銃から放出される3電子
ビームを、ファンネルの外側に装着された偏向ヨークの
発生する水平、垂直偏向磁界により偏向し、シャドウマ
スクを介して上記パネルの内面に設けられた蛍光体スク
リーンを水平、垂直走査することにより、カラー画像を
表示する構造に形成されている。
【0003】このようなカラーブラウン管装置は、現
在、電子銃を同一水平面上を通るセンタービームおよび
一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを
放出するインライン型とし、偏向ヨークの発生する水平
偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形
として、これら非斉一な水平、垂直偏向磁界により、格
別の補正回路を要することなく、画面全面にわたり3電
子ビームを集中させるセルフコンバーゼンス・インライ
ン型カラーブラウン管装置が広く実用化されている。
【0004】しかし、このセルフコンバーゼンス・イン
ライン型カラーブラウン管装置には、偏向角度の増大に
ともなって電子ビームの断面形状が歪み、画面周辺部の
解像度が劣化するという問題がある。すなわち、図6に
示すように、画面1の中央部のビームスポット2をほぼ
真円としたとき、画面1の周辺部では、ビームスポット
2が、水平方向に長い高輝度のコア部3の上下に低輝度
のハロー部4(にじみ)をともなう形状に歪み、画面周
辺部の解像度を劣化させるという問題がある。
【0005】これは、非斉一な偏向磁界が電子ビームを
垂直方向に集束、水平方向に発散するように等価的な4
極子レンズとして作用し、蛍光体スクリーン上で電子ビ
ームが垂直方向に過集束状態、水平方向に不足集束状態
になる非点収差(偏向収差)を受けるためである。
【0006】上記偏向収差による解像度の劣化を軽減す
るため、特開昭61−99249号公報には、図7
(a)に示すDAF(Dynamic Astigma
tismand Focus)電子銃が示されている。
この電子銃は、一列に配置された3個のカソードK、こ
れらカソードKから順次蛍光体スクリーン方向に配置さ
れた第1、第2グリッドG1 ,G2 、第3グリッドG3
の2個の分割電極G31,G32および第4グリッドG4 か
らなる。これら各電極には、3個のカソードKに対応し
て3個の電子ビーム通過孔が一列配置に形成されてい
る。特に第3グリッドG3 の分割電極G31,G32は筒状
に形成され、その分割電極G31の分割電極G32側には、
同(b)に示すように3個の縦長の電子ビーム通過孔6
B ,6G ,6R が設けられ、分割電極G32の分割電極G
31側には、同(c)に示すように3個の横長の電子ビー
ム通過孔7B ,7G ,7R が設けられている。
【0007】この電子銃では、カソードKに150Vの
電圧に映像信号が重畳された電圧が印加され、第1グリ
ッドG1 は接地され、第2グリッドG2 には約600
V、第3グリッドG3 の分割電極G31には約6 kV、分
割電極G32には、約6 kVの電圧に偏向角度の増大にと
もなって上昇するパラボラ状の電圧が重畳されたダイナ
ミック電圧が印加され、第4グリッドG4 には約26 k
Vの電圧が印加される。
【0008】それにより、この電子銃では、カソードK
および第1、第2グリッドG1 ,G2 により、電子ビー
ムを発生し、かつ後述する主レンズに対する物点を形成
する三極部が形成される。第2グリッドG2 と第3グリ
ッドG3 の分割電極G31とにより、上記三極部からの電
子ビームを予備集束するプリフォーカスレンズが形成さ
れる。第3グリッドG3 の分割電極G32と第4グリッド
G4 とにより、プリフォーカスレンズにより予備集束さ
れた電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に加速、
集束するBPF(Bi−Potential Focu
s)型の主レンズが形成される。
【0009】この電子銃の特徴は、第3グリッドG3 の
分割電極G31の分割電極G32側の電子ビーム通過孔6B
,6G ,6R を縦長、分割電極G32の分割電極G31側
の電子ビーム通過孔7B ,7G ,7R を横長とし、その
分割電極G32に偏向角度の増大にともなって上昇するダ
イナミック電圧が印加される構造とし、電子ビームの偏
向にともなって分割電極G31,G32間に電位差を発生さ
せ、この電位差を利用して分割電極G31,G32により電
子ビームを水平方向に集束、垂直方向に発散させる4極
子レンズを形成して、偏向により生ずる偏向収差を補償
する構成としたことにある。
【0010】しかし、この電子銃では、図8に示すよう
に、画面周辺部のビームスポット2が横につぶれする現
象が解決されず、シャドウマスマとの干渉によるモアレ
などを引きおこし、文字などを表示した場合に見にくく
なるという問題がある。
【0011】この画面周辺部でのビームスポット2の横
つぶれ現象を図9(a)および(b)に示す光学モデル
により説明する。図9(a)は、電子ビームが偏向され
ないで画面中央に入射する場合、図9(b)は、偏向ヨ
ークの偏向磁界により偏向されて画面周辺部に入射する
場合であり、管軸(Z軸)より上側を垂直方向(Y軸方
向)、下側を水平方向(X軸方向)として示した。9は
第4グリッドと隣接する第3グリッドの分割電極とによ
り形成される主レンズ、10は第2グリッドと隣接する
第3グリッドの分割電極とにより形成されるプリフォー
カスレンズ、11は偏向磁界により等価的に形成される
4極子レンズ、12はダイナミック電圧の印加により第
3グリッドの分割電極間に形成される4極子レンズであ
る。
【0012】一般に画面上のビームスポットの大きさ
は、レンズの倍率Mに依存する。その倍率Mは、電子ビ
ーム13(13B ,13G ,13R )の発散角α0 と入
射角αi の比α0 /αi で表すことができる。そこで、
水平方向のレンズ倍率をMh 、垂直方向のレンズ倍率を
Mv 、点Oから発射された電子ビーム13の水平方向の
発散角αoh、画面1への入射角αih、垂直方向の発散角
αov、入射角αivとすると、 Mh =αoh/αih Mv =αov/αiv で表される。
【0013】したがって、 αoh=αov の場合、図9(a)に示した無偏向時には、 αih(0) =αiv(0) Mh =Mv となり、画面中央のビームスポットは円形となる。これ
に対して、図9(b)に示した偏向時には、 αih(1) <αiv(1) Mh >Mv となり、画面周辺部のビームスポットは横長となる。
【0014】上記画面周辺部のビームスポットの横つぶ
れ対策として、図10に示すように、第2グリッドG2
の第3グリッドG3 側の面に3個の電子ビーム通過孔1
4B,14G ,14R を各別に取囲む横長の溝15が形
成されたものがある。このように第2グリッドG2 に横
長の溝15を形成すると、第2、第3グリッドにより形
成されるプリフォーカスレンズに垂直方向の集束作用が
水平方向の集束作用よりも強い非点収差(負の非点収
差)をもたせることができ、画面周辺部のビームスポッ
トの横つぶれを緩和することができる。しかし、上記電
極によりプリフォーカスレンズを形成すると、画面中央
部のビームスポットが縦長になる。
【0015】図11にこの電子銃の光学モデルを示す。
図11(a)は、電子ビームが偏向されないで画面中央
に入射する場合、図11(b)は、偏向ヨークの偏向磁
界により偏向されて画面周辺部に入射する場合であり、
図9と同様に管軸(Z軸)より上側を垂直方向、下側を
水平方向として示した。
【0016】図11(b)に示した偏向時には、点0か
ら αoh=αov の等角度で発射された電子ビーム13は、プリフォーカ
スレンズ10で水平方向よりも垂直方向に強く集束さ
れ、このプリフォーカスレンズ10で集束された電子ビ
ーム13は、主レンズ9の前段に形成される4極子レン
ズ12により垂直方向に発散、水平方向に集束され、そ
の後、主レンズ9により集束される。さらにその後、偏
向磁界により偏向されて画面周辺部に入射する。この場
合、画面周辺部への水平方向の入射角をαih(3) 、垂直
方向の入射角をαiv(3) とすると、 αih(3) >αih(1) αiv(3) <αiv(1) となる。つまり、プリフォーカスレンズ10に垂直方向
の集束が水平方向の集束よりも強い負の非点収差をもた
せることにより、図7(a)に示した電子銃の水平、垂
直方向の倍率差を縮小し、画面周辺部のビームスポット
の横つぶれを軽減することができる。
【0017】しかし、この電子銃では、電子ビーム13
が偏向されない場合でも、プリフォーカスレンズ10が
負の非点収差をもつため、図11(a)に示した無偏向
時には、点0から αoh=αov の等角度で発射された電子ビーム13の画面1への入射
角は等しくならず、水平方向の入射角をαih(2) 、垂直
方向の入射角をαiv(2) とすると、 αiv(2) <αih(2) となる。つまり、垂直方向の倍率Mv と水平方向の倍率
Mh は、 Mv >Mh となり、画面中央部のビームスポットは縦長となる。
【0018】その結果、図12に示すように、画面1上
のビームスポット2は、中央部で縦長、周辺部でほぼ真
円となり、画面中央部の解像度が劣化する。
【0019】しかし、この画面中央部のビームスポット
2の縦長は、上記プリフォーカスレンズ10の負の非点
収差の強度を変化させることができれば、解消でき、画
面全面のビームスポットを円形にすることが可能とな
る。
【0020】その解消手段として、特開平10−334
825号公報には、図13に示すように、第2グリット
G2 と第3グリットG3 との間に偏向角度の増大にとも
なって上昇するダイナミック電圧が印加される補助電極
Gs を配置し、第2グリットG2 と補助電極Gs とによ
り、偏向に同期して動的に垂直方向に集束、水平方向に
発散する作用が変化するレンズを形成する電子銃が示さ
れている。
【0021】しかし、この電子銃は、補助電極Gs のほ
かに、第5グリットG5 の3個の分割電極G51,G52,
G53の1つに補助電極Gs とは異なるダイナミック電圧
を印加する必要があり、2種類のダイナミック電圧を必
要とするため、電源回路のコストが高くなるという問題
がある。
【0022】さらに、特開平10−214574号公報
には、図14に示すように、第2グリットG2 と第3グ
リットG3 との間に偏向角度の増大にともなって下降す
るダイナミック電圧が印加される補助電極Gs を配置
し、第2グリットG2 と補助電極Gs とにより、偏向に
同期して動的に垂直方向の集束が水平方向の集束よもも
強くなるレンズを形成する電子銃が示されている。
【0023】しかし、この電子銃も、補助電極Gs のほ
かに、第5グリットG5 の3個の分割電極G51,G52,
G53の2つに補助電極Gs とは異なるダイナミック電圧
を印加する必要があり、2種類のダイナミック電圧を必
要とするため、同様に電源回路のコストが高くなるとい
う問題がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
ブラウン管装置の画質を良好にするためには、画面全面
のフォーカス状態を良好に保ち、かつビームスポットの
歪を少なくすることが必要がある。
【0025】この画面全面のフォーカス状態およびビー
ムスポットの歪に関し、従来のDAF電子銃は、主レン
ズの低電圧側電極に偏向角度の増大にともなって上昇す
るダイナミック電圧を印加して、主レンズの強度を可変
にすると同時に、動的に変化する4極子レンズを形成す
ることで、偏向収差によるビームスポットの上下方向の
にじみをなくし、画面全面でフォーカスさせることがで
きる。しかし、この電子銃では、画面中央部のビームス
ポットをほぼ真円にすると、画面周辺部のビームスポッ
トが顕著に横つぶれし、画面周辺部の解像度を劣化させ
るという問題がある。
【0026】そのビームスポットの横つぶれをなくすた
め、上記DAF電子銃のプリフォーカスレンズに負の非
点収差をもたせれば、電子ビームの発散角と入射角の比
で定義される画面周辺部の水平、垂直方向の倍率の差を
小さくして、画面周辺部のビームスポットの横つぶれを
緩和することができる。しかし、この場合、プリフォー
カスレンズに負の非点収差のために、画面中央部のビー
ムスポットが縦長になり、画面中央部の解像度が劣化す
るという問題が生ずる。
【0027】また、DAF電子銃の第2グリッドと第3
グリッドとの間に補助電極を配置し、プリフォーカスレ
ンズの負の非点収差を偏向に同期して動的に変化させる
電子銃では、2種類のダイナミック電圧が必要となり、
電源回路のコストが高くなるという問題がある。
【0028】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、画面全面でビームスポットの形状
を良好にして品位良好な画像を表示するカラーブラウン
管装置を構成することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】(1) 一列配置の3電
子ビームを発生する電子ビーム発生部およびこの電子ビ
ーム発生部からの3電子ビームを蛍光体スクリーン上に
加速、集束する少なくとも集束電極と最終加速電極とか
らなる主レンズを有する電子銃と、この電子銃から放出
される3電子ビームを水平、垂直方向に偏向する偏向ヨ
ークとを備えるカラーブラウン管装置において、電子ビ
ーム発生部をカソードおよびこのカソードに順次隣接し
かつ所定間隔離れて配置された第1、第2、第3、第4
電極で構成し、その第1電極を接地、第2電極に集束電
極よりも低い電圧、第3電極を集束電極に接続して、一
定のフォーカス電圧に電子ビームの偏向角度の増大にと
もなって上昇する電圧を重畳したダイナミック電圧、第
4電極に第3電極よりも高い電圧を印加し、これら電圧
の印加により第2、第4電極間に形成されるレンズが電
子ビームの偏向角度の増大にともなって垂直方向の集束
が水平方向の集束よりも強い非点収差を強める作用をも
つ構成とした。
【0030】(2) (1)のカラーブラウン管装置に
おいて、第2、第3電極間に垂直方向の集束が水平方向
の集束よりも強いレンズを形成し、第3、第4電極間に
水平方向の集束が垂直方向の集束よりも強いレンズを形
成する構成とした。
【0031】(3) (1)または(2)のカラーブラ
ウン管装置において、第4電極に印加される電圧を、最
終加速電極に印加される電圧を分圧抵抗器により分圧さ
れた電圧とした。
【0032】(4) (1)乃至(3)のいずれかのカ
ラーブラウン管装置において、第4電極と集束電極との
間に一定のフォーカス電圧が印加される第5電極を配置
し、この第5電極と集束電極との間に電子ビームの偏向
角度の増大にともなって垂直方向に発散、水平方向に集
束する作用が強くなる4極子レンズを形成する構成とし
た。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0034】図1にその一形態であるカラーブラウン管
装置を示す。このカラーブラウン管装置は、パネル20
および漏斗状のファンネル21からなる外囲器を有し、
そのパネル20の内面に、青、緑、赤に発光するストラ
イプ状またはドット状の3色蛍光体層からなる蛍光体ス
クリーン22が設けられている。また、この蛍光体スク
リーン22に対向して、その内側に多数の電子ビーム通
過孔が形成されたシャドウマスク23が配置されてい
る。一方、ファンネル21のネック25内に、同一水平
面上を通るセンタービーム13G および一対のサイドビ
ーム13B ,13R からなる一列配置の3電子ビーム1
3B ,13G ,13R を放出する電子銃26が配設され
ている。また、ファンネル21の外側に水平、垂直偏向
磁界を発生する偏向ヨーク27が装着されている。そし
て、上記電子銃26から放出される3電子ビーム13B
,13G ,13R を偏向ヨーク27の水平、垂直偏向
磁界により偏向し、シャドウマスク23を介して蛍光体
スクリーン22を水平、垂直走査することにより、カラ
ー画像を表示する構造に形成されている。
【0035】上記電子銃26は、図2に示すように、水
平方向に一列に配置された3個のカソードK、これらカ
ソードKを各別に加熱する3個のヒータ(図示せず)、
上記カソードKから順次蛍光体スクリーン方向に配置さ
れた第1、第2、第3、第4グリッドG1 ,G2 ,G3
,G4 、第5グリッドG5 の2個の分割電極G51,G5
2および第6グリッドG6 を有し、これらカソードK、
ヒータおよび各電極が一対の絶縁支持体(図示せず)に
より一体的の支持されている。
【0036】さらに、このカラーブラウン管装置では、
上記電子銃26に沿ってネック25内に分圧抵抗器29
が配置されている。
【0037】上記第1グリッドG1 (第1電極)、第2
グリッドG2 (第2電極)および第3グリッドG3 (第
3電極)は板状電極、第4グリッドG4 (第3電極)お
よび第5グリッドG5 の2個の分割電極G51,G52(集
束電極)は筒状電極、第6グリッドG6 (最終加速電
極)はカップ状電極からなり、これら電極には、第3グ
リッドG3 および第4グリッドG4 の第3グリッドG3
側を除いて、3個のカソードKに対応して3個の円形電
子ビーム通過孔が一列配置に形成されている。特に第2
グリッドG2 には、図3(a)に示すように、第3グリ
ッド側の面に3個の円形電子ビーム通過孔31B ,31
G ,31R を各別の取囲む横長の溝32が設けられてい
る。また、同(b)に示すように、第3グリッドG3 の
電子ビーム通過孔33B ,33G ,33R は縦長、同
(c)に示すように、第4グリッドG4 の第3グリッド
G3 側の電子ビーム通過孔34B ,34G ,34R は横
長に形成されている。
【0038】この電子銃26では、カソードKに150
Vの電圧に映像信号が重畳された電圧が印加され、第1
グリッドG1 は接地され、第2グリッドG2 には600
〜1000V程度の電圧が印加される。第3グリッドG
3 は、第5グリッドG5 の分割電極G52に接続され、こ
れら第3グリッドG3 および第5グリッドG5 の分割電
極G52には、約8 kVの電圧に偏向角度の増大にともな
って上昇するパラボラ状の電圧が重畳されたダイナミッ
ク電圧が印加される。第4グリッドG4 には、上記分圧
抵抗器29により第6グリッドG6 に印加される電圧を
分圧して、10〜15 kV程度の電圧が印加される。第
5グリッドG5 の分割電極G51には、約8 kVの電圧
(フォーカス電圧)が印加され、第6グリッドG6 に
は、約30 kVの電圧が印加される。
【0039】それによりこの電子銃26では、カソード
Kおよび第1乃至第4グリッドG1〜G4 により電子ビ
ームを発生する電子ビーム発生部が構成され、その第
2、第3グリッドG2 ,G3 により電子ビームを予備集
束する第1プリフォーカスレンズ、第3、4グリッドG
3 ,G4 により電子ビームを予備集束する第2プリフォ
ーカスレンズが形成される。さらに、第4グリッドG4
と第5グリッドG5 の分割電極G51とにより上記プリフ
ォーカスレンズにより予備集束された電子ビームをさら
に予備集束するサブレンズが形成され、第5グリッドG
5 の2個の分割電極G51,G52により電子ビームの偏向
に同期して動的に変化する4極子レンズ、第5グリッド
G5 の分割電極G52と第6グリッドG6 とにより電子ビ
ームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ
が形成される。
【0040】図4に上記電子銃に形成されるレンズを光
学モデルで示す。図4(a)は、電子ビームが偏向され
ないで画面中央に入射する場合、図4(b)は、偏向ヨ
ークの偏向磁界により偏向されて画面周辺部に入射する
場合であり、管軸(Z軸)より上側を垂直方向(Y軸方
向)、下側を水平方向(X軸方向)として示した。
【0041】電子ビームが偏向されない場合は、図4
(a)に示したように、点Oから水平、垂直方向にそれ
ぞれ同じ発散角 α0h=α0v で発射された電子ビーム13(13B ,13G ,13R
)は、第2、第3グリッドにより形成される第1プリ
フォーカスレンズ36に入射し、この第1プリフォーカ
スレンズ36により、垂直方向の集束作用が水平方向の
集束作用よりも強い負の非点収差を受け、つぎの第3、
第4グリッドにより形成される第2プリフォーカスレン
ズ37で水平方向の集束作用が垂直方向の集束作用より
も強い正の非点収差を受ける。しかし、これら正負の非
点収差は相殺されるため、電子ビーム13は、第2、第
4グリッド間を通過するとき、ほとんど非点収差を受け
ない。つぎに、電子ビーム13は、第4グリッドとこの
第4グリッドに隣接する第5グリッドの分割電極とによ
り形成されるサブレンズ38により予備集束され、その
後、第5グリッドの第6グリッド側の分割電極と第6グ
リッドとにより形成される主レンズ39により集束さ
れ、画面1の中央に入射する。
【0042】この場合、水平方向入射角をαih(4) 、垂
直方向入射角をαiv(4) とすると、
【数1】 となり、水平方向のレンズ倍率Mh 、垂直方向のレンズ
倍率Mv は、
【数2】 となり、画面中央のビームスポットは、ほぼ円形とな
る。
【0043】これに対し、電子ビームが偏向される場合
は、図4(b)に示したように、点Oから水平、垂直方
向にそれぞれ同じ発散角 α0h=α0v で発射された電子ビーム13は、第2、第3グリッドに
より形成される第1プリフォーカスレンズ36に入射す
るが、この場合、第3グリッドには、電子ビーム13の
偏向角度の増大にともなって上昇するダイナミック電圧
が印加されているので、第1プリフォーカスレンズ36
のレンズ作用は、偏向されない場合にくらべて強くな
り、電子ビーム13は、垂直方向の集束作用が水平方向
の集束作用よりも強い負の非点収差をより強く受ける。
一方、第3、第4グリッドにより形成される第2プリフ
ォーカスレンズ37のレンズ作用は、下記説明のように
弱くなる。
【0044】すなわち、第4グリッドG4 には、第6グ
リッドに印加される高電圧を分圧する分圧抵抗器を介し
て電圧が印加されるため、第3グリッドとの間の静電容
量C1 を介して第3グリッドに印加されるダイナミック
電圧のパラボラ状の交流成分が誘導される。その誘導電
圧V1 は、第4、第5グリッド間の静電容量をC2 、第
3グリッドに印加されるダイナミック電圧をVd とする
と、 V1 =C1 ・Vd /(C1 +C2 ) となる。ここで、 C1 =C2 とすると、 V1 =Vd /2 となる。
【0045】つまり、電子ビームが偏向される場合、第
4グリッドの電圧は、第3グリッドに印加されるダイナ
ミック電圧の交流成分の誘導により、無偏向時に対して
Vd/2上昇する。一方、第3、第4グリッド間の電位
差は、無偏向時に対して、 Vd /2−Vd =−Vd /2 と、Vd /2小さくなる。
【0046】それにより、第3、第4グリッドにより形
成されるレンズの作用が、無偏向時に対して電位差Vd
/2だけ弱くなり、電子ビーム13に対する水平方向の
集束作用が垂直方向の集束作用よりも強い正の非点収差
が弱くなる。
【0047】その結果、電子ビーム13は、第2、第4
グリッド間を通過するとき、第3グリッドに印加される
ダイナミック電圧の上昇により、第1プリフォーカスレ
ンズ36のレンズ作用が強まり、第2プリフォーカスレ
ンズ37のレンズ作用が弱まり、垂直方向の集束作用が
水平方向の集束作用よりも強い負の非点収差を受ける。
【0048】つぎに、電子ビーム13は、第4グリッド
とこの第4グリッドに隣接する第5グリッドの分割電極
との間に形成されるサブレンズ38により予備集束され
る。さらに、このサブレンズ38により予備集束された
電子ビーム13は、第5グリッドの第6グリッド側の分
割電極に偏向角度の増大にともなって上昇するダイナミ
ック電圧が印加されるので、第5グリッドの2個の分割
電極間に電位差が生じ、この電位差により形成される4
極子レンズ40により垂直方向に発散、水平方向に集束
する作用を受ける。その後、第5グリッドの第6グリッ
ド側の分割電極と第6グリッドとにより形成される主レ
ンズ39により集束され、画面1の中央に入射する。な
お、図4(b)に示した41は偏向磁界により等価的に
形成される4極子レンズである。
【0049】この場合、水平方向入射角をαih(5) 、垂
直方向入射角をαiv(5) とすると、
【数3】 となり、水平方向のレンズ倍率Mh と垂直方向のレンズ
倍率Mv とは、ほぼ等しくなり、画面周辺部のビームス
ポットの横つぶれは、解消され、ほぼ円形となる。
【0050】したがって、上記のように電子銃26を構
成することにより、図5に示すように、画面1の全面で
ビームスポット2をほぼ真円にすることができ、品位良
好な画像を表示するカラーブラウン管装置を構成するこ
とができる。
【0051】なお、上記実施の形態では、第2グリッド
の第3グリッド側の面に3個の電子ビーム通過孔を各別
の取囲む横長の溝を設け、第3グリッドG3 の電子ビー
ム通過孔を縦長、第4グリッドの第3グリッド側の電子
ビーム通過孔を横長に形成したが、これら電極の電子ビ
ーム通過孔は、同様の作用をもつものであればよく、上
記電子ビーム通過孔に限定されるものではない。
【0052】また、上記実施の形態では、第3グリッド
と第4グリッドとの間の静電容量C1 を第4グリッドと
第5グリッドとの間の静電容量C2 とを等しくしたが、
これら電極間の静電容量C1 ,C2 は、 C1 <C2 とすることにより、より強い作用効果が得られる。
【0053】
【発明の効果】上述のように電子銃を構成することによ
り、1種類のダイナミック電圧により電子ビームの偏向
に同期して垂直方向の集束作用が水平方向の集束作用よ
りも強い負の非点収差を動的に変化させる作用をプリフ
ォーカスレンズにもたせることができ、従来のDAF電
子銃で問題となった画面周辺部でのビームスポットの横
つぶれを解消して、画面全面のビームスポットをほぼ真
円にすることができ、品位良好な画像を表示するカラー
ブラウン管装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態であるカラーブラウン
管装置の構成を示す図である。
【図2】上記カラーブラウン管装置の電子銃の構成を示
す図である。
【図3】図3(a)は上記電子銃の第2グリッドの電子
ビーム通過孔の形状を示す図、図3(b)は第3グリッ
ドの電子ビーム通過孔の形状を示す図、図3(c)は第
4グリッドの第3グリッド側の電子ビーム通過孔の形状
を示す図である。
【図4】図4(a)は電子ビームが偏向されない場合の
上記電子銃のレンズ作用を説明するための光学モデル、
図4(b)は電子ビームが偏向される場合のレンズ作用
を説明するための光学モデルである。
【図5】上記電子銃から放出される電子ビームの画面上
のビームスポットの形状を示す図である。
【図6】従来のカラーブラウン管装置の電子銃から放出
される電子ビームの画面上のビームスポットの形状を示
す図である。
【図7】図7(a)は従来のカラーブラウン管装置の電
子銃の構成を示す図、図7(b)はその第3グリッドの
2個の分割電極のうち、一方の分割電極の他方の分割電
極側の電子ビーム通過孔の形状を示す図、図7(c)は
他方の分割電極の一方の分割電極側の電子ビーム通過孔
の形状を示す図である。
【図8】図7(a)に示した電子銃から放出される電子
ビームの画面上のビームスポットの形状を示す図であ
る。
【図9】図9(a)は図7(a)に示した電子銃から放
出される電子ビームが偏向されない場合の上記電子銃の
レンズ作用を説明するための光学モデル、図9(b)は
電子ビームが偏向される場合のレンズ作用を説明するた
めの光学モデルである。
【図10】図7(a)に示した電子銃の第2グリッドに
適用される電子ビーム通過孔の形状を示す図である。
【図11】図11(a)は図7(a)に示した電子銃の
第2グリッドの電子ビーム通過孔を図10に示した形状
にした場合、電子ビームが偏向されない場合のレンズ作
用を説明するための光学モデル、図11(b)は電子ビ
ームが偏向される場合のレンズ作用を説明するための光
学モデルである。
【図12】図7(a)に示した電子銃の第2グリッドの
電子ビーム通過孔を図10に示した形状にした場合の画
面上のビームスポットの形状を示す図である。
【図13】図12に示したビームスポットの形状を改善
する従来の電子銃の構成を示す図である。
【図14】図12に示したビームスポットの形状を改善
する従来の異なる電子銃の構成を示す図である。
【符号の説明】
22…蛍光体スクリーン 26…電子銃 27…偏向ヨーク 29…分圧抵抗器 G1 …第1グリッド G2 …第2グリッド G3 …第3グリッド G4 …第4グリッド G5 …第5グリッド G6 …第6グリッド G51…第5グリッドの分割電極 G52…第5グリッドの分割電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一列配置の3電子ビームを発生する電子
    ビーム発生部およびこの電子ビーム発生部からの3電子
    ビームを蛍光体スクリーン上に加速、集束する少なくと
    も集束電極と最終加速電極とからなる主レンズを有する
    電子銃と、この電子銃から放出される3電子ビームを水
    平、垂直方向に偏向する偏向ヨークとを備えるカラーブ
    ラウン管装置において、 上記電子ビーム発生部はカソードおよびこのカソードに
    順次隣接しかつ所定間隔離れて配置された第1、第2、
    第3、第4電極からなり、上記第1電極は接地、上記第
    2電極には上記集束電極よりも低い電圧、上記第3電極
    は上記集束電極に接続されて一定のフォーカス電圧に電
    子ビームの偏向角度の増大にともなって上昇する電圧が
    重畳されたダイナミック電圧、第4電極には上記第3電
    極よりも高い電圧が印加され、これら電圧の印加により
    上記第2、第4電極間に形成されるレンズが電子ビーム
    の偏向角度の増大にともなって垂直方向の集束が水平方
    向の集束よりも強い非点収差を強める作用をもつことを
    特徴とするカラーブラウン管装置。
  2. 【請求項2】 第2、第3電極間に垂直方向の集束が水
    平方向の集束よりも強いレンズが形成され、第3、第4
    電極間に水平方向の集束が垂直方向の集束よりも強いレ
    ンズが形成されることを特徴とする請求項1記載のカラ
    ーブラウン管装置。
  3. 【請求項3】 第4電極に印加される電圧が最終加速電
    極に印加される電圧を分圧抵抗器により分圧された電圧
    であることを特徴とする請求項1または2記載のカラー
    ブラウン管装置。
  4. 【請求項4】 第4電極と集束電極との間に一定のフォ
    ーカス電圧が印加される第5電極が配置され、この第5
    電極と上記集束電極とにより電子ビームの偏向角度の増
    大にともなって垂直方向に発散、水平方向に集束する作
    用が強くなる4極子レンズが形成されることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーブラウン管
    装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1361597A2 (en) * 2002-05-10 2003-11-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Color picture tube device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1361597A2 (en) * 2002-05-10 2003-11-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Color picture tube device
EP1361597A3 (en) * 2002-05-10 2007-10-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Color picture tube device

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