JP2002014564A - 剥離板 - Google Patents

剥離板

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JP2002014564A
JP2002014564A JP2000194258A JP2000194258A JP2002014564A JP 2002014564 A JP2002014564 A JP 2002014564A JP 2000194258 A JP2000194258 A JP 2000194258A JP 2000194258 A JP2000194258 A JP 2000194258A JP 2002014564 A JP2002014564 A JP 2002014564A
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JP
Japan
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pitch
plate
roller
pitch fluoride
release plate
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JP2000194258A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hirose
和夫 廣瀬
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙のトナーが溶融状態で剥離板と摺接して
も優れた用紙剥離性能を長期間維持できる。 【解決手段】 電子写真装置の定着部材から用紙を剥離
する、金属板からなり、その剥離板が少なくとも定着部
材に接触または近接する部位に、フッ化ピッチ含有被覆
層を有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やレーザービ
ームプリンタ等の電子写真装置に設置される各種ローラ
から用紙を剥離する剥離シートに関し、特に耐熱性の要
求される定着ローラ等の定着部材用の剥離シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】複写機やレーザービームプリンタ等の電
子写真装置には、感光ドラム上に形成された静電潜像を
トナー等の現像剤を用いて用紙上に現像し、その後定着
させるために各種のローラが設けられている。現像部に
は感光ドラムや、乾式電子写真装置を除いて、オイル塗
布ローラ等があり、定着部には定着ローラや加圧ローラ
等を有している。従来、定着ローラや加圧ローラ等の定
着部材には用紙がローラに巻き付き円滑な動作の妨げに
なるのを防ぐため分離爪が設けられていた。この分離爪
は、その先端をローラの外周面に摺接または近接させな
がら用紙の端をすくい上げることにより、ローラに用紙
が巻き付くことを防いでいる。この分離爪は、ローラと
の接触部の幅が約 1〜10mmであり、 1本のローラに対し
て 4〜16個配置されている。分離爪はローラに対し局部
的に接触しているため、どうしてもローラを部分的に摩
耗させてしまい良好な画像が得られなくなる。また、用
紙に対しても局部的に接触するため、用紙に転写された
現像剤を掻き取りやすく、さらに掻き取った現像剤が分
離爪にも付着することによって用紙が汚れ易くなる場合
がある等の問題があった。また近接させた分離爪におい
ては、ローラ等より用紙の端がわずかに浮いたところを
すくい上げるが、必ずしも均等に用紙の端が浮くとはか
ぎらず、一個の爪が用紙をすくえないとジャミングを起
こすなどの問題があった。上記のような問題に対して、
例えば特開昭59−188681にローラに対して線接
触できる紙剥離装置が提案されている。この紙剥離装置
は、フッ素樹脂等からなる厚さ 0.05mm 以上のプラスチ
ック板を金属製支持板に固定支持するものである。ま
た、フッ素樹脂を分散させたプラスチック板を金属製支
持板に固定したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、高速化
やカラー化が進み、用紙上のトナーが溶融状態で剥離板
と摺接するため、プラスチック板またはフッ素樹脂やフ
ッ素樹脂を分散させたプラスチック板であっても、溶融
トナーがプラスチック板等に付着するという問題があ
る。
【0004】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、用紙上のトナーが溶融状態で剥離板
と摺接しても優れた用紙剥離性能を長期間維持できる剥
離板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の剥離板は、電子
写真装置の定着部材から用紙を剥離する、金属板からな
り、その剥離板が少なくとも定着部材に接触または近接
する部位に、フッ化ピッチ含有被覆層を有してなること
を特徴とする。このフッ化ピッチ含有被覆層がフッ化ピ
ッチを分散させた複合めっき層、フッ化ピッチの蒸着膜
またはフッ化ピッチが配合された塗膜であることを特徴
とする。ここで、定着部材に接触とは、剥離板の一辺が
定着ローラなどの軸方向に対して線接触することをい
い、近接するとは、用紙がローラに巻き付くのを防ぐこ
とができる程度に、剥離板の一辺がローラに接近配置さ
れていることをいう。なお、定着部材とは、未定着の用
紙上の現像剤を加熱と同時に加圧することで用紙上に定
着させる工程において、用紙と接触可能なローラ状、フ
ィルム状またはベルト状等の種々の形状を有する部材を
いう。例えば定着ローラや加圧ローラ等である。
【0006】少なくとも定着部材に接触または近接する
部位に、フッ化ピッチを主成分とする被覆層を設けるこ
とにより、フッ化ピッチの有する超撥水性により溶融状
態のトナーが付着することなく、また用紙による摩耗が
なく耐久性に優れる。
【0007】
【発明の実施の形態】剥離板の一例を図1および図2に
より説明する。図1は剥離板を用いた定着装置の概要図
であり、図2は剥離板の一部拡大斜視図である。定着装
置は、ヒータ5aが内蔵され、矢印A方向に回転する定
着ローラ5と、、この定着ローラ5に接触して矢印B方
向に回転する加圧ローラ6と、定着ローラ5および加圧
ローラが接触して形成されるニップ部7の付近に配置さ
れる剥離板1とから構成される。用紙8上に形成された
トナー像8aがニップ部7で定着されて定着された画像
8bとなる。剥離板1はニップ部7を通過した用紙8を
定着ローラ5から剥離できるように定着ローラ5に接触
または近接する位置に設けられている。
【0008】剥離板1は、図2に示すように、支持板4
に金属板2の一端2cが固定されている。金属板2の他
端は自由端2bとなり、この自由端2bを定着ローラ5
に接触または近接する位置に配置して、用紙8を定着ロ
ーラ5から剥離する。フッ化ピッチを主成分とする被覆
層3は、少なくとも金属板2が用紙8を剥離できる部位
に形成される。好ましい被覆層形成部位としては、自由
端2bの端面2dおよび用紙8側の側面2aが挙げられ
る。端面2dおよび側面2aに被覆層3を形成すること
により、トナーなどの現像剤が溶融状態で剥離板に摺接
しても付着することがない。また、剥離板1は、ローラ
の軸方向長さと略同じ長さの接触幅(L)を有してい
る。接触幅が大きいことによってローラに対する単位面
積当たりの接触圧力が小さくなりローラ表面の局部的な
摩耗が防止できる。なお、ローラの軸方向長さと略同じ
長さとは、上記効果が得られる程度の長さをいい、具体
的には少なくともローラの軸方向長さの半分程度以上で
あって、ローラの軸方向長さと同じか僅かに長ければよ
い。
【0009】金属板2の材質としては、鉄、アルミニウ
ム、銅、ステンレス等を用いることができる。また、板
厚さは 50〜300μm の範囲が好ましい。 50μm 未満で
は剥離力を確保するためのローラへの圧接力を与えるこ
とができなくなるおそれがあり、 300μm を超えると剥
離すべき用紙が剥離板の先端に突き当たってしまい、ジ
ャミングの発生原因となるおそれがある。
【0010】フッ化ピッチは、黒鉛と類似の芳香族六員
環平面の層状構造を有し、かつ六員環平面を構成する芳
香核がメチレンなどの脂肪族炭化水素基により架橋され
た構造を有する石油蒸留残渣などのピッチを、フッ素ガ
スを用いてフッ素化して得られる少なくともF/C原子
比が 0.5〜1.8の物質であり、例えば特開昭62−27
5190号公報、特開平7−41771号公報等に記載
されている。このフッ化ピッチは、大阪ガス株式会社よ
り市販されている。
【0011】フッ化ピッチ含有被覆層は、少なくともフ
ッ化ピッチを含有する被覆層であり、例えば、上記フッ
化ピッチ単独の被覆層、あるいはフッ化ピッチを分散さ
せた複合めっき層、フッ化ピッチが配合された塗膜であ
る。
【0012】フッ化ピッチ単独の被覆層としては、フッ
化ピッチの蒸着膜がある。フッ化ピッチの蒸着は、例え
ば 1×10-7〜1×10-3mmHg の圧力で 250〜600℃の温度
条件で行なうことができる。
【0013】フッ化ピッチを分散させた複合めっき層と
しては、フッ化ピッチを分散させたニッケル−燐複合め
っき層が挙げられる。めっき層の形成は、フッ化ピッチ
微粉末が分散されためっき液中でめっき処理をすること
によりなされる。めっき処理は、無電解めっき法、電気
めっき法、あるいはこれらの併用がある。特に無電解め
っき法が簡便であり、めっき層の厚さが均一になり、ま
た、フッ化ピッチを分散させることやニッケル−燐複合
めっき層が容易に形成できるので好ましい。
【0014】無電解めっき法は、次亜燐酸塩還元浴に硫
酸ニッケル、醋化剤、安定剤、PH緩衝剤、外観調整
剤、分散助剤を含有させ、さらにフッ化ピッチ微粉末を
分散させて得られるめっき液を約 80℃以上に加熱し
て、このめっき液に金属板を浸漬することによりニッケ
ル−燐複合めっき層を形成する方法である。なお、無電
解めっきは、金属板のめっき形成部分を脱脂、酸洗いし
た後に直接めっき処理してもよいが、さらに密着性を向
上させるために亜鉛置換めっき処理した後、無電解めっ
きをしてもよい。
【0015】無電解めっき法によるフッ化ピッチを分散
させたニッケル−燐複合めっき層の形成は、所望の厚さ
の複合めっきが得られるまで加熱されためっき液に浸漬
することによりなされる。また、複合めっきの層厚は0.
5〜25μm とする。層厚が0.5μm より薄いと複合めっき
層にピンホールが発生し非トナー付着性が低下するとと
もに耐摩耗性も低下する。層厚が 25μm より厚いと剥
離板の剛性が必要以上に高くなり剥離能力が低下する。
【0016】フッ化ピッチ分散のニッケル−燐複合めっ
き層を形成するフッ化ピッチ微粉末の粒径は、0.05〜5
μm 、好ましくは、0.1 〜2μm であり、さらに好まし
くは、0.2〜 0.8μm である。0.05μm より粒径が小さ
いと取り扱い性が困難であり、5μm より粒径が大きい
と、ニッケル一燐層に保持されにくくなる。
【0017】フッ化ピッチ分散のニッケル−燐複合めっ
き層に含まれるフッ化ピッチ微粉末量は、6〜20重量%
である。6重量%未満であると、摺動特性が低下しロー
ラに摺接したときに摩擦熱が発生しやすくなる。また、
20重量%をこえると、複合めっき層の生成が困難とな
る。なお、複合めっき層に含まれるフッ化ピッチ微粉末
の配合割合は、めっき液に分散させるフッ化ピッチ微粉
末の量を変えることにより容易にできる。
【0018】フッ化ピッチが配合された塗膜としては、
フッ化ピッチを配合剤として含む合成樹脂の液状塗料を
塗布乾燥して得られる塗膜、粉体塗料を塗着溶融して得
られる塗膜、電着塗料を用いて得られる電着塗膜などが
挙げられる。フッ化ピッチを配合剤として含有させる方
法としては、液状塗料等にフッ化ピッチを分散または溶
解させる方法、フッ化ピッチ存在下に重合性モノマーを
重合させてフッ化ピッチに由来するユニットを含有させ
る方法などが挙げられる。本発明においては、これらの
方法単独であっても、あるいは組み合わせた方法であっ
てもよい。
【0019】本発明に係る剥離板は、電子写真装置に設
置される各種ローラから用紙を剥離するために用いるこ
とができる。ローラとしては、特に耐熱性の要求される
定着ローラ等に好適に適用できる。
【0020】
【実施例】実施例1 厚さ 100μm のステンレス(SUS304CSP)から
なる金属薄板を接触幅(L)の長さ 300mm、幅 40mm に
カットして剥離板基材となる金属薄板を準備した。この
剥離板基材の切断面に生じたバリを丁寧に取り除き、ロ
ーラと接触する部位となる角部を曲率半径 R0.01mm〜 R
0.03mm程度に丸めた。一方、次亜燐酸塩還元浴に硫酸ニ
ッケル、醋化剤、安定剤、PH緩衝剤、外観調整剤、分
散助剤を含有させ、さらに大阪ガスケミカル社製フッ化
ピッチを分散させて無電解ニッケル−燐めっき液を得
た。このフッ化ピッチ分散の無電解ニッケル−燐めっき
液を約 90℃に加熱して、上記金属薄板を浸漬してフッ
化ピッチを分散させた複合めっき層を有する剥離板を得
た。
【0021】この剥離板を試験用複写機(定着温度 190
℃、A4複写速度 57 枚/分)の定着部にセットし、画
像比率 30%のラインチャートを原稿とし、A4普通紙
を用いて、5,000 枚の連続通紙による複写試験を 30,00
0 枚まで行なった。5,000 枚毎に試験機を止め、複写済
みの用紙を目視によって画像低下の有無を確認した。さ
らに剥離板を定着部から取り外し、フッ素樹脂の摩耗、
トナー付着の有無および定着ローラの摩耗状況を確認し
た。試験の結果、実施例1の剥離板は 30,000 枚の通紙
試験終了まで画像低下がみられず、通紙試験終了後に確
認した複合めっき層に損傷がなかった。また剥離板にト
ナーの付着はなかった。
【0022】実施例2 剥離板基材となる金属薄板を実施例1と同様に準備し
て、図2に示す自由端2bの端面2dおよび用紙8側の
側面2aに真空蒸着法により、フッ化ピッチの蒸着膜を
形成した。得られた剥離板を実施例1と同一の方法で評
価したところ、 30,000 枚の通紙試験終了まで画像低下
がみられず、また剥離板にトナーの付着はなかった。
【0023】実施例3 剥離板基材となる金属薄板を実施例1と同様に準備し
て、図2に示す自由端2bの端面2dおよび用紙8側の
側面2aにスプレーコーティング法により、フッ化ピッ
チを含有するエポキシ樹脂塗膜を形成した。 得られた
剥離板を実施例1と同一の方法で評価したところ、 30,
000 枚の通紙試験終了まで画像低下がみられず、また剥
離板にトナーの付着はなかった。
【0024】比較例1 剥離板基材となる金属薄板を実施例1と同様に準備し
て、図2に示す自由端2bの端面2dおよび用紙8側の
側面2aにスプレーコーティング法により、フッ素樹脂
を分散させたエポキシ樹脂塗膜を形成した。得られた剥
離板を実施例1と同一の方法で評価したところ、 5,000
枚通紙まで画像低下が認められなかったが、約 9,000
枚通紙までにジャムが発生した。剥離板を確認したとこ
ろエッジ部の塗膜が剥がれており、一部金属薄板が露出
していた。また、トナーの付着が認められ、一部トナー
が堆積し、この堆積したトナーが用紙に引っ掛かり、ジ
ャムが発生したものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】本発明の剥離板は、少なくとも定着部材
に接触または近接する部位に、フッ化ピッチ含有被覆層
を有してなるので、優れた非トナー付着性が得られ、ま
た紙剥離性と高温耐久性を兼ね備えた剥離板となる。
【0026】また、フッ化ピッチ含有被覆層がフッ化ピ
ッチを分散させた複合めっき層であるので、特に高温耐
久性に優れる。
【0027】また、フッ化ピッチ含有被覆層がフッ化ピ
ッチの蒸着膜であるので、非トナー付着性がより向上す
る。
【0028】また、フッ化ピッチ含有被覆層がフッ化ピ
ッチが配合された塗膜であるので、紙剥離性がより向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離板を用いた定着装置の概要図である。
【図2】剥離板の一部拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 剥離板 2 金属板 3 被覆層 4 支持板 5 定着ローラ 6 加圧ローラ 7 ニップ部 8 用紙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真装置の定着部材から用紙を剥離
    する、金属板からなる剥離板において、 前記剥離板は、少なくとも定着部材に接触または近接す
    る部位に、フッ化ピッチ含有被覆層を有してなることを
    特徴とする剥離板。
  2. 【請求項2】 前記フッ化ピッチ含有被覆層がフッ化ピ
    ッチを分散させた複合めっき層であることを特徴とする
    請求項1記載の剥離板。
  3. 【請求項3】 前記フッ化ピッチ含有被覆層がフッ化ピ
    ッチの蒸着膜であることを特徴とする請求項1記載の剥
    離板。
  4. 【請求項4】 前記フッ化ピッチ含有被覆層はフッ化ピ
    ッチが配合された塗膜であることを特徴とする請求項1
    記載の剥離板。
JP2000194258A 2000-06-28 2000-06-28 剥離板 Pending JP2002014564A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7937033B2 (en) 2004-12-17 2011-05-03 Ricoh Company, Ltd. Separating plate, fixing device having the separating plate with an edge part that abuts with the fixing member, method for producing the separating plate and image forming apparatus
JP2014038211A (ja) * 2012-08-16 2014-02-27 Ricoh Co Ltd 用紙分離装置、定着装置及び画像形成装置

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