JP2002012182A - 二重殻構造を有する船体構造 - Google Patents

二重殻構造を有する船体構造

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JP2002012182A
JP2002012182A JP2000195777A JP2000195777A JP2002012182A JP 2002012182 A JP2002012182 A JP 2002012182A JP 2000195777 A JP2000195777 A JP 2000195777A JP 2000195777 A JP2000195777 A JP 2000195777A JP 2002012182 A JP2002012182 A JP 2002012182A
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rib
hull
hull structure
lower longitudinal
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JP2000195777A
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Kiyobumi Iwamoto
清文 岩本
Ou Kitamura
欧 北村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二重殻構造を有する船体構造において、構造
の簡素化並びに低コスト化を図ると共に組み立て作業性
の向上を図る。 【解決手段】 船底外板12の上面に複数の下部縦通肋
骨13を所定間隔で立設する一方、内底板14の下面に
複数の上部縦通肋骨15を所定間隔で立設し、船底外板
12に対して複数の肋板16を下部縦通肋骨13に交差
するように所定間隔で立設し、各肋板16に上部縦通肋
骨13が交差するように内底板14を固定し、各縦通肋
骨13,15における各肋板16との交差部の高さをそ
の中間部の高さよりも大きく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原油タンカー等の
大型船舶に適用される二重殻構造を有する船体構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】図12に従来の二重殻構造を有する船体
構造の概略、図13に従来の船体二重底部の要部概略斜
視、図14に従来の船体二重底部の正面視、図15及び
図16に従来の船体二重底部の組立手順を表す概略を示
す。
【0003】従来の船体構造において、図12に示すよ
うに、海難事故発生時における外壁部の破損によるオイ
ル流出抑制の目的で、船体における左右の側壁部001及
び底部002は二重殻構造となっている。そして、例え
ば、底部002は船底外板003と内底板004との二重底構造
となっていると共に、隔壁005により複数の部屋に区画
されている。
【0004】この底部002の構造を詳細に説明すると、
図13及び図14に示すように、船底外板003の上面に
は断面がT字形状をなす複数の下部縦通肋骨006が所定
間隔固定されている一方、内底板004の下面には断面が
逆T字形状をなす複数の上部縦通肋骨007が所定間隔固
定されている。そして、この船底外板003と内底板004と
の間には各縦通肋骨006,007に交差するように所定間隔
で肋板008が固定され、この肋板008に補強部材009が固
定されている。
【0005】そして、この底部002の組立手順を説明す
ると、図15(a)に示すように、まず、上下逆にした内
底板004の上面に上部縦通肋骨007を溶接により固定する
一方、肋板008に上部縦通肋骨007のT断面形状より大き
めのT字形状をなす切欠部011を形成しておく。次に、
図15(b)に示すように、内底板004に対して肋板008を
水平移動して上部縦通肋骨007に切欠部011を係合する。
そして、図15(c)に示すように、肋板008と上部縦通
肋骨007及び内底板004とを溶接Wにより固定する。一
方、図16(a)に示すように、まず、船底外板003の上
面に下部縦通肋骨006を溶接により固定する一方、肋板0
08に下部縦通肋骨006のT断面形状より大きめのT字形
状をなす切欠部012を形成しておき、船底外板003に対し
て内底板004が固定された肋板008を下降する。次に、図
16(b)に示すように、船底外板003に対して肋板008を
水平移動し、下部縦通肋骨006に切欠部012を係合する。
そして、図16(c)に示すように、肋板008と下部縦通
肋骨006及び船底外板003とを溶接Wにより固定すると共
に、連結板013により切欠部012を塞ぐように溶接Wして
固定する。このようにして底部002が組み立てられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】船体は航行時に波圧を
受けるために長手(前後)方向における上下の曲げモー
メントが発生することとなり、この曲げモーメントに対
して耐えうる構造となっている。そのため、上述した従
来の底部002にあっては、各縦通肋骨006,007をT字形
状として肋板008と交差配設して溶接により固定してい
る。ところが、このような構造にすると、縦通肋骨00
6,007をT字形状とする作業が必要になると共に、内底
板004の上部縦通肋骨007に対して肋板008を水平移動し
て係合しなければならず、狭い作業現場では面倒な作業
であり、自動化が困難となって作業者にとっては大きな
負担となってしまう。また、底部002の構造が複雑とな
り、重量が大きなものとなるばかりか、製造コストも増
加してしまう。
【0007】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、構造の簡素化並びに低コスト化を図ると共に組
み立て作業性の向上を図った二重殻構造を有する船体構
造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明の二重殻構造を有する船体構造は、
船底外板の上面に複数の下部縦通肋骨を所定間隔で立設
する一方、内底板の下面に複数の上部縦通肋骨を所定間
隔で立設し、前記船底外板に対して複数の肋板を前記各
下部縦通肋骨に交差するように所定間隔で立設し、該各
肋板に前記上部縦通肋骨が交差するように前記内底板を
固定することで二重殻構造を構成し、少なくとも前記下
部縦通肋骨における前記各肋板との交差部の高さをその
中間部の高さよりも大きく設定したことを特徴とするも
のである。
【0009】また、請求項2の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記下部縦通肋骨及び前記上部縦通肋
骨における前記各肋板との交差部の高さをその中間部の
高さよりも大きく設定したことを特徴としている。
【0010】また、請求項3の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記下部縦通肋骨における前記各肋板
との交差部の高さ及びその中間部の高さを、前記船底外
板に作用するせん断力あるいは曲げモーメントに応じて
設定したことを特徴としている。
【0011】また、請求項4の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記下部縦通肋骨は、前記各肋板との
中間部に湾曲した切欠部が形成されていることを特徴と
している。
【0012】また、請求項5の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記肋板はスリットを介して前記下部
縦通肋骨及び前記上部縦通肋骨と交差して溶接により接
合されていることを特徴としている。
【0013】また、請求項6の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記肋板に、前記下部縦通肋骨と前記
上部縦通肋骨との間に位置して水平補強板が固定されて
いることを特徴としている。
【0014】また、請求項7の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記肋板に、前記下部縦通肋骨及び前
記上部縦通肋骨に隣接して垂直補強板が固定されている
ことを特徴としている。
【0015】また、請求項8の発明の二重殻構造を有す
る船体構造では、前記下部縦通肋骨と前記各肋板との交
差部に、水平補強部材が固定されていることを特徴とし
ている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0017】図1に本発明の第1実施形態に係る二重殻
構造を有する船体構造における船体二重底部の要部概略
斜視、図2に第1実施形態の船体二重底部の正面視、図
3に第1実施形態の船体二重底部の側面視、図4に第1
実施形態の船体二重底部の組立手順を表す概略、図5に
肋板の形状を設定するために船底に作用するせん断力及
び曲げモーメントの概略説明を示す。
【0018】実施形態の二重殻構造を有する船体構造で
は、図示しないが、船体における左右の側壁部から底部
にかけて二重殻構造となっており、この底部では船底外
板と内底板とが二重底構造をなすと共に、複数の隔壁に
より複数の部屋に区画されている。図1乃至図3に示す
ように、この底部11において、船底外板12は上面に
板形状をなす複数の下部縦通肋骨13が所定間隔で略平
行に立設され、溶接により固定されている一方、内底板
14は下面に板形状をなす複数の上部縦通肋骨15が所
定間隔で立設され、溶接により略平行に固定されてい
る。そして、この船底外板12と内底板14との間には
各縦通肋骨13,15に交差するように所定間隔で肋板
16が固定され、この肋板16の上下中間部には水平方
向に沿って3本の補強板17が溶接により固定されてい
る。なお、図1では、船底外板12と下部縦通肋骨13
と肋板16との関係を明瞭にするため、内底板14及び
上部縦通肋骨15を省略している。
【0019】ここで、このように構成された底部11の
組立手順を説明すると、図4(a)に示すように、まず、
上下逆にした内底板14の上面に上部縦通肋骨15を溶
接により固定する一方、肋板16に上部縦通肋骨14よ
り大きめのI字形状をなす切欠部18を形成しておく。
次に、図4(b)に示すように、内底板14に対して肋板
16を下降して上部縦通肋骨15に切欠部18を係合
し、肋板16と上部縦通肋骨15及び内底板14とを溶
接Wにより固定する。一方、図4(c)に示すように、船
底外板12の上面に下部縦通肋骨13を溶接により固定
する一方、肋板16に切欠部18と反対側に位置して下
部縦通肋骨13より大きめのI字形状をなす切欠部19
を形成しておく。そして、図4(d)に示すように、船底
外板12に対して内底板14に固定された肋板16を下
降して下部縦通肋骨13に切欠部19を係合し、肋板1
6と下部縦通肋骨13及び船底外板12とを溶接Wによ
り固定する。そして、図3に示すように、肋板16の上
下中間部に3本の補強板17を溶接により固定する。こ
のようにして底部11が組み立てられる。
【0020】ところで、本実施形態では、底部11を構
成する下部縦通肋骨13及び上部縦通肋骨15にて、各
肋板16との交差部での高さをその中間部の高さよりも
大きく設定するように、各肋板16との中間部に湾曲し
た切欠部21,22が形成されている。これにより航行
時に船体に作用する波圧に対して、長手(前後)方向に
おける上下の曲げモーメントが発生しても、十分な耐久
性を有する構造となっている。
【0021】即ち、図5に示すように、肋板16間の距
離をL、肋板16からの任意の距離をx、船底外板12
に作用する水圧をwとすると、下部縦通肋骨13の長手
方向における船底外板12のせん断力Fは下記式により
求められる。 F=−(wL/2)(1−2x/L) そして、肋板16での反力R1 ,R2 は、x=0である
ので、 F=R1 =R2 =wL/2 となり、各肋板16間の中間位置では、x=L/2であ
るので、 F=R3 =0 となる。従って、船底外板12に作用するせん断力F
は、肋板16の位置で最大、各肋板16間の中間位置で
最小となることがわかる。
【0022】同様に、下部縦通肋骨13の長手方向にお
ける船底外板12の曲げモーメントMは下記式により求
められる。 M=(wL2 /12)(1−6x/L+6x2 /L2 ) そして、肋板16での曲げモーメントMは、x=0であ
るので、 M=R1 =wL2 /12 となり、各肋板16間の中間位置では、x=L/2であ
るので、 F=wL2 /24 となる。従って、船底外板12に作用する曲げモーメン
トMは、肋板16の位置で最大、各肋板16間の中間位
置で最小となることがわかる。
【0023】従って、本実施形態では、下部縦通肋骨1
3(上部縦通肋骨15)の形状を、船底外板12に作用
するせん断力あるいは曲げモーメントに応じて、各肋板
16との交差部(固定部分)でその高さが最大に、中間
部での高さが最小になるように設定している。そのた
め、航行時に船体の底部11に波圧が作用しても、各底
部の位置での曲げモーメントに対して下部縦通肋骨13
及び上部縦通肋骨15が十分に受け止めることができ
る。
【0024】このように本実施形態では、船底外板12
の下部縦通肋骨13と肋板16と内底板14の上部縦通
肋骨15とをスリット18,19を介して落とし込み工
法により組立て溶接により固定するようにしており、簡
単な工法で底部11を製造することができ、作業性を向
上することができる。そして、この底部11では、下部
縦通肋骨13及び上部縦通肋骨15を、船底外板12に
水圧により作用するせん断力あるいは曲げモーメントに
応じて設定しており、重量を増加させることなく効率的
に強度を向上することができ、また、肋板16に3本の
水平な補強板17を固定することで、肋板16の水平方
向の座屈強度も向上できる。
【0025】図6に本発明の第2実施形態に係る二重殻
構造を有する船体構造における船体二重底部の要部概略
斜視を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと
同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複す
る説明は省略する。
【0026】図6に示すように、底部31において、船
底外板12に複数の下部縦通肋骨13が固定され、内底
板14に複数の上部縦通肋骨15が固定され、この船底
外板12と内底板14との間に各縦通肋骨13,15に
交差するように肋板16が固定され、この肋板16には
下部縦通肋骨13(上部縦通肋骨15)の間にそれぞれ
垂直方向に沿って補強板32が溶接により固定されてい
る。そして、この下部縦通肋骨13及び上部縦通肋骨1
5には、各肋板16との交差部での高さをその中間部の
高さよりも大きく設定するように、各肋板16との中間
部に切欠部21,22が形成されている。
【0027】従って、本実施形態の底部31では、下部
縦通肋骨13及び上部縦通肋骨15を、船底外板12に
水圧により作用するせん断力あるいは曲げモーメントに
応じて設定しており、重量を増加させることなく効率的
に強度を向上することができ、また、肋板16に垂直な
補強板32を固定することで、肋板16の垂直方向の座
屈強度も向上できる。
【0028】図7に本発明の第3実施形態に係る二重殻
構造を有する船体構造における船体二重底部の要部概略
斜視、図8に第3実施形態の船体二重底部の正面視、図
9に第3実施形態の船体二重底部の側面視、図10に第
3実施形態の船体二重底部の組立手順を表す概略を示
す。
【0029】図7乃至図9に示すように、本実施形態の
底部41において、船底外板12は上面に水平な補助肋
骨42を有する複数の下部縦通肋骨13が溶接により固
定されている一方、内底板14は下面に水平な補助肋骨
43を有する複数の上部縦通肋骨15が溶接により略平
行に固定されている。そして、この船底外板12と内底
板14との間には各縦通肋骨13,15に交差するよう
に所定間隔で肋板16が固定され、この肋板16の上下
中間部には水平方向に沿って3本の補強板17が溶接に
より固定されている。そして、この下部縦通肋骨13及
び上部縦通肋骨15には、各肋板16との交差部での高
さをその中間部の高さよりも大きく設定するように、各
肋板16との中間部に切欠部21,22が形成されてい
る。
【0030】このように構成された底部11の組立手順
を説明すると、図10(a)に示すように、まず、上下逆
にした内底板14の上面に上部縦通肋骨15を溶接によ
り固定する一方、肋板16に上部縦通肋骨14及び補助
肋骨43より大きめに適合した切欠部44を形成してお
く。次に、図10(b)に示すように、内底板14に対し
て肋板16を下降して上部縦通肋骨15及び補助肋骨4
3に切欠部44を係合し、肋板16と上部縦通肋骨1
5、内底板14とを溶接Wにより固定する。一方、図1
0(c)に示すように、船底外板12の上面に下部縦通肋
骨13を溶接により固定する一方、肋板16に切欠部4
4と反対側に位置して下部縦通肋骨13及び補助肋骨4
2より大きめに適合した切欠部45を形成しておく。そ
して、図10(d)に示すように、船底外板12に対して
内底板14に固定された肋板16を下降して下部縦通肋
骨13及び補助肋骨42に切欠部45を係合し、肋板1
6と下部縦通肋骨13、船底外板12とを溶接Wにより
固定する。そして、図9に示すように、肋板16に3本
の補強板17を溶接により固定する。このようにして底
部41が組み立てられる。
【0031】従って、本実施形態の底部41では、下部
縦通肋骨13及び上部縦通肋骨15を、船底外板12に
水圧により作用するせん断力あるいは曲げモーメントに
応じて設定しており、重量を増加させることなく効率的
に強度を向上することができ、また、肋板16に水平な
補強板32を固定することで、肋板16の水平方向の座
屈強度も向上できる。更に、下部縦通肋骨13及び上部
縦通肋骨15に補助肋骨42,43を固定したことで、
各縦通肋骨13,15における水平方向の座屈強度を向
上できる。
【0032】図11に本発明の第4実施形態に係る二重
殻構造を有する船体構造における船体二重底部の要部概
略斜視を示す。
【0033】図11に示すように、底部51において、
船底外板12に水平な補助肋骨42を有する複数の下部
縦通肋骨13が固定され、内底板14に水平な補助肋骨
43を有する複数の上部縦通肋骨15が固定され、この
船底外板12と内底板14との間に各縦通肋骨13,1
5に交差するように肋板16が固定され、この肋板16
には下部縦通肋骨13(上部縦通肋骨15)の間にそれ
ぞれ垂直方向に沿って補強板32が溶接により固定され
ている。そして、この下部縦通肋骨13及び上部縦通肋
骨15には、各肋板16との交差部での高さをその中間
部の高さよりも大きく設定するように、各肋板16との
中間部に切欠部21,22が形成されている。
【0034】従って、本実施形態の底部51では、下部
縦通肋骨13及び上部縦通肋骨15を、船底外板12に
水圧により作用するせん断力あるいは曲げモーメントに
応じて設定しており、重量を増加させることなく効率的
に強度を向上することができ、また、肋板16に垂直な
補強板32を固定することで、肋板16の垂直方向の座
屈強度も向上できる。更に、下部縦通肋骨13及び上部
縦通肋骨15に補助肋骨42,43を固定したことで、
各縦通肋骨13,15における水平方向の座屈強度を向
上できる。
【0035】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように請求項1の発明の二重殻構造を有する船体構造に
よれば、船底外板の上面に複数の下部縦通肋骨を所定間
隔で立設する一方、内底板の下面に複数の上部縦通肋骨
を所定間隔で立設し、船底外板に対して複数の肋板を各
下部縦通肋骨に交差するように所定間隔で立設し、各肋
板に上部縦通肋骨が交差するように内底板を固定するこ
とで二重殻構造を構成し、少なくとも下部縦通肋骨にお
ける各肋板との交差部の高さをその中間部の高さよりも
大きく設定したので、航行中の船舶の底部への水圧によ
り作用するせん断力や曲げモーメントに対して、重量を
増加させることなく効率的に強度を向上して対応するこ
とができ、構造の簡素化並びに低コスト化を図ることが
できると共に組み立て作業性の向上を図ることができ
る。
【0036】また、請求項2の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、下部縦通肋骨及び上部縦通肋骨に
おける各肋板との交差部の高さをその中間部の高さより
も大きく設定したので、底部の要部で重量を増加させる
ことなく効率的に強度を向上して対応することができ
る。
【0037】また、請求項3の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、下部縦通肋骨における各肋板との
交差部の高さ及びその中間部の高さを、船底外板に作用
するせん断力あるいは曲げモーメントに応じて設定した
ので、重量を増加させることなく効率的に強度を向上し
て対応することができる。
【0038】また、請求項4の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、下部縦通肋骨にて、各肋板との中
間部に湾曲した切欠部を形成したので、簡単な構造で効
率的に強度を向上することができる。
【0039】また、請求項5の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、肋板をスリットを介して下部縦通
肋骨及び上部縦通肋骨と交差して溶接により接合したの
で、簡単な構造で船底外板と内底板とを組み付けて底部
を製造することができ、作業性を向上することができ
る。
【0040】また、請求項6の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、肋板にて、記下部縦通肋骨と上部
縦通肋骨との間に位置して水平補強板を固定したので、
肋板における水平方向の座屈強度を向上することができ
る。
【0041】また、請求項7の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、肋板にて、下部縦通肋骨及び上部
縦通肋骨に隣接して垂直補強板を固定したので、肋板に
おける垂直方向の座屈強度を向上することができる。
【0042】また、請求項8の発明の二重殻構造を有す
る船体構造によれば、下部縦通肋骨と各肋板との交差部
に、水平補強部材を固定したので、各縦通肋骨における
水平方向の座屈強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る二重殻構造を有す
る船体構造における船体二重底部の要部概略斜視図であ
る。
【図2】第1実施形態の船体二重底部の正面図である。
【図3】第1実施形態の船体二重底部の側面図である。
【図4】第1実施形態の船体二重底部の組立手順を表す
概略図である。
【図5】肋板の形状を設定するために船底に作用するせ
ん断力及び曲げモーメントの概略説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る二重殻構造を有す
る船体構造における船体二重底部の要部概略斜視図であ
る。
【図7】本発明の第3実施形態に係る二重殻構造を有す
る船体構造における船体二重底部の要部概略斜視図であ
る。
【図8】第3実施形態の船体二重底部の正面図である。
【図9】第3実施形態の船体二重底部の側面図である。
【図10】第3実施形態の船体二重底部の組立手順を表
す概略図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る二重殻構造を有
する船体構造における船体二重底部の要部概略斜視図で
ある。
【図12】従来の二重殻構造を有する船体構造の概略図
である。
【図13】従来の船体二重底部の要部概略斜視図であ
る。
【図14】従来の船体二重底部の正面図である。
【図15】従来の船体二重底部の組立手順を表す概略図
である。
【図16】従来の船体二重底部の組立手順を表す概略図
である。
【符号の説明】
11 底部 12 船底外板 13 下部縦通肋骨 14 内底板 15 上部縦通肋骨 16 肋板 17 水平補強板 21,22 切欠部 31 底部 32 垂直補強板 41 底部 42,43 補強肋骨 51 底部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船底外板の上面に複数の下部縦通肋骨を
    所定間隔で立設する一方、内底板の下面に複数の上部縦
    通肋骨を所定間隔で立設し、前記船底外板に対して複数
    の肋板を前記各下部縦通肋骨に交差するように所定間隔
    で立設し、該各肋板に前記上部縦通肋骨が交差するよう
    に前記内底板を固定することで二重殻構造を構成し、少
    なくとも前記下部縦通肋骨における前記各肋板との交差
    部の高さをその中間部の高さよりも大きく設定したこと
    を特徴とする二重殻構造を有する船体構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記下部縦通肋骨及び前記上部縦通肋骨
    における前記各肋板との交差部の高さをその中間部の高
    さよりも大きく設定したことを特徴とする二重殻構造を
    有する船体構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記下部縦通肋骨における前記各肋板と
    の交差部の高さ及びその中間部の高さを、前記船底外板
    に作用するせん断力あるいは曲げモーメントに応じて設
    定したことを特徴とする二重殻構造を有する船体構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記下部縦通肋骨は、前記各肋板との中
    間部に湾曲した切欠部が形成されていることを特徴とす
    る二重殻構造を有する船体構造。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記肋板はスリットを介して前記下部縦
    通肋骨及び前記上部縦通肋骨と交差して溶接により接合
    されていることを特徴とする二重殻構造を有する船体構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記肋板に、前記下部縦通肋骨と前記上
    部縦通肋骨との間に位置して水平補強板が固定されてい
    ることを特徴とする二重殻構造を有する船体構造。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記肋板に、前記下部縦通肋骨及び前記
    上部縦通肋骨に隣接して垂直補強板が固定されているこ
    とを特徴とする二重殻構造を有する船体構造。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の二重殻構造を有する船体
    構造において、前記下部縦通肋骨と前記各肋板との交差
    部に、水平補強部材が固定されていることを特徴とする
    二重殻構造を有する船体構造。
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