JP2002011653A - セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル - Google Patents

セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル

Info

Publication number
JP2002011653A
JP2002011653A JP2000296202A JP2000296202A JP2002011653A JP 2002011653 A JP2002011653 A JP 2002011653A JP 2000296202 A JP2000296202 A JP 2000296202A JP 2000296202 A JP2000296202 A JP 2000296202A JP 2002011653 A JP2002011653 A JP 2002011653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
ceramic
metal
impregnated
silicon carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000296202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3778544B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Yasuda
裕之 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2000296202A priority Critical patent/JP3778544B2/ja
Publication of JP2002011653A publication Critical patent/JP2002011653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3778544B2 publication Critical patent/JP3778544B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性に優れるとともに、破壊しにくくて
長期信頼性に優れたセラミック部材を提供することがで
きる。 【解決手段】 このセラミック部材2は、含珪素セラミ
ックからなる多孔質体17の開放気孔中に金属シリコン
24を含浸した複数のセラミック・金属複合体18製の
基材11A,11Bからなる。基材11A,11B同士
は、金属シリコン24からなる接合層14を介して接合
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック部材及
びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、珪素を含むセラミックの一種とし
て炭化珪素(SiC)が知られている。炭化珪素は、熱
伝導性、耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性、硬度、耐酸化
性、耐食性等に優れるという好適な特性を有する。
【0003】ゆえに、炭化珪素は、メカニカルシールや
軸受等の耐磨耗材料をはじめとして、高温炉用の耐火
材、熱交換器、燃焼管等の耐熱構造材料、酸やアルカリ
に晒されやすいポンプ部品等の耐腐食材料など、広く利
用可能な材料であるといえる。また、近年では上記の諸
特性、特に高い熱伝導性に着目し、炭化珪素の多孔質体
を半導体製造装置(例えばウェハ研磨装置等)の構成材
料として利用しようとする動きがある。これに加え、炭
化珪素からなる多孔質体に存在する開放気孔中に金属を
含浸することによって、非含浸体よりもさらに熱伝導性
に優れた炭化珪素・金属複合体を製造することも提案さ
れている。
【0004】ウェハ研磨装置とは、半導体ウェハのデバ
イス形成面を研磨するためのラッピングマシンやポリッ
シングマシンのことを指す。この装置は、プッシャプレ
ートと、炭化珪素・金属複合体からなる複数枚の基材か
らなるテーブル等を備えている。各基材同士は、積層さ
れた状態で樹脂製の接着剤により接合されている。テー
ブルにおける接合界面には流路が設けられ、その流路に
は冷却水が循環される。また、プレートの保持面には、
半導体ウェハが熱可塑性ワックスを用いて貼付けられ
る。回転するプレートに保持された半導体ウェハは、研
磨クロスが設けられたテーブルの研磨面に対して上方か
ら押し付けられる。その結果、テーブルに対して半導体
ウェハが摺接することにより、ウェハの片側面が均一に
研磨される。そして、このときウェハに発生した熱は、
テーブル内を伝導した後、流路を循環する冷却水により
装置の外部に持ち去られるようになっている。
【0005】炭化珪素・金属複合体製の基材は高熱伝導
性等の特性を有しており、このような基材を用いて構成
されたテーブルは、均熱性や熱応答性に優れたものとな
ると考えられる。従って、かかるテーブルを用いて研磨
を行えば、大口径・高品質の半導体ウェハが得やすくな
るものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におい
て基材同士を接合するためには、熱伝導率の低い接着剤
が用いられていた。このため、接着剤が接合界面におけ
る熱抵抗の増大をもたらし、テーブル全体として熱伝導
率の低下を来していた。従って、熱伝導率の高い炭化珪
素・金属複合体を基材に用いているにもかかわらず、実
際上は十分な均熱性や熱応答性を実現することができな
かった。また、炭化珪素・金属複合体と接着剤とでは熱
膨張係数が大きく異なるため、接合界面においてクラッ
クや剥がれが発生しやすかった。ゆえに、ヒートサイク
ルを受けるとテーブルが破壊しやすく、長期信頼性が低
かった。
【0007】また、接着剤に代えて基材同士の接合にロ
ウ材を用いた場合、熱抵抗の増大に関する問題は解消さ
れる反面、熱膨張係数差に起因するクラックや剥がれの
発生については避けることができなかった。
【0008】さらに、従来技術においては各基材の全体
をシリコンによって含浸していたため、テーブル自体が
重くなってしまうという問題があった。従って、搬送時
等においてその取り扱いが困難であるという欠点があっ
た。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その第1の目的は、熱伝導性に優れるととも
に、破壊しにくくて長期信頼性に優れたセラミック部材
を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、このような好適な
セラミック部材を確実にかつ安価に製造できる方法を提
供することにある。本発明の第3の目的は、大口径・高
品質ウェハの製造に好適なウェハ研磨装置用テーブルを
提供することにある。
【0011】本発明の第4の目的は、軽量であって熱応
答性にも優れるウェハ研磨装置用テーブルを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、含珪素セラミックか
らなる多孔質体の開放気孔中に金属シリコンを含浸した
複数のセラミック・金属複合体同士が、前記金属シリコ
ンからなる接合層を介して接合されているセラミック部
材をその要旨とする。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記複数のセラミック・金属複合体は、いずれも炭
化珪素多孔質体の開放気孔中に金属シリコンを含浸した
ものであるとした。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項2におい
て、前記セラミック・金属複合体において、炭化珪素結
晶の平均粒径は20μm〜100μm、気孔率は10%
〜50%、熱伝導率は160W/m・K以上であり、前
記金属シリコンは、炭化珪素100重量部に対して15
重量部〜50重量部含浸されているとした。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3において、前記炭化珪素多孔質体は、平均粒径が0.
1μm〜1.0μmの細かい炭化珪素結晶を10体積%
〜50体積%含み、かつ、平均粒径が25μm〜150
μmの粗い炭化珪素結晶を50体積%〜90体積%含む
とした。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれか1項において、前記接合層の厚さは10μm
〜1500μmであるとした。請求項6に記載の発明で
は、含珪素セラミックからなる多孔質体の開放気孔中に
金属シリコンを含浸した複数のセラミック・金属複合体
同士が、前記金属シリコンからなる接合層を介して接合
されているセラミック部材の製造方法であって、積層さ
れた前記多孔質体の上部に金属シリコンを配置し、この
状態で1500℃〜2000℃の温度にて1時間以上加
熱することを特徴とするセラミック部材の製造方法をそ
の要旨とする。
【0017】請求項7に記載の発明では、複数の基材を
積層してなる積層構造物の上部に、ウェハ研磨装置を構
成しているウェハ保持プレートの保持面に保持されてい
る半導体ウェハが摺接される研磨面を有するテーブルに
おいて、前記基材は含珪素セラミックからなる多孔質体
の開放気孔中に金属シリコンを含浸したセラミック・金
属複合体であり、各基材同士は前記金属シリコンからな
る接合層を介して接合され、かつ前記接合層のある接合
界面には流体流路が配設されているウェハ研磨装置用テ
ーブルをその要旨とする。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項7におい
て、前記複数の基材のうち前記流体流路よりも下側に位
置するものは、含浸部位と未含浸部位とを備えていると
した。
【0019】請求項9に記載の発明は、請求項8におい
て、前記含浸部位は前記基材の表層部に存在し、前記未
含浸部位は前記基材の内部領域に存在するとした。以
下、本発明の「作用」について説明する。
【0020】請求項1に記載の発明によると、前記セラ
ミック・金属複合体及び金属シリコンからなる接合層の
熱膨張係数差は極めて小さいため、接合界面におけるク
ラックや剥がれの発生を防止することができる。ゆえ
に、ヒートサイクルを受けても破壊しにくく、長期信頼
性に優れたセラミック部材となる。また、金属シリコン
は一般的な接着剤に比べて格段に高い熱伝導率を有する
ため、接合界面において熱抵抗を増大させるという心配
もない。よって、熱伝導性に優れたセラミック部材とす
ることができる。
【0021】請求項2に記載の発明によると、炭化珪素
多孔質体はとりわけ高い熱伝導率を有するため、熱伝導
性に極めて優れたセラミック部材となる。また、炭化珪
素多孔質体という同種のセラミックからなる複数の複合
体を用いたことにより、複合体間の熱膨張係数差を完全
になくすことができる。よって、接合界面におけるクラ
ックや剥がれの発生を確実に防止することができる。
【0022】請求項3に記載の発明によると、炭化珪素
結晶の平均粒径、気孔率、熱伝導率、金属シリコンの含
浸量を上記好適範囲内に設定することにより、極めて熱
伝導率が高くて均熱性や熱応答性に優れたセラミック部
材を得ることができる。また、このようなセラミック部
材は、反りにくくて形状安定性にも極めて優れたものと
なる。
【0023】請求項4に記載の発明によると、多孔質体
を構成する炭化珪素結晶の種類及び平均粒径を上記のよ
うに設定することにより、極めて熱伝導率が高くて均熱
性や熱応答性に優れたセラミック部材を得ることができ
る。また、このようなセラミック部材は、反りにくくて
形状安定性にも極めて優れたものとなる。
【0024】請求項5に記載の発明によると、接合層の
厚さを上記好適範囲に設定することにより、接合作業の
困難化を伴うことなく十分な接合強度を得ることができ
る。接合層が10μmより薄いと、十分な接合強度が得
られなくなるおそれがある。逆に、接合層を1500μ
mより厚くしようとすると、含浸のときの条件設定が難
しくなり、接合作業が困難になるおそれがある。
【0025】請求項6に記載の発明によると、積層され
た多孔質体の上部に配置された金属シリコンは、加熱に
よって溶融するとともに、多孔質体の開放気孔内を通り
抜けて流下する。その結果、前記多孔質体内に金属シリ
コンが含浸され、所望の複合体が得られる。そして、こ
のとき同時に、金属シリコンからなる接合層を介して複
合体同士が接合される。従って、金属シリコンの含浸作
業と複合体同士の接合作業とを別工程にて行った場合に
比べ、効率よくセラミック部材を得ることができる。よ
って、上記のような好適なセラミック部材を確実にかつ
安価に製造することができる。
【0026】請求項7に記載の発明によると、接合界面
におけるクラックや剥がれの発生が防止され、ヒートサ
イクルを受けても破壊しにくくなる。この結果、流体流
路からの流体漏れも未然に防止され、長期信頼性に優れ
たテーブルとなる。また、金属シリコンからなる接合層
は接合界面において熱抵抗を増大させないため、熱伝導
性に極めて優れたテーブルとなる。従って、テーブル内
部に温度バラツキが生じにくくなり、極めて高い均熱性
及び熱応答性が付与される。このため、大口径・高品質
ウェハの製造に好適なものとすることができる。
【0027】請求項8に記載の発明によると、流体流路
よりも下側に位置する基材には未含浸部位があることか
ら、使用する含浸材料の総重量が少なくなり、テーブル
全体の軽量化が図られる。また、流体流路を介して下側
の領域のほうが上側の領域に比べて相対的に熱伝導率が
低くなるため、テーブルの熱応答性が向上する。
【0028】請求項9に記載の発明によると、含浸部位
が存在している基材の表層部に好適な強度が確保される
結果、そこからのパーティクルの発生も極めて少なくな
り、周囲の汚れを確実に防止することができる。しか
も、表層部に高いシール性が確保されることにより、外
部への流体の漏れが未然に防止される。
【0029】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、本発明
を具体化した一実施形態のウェハ研磨装置1を図1〜図
3に基づき詳細に説明する。
【0030】図1には、本実施形態のウェハ研磨装置1
が概略的に示されている。同ウェハ研磨装置1を構成し
ているテーブル2は円盤状である。テーブル2の上面
は、半導体ウェハ5を研磨するための研磨面2aになっ
ている。この研磨面2aには図示しない研磨クロスが貼
り付けられている。本実施形態のテーブル2は、冷却ジ
ャケットを用いることなく、円柱状をした回転軸4の上
端面に対して水平にかつ直接的に固定されている。従っ
て、回転軸4を回転駆動させると、その回転軸4ととも
にテーブル2が一体的に回転する。
【0031】図1に示されるように、このウェハ研磨装
置1は、複数(図1では図示の便宜上2つ)のウェハ保
持プレート6を備えている。プレート6の形成材料とし
ては、例えばガラスや、アルミナ等のセラミックス材料
や、ステンレス等の金属材料などが採用される。各ウェ
ハ保持プレート6の片側面(非保持面6b)の中心部に
は、プッシャ棒7が固定されている。各プッシャ棒7は
テーブル2の上方に位置するとともに、図示しない駆動
手段に連結されている。各プッシャ棒7は各ウェハ保持
プレート6を水平に支持している。このとき、保持面6
aはテーブル2の研磨面2aに対向した状態となる。ま
た、各プッシャ棒7はウェハ保持プレート6とともに回
転することができるばかりでなく、所定範囲だけ上下動
することができる。プレート6側を上下動させる方式に
代え、テーブル2側を上下動させる構造を採用しても構
わない。ウェハ保持プレート6の保持面6aには、半導
体ウェハ5が例えば熱可塑性ワックス等を用いて貼着さ
れる。半導体ウェハ5は、保持面6aに対して真空引き
によりまたは静電的に吸着されてもよい。このとき、半
導体ウェハ5における被研磨面5aは、テーブル2の研
磨面2a側を向いている必要がある。
【0032】次に、テーブル2の構成について詳細に説
明する。図1,図2に示されるように、本実施形態のテ
ーブル2は、2枚の炭化珪素・金属複合体製の基材11
A,11Bからなる積層セラミックス構造体である。上
側基材11Aの裏面には、流体流路である冷却用水路1
2の一部を構成する溝13が所定パターン状に形成され
ている。2枚の基材11A,11B同士は、接合層14
を介して互いに接合されることにより、一体化されてい
る。その結果、基材11A,11Bの接合界面に前記水
路12が形成される。下側基材11Bの略中心部には、
貫通孔15が形成されている。これらの貫通孔15は、
回転軸4内に設けられた流路4aと、前記水路12とを
連通させている。
【0033】水路12の一部を構成する溝13は、上側
基材11Aの裏面を生加工後かつ焼成前に研削加工する
ことにより形成された研削溝である。溝13の深さは3
mm〜10mm程度に、幅は5mm〜20mm程度にそれぞれ設
定されることがよい。
【0034】前記基材11A,11Bは、含珪素セラミ
ックからなる多孔質体17の開放気孔中に金属シリコン
24を含浸したセラミック・金属複合体18である。本
実施形態において具体的には、炭化珪素多孔質体17の
開放気孔中に金属シリコン24を含浸した炭化珪素・金
属複合体18が選択されている。なお、本実施形態のも
のは、両基材11A,11Bにおける全領域(ただし溝
部13等の部位は除く)が含浸部位A2となっていて、
積極的には未含浸部位A1は設けられていない。
【0035】多孔質体17の多孔質組織を構成する炭化
珪素結晶21,22の平均粒径は、20μm以上という
比較的大きな値に設定されることがよい。熱が結晶の内
部を伝導する効率は、熱が結晶間を伝導する効率に比べ
て一般に高いため、平均粒径が大きいほど熱伝導率が高
くなるからである。また、多孔質組織の気孔率は30%
以下という小さい値に設定されていることがよく、この
ような設定にすれば熱伝導性の向上を確実に図ることが
できる。即ち、気孔率が小さくなると多孔質組織内にお
ける空隙が減る結果、熱が伝導しやすくなるからであ
る。
【0036】ここで、炭化珪素結晶21,22の平均粒
径が20μm未満であったり、気孔率が30%を超える
ものであると、含浸を行ったとしても熱伝導率を160
W/m・K以上の高い値にすることが困難になる。従っ
て、均熱性、熱応答性及び形状安定性の向上を十分に達
成することができなくなる。なお、熱伝導率の値は16
0W/m・K以上であることが好ましく、さらには18
0W/m・K〜280W/m・Kであることがより好ま
しく、200W/m・K〜260W/m・Kであること
が特に好ましい。
【0037】炭化珪素結晶21,22の平均粒径は、2
0μm〜100μmに設定されることが好ましく、30
μm〜90μmに設定されることがより好ましく、40
μm〜70μmに設定されることが最も好ましい。平均
粒径が大きくなりすぎると、複合体18が過度に緻密化
してしまうおそれがある。
【0038】開放気孔の気孔率は、10%〜50%に設
定されることが好ましく、10%〜40%に設定される
ことより好ましく、20%〜30%に設定されることが
最も好ましい。
【0039】また、前記複合体18は、平均粒径が0.
1μm〜1.0μmの細かい炭化珪素結晶21(以下、
細結晶21という)を10体積%〜50体積%含み、か
つ、平均粒径が25μm〜150μmの粗い炭化珪素結
晶22(以下、粗結晶22という)を50体積%〜90
体積%含むものであることが好ましい。
【0040】上記のように、細結晶21と粗結晶22と
が適宜の比率で含まれる複合体18の場合、粗結晶22
間に形成される空隙が細結晶21で埋まった状態となり
やすく、実質的な空隙の比率が小さくなる(図2(b)
参照)。その結果、複合体18の熱抵抗がよりいっそう
小さくなり、このことが熱伝導性の向上に大きく貢献し
ているものと考えられる。
【0041】細結晶21の平均粒径は、0.1μm〜
1.0μmに設定されることがよく、0.2μm〜0.
9μmに設定されることがより好ましく、0.3μm〜
0.7μmに設定されることが最も好ましい。細結晶2
1の平均粒径を極めて小さくしようとすると、高価な微
粉末の使用が必要となるため、材料コストの高騰につな
がるおそれがある。逆に、細結晶21の平均粒径が大き
くなりすぎると、粗結晶22間に形成される空隙を十分
に埋めることができなくなり、複合体の熱抵抗を十分に
低減できなくなるおそれがある。
【0042】複合体18において細結晶21は、10体
積%〜50体積%含まれることがよく、15体積%〜4
0体積%含まれることがより好ましく、20体積%〜4
0体積%含まれることが最も好ましい。細結晶21の含
有比率が小さくなりすぎると、粗結晶22間に形成され
る空隙を埋めるのに十分な量の細結晶21が確保されに
くくなり、複合体18の熱抵抗を確実に低減できなくな
るおそれがある。逆に、細結晶21の含有比率が大きく
なりすぎると、前記空隙を埋める細結晶21がむしろ余
剰となり、本来熱伝導性の向上に必要な程度の粗結晶2
2が確保されなくなる。従って、かえって複合体18の
熱抵抗が大きくなるおそれがある。
【0043】さらに、複合体18において粗結晶22の
平均粒径は、25μm〜150μmに設定されることが
よく、40μm〜100μmに設定されることがより好
ましく、60μm〜80μmに設定されることが最も好
ましい。粗結晶22の平均粒径を極めて小さくしようと
すると、前記細結晶21との粒径差が小さくなる結果、
細結晶21と粗結晶22との混合による熱抵抗低減効果
を期待できなくなるおそれがある。逆に、粗結晶22の
平均粒径が大きくなりすぎると、粗結晶22間に形成さ
れる個々の空隙が大きくなることから、たとえ十分な量
の細結晶21があったとしても当該空隙を十分に埋める
ことは困難になる。よって、複合体18の熱抵抗を十分
に低減できなくなるおそれがある。
【0044】複合体18において粗結晶22は、50体
積%〜90体積%含まれることがよく、60体積%〜8
5体積%含まれることがより好ましく、60体積%〜8
0体積%含まれることが最も好ましい。粗結晶22の含
有比率が小さくなりすぎると、本来熱伝導率の向上に必
要な程度の粗結晶22が確保されなくなり、かえって複
合体の熱抵抗が大きくなるおそれがある。逆に、粗結晶
22の含有比率が大きくなりすぎると、相対的に細結晶
21の含有比率が小さくなってしまい、粗結晶22間に
形成される空隙を十分に埋めることができなくなる。よ
って、複合体18の熱抵抗を確実に低減できなくなるお
それがある。
【0045】上述したように、炭化珪素多孔質体17の
開放気孔中には、金属シリコン24が含浸されている。
金属シリコン24の含浸を行うと、金属シリコン24が
多孔質体17の開放気孔内に埋まり込むことによって見
かけ上は緻密体となり、結果として熱伝導性及び強度の
向上が図られるからである。
【0046】ここで、含浸用金属として特に金属シリコ
ン24を選択した理由は、金属シリコン24は元来炭化
珪素との馴染みがよい物質であることに加え、それ自体
が高い熱伝導率を有しているからである。ゆえに、金属
シリコン24を多孔質体17の開放気孔内に充填するこ
とによって、熱伝導性及び強度の向上を確実に達成する
ことができるからである。また、金属シリコン24は、
接着剤のような樹脂材料とは異なり熱膨張係数が炭化珪
素と極めて近似しているため、接合層14の材料として
好適だからである。
【0047】金属シリコン24は、炭化珪素100重量
部に対して15重量部〜50重量部含浸されていること
がよく、さらには15重量部〜45重量部含浸されてい
ることがよりよく、特には15重量部〜30重量部含浸
されていることが好ましい。含浸量が15重量部未満で
あると、開放気孔を十分に埋めることができなくなり、
複合体18の熱抵抗を確実に低減できなくなるおそれが
ある。逆に、含浸量が30重量部を超えるようになる
と、結晶部分の比率が相対的に低下してしまう結果、場
合によってはかえって複合体18の熱伝導率が低下する
可能性がある。
【0048】また、金属シリコン24からなる接合層1
4の厚さは、10μm〜1500μmであることがよ
く、さらには100μm〜500μmであることがより
よい。その理由は、接合層14が10μmよりも薄い
と、十分な接合強度が得られなくなるおそれがあるから
である。逆に、接合層14を1500μmよりも厚くし
ようとすると、含浸のときの温度、時間等の条件設定が
難しくなり、接合作業が困難になるおそれがあるからで
ある。
【0049】次に、このテーブル2の製造手順を図3に
基づいて説明する。炭化珪素の多孔質体17は、粗粉末
に微粉末を所定割合で配合して混合する材料調製工程、
成形工程及び焼成工程、金属含浸・基材接合工程を経て
製造される。
【0050】前記材料調製工程においては、平均粒径5
μm〜100μmのα型炭化珪素の粗粉末を100重量
部用意する。これに対して平均粒径0.1μm〜1.0
μmのα型炭化珪素の微粉末を10重量部〜100重量
部を配合し、これを均一に混合することを行う。
【0051】α型炭化珪素の粗粉末の平均粒径は、5μ
m〜100μmに設定されることがよく、15μm〜7
5μmに設定されることがより好ましく、25μm〜6
0μmに設定されることが最も好ましい。α型炭化珪素
の粗粉末の平均粒径が5μm未満になると、異常粒成長
を抑制する効果が低くなるおそれがある。逆に、α型炭
化珪素の粗粉末の平均粒径が60μmを超えると、成形
性が悪化することに加え、得られる複合体18の強度が
低くなるおそれがある。
【0052】α型炭化珪素の微粉末の平均粒径は、0.
1μm〜1.0μmに設定されることがよく、0.1μ
m〜0.8μmに設定されることがより好ましく、0.
2μm〜0.5μmに設定されることが最も好ましい。
α型炭化珪素の微粉末の平均粒径が0.1μm未満にな
ると、粒成長の制御が困難になることに加え、材料コス
トの高騰が避けられなくなる。逆に、α型炭化珪素の微
粉末の平均粒径が1.0μmを超えると、粗結晶22間
に形成される空隙が埋まりにくくなるおそれがある。な
お、微粉末としてα型を選択した理由は、β型に比べて
熱伝導率がいくぶん高くなる傾向があるからである。
【0053】前記微粉末の配合量は、10重量部〜10
0重量部であることがよく、15重量部〜65重量部で
あることがより好ましく、20重量部〜60重量部であ
ることが最も好ましい。微粉末の配合量が少なすぎる
と、粗結晶22間に形成される空隙を埋めるのに十分な
量の細結晶21が確保されにくくなり、複合体18の熱
抵抗を十分に低減できなくなるおそれがある。また、2
0μm以上という所望の気孔径を得るために焼成温度を
極めて高温に設定する必要が生じ、コスト的に不利とな
る。逆に、微粉末の配合量が多すぎると、熱伝導性の向
上に必要な程度の粗結晶22が確保されなくなる結果、
複合体18の熱抵抗が大きくなるおそれがある。また、
強度に優れた複合体を得ることも困難になる。
【0054】上記の材料調製工程においては、前記2種
の粉末とともに、成形用バインダや分散溶媒が必要に応
じて配合される。そして、これを均一に混合・混練して
粘度を適宜調製することにより、まず原料スラリーが得
られる。なお、原料スラリーを混合する手段としては、
振動ミル、アトライター、ボールミル、コロイドミル、
高速ミキサー等がある。混合された原料スラリーを混練
する手段としては、例えばニーダー等がある。
【0055】成形用バインダとしては、ポリビニルアル
コール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコ
ール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等
がある。成形用バインダの配合割合は、一般に炭化珪素
粉末の合計100重量部に対し、1重量部〜10重量部
の範囲であることが好適である。この比率が1重量部未
満であると、得られる成形体の強度が不十分となり、取
扱性が悪くなる。逆に、この比率が10重量部を超える
ものであると、乾燥等によって成形用バインダを除去す
る際に成形体にクラックが生じやすくなり、歩留まりが
悪化してしまう。
【0056】分散溶媒としては、ベンゼン、シクロヘキ
サン等の有機溶剤、メタノール等のアルコール、水等が
使用可能である。また、上記原料スラリー中には、さら
に炭素源となる有機物が炭素重量換算値で1重量%〜1
0重量%、特には6重量%〜9重量%配合されているこ
とがよい。即ち、前記有機物に由来する炭素が焼結体の
炭化珪素の表面に付着することにより、含浸してきた金
属シリコン24と炭素とが反応し、そこにあらたに炭化
珪素を生成する。従って、そこに強いネッキングが起
き、これにより熱伝導性及び強度の向上が図られるから
である。
【0057】ここで、成形体における前記有機物の分量
が少なすぎると、焼結体表面を覆う酸化珪素膜が厚くな
り、焼結体側に金属シリコン24が入りにくくなる結
果、そこにあらたに炭化珪素が生成しにくくなるおそれ
がある。
【0058】逆に、成形体における前記有機物の分量が
多すぎると、例えば樹脂を選択した場合において、成形
時の離形性が悪化するおそれがある。また、炭化珪素の
焼結が阻害される結果、強度低下を来すおそれがある。
【0059】前記有機物としては、例えばフェノールレ
ジン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ピッ
チ、タールなどがある。このなかでもフェノールレジン
は、ボールミルを用いた場合に原料を均一に混合できる
という点で有利である。
【0060】次いで、前記原料スラリーを用いて炭化珪
素の顆粒が形成される。炭化珪素粉末を顆粒化する方法
としては、噴霧乾燥による顆粒化法(いわゆるスプレー
ドライ法)のように、従来からある汎用技術を用いるこ
とができる。即ち、原料スラリーを高温状態に維持した
容器内へ噴霧し、急速に乾燥を行なう方法などが適用可
能である。
【0061】続く成形工程においては、材料調製工程に
より得られた混合物からなる顆粒を所定形状に成形して
成形体を作製する。その際の成形圧力は、1.0t/c
2〜1.5t/cm2であることがよい。その理由は、
成形体密度及び焼結体密度が高くなる結果、熱伝導率が
高くなるからである。また、成形体の密度は、2.0g
/cm3以上に設定されることがよい。その理由は、成
形体の密度が小さすぎると、炭化珪素粒子相互の結合箇
所が少なくなるからである。よって、得られる多孔質体
17の強度が低くなり、取扱性が悪くなる。
【0062】続く焼成工程においては、成形工程によっ
て得られた成形体を1700℃〜2400℃の温度範囲
で、好ましくは2000℃〜2400℃の温度範囲で、
特に好ましくは2000℃〜2300℃の温度範囲で焼
成して多孔質体17を作製する。
【0063】焼成温度が低すぎると、炭化珪素粒子同士
を結合するネック部を十分に発達させることが困難にな
り、高熱伝導率及び高強度を達成できなくなる場合があ
る。逆に、焼成温度が高すぎると、炭化珪素の熱分解が
始まる結果、多孔質体17の強度低下を来してしまう。
しかも、焼成炉に投じる熱エネルギー量が増大する結
果、コスト的に不利となる。
【0064】また、焼成時において焼成炉の内部は、例
えばアルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、水素及び一酸
化炭素の中から選択される少なくとも一種からなるガス
雰囲気(即ち非酸化性雰囲気、不活性雰囲気)に保たれ
るべきである。なお、このとき焼成炉内を真空状態にし
てもよい。
【0065】さらに焼成時においては、ネック部の成長
を促進させるために、成形体からの炭化珪素の揮散を抑
制することが有利である。成形体からの炭化珪素の揮散
を抑制する方法としては、外気の侵入を遮断可能な耐熱
性の容器内に成形体を装入することが有効である。前記
耐熱性の容器の形成材料としては、黒鉛または炭化珪素
が好適である。
【0066】続く金属含浸・基材接合工程では、以下の
ようにして未含浸の多孔質体17に金属シリコン24を
含浸する。金属シリコン24の含浸に際し、前もって多
孔質体17に炭素質物質を含浸しておくことが好まし
い。このような炭素質物質としては、例えばフルフラー
ル樹脂、フェノール樹脂、リグニンスルホン酸塩、ポリ
ビニルアルコール、コーンスターチ、糖蜜、コールター
ルピッチ、アルギン酸塩のような各種有機物質が使用可
能である。なお、カーボンブラック、アセチレンブラッ
クのような熱分解炭素も同様に使用可能である。前記炭
素室物質をあらかじめ含浸する理由は、多孔質体17の
開放気孔の表面に新たな炭化珪素の膜が形成されるた
め、これによって金属シリコン24と多孔質体17との
結合が強固なものになるからである。また、炭素室物質
の含浸によって、多孔質体17自体の強度も強くなるか
らである。
【0067】次いで、前記多孔質体17を複数枚積層
し、かつその積層物の最上部に固体状の金属シリコン2
4を載置しておく(図3(a),(b)参照)。固体状の金属
シリコン24として、本実施形態では塊状のものが用い
られている。このほかにも、例えば粉末状のもの、粒状
のもの、シート状のもの等を用いても構わない。また、
固定状の金属シリコン24に代えてペースト状の金属シ
リコン24を用い、それを積層物の最上部に塗布してお
くようにしてもよい。
【0068】そして、前記積層物を加熱炉内にセット
し、所定時間かつ所定温度にて加熱する(図3(c)参
照)。その結果、固体状またはペースト状であった金属
シリコン24が溶融するとともに、多孔質体17の開放
気孔内を通り抜けて流下する。その結果、多孔質体17
内に金属シリコン24が含浸され、所望の炭化珪素・金
属複合体18が得られる。そして、このとき同時に、金
属シリコン24からなる接合層14を介して前記複合体
18同士が接合された状態となる。
【0069】このときの加熱温度は、1500℃〜20
00℃に設定されることが好ましい。その理由は、15
00℃よりも低いと、金属シリコン24を完全に溶融さ
せて流動化させることができず、複合体18内に未含浸
部分が生じたり、接合界面に未接合部分が生じたりする
おそれがあるからである。逆に、2000℃よりも高い
と、金属シリコン24が気化(昇華)する結果、十分量
の金属シリコン24が接合界面に留まらなくなり、かえ
って接合強度の低下を来すおそれがあるからである。ま
た、加熱時に熱エネルギーを浪費することになるため、
経済性や生産性が低下するおそれもあるからである。
【0070】また、加熱時間は1時間以上に設定される
ことがよく、好ましくは2時間以上に設定されることが
よい。その理由は、1時間未満であると、複合体18の
接合界面に未接合部分が生じたりするおそれがあるから
である。
【0071】積層物の加熱は減圧下において、特には5
torr以下の条件下において行われることが好まし
い。その理由は、減圧下であると多孔質体17内の空気
が開放気孔から抜け出しやすくなり、その分だけ金属シ
リコン24をスムーズに含浸させることが可能になるか
らである。また、酸素の少ない環境にすることにより、
金属シリコン24の酸化を防止するためである。
【0072】以下、本実施形態をより具体化したいくつ
かの実施例及び比較例を紹介する。 〈実施例1−1〉実施例1−1の作製においては、出発
材料として,平均粒径30μmのα型炭化珪素の粗粉末
(#400)と、平均粒径0.3μmのα型炭化珪素の
微粉末(GMF−15H2)とを準備した。そして、1
00重量部の前記粗粉末に対して、前記微粉末を30重
量部を配合し、これを均一に混合した。
【0073】この混合物100重量部に対し、ポリビニ
ルアルコール5重量部、フェノールレジン3重量部、水
50重量部を配合した後、ボールミル中にて5時間混合
することにより、均一な混合物を得た。この混合物を所
定時間乾燥して水分をある程度除去した後、その乾燥混
合物を適量採取しかつ顆粒化した。このとき、顆粒の水
分率を約0.8重量%になるように調節した。次いで、
前記混合物の顆粒を、金属製押し型を用いて1.3t/
cm2のプレス圧力で成形した。得られた円盤状の生成
形体(50mmφ、5mmt)の密度は2.6g/cm
3であった。
【0074】続いて、後に上側基材11Aとなるべき成
形体の底面を研削加工することにより、深さ5mmかつ
幅10mmの溝13を底面のほぼ全域に形成した。次い
で、黒鉛製ルツボに前記生成形体を装入し、タンマン型
焼成炉を使用してその焼成を行なった。焼成は1気圧の
アルゴンガス雰囲気中において実施した。また、焼成時
においては10℃/分の昇温速度で最高温度である22
00℃まで加熱し、その後はその温度で4時間保持する
こととした。
【0075】続く金属含浸・基材接合工程では、得られ
た多孔質体17にフェノール樹脂(炭化率30重量%)
をあらかじめ真空含浸し、かつ乾燥した。そして、多孔
質体17を2枚積層し、かつその積層物の最上部に塊状
の金属シリコン24を載置しておく。なお、ここでは純
度が99.99重量%以上の塊状の金属シリコン24を
使用した。そして、塊状の金属シリコン24が載置され
た積層物を加熱炉内にセットし、これを1torrの減
圧下で加熱して、最高温度1800℃で約3時間保持し
た。このような処理の結果、固体状であった金属シリコ
ン24を溶融させ、多孔質体17内に金属シリコン24
を含浸させた。このとき同時に、金属シリコン24から
なる接合層14を介して、複合体18同士を接合した。
なお、ここでは炭化珪素100重量部に対する金属シリ
コン24の含浸量を、30重量部に設定した。また、金
属シリコン24からなる接合層14の厚さを150μm
に設定した。
【0076】得られた炭化珪素・金属複合体18製の基
材11A,11Bでは、多孔質組織における開放気孔の
気孔率が20%、全体としての熱伝導率が210W/m
・K、全体としての密度が3.0g/cm3 であった。
また、炭化珪素結晶21,22の平均粒径は30μmで
あった。具体的には、平均粒径が1.0μmの細結晶2
1を20体積%含み、かつ、平均粒径が40μmの粗結
晶22を80体積%含んでいた。
【0077】また、本実施例の多孔質体17の熱膨張係
数は4.0×10-6/℃であった。一方、金属シリコン
24からなる接合層14の熱膨張係数は4.2×10-6
/℃であり、多孔質体17のそれと極めて近似してい
た。金属シリコン24からなる接合層14の熱伝導率は
150W/m・Kであり、高熱伝導体といい得るもので
あった。
【0078】続いて、上側基材11Aの表面に研磨加工
を施すことにより、最終的に、半導体ウェハ5の研磨に
適した面粗度の研磨面2aを有するテーブル2を完成し
た。このようにして得られた実施例1−1のテーブル2
の曲げ強度を従来公知の手法により複数回測定したとこ
ろ、その平均値は約550MPaであった。
【0079】図2(b)において概略的に示されるよう
に、多孔質体17内に含浸されている金属シリコン24
と、接合層14を構成する金属シリコン24とは、境目
なく連続的に存在した状態にある。ゆえに、このことが
曲げ強度の向上にいくぶん寄与しているものと考えられ
ている。
【0080】また、ヒートサイクルを一定時間行った
後、テーブル2を厚さ方向に沿って切断し、その切断面
を肉眼及び顕微鏡により観察した。その結果、接合界面
におけるクラックや剥がれは全く確認されなかった。
【0081】このようにして得られた実施例1−1のテ
ーブル2を上記各種の研磨装置1にセットし、水路12
内に冷却水Wを常時循環させつつ、各種サイズの半導体
ウェハ5の研磨を行なった。そして、各種の研磨装置1
による研磨を経て得られた半導体ウェハ5を観察したと
ころ、ウェハサイズの如何を問わず、ウェハ5には傷が
付いていなかった。また、ウェハ5に大きな反りが生じ
るようなこともなかった。つまり、本実施例のテーブル
2を用いた場合、大口径・高品質な半導体ウェハ5が得
られることがわかった。 〈実施例1−2〉実施例1−2の作製においては接合層
14の厚さを50μmに設定し、それ以外の条件につい
ては基本的に実施例1−1と同様にしてテーブル2を作
製した。
【0082】得られたテーブル2の曲げ強度を複数回測
定したところ、その平均値は約550MPaであった。
また、一定時間のヒートサイクル後にテーブル2の切断
面を観察したところ、接合界面におけるクラックや剥が
れは全く確認されなかった。
【0083】さらに、テーブル2を上記各種の研磨装置
1にセットし、各種サイズの半導体ウェハ5の研磨を行
なったところ、前記実施例1−1とほぼ同様の優れた結
果が得られた。即ち、ウェハ5の傷付きや反りが認めら
れず、大口径・高品質な半導体ウェハ5が得られること
がわかった。 〈実施例1−3〉実施例1−3の作製においては接合層
14の厚さを1500μmに設定し、それ以外の条件に
ついては基本的に実施例1−1と同様にしてテーブル2
を作製した。
【0084】得られたテーブル2の曲げ強度を複数回測
定したところ、その平均値は約550MPaであった。
また、一定時間のヒートサイクル後にテーブル2の切断
面を観察したところ、接合界面におけるクラックや剥が
れは全く確認されなかった。
【0085】さらに、テーブル2を上記各種の研磨装置
1にセットし、各種サイズの半導体ウェハ5の研磨を行
なったところ、前記実施例1−1とほぼ同様の優れた結
果が得られた。即ち、ウェハ5の傷付きや反りは認めら
れず、大口径・高品質な半導体ウェハ5が得られること
がわかった。 〈比較例1〉比較例1においては、あらかじめ多孔質体
17ごとに別個に金属シリコン24の含浸を行って基材
11A,11Bを作製し、次いでAg−Cu−Tiから
なるロウ材を用いて基材11A,11B同士をロウ付け
接合することとした。それ以外の条件については、基本
的に実施例1と同様にして、テーブル2を作製した。な
お、前記ロウ材の熱伝導率は、金属シリコン24のそれ
よりも若干高く、170W/m・Kであった。ロウ材の
熱膨張係数は18.5×10-6/℃であり、金属シリコ
ン24のそれよりもいくぶん大きかった。
【0086】なお、比較例1の場合、金属シリコン24
の含浸作業と基材11A,11B同士の接合作業とを別
工程にて行っていることから、実施例1−1,1−2,
1−3に比べて生産性及びコスト性に劣っていた。
【0087】次に、得られたテーブル2について曲げ強
度を複数回測定したところ、その平均値は約400MP
aであり、実施例1−1,1−2,1−3より低い値と
なった。また、一定時間のヒートサイクル後にテーブル
2の切断面を観察したところ、接合界面においてクラッ
クや剥がれが確認された。 〈比較例2〉比較例2においては、あらかじめ多孔質体
17ごとに別個に金属シリコン24の含浸を行って基材
11A,11Bを作製し、次いで樹脂製接着剤(セメダ
イン社製)を用いて基材11A,11B同士を接着する
こととした。それ以外の条件については、基本的に実施
例1と同様にして、テーブル2を作製した。なお、前記
接着剤の熱伝導率は、金属シリコン24のそれよりも大
幅に低く、0.162W/m・Kであった。同接着剤の
熱膨張係数は65×10-6/℃であり、金属シリコン2
4のそれよりも相当大きいものであった。
【0088】なお、比較例2の場合、金属シリコン24
の含浸作業と基材11A,11B同士の接着作業とを別
工程にて行っていることから、実施例1−1,1−2,
1−3に比べて生産性及びコスト性に劣っていた。
【0089】次に、得られたテーブル2について曲げ強
度を複数回測定したところ、その平均値は約50MPa
であり、比較例1よりもさらに低い値を示した。また、
一定時間のヒートサイクル後にテーブル2の切断面を観
察したところ、接合界面においてクラックや剥がれが顕
著に発生していた。
【0090】従って、本実施形態の各実施例によれば以
下のような効果を得ることができる。 (1)前記実施例1−1,1−2,1−3のテーブル2
の場合、2枚の炭化珪素・金属複合体18同士が、金属
シリコン24からなる接合層14を介して接合されてい
る。接合層14の熱膨張係数と、複合体18の熱膨張係
数(実質的には炭化珪素の熱膨張係数にほぼ等しい)と
の差は、約0.2×10-6/℃であって極めて小さい。
このため、熱膨張係数差に起因する熱応力が生じる心配
がなく、クラックや剥がれの発生を防止することができ
る。ゆえに、ヒートサイクルを受けても破壊しにくく、
長期信頼性に優れたテーブル2とすることができる。ま
た、金属シリコン24は接着剤に比べて格段に高い熱伝
導率を有するため、接合界面において熱抵抗を増大させ
るという心配もない。よって、熱伝導性に優れたテーブ
ル2とすることができる。
【0091】(2)実施例1−1,1−2,1−3によ
ると、テーブル2を製造する際、金属シリコン24の含
浸作業と複合体18同士の接合作業とが同時に行われ
る。従って、前記各工程を個別に行う場合に比べ、効率
よくテーブル2を得ることができる。よって、上記のよ
うな好適なテーブル2を確実にかつ安価に製造すること
ができる。
【0092】(3)実施例1−1,1−2,1−3によ
ると、接合界面におけるクラックや剥がれの発生が防止
され、ヒートサイクルを受けても破壊しにくくなる。こ
の結果、冷却用水路12からの水漏れも未然に防止さ
れ、長期信頼性に優れたテーブル2となる。また、金属
シリコン24からなる接合層14は接合界面において熱
抵抗を増大させないため、熱伝導性に極めて優れたテー
ブル2となる。従って、テーブル2内部に温度バラツキ
が生じにくくなり、極めて高い均熱性及び熱応答性が付
与される。このため、前記テーブル2を用いたウェハ研
磨装置1にて研磨を行えば、大口径・高品質ウェハ5を
確実に製造することができる。 [第2の実施形態]次に、本発明を具体化した第2の実
施形態のウェハ研磨装置1を図4に基づき詳細に説明す
る。なお、第1の実施形態と共通する構成についてはそ
の説明を省略し、相違する構成について説明する。
【0093】第2の実施形態のテーブル2は、一部の領
域に未含浸部位A1を備えている点で相違している。具
体的にいうと、このテーブル2において水路12よりも
下側に位置する下側基材11Bには、含浸部位A2と未
含浸部位A1とが設けられている。即ち、本実施形態の
テーブル2には未含浸部位A1が積極的に設けられてい
る。含浸部位A2は下側基材11Bの表層部に存在して
おり、未含浸部位A1は下側基材11Bの内部領域に存
在している。ここでは、含浸部位A2の厚さが10mm
〜30mm程度となっている。なお、下側基材11Bに
おける含浸部位A2と未含浸部位A1との体積比は、
8:1〜15:1となっている。
【0094】本実施例のテーブル2を製造する際の金属
含浸・基材接合工程では、加熱時間が1時間以上に設定
されることがよく、より好ましく1時間〜2時間程度に
設定されることがよい。その理由は、1時間未満である
と、接合界面に未接合部分が生じるおそれがあるからで
ある。逆に、2時間を超えると、複合体18内に意図的
にある程度の大きさをもった未含浸部分A1を生じさせ
ることが困難になり、全領域が含浸部位A2になってし
まうおそれがあるからである。
【0095】以下、本実施形態をより具体化した実施例
を紹介する。 〈実施例2−1〉実施例2−1の作製は、金属含浸・基
材接合工程の条件のみを変更したことを除き、基本的に
は実施例1−1に準ずるものとした。
【0096】本実施例の金属含浸・基材接合工程では、
得られた多孔質体17にフェノール樹脂(炭化率30重
量%)をあらかじめ真空含浸し、かつ乾燥した。そし
て、多孔質体17を2枚積層し、かつその積層物の最上
部に塊状の金属シリコン24を載置しておく。なお、こ
こでは純度が99.99重量%以上の塊状の金属シリコ
ン24を使用した。そして、塊状の金属シリコン24が
載置された積層物を加熱炉内にセットし、これを1to
rrの減圧下で加熱して、最高温度1800℃で約1.
5時間保持した。即ち、実施例1−1のときよりも短い
時間に設定した。このような処理の結果、固体状であっ
た金属シリコン24を溶融させ、多孔質体17内に金属
シリコン24を部分的に含浸させた。このとき同時に、
金属シリコン24からなる接合層14を介して、複合体
18同士を接合した。
【0097】得られた炭化珪素・金属複合体18製の上
側基材11Aでは、基材全体としての熱伝導率が210
W/m・K、密度が3.0g/cm3 であった。一方、
炭化珪素・金属複合体18製の下側基材11Bでは、基
材全体としての熱伝導率が140W/m・K、密度が
2.8g/cm3 であった。
【0098】続いて、上側基材11Aの表面に研磨加工
を施すことにより、最終的に、半導体ウェハ5の研磨に
適した面粗度の研磨面2aを有するテーブル2を完成し
た。このようにして得られた実施例2−1のテーブル2
の曲げ強度を従来公知の手法により複数回測定したとこ
ろ、その平均値は約550MPaであった。
【0099】また、ヒートサイクルを一定時間行った
後、テーブル2を厚さ方向に沿って切断し、その切断面
を肉眼及び顕微鏡により観察した。その結果、接合界面
におけるクラックや剥がれは全く確認されなかった。
【0100】このようにして得られた実施例2−1のテ
ーブル2を上記各種の研磨装置1にセットし、水路12
内に冷却水Wを常時循環させつつ、各種サイズの半導体
ウェハ5の研磨を行なった。そして、各種の研磨装置1
による研磨を経て得られた半導体ウェハ5を観察したと
ころ、ウェハサイズの如何を問わず、ウェハ5には傷が
付いていなかった。また、ウェハ5に大きな反りが生じ
るようなこともなかった。つまり、本実施例のテーブル
2を用いた場合、大口径・高品質な半導体ウェハ5が得
られることがわかった。
【0101】従って、本実施形態の実施例によれば、第
1の実施形態の効果に加えて、さらに以下のような効果
を得ることができる。 (1)本実施例のテーブル2では、下側基材11Bに未
含浸部位A1が積極的に設けられている。このため、使
用する含浸材料の総重量が少なくなり、テーブル2全体
の軽量化を図ることができる。具体的には、前記実施例
1−1の85%〜95%程度の重さとなる。従って、搬
送時等において取り扱いが容易なテーブル2とすること
ができる。
【0102】(2)また、本実施例のテーブル2では、
水路12を介して下側の領域のほうが上側の領域に比べ
て相対的に熱伝導率が低くなっている。このため、テー
ブル2の熱応答性が確実に向上する。従って、かかるテ
ーブル2を用いて研磨を行えば、大口径・高品質の半導
体ウェハ5をより確実に得ることができる。
【0103】(3)本実施例のテーブル2では、含浸部
位A2が存在している基材11A,11Bの表層部に好
適な強度が確保される。この結果、表層部からのパーテ
ィクルの発生も極めて少なくなり、テーブル2の周囲の
汚れを確実に防止することができる。しかも、表層部に
は高いシール性が確保されため、たとえ水路12から冷
却水Wが漏れたとしても、テーブル2の外部にまでその
冷却水Wが漏れてしまうようなことはない。
【0104】(4)本実施例の構造を採用した場合、金
属含浸・基材接合工程における加熱時間が少なくて済む
ことから、テーブル2の製造時間を短縮することができ
る。なお、本発明の実施形態は以下のように変更しても
よい。
【0105】・ 含珪素セラミックからなる多孔質体1
7として、炭化珪素以外のもの、例えば窒化珪素等を用
いてテーブル2を作製してもよい。また、同種のセラミ
ックからなる複数の複合体18を用いることに代え、異
種のセラミックからなる複数の複合体18(例えば炭化
珪素と窒化珪素との組み合わせ)にしてもよい。
【0106】・ 2層構造をなす実施形態のテーブル2
に代えて、3層構造をなすテーブルに具体化してもよ
い。勿論、4層以上の積層構造にしても構わない。以上
のような構造を採用した場合であっても、基本的には実
施形態の方法により多層構造のテーブルを製造すること
が可能である。
【0107】・ 本実施形態のテーブル2の使用にあた
って、水路12内に水以外の液体を循環させてもよく、
気体を循環させてもよい。さらに、このような水路12
を省略した構成にすることもできる。
【0108】・ 本発明のセラミック部材は、ウェハ研
磨装置におけるテーブル2として具体化されてもよいほ
か、テーブル2以外の部材(ウェハトッププレート等)
に具体化されてもよい。勿論、本発明のセラミック部材
は、ウェハ研磨装置用テーブル2等に代表される半導体
製造装置の構成材料に具体化されるのみにとどまらな
い。例えば、同セラミック部材を電子部品搭載用基板の
放熱体、メカニカルシールや軸受等の耐磨耗材料、高温
炉用の耐火材、熱交換器、燃焼管等の耐熱構造材料、ポ
ンプ部品等の耐腐食材料などに具体化することも勿論可
能である。
【0109】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 含珪素セラミックからなる多孔質体の開放気孔
中に金属シリコンを含浸した複数のセラミック・金属複
合体同士が、前記多孔質体との熱膨張係数差が5×10
-6/℃以下(より好ましくは2×10-6/℃以下、さら
に好ましくは0.5×10-6/℃以下)の材料からなる
接合層を介して接合されているセラミック部材。従っ
て、この技術的思想1に記載の発明によれば、破壊しに
くくて長期信頼性に優れたセラミック部材を提供するこ
とができる。
【0110】(2) 請求項6において、前記加熱工程
は減圧下にて行われること。従って、この技術的思想2
に記載の発明によれば、金属シリコンを酸化させること
なくスムーズに含浸させることができる。このため、熱
伝導性に優れたセラミック部材をより効率よく確実に製
造することができる。
【0111】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5に記
載の発明によれば、熱伝導性に優れるとともに、破壊し
にくくて長期信頼性に優れたセラミック部材を提供する
ことができる。
【0112】請求項6に記載の発明によれば、上記のよ
うな好適なセラミック部材を確実にかつ安価に製造でき
る方法を提供することができる。請求項7に記載の発明
によれば、大口径・高品質ウェハの製造に好適なウェハ
研磨装置用テーブルを提供することができる。
【0113】請求項8,9に記載の発明によれば、軽量
であって熱応答性にも優れるウェハ研磨装置用テーブル
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施形態におけるウ
ェハ研磨装置を示す概略図。
【図2】(a)はウェハ研磨装置に用いられるテーブル
の要部拡大断面図、(b)はそのテーブルの接合界面を
さらに拡大して概念的に示した断面図。
【図3】(a)〜(c)は、同テーブルの製造工程を説
明するための概略断面図。
【図4】本発明を具体化した第2の実施形態におけるウ
ェハ研磨装置を示す概略図。
【符号の説明】
1…ウェハ研磨装置、2…セラミック部材としてのウェ
ハ研磨装置用テーブル、2a…研磨面、5…半導体ウェ
ハ、6…ウェハ保持プレート、6a…保持面、11A,
11B…基材、12…流体流路、14…接合層、17…
多孔質体、18…セラミック・金属複合体としての炭化
珪素・金属複合体、21,22…炭化珪素結晶、24…
金属シリコン。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/88 C04B 35/56 101X Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 CB05 DA17 4G001 BA22 BA62 BB22 BB62 BC13 BC35 BC54 BC71 BD03 BD11 BD13 BE02 BE22 BE32 BE33 4G026 BA14 BB14 BC02 BD14 BF31 BG02 BG05 BG23 BH01 5F031 CA02 HA02 HA03 HA13 HA16 HA38 MA22 PA11 PA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含珪素セラミックからなる多孔質体の開放
    気孔中に金属シリコンを含浸した複数のセラミック・金
    属複合体同士が、前記金属シリコンからなる接合層を介
    して接合されているセラミック部材。
  2. 【請求項2】前記複数のセラミック・金属複合体は、い
    ずれも炭化珪素多孔質体の開放気孔中に金属シリコンを
    含浸したものであることを特徴とする請求項1に記載の
    セラミック部材。
  3. 【請求項3】前記セラミック・金属複合体において、炭
    化珪素結晶の平均粒径は20μm〜100μm、気孔率
    は10%〜50%、熱伝導率は160W/m・K以上で
    あり、前記金属シリコンは、炭化珪素100重量部に対
    して15重量部〜50重量部含浸されていることを特徴
    とする請求項2に記載のセラミック部材。
  4. 【請求項4】前記炭化珪素多孔質体は、平均粒径が0.
    1μm〜1.0μmの細かい炭化珪素結晶を10体積%
    〜50体積%含み、かつ、平均粒径が25μm〜150
    μmの粗い炭化珪素結晶を50体積%〜90体積%含む
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のセラミック
    部材。
  5. 【請求項5】前記接合層の厚さは10μm〜1500μ
    mであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載のセラミック部材。
  6. 【請求項6】含珪素セラミックからなる多孔質体の開放
    気孔中に金属シリコンを含浸した複数のセラミック・金
    属複合体同士が、前記金属シリコンからなる接合層を介
    して接合されているセラミック部材の製造方法であっ
    て、 積層された前記多孔質体の上部に金属シリコンを配置
    し、この状態で1500℃〜2000℃の温度にて1時
    間以上加熱することを特徴とするセラミック部材の製造
    方法。
  7. 【請求項7】複数の基材を積層してなる積層構造物の上
    部に、ウェハ研磨装置を構成しているウェハ保持プレー
    トの保持面に保持されている半導体ウェハが摺接される
    研磨面を有するテーブルにおいて、 前記基材は含珪素セラミックからなる多孔質体の開放気
    孔中に金属シリコンを含浸したセラミック・金属複合体
    であり、各基材同士は前記金属シリコンからなる接合層
    を介して接合され、かつ前記接合層のある接合界面には
    流体流路が配設されているウェハ研磨装置用テーブル。
  8. 【請求項8】前記複数の基材のうち前記流体流路よりも
    下側に位置するものは、含浸部位と未含浸部位とを備え
    ていることを特徴とする請求項7に記載のウェハ研磨装
    置用テーブル。
  9. 【請求項9】前記含浸部位は前記基材の表層部に存在
    し、前記未含浸部位は前記基材の内部領域に存在するこ
    とを特徴とする請求項8に記載のウェハ研磨装置用テー
    ブル。
JP2000296202A 2000-04-26 2000-09-28 セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル Expired - Fee Related JP3778544B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000296202A JP3778544B2 (ja) 2000-04-26 2000-09-28 セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-126085 2000-04-26
JP2000126085 2000-04-26
JP2000296202A JP3778544B2 (ja) 2000-04-26 2000-09-28 セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006012134A Division JP2006188428A (ja) 2000-04-26 2006-01-20 セラミック部材及びウェハ研磨装置用テーブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002011653A true JP2002011653A (ja) 2002-01-15
JP3778544B2 JP3778544B2 (ja) 2006-05-24

Family

ID=26590863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000296202A Expired - Fee Related JP3778544B2 (ja) 2000-04-26 2000-09-28 セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3778544B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005015317A (ja) * 2003-06-30 2005-01-20 Sumitomo Electric Ind Ltd セラミックス−金属複合体の接合体及び接合方法ならびに該接合体を用いた半導体あるいは液晶製造装置
JP2008199006A (ja) * 2007-01-24 2008-08-28 Asml Holding Nv ウェーハチャックおよびウェーハチャックを形成する方法
JP2009007232A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Taiheiyo Cement Corp 接合方法および接合体
JP2009007230A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Taiheiyo Cement Corp 接合方法および接合体
JP2009057215A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Taiheiyo Cement Corp 接合体及びその製造方法
CN103119379A (zh) * 2010-10-25 2013-05-22 揖斐电株式会社 集热接收器及太阳能热发电装置
JP2013133272A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Taiheiyo Cement Corp SiC/Si複合材料体の製造方法及びSiC/Si複合材料体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005015317A (ja) * 2003-06-30 2005-01-20 Sumitomo Electric Ind Ltd セラミックス−金属複合体の接合体及び接合方法ならびに該接合体を用いた半導体あるいは液晶製造装置
JP4556389B2 (ja) * 2003-06-30 2010-10-06 住友電気工業株式会社 セラミックス−金属複合体の接合体及び接合方法ならびに該接合体を用いた半導体あるいは液晶製造装置
JP2008199006A (ja) * 2007-01-24 2008-08-28 Asml Holding Nv ウェーハチャックおよびウェーハチャックを形成する方法
JP4719230B2 (ja) * 2007-01-24 2011-07-06 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. ウェーハチャックおよびウェーハチャックを形成する方法
JP2009007232A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Taiheiyo Cement Corp 接合方法および接合体
JP2009007230A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Taiheiyo Cement Corp 接合方法および接合体
JP2009057215A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Taiheiyo Cement Corp 接合体及びその製造方法
CN103119379A (zh) * 2010-10-25 2013-05-22 揖斐电株式会社 集热接收器及太阳能热发电装置
JP2013133272A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Taiheiyo Cement Corp SiC/Si複合材料体の製造方法及びSiC/Si複合材料体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3778544B2 (ja) 2006-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5322382B2 (ja) セラミックス複合部材とその製造方法
JP4961672B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲット並びにセラミックス焼結体及びその製造方法
US20030180579A1 (en) Silicon carbide composites and methods for making same
JP2018511701A (ja) リチウム含有遷移金属酸化物ターゲット
JP4387563B2 (ja) サセプタ及びサセプタの製造方法
JP2007513854A5 (ja)
CN108455988A (zh) 一种碳化硅陶瓷及其制备方法
JP2004306254A (ja) 真空チャック
JP3778544B2 (ja) セラミック部材及びその製造方法、ウェハ研磨装置用テーブル
TWI441796B (zh) Method for manufacturing ceramic joint
JP2001158680A (ja) 炭化珪素・金属複合体及びその製造方法、並びにウェハ研磨装置用部材及びウェハ研磨装置用テーブル
JP2006188428A (ja) セラミック部材及びウェハ研磨装置用テーブル
US6682820B1 (en) Recession resistant coated ceramic part
JP2002036102A (ja) ウエハ保持治具
KR102124766B1 (ko) 플라즈마 처리 장치 및 그 제조방법
JP2002104884A (ja) セラミック部材の製造方法、ウェハ研磨装置用テーブルの製造方法
CN105236988B (zh) 一种高纯高密重结晶碳化硅器件及其制备方法
KR100507046B1 (ko) 웨이퍼 연마장치용 테이블에 적합한 탄화규소·금속 복합체
JP2001158674A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法、並びにウェハ研磨装置用部材及びウェハ研磨装置用テーブル
CN117088704A (zh) 一种SiC基复合材料的一体化连接方法及在制备半导体SiC真空吸盘中的应用
CN111116228A (zh) 一种抗烧蚀ZrC-HfC/SiC双层复相陶瓷涂层的制备方法
JP2002103213A (ja) ウエハ保持治具
JP3746948B2 (ja) ウェハ研磨装置用テーブル
US20210005480A1 (en) Multi-zone silicon nitride wafer heater assembly having corrosion protective layer, and methods of making and using the same
JP2007283435A (ja) 炭化珪素系研磨プレート、製造方法、半導体ウェーハの研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3778544

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees