JP2002011638A - 工作機械主軸の切削液供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具ホルダと給水パイプとの接続部における
水漏れを確実に防止する。 【解決手段】 マシニングセンタの主軸１において、工
具引上ピン３の内側に給水パイプ９を挿入し、工具ホル
ダ５の切削液通路８に接続する。給水パイプ９の前端部
内側に段部１１を形成し、段部１１にシール部材１２を
固着する。シール部材１２をゴム等の柔軟材料で主軸軸
線方向に長い筒形に成形し、焼付又は接着剤により段部
１１に接着する。シール部材１２の前端に、プルスタッ
ドボルト７の後端面に密接するリップ形状部１３を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械主軸の切
削液供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、図５に示すように、マシニングセ
ンタの主軸５１において、工具引上ピン５２の内側に給
水パイプ５５を挿入し、給水パイプ５５を工具ホルダ５
３の切削液通路５４に接続し、給水パイプ５５の先端面
にＯリング５６を嵌着し、Ｏリング５６により工具ホル
ダ５３と給水パイプ５５との接続部をシールする切削液
供給装置が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来装置に
よると、Ｏリング５６が給水パイプ５５の先端面に嵌着
されているため、長期間使用すると、Ｏリング５６が水
圧の変動や工具脱着時の衝撃で摩耗し、場合によっては
脱落することもあり、工具ホルダ５３と給水パイプ５５
との接続部に水漏れが発生しやすかった。水漏れが発生
すると、切削液が主軸５１の後部から漏れ出したり、主
軸５１のテーパ部５７に異物が付着して加工精度に悪影
響を及ぼしたり、漏水圧によって工具引上力が低下した
り、工具ホルダ５３を押し出す力が作用したりするなど
の不具合が生じる。このため、従来は、Ｏリング５６を
３ヶ月ほどの短期間に定期的に交換する面倒があった。

【０００４】そこで、本発明の課題は、工具ホルダと給
水パイプとの接続部における水漏れを確実に防止できる
工作機械主軸の切削液供給装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、工具ホルダを着脱可能に保持する工作
機械主軸において、工具引上部材の内側に、工具ホルダ
の切削液通路に接続される給水パイプを挿入し、給水パ
イプの内側に、工具ホルダと給水パイプとの接続部をシ
ールする筒形のシール部材を固着したことを特徴とす
る。

【０００６】ここで、シール部材を強固に保持できるよ
うに、給水パイプの内側に段部を形成し、段部にシール
部材を溶着又は接着により固着するのが好ましい。同じ
観点から、給水パイプの内側にカラーを固定し、カラー
でシール部材を内側から保持してもよい。また、シール
部材の水密性能を向上させるために、シール部材の前端
にリップ形状部を設けるのが望ましい。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１はマシニングセンタにおける
主軸の内部構造を示すものである。マシニングセンタの
主軸１は、周知のように、駆動軸２により工具引上ピン
３を介しコレット４を開閉して、工具ホルダ５をテーパ
部６に着脱するように構成されている。

【０００８】工具ホルダ５の後端にはプルスタッドボル
ト７が螺着され、その中心部に切削液通路８が貫設され
ている。工具引上ピン３の内側には切削液通路８に接続
される給水パイプ９が挿入され、給水パイプ９と駆動軸
２との間には、給水パイプ９の前端をプルスタッドボル
ト７に押し付けるスプリング１０が介装されている。

【０００９】図２は切削液供給装置の主要部を示すもの
である。給水パイプ９の前端部内側には段部１１が形成
され、段部１１にシール部材１２が固着されている。シ
ール部材１２はゴム等の柔軟材料で主軸軸線方向に長い
筒形に成形され、焼付又は接着剤により段部１１に接着
されている。そして、シール部材１２の前端には、プル
スタッドボルト７の後端面に密接するリップ形状部１３
が設けられている。

【００１０】上記のように構成された切削液供給装置に
よれば、主軸軸線方向に長い筒形のシール部材１２にリ
ップ形状部１３が設けられているので、シール部材１２
の可撓性を増し、水密性能を向上させて、工具ホルダ５
と給水パイプ９との接続部における水漏れを長期間にわ
たって確実に防止することができる。また、シール部材
１２は給水パイプ９内側の段部１１に広い接着面積で強
固に保持されているため、脱落を防止し、水圧の変動や
工具脱着時の衝撃による摩耗を抑えて、寿命を延ばすこ
とができる。

【００１１】図３及び図４は切削液供給装置の変更例を
示すものである。図３の切削液供給装置においては、シ
ール部材１２をより強固に保持できるように、給水パイ
プ９の内側にカラー１４が固定され、カラー１４でシー
ル部材１２が内側から保持されている。図４の切削液供
給装置においては、シール部材１２の内周面に、可撓性
を増すための溝１５が形成されている。

【００１２】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、マシニングセンタ以外の各種工作機械に
適用するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の
形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能で
ある。

【００１３】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の切削液供
給装置によれば、給水パイプの内側に筒形のシール部材
を固着したので、工具ホルダと給水パイプとの接続部に
おける水漏れを確実に防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す主軸の断面図であ
る。

【図２】図１の主軸において切削液供給装置の主要部を
示す断面図である。

【図３】切削液供給装置の変更例を示す断面図である。

【図４】切削液供給装置の別の変更例を示す断面図であ
る。

【図５】従来の切削液供給装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１・・主軸、３・・工具引上ピン、５・・工具ホルダ、
８・・切削液通路、９・・給水パイプ、１１・・段部、
１２・・シール部材、１３・・リップ形状部、１４・・
カラー、１５・・溝。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具ホルダを着脱可能に保持する工作機
   械主軸において、工具引上部材の内側に、工具ホルダの
   切削液通路に接続される給水パイプを挿入し、給水パイ
   プの内側に、工具ホルダと給水パイプとの接続部をシー
   ルする筒形のシール部材を固着してなる切削液供給装
   置。
2. 【請求項２】 給水パイプの内側に段部を形成し、段部
   にシール部材を固着した請求項１記載の工作機械主軸の
   切削液供給装置。
3. 【請求項３】 給水パイプの内側にカラーを固定し、カ
   ラーでシール部材を内側から保持した請求項１又は２記
   載の工作機械主軸の切削液供給装置。