JP2002010984A - 圧力発生装置とそれの温度制御方法とそれを用いた血圧計 - Google Patents

圧力発生装置とそれの温度制御方法とそれを用いた血圧計

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JP2002010984A
JP2002010984A JP2000191971A JP2000191971A JP2002010984A JP 2002010984 A JP2002010984 A JP 2002010984A JP 2000191971 A JP2000191971 A JP 2000191971A JP 2000191971 A JP2000191971 A JP 2000191971A JP 2002010984 A JP2002010984 A JP 2002010984A
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phase
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JP2000191971A
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Nobuyuki Asahi
信行 朝日
Hiroshi Fukushima
博司 福島
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間に大容量の変化を発生させることがで
き、また騒音を低下できると共に脈動を低下できる圧力
発生装置を提供する。 【解決手段】 圧力を伝達するダイヤフラム部4を有す
る閉空間内に、ある所定温度範囲内で相変化する物質2
を配置する。上記物質2の温度制御により上記物質2を
相変化させて閉空間の圧力を制御するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間に圧力を発
生できる圧力発生装置と、その圧力発生装置の温度制御
方法と、その圧力発生装置を用いた血圧計に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、血圧計の圧力発生装置として用い
る小型ポンプとして特開平11−311184号公報、
特開平11−236880号公報、特開平7−3223
92号公報等に開示されるように圧電素子を用いたダイ
ヤフラムポンプがある。
【0003】これは図19や図20に示すように入口a
に連通する吸入口bや出口cに連通する排気口dを有す
る本体eにPZT素子のような圧電素子を用いたダイヤ
フラムfを装着してある。圧電素子を用いたダイヤフラ
ムfに交流電源gから電圧を印加すると、ダイヤフラム
fが分極方向(矢印h方向)とその垂直方向(矢印i方
向)に伸縮することにより(電極jは伸縮しない)、バ
イメタルとなって屈曲運動が生じ、入口aから吸気口b
を介して空気が吸入され、排気口dを介して出口cから
空気が吐出されるようになっている。またかかるダイヤ
フラムポンプの寸法は例えば次のような大きさになって
いる。本体eは縦幅kが24.0mm、横幅nが24.
0mm、高さpが3.0mmの大きさである。ダイヤフ
ラムfは直径が20mmφで厚さ0.25mmである。
また最大圧力は例えば約290hPaであり、最大流量
は23ml/minである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のダイヤフラムポ
ンプでは圧電素子を用いたダイヤフラムfを振動させて
空気を送ることにより圧力を発生する構造であるのて、
単位時間当たりの流量が少なくて短時間に大容量の変化
を発生させることができないという問題がある。また圧
電素子に印加する電圧変動によりポンプ圧が脈動すると
いう問題がある。また圧電素子を用いたダイヤフラムf
を振動させるために騒音が発生するという問題がある。
【0005】本発明は叙述の点に鑑みてなされたもので
あって、短時間に大容量の変化を発生させることがで
き、また騒音を低下できると共に脈動を低下できる圧力
発生装置とそれの温度制御方法とそれを用いた血圧計を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の請求項1の圧力発生装置は、圧力を伝達するダ
イヤフラム部を有する閉空間内に、ある所定温度範囲内
で相変化する物質を配置し、上記物質の温度制御により
上記物質を相変化させて閉空間の圧力を制御するように
したことを特徴とする。物質の温度制御をすることによ
り物質を相変化させてダイヤフラム部にて所定の圧力を
伝達できる。これにより短時間で大容量の変化をさせる
ことができ、圧力を短時間で制御可能になる。また物質
の可逆的な相変化を利用することで繰り返し制御可能に
なる。また従来のダイヤブラムポンプに比べて騒音や脈
動を低下でき、静音性に優れた圧力発生装置を得ること
ができる。
【0007】また本発明の請求項2の圧力発生装置は、
請求項1において、装置全体を携帯可能にしたことを特
徴とする。携帯して任意の場所で圧力を発生させ、どこ
でも便利に使用できる。
【0008】また本発明の請求項3の圧力発生装置は、
ある所定温度範囲内で形状が変化する物体と、上記物体
に接触して対象物を加圧するカフ部とを有し、上記物体
の温度制御により上記物体の形状を変化させることによ
りこの物体の形状にてカフ部が対象物に接触する圧力を
変化させるようにしたことを特徴とする。物体の温度制
御により物体の形状を変化させてカフ部を押圧する状態
を変えてカフ部が対象物に接触する圧力を変えることが
できる。これにより短時間で大容量の変化をさせること
ができ、圧力を短時間で制御可能になる。また物体の形
状変化で高速に圧力を発生させることができる。また従
来のダイヤブラムポンプに比べて騒音や脈動を低下で
き、静音性に優れた圧力発生装置を得ることができる。
【0009】また本発明の請求項4の圧力発生装置は、
請求項1において、温度制御は、閉空間としての容器の
容積、物質量、制御温度から相変化に必要なエネルギー
を決定して制御するようにしたことを特徴とする。この
ようにすることで短時間に高精度に圧力変化が生じる。
【0010】また本発明の請求項5の圧力発生装置は、
請求項3において、形状の制御は、カフ部の容積、物体
量、制御形状から形状変化に必要なエネルギーを決定し
て制御するようにしたことを特徴とする。このようにす
ることで短時間に高精度に圧力変化が生じる。
【0011】また本発明の請求項6の圧力発生装置は、
圧力を伝達するダイヤフラム部を有する閉空間内に、昇
華物質を配置し、上記昇華物質の温度制御により上記昇
華物質を固体や気体に相変化させて閉空間の圧力を制御
するようにしたことを特徴とする。この場合、少量の物
質で大きな圧力変化が得られる。
【0012】また本発明の請求項7の圧力発生装置は、
請求項2において、相変化する物質は、ガスとガスを溶
解する液体で構成し、温度変化による気体の飽和蒸気圧
により圧力を制御するようにしたことを特徴とする。圧
力は気体の飽和蒸気圧により決定されるが、この飽和蒸
気圧は温度により一定であり、従って温度により圧力が
高精度に制御できる。
【0013】また本発明の請求項8の圧力発生装置は、
請求項2において、相変化する物質は、水素ガスと金属
間化合物(水素吸蔵金属)とで構成し、温度変化により
ガス圧力を変化させるようにしたことを特徴とする。こ
の場合、温度制御により大きな圧力変動が得られる。
【0014】また本発明の請求項9の圧力発生装置は、
請求項1において、揮発性液体に超音波振動を与えるこ
とにより相変化させるようにしたことを特徴とする。こ
の場合、超音波を付与した時に、短時間に液体を気化さ
せることが可能になる。
【0015】また本発明の請求項10の圧力発生装置
は、請求項2において、ダイヤフラム部を有する圧力発
生部と温度変化を与える温度制御部とを毛細管にて連通
させると共に毛細管に液体を入れたことを特徴とする。
このようにすることに小さな液体の膨張収縮にて大きな
圧力変動を得ることができる。また圧力発生部を直接加
熱しなくても、圧力発生部から離れた位置の温度を制御
して圧力を発生させることができる。
【0016】また本発明の請求項11の圧力発生装置
は、請求項1において、閉空間に配置した物質にエネル
ギービームを照射して物質に相変化を与えるようにした
ことを特徴とする。レーザにてエネルギービームを照射
して相変化させて圧力変動を得ることができる。
【0017】また本発明の請求項12の圧力発生装置
は、請求項3において、形状が変化する物体は温度変化
にて形状変化量が変わるように形状変化させたことを特
徴とする。温度変化により物体の形状を高精度に制御す
ることが可能になり、高精度の圧力変動を得ることがで
きる。
【0018】また本発明の請求項13の圧力発生装置
は、請求項3において、形状が変化する物体は圧電セラ
ミックスを貼り合わせた構造であることを特徴とする。
このようにすると、印加電圧を制御することにより圧力
変動を得ることが可能となる。
【0019】また本発明の請求項14の圧力発生装置
は、請求項12において、形状が変化する物体は2種類
の線膨張係数の異なる材料から成ることを特徴とする。
このようにすると、温度変化により変位を制御してカフ
部に所定の圧力を与えることができる。
【0020】また本発明の請求項15の圧力発生装置
は、請求項12において、形状が変化する物体は形状記
憶合金であることを特徴とする。この場合も、温度変化
により変位を制御してカフ部に所定の圧力を与えること
ができる。
【0021】また本発明の請求項16の圧力発生装置
は、請求項1において、物質が均一に相変化できるよう
に物質を入れた容器に温度制御手段を複数設けたことを
特徴とする。このようにすると、精密な温度制御が可能
となり、物質は均一に相変化し、従って高精度の圧力制
御が可能となる。
【0022】また本発明の請求項17の圧力発生装置
は、請求項1乃至請求項16の何れかにおいて、相変化
する物質でダイヤフラム部を介して加圧されるカフ部ま
たは温度変化で形状が変化する物体で加圧されるカフ部
を複数の小カフ部で形成し、この複数の小カフ部を環状
に配置し、小カフ部が内方に変位するように環状に配置
した小カフ部の外周を拘束したことを特徴とする。この
ようにすると、微小な圧力でリング状の拘束力が得られ
る。
【0023】また本発明の請求項18の圧力発生装置
は、請求項1乃至請求項17のいずれかにおいて、装置
を作動させる電源として電池を用いたことを特徴とす
る。電池を電源として任意の場所に携帯して圧力を発生
させることができる。
【0024】また本発明の請求項19の圧力発生装置の
温度制御方法は、圧力を伝達するダイヤフラム部を有す
る閉空間の容器内に、ある所定温度範囲内で相変化する
物質を配置し、上記物質の温度制御により上記物質を相
変化させて閉空間の圧力を制御するようにした圧力発生
装置において、加熱時は物質を加熱する加熱熱源手段で
加熱し、圧力保持するための保温時は容器全体の温度を
保持する保温手段で保温し、冷却時は局所的に上記物質
が相変化した場所で元の相になるように容器を冷却する
冷却手段で冷却することで温度制御することを特徴とす
る。このように細かく温度制御することにより、精密な
温度制御が可能になる。
【0025】また本発明の請求項20の血圧計は、請求
項1乃至請求項17の何れかに記載の圧力発生装置を血
圧計ポンプの圧力源としたことを特徴とする。加圧時間
が短縮でき、また騒音を抑えることができ、さらに小型
化できる血圧計を提供できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例に
ついて説明する。
【0027】先ず、図1に示す例から述べる。閉空間と
しての容器1は圧力発生部となるものであり、容器1内
には温度により相変化する物質2を密封してある。かか
る閉空間としての容器1の容積は例えば1〜50000
3である。容器1の圧力取り出し口3には圧力を伝達
するダイヤフラム部4を設けてある。上記相変化する物
質2は、この物質2に温度変化を与えることにより、物
質の相(固体、液体、気体、プラズマ、金属組織の変態
等)を変化させ、物質2の体積変化に伴う圧力変化をさ
せるようになっている。図1に示す例では、常温の状態
では物質2が固体(Solid)2aであり、この状態
から図1(a)の矢印Aのように温度を加えると変化し
て物質2が気体(Gas)2bとなり、急激に体積変化
(体積膨張)してダイヤフラム部4に矢印Pのような加
圧力を発生させる。また加圧させた後、冷却(温度変
化)により物質2を元の状態に戻すことができ、可逆的
圧力発生装置となる。
【0028】上記のように圧力発生装置が構成される
が、圧力発生装置の圧力取り出し口3は例えば血圧計の
カフ部に接続され、カフ部を加圧するのに用いられる。
カフ部にはある程度空気が入っており、ダイヤフラム部
4が大きく変形することでカフ部の空気が圧縮されてカ
フ部に締め付けの圧力を発生するようになっている。ま
た容器1内の物質2の温度制御することにより、物質2
の状態を制御して所定の圧力を得ることができる。
【0029】上記のように圧力発生装置が構成される
が、物質2の相変化で圧力を得るものであるために短時
間で所定の圧力を得ることができ、しかも従来のようダ
イヤフラムポンプに比べて騒音や脈動を低下することが
できる。また物質2の可逆的な相変化を利用すること
で、繰り返し制御可能になる。また上記のように構成せ
る圧力発生装置は血圧計等に用いられるものであり、小
型で携帯できるものであることが好ましい。また携帯で
きるようにするために温度制御したりする電源は電池を
用いることが好ましい。
【0030】次に図2に示す例について述べる。人体の
ような対象物5をカフ部6で加圧するようになっている
が、カフ部6の対象物5と反対側にはある所定温度範囲
内で形状が変化する物体7を配置してある。かかる物体
7は大きく図示してあるが微小物体である。カフ部6に
はある程度空気を入れてあり、温度変化を与えて物体7
の形状を変化させることにより、物体7と対象物5との
間のカフ部6を押圧する状態を変えてカフ部6で対象物
5を加圧する圧力を変えることができるようになってい
る。つまり、図2(a)の状態から図2(b)の状態の
ように物体7の形状を変化させることにより、矢印Cの
ような応力を発生させて対象物5を加圧することができ
るようになっている。このとき物体7の温度制御をする
ことでカフ部6で加圧する圧力を変えることができるよ
うになっている。また物体7の形状を変化させるポイン
トとカフ部6に接触させる部分の距離を調整することに
よりカフ部6に負荷する応力量を変えることができる。
【0031】上記のように圧力発生装置が構成される
が、物体7の形状変化で圧力を得るものであるために短
時間で所定の圧力を得ることができ、しかも従来のよう
ダイヤフラムポンプに比べて騒音や脈動を低下すること
ができる。また物体7の形状変化で高速に圧力を発生さ
せることが可能となる。
【0032】次に図3に示す例について述べる。本例は
図1に示す例と基本的に同じであり、異なる点だけを主
に述べる。図1や図3(a)のような圧力発生装置にお
ける温度制御は、閉空間としての容器1の容積、物質
量、制御温度から相変化に必要なエネルギーを決定して
制御するようにしてある。上記のように物質2が相変化
することにより体積変化で圧力を変動させるようになっ
ているが、このとき、温度変化により物質2の一部のみ
を相変化させるように温度制御を行う。この物質2の一
部のみの温度変化させるのに必要な温度変化量を算出し
て温度制御を行う。例えば、物質2が液体から気体に相
変化する場合には、気体の状態方程式(PV=nRT)
により、気化させる物質の量が算出することができる。
なお、図3(b)は相変化させる物質量と圧力の関係を
示し、相変化させる物質量の変化により圧力が変化す
る。上記のように温度制御される圧力発生装置は、短時
間に高精度に圧力変化が生じる。
【0033】次に図4に示す例について述べる。本例は
図2に示す例と基本的に同じであり、異なる点だけを主
に述べる。図2や図4(a)(b)のような圧力発生装
置における、形状の制御は、カフ部6の容積、物体量、
制御形状から形状変化に必要なエネルギーを決定して制
御するようにしてある。上記のように物体7の形状が変
化する(ΔLが形状変化量である)ことにより対象物5
に作用させる圧力が変化するが、図4(c)に示すよう
な物体の形状変化量とカフ部6に作用する応力(圧力)
の関係を求めておき、所定圧力を発生させるための形状
変化量を制御できるようになっている。形状変化させる
手段としては、温度変化、電圧変化などがあるが、所定
の変形量を達成させるために、各手段の変化量を制御す
るようになっている。上記のように形状制御される圧力
発生装置は、各手段系を制御することにより、所定圧力
を高精度に制御することが可能なる。
【0034】次に図5に示す例について述べる。本例は
図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点だ
けを主に述べる。本例では温度変化により相変化する昇
華物質2′を容器1に入れてあり、温度変化により昇華
物質2′を固体2a′の状態や気体2b′の状態として
圧力変動を得ることができる。相変化する物質としての
昇華物質2′は、蒸気圧が高いために固体2a′から気
体2b′に相変化して体積膨張する。常温状態でも昇華
する昇華物質2′としては例えば次のものがある ・ヨウ素(I2) 融点:113℃ ・ナルタリン(C108) 融点:80℃ ・パラジクロルベンゼン(C64Cl2) 融点:5
4℃ 上記のように構成せる圧力発生装置は、相変化する物質
として昇華物質2′を用いているために少量の物質量で
大きな圧力変化が得られる。
【0035】次に図6に示す例について述べる。本例は
図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点だ
け主にを述べる。容器1内の相変化する物質2は図6
(a)のようにガス2cとガス2cを溶解する液体2d
で構成し、温度変化による気体の飽和蒸気圧により圧力
を制御するようにしてある。つまり、温度制御すること
により、液体2dに溶解するガス2cの溶解量を制御す
ることで気体の飽和蒸気圧により圧力を制御するように
なっている。図6(b)に示す飽和蒸気圧は、容器1内
にエチルアルコールを1気圧で密封したときの温度と圧
力の関係である。上記のように構成せる圧力発生装置で
発生する圧力は、気体の飽和蒸気圧により決定される。
この飽和蒸気圧は、温度により一定である。従って、温
度により圧力が高精度に制御できる。本例の圧力発生装
置は小型で携帯できるものであり、また電源を電池とし
たものである。
【0036】次に図7に示す例について述べる。本例は
図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点だ
けを主に述べる。容器1内の相変化する物質2は、図7
に示すように水素ガス2eと金属間化合物(水素吸蔵金
属)2fとで構成し、温度変化によりガス圧力を変化さ
せるようにしてある。つまり、容器1内に水素ガス2e
と水素吸蔵金属2fを配置してあり、この水素吸蔵金属
2fが温度により吸蔵する水素量が変化するようになっ
ている。この現象により、温度制御による圧力制御が可
能になっている。この水素吸蔵金属2fとしては、La
Ni5、LaNi4.9Al0.1等がある。このときの圧力
変化は例えば表1の通りである。
【0037】
【表1】
【0038】上記のような圧力発生装置は温度制御によ
り、大きな圧力変動が得られる。本例の圧力発生装置は
小型で携帯できるものであり、また電源を電池としたも
のである。
【0039】次に図8に示す例について述べる。本例は
図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点だ
けを主に述べる。相変化する物質2として揮発性液体を
容器1に入れてあり、揮発性液体に超音波振動を与える
ことにより相変化させるようにしてある。つまり、容器
1内には超音波振動子9を配置してあり、超音波振動子
9で揮発性液体を振動させてガス化するようになってい
る。揮発性液体に超音波振動を負荷すると、揮発性液体
は急速に蒸発してガス化する。つまり、振動により揮発
性液体にはエネルギーが与えられてそのエネルギーによ
り蒸発する。この揮発性液体としてはエチルアルコール
がある。このような圧力発生装置では、超音波振動を付
与したときに短時間に液体を気化させることが可能にな
る。
【0040】次に図9に示す例について述べる。本例は
図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点だ
けを主に述べる。ダイヤフラム部4を有する圧力発生部
1aと温度変化を与える温度制御部1bとを毛細管1c
にて連通させると共に温度制御部1bや毛細管1cに相
変化する物質2としての液体を入れてある。例えば、温
度制御部1bを矢印Aのように加熱すると、液体が膨張
して毛細管1cを介して圧力発生部1aに圧力が伝達さ
れると共に圧力発生部1aで液体が気化することで圧力
が得られる。このようにすると、圧力発生場所と温度制
御場所が異なるときでも、温度変化により圧力変動を得
ることができる。また圧力を作用させる場所は、毛細管
構造になっており、小さい液体の膨張で大きな圧力変動
が得られる。また圧力発生部1aを直接加熱しなくても
圧力を発生させることが可能になる。本例の圧力発生装
置は小型で携帯できるものであり、また電源を電池とし
たものである。
【0041】次に図10に示す例について述べる。本例
は図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点
だけを主に述べる。閉空間としての容器1に配置した物
質2ににエネルギービームを照射して物質2に相変化を
与えるようにしてある。エネルギービームとして例えば
レーザ光線10を図10(a)に示すように物質2に照
射し、物質2にエネルギーを与えることで物質2をプラ
ズマ化(符号11がプラズマ)して圧力を増加するよう
になっている。このとき容器1にはエネルギービームを
透過する窓を設けるか、容器1全体がエネルギービーム
を透過する材料で形成する必要がある。
【0042】具体的に実施した一例を挙げると次の通り
である。レーザ光線10はYAGレーザを用いて容器1
にレーザ光線10を通過させるためにガラス材料で窓を
設けた。照射したレーザ光線10は20Wで0.1mm
φの部分にスポット的に集光した。相変化する物質2と
しては高分子材料のエポキシ系樹脂を用いた。レーザ光
線10が照射されている間は、樹脂の蒸発と一部のプラ
ズマ化により容器1内の圧力が増加した。レーザ照射を
停止すると、圧力の増加は停止し、その後樹脂材料は自
然冷却あるいは強制冷却により凝固された。
【0043】上記のような圧力発生装置は、レーザにて
エネルギービームを照射して相変化させて圧力変動を得
ることができる。このときレーザを短パルス化すること
により高速応答が可能になる。
【0044】次に図11に示す例について述べる。本例
は図2、図4に示す例と基本的に同じであり、異なる点
だけを主に述べる。本例の場合、形状が変化する物体7
は温度変化にて形状変化量ΔLが変わるように形状変化
させてある。つまり、温度変化により物体7の形状が変
化するが、温度に応じて形状変化量ΔLが変化し、カフ
部6を押圧する状態が変化し、カフ部6が対象物5に加
える圧力が変わるように制御できるようになっている。
この温度変化により形状変化は物体の弾性変形を利用し
ている。このようにな圧力発生装置は、温度変化による
物体7の形状を高精度に制御することが可能になり、高
精度の圧力変動を得ることができる。
【0045】次に図12に示す例について述べる。本例
は図2、図4に示す例と基本的に同じであり、異なる点
だけを主に述べる。形状が変化する物体7は圧電セラミ
ックス12を貼り合わせた構造とした(バイモルフ)。
このバイモルフ構造の物体7は、2枚の圧電セラミック
ス12を貼り合わせて形成するが、通常は2枚の圧電セ
ラミックス12間にシムと呼ばれる金属弾性板13を配
置する。このシムと呼ばれる金属弾性板13と圧電セラ
ミックス12との間に電圧を印加することによりで形状
を変形させることができる。図12(c)(d)で26
は電源、14はスイッチであり、図12(c)は電圧印
加前の状態で、図12(d)は電圧印加後の状態であ
り、電圧を印加することで形状を変化させて図12
(b)のようにカフ部6を押圧することができる。この
ようにして電圧の印加のオンオフにより圧力を変動させ
ることが可能になる。上記圧電セラミックス材料として
は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)やPb
(Zr,Ti)O3(米国バーニトロン社製、PZT)
を用いた。このとき、印加電圧は、400V程度まで昇
圧した。長さ40mm、幅7mm、厚さ0.5mmのニ
オブ酸リチウムでは、200Vの印加で30マイクロメ
ートル、400Vでは60マイクロメートルの変位を得
た。上記のように構成せる圧力発生装置では印加電圧を
制御することより、圧力変動を得ることが可能となる。
【0046】次に図13に示す例について述べる。本例
は図11に示す例と基本的に同じであり、異なる点だけ
を主に述べる。形状が変化する物体7は2種類の線膨張
係数の異なる材料から構成してある。つまり、物体7が
バイメタル15にて形成されている。バイメタル15に
温度変化を与えると、図13(a)の状態から図13
(b)の状態に変位し、カフ部6を押して対象物5に圧
力を与えることができる。このとき温度変化に応じてバ
イメタル15の変位量が変化する。温度変化を与える手
段としてはヒータやペルチェ素子があり、これらを制御
している。バイメタル15の材料としてはFe−36N
i(インバー)、Fe−Ni−Cr,Fe−Ni−M
n、Mn−Ni−Cr等がある。このような圧力発生装
置では、温度変化によりバイメタル15の変位を制御し
て、カフ部6に所定の圧力を与えることが可能になる。
【0047】次に図14に示す例について述べる。本例
も図11に示す例と基本的に同じであり、異なる点だけ
を主に述べる。形状が変化する物体7は形状記憶合金1
6で構成してある。発生させる圧力が決まっている場合
は、その圧力になるようにカフ部6の位置と形状記憶合
金16が変化する形状を決定しておき、温度変化により
所定の変位を得られるようにする。形状記憶合金16と
しては例えば以下のものがある。 Ti−Ni−Cu,Ti−Ni−Co オーステナイト⇔マルテンサイト(変態) 形状記憶処理:400〜500℃ 回復温度:30〜120℃ 形状記憶合金16を用いた場合、一度調整すれば任意の
圧力変化を得るためには、カフ部6の容量や応力発生場
所を変更し、圧力を調整する必要があるが、所定圧力を
発生させるには、加熱することにより圧力を得ることが
可能となる。圧力発生を止める場合には、外部から形状
を変形させる必要がある。上記のように形状記憶合金1
6を用いた圧力発生装置は、温度変化により変位を制御
してカフ部6に所定の圧力を与えることが可能になる。
【0048】次に図15に示す例について述べる。本例
も図1や図3に示す例と基本的に同じであり、異なる点
だけを主に述べる。本例の場合、物質2が均一に相変化
できるように物質2を入れた容器1に温度制御手段を複
数設けてある。図示例では容器1内の物質2を直接加熱
して温度制御する第1の加熱手段17と、容器1を加熱
して温度制御する第2の加熱手段18とを設けてある。
物質2の温度制御源として、物質2に直接温度変化を与
えるが、場合によっては物質2の一部のみが相変化を起
こし、残りが制御できない場合がある。その場合に容器
1の一部を温度制御し、物質2の相変化を促進させるよ
うになっている。つまり、第1の加熱手段17で直接物
質2を加熱して物質2の温度制御するようになっている
が、第2の加熱手段18で容器1も加熱して温度制御す
るようになっており、物質2が均一に相変化するように
なっている。この温度制御手段はヒータによる温度制御
でも、ペルチェ素子を用いた電気制御でもよい。また第
2の加熱手段18は容器1の外周の全周に亙るようにコ
イル状に設けてあるが、電源26から給電する位置19
を矢印E,Fのように変えることで第2の加熱手段18
で加熱する容器1のエリアを変えることができるように
なっている。上記のように複数の温度制御手段を有する
圧力発生装置は、精密な温度制御が可能となり、物質2
は均一に相変化し、従って高精度の圧力制御が可能とな
る。
【0049】次に図16に示す例について述べる。本例
では上記例で述べたような、相変化する物質2でダイヤ
フラム部4を介して加圧されるカフ部または温度変化で
形状が変化する物体7で加圧されるカフ部を複数の小カ
フ部6′で形成し、この複数の小カフ部6′を環状に配
置し、小カフ部6′が内方に変位するように環状に配置
した小カフ部6′の外周を拘束してある。図16の例で
は相変化する物質2を小容器1′に入れた圧力発生部と
圧力発生部の圧力で加圧される小カフ部6′からなる小
加圧ユニット20を円環状に複数並べて配置してあり、
小カフ部6′が内方に変位するように複数の小加圧ユニ
ット20の外周を拘束部21で外周方向に変位しないよ
うに拘束してある。このように小加圧ユニット20を複
数配置すると、各圧力発生部から発生する圧力が小さく
ても全体として大きな圧力を得ることが可能となる。ま
た小加圧ユニット20を内部方向に変位するように環状
に配置することにより、小カフ部6′の弾性にて環状の
中心に輪ゴムのような弾性的な拘束力が生じる。この機
構により、腕時計のバンドのような拘束が可能となる。
このような圧力発生装置は、微小な圧力でリング状の拘
束力が得られる。
【0050】次に図17に示す例について述べる。本例
の場合、圧力を伝達するダイヤフラム部4を有する閉空
間の容器1内に、ある所定温度範囲内で相変化する物質
2を配置し、上記物質2の温度制御により上記物質2を
相変化させて閉空間の圧力を制御するようにした圧力発
生装置において、加熱時は物質2を加熱する加熱熱源手
段22で加熱し、圧力保持するための保温時は容器1全
体の温度を保持する保温手段23で保温し、冷却時は局
所的に上記物質が相変化した場所で元の相になるように
容器1を冷却する冷却手段24で冷却することで温度制
御するようにしてある。
【0051】容器1には物質2を直接加熱する加熱熱源
手段22と、容器1全体の温度を保持する保温手段23
と、容器1を冷却する冷却手段24とを設けてある。保
温手段23は電源26から給電する位置19を矢印Eの
ように変えることで保温手段23で加熱する容器1のエ
リアを変えることができるようになっている。物質2を
加熱して相変化させることにより圧力を発生するとき
は、加熱熱源手段22で物質2を加熱するように制御す
る。圧力を保持するときは保温手段23にて容器1全体
の温度を保持するように制御する。冷却時は、局所的に
物質2が相変化した場所で冷却されて元の状態になるよ
うに容器1を冷却手段24にて矢印Gのように冷却す
る。
【0052】上記の圧力発生装置では、加熱時に物質2
が相変化して容器1内の圧力を増加させる。この現象を
繰り返し行うが、相変化した物質2が容器1内の同一場
所で相変化を繰り返すことが望ましい。このようにする
方が制御を行う上で効率的に相変化をさせることが可能
になる。また相変化させた後でも、圧力を一定に保持す
る場合には、物質2の状態を一定に保つ必要がある。そ
のために容器1全体が均一な温度になるように保持する
保温手段23を設けてある。また相変化した物質2を元
の状態に戻す場合は、容器1を冷却する必要があるが、
このとき、冷却源付近に物質2が集中していると効率的
に温度制御による相変化が起こりやすい。このために、
冷却制御中では、冷却手段24にて局所的な冷却を行う
ことにより、冷却場所のみを元の相の状態に戻るように
制御する。上記加熱熱源手段22、保温手段23はヒー
タやペルチェ素子を用いた温度制御方法が有効であり、
また冷却手段24はペルチェ素子を用いた温度制御方法
が有効である。上記のように細かく温度制御することに
より、精密な温度制御が可能になる。
【0053】次に図18に示す例について述べる。本例
は上記例で述べた圧力発生装置を血圧計ポンプの圧力源
としたものである。図18(a)は血圧計の管路図であ
り、血圧計は、配管25,電源26、回路部27、急速
排気弁28、上記例で述べた圧力発生装置よりなるポン
プ29、定速排気弁30、圧力センサー31、カフ部6
等で構成されている。上記電源26は携帯できるために
電池を用いている。図18(b)は腕時計型の血圧計の
外観を示すものであり、バンド状のカフ部6、ポンプ2
9や電源26を内装した本体部32、スイッチ部33、
表示部34で構成されている。血圧を測定する場合、カ
フ部6を腕等に巻き付け、ポンプ29でカフ部6を加圧
し、カフ部6の空気を定速排気弁28て一定速度で排気
して血圧を測定することができるようになっている。
【0054】従来のダイヤフラムポンプでは加圧に時間
がかかる、騒音が発生するなどの課題があったが、本発
明の圧力発生装置を用いたポンプ29は急速に加圧で
き、騒音レベルも低くなる。上記のように血圧計を構成
することにより、加圧時間が短縮でき、また騒音を抑え
ることができ、さらに小型化できる血圧計を提供でき
る。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明は、圧力を伝達
するダイヤフラム部を有する閉空間内に、ある所定温度
範囲内で相変化する物質を配置し、上記物質の温度制御
により上記物質を相変化させて閉空間の圧力を制御する
ようにしたので、物質の温度制御をすることにより物質
を相変化させてダイヤフラム部にて所定の圧力を伝達で
きるものであって、短時間で大容量の変化をさせること
ができ、圧力を短時間で制御可能になるものであり、ま
た物質の可逆的な相変化を利用することで繰り返し制御
可能になるものであり、また従来のダイヤブラムポンプ
に比べて騒音や脈動を低下でき、静音性に優れた圧力発
生装置を得ることができるものである。
【0056】また本発明の請求項2の発明は、請求項1
において、装置全体を携帯可能にしたので、携帯して任
意の場所で圧力を発生させ、どこでも便利に使用できる
ものである。
【0057】また本発明の請求項3の発明は、ある所定
温度範囲内で形状が変化する物体と、上記物体に接触し
て対象物を加圧するカフ部とを有し、上記物体の温度制
御により上記物体の形状を変化させることによりこの物
体の形状にてカフ部が対象物に接触する圧力を変化させ
るようにしたので、物体の温度制御により物体の形状を
変化させてカフ部を押圧する状態を変えてカフ部が対象
物に接触する圧力を変えることができるものであって、
短時間で大容量の変化をさせることができ、圧力を短時
間で制御可能になり、また物体の形状変化で高速に圧力
を発生させることができるものであり、また従来のダイ
ヤブラムポンプに比べて騒音や脈動を低下でき、静音性
に優れた圧力発生装置を得ることができるものである。
【0058】また本発明の請求項4の発明は、請求項1
において、温度制御は、閉空間としての容器の容積、物
質量、制御温度から相変化に必要なエネルギーを決定し
て制御するようにしたので、短時間に高精度に圧力変化
が生じるものである。
【0059】また本発明の請求項5の発明は、請求項3
において、形状の制御は、カフ部の容積、物体量、制御
形状から形状変化に必要なエネルギーを決定して制御す
るようにしたので、短時間に高精度に圧力変化が生じる
ものである。
【0060】また本発明の請求項6の発明は、圧力を伝
達するダイヤフラム部を有する閉空間内に、昇華物質を
配置し、上記昇華物質の温度制御により上記昇華物質を
固体や気体に相変化させて閉空間の圧力を制御するよう
にしたので、少量の物質で大きな圧力変化が得られるも
のである。
【0061】また本発明の請求項7の発明は、請求項2
において、相変化する物質は、ガスとガスを溶解する液
体で構成し、温度変化による気体の飽和蒸気圧により圧
力を制御するようにしたので、飽和蒸気圧は温度により
一定であり、従って温度により圧力が高精度に制御でき
るものである。
【0062】また本発明の請求項8の発明は、請求項2
において、相変化する物質は、水素ガスと金属間化合物
(水素吸蔵金属)とで構成し、温度変化によりガス圧力
を変化させるようにしたので、温度制御により大きな圧
力変動が得られるものである。
【0063】また本発明の請求項9の発明は、請求項1
において、揮発性液体に超音波振動を与えることにより
相変化させるようにしたので、超音波を付与した時に、
短時間に液体を気化させることが可能になるものであ
る。
【0064】また本発明の請求項10の発明は、請求項
2において、ダイヤフラム部を有する圧力発生部と温度
変化を与える温度制御部とを毛細管にて連通させると共
に毛細管に液体を入れたので、小さな液体の膨張収縮に
て大きな圧力変動を得ることができるものであり、また
圧力発生部を直接加熱しなくても、圧力発生部から離れ
た位置の温度を制御して圧力を発生させることができる
ものである。
【0065】また本発明の請求項11の発明は、請求項
1において、閉空間に配置した物質にエネルギービーム
を照射して物質に相変化を与えるようにしたので、レー
ザにてエネルギービームを照射して相変化させて圧力変
動を得ることができるものである。
【0066】また本発明の請求項12の発明は、請求項
3において、形状が変化する物体は温度変化にて形状変
化量が変わるように形状変化させたので、温度変化によ
り物体の形状を高精度に制御することが可能になり、高
精度の圧力変動を得ることができるものである。
【0067】また本発明の請求項13の発明は、請求項
3において、形状が変化する物体は圧電セラミックスを
貼り合わせた構造であるので、印加電圧を制御すること
により圧力変動を得ることが可能となるものである。
【0068】また本発明の請求項14の発明は、請求項
12において、形状が変化する物体は2種類の線膨張係
数の異なる材料からなるので、温度変化により変位を制
御してカフ部に所定の圧力を与えることができるもので
ある。
【0069】また本発明の請求項15の発明は、請求項
12において、形状が変化する物体は形状記憶合金であ
るので、温度変化により変位を制御してカフ部に所定の
圧力を与えることができるものである。
【0070】また本発明の請求項16の発明は、請求項
1において、物質が均一に相変化できるように物質を入
れた容器に温度制御手段を複数設けたので、精密な温度
制御が可能となり、物質は均一に相変化し、従って高精
度の圧力制御が可能となるものである。
【0071】また本発明の請求項17の発明は、請求項
1乃至請求項16の何れかにおいて、相変化する物質で
ダイヤフラム部を介して加圧されるカフ部または温度変
化で形状が変化する物体で加圧されるカフ部を複数の小
カフ部で形成し、この複数の小カフ部を環状に配置し、
小カフ部が内方に変位するように環状に配置した小カフ
部の外周を拘束したので、微小な圧力でリング状の拘束
力が得られるものである。
【0072】また本発明の請求項18の発明は、請求項
1乃至請求項17のいずれかにおいて、装置を作動させ
る電源として電池を用いたので、電池を電源として任意
の場所に携帯して圧力を発生させることができるもので
ある。
【0073】また本発明の請求項19の発明は、圧力を
伝達するダイヤフラム部を有する閉空間の容器内に、あ
る所定温度範囲内で相変化する物質を配置し、上記物質
の温度制御により上記物質を相変化させて閉空間の圧力
を制御するようにした圧力発生装置において、加熱時は
物質を加熱する加熱熱源手段で加熱し、圧力保持するた
めの保温時は容器全体の温度を保持する保温手段で保温
し、冷却時は局所的に上記物質が相変化した場所で元の
相になるように容器を冷却する冷却手段で冷却すること
で温度制御するので、細かく温度制御することにより、
精密な温度制御が可能になるものである。
【0074】また本発明の請求項20の発明は、請求項
1乃至請求項17の何れかに記載の圧力発生装置を血圧
計ポンプの圧力源としたので、加圧時間が短縮でき、ま
た騒音を抑えることができ、さらに小型化できる血圧計
を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)本発明の実施の形態の一例の動作
を説明する説明図である。
【図2】(a)(b)は同上の他例を動作を説明する説
明図である。
【図3】(a)は同上の他例を説明する説明図、(b)
は相変化させる物質と圧力との関係を示すグラフであ
る。
【図4】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する説
明図、(c)は形状変化量と圧力の関係を示すグラフで
ある。
【図5】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する説
明図である。
【図6】(a)は同上の他例を説明する説明図、(b)
は温度を圧力の関係を示すグラフである。
【図7】同上の他例を説明する説明図である。
【図8】同上の他例を説明する説明図である。
【図9】同上の他例を説明する説明図である。
【図10】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する
説明図である。
【図11】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する
説明図である。
【図12】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する
説明図、(c)は圧電セラミックスに電圧を印加する前
の状態の説明図、(d)は圧電セラミックスに電圧を印
加した後の状態の説明図である。
【図13】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する
説明図である。
【図14】(a)(b)は同上の他例の動作を説明する
説明図である。
【図15】同上の他の例を説明する説明図である。
【図16】(a)は同上の他例を説明する説明図、
(b)は(a)の要部を拡大せる説明図である。
【図17】(a)(b)は同上の他例の説明図である。
【図18】(a)は同上の圧力発生装置を用いた血圧計
の管路図、(b)は血圧計の外観を示す斜視図である。
【図19】従来例のダイヤフラムポンプの斜視図であ
る。
【図20】従来例のダイヤフラムポンプの構造を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1 容器 2 相変化する物質 3 圧力取り出し口 4 ダイヤフラム部 5 対象物 6 カフ部 7 形状が変化する物体
フロントページの続き Fターム(参考) 3H077 AA12 BB00 CC02 CC09 DD06 DD07 DD08 DD11 EE04 EE24 EE36 FF14 FF36 4C017 AA08 AC03 AD04 EE01 FF08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力を伝達するダイヤフラム部を有する
    閉空間内に、ある所定温度範囲内で相変化する物質を配
    置し、上記物質の温度制御により上記物質を相変化させ
    て閉空間の圧力を制御するようにしたことを特徴とする
    圧力発生装置。
  2. 【請求項2】 装置全体を携帯可能にしたことを特徴と
    する請求項1記載の圧力発生装置。
  3. 【請求項3】 ある所定温度範囲内で形状が変化する物
    体と、上記物体に接触して対象物を加圧するカフ部とを
    有し、上記物体の温度制御により上記物体の形状を変化
    させることによりこの物体の形状にてカフ部が対象物に
    接触する圧力を変化させるようにしたことを特徴とする
    圧力発生装置。
  4. 【請求項4】 温度制御は、閉空間としての容器の容
    積、物質量、制御温度から相変化に必要なエネルギーを
    決定して制御するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の圧力発生装置。
  5. 【請求項5】 形状の制御は、カフ部の容積、物体量、
    制御形状から形状変化に必要なエネルギーを決定して制
    御するようにしたことを特徴とする請求項3記載の圧力
    発生装置。
  6. 【請求項6】 圧力を伝達するダイヤフラム部を有する
    閉空間内に、昇華物質を配置し、上記昇華物質の温度制
    御により上記昇華物質を固体や気体に相変化させて閉空
    間の圧力を制御するようにしたことを特徴とする圧力発
    生装置。
  7. 【請求項7】 相変化する物質は、ガスとガスを溶解す
    る液体で構成し、温度変化による気体の飽和蒸気圧によ
    り圧力を制御するようにしたことを特徴とする請求項2
    記載の圧力発生装置。
  8. 【請求項8】 相変化する物質は、水素ガスと金属間化
    合物(水素吸蔵金属)とで構成し、温度変化によりガス
    圧力を変化させるようにしたことを特徴とする請求項2
    記載の圧力発生装置。
  9. 【請求項9】 揮発性液体に超音波振動を与えることに
    より相変化させるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の圧力発生装置。
  10. 【請求項10】 ダイヤフラム部を有する圧力発生部と
    温度変化を与える温度制御部とを毛細管にて連通させる
    と共に毛細管に液体を入れたことを特徴とする請求項2
    記載の圧力発生装置。
  11. 【請求項11】 閉空間に配置した物質にエネルギービ
    ームを照射して物質に相変化を与えるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の圧力発生装置。
  12. 【請求項12】 形状が変化する物体は温度変化にて形
    状変化量が変わるように形状変化させたことを特徴とす
    る請求項3記載の圧力発生装置。
  13. 【請求項13】 形状が変化する物体は圧電セラミック
    スを貼り合わせた構造であることを特徴とする請求項3
    記載の圧力発生装置。
  14. 【請求項14】 形状が変化する物体は2種類の線膨張
    係数の異なる材料から成ることを特徴とする請求項12
    記載の圧力発生装置。
  15. 【請求項15】 形状が変化する物体は形状記憶合金で
    あることを特徴とする請求項12記載の圧力発生装置。
  16. 【請求項16】 物質が均一に相変化できるように物質
    を入れた容器に温度制御手段を複数設けたことを特徴と
    する請求項1記載の圧力発生装置。
  17. 【請求項17】 相変化する物質でダイヤフラム部を介
    して加圧されるカフ部または温度変化で形状が変化する
    物体で加圧されるカフ部を複数の小カフ部で形成し、こ
    の複数の小カフ部を環状に配置し、小カフ部が内方に変
    位するように環状に配置した小カフ部の外周を拘束した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項16記載の何れか
    に記載の圧力発生装置。
  18. 【請求項18】 装置を作動させる電源として電池を用
    いたことを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれ
    かに記載の圧力発生装置。
  19. 【請求項19】 圧力を伝達するダイヤフラム部を有す
    る閉空間の容器内に、ある所定温度範囲内で相変化する
    物質を配置し、上記物質の温度制御により上記物質を相
    変化させて閉空間の圧力を制御するようにした圧力発生
    装置において、加熱時は物質を加熱する加熱熱源手段で
    加熱し、圧力保持するための保温時は容器全体の温度を
    保持する保温手段で保温し、冷却時は局所的に上記物質
    が相変化した場所で元の相になるように容器を冷却する
    冷却手段で冷却することで温度制御することを特徴とす
    る圧力発生装置の温度制御方法。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至請求項18の何れかに記
    載の圧力発生装置を血圧計ポンプの圧力源としたことを
    特徴とする血圧計。
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Cited By (3)

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