JP4240932B2 - ヘリウム循環冷却レーザ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、レーザ発振装置に関し、特に、レーザ媒体の冷却能力と冷却効率を向上させたレーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ルビー等の固体や炭酸ガス等の気体に励起光を照射してこれらの原子に電子エネルギの高い反転分布状態を生じさせ、電子エネルギの低い状態に遷移する際の発光を共振器によって増幅することで、位相のそろった単色光を取り出すのがレーザ発振装置の基本的機能である。
【0003】
図1に、レーザ発振装置の基本概念を示す。例えばルビーのようなレーザ媒体110は、例えばキセノンランプや放電による励起光120を受けて、励起光120とは垂直な光軸方向130に光増幅を行う。増幅されてレーザ媒体110から放出されたコヒーレントなレーザ光140は、光軸に沿って進んで、右側のミラー150によって反射され、逆方向にレーザ媒体110を通過し、さらに光増幅を行い左側のミラー155に到達し、レーザ媒体110の方向に反射される。この反射を繰り返す間に、レーザ媒体110によって一層増幅されたレーザ光140は、例えば、光軸中に設けられて、制御電圧によって選択的にレーザ光の変更方向を回転させるポッケルスセル160と偏光ビームスプリッタ170の組み合わせあるいは単純に出力結合鏡を介して、共振器外に取り出される。
【0004】
図中の180は、冷却装置である。励起光120を受けてレーザ光140を発光するレーザ媒体110は、作動中は強力な熱源でもあるので、レーザ媒体110の温度を作動温度範囲内に維持するためには、一般に冷却装置によって熱を除去することが必要である。
【0005】
図では励起光の方向とレーザ光の方向は垂直であるが、両者は同軸上でも良いことが知られている。また、レーザ媒体としては、ルビー、チタンサファイア、アレキサンドライト、Nd−YAG、Er−YAG、ダイ、ダイオード、炭酸ガス等非常に多くのものが知られており、状態には固体、液体、気体のものがある。
【0006】
上記の原理によって取り出されるレーザ光は、単色性に優れ、コヒーレントで、指向性が高く、エネルギ密度が高いので、それぞれの性質を利用して、非常に広い分野で利用されている。期待されている利用分野は大別して4分野である。第1の分野は、光通信部品の微細加工である。第2の分野は、自動車のエンジンなどに用いられるマイクロインジェクタなどの鉄鋼への微細穴あけ加工である。第3の分野は、医療分野であり、脳や脊髄などの照射領域の周辺に神経や脳細胞が密集している部位の治療である。第4の分野は、新半導体デバイスであり、シリコン上に微細な周期構造を形成するときに用いる。
【0007】
特に、また上記多くの利用分野において、種々の観点から、今後レーザ装置の出力は一層大きくなることが期待される。高出力化により、製造速度が飛躍的に向上するからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ発振を行う際に、レーザ媒体をはじめとするレーザ発振装置を所定の作動温度範囲内に維持しなければならないことは当然であるが、レーザ装置の出力が高くなり、特にレーザ媒体の出力密度が高くなると、レーザ媒体が極めて強力な熱源ともなるために、レーザ媒体から発生する熱を十分にかつ効率よく除去する方法および装置が問題になる。
【0009】
さらに、レーザ装置の出力が大きくなると、レーザ媒体の温度上昇に伴って熱伝導率が低下するために冷却効果が低下する。結果的に、レーザ媒体中に生じる温度勾配が大きくなって高温部分が発生することになるので、この現象がレーザの出力を制限する1つの要因になる。その理由はふたつある。第1に熱レンズが発生する。熱レンズはレーザ媒質に吸収されて、排熱されない部分が、レーザ結晶を加熱し、これによって生じる温度分布に対応して屈折率分布が生じることでレーザ媒質がレンズ作用をする効果をいう。20W程度までの励起レーザによる熱レンズであればレーザ共振器の工夫で対策できるが、これ以上では熱レンズの焦点距離がレーザー結晶より短くなってくるため、方策が皆無である。第2に熱膨張による複屈折率の発生である。例えばYAG母材のような自然複屈折のない結晶では、入熱によって複屈折が生じる。結晶を通過するたびにビーム内の偏光が著しく乱され、共振器内にある偏光素子で大きな損失が発生する。
【0010】
図2は、レーザ媒体の冷却に使用されている従来の装置を模式的に示したものである。レーザ媒体210は、ヒートシンクである例えば銅製のジャケット220に収容されており、ジャケット220の1つの外表面230は、タンク240に収容された液体窒素250と接することによって冷却されている。レーザ媒体の発熱密度がある程度以下であれば、従来技術に基づく図2に示す冷却装置でも、設備が大掛かりである点を除けば、機能的には支障なく冷却を行うことができるが、出力がさらに大きくなった場合には、以下のような問題を生じることになる。
【0011】
すなわち、液体窒素と接触することでジャケットの冷却を行った場合、発熱密度が高くなった場合には液体窒素が蒸発し気泡を生じることになるために、気泡によって液体窒素との有効な接触面積が低下し、結果的に冷却能力が低下する。より詳細には、熱搬送媒体が液体である限り、気体に比較して体積当りの熱容量が大きいために冷却効率が高いが、レーザ媒体からの熱によって熱搬送媒体が気化した場合には、液体と気体の二相流となって発熱量と除熱量との間に非線形性を示すと共に、上述のように冷却能力が低下するためにレーザ媒体の温度制御が困難になる。
【0012】
さらに、レーザ媒体からの発熱量の拡大に伴って液体窒素タンクを大型化することになり、さらに、液体窒素の補充設備、蒸発した窒素の排気設備を設ける必要があることを考えると、益々大掛かりな設備を必要とすることになる。
【0013】
前述のようにレーザ媒体中に生じる温度勾配を低減して出力を拡大するためにはレーザ媒体を従来よりも一層低温に冷却することが有効であるが、従来用いられている液体窒素は1気圧の蒸発温度が約77.3Kなので、これ以下の温度に冷却することは理論上不可能である。媒体として、蒸発温度が4.2Kの液体ヘリウムを使用すれば、従来よりも低温を実現可能ではあるが、熱交換面での液体窒素の蒸発による冷却能力低下の問題は液体窒素を使用した場合同様解決されておらず、さらに、断熱容器等の関連設備は蒸発温度が低いヘリウムの場合には液体窒素の場合よりも一層大型にならざるを得ない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来技術が有する上記の問題を解決するためになされたものであって、課題を解決するために以下に記載するレーザ発振装置を提案するものである。また、本発明は、上記の課題解決以外にも、以下に記載するように多くの技術的特徴を有する。
【0015】
本発明の第1の実施形態によれば、励起光を発生する励起光源と、励起光を受けて光増幅を行うレーザ媒体と、レーザ媒体から発せられた光を共振させてレーザ発振を行なうレーザ発振器と、該レーザ媒体を冷却するための冷却システムを有するレーザ発振装置であって、当該冷却システムは、熱搬送媒体として気体を使用するものであるレーザ発振装置が提案される。
【0016】
当該レーザ発振装置によれば、熱搬送媒体あるいは熱交換用媒体として使用温度付近では常に気体である媒体を使用するので、レーザ媒体からの熱を受けて二相流を発生することがないために、安定した熱交換能力を提供することができる。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、前記冷却システムはレーザ媒体を液体窒素の蒸発温度より低い温度に冷却するものである。
【0018】
レーザ媒体あるいは関連する構造体に使用される材料の多くは、70K以下の温度で熱伝導率の極大値を有する。各材料の熱伝導率が極大値を取る温度は、例えば、サファイア:約40K、金:約10K、銅:約15K、インジウム:約50K、水晶:約10Kである。したがって、媒体あるいは構造材料を液体窒素の蒸発温度である77.3K以下、好ましくは、熱伝導率が極大点を有する温度の近傍にまで冷却すれば最大の熱伝導率が得られ、冷却効率が増大し、結果的にレーザ装置の出力を増大させることができる。
【0019】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記冷却システムは、ギフォードマクマホン冷凍機(以下「GM冷凍機」と称する)を使用したものである。
【0020】
必要な冷凍能力を有する冷凍機としては、GM冷凍機、パルス管冷凍機、スターリン冷凍機等があるが、気体の断熱膨張を利用して、数K程度の極低温にまで冷却を行うことができるGM冷凍機を使用することで、安定した冷却を確保することができる。これらの冷凍機は一般に液体窒素の蒸発温度以下の温度までの冷凍が可能であるが、液体窒素の蒸発温度以下に冷却することは必ずしも必須ではなく、特に、レーザの出力が小さい場合には当該温度以上であっても必要な出力を得る支障にはならない。
【0021】
さらに、本発明の他の実施形態によれば、前記熱搬送媒体はヘリウムガスである。ヘリウムガスは4.2K以上では気体であり、極めて広い温度範囲にわたって気体状態を維持するために本発明における冷却装置に好適に使用することができる。
【0022】
本発明の他の実施形態によれば、前記冷却システムはレーザ媒体を保持してこれを冷却する冷却ホルダを有し、該冷却ホルダとレーザ媒体は1つの面でのみ密着している。
【0023】
従来技術においては、冷却ホルダが例えば四角形断面を有する筒状であって、同じく四角形断面を有するレーザ媒体を内部に収容し、レーザ媒体の周囲から熱を除去する機能を有する。しかし、冷却ホルダの冷却機能は、冷却ホルダの熱伝導率がレーザ媒体よりも高い場合にのみ有効に機能するが、冷却ホルダの熱伝導率がレーザ媒体よりも低い場合には、むしろレーザ媒体は一面においてのみ冷却ホルダと接触する場合の方が有効に冷却することができる。これは、たとえばチタンサファイア結晶の熱伝導率は室温では銅の熱伝導率以下であるが、温度が低下すると共に増加し、一定の温度以下では銅の熱伝導率以上になるという知見に基づくものである。
【0024】
本発明の1つの実施形態によれば、前記冷却ホルダは、平板状であり、上面にレーザ媒体を支持している。上述のように、レーザ媒体と冷却ホルダが1面のみで接することで有効な冷却を行うことができることから、冷却ホルダを平板状にして構造を単純化することができる。さらに、この構造の場合には、レーザ媒体と冷却ホルダを密着させる行程において、十分な押圧力を加えることも容易である。
【0025】
本発明の他の1つの実施形態によれば、前記冷却ホルダは、両端に開口を有する筒状であり、その内部にレーザ媒体を収容している。レーザ媒体の熱伝導率が冷却ホルダの熱伝導率以上となる温度範囲で使用するに際して、両者を1つの面のみで密着させた場合にも、冷却ホルダが筒状であることによって、レーザ媒体が周囲から受ける輻射を遮って、結果的に冷却効率を向上させる効果がある。
【0026】
本発明の他の実施形態によれば、前記冷却ホルダは、主として銅からなる。冷却ホルダの材質は、熱伝導率の優れたものであることが必要であり、金属、セラミックス、PGSグラファイトシートのような複合材料等が使用可能であるが、銅はその代表的なものである。
【0027】
本発明の1つの実施形態によれば、前記レーザ媒体はチタンサファイア結晶である。チタンサファイア結晶を用いたレーザは波長可変レーザとして極めて広い適用範囲を有する。
【0028】
本発明の他の1つの実施形態によれば、前記レーザ媒体と冷却ホルダは、インジウム、銀ペースト、エポキシ、ニスから選択された材料によって接着されている。レーザ媒体と冷却ホルダの接着剤には、熱伝導率が高いことに加えて、極低温を含む極めて広い温度範囲にわたって優れた接着強度を有することが必要であるが、これらの条件をある程度満足する材料として上記の接着剤が考えられる。接着剤は、熱伝導率が良好であることおよび冷却時にも十分な接着強度を有していれば、インジウム、銀ペースト、エポキシ、ニス以外の物を使用することも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明に基づく1つの実施形態を示すものである。
レーザ発振装置300は、レーザ結晶310と、レーザ結晶310を搭載した冷却ホルダ320が、内部を真空に保持する円筒状の真空槽330に収容されている。レーザ共振装置の光軸方向である真空槽330の対角位置には、一対の窓340、345が設けられており、レーザ光はこの窓340、345の外部に設けられた一対のミラー(図示せず)によって反射されつつレーザ結晶310による増幅を繰り返す。レーザ発振装置300には、さらに励起光を供給する励起光源、シードとなるレーザ光の入射と取り出しを行うための例えばポッケルスセルとビームスプリッタのような光学エレメント等が存在するが、これらの従来方の構成要素については図1に示したのでここでは省略する。
【0030】
真空槽330の基部には、ガスを断熱膨張によって冷却し、必要に応じて5°K程度までの極低温を実現するための、例えば、GM冷凍機の冷却部分が収容されており、冷却部分で断熱膨張を繰り返して冷却された例えばヘリウム等のガスが、真空槽330の内部でレーザ結晶310を搭載した冷却ホルダ320の下部を循環して熱交換を行うことで、冷却ホルダを冷却する。GM冷凍機のガス配管(図示せず)は、真空槽330の外部に設けられたガスコンプレッサに接続されて、ヘリウムガスの循環のための駆動力が供給される。
【0031】
熱搬送媒体としてヘリウムガスを例に取ると、ヘリウムガスは周知のように4.2°K以上の温度では気体であるために、冷却ホルダ320でレーザ結晶310との熱交換によって温度が上昇しても、従来のレーザ結晶冷却に使用されている液体窒素のように液体から気体に状態が変化することはない。従って、冷凍機の冷却能力は常に、レーザ結晶310の発熱量、ヘリウムガスの温度およびヘリウムガスの流量によって一義的に定まり、所望の冷却能力をえることができる。
【0032】
また、従来の液体窒素を用いた冷却装置のように液体を収容するタンクと気体を排出する設備を設ける必要がないので、装置全体が極めて小型化に適している。
【0033】
上述の実施例では冷凍機としてGM冷凍機を例示したが、熱搬送媒体として気体を使用するものであれば、GM冷凍機に限らず他の形式のもの、例えば、パルス管冷凍機やスターリン冷凍機等を使用することもできる。また、ヘリウムガスは上述のように極めて低温まで気体状態であるので、極低温への冷却を必要とする場合には極めて好適な熱搬送媒体であるが、特に、4〜5°K間での冷却を必要としない条件では、ヘリウムガス以外の、例えば水素ガスを使用することもできる。
【0034】
図4は、レーザ結晶310と冷却ホルダ320を、光軸と直交する平面できった断面図である。チタンサファイアからなるレーザ結晶310は銅製の冷却ホルダ320に、インジウム325によって接着されている。冷却ホルダ320の上面はインジウム層325を介してレーザ結晶310と接して熱交換を行う共に、冷却ホルダ320の下面はGM冷凍機から供給される極低温のヘリウムガス370と熱交換を行い、結果的にレーザ結晶310を所定の作動温度に冷却してその温度を維持する。
【0035】
チタンサファイア結晶の熱伝導率は室温で0.3W/cmKであるが、ほぼ液体窒素の蒸発温度である80Kでは6W/cmKに上昇し、40Kではさらに80W/cmKに急激に上昇する。したがって、チタンサファイア結晶の温度を同結晶の熱伝導率が極大値を取る40K程度にまで冷却することは、冷却効率と出力増大にとって大きなメリットがある。一例をあげれば、チタンサファイア結晶を40Kに冷却することによって、レーザ出力を室温時の1.5ないし2倍程度に高めることに成功した。
【0036】
レーザ結晶310と冷却ホルダ320を接着するための接着剤は、熱伝導率が良好であることおよび冷却時にも十分な接着強度を有していれば、例えば、銀ペースト、エポキシ、ニス等、インジウム以外の物を使用することができる。また、冷却ホルダは、使用温度範囲における熱伝導率が良好な材料であれば良く、銅はその代表的なものであるが、それ以外にも、他の金属、セラミックス、PGSグラファイトシートのような複合材料等が使用可能である。
【0037】
図5は、中空な四角柱状の断面を有する冷却ホルダ350を使用した他の実施例である。当該実施例の場合には、光軸方向を除いて、レーザ結晶310の上下および側面を冷却ホルダ350 が取り囲んだ状態になっている。ここで、冷却効果の観点からは、レーザ結晶310の底面のみを冷却ホルダ350と接着し、側面および上面はある程度空隙360を設けるのが好ましい点に注意を要する。これは、例えばチタンサファイア結晶と銅製冷却ホルダの組み合わせを例に取ると、100K以下では、チタンサファイア結晶の熱伝導率が銅の熱伝導率よりも高いために、側部および上部ではチタンサファイア結晶方が冷却ホルダよりも基本的に低温であることに起因している。ただし、真空槽の条件に依存するが、一般には、冷却ホルダの側部および上部は、真空槽からの輻射熱を遮断する効果がある。また、接着を補強する目的でレーザ結晶の底面以外の面を冷却ホルダと接触させる場合もある。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の構成によって、レーザ媒体の発熱量が大きい場合にも対応可能な冷却能力を有するレーザ発振装置が提供される。さらに、本発明に基づくレーザ発振装置は小型で、優れた冷却効率を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザ発振装置の基本概念を示す概念図
【図2】 従来技術においてレーザ媒体の冷却に使用される液体窒素冷却装置の概念図
【図3】 本発明に基づくレーザ発振装置の概念を示す概念図
【図4】 冷却ホルダの第1の実施例を示す断面図
【図5】 冷却ホルダの第2の実施例を示す断面図
【符号の説明】
110、210、310 レーザ媒体
120 励起光
130 光軸
140 レーザ光
150 右側のミラー
155 左側のミラー
160 ポッケルスセル
170 偏光ビームスプリッタ
180 冷却装置
220、320、350 冷却ホルダ(銅製のジャケット)
300 レーザ発振装置
330 真空槽
340、345 窓
360 空隙
370 ヘリウムガス

Claims (7)

  1. 励起光を発生する励起光源と、該励起光を受けて光増幅を行うレーザ媒体と、該レーザ媒体から発せられた光を共振させてレーザ発振を行なうレーザ発振器と、該レーザ媒体を冷却するための冷却システムを有するレーザ発振装置であって、
    当該冷却システムは、前記レーザ媒体を液体窒素の蒸発温度より低い温度に冷却するものであり、前記冷却システムが前記レーザ媒体を保持してこれを冷却する冷却ホルダを有し、該冷却ホルダは両端に開口を有する筒状であり、その内部に前記レーザ媒体を収容し、該冷却ホルダと該レーザ媒体は1つの面でのみ熱的に接続しており、前記レーザ媒体と前記冷却ホルダが、内部を真空に保持する真空槽に収容されていることを特徴とするレーザ発振装置。
  2. 前記冷却システムは、GM冷凍機を使用したものであることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ発振装置
  3. 前記冷却システムは、熱搬送媒体としてヘリウムガスを使用するものであることを特徴とする請求項1に記載のレーザ発振装置
  4. 前記冷却ホルダは、少なくともレーザ媒体と接触している部分が平板状であり、上面に前記レーザ媒体を支持していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ発振装置。
  5. 前記冷却ホルダは、主として銅からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザ発振装置。
  6. 前記レーザ媒体はチタンサファイア結晶であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ発振装置。
  7. 前記レーザ媒体と冷却ホルダは、インジウム、銀ペースト、エポキシ、ニスから選択された材料によって接着されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ発振装置。
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