JP2002009592A - Firフィルタおよびその係数の設定方法 - Google Patents

Firフィルタおよびその係数の設定方法

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JP2002009592A JP2000189743A JP2000189743A JP2002009592A JP 2002009592 A JP2002009592 A JP 2002009592A JP 2000189743 A JP2000189743 A JP 2000189743A JP 2000189743 A JP2000189743 A JP 2000189743A JP 2002009592 A JP2002009592 A JP 2002009592A
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幸彦 茂木
Kazuhiko Nishibori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通過させたい周波数点を指定することが可能な
FIRフィルタおよびその係数の設定方法を提供する。 【解決手段】FIRフィルタのフィルタ係数の設定方法
であって、FIRフィルタの設定、バンドの設定、通過
させたい周波数点の入力、初期極値点の設定を行う初期
設定ステップ(F101)と、周波数の振幅特性の極値
点と通過させたい周波数点から振幅特性を補間する補間
多項式を生成する第1ステップ(F102)と、第1ス
テップで得られた補間多項式から求められた振幅特性か
ら新しい極値点を決定する第2ステップ(F103)
と、第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、極値
の位置が所望の範囲内に近似されたか否かを判断する第
3ステップ(F104)と、第3ステップで近似された
振幅特性から上記フィルタ係数を求める第4ステップ
(F105)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル信号処
理に必要なFIRフィルタおよびその係数の設定方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像や音声のディジタル信号処理では、
フィルタ処理がよく使われる。そのフィルタ処理に使わ
れるフィルタは、有限のタップ数で直線位相を持つとい
う特徴から直線位相FIR(Finite Impulse Response;
有限インパルス応答)フィルタがよく利用される。
【0003】図1は、直線位相FIRフィルタのトラン
スバーサル型回路構成を示す図である。この直線位相F
IRフィルタ1は、図1に示すように、入力端子TINに
対して縦続接続されシフトレジスタを構成する(n−
1)個の遅延器2−1〜2−n-1と、入力端子TINに入
力された信号および各遅延器2−1〜2−n-1 の出力信
号に対してそれぞれフィルタ係数h(0)〜h(n−
1)を乗算するn個の乗算器3−1〜3−nと、n個の
乗算器3−1〜3−nの出力信号を加算し出力端子TOU
T に出力する加算器4により構成される。
【0004】このような直線位相FIRフィルタの代表
的な設計法としては、たとえばParks, T.W. and McClel
lan, J.H. らが直線位相FIRフィルタに適用したレム
ズ交換(Remez Exchange)アルゴリズムが知られている
(Parks, T.W. and McClellan,J.H.: "Chebyshev Appro
ximation for Nonrecursive Digital Filters with Lin
ear Phase", IEEE Trans. Circuit Theory, CT-19, 2,p
p.189-194, 1972、およびRabiner, L.R., McClellan,
J.H. and Parks, T.W.: "FIR Digital Filter Design T
echniques Using Weighted Chebyshev Approximation",
Proc. IEEE, Vol63,April, pp.595-610, 1975 参
照)。
【0005】レムズ交換アルゴリズムは、所望の振幅特
性に対して重みつき近似誤差が等リプルな形になるよう
に近似するアルゴリズムである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直線位相F
IRフィルタの設計仕様で、周波数w=0のときの直流
利得を1にしなければならい場合がある。
【0007】しかしながら、レムズ交換アルゴリズムに
は、次のような課題がある。すなわち、図2に示すよう
に、レムズ交換アルゴリズムでは、指定した任意の周波
数点を通過するような振幅特性を得ることができない。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、任意の周波数点を通過する周波
数応答を持つことが可能なFIRフィルタおよびその係
数の設定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、インパルス応答が有限時間長で表され、
当該インパルス応答がフィルタ係数となっておいるFI
Rフィルタであって、上記フィルタ係数が、任意の周波
数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリズムを
用いて、所望の特性に対して重みつき近似を行うことに
より設定されている。
【0010】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っているFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であ
って、任意の周波数点を通過するような制約条件を加え
たアルゴリズムを用いて、所望の特性に対して重みつき
近似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出する。
【0011】また、本発明では、上記重み付け近似は、
任意の周波数点を通過するレムズ交換(Remez Exchang
e)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対して行う。
【0012】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っているFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であ
って、周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数
点から振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ス
テップと、上記第1ステップで得られた補間多項式から
求められた振幅特性から新しい極値点を決定する第2ス
テップと、上記第1ステップおよび第2ステップを繰り
返し、所定条件により終了する第3ステップと、上記第
3ステップで近似された振幅特性から上記フィルタ係数
を求める第4ステップとを有する。
【0013】本発明では、上記第3のステップの終了条
件としては、たとえば極値の位置が所望の範囲内に近似
されたか否かを判断する場合、所望の振幅値との近似誤
差の最大値が指定した範囲内に収まった場合、あらかじ
め設定した反復回数に達した場合を採用することができ
る。
【0014】また、本発明では、上記第1ステップを行
う前に、少なくともFIRフィルタの設定、バンドの設
定、通過させたい任意の周波数点の入力、初期極値点の
設定を行う初期設定ステップを有する。
【0015】また、本発明では、上記第2ステップおよ
び第3ステップでは、補間に用いた極値点から計算され
る重みつき近似誤差の極値を近似帯域全体にわたり探し
求め、求めた極値を新しい極値点とし、極値の位置が変
化しなくなったときに最適近似が得られたと判断する。
【0016】また、本発明では、上記第4ステップで
は、任意の周波数点を通過するような制約条件を加えた
アルゴリズムを用いて、所望の特性に対して重みつき近
似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出する。
【0017】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタであっ
て、上記フィルタ係数が、上記タップ数を可変とし、バ
ンドを固定した場合に、阻止域の減衰量を満足する任意
の周波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリ
ズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望
の特性に対して重みつき近似を行うことにより設定され
ている。
【0018】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタのフィ
ルタ係数の設定方法であって、上記タップ数を可変と
し、バンドを固定した場合に、阻止域の減衰量を満足す
る任意の周波数点を通過するような制約条件を加えたア
ルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するよう
に、所望の特性に対して重みつき近似を行うことによ
り、上記フィルタ係数を算出する。
【0019】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、タップ数が変更可能で、バンドが固定されて
いるFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であっ
て、周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点
から振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステ
ップと、上記第1ステップで得られた補間多項式から求
められた振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステ
ップと、上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返
し、所定条件により終了する第3ステップと、上記第3
ステップで近似された振幅特性から阻止域の減衰量を調
べる第4ステップと、調べた減衰量と指定した阻止域の
減衰量を比較し、比較結果が所定の条件を満足している
か否かを判断する第5ステップと、上記第5ステップの
比較結果が所定の条件を満足していない場合にタップ数
を変更する第6ステップと、上記第5ステップで所定の
条件を満足した上記第3ステップにより近似された振幅
特性から上記フィルタ係数を求める第7ステップとを有
する。
【0020】また、本発明では、上記第1ステップを行
う前に、少なくともFIRフィルタの設定、バンドの設
定、通過させたい任意の周波数点の入力、初期極値点の
設定、阻止域の減衰量の指定を行う初期設定ステップ。
【0021】また、本発明では、上記第4ステップで
は、阻止域における最小の減衰量を調べ、上記第6ステ
ップではタップ数を増やす。
【0022】また、本発明では、上記第7ステップで
は、上記タップ数を可変とし、バンドを固定した場合
に、阻止域の減衰量を満足する任意の周波数点を通過す
るような制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止
域の減衰量を満足するように、所望の特性に対して重み
つき近似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出す
る。
【0023】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタであっ
て、上記フィルタ係数が、上記タップ数が固定で、バン
ド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足する
任意の周波数点を通過するような制約条件を加えたアル
ゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、
所望の特性に対して重みつき近似を行うことにより設定
されている。
【0024】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタのフィ
ルタ係数の設定方法であって、上記タップ数が固定で、
バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足
する任意の周波数点を通過するような制約条件を加えた
アルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するよう
に、所望の特性に対して重みつき近似を行うことによ
り、上記フィルタ係数を算出する。
【0025】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な
FIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であって、周
波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から振
幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
と、上記第1ステップで得られた補間多項式から求めら
れた振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップ
と、上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、
所定条件により終了する第3ステップと、上記第3ステ
ップで近似された振幅特性から阻止域の減衰量を調べる
第4ステップと、調べた減衰量と指定した阻止域の減衰
量を比較し、比較結果が所定の条件を満足しているか否
かを判断する第5ステップと、上記第5ステップの比較
結果が所定の条件を満足していない場合にバンドの設定
を変更する第6ステップと、上記第5ステップで所定の
条件を満足した上記第3ステップにより近似された振幅
特性から上記フィルタ係数を求める第7ステップとを有
する。
【0026】また、本発明では、上記第1ステップを行
う前に、少なくともFIRフィルタの設定、バンドの設
定、通過させたい任意の周波数点の入力、初期極値点の
設定、阻止域の減衰量の指定を行う初期設定ステップ。
【0027】また、本発明では、上記第4ステップで
は、阻止域における最小の減衰量を調べる。
【0028】また、本発明では、上記第7ステップで
は、上記タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な場
合に、阻止域の減衰量を満足する任意の周波数点を通過
するような制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻
止域の減衰量を満足するように、所望の特性に対して重
みつき近似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出
する。
【0029】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタであっ
て、上記フィルタ係数が、上記タップ数が可変で、バン
ド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足する
任意の周波数点を通過するような制約条件を加えたアル
ゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、
所望の特性に対して重みつき近似を行うことにより設定
されている。
【0030】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタのフィ
ルタ係数の設定方法であって、上記タップ数が可変で、
バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足
する任意の周波数点を通過するような制約条件を加えた
アルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するよう
に、所望の特性に対して重みつき近似を行うことによ
り、上記フィルタ係数を算出する。
【0031】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、タップ数が可変で、バンド設定は変更可能な
FIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であって、周
波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から振
幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
と、上記第1ステップで得られた補間多項式から求めら
れた振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップ
と、上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、
所定条件により終了する第3ステップと、上記第3ステ
ップで近似された振幅特性から阻止域の減衰量を調べる
第4ステップと、調べた減衰量と指定した阻止域の減衰
量を比較し、比較結果が所定の条件を満足しているか否
かを判断する第5ステップと、上記第5ステップの比較
結果が所定の条件を満足していない場合にバンドの設定
を変更する第6ステップと、上記第6ステップでバンド
変更後、現在のタップ数で阻止域の減衰量を満足できる
か否かを判断する第7ステップと、上記第7ステップで
満足していないと判断した場合に、タップ数を変更する
第8ステップと、上記第5ステップで所定の条件を満足
した上記第3ステップにより近似された振幅特性から上
記フィルタ係数を求める第9ステップとを有する。
【0032】また、本発明では、上記第1ステップを行
う前に、少なくともFIRフィルタの設定、バンドの設
定、通過させたい任意の周波数点の入力、初期極値点の
設定、阻止域の減衰量の指定を行う初期設定ステップ。
【0033】また、本発明では、上記第4ステップで
は、阻止域における最小の減衰量を調べ、上記第8ステ
ップではタップ数を増やす。
【0034】また、本発明では、上記第9ステップで
は、上記タップ数が可変で、バンド設定は変更可能な場
合に、阻止域の減衰量を満足する任意の周波数点を通過
するような制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻
止域の減衰量を満足するように、所望の特性に対して重
みつき近似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出
する。
【0035】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタであっ
て、上記フィルタ係数が、上記タップ数が固定で、バン
ド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足し、
かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過する、任意の周
波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリズム
を用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望の特
性に対して重みつき近似を行うことにより設定されてい
る。
【0036】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタのフィ
ルタ係数の設定方法であって、上記タップ数が固定で、
バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足
し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過する、任意
の周波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリ
ズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望
の特性に対して重みつき近似を行うことにより、上記フ
ィルタ係数を算出する。
【0037】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な
FIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であって、周
波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から振
幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
と、上記第1ステップで得られた補間多項式から求めら
れた振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップ
と、上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、
所定条件により終了する第3ステップと、上記第3ステ
ップで近似された振幅特性から阻止域の減衰量を調べる
第4ステップと、上記第4ステップで調べた減衰量と指
定した阻止域の減衰量を比較し、比較結果が所定の条件
を満足しているか否かを判断する第5ステップと、上記
第5ステップの比較結果が所定の条件を満足していない
場合にバンドの設定を変更する第6ステップと、上記第
5ステップで所定の条件を満足した遷移域の指定周波数
の減衰量を調べる第7ステップと、上記第7ステップで
調べた遷移域の指定周波数の減衰量と指定した遷移域の
減衰量を比較し、比較結果が所定の条件を満足している
か否かを判断する第8ステップと、上記第7ステップの
比較結果が所定の条件を満足していない場合にバンドの
設定を変更する第9ステップと、上記第7ステップで所
定の条件を満足した近似された振幅特性から上記フィル
タ係数を求める第10ステップとを有する。
【0038】また、本発明では、上記第1ステップを行
う前に、少なくともFIRフィルタの設定、バンドの設
定、通過させたい任意の周波数点の入力、初期極値点の
設定、阻止域の減衰量の指定、遷移域の指定周波数での
減衰量の指定を行う初期設定ステップを有する。
【0039】また、本発明では、上記第4ステップで
は、阻止域における最小の減衰量を調べる。
【0040】また、本発明では、上記第10ステップで
は、上記タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な場
合に、阻止域の減衰量を満足し、かつ遷移域の指定周波
数の減衰量を通過する、任意の周波数点を通過するよう
な制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減
衰量を満足するように、所望の特性に対して重みつき近
似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出する。
【0041】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタであっ
て、上記フィルタ係数が、上記タップ数が可変で、バン
ド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足し、
かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過する、任意の周
波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリズム
を用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望の特
性に対して重みつき近似を行うことにより設定されてい
る。
【0042】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、任意のタップを有するFIRフィルタのフィ
ルタ係数の設定方法であって、上記タップ数が可変で、
バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足
し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過する、任意
の周波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリ
ズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望
の特性に対して重みつき近似を行うことにより、上記フ
ィルタ係数を算出する。
【0043】また、本発明は、インパルス応答が有限時
間長で表され、当該インパルス応答がフィルタ係数とな
っており、タップ数が可変で、バンド設定は変更可能な
FIRフィルタのフィルタ係数の設定方法であって、周
波数の振幅特性の極値点通過させたい周波数点から振幅
特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップと、
上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、
上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
条件により終了する第3ステップと、上記第3ステップ
で近似された振幅特性から阻止域の減衰量を調べる第4
ステップと、上記第4ステップで調べた減衰量と指定し
た阻止域の減衰量を比較し、比較結果が所定の条件を満
足しているか否かを判断する第5ステップと、上記第5
ステップの比較結果が所定の条件を満足していない場合
にバンドの設定を変更する第6ステップと、上記第6ス
テップでバンド変更後、現在のタップ数で阻止域の減衰
量を満足できるか否かを判断する第7ステップと、上記
第7ステップで満足できないと判断した場合にタップ数
を変更する第8ステップと、上記第5ステップで所定の
条件を満足した遷移域の指定周波数の減衰量を調べる第
9ステップと、上記第9ステップで調べた遷移域の指定
周波数の減衰量と指定した遷移域の減衰量を比較し、比
較結果が所定の条件を満足しているか否かを判断する第
10ステップと、上記第10ステップの比較結果が所定
の条件を満足していない場合にバンドの設定を変更する
第11ステップと、上記第11ステップでバンド変更
後、現在のタップ数で遷移域の指定周波数を通過させる
ことができるか否かを判断する第12ステップと、上記
第12ステップで通過させることができないと判断した
場合にタップ数を変更する第13ステップと、上記第1
0ステップで所定の条件を満足した近似された振幅特性
から上記フィルタ係数を求める第14ステップとを有す
る。
【0044】また、本発明では、上記第1ステップを行
う前に、少なくともFIRフィルタの設定、バンドの設
定、通過させたい任意の周波数点の入力、初期極値点の
設定、阻止域の減衰量の指定、遷移域の指定周波数での
減衰量の指定を行う初期設定ステップを有する。
【0045】また、本発明では、上記第4ステップで
は、阻止域における最小の減衰量を調べ、上記第8ステ
ップおよび第13ステップではタップ数を増やす。
【0046】また、本発明では、上記第14ステップで
は、上記タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な場
合に、阻止域の減衰量を満足し、かつ遷移域の指定周波
数の減衰量を通過する、任意の周波数点を通過するよう
な制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減
衰量を満足するように、所望の特性に対して重みつき近
似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出する。
【0047】本発明によれば、たとえば初期設定によ
り、通過させたい任意の周波数点が入力され、直線位相
FIRフィルタの設定、バンドの設定、プリフィルタの
係数の設定、初期極値点の設定が行われる。次に、現在
の極値点と通過させたい任意の周波数点から振幅特性を
補間する補間多項式が生成される。次に、生成した補間
多項式から求められた振幅特性から新しい極値点が決定
される。これらが繰り返されて、たとえば極値の位置が
所望の範囲内に近似されたか否かが判断される。そし
て、近似された振幅特性からフィルタ係数が求められ
る。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に関連付けて説明する。
【0049】本発明に係る直線位相FIRフィルタは、
等価的にはたとえば図1に示すようなトランスバーサル
型回路構成をとることが可能である。ただし、フィルタ
係数hは、以下に詳述するように、チェビシェフ近似問
題(Chebyshev approximation problem) を解くレムズ交
換(Remez Exchange)アルゴリズムを拡張し、任意の周波
数点を通過するように所望の振幅特性をチェビシェフ近
似し、近似された振幅特性から求められる。
【0050】以下、本発明に係る直線位相FIRフィル
タの係数設定の具体的な方法について、図面に関連付け
て順を追って説明する。以下の説明において、周波数領
域で通過させたい任意の周波数点の個数をNpと表す。
【0051】直線位相FIRフィルタの伝達関数K
(z)は、図3に示すように、直線位相を持つために4
つの場合に分類される。具体的には、図3(A)に示す
奇数タップ、偶対称の場合1、図3(B)に示す偶数タ
ップ、偶対称の場合2、図3(C)に示す奇数タップ、
奇対称の場合3、および図3(D)に示す偶数タップ、
奇対称の場合4の4つ場合に分類される。
【0052】そして、その振幅特性関数H(ejw)を場
合1はそのままにして、場合2〜4を次のように書き直
す。
【0053】
【数1】
【0054】すなわち、振幅特性関数H(ejw)は、図
4に示した固定パラメータの関数Q(ejw)と設計パラ
メータを含む余弦級数P(ejw)との積で表される。以
後、各式(1−1)〜(式1−4)の和の上限をR−1
+2×Npと表すことにする。すなわち、Rは図4のよ
うに計算される。また、a(n);  ̄ b(n); ̄c(n);  ̄ d
(n) をp(n)と総称する。
【0055】所望の振幅特性D(ejw)とし、各周波数
に対する重みをW(ejw)とするとき、重みつき近似誤
差は次のように定義される。
【0056】
【数2】
【0057】
【数3】
【0058】式(2)に式(3)を代入すると次のよう
になる。
【0059】
【数4】
【0060】ただし、^W(ejw)、^D(ejw)は下
記のようであるとする。
【0061】
【数5】
【0062】
【数6】
【0063】式(4)は、場合1〜場合4の4つの場合
の直線位相FIRフィルタの重みつき近似誤差を表して
いる。重みつきチェビシェフ近似問題は、式(2)にお
いて指定周波数帯域内での|E(ejw)|の最大値を最
小にするような式(1−1)〜(1−4)のa(n);  ̄b
(n); ̄ c(n); ̄ d(n) を決定することである。
【0064】以下、具体例に関連付けて説明する。ここ
では、下記式および図5に示すように、振幅特性D(e
jw)を定義する。
【0065】
【数7】
【0066】ただし、Rが与えられると、δ1 ,δ2 の
値は任意に指定できないが、その比率を指定することが
できる。W(ejw)は通過域では一定値W1 、阻止域で
はW2 とし、W1 δ1 =W2 δ2 が成立するように選
ぶ。たとえば、W1 =1、W2 =δ1 /δ2 と選ぶ。こ
のとき、次の交番定理が成り立つ。
【0067】定理 (R−1)次の余弦級数P(ejw)がwの区間(0,
π)で目的特性に対する最良重みつきチェビシェフ近似
であるための必要十分条件は、 (1) E(ejw)は区間(0,π)で少なくとも(R+
1)回、極値をとる周波数をw0 <w1 <w2 <・・<
wR-1 <wR とする。 (2) 隣り合う極値の符号は異なり、かつすべての極値の
絶対値は等しいこと。すなわち、次の条件を満足する。
【0068】
【数8】
【0069】したがって、|E(ejwi )|は区間内で
の|E(ejw)|の最大値に等しい。
【0070】最良なチェビシェフ近似を得る手法に交番
定理に基づいたレムズ交換アルゴリズム(Remez Exchang
e Algorithm)がある(Rabiner, L.R., McClellan, J.H.
andParks, T.W.: "FIR Digital Filter Design Techni
ques Using Weighted Chebyshev Approximation", Pro
c. IEEE, Vol 63,April, pp.595-610, 1975 参照)。任
意の周波数点を通過するようにレムズ交換アルゴリズム
は、周波数領域で所望の振幅特性をチェビシェフ近似
し、近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの
係数を求めるものである。
【0071】図6は、本発明に係る任意の周波数点を通
過するレムズ交換アルゴリズムのフローチャートであ
る。具体的な任意の周波数点を通過するレムズ交換アル
ゴリズムは以下のようになる。
【0072】step0 図6に示すように、まず、初期設定を行う(F10
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意周波数点を入力、
初期極値点の設定を行う。具体的に設定する項目は以下
の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数、 ・各バンドの両端の周波数、 ・各バンドの所望の振幅値、 ・各バンドに対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値(wR+1 ,D(e
jwR+1 ),i=1,・・,Np) ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。
【0073】step1 次に、現在の極値点から振幅特性を補間するラグランジ
ュ補間多項式を生成する(F102)。上記式(2)で
示すチェビシェフ近似の目的関数が最小になる必要十分
条件は交番定理により示されている。そこで、交番定理
をもとにして、各極値点で所望の振幅特性からの重みつ
き近似誤差δ(i) が等しく、符号が交番するように、次
のパラメータp(n)を求める。
【0074】
【数9】
【0075】すなわち、周波数点w(i) =wk (i) (k
=0,・・,R)における式(4)の重みつき近似誤差
が次式を満足する。
【0076】
【数10】
【0077】以下、簡略化のために右肩文字(i) は省略
する。式(10)を変形すると次のようになる。
【0078】
【数11】
【0079】式(11)に制約として周波数領域で通過
させたい周波数点の等式が加わる。
【0080】
【数12】
【0081】式(11)と式(12)を行列表現する
と、次のようになる。
【0082】
【数13】
【0083】しかし、この式を解くのは非常に計算量が
多いので、まずδを解析的に求める。
【0084】
【数14】
【0085】
【数15】
【0086】
【数16】
【0087】αk は行列Fのk行(R+1)列の要素の
余因子である。ただし、^W(ejw),^D(ejw
は、それぞれ式(5)、式(6)を使う。次にこのδを
用いて次式のようにおく。
【0088】
【数17】
【0089】
【数18】
【0090】極値点以外の周波数の振幅特性を求めるた
めに、極値点と通過させたい周波数点を用いて補間する
補間多項式として、今回はラグランジュ補間多項式を用
いることにする。すなわち、P(ejw)は、ラグランジ
ュ補間多項式を用いて、wk((k=0,・・,R+N
p)で値Ck をとるような補間をすることで計算され
る。
【0091】
【数19】
【0092】
【数20】
【0093】
【数21】
【0094】この結果は、式(13)を解いたことに相
当する。
【0095】step2 補間多項式から求められた振幅特性から新しい極値点を
求めることと(F103)、最適近似が得られた否かを
繰り返し判断する(F104)。上記したstep1の
結果の各極値点wk は必ずしも重みつき誤差関数E(e
jw)の極値になっておらず、|E(ejw)|>δ(i)
なる点が存在することがある。そこで新しい極値点w
(i+1) を全点同時入れ替え法から決定する。全点同時入れ替え法 :次式に基づいて、補間に用いた極
値点から計算される重みつき近似誤差の極値を近似帯域
全体にわたり探し求め、それを新しい極値点w(i+1)
k (i+1) (k=0,1, ・・,R) とし、step1の処理に
戻る。
【0096】
【数22】
【0097】極値の位置が変化しなくなったとき最適近
似が得られたとする。これが繰り返しの終了条件であ
り、次のstep3の処理へ進む。
【0098】図7は、全点入れ替え法の概念図である。
簡単に説明すると、図7中の黒丸が補間に用いた極値点
を表し、この極値点から求めた重みつき近似誤差E(e
jw)が実線に相当する。図7(A)に示すように、黒丸
の極値点での重みつき近似誤差の値は白丸となるが、実
際の極値は四角で示す周波数である。そこで、四角で示
す周波数を新しい極値点として、step1の処理に戻
る。また、図7(B)に示すように、補間に用いた極値
点と実際の極値の周波数がずれているので、四角で示す
周波数を新しい極値点として、step1の処理に戻
る。そして、図7(C)に示すように、補間に用いた極
値点と、実際の重みつき近似誤差の極値点( 白丸) が同
じになたときに、繰り返しは終了する。
【0099】step3 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。最適近似関数P(ejw)からN
タップのインパルス応答h(n)を求める際に、p
(n)から求める代わりに、次式から求める。
【0100】
【数23】
【0101】
【数24】
【0102】
【数25】
【0103】
【数26】
【0104】
【数27】
【0105】もし、通過させたい任意の周波数点がない
場合、Np=0のときは、通常のレムズ交換アルゴリズ
ムと同じである。
【0106】図8は、以下に示す仕様に対して、任意の
周波数点を通過するように拡張したレムズ交換アルゴリ
ズムで設定された低域通過フィルタの周波数応答を示す
図である。
【0107】仕様 ・タップ数;24タップ、 ・対称性 ;偶対称
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】図8(A)はデシベルで表示した周波数応
答を示す図、図8(B)はそのままの値で表示した周波
数応答を示す図、図8(C)は利得3付近を拡大した
図、図8(D)は利得0付近を拡大した図である。ま
た、図中、実線は最終的に得られた周波数特性を示して
いる。また、点線はバンドの区切りを示し、黒丸は指定
した周波数点を示している。
【0111】図8、特に図8(C),(D)から、本実
施形態に係る任意の周波数点を通過するように拡張した
レムズ交換アルゴリズムで設定された低域通過フィルタ
は、指定した周波数点を通過していることが確認でき
る。
【0112】次に、変形例として、指定された阻止域の
減衰量を満足するアルゴリズムについて説明する。この
アルゴリズムは、任意の周波数点を通過するレムズ交換
アルゴリズムを用いて、バンド数が2である低域通過フ
ィルタ、または、高域通過フィルタに対して、指定され
た阻止域の減衰量( 重みつき近似誤差) を満足するアル
ゴリズムである。なお、以下の説明では、低域通過フィ
ルタを想定して記述しているが、高域通過フィルタに適
用したいときは、「通過域」と「阻止域」は逆になる。
【0113】阻止域の減衰量を満足するための方法とし
ては、以下に示す3種類のアプローチが存在する。第1
は、通過域の終点周波数wp を可変、阻止域の始点周波
数ws を固定、およびタップ数を固定とするアプローチ
である。第2は、通過域の終点周波数wp を固定、阻止
域の始点周波数ws を可変、およびタップ数を固定とす
るアプローチである。第3は、通過域の終点周波数wp
を固定、阻止域の始点周波数ws を固定、タップ数を可
変とするアプローチである。
【0114】以下、第1、第2、および第3のアプロー
チについて、図面に関連つけて順を追って説明する。
【0115】第1のアプローチ まず、一つ目のアプローチでは、指定した阻止域の減衰
量dBs を満足する最も大きい通過域の終点周波数wp
を求めることになる。図9は、阻止域の減衰量を満足す
るフィルタを求めるアルゴリズムのフローチャートを示
す図である。図10は、阻止域の減衰量を満足する最も
大きい通過域の終点周波数を持つフィルタを求めるアル
ゴリズムで、自由になるパラメータ(変数)と固定され
るパラメータ(変数)を示している。
【0116】ここで、このアルゴリズムで自由になるパ
ラメータ、目的、そしてアルゴリズムの原理を列挙する
と次のようになる。 *自由パラメータ: 通過域の終点周波数wp である。 *目的: 指定した阻止域の減衰量を満足する最も大きい
通過域の終点周波数wp を持つフィルタを得る。 *原理: 通過域の始点周波数と阻止域の両端の周波数が
固定であり、通過域の終点周波数が自由パラメータであ
る。レムズ交換アルゴリズムによるチェビシェフ近似で
は、 ・通過域の終点周波数wp が阻止域の始点周波数ws よ
りも遠ざかる→阻止域の減衰量は大きくなる。 ・通過域の終点周波数wp が阻止域の始点周波数ws に
近づく→阻止域の減衰量は小さくなる。 すなわち、阻止域の始点周波数ws から遠い周波数(w
=0付近)にw p (cur)と阻止域の始点周波数に近い周
波数w p (pre) を初期周波数として用意し、二分割法を
利用して指定した減衰量を満足する最も大きい通過域の
終点周波数の位置wp を求める。なお、このようなパラ
メータの直線探索法で最も効率の良い方法は黄金分割法
であるが、ここでは、アルゴリズムの理解が容易な二分
割法を採用している。
【0117】図9および以下に説明するアルゴリズムの
各ステップ処理F102,F103,F104,F10
5の内容は、図6に関連付けて説明した任意の周波数点
を通過するレムズ交換アルゴリズムと同じである。した
がって、これらの処理については、図6と同じ符号を用
いている。
【0118】step10 図9に示すように、まず、初期設定を行う(F20
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意の周波数点を入
力、初期極値点の設定、阻止域の減衰量の指定、二分割
法の初期周波数の設定を行う。具体的に設定する項目は
以下の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個、 ・通過域の始点周波数、 ・通過域の利得、 ・阻止域の両端の周波数、 ・阻止域の利得、 ・通過域と阻止域に対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。
【0119】また、図11は、阻止域の減衰量を満足す
る最も大きい通過域の終点周波数を持つフィルタを求め
るアルゴリズムにおける二分割法の初期周波数を示す図
である。図11に示すように、本例では、二分割法の初
期周波数として下記のような値を与えている。
【0120】
【数28】
【0121】wp の後ろにある[t] の部分はサイクル数
を表すものとする。ここでは、周波数w p (pre) [0] に
対しては任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリ
ズムを実行して阻止域における最小の減衰量dB(pre)
[0] が求められているとして以下のステップについて説
明する。
【0122】step11 任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムを実
行する(F102,F103,F104)。具体的に
は、処理F102では、w p (cur) [t] のときの極値点
と通過させたい周波数点から振幅特性を補間する補間多
項式を生成を生成する。次いで、処理F103におい
て、補間多項式から求められた振幅特性から新しい極値
点を決定する。そして、処理F104において、レムズ
交換アルゴリズムの繰り返し判断を行う。
【0123】step12 次に、阻止域の減衰量を調べる(F206)。処理F1
02で求めた補間多項式を用いて、阻止域における最小
の減衰量(最大の重みつき近似誤差δ2 )dB s (cur)
[t] を調べる。
【0124】step13 次に、指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F20
7)。具体的には、指定した阻止域の減衰量dBs と比
較して、下記式(29)または式(30)を満足してい
る場合には、step15(F105)の処理に移行す
る。満足していない場合にはstep14(F208)
の処理に移行する。
【0125】
【数29】
【0126】
【数30】
【0127】ただし、ε1 とε2 は非常に小さい値をし
ている。
【0128】step14 指定した阻止域の減衰量dBs との比較において、上記
式(29)または式(30)を満足していない場合に
は、バンドの設定を変更する(F208)。具体的に
は、新しい通過域の終点周波数w p (cur) [t + 1] を設
定する。その設定法として一回目のループの場合と二回
目以降のループの場合に分けて説明する。
【0129】一回目:一回目の場合には、図12に示す
3つのケースが考えられる。すなわち、周波数w p
(pre) [0] 、w p (cur) [0] に対して、図12(A),
(B),(C)に示すケースが考えられる。図12
(A)に示すケースは、両方とも指定した減衰量を満足
しているケースである。この場合、阻止域の始点周波数
ws に近い周波数w p (pre) [0] を解としてstep1
5の処理に進む。図12(B)に示すケースは、両方と
も指定した減衰量を満足しないケースである。この場
合、現在のタップ数では、指定した減衰量を実現するこ
とができないので、その旨を表示して終了する。図12
(C)に示すケースは、片方のみが指定した減衰量を満
足するケースである。この場合は、下記式(31)のよ
うにしてstep11の処理に移行する。なお、今回の
初期周波数点の与え方では、w p (pre) [0] が満足し、
p (cur) [0] が満足しないケースは存在しない。
【0130】
【数31】
【0131】二回目以降:二回目以降の場合には、図1
3に示す2つのケースが考えられる。二回目以降におけ
る新しい周波数の決め方において、w p (pre) [t +1]に
は必ず指定した減衰量dBs を満足する周波数を保存す
る。周波数w p (pre) [t] 、w p (cur) [t] に対して、
図13(A),(B)に示すケースが考えられる。図1
3(A)に示すケースは、片方のみが指定した減衰量を
満足するケースである。この場合は、下記式(32)の
ようにして次のstep11の処理に移行する。なお、
常にw p (pre) [t] は指定した減衰量を満足した周波数
がくるので、wp (pre) [t] が満足しないケースは存在
しない。
【0132】
【数32】
【0133】図13(B)に示すケースは、両方とも指
定した減衰量を満足しているケースである。この場合
は、下記式(33)のようにして次のstep11の処
理に移行する。
【0134】
【数33】
【0135】step15 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。すなわち、最終的に得られた振
幅特性から直線位相FIRフィルタの係数を求める。
【0136】図14は、「阻止域の減衰量を満足する最
大の通過域の終点周波数を持つフィルタ」を求めるアル
ゴリズムにより得られた低域通過フィルタの周波数応答
特性を示す図である。図14(A)はデシベルで表示し
た周波数応答を示す図、図14(B)はそのままの値で
表示した周波数応答を示す図、図14(C)は利得3付
近を拡大した図、および図14(D)は利得0付近を拡
大した図である。
【0137】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0138】基本アルゴリズム:任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムである。 ・24タップ ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−40dB以下求めたい変数: 通過域の終点周波数wp である。
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】なお、図14中において、実線は阻止域の
減衰量を満足する最大の通過域の終点周波数をもつ低域
通過フィルタの周波数応答を示している。また、点線は
あらかじめ与えたバンドの区切りを示し、黒丸は指定し
た周波数点を示している。
【0142】図14(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。また、図14
(C),(D)から指定した周波数点を通過しているこ
とが確認できる。
【0143】すなわち、図14からわかるように、本発
明に係る「阻止域の減衰量を満足する最大の通過域の終
点周波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズムにより
得られた低域通過フィルタは、良好な周波数応答特性を
有している。
【0144】第2のアプローチ 次に、第2のアプローチでは、指定した阻止域の減衰量
dBs を満足する最も小さい阻止域の始点周波数ws を
求めることになる。そのためのフローチャートは、第1
のアプローチで参照した図9と等価なものとなる。図1
5は、阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の始
点周波数を持つフィルタを求めるアルゴリズムで、自由
になるパラメータ(変数)と固定されるパラメータ(変
数)を示している。
【0145】ここで、このアルゴリズムで自由になるパ
ラメータ、目的、そしてアルゴリズムの原理を列挙する
と次のようになる。 *自由パラメータ: 阻止域の始点周波数ws である。 *目的: 指定した阻止域の減衰量を満足する最も小さい
阻止域の始点周波数ws を持つフィルタを得る。 *原理: 通過域の両端の周波数と阻止域の終点周波数が
固定であり、阻止域の始点周波数が自由パラメータであ
る。レムズ交換アルゴリズムによるチェビシェフ近似で
は、 ・この阻止域の始点周波数ws が通過域の終点周波数w
p よりも遠ざかる →阻止域の減衰量は大きくなる。 ・この阻止域の始点周波数ws が通過域の終点周波数w
p に近づく→阻止域の減衰量は小さくなる。 すなわち、通過域の終点周波数から遠い周波数w s
(pre) と通過域の終点周波数に近い周波数w s (cur)
初期周波数として用意し、二分割法を利用して指定した
減衰量を満足する最も小さい阻止域の始点周波数の位置
ws を求める。なお、この場合も、このようなパラメー
タの直線探索法で最も効率が良い方法は黄金分割法であ
るが、ここでは、アルゴリズムの理解が容易な二分割法
を採用している。
【0146】また、図9および以下に説明するアルゴリ
ズムの各ステップ処理F102,F103,F104,
F105の内容は、第1のアプローチの場合と同様に、
図6に関連付けて説明したプリフィルタの周波数応答を
考慮したレムズ交換アルゴリズムと同じである。したが
って、ここでの処理については、図6と同じ符号を用い
ている。
【0147】step20 図9に示すように、まず、初期設定を行う(F20
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意の周波数点を入
力、初期極値点の設定、阻止域の減衰量の指定、二分割
法の初期周波数の設定を行う。具体的に設定する項目は
以下の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個 ・通過域の両端の周波数、 ・通過域の利得、 ・阻止域の終点周波数、 ・阻止域の利得、 ・通過域と阻止域に対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。
【0148】また、図16は、阻止域の減衰量を満足す
る最も小さい阻止域を持つフィルタを求めるアルゴリズ
ムにおける二分割法の初期周波数を示す図である。図1
6に示すように、本例では、二分割法の初期周波数とし
て下記のような値を与えている。
【0149】
【数34】
【0150】ws の後ろにある[t] の部分はサイクル数
を表すものとする。ここでは、周波数w s (pre) [0] に
対しては任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリ
ズムを実行して阻止域における最小の減衰量dB(pre)
[0] が求められているとして以下のステップについて説
明する。
【0151】step21 任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムを実
行する(F102,F103,F104)。具体的に
は、処理F102では、w s (cur) [t] のときの極値点
から振幅特性を補間する補間多項式を生成を生成する。
次いで、処理F103において、補間多項式から求めら
れた振幅特性から新しい極値点を決定する。そして、処
理F104において、レムズ交換アルゴリズムの繰り返
し判断を行う。
【0152】step22 次に、阻止域の減衰量を調べる(F206)。処理F1
02で求めた補間多項式を用いて、阻止域における最小
の減衰量( 最大の重みつき近似誤差δ2)dB
s (cur) [t] を調べる。
【0153】step23 次に、指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F20
7)。具体的には、指定した阻止域の減衰量dBs と比
較して、下記式(35)または式(36)を満足してい
る場合には、step25(F105)の処理に移行す
る。満足していない場合にはstep24(F208)
の処理に移行する。
【0154】
【数35】
【0155】
【数36】
【0156】ただし、ε1 とε2 は非常に小さい値とす
る。
【0157】step24 指定した阻止域の減衰量との比較において、上記式(3
5)または式(36)を満足していない場合には、バン
ドの設定を変更する(F208)。具体的には、新しい
阻止域の始点周波数w s (cur) [t + 1] を設定する。そ
の設定法として一回目のループの場合と二回目以降のル
ープの場合に分けて説明する。
【0158】一回目:一回目の場合には、図17に示す
3つのケースが考えられる。すなわち、周波数w s
(pre) [0] 、w s (cur) [0] に対して、図17(A),
(B),(C)に示すケースが考えられる。図17
(A)に示すケースは、両方とも指定した減衰量を満足
しているケースである。この場合、w=0に近い周波数
s (pre) [0] を解としstep25の処理に進む。図
17(B)に示すケースは、両方とも指定した減衰量を
満足しないケースである。この場合、現在のタップ数で
は、指定した減衰量を実現することができないので、そ
の旨を表示して終了。図17(C)に示すケースは、片
方のみが指定した減衰量を満足するケースである。この
場合は、下記式(37)のようにしてstep21の処
理に移行する。なお、今回の初期周波数点の与え方で
は、w s (pre) [0] が満足し、w s (cur ) [0] が満足し
ないケースは存在しない。
【0159】
【数37】
【0160】二回目以降:二回目以降の場合には、図1
8に示す2つのケースが考えられる。二回目以降におけ
る新しい周波数の決め方において、w s (pre) [t + 1]
には必ず指定した減衰量dBs を満足する周波数を保存
することにする。周波数w s (pre) [t] 、w
s (cur) [t] に対して、図18(A),(B)に示すケ
ースが考えられる。図18(A)に示すケースは、片方
のみが指定した減衰量を満足するケースである。この場
合は、下記式(38)のようにして次のstep21の
処理に移行する。なお、常にw s (pre) [t] は減衰量を
満足した周波数がくるので、w s (pre)[t] が満足しな
いケースは存在しない。
【0161】
【数38】
【0162】図18(B)に示すケースは、両方とも指
定した減衰量を満足しているケースである。この場合
は、下記式(39)のようにして次のstep21の処
理に移行する。
【0163】
【数39】
【0164】step25 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。すなわち、最終的に得られた振
幅特性から直線位相FIRフィルタの係数を求める。
【0165】図19は、「阻止域の減衰量を満足する最
小の阻止域の始点周波数を持つフィルタ」を求めるアル
ゴリズムにより得られた低域通過フィルタの周波数応答
特性を示す図である。図19(A)はデシベルで表示し
た周波数応答を示す図、図19(B)はそのままの値で
表示した周波数応答を示す図、図19(C)は利得3付
近を拡大した図、および図19(D)は利得0付近を拡
大した図である。
【0166】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0167】基本アルゴリズム:任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムである。 ・24タップ ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−40dB以下求めたい変数: 阻止域の始点周波数ws である。
【0168】
【表5】
【0169】
【表6】
【0170】なお、図19中のおいて、実線は阻止域の
減衰量を満足する最小の阻止域の始点周波数をもつ低域
通過フィルタの周波数応答を示している。また、点線は
あらかじめ与えたバンドの区切りを示し、黒丸は指定し
て周波数点を示している。
【0171】図19(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。また、図19
(C),(D)から指定した周波数点を通過しているこ
とが確認できる。
【0172】すなわち、図19からわかるように、本発
明に係る「阻止域の減衰量を満足する最小の阻止域の始
点周波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズムにより
得られた低域通過フィルタは、良好な周波数応答特性を
有している。
【0173】第3のアプローチ 最後に、第3のアプローチでは、指定した阻止域の減衰
量dBs を満足する最小のタップ数Nを求めることにな
る。図20は、阻止域の減衰量を満足する最小のタップ
数のフィルタを求めるアルゴリズムのフローチャート示
す図である。
【0174】ここで、このアルゴリズムで、自由になる
パラメータ、目的、そしてアルゴリズムの原理を列挙す
ると次のようになる。 *自由パラメータ: タップ数である。 *目的: 指定された阻止域の減衰量を満足する最小タッ
プ数のフィルタを得る。 *原理: バンドの変数はすべて固定であるので、指定し
た阻止域の減衰量を満足できない場合に、タップ数を1
タップ増やす。
【0175】また、図20および以下に説明するアルゴ
リズムの各ステップ処理F102,F103,F10
4,F105、の内容は、第1のアプローチの場合と同
様に、図6に関連付けて説明した任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムと同じである。また、処理
F206の内容は第2のアプローチの場合と同様に、図
9に関連付けて説明した処理と同様である。したがっ
て、ここでの処理については、図6および図9と同じ符
号を用いている。
【0176】step30 図20に示すように、まず、初期設定を行う(F40
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意の周波数点を入
力、初期極値点の設定を行う。具体的に設定する項目は
以下の通りである。 ・初期タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個、 ・各バンドの始点周波数と終点周波数、 ・各バンドの利得、 ・各バンドの重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。
【0177】step31 任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムを実
行する(F102,F103,F104)。具体的に
は、処理F102では、w p (cur) [t]のときの極値点
と通過させたい周波数点から振幅特性を補間する補間多
項式を生成を生成する。次いで、処理F103におい
て、補間多項式から求められた振幅特性から新しい極値
点を決定する。そして、処理F104において、レムズ
交換アルゴリズムの繰り返し判断を行う。
【0178】step32 次に、阻止域の減衰量を調べる(F206)。処理F1
02で求めた補間多項式を用いて、阻止域における最小
の減衰量( 最大の重みつき近似誤差δ2)dB
s (cur) [t] を調べる。
【0179】step33 次に、指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F41
2)。具体的には、指定した阻止域の減衰量dBs と比
較して、下記式(40)を満足している場合には、st
ep35(F105)の処理に移行する。満足していな
い場合にはstep34(F413)の処理に移行す
る。
【0180】
【数40】
【0181】step34 1タップ増やす(F413)。すなわち、現在のタップ
数を1タップ増やし、step30の処理に移行する。
【0182】step35 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。すなわち、最終的に得られた振
幅特性から直線位相FIRフィルタの係数を求める。
【0183】図21は、「阻止域の減衰量を実現する最
小のタップ数」を求めるアルゴリズムにより得られた低
域通過フィルタの周波数応答特性を示す図である。図2
1(A)はデシベルで表示した周波数応答を示す図、図
21(B)はそのままの値で表示した周波数応答を示す
図、図21(C)は利得3付近を拡大した図、および図
21(D)は利得0付近を拡大した図である。
【0184】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0185】基本アルゴリズム:任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムである。 ・初期タップ数10タップ ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−60dB以下求めたい変数: タップ数Nである。
【0186】
【表7】
【0187】
【表8】
【0188】なお、図21中において、実線は阻止域の
減衰量が−60dB以下になる最小のタップ数(36タ
ップ)の低域通過フィルタの周波数応答を示している。
また、点線はあらかじめ与えたバンドの区切りを示し、
黒丸は指定した周波数点を示している。
【0189】図21(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。また、図21
(C),(D)から指定した周波数点を通過しているこ
とが確認できる。
【0190】すなわち、図21からわかるように、本発
明に係る「阻止域の減衰量を実現する最小のタップ数」
を求めるアルゴリズムにより得られた低域通過フィルタ
は、良好な周波数応答特性を有している。
【0191】次に、第2の変形例として、阻止域の減衰
量を満足し、遷移域の周波数点を通過するフィルタを求
めるアルゴリズムについて説明する。
【0192】ここで、このアルゴリズムで自由になるパ
ラメータ、目的、そしてアルゴリズムの原理を列挙する
と次のようになる。 *自由パラメータ: 通過域の終点周波数wp と阻止域の
始点周波数ws である。 *目的: 阻止域の減衰量dBs を満足し、かつ、遷移域
の周波数wc で減衰量dBc を通過するバンドを決定す
る。すなわち、遷移域の特定周波数wc で減衰量dBc
となるような最も大きい通過域の終点周波数wp と最も
小さい阻止域の始点周波数ws を得る。 *原理: 通過域の始点周波数と阻止域の終点周波数が固
定であり、通過域の終点周波数wp と阻止域の始点周波
数ws が自由パラメータである。2つの自由パラメータ
があるので、同時に動かすと適切に決めることができな
い。そこで、片方のパラメータを固定し、阻止域の減衰
量を満足するもう一方のパラメータを求める。遷移域の
周波数wc で減衰量dBc を通過しない場合は、固定し
ていたパラメータを変更する。以上のような反復を繰り
返すことで、遷移域の周波数wcで減衰量dBc を通過
するバンドを決定する。阻止域の減衰量を満足するパラ
メータを求める方法は、2種類のアプローチ、すなわ
ち、第1に「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止
域の始点周波数を持つフィルタ」、第2に「阻止域の減
衰量を満足する最も大きい通過域の終点周波数を持つフ
ィルタ」があるので、それぞれをベースにしたアルゴリ
ズムを順を追って説明する。
【0193】図22は、阻止域の減衰量を満足し、遷移
域の周波数点を通過するフィルタを求めるアルゴリズム
のフローチャートを示す図である。まず、図22〜図2
7に関連付けて、「阻止域の減衰量を満足する最も小さ
い阻止域の始点周波数を持つフィルタ」をベースにした
アルゴリズムについて説明する。
【0194】すなわち、本アルゴリズムでは、「阻止域
の減衰量を満足する最も小さい阻止域の始点周波数を持
つフィルタ」を求めるアルゴリズムを利用する。具体的
なアルゴリズムの方針は、図23に示すように、上記ア
ルゴリズムを内側のループとしてws を求め、さらに外
側にwp を求めるためのループをかぶせてバンドのパラ
メータを決定する。すなわち、外側のループで通過域の
終点周波数wp を固定し、内側のループで阻止域の減衰
量dBs を満足する阻止域の始点周波数ws を求める。
求められた振幅特性が指定した遷移域の点(wc ,dB
c )を通過してないときは、「阻止域の減衰量を満足す
る最も大きい通過域の終点周波数を持つフィルタ」を探
索したときと同様にwp を二分割法を用いて探索する。
以下に具体的なアルゴリズムを示すが、内側のループで
ある「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の始
点周波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズムは同じ
なので説明は省略する。
【0195】また、図22および以下に説明するアルゴ
リズムの各ステップ処理F102,F103,F10
4,F105、の内容は、第1のアプローチの場合と同
様に、図6に関連付けて説明した任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムと同じである。また、処理
F206,F207,F208の内容は第2のアプロー
チの場合と同様に、図9に関連付けて説明した処理、す
なわち「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の
始点周波数を持つフィルタ」のアルゴリズムと同様であ
る。したがって、ここでの処理については、図6および
図9と同じ符号を用いている。
【0196】step40 まず、図22に示すように、初期設定を行う(F30
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意の周波数点を入
力、初期極値点の設定、阻止域の減衰量の指定、二分割
法の初期周波数の設定を行う。具体的に設定する項目は
以下の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個、 ・通過域の始点周波数ws =0、 ・通過域の利得、 ・阻止域の終点周波数wp =π、 ・阻止域の利得、 ・通過域と阻止域に対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・遷移域の周波数wc とその減衰量dBc 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。
【0197】また、図24は、阻止域の減衰量を満足
し、遷移域の周波数点を通過するフィルタを求めるアル
ゴリズムにおける二分割法の初期周波数を示す図であ
る。図24に示すように、本例では、二分割法の初期周
波数とし下記のような値を与えている。
【0198】
【数41】
【0199】wp の後ろにある[t] の部分はサイクル数
を表すものとする。ここでは、周波数w p (pre) [0] に
対しては任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリ
ズムを実行して阻止域における指定した減衰量dBs を
満足する最小の阻止域の始点周波数w s (pre) [0]が求
められ、そのときのwc における利得dB c (pre) [0]
が得られているとして以下のステップについて説明す
る。
【0200】step41 「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の始点周
波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズムを実行する
(F102, F103, F104, F206, F207, F208)。具体的には、
処理F102では、w p (cur) [t] のときの極値点と通
過させたい周波数点から振幅特性を補間する補間多項式
を生成する。次いで、処理F103において、補間多項
式から求められた振幅特性から新しい極値点を決定す
る。そして、処理F104において、レムズ交換アルゴ
リズムの繰り返し判断を行う。次に、処理F206にお
いて、阻止域における最小の減衰量(最大の重みつき近
似誤差)を求める。次に、処理F207において、阻止
域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の始点周波数w
s を持つフィルタを求めるアルゴリズムの終了条件を得
る。また、処理F208において、新しい阻止域の始点
周波数w s (cur) の設定を行う。
【0201】step42 次に、遷移域に指定した周波数の減衰量を調べる(F3
09)。処理F102において、「阻止域の減衰量を満
足する最も小さい阻止域の始点周波数」を求めるアルゴ
リズムで最終的に求まったラグランジュ補間多項式を用
いて、遷移域に指定した周波数wc に対する減衰量dB
c (cur) [t] を調べる。
【0202】step43 遷移域の指定減衰量との比較を行う(F310)。遷移
域の周波数wc に対する減衰量dBc と比較して、下記
式(42)または式(43)を満足している場合には、
step45(F105)の処理に移行し、満足してい
ない場合にはstep44(F311)の処理に移行す
る。
【0203】
【数42】
【0204】
【数43】
【0205】ただし、ε1 とε2 は非常に小さい値をし
ている。
【0206】step44 遷移域の周波数wc に対する減衰量dBc との比較にお
いて、上記式(42)または式(43)を満足していな
い場合には、バンドの設定を変更する(F311)。具
体的には、新しい通過域の終点周波数w p (cur) [t +
1] を設定する。その設定法として一回目のループの場
合と二回目以降のループの場合に分けて説明する。
【0207】一回目:一回目の場合には、図25に示す
3つのケースが考えられる。すなわち、周波数w p
(pre) [0] 、w p (cur) [0] に対して、図25(A),
(B),(C)に示すケースが考えられる。図25
(A)に示すケースは、両方とも指定した減衰量dBc
を満足しているケースである。この場合、大きい周波数
p (cur) [0] を解としてstep45の処理に進む。
図25(B)に示すケースは、両方とも指定した減衰量
を満足しないケースである。この場合、現在のタップ数
では、指定した減衰量を実現することができないので、
その旨を表示して終了する。図25(C)に示すケース
は、片方のみが指定した減衰量を満足するケースであ
る。この場合は、下記式(44)のようにしてstep
41の処理に移行する。なお、今回の初期周波数の与え
方では、w p (cur) [0] が満足し、w p (pre)[0] が満
足しないケースは存在しない。
【0208】
【数44】
【0209】二回目以降:二回目以降の場合には、図2
6に示す2つのケースが考えられる。二回目以降におけ
る新しい周波数w p (cur) [t + 1] の決め方において、
p (pre) [t + 1] には必ず指定減衰量dBc を満足す
る周波数を保存する。周波数w p (pre) [t] 、w p
(cur) [t] に対して図26(A),(B)に示すケース
が考えられる。図26(A)に示すケースは、片方のみ
が指定した減衰量を満足するケースである。この場合
は、下記式(45)の処理を行い次のstep41の処
理に移行する。なお、常にw p (pre) [t] は指定した減
衰量を満足した周波数がくるので、wp (pre) [t] が満
足しないケースは存在しない。
【0210】
【数45】
【0211】図26(B)に示すケースは、両方とも指
定した減衰量を満足しているケース。この場合は、下記
式(46)の処理を行い次のstep41の処理に移行
する。
【0212】
【数46】
【0213】step45 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。すなわち、最終的に得られた振
幅特性から直線位相FIRフィルタの係数を求める。
【0214】図27は、「最小の阻止域の始点周波数を
持つフィルタ」を求めるアルゴリズムをベースにした
「阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点を通過す
るフィルタ」を求めるアルゴリズムにより得られた低域
通過フィルタの周波数応答特性を示す図である。図27
(A)はデシベルで表示した周波数応答を示す図、図2
7(B)はそのままの値で表示した周波数応答を示す
図、図27(C)は利得3付近を拡大した図、および図
27(D)は利得0付近を拡大した図である。
【0215】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0216】基本アルゴリズム:阻止域の減衰量を満足
する最小の阻止域の始点周波数を求めるレムズ交換アル
ゴリズムである。 ・(0.4π,12dB)を通過 ・24タップ ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−40dB以下求めたい変数: 通過域の終点周波数wp と阻止域の始点
周波数ws である。
【0217】
【表9】
【0218】
【表10】
【0219】なお、図27において、実線は阻止域の減
衰量を満足し、遷移域の周波数点を通過する低域通過フ
ィルタの周波数応答を示している。また、黒丸は指定し
た周波数点(遷移域の周波数点と任意の周波数点)を示
している。
【0220】図27(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。図27(B)から遷
移域に指定した阻止域の減衰量を実現していることが確
認できる。また、図27(C),(D)から指定した周
波数点を通過していることが確認できる。
【0221】すなわち、図27からわかるように、「最
小の阻止域の始点周波数を持つフィルタ」を求めるアル
ゴリズムをベースにした「阻止域の減衰量を満足し、遷
移域の周波数点を通過するフィルタ」を求めるアルゴリ
ズムにより得られた低域通過フィルタは、良好な周波数
応答特性を有している。
【0222】次に、阻止域の減衰量を満足する最も大き
い通過域の終点周波数を持つフィルタを求めるアルゴリ
ズムをベースにしたアルゴリズムについて、図22、図
28〜図32に関連付けて説明する。この場合のフロー
チャートは、阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数
点を通過するフィルタを求めるアルゴリズムにおいて参
照した図22と等価なものとなる。
【0223】本アルゴリズムでは、「阻止域の減衰量を
満足する最も大きい通過域の終点周波数を持つフィル
タ」を求めるアルゴリズムを利用する。具体的なアルゴ
リズムの方針は、図28に示すように、上記アルゴリズ
ムを内側のループとしてwp を求め、さらに外側にws
を求めるためのループをかぶせてバンドのパラメータを
決定する。すなわち、外側のループで阻止域の始点周波
数ws を固定し、内側のループで阻止域の指定減衰量d
Bs を満足する通過域の終点周波数wp を求める。求め
られた振幅特性が指定した遷移域の点(wc ,dBc )
を通過してないときは、「阻止域の減衰量を満足する最
も小さい阻止域の始点周波数を持つフィルタ」を探索し
たときと同様にws を二分割法を用いて探索する。具体
的に以下にアルゴリズムを示すが、内側のループである
「阻止域の減衰量を満足する最も大きい通過域の終点周
波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズムは同じなの
で説明は省略する。
【0224】また、図22および以下に説明するアルゴ
リズムの各ステップ処理F102,F103,F10
4,F105、の内容は、第1のアプローチの場合と同
様に、図6に関連付けて説明した任意の週は数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムと同じである。また、処理
F206,F207,F208の内容は第2のアプロー
チの場合と同様に、図9に関連付けて説明した処理、す
なわち「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の
始点周波数を持つフィルタ」のアルゴリズムと同様であ
る。したがって、ここでの処理については、図6および
図9と同じ符号を用いている。
【0225】step50 図22に示すように、まず、初期設定を行う(F30
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意の周波数点を入
力、初期極値点の設定、阻止域の減衰量の指定、二分割
法の初期周波数の設定を行う。具体的に設定する項目は
以下の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個、 ・通過域の始点周波数w=0、 ・通過域の利得、 ・阻止域の終点周波数w=π、 ・阻止域の利得、 ・通過域と阻止域に対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・遷移域の周波数wc とその減衰量dBc 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。
【0226】また、図29は、阻止域の減衰量を満足
し、遷移域の周波数点を通過するフィルタを求めるアル
ゴリズムにおける二分割法の初期周波数を示す図であ
る。図29に示すように、本例では、二分割法の初期周
波数として下記のような値を与えている。
【0227】
【数47】
【0228】もう一方のw s (pre) [0] は下記のように
値として「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域
の始点周波数を持つフィルタ」を探索するアルゴリズム
で求まったws をw s (pre) [0] としている。
【0229】
【数48】
【0230】なお、本来ならば、下記式(57)として
探索すべきであるが、これでは阻止域を減衰量を満足す
るようなwp が見当たらない。そこで、wp の最小の値
は0.01程度であることから、このときの阻止域の減
衰量を満足する阻止域の始点周波数ws を初期周波数と
している。
【0231】
【数49】
【0232】ws の後ろにある[t] の部分はサイクル数
を表すものとする。ここでは、周波数w s (pre) [0] に
対しては、任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴ
リズムを実行して阻止域における指定した減衰量dBs
を満足する最大の通過域の終点周波数w p (pre) [0]が
求められ、そのときのwc における利得dB
c (pre) [0] が得られているとして以下のステップにつ
いて説明する。
【0233】step51 「阻止域の減衰量を満足する最も大きい通過域の終点周
波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズムを実行する
(F102, F103, F104, F206, F207, F208)。具体的には、
処理F102では、w s (cur) [t] のときの極値点と通
過させたい周波数点から振幅特性を補間する補間多項式
を生成する。次いで、処理F103において、補間多項
式から求められた振幅特性から新しい極値点を決定す
る。そして、処理F104において、レムズ交換アルゴ
リズムの繰り返し判断を行う。次に、処理F206にお
いて、阻止域における最小の減衰量(最大の重みつき近
似誤差)を求める。次に、処理F207において、阻止
域の減衰量を満足する最も大きい通過域の終点周波数w
p を持つフィルタを求めるアルゴリズムの終了条件を得
る。また、処理F208において、新しい阻止域の始点
周波数w p (cur) の設定を行う。
【0234】step52 次に、遷移域に指定した周波数の減衰量を調べる(F3
09)。処理F102において、「阻止域の減衰量を満
足する最も大きい阻止域の終点周波数」を求めるアルゴ
リズムで最終的に求まったラグランジュ補間多項式を用
いて、遷移域に指定した周波数wc に対する減衰量dB
c (cur) を調べる。
【0235】step53 指定した遷移域の減衰量との比較を行う(F310)。
指定した遷移域の周波数wc に対する減衰量dBc と比
較して、下記式(50)または式(51)を満足してい
る場合には、step55(F105)の処理に移行
し、満足していない場合にはstep54(F311)
の処理に移行する。
【0236】
【数50】
【0237】
【数51】
【0238】ただし、ε1 とε2 は非常に小さい値をし
ている。
【0239】step54 遷移域の周波数wc に対する減衰量dBc との比較にお
いて、上記式(50)または式(51)を満足していな
い場合には、バンドの設定を変更する(F311)。具
体的には、新しい阻止域の始点周波数w s (cur) [t +
1] を設定する。その設定法として一回目のループの場
合と二回目以降のループの場合に分けて説明する。
【0240】一回目:一回目の場合には、図30に示す
3つのケースが考えられる。すなわち、周波数w s
(pre) [0] 、w s (cur) [0] に対して、図30(A),
(B),(C)に示すケースが考えられる。図30
(A)に示すケースは、両方とも指定した減衰量dBc
を満足しているケースである。この場合、大きい周波数
s (cur) [0] を解としてstep55の処理に進む。
図30(B)に示すケースは、両方とも指定した減衰量
を満足しないケースである。この場合、現在のタップ数
では、指定した減衰量を実現することができないので、
その旨を表示して終了する。図30(C)に示すケース
は、片方のみが指定した減衰量を満足するケースであ
る。この場合は、下記式(52)のようにしてstep
51の処理に移行する。なお、今回の初期周波数の与え
方では、w s (cur) [0] が満足し、w s (pre)[0] が満
足しないケースは存在しない。
【0241】
【数52】
【0242】二回目以降:二回目以降の場合には、図3
1に示す2つのケースが考えられる。二回目以降におけ
る新しい周波数w s (cur) [t + 1] の決め方において、
s (pre) [t + 1] には必ず指定減衰量dBc を満足す
る周波数を保存する。周波数w s (pre) [t] 、w s
(cur) [t] に対して図31(A),(B)に示すケース
が考えられる。図31(A)に示すケースは、片方のみ
が指定した減衰量を満足するケースである。この場合
は、下記式(53)のようにして次のstep51の処
理に移行する。なお、常にw s (pre) [t] は指定した減
衰量を満足した周波数がくるので、ws (pre) [t] が満
足しないケースは存在しない。
【0243】
【数53】
【0244】図31(B)に示すケースは、両方とも指
定した減衰量を満足しているケース。この場合は、下記
式(54)のようにして次のstep51の処理に移行
する。
【0245】
【数54】
【0246】step55 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。すなわち、最終的に得られた振
幅特性から直線位相FIRフィルタの係数を求める。
【0247】図32は、「最大の通過域の終点周波数を
フィルタ」を求めるアルゴリズムをベースにした「阻止
域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点を通過するフィ
ルタ」を求めるアルゴリズムにより得られた低域通過フ
ィルタの周波数応答特性を示す図である。図32(A)
はデシベルで表示した周波数応答を示す図、図32
(B)はそのままの値で表示した周波数応答を示す図、
図32(C)は利得3付近を拡大した図、および図32
(D)は利得0付近を拡大した図である。
【0248】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0249】基本アルゴリズム:阻止域の減衰量を満足
する最小の阻止域の始点周波数を求める任意の周波数点
を通過するレムズ交換アルゴリズムである。 ・(0.4π,12dB)を通過 ・24タップ ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−40dB以下求めたい変数: 通過域の終点周波数wp と阻止域の始点
周波数ws である。
【0250】
【表11】
【0251】
【表12】
【0252】なお、図32において、実線は阻止域の減
衰量を満足し、遷移域の周波数点を通過する低域通過フ
ィルタの周波数応答を示している。また、黒丸は指定し
た周波数点(遷移域の周波数点と任意の周波数点)を示
している。
【0253】図32(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。図32(B)から遷
移域に指定した阻止域の減衰量を実現していることが確
認できる。また、図32(C),(D)から指定した周
波数点を通過していることが確認できる。
【0254】すなわち、図32からわかるように、「最
大の通過域の終点周波数をフィルタ」を求めるアルゴリ
ズムをベースにした「阻止域の減衰量を満足し、遷移域
の周波数点を通過するフィルタ」を求めるアルゴリズム
により得られた低域通過フィルタは、良好な周波数応答
特性を有している。
【0255】次に、バンドを変更可能なレムズ交換アル
ゴリズムに対して、阻止域の減衰量を満足する最小タッ
プ数のフィルタ設計のアルゴリズムについて説明する。
ここでは、前記「阻止域の減衰量を満足する最も小さい
阻止域の始点周波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリ
ズムと、前記「阻止域の減衰量を満足する最も大きい通
過域の終点周波数を持つフィルタ」を求めるアルゴリズ
ムに対して、指定した阻止域の減衰量を実現する最小タ
ップ数のフィルタを求めるアルゴリズムについて説明す
る。
【0256】図33は、阻止域の減衰量を実現する最小
タップ数のフィルタを求めるアルゴリズムのフローチャ
ートを示す図である。
【0257】このアルゴリズムで自由になるパラメー
タ、目的、そしてアルゴリズムの原理を列挙すると次の
ようになる。 *自由パラメータ: ・タップ数 ・2種類のアプローチが存在する。 第1に、通過域の終点周波数wp を可変とし、阻止域の
始点周波数wsを固定する。第2に、通過域の終点周波
数wp を固定し、阻止域の始点周波数ws を可変とす
る。 *目的: バンドの変数のうち一つが可変であるアルゴリ
ズム対して、指定された阻止域の減衰量dBs を満足する
最小タップ数のフィルタを得る。 *原理: 1 回目のループで「解なし」となるとき、タッ
プ数が足りず指定した減衰量が実現できないので、1 タ
ップ数を増やし再度ためしてみる。
【0258】また、図33および以下に説明するアルゴ
リズムの各ステップ処理F102,F103,F10
4,F105、の内容は、第1のアプローチの場合と同
様に、図6に関連付けて説明した任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムと同じである。また、処理
F201,F206,F207,F208の内容は第2
のアプローチの場合と同様に、図9に関連付けて説明し
た処理、すなわち「阻止域の減衰量を満足する最も大き
い通過域の終点周波数を持つフィルタ」のアルゴリズ
ム、および「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止
域の始点周波数を持つフィルタ」のアルゴリズムと同様
である。したがって、ここでの処理については、図6お
よび図9と同じ符号を用いている。
【0259】step60 図33に示すように、まず、初期設定を行う(F20
1)。この初期設定では、直線位相FIRフィルタの設
定、バンドの設定、通過させたい任意の周波数点を入
力、初期極値点の設定、阻止域の減衰量の指定、二分割
法の初期周波数の設定を行う。具体的に設定する項目は
以下の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個、 ・通過域の始点周波数w=0、 ・通過域の利得、 ・阻止域の終点周波数w=π、 ・阻止域の利得、 ・通過域と阻止域に対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R)ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数
を表している。 ・二分割法の初期周波数の入力
【0260】step61 任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムを実
行する(F102,F103,F104)。具体的に
は、処理F102では、極値点と通過させたい周波数点
から振幅特性を補間する補間多項式を生成を生成する。
次いで、処理F103において、補間多項式から求めら
れた振幅特性から新しい極値点を決定する。そして、処
理F104において、レムズ交換アルゴリズムの繰り返
し判断を行う。
【0261】step62 次に、阻止域における最小の減衰量( 最大の重みつき近
似誤差) を求める(F206)。
【0262】step63 指定した阻止域の減衰量を満足する周波数の探索アルゴ
リズムの終了条件が成り立つか否かを判別する(F20
7)。終了条件が成り立つ場合にはstep67(F1
05)の処理に移行し、成り立たないときはstep6
4(F208)の処理に移行する。
【0263】step64 指定した阻止域の減衰量を満足する周波数の探索アルゴ
リズムの終了条件が成り立たない場合に、バンドの設定
を変更する(F208)。
【0264】step65 指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F414)。
処理F208のバンドの設定変更において、1回目のル
ープで「解なし」となる場合はstep66(F41
4)の処理に移行し、それ以外の場合は、step61
の処理に戻る。
【0265】step66 1タップ増やす(F415)。現在のタップ数を1タッ
プ増やし、step60(F201)の初期設定処理に
移行する。
【0266】step67 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。
【0267】図34は、「阻止域の減衰量を満足する最
小のタップ数」を求めるアルゴリズムにより得られた低
域通過フィルタの周波数応答特性を示す図である。図3
4(A)はデシベルで表示した周波数応答を示す図、図
34(B)はそのままの値で表示した周波数応答を示す
図、図34(C)は利得3付近を拡大した図、および図
34(D)は利得0付近を拡大した図である。
【0268】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0269】基本アルゴリズム:阻止域の減衰量を満足
する最小の阻止域の始点周波数を持つフィルタを求める
任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムであ
る。 ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−60dB以下求めたい変数: ・タップ数N ・阻止域の始点周波数ws
【0270】
【表13】
【0271】
【表14】
【0272】なお、図34中において、実線は阻止域の
減衰量が−60dB以下になる最小のタップ数(17タ
ップ)の低域通過フィルタの周波数応答を示している。
また、点線はあらかじめ与えたバンドの区切りを示し、
黒丸は指定した周波数点を示している。
【0273】図34(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。また、図34
(C),(D)から指定した周波数点を通過しているこ
とが確認できる。
【0274】すなわち、図34からわかるように、「阻
止域の減衰量を満足する最小のタップ数」を求めるアル
ゴリズムにより得られた低域通過フィルタは、良好な周
波数応答特性を有している。
【0275】また、図35は、「指定した阻止域の減衰
量を実現する最小のタップ数」を求めるアルゴリズムに
より得られた低域通過フィルタの周波数応答を示す図で
ある。図35(A)はデシベルで表示した周波数応答を
示す図、図35(B)はそのままの値で表示した周波数
応答を示す図、図35(C)は利得3付近を拡大した
図、および図35(D)は利得0付近を拡大した図であ
る。
【0276】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。
【0277】基本アルゴリズム:阻止域の減衰量を満足
する最大の通過域の終点周波数を持つフィルタを求める
任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムであ
る。 ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−60dB以下求めたい変数: ・タップ数N ・阻止域の始点周波数ws
【0278】
【表15】
【0279】
【表16】
【0280】なお、図35中において、実線は阻止域の
減衰量が−60dB以下になる最小のタップ数(17タ
ップ)の低域通過フィルタの周波数応答を示している。
また、点線はあらかじめ与えたバンドの区切りを示し、
黒丸は指定した周波数点を示している。
【0281】図35(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。また、図35
(C),(D)から指定した周波数点を通過しているこ
とが確認できる。
【0282】すなわち、図35からわかるように、「指
定した阻止域の減衰量を実現する最小のタップ数」を求
めるアルゴリズムにより得られた低域通過フィルタは、
良好な周波数応答特性を有している。
【0283】次に、阻止域の減衰量を満足し、遷移域の
周波数点を通過する最小タップ数のフィルタを求めるア
ルゴリズムについて説明する。ここでは、前記「阻止域
の減衰量を満足し、遷移域の周波数点を通過するフィル
タ」を求めるアルゴリズムに対して、阻止域の減衰量を
満足し、かつ、遷移域の周波数点を通過する最小タップ
数のフィルタを求めるアルゴリズムについて説明する。
【0284】図36は、阻止域の減衰量を満足し、遷移
域の周波数点を通過する最小タップ数のフィルタを求め
るアルゴリズムのフローチャートを示す図である。
【0285】このアルゴリズムで自由になるパラメー
タ、目的、そしてアルゴリズムの原理を列挙すると次の
ようになる。 *自由パラメータ: ・タップ数 ・通過域の終点周波数wp ・阻止域の始点周波数ws *目的: 指定された阻止域の減衰量dBs を満足し、か
つ、遷移域の周波数wc で減衰量dBc を通過する最小
タップ数のフィルタを得る。すなわち、遷移域の特定周
波数wc で減衰量dBc となるような最も大きい通過域
の終点周波数wp と最も小さい阻止域の始点周波数ws
を決め、最小のタップ数となるフィルタを得る。 *原理: 1回目のループで「解なし」となるとき、タッ
プ数が足りず指定した減衰量が実現できないので、1タ
ップ数を増やし再度ためしてみる。また、遷移域の周波
数点を実現できない場合においても1タップ数を増やし
再度ためしてみる。
【0286】また、図36および以下に説明するアルゴ
リズムの各ステップ処理F102,F103,F10
4,F105、の内容は、第1のアプローチの場合と同
様に、図6に関連付けて説明した任意の周波数点を通過
するレムズ交換アルゴリズムと同じである。また、処理
F206,F207,F208の内容は第2のアプロー
チの場合と同様に、図9に関連付けて説明した処理、す
なわち「阻止域の減衰量を満足する最も大きい通過域の
終点周波数を持つフィルタ」のアルゴリズム、または
「阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域の始点周
波数を持つフィルタ」のアルゴリズムと同様である。さ
らに、処理F301,F309,F310,F311の
内容は、図22に関連付けて説明した処理、すなわち、
「阻止域の減衰量を満足し、遷移域の特定周波数での指
定減衰量を通過するフィルタを求めるアルゴリズム」と
同様である。したがって、ここでの処理については、図
6、図9、および図22と同じ符号を用いている。
【0287】step70 図36に示すように、まず、初期設定を行う(F30
1)。具体的には、阻止域の減衰量を満足し、かつ、遷
移域に指定した減衰量を通過するフィルタを求めるアル
ゴリズムの初期設定を行う。具体的に設定する項目は以
下の通りである。 ・タップ数、 ・直線位相FIRフィルタは、偶対称あるいは奇対称、 ・バンドの数は2個、 ・通過域の始点周波数w=0、 ・通過域の利得、 ・阻止域の終点周波数w=π、 ・阻止域の利得、 ・通過域と阻止域に対する重みづけ、 ・通過させたい点の周波数と振幅値、 ・阻止域の減衰量dBs(すなわち、阻止域のリップルの
大きさδ2 を指す) 、 ・遷移域の周波数wc とその減衰量dBc 、 ・近似帯域で極値となる周波数w(0) =wk (0) (k=
0,・・,R) ただし、右肩文字(i) は繰り返しの回数を表している。 ・二分割法の初期周波数の入力
【0288】step71 任意の周波数点を通過するレムズ交換アルゴリズムを実
行する(F102,F103,F104)。具体的に
は、処理F102では、極値点から振幅特性を補間する
補間多項式を生成を生成する。次いで、処理F103に
おいて、補間多項式から求められた振幅特性から新しい
極値点を決定する。そして、処理F104において、レ
ムズ交換アルゴリズムの繰り返し判断を行う。
【0289】step72 次に、阻止域における最小の減衰量( 最大の重みつき近
似誤差) を求める(F206)。
【0290】step73 指定した阻止域の減衰量を満足する周波数の探索アルゴ
リズムの終了条件が成り立つか否かを判別する(F20
7)。終了条件が成り立つ場合にはstep77(F3
09)の処理に移行し、成り立たないときはstep7
4(F208)の処理に移行する。
【0291】step74 指定した阻止域の減衰量を満足する周波数の探索アルゴ
リズムの終了条件が成り立たない場合に、バンドの設定
を変更する(F208)。
【0292】step75 指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F414)。
処理F208のバンドの設定変更において、1回目のル
ープで「解なし」となる場合はstep76(F41
5)の処理に移行し、それ以外の場合は、step71
の処理に戻る。
【0293】step76 1タップ増やす(F415)。現在のタップ数を1タッ
プ増やし、step70(F301)の初期設定処理に
移行する。
【0294】step77 指定した阻止域の減衰量を満足する周波数の探索アルゴ
リズムの終了条件が成り立たつ場合に、遷移域に指定し
た周波数の減衰量を調べる(F309)。
【0295】step78 指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F310)。
終了条件が成り立つ場合にはstep82(F105)
の処理に移行し、成り立たないときはstep79(F
311)の処理に移行する。
【0296】step79 終了条件が成り立たない場合に、バンドの設定を変更す
る(F311)。
【0297】step80 指定した阻止域の減衰量との比較を行う(F416)。
処理F311のバンドの設定変更において、1回目のル
ープで「解なし」となる場合はstep81(F41
7)の処理に移行し、それ以外の場合は、step71
の処理に戻る。
【0298】step81 1タップ増やす(F417)。現在のタップ数を1タッ
プ増やし、step70(F301)の初期設定処理に
移行する。
【0299】step83 近似された振幅特性から直線位相FIRフィルタの係数
を求める(F105)。
【0300】図37は、「阻止域の減衰量を満足し、遷
移域の周波数点を通過する最小のタップ数のフィルタ」
を求めるアルゴリズムにより得られた低域通過フィルタ
の周波数応答特性を示す図である。図37(A)はデシ
ベルで表示した周波数応答を示す図、図37(B)はそ
のままの値で表示した周波数応答を示す図、図37
(C)は利得3付近を拡大した図、および図37(D)
は利得0付近を拡大した図である。
【0301】この場合の基本アルゴリズム、求めたい変
数、指定周波数点は以下の通りである。基本アルゴリズム: 阻止域の減衰量を満足する最大の通
過域の終点周波数を求めるアルゴリズムをベースにし
た、遷移域の周波数点を通過するフィルタを得るレムズ
交換アルゴリズムである。 ・(0.4π,12dB)を通過 ・偶対称 ・阻止域の減衰量は−60dB以下求めたい変数: ・タップ数N ・通過域の終点周波数wp ・阻止域の始点周波数ws
【0302】
【表17】
【0303】
【表18】
【0304】なお、図37中において、実線は阻止域の
減衰量が−60dB以下になる遷移域のの周波数0.4
πで減衰量−12dB以下となる最小のタップ数(17
タップ)の低域通過フィルタの周波数応答を示してい
る。また、点線はあらかじめ与えたバンドの区切りを示
し、黒丸は指定した周波数点を示している。
【0305】図37(A)から指定した阻止域の減衰量
を実現していることが確認できる。図37(B)から遷
移域に指定した周波数点を通過していることが確認でき
る。また、図35(C),(D)から指定した周波数点
を通過していることが確認できる。
【0306】すなわち、図37からわかるように、「阻
止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点を通過する最
小のタップ数のフィルタ」を求めるアルゴリズムにより
得られた低域通過フィルタは、良好な周波数応答特性を
有している。
【0307】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
任意の周波数点を通過する周波数応答を持つことが可能
となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】FIRフィルタのトランスバーサル型回路構成
を示す図である。
【図2】従来方法における周波数応答と利得1付近の拡
大図である。
【図3】FIRフィルタが直線位相を持つ4つの場合の
インパルス応答を示す図である。
【図4】直線位相FIRフィルタの4つの場合に対する
Q(ejw)とRを示す図である。
【図5】重みつきチェビシェフ近似の例を示す図であ
る。
【図6】本発明の任意の周波数点を通過するレムズ交換
アルゴリズムのフローチャートである。
【図7】重みつき近似誤差E(ejw)の新しい極値の決
定法を説明するための図である。
【図8】本発明の任意の周波数点を指定したときの周波
数応答とその拡大図を示す図である。
【図9】阻止域の減衰量を満足するフィルタを求めるア
ルゴリズムのフローチャートを示す図である。
【図10】阻止域の減衰量を満足する最も大きい通過域
の終点周波数を持つフィルタを求めるアルゴリズムのパ
ラメータを示す図である。
【図11】阻止域の減衰量を満足する最も大きい通過域
の終点周波数を持つフィルタを求めるアルゴリズムにお
ける二分割法の初期周波数を示す図である。
【図12】一回目のループにおけるバンド設定の変更を
示す図である。
【図13】二回目以降のループにおけるバンド設定の変
更を示す図である。
【図14】阻止域の減衰量を満足する最大の通過域の終
点周波数をもつフィルタの周波数応答を示す図である。
【図15】阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域
の始点周波数を持つフィルタを求めるアルゴリズムのパ
ラメータを示す図である。
【図16】阻止域の減衰量を満足する最も小さい阻止域
の始点周波数を持つフィルタを求めるアルゴリズムにお
ける二分割法の初期周波数を示す図である。
【図17】一回目のループにおけるバンド設定の変更を
示す図である。
【図18】二回目以降のループにおけるバンド設定の変
更を示す図である。
【図19】阻止域の減衰量を満足する最小の阻止域の始
点周波数をもつフィルタの周波数応答を示す図である。
【図20】阻止域の減衰量を満足する最小のタップ数の
フィルタを求めるアルゴリズムのフローチャートを示す
図である。
【図21】阻止域の減衰量を実現する最小のタップ数の
フィルタの周波数応答とその拡大図を示す図である。
【図22】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタを求めるアルゴリズムのフローチャ
ートを示す図である。
【図23】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタを求めるアルゴリズム(1)を示す
図である。
【図24】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタを求めるアルゴリズムにおける二分
割法の初期周波数を示す図である。
【図25】一回目のループにおけるバンド設定の変更を
示す図である。
【図26】二回目以降のループにおけるバンド設定の変
更を示す図である。
【図27】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタの周波数応答とその拡大図を示す図
である。
【図28】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタを求めるアルゴリズム(2)を示す
図である。
【図29】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタを求めるアルゴリズムにおける二分
割法の初期周波数を示す図である。
【図30】一回目のループにおけるバンド設定の変更を
示す図である。
【図31】二回目以降のループにおけるバンド設定の変
更を示す図である。
【図32】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過するフィルタの周波数応答とその拡大図を示す図
である。
【図33】阻止域の減衰量を実現する最小のタップ数の
フィルタを求めるアルゴリズムのフローチャートを示す
図である。
【図34】阻止域の減衰量を満足する最小のタップ数の
フィルタの周波数応答とその拡大図を示す図である。
【図35】阻止域の減衰量を満足する最小のタップ数の
フィルタの周波数応答とその拡大図を示す図である。
【図36】阻止域の減衰量を満足し、遷移域の周波数点
を通過する最小のタップ数のフィルタを求めるアルゴリ
ズムのフローチャートを示す図である。
【図37】阻止域の減衰量を満足し、かつ、遷移領域の
周波数点を通過する最小タップ数のフィルタの周波数応
答とその拡大図を示す図である。
【符号の説明】
1…直線位相FIRフィルタ、2−1〜2−n-1 …遅延
器、3−1〜3−n…乗算器、4…加算器、h(0)〜
h(n−1)…フィルタ係数、TIN…入力端子、TOUT
…出力端子。

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インパルス応答が有限時間長で表され、
    当該インパルス応答がフィルタ係数となっているFIR
    フィルタであって、 上記フィルタ係数が、任意の周波数点を通過するような
    制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、所望の特性に
    対して重みつき近似を行うことにより設定されているF
    IRフィルタ。
  2. 【請求項2】 インパルス応答が有限時間長で表され、
    当該インパルス応答がフィルタ係数となっているFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法であって、 任意の周波数点を通過するような制約条件を加えたアル
    ゴリズムを用いて、所望の特性に対して重みつき近似を
    行うことにより、上記フィルタ係数を算出するFIRフ
    ィルタのフィルタ係数の設定方法。
  3. 【請求項3】 上記重み付け近似は、任意の周波数点を
    通過するレムズ交換(Remez Exchange)アルゴリズムを
    用いて、所望の特性に対して行う請求項2記載のFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  4. 【請求項4】 インパルス応答が有限時間長で表され、
    当該インパルス応答がフィルタ係数となっているFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法であって、 周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から
    振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
    と、 上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
    振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、 上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
    条件により終了する第3ステップと、 上記第3ステップで近似された振幅特性から上記フィル
    タ係数を求める第4ステップとを有するFIRフィルタ
    のフィルタ係数の設定方法。
  5. 【請求項5】 上記第1ステップを行う前に、少なくと
    もFIRフィルタの設定、バンドの設定、通過させたい
    任意の周波数点の入力、初期極値点の設定を行う初期設
    定ステップを有する請求項4記載のFIRフィルタのフ
    ィルタ係数の設定方法。
  6. 【請求項6】 上記第2ステップおよび第3ステップで
    は、補間に用いた極値点から計算される重みつき近似誤
    差の極値を近似帯域全体にわたり探し求め、求めた極値
    を新しい極値点とし、極値の位置が変化しなくなったと
    きに最適近似が得られたと判断する請求項4記載のFI
    Rフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  7. 【請求項7】 上記第4ステップでは、任意の周波数点
    を通過するような制約条件を加えたアルゴリズムを用い
    て、所望の特性に対して重みつき近似を行うことによ
    り、上記フィルタ係数を算出する請求項4記載のFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  8. 【請求項8】 上記重み付け近似は、任意の周波数点を
    通過するレムズ交換(Remez Exchange)アルゴリズムを
    用いて、所望の特性に対して行う請求項7記載のFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  9. 【請求項9】 インパルス応答が有限時間長で表され、
    当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、任意
    のタップを有するFIRフィルタであって、 上記フィルタ係数が、上記タップ数を可変とし、バンド
    を固定した場合に、阻止域の減衰量を満足する任意の周
    波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリズム
    を用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望の特
    性に対して重みつき近似を行うことにより設定されてい
    るFIRフィルタ。
  10. 【請求項10】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタのフィルタ係数の
    設定方法であって、 上記タップ数を可変とし、バンドを固定した場合に、阻
    止域の減衰量を満足する任意の周波数点を通過するよう
    な制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減
    衰量を満足するように、所望の特性に対して重みつき近
    似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出するFI
    Rフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  11. 【請求項11】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するレムズ交換(Reme
    z Exchange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対し
    て行う請求項10記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  12. 【請求項12】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    タップ数が変更可能で、バンドが固定されているFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法であって、 周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から
    振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
    と、 上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
    振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、 上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
    条件により終了する第3ステップと、 上記第3ステップで近似された振幅特性から阻止域の減
    衰量を調べる第4ステップと、 調べた減衰量と指定した阻止域の減衰量を比較し、比較
    結果が所定の条件を満足しているか否かを判断する第5
    ステップと、 上記第5ステップの比較結果が所定の条件を満足してい
    ない場合にタップ数を変更する第6ステップと、 上記第5ステップで所定の条件を満足した上記第3ステ
    ップにより近似された振幅特性から上記フィルタ係数を
    求める第7ステップとを有するFIRフィルタのフィル
    タ係数の設定方法。
  13. 【請求項13】 上記第1ステップを行う前に、少なく
    ともFIRフィルタの設定、バンドの設定、通過させた
    い任意の周波数点の入力、初期極値点の設定、阻止域の
    減衰量の指定を行う初期設定ステップを有する請求項1
    2記載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  14. 【請求項14】 上記第4ステップでは、阻止域におけ
    る最小の減衰量を調べ、 上記第6ステップではタップ数を増やす請求項12記載
    のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  15. 【請求項15】 上記第7ステップでは、上記タップ数
    を可変とし、バンドを固定した場合に、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するような制約条件を
    加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足す
    るように、所望の特性に対して重みつき近似を行うこと
    により、上記フィルタ係数を算出する請求項12記載の
    FIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  16. 【請求項16】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するレムズ交換(Reme
    z Exchange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対し
    て行う請求項15記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  17. 【請求項17】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタであって、 上記フィルタ係数が、上記タップ数が固定で、バンド設
    定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足する任意
    の周波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリ
    ズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望
    の特性に対して重みつき近似を行うことにより設定され
    ているFIRフィルタ。
  18. 【請求項18】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタのフィルタ係数の
    設定方法であって、 上記タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な場合
    に、阻止域の減衰量を満足する任意の周波数点を通過す
    るような制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止
    域の減衰量を満足するように、所望の特性に対して重み
    つき近似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出す
    るFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  19. 【請求項19】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するレムズ交換(Reme
    z Exchange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対し
    て行う請求項18記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  20. 【請求項20】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    タップ数が固定で、バンド設定は変更可能なFIRフィ
    ルタのフィルタ係数の設定方法であって、 周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から
    振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
    と、 上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
    振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、 上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
    条件により終了する第3ステップと、 上記第3ステップで近似された振幅特性から阻止域の減
    衰量を調べる第4ステップと、 調べた減衰量と指定した阻止域の減衰量を比較し、比較
    結果が所定の条件を満足しているか否かを判断する第5
    ステップと、 上記第5ステップの比較結果が所定の条件を満足してい
    ない場合にバンドの設定を変更する第6ステップと、 上記第5ステップで所定の条件を満足した上記第3ステ
    ップにより近似された振幅特性から上記フィルタ係数を
    求める第7ステップとを有するFIRフィルタのフィル
    タ係数の設定方法。
  21. 【請求項21】 上記第1ステップを行う前に、少なく
    ともFIRフィルタの設定、バンドの設定、通過させた
    い任意の周波数点の入力、初期極値点の設定、阻止域の
    減衰量の指定を行う初期設定ステップを有する請求項2
    0記載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  22. 【請求項22】 上記第4ステップでは、阻止域におけ
    る最小の減衰量を調べる請求項20記載のFIRフィル
    タのフィルタ係数の設定方法。
  23. 【請求項23】 上記第7ステップでは、上記タップ数
    が固定で、バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の減
    衰量を満足する任意の周波数点を通過するような制約条
    件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満
    足するように、所望の特性に対して重みつき近似を行う
    ことにより、上記フィルタ係数を算出する請求項20記
    載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  24. 【請求項24】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するレムズ交換(Reme
    z Exchange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対し
    て行う請求項23記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  25. 【請求項25】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタであって、 上記フィルタ係数が、上記タップ数が可変で、バンド設
    定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足する任意
    の周波数点を通過するような制約条件を加えたアルゴリ
    ズムを用いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望
    の特性に対して重みつき近似を行うことにより設定され
    ているFIRフィルタ。
  26. 【請求項26】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタのフィルタ係数の
    設定方法であって、 上記タップ数が可変で、バンド設定は変更可能な場合
    に、阻止域の減衰量を満足する任意の周波数点を通過す
    るような制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止
    域の減衰量を満足するように、所望の特性に対して重み
    つき近似を行うことにより、上記フィルタ係数を算出す
    るFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  27. 【請求項27】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するレムズ交換(Reme
    z Exchange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対し
    て行う請求項26記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  28. 【請求項28】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    タップ数が可変で、バンド設定は変更可能なFIRフィ
    ルタのフィルタ係数の設定方法であって、 周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から
    振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
    と、 上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
    振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、 上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
    条件により終了する第3ステップと、 上記第3ステップで近似された振幅特性から阻止域の減
    衰量を調べる第4ステップと、 調べた減衰量と指定した阻止域の減衰量を比較し、比較
    結果が所定の条件を満足しているか否かを判断する第5
    ステップと、 上記第5ステップの比較結果が所定の条件を満足してい
    ない場合にバンドの設定を変更する第6ステップと、 上記第6ステップでバンド変更後、現在のタップ数で阻
    止域の減衰量を満足できるか否かを判断する第7ステッ
    プと、 上記第7ステップで満足していないと判断した場合に、
    タップ数を変更する第8ステップと、 上記第5ステップで所定の条件を満足した上記第3ステ
    ップにより近似された振幅特性から上記フィルタ係数を
    求める第9ステップとを有するFIRフィルタのフィル
    タ係数の設定方法。
  29. 【請求項29】 上記第1ステップを行う前に、少なく
    ともFIRフィルタの設定、バンドの設定、通過させた
    い任意の周波数点の入力、初期極値点の設定、阻止域の
    減衰量の指定を行う初期設定ステップを有する請求項2
    8載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  30. 【請求項30】 上記第4ステップでは、阻止域におけ
    る最小の減衰量を調べ、 上記第8ステップではタップ数を増やす請求項28記載
    のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  31. 【請求項31】 上記第9ステップでは、上記タップ数
    が可変で、バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の減
    衰量を満足する任意の周波数点を通過するような制約条
    件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満
    足するように、所望の特性に対して重みつき近似を行う
    ことにより、上記フィルタ係数を算出する請求項28記
    載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  32. 【請求項32】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足する任意の周波数点を通過するレムズ交換(Reme
    z Exchange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対し
    て行う請求項31記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  33. 【請求項33】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタであって、 上記フィルタ係数が、上記タップ数が固定で、バンド設
    定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足し、かつ
    遷移域の指定周波数の減衰量を通過する、任意の周波数
    点を通過するような制約条件を加えたアルゴリズムを用
    いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望の特性に
    対して重みつき近似を行うことにより設定されているF
    IRフィルタ。
  34. 【請求項34】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタのフィルタ係数の
    設定方法であって、 上記タップ数が固定で、バンド設定は変更可能な場合
    に、阻止域の減衰量を満足し、かつ遷移域の指定周波数
    の減衰量を通過する、任意の周波数点を通過するような
    制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰
    量を満足するように、所望の特性に対して重みつき近似
    を行うことにより、上記フィルタ係数を算出するFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  35. 【請求項35】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過す
    る、任意の周波数点を通過するレムズ交換(Remez Exch
    ange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対して行う
    請求項34記載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定
    方法。
  36. 【請求項36】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    タップ数が固定で、バンド設定は変更可能なFIRフィ
    ルタのフィルタ係数の設定方法であって、 周波数の振幅特性の極値点と通過させたい周波数点から
    振幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
    と、 上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
    振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、 上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
    条件により終了する第3ステップと、 上記第3ステップで近似された振幅特性から阻止域の減
    衰量を調べる第4ステップと、 上記第4ステップで調べた減衰量と指定した阻止域の減
    衰量を比較し、比較結果が所定の条件を満足しているか
    否かを判断する第5ステップと、 上記第5ステップの比較結果が所定の条件を満足してい
    ない場合にバンドの設定を変更する第6ステップと、 上記第5ステップで所定の条件を満足した遷移域の指定
    周波数の減衰量を調べる第7ステップと、 上記第7ステップで調べた遷移域の指定周波数の減衰量
    と指定した遷移域の減衰量を比較し、比較結果が所定の
    条件を満足しているか否かを判断する第8ステップと、 上記第7ステップの比較結果が所定の条件を満足してい
    ない場合にバンドの設定を変更する第9ステップと、 上記第7ステップで所定の条件を満足した近似された振
    幅特性から上記フィルタ係数を求める第10ステップと
    を有するFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  37. 【請求項37】 上記第1ステップを行う前に、少なく
    ともFIRフィルタの設定、バンドの設定、通過させた
    い任意の周波数点の入力、初期極値点の設定、阻止域の
    減衰量の指定、遷移域の指定周波数での減衰量の指定を
    行う初期設定ステップを有する請求項36記載のFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  38. 【請求項38】 上記第4ステップでは、阻止域におけ
    る最小の減衰量を調べる請求項36記載のFIRフィル
    タのフィルタ係数の設定方法。
  39. 【請求項39】 上記第10ステップでは、上記タップ
    数が固定で、バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の
    減衰量を満足し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通
    過する、任意の周波数点を通過するような制約条件を加
    えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足する
    ように、所望の特性に対して重みつき近似を行うことに
    より、上記フィルタ係数を算出する請求項36記載のF
    IRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  40. 【請求項40】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過す
    る、任意の周波数点を通過するレムズ交換(Remez Exch
    ange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対して行う
    請求項39記載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定
    方法。
  41. 【請求項41】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタであって、 上記フィルタ係数が、上記タップ数が可変で、バンド設
    定は変更可能な場合に、阻止域の減衰量を満足し、かつ
    遷移域の指定周波数の減衰量を通過する、任意の周波数
    点を通過するような制約条件を加えたアルゴリズムを用
    いて、阻止域の減衰量を満足するように、所望の特性に
    対して重みつき近似を行うことにより設定されているF
    IRフィルタ。
  42. 【請求項42】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    任意のタップを有するFIRフィルタのフィルタ係数の
    設定方法であって、 上記タップ数が可変で、バンド設定は変更可能な場合
    に、阻止域の減衰量を満足し、かつ遷移域の指定周波数
    の減衰量を通過する、任意の周波数点を通過するような
    制約条件を加えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰
    量を満足するように、所望の特性に対して重みつき近似
    を行うことにより、上記フィルタ係数を算出するFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  43. 【請求項43】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過す
    る、任意の周波数点を通過するレムズ交換(Remez Exch
    ange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対して行う
    請求項42記載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定
    方法。
  44. 【請求項44】 インパルス応答が有限時間長で表さ
    れ、当該インパルス応答がフィルタ係数となっており、
    タップ数が可変で、バンド設定は変更可能なFIRフィ
    ルタのフィルタ係数の設定方法であって、 周波数の振幅特性の極値点通過させたい周波数点から振
    幅特性を補間する補間多項式を生成する第1ステップ
    と、 上記第1ステップで得られた補間多項式から求められた
    振幅特性から新しい極値点を決定する第2ステップと、 上記第1ステップおよび第2ステップを繰り返し、所定
    条件により終了する第3ステップと、 上記第3ステップで近似された振幅特性から阻止域の減
    衰量を調べる第4ステップと、 上記第4ステップで調べた減衰量と指定した阻止域の減
    衰量を比較し、比較結果が所定の条件を満足しているか
    否かを判断する第5ステップと、 上記第5ステップの比較結果が所定の条件を満足してい
    ない場合にバンドの設定を変更する第6ステップと、 上記第6ステップでバンド変更後、現在のタップ数で阻
    止域の減衰量を満足できるか否かを判断する第7ステッ
    プと、 上記第7ステップで満足できないと判断した場合にタッ
    プ数を変更する第8ステップと、 上記第5ステップで所定の条件を満足した遷移域の指定
    周波数の減衰量を調べる第9ステップと、 上記第9ステップで調べた遷移域の指定周波数の減衰量
    と指定した遷移域の減衰量を比較し、比較結果が所定の
    条件を満足しているか否かを判断する第10ステップ
    と、 上記第10ステップの比較結果が所定の条件を満足して
    いない場合にバンドの設定を変更する第11ステップ
    と、 上記第11ステップでバンド変更後、現在のタップ数で
    遷移域の指定周波数を通過させることができるか否かを
    判断する第12ステップと、 上記第12ステップで通過させることができないと判断
    した場合にタップ数を変更する第13ステップと、 上記第10ステップで所定の条件を満足した近似された
    振幅特性から上記フィルタ係数を求める第14ステップ
    とを有するFIRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  45. 【請求項45】 上記第1ステップを行う前に、少なく
    ともFIRフィルタの設定、バンドの設定、通過させた
    い任意の周波数点の入力、初期極値点の設定、阻止域の
    減衰量の指定、遷移域の指定周波数での減衰量の指定を
    行う初期設定ステップを有する請求項44記載のFIR
    フィルタのフィルタ係数の設定方法。
  46. 【請求項46】 上記第4ステップでは、阻止域におけ
    る最小の減衰量を調べ、 上記第8ステップおよび第13ステップではタップ数を
    増やす請求項44記載のFIRフィルタのフィルタ係数
    の設定方法。
  47. 【請求項47】 上記第14ステップでは、上記タップ
    数が固定で、バンド設定は変更可能な場合に、阻止域の
    減衰量を満足し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通
    過する、任意の周波数点を通過するような制約条件を加
    えたアルゴリズムを用いて、阻止域の減衰量を満足する
    ように、所望の特性に対して重みつき近似を行うことに
    より、上記フィルタ係数を算出する請求項44記載のF
    IRフィルタのフィルタ係数の設定方法。
  48. 【請求項48】 上記重み付け近似は、阻止域の減衰量
    を満足し、かつ遷移域の指定周波数の減衰量を通過す
    る、任意の周波数点を通過するレムズ交換(Remez Exch
    ange)アルゴリズムを用いて、所望の特性に対して行う
    請求項47記載のFIRフィルタのフィルタ係数の設定
    方法。
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