JP2002009114A - 電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法 - Google Patents
電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法Info
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Abstract
に導電性金属からなる配線パターンが形成され、電子部
品が実装される部分の可撓性絶縁フィルムにデバイスホ
ールが形成され、かつ該デバイスホールの縁部から中央
方向に向かってインナーリードが延設されている電子部
品実装用フィルムキャリアテープを製造するに際して、
該デバイスホール内から、少なくとも該デバイスホール
の縁部から中央に延設形成されるインナーリードを形成
する導電性金属の裏面に、熱硬化性耐熱樹脂形成組成物
を塗布し、所定温度で熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を部
分的に硬化させた後、この部分的に硬化した熱硬化性耐
熱樹脂形成組成物をさらに加熱硬化させる多段階加熱硬
化工程によってデバイスホール内に延設されたインナー
リードをデバイスホール内から補強された電子部品実装
用フィルムキャリアテープを製造する方法である。 【効果】本発明の方法によれば、インナーリードの変
形、破断などが生じにくいフィルムキャリアテープを得
ることができる。
Description
にデバイスホールが形成された電子部品実装用フィルム
キャリアテープを製造する方法に関する。
SIなどの電子部品を実装する方法としてフィルムキャ
リアが使用されている。このフィルムキャリアは、例え
ば、絶縁フィルムの表面に導電性金属箔を貼着し、この
導電性金属箔の表面にフォトレジストを塗布して、この
フォトレジストに所望のパターンを露光現像して、この
現像されたフォトレジストにより形成されたパターンを
マスキング材として用いて導電性金属箔をエッチングし
た後、電子部品を実装する部分(インナーリード)およ
びこのフィルムキャリアが外部の配線と接合する部分
(アウターリード)を残して絶縁性の樹脂(ソルダーレ
ジスト)を塗布硬化させ、次いでソルダーレジストから
露出している部分をメッキ処理することにより製造され
ている。ここで使用される絶縁フィルムは、ポリイミド
フィルムなどであり、導電性金属箔は銅箔等である。ま
た、インナーリードおよびアウターリードには、スズメ
ッキなどが施されることが多い。
搭載する際には、電子部品の接合点であるバンプとイン
ナーリードとの位置合わせを行った後、バンプが接触し
ていないリード面からボンディングツールを用いてバン
プおよびリードを加圧しながら加熱することにより、バ
ンプ形成金属とリードから供給される金属との共晶物
(例えば金スズ共晶物)を形成させて実装するという方
法が採用されている。また、このバンプとリートとの接
触を確保するために導電性微粒子を含有する異方導電性
接着剤を使用することもある。
圧および加熱をより効率的に行うために、絶縁フィルム
には電子部品の形状に対応したデバイスホールが形成さ
れており、インナーリードは、このデバイスホールの縁
から中央に向かって延設されており、通常は、このデバ
イスホール内に延設されたインナーリードの裏面には絶
縁フィルムは存在していない。
ープでは導電性金属箔として、主として70μm以上の
平均厚さを有する銅箔等が使用されており、こうした平
均厚さの導電性金属箔は、それ自体で相当の強度がある
ことから、こうした厚さの導電性金属箔から形成された
インナーリードが電子部品を搭載する前に変形あるいは
破損することは希であった。
化に伴って、電子部品実装用フィルムキャリアテープに
使用される導電性金属箔も次第に薄くなってきており、
また形成されるインナーリードのピッチ幅も次第に狭く
なってきており、インナーリードの強度が非常に低くな
ってきている。例えば、導電性金属箔の厚さが18μm
よりも薄くなり、ピッチ幅が50μmよりも狭い非常に
ファインピッチの電子部品実装用フィルムキャリアテー
プも製造されており、こうしたファインピッチの電子部
品実装用フィルムキャリアテープでは、搭載された電子
部品をリードの強度だけで保持することは難しくなって
きており、また、電子部品を搭載した後に接合部を封止
するための封止樹脂が硬化する際の収縮応力によってリ
ードが破断することがある。
するために、例えば特開昭53-42556号公報には、デバイ
スホールに延設されたインナーリードの先端が互いに短
絡することなく保持されるように絶縁薄膜を設けて保護
したテープキャリア方式半導体装置装着フィルム基板が
開示されている。このようにインナーリードの先端部を
絶縁薄膜で保持することにより、インナーリードの変形
などは防止できるが、インナーリード自体の強度は高く
はならないので、例えば上述のような非常に薄い導電性
金属箔から形成されたインナーリードの破断等を防止す
る方法としてはさらに改良の余地があった。
1088号公報および特開平6-252215号公報には、デバイス
ホール内に形成されるリードを裏面から耐熱性樹脂で補
強したフィルムキャリアテープが開示されている。具体
的には、これらの公報には、デバイスホール内にポリイ
ミドワニスなどを流し込み加熱硬化させた後、エッチン
グにより配線パターンを形成してデバイスホール内に形
成されたインナーリードを裏面から補強することが開示
されている。このようデバイスホール内に延設されたイ
ンナーリードを裏面から熱硬化性樹脂薄膜で補強するこ
とにより、例えば搭載された電子部品の自重によってイ
ンナーリードが破断するといった問題は解消される。し
かしながら、こうしてデバイスホール内に形成された補
強薄膜は、絶縁フィルムに導電性金属箔を貼着した後配
線パターンが形成される前に熱硬化性樹脂を塗布して加
熱硬化することにより形成されるため、この樹脂が硬化
する際に硬化収縮等によって生ずる応力が形成された補
強薄膜内に残存する。そして、このように硬化収縮等に
よって生じ薄膜内に残存する内部応力は、導電性金属箔
が存在する間は、この連続した導電性金属箔の連続性が
規制力となって表在化することはないが、この内部応力
を規制している導電性金属箔がエッチングにより配線パ
ターン(インナーリード)になって連続性がなくなる
と、補強薄膜の内部に残存する応力に抗することができ
なくなり、この内部応力が表在化することがある。具体
的には、配線パターンを形成した後の、加熱(例えば、
ソルダーレジストを硬化の際の加熱、ボンディングの際
の加熱)などによって、デバイスホールに裏面から塗設
された補強薄膜がその内部応力によってインナーリード
と共に変形することがある。従って、デバイスホール内
にインナーリードを補強するために形成した補強薄膜
が、インナーリードを変形させる一要因になってしまう
ことがあることがわかった。導電性金属箔の厚さが厚く
インナーリードのピッチ幅が広い場合、即ち、ファイン
ピッチ化が昨今要求されているような厳しい状況に至る
前であれば、多少のインナーリードのずれがボンディン
グ不良をもたらすといった事態は生じ得ないし、また、
そこまでのファインピッチ化が要求されないのであれ
ば、デバイスホール内に補強薄膜を形成することが必要
になるほどの極薄の導電性金属箔を使用する必要性も生
じない。
化、軽量小型化は、さらに進むと考えられ、補強薄膜を
形成することによってその内部応力によって生ずるイン
ナーリードの僅かな変形もさらに高密度化した電子部品
を接続する際に新たな障害につながることが考えられ
る。従って、こうした補強樹脂による僅かなリード位置
の変化も是正するための技術が必要になる。
には、「半導体チップが、開口部を有する絶縁基材テー
プと、上記絶縁基材テープの1主面に形成され、上記開
口部において上記半導体チップに電気的に接続されるイ
ンナーリード部を有する導電配線とからなるフィルムキ
ャリアに実装された半導体装置において、上記フィルム
キャリアには、上記絶縁基材テープとは異なる有機絶縁
膜が、上記導電配線板と上記インナーリード部とを被覆
してインナーリード部を支持するように形成されている
ことを特徴とする半導体装置」の発明が開示されてい
る。また、請求項8には、「開口部を有する絶縁基材テ
ープと、上記絶縁基材の1主面に形成され、上記開口部
において実装される半導体チップに電気的に接続される
インナーリード部を有する導電配線とからなるフィルム
キャリアテープの製造方法において、上記絶縁テープに
半導体チップ実装のための開口部を形成する第1工程
と、上記絶縁基材テープの1主面に、上記開口部にイン
ナーリード部が突出するようにパターンニングされた導
電配線を形成する第2工程と、上記インナーリードを支
持するように、該インナーリード部を含む導電配線を有
機絶縁膜で覆う第3工程とを含むことを特徴とするフィ
ルムキャリアテープの製造方法。」が開示されている。
「上記のように、半導体チップ110が、絶縁基材テー
プ134の導電配線の形成面とは逆方向から接続された
ものを、順ボンド構造の半導体装置と称する。」と記載
されており、この公報に記載のフィルムキャリアテープ
は、半導体チップを、導電配線の形成された面からでは
なく、デバイスホールの配線パターンが形成されていな
い面からデバイスホールに挿入して、インナーリードの
裏面からボンディングするためのフィルムキャリアテー
プである。そして、このように電子部品をデバイスホー
ルの配線パターンが形成される側の裏面側からデバイス
ホールに挿入して実装することから、このデバイスホー
ルに延設されたインナーリードを補強するのに用いられ
ている樹脂は、絶縁フィルムに形成された配線パターン
の表面に塗布して配線パターンを保護するために従来か
ら使用されていたソルダーレジストである。従来は、配
線パターンが形成された側から電子部品をボンディング
するために、デバイスホール近傍のインナーリード部分
にはソルダーレジストは塗布しないのが一般的であった
が、デバイスホールの裏面側から電子部品を挿入して所
謂「順ボンディング」することにより、この公報に記載
の発明では、配線パターンが形成された面にインナーリ
ードが形成されているデバイスホールの部分を含めて配
線パターンの全域(アウターリード部を除く)にソルダ
ーレジストを一体的に塗布して硬化させてこのソルダー
レジストによりインナーリードを表面(上面)から補強
しているのである。従って、この公報記載のフィルムキ
ャリアテープは、デバイスホール内から電子部品を挿入
して実装する順ボンディングを行うためのテープであ
り、デバイス内に延設されたインナーリードのデバイス
ホール側である裏面には補強するための樹脂は塗布され
ていない。
フィルムの表面に配線パターンを形成する電子部品実装
用フィルムキャリアテープの製造方法であって、配線パ
ターンが形成された絶縁フィルムの側から電子部品を搭
載することができると共に、インナーリードを形成する
導電性金属箔を薄い場合であっても、電子部品をボンデ
ィングしてもインナーリードが変形あるいは破断するこ
とによる不良が発生しにくい電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープを製造する方法を提供することを目的とし
ている。
の面に導電性金属からなる配線パターンが形成され、電
子部品が実装される部分の可撓性絶縁フィルムにデバイ
スホールが形成され、かつ該デバイスホールの縁部から
中央方向に向かってインナーリードが延設されている電
子部品実装用フィルムキャリアテープを製造するに際し
て、該デバイスホール内から、少なくとも該デバイスホ
ールの縁部から中央に延設形成されるインナーリードを
形成する導電性金属の裏面に、熱硬化性耐熱樹脂形成組
成物を塗布し、120℃未満の温度に10〜120分間
保持して該熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を部分的に硬化
させた後、該部分的に硬化した熱硬化性耐熱樹脂形成組
成物を該部分硬化温度よりも高い温度に保持して該熱硬
化性耐熱樹脂形成組成物全体を実質的に加熱硬化させる
多段階加熱硬化工程を経た後、該導電性金属の表面に塗
布されたフォトレジストにより形成された配線パターン
をマスキング材として該導電性金属をエッチングして導
電性金属箔からなる配線パターンを形成する工程を経
て、デバイスホール内に延設されたインナーリードが裏
面から硬化した耐熱樹脂で補強された電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープを製造する方法である。
ルムの一方の面に導電性金属からなる配線パターンが形
成され、電子部品が実装される部分の可撓性絶縁フィル
ムにデバイスホールが形成され、かつ該デバイスホール
の縁部から中央方向に向かってインナーリードが延設さ
れている電子部品実装用フィルムキャリアテープを製造
するに際して、該デバイスホール内から、少なくとも該
デバイスホールの縁部から中央に延設形成されるインナ
ーリードを形成する導電性金属の裏面に、熱硬化性耐熱
樹脂形成組成物を塗布し、120℃未満の温度に10〜
120分間保持して該熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を部
分的に硬化させた後、該部分的に硬化した熱硬化性耐熱
樹脂形成組成物を120〜200℃の温度に10〜12
0分間保持して該熱硬化性耐熱樹脂形成組成物全体を実
質的に加熱硬化させる多段階加熱硬化工程を経た後、該
導電性金属の表面に塗布されたフォトレジストにより形
成された配線パターンをマスキング材として該導電性金
属をエッチングして導電性金属箔からなる配線パターン
を形成する工程を経て、デバイスホール内に延設された
インナーリードが裏面から硬化した耐熱樹脂で補強され
た電子部品実装用フィルムキャリアテープを製造する方
法にある。
テープを製造する方法では、絶縁フィルムに導電性金属
箔を貼着した後、デバイスホール内に導電体金属箔を貼
着した表面とは反対の表面から、熱硬化性耐熱性樹脂形
成組成物を塗布して、多段階で加熱硬化させることによ
り、この熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物が徐々に硬化し
てこの熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物が硬化する際に生
ずる収縮応力が多段階で硬化する過程で解消され、最終
的に多段階加熱硬化工程を終了した補強薄膜に硬化反応
に伴う内部応力は存在しない。従って、こうしてデバイ
スホールに補強薄膜を形成することにより、エッチング
により配線パターンを形成した場合であっても補強薄膜
と一体に形成されたインナーリードに変形が生ずること
を有効に防止することができる。しかもこの補強薄膜に
よってインナーリードは強固に補強されることから、例
えば導電性金属箔として厚さが18μmあるいはそれ以
下の非常に薄い導電性金属箔を使用してインナーリード
を形成した場合であっても電子部品を確実にボンディン
グすることができる。
ィルムキャリアテープの製造方法について図面を参照し
ながら具体的に説明する。図1は、本発明の方法で製造
される電子部品実装用フィルムキャリアテープの例を模
式的に示す図であり、図1(a)〜(i)は、本発明の
電子部品実装用フィルムキャリアテープを製造する各工
程における電子部品実装用フィルムキャリアテープの断
面図であり、図2(a)は、図2(b)におけるX−X
断面図であり、図2(b)は電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープの平面図であり、図2(c)はデバイスホ
ール付近を拡大して示す説明図である。
実装用フィルムキャリアテープの製造方法では、まず絶
縁フィルム10を用意する。この絶縁フィルム10は、
可撓性を有し、かつ絶縁性を有する樹脂フィルムからな
る。また、この絶縁フィルム10は、エッチングの際に
酸などと接触することからこうした薬品に侵されない耐
薬品性、および、ボンディングする際の加熱によっても
変質しないような耐熱性を有している。このような可撓
性樹脂フィルムを形成する樹脂の例としては、ガラスエ
ポキシ、BTレジン、ポリエステル、ポリアミドおよび
ポリイミドなどを挙げることができる。特に本発明では
ポリイミドからなるフィルムを用いることが好ましい。
ィルムの例としては、ピロメリット酸2無水物と芳香族
ジアミンとから合成される全芳香族ポリアミド、ビフェ
ニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジアミンとから
合成されるビフェニル骨格を有する全芳香族ポリアミド
を挙げることができる。特に本発明ではビフェニル骨格
を有する全芳香族ポリアミド(例;商品名:ユーピレッ
クス、宇部興産(株)製)が好ましく使用される。この
ような絶縁フィルム10の厚さは、通常は25〜125
μm、好ましくは50〜75μmの範囲内にある。なお、
図1(a)には示していないが、この絶縁フィルム10
の一方の面には、予め接着剤層が形成されていてもよ
い。
うな絶縁フィルム10に、デバイスホール15を形成す
ると共に、スプロケットホール15およびアウターリー
ドの切断孔16など必要な孔を穿設する。こうした孔の
穿設は、パンチングによって行うこともできるし、ま
た、レーザ等を使用することもできる。こうしてデバイ
スホール14および所定の孔が穿設された絶縁フィルム
10の表面に、接着剤層12を介してあるいは接着剤を
用いることなく導電性金属箔31を積層する。接着剤を
用いて導電性金属箔31を積層する場合に使用される接
着剤は、耐熱性、耐薬品性、接着力、可撓性等の特性を
有しているものが好適に使用される。このような特性を
有する接着剤の例としては、エポキシ系接着剤およびフ
ェノール系接着剤を挙げることができる。このような接
着剤は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセ
タール樹脂などで変性されていてもよく、またエポキシ
樹脂自体がゴム変性されていてもよい。このような接着
剤は加熱硬化性である。このような接着剤層の厚さは、
通常は8〜23μm、好ましくは10〜21μmの範囲内
にある。このような接着剤からなる接着剤層12は、絶
縁フィルム10の表面に塗布して設けても良いし、また
導電性金属箔側に塗布して設けても良い。
31としては、アルミニウム箔、銅箔等を挙げることが
でき、特に本発明では銅箔を使用することが好ましい。
本発明で好適に使用される銅箔には、電解銅箔、圧延銅
箔があり、本発明ではいずれの銅箔を使用することもで
きるが、昨今のファインピッチ化に対応可能な電解銅箔
を使用することが好ましい。また、ここで使用される電
解銅箔としては、ファインピッチの電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープを製造するためには、平均厚さが通
常は6〜25μmの範囲内、好ましくは6〜18μmの
範囲内にある電解銅箔を使用することが望ましい。この
ような薄い電解銅箔を使用することにより、狭ピッチ幅
のインナーリードを形成することが容易になる。そし
て、本発明の方法では、薄い電解銅箔を使用した場合で
あっても、最も強度の低くなるデバイスホール内に張り
出して形成されたインナーリードが、裏面(デバイスホ
ール側)から補強されることから、非常に薄い電解銅箔
を使用した場合であってもフィルムキャリアテープの製
造の際、あるいは、電子部品の実装の際などのように、
デバイスホール14内のインナーリードに外部応力がか
かる場合であっても、こうした外部応力によってインナ
ーリードに変形あるいは破断しにくい。こうした理由か
ら本発明の方法は、導電性金属箔31の平均厚さが18
μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは8
μm以下の電解銅箔を使用する場合に特に有効性が高
い。
絶縁フィルムと積層して、図1(c)に示されるような
ベースフィルムを形成する。上記のようにデバイスホー
ル14を有する絶縁フィルム10に導電性金属31を積
層して、ベースフィルムを形成した後、図1(d)に示
すように、デバイスホール14内に熱硬化性耐熱樹脂形
成組成物23を塗布する。
組成物は、加熱することによって硬化してインナーリー
ドを裏面から補強することができる耐熱性の樹脂を主成
分とするものであり、このような組成物は、耐熱性樹脂
硬化体を形成可能な熱硬化性を有する樹脂を含有してい
る。このような耐熱性樹脂硬化体を形成可能な熱硬化性
樹脂の例としては、ポリイミド、ポリイミド前駆体、エ
ポキシ樹脂硬化前駆体、ウレタン樹脂硬化前駆体および
ポリアミド硬化前駆体などを挙げることができる。特に
本発明で使用される熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物は、
熱硬化性樹脂として、ポリイミドおよび/またはポリイ
ミド前駆体と、エポキシ樹脂硬化前駆体とを含有してい
ることが好ましい。
熱することにより優れた耐熱性を有する樹脂硬化体を形
成するが、加熱硬化する際に硬化収縮しやすい。そし
て、こうした樹脂の加熱硬化速度が速すぎると硬化の際
に生じた収縮応力が是正されることなく硬化体内に内在
する。デバイス14の表面に導電性金属箔31が存在す
る間は、熱硬化性樹脂の硬化体は、導電性金属箔31と
緊密に接着されており、エッチングする前にはこの導電
性金属箔31の形態保持力によって、内在する樹脂硬化
体の内部応力が表在化することはないが、この導電性金
属箔31は続く工程によってエッチングされて配線パタ
ーンとなり、その一体性を失うと、樹脂硬化体中に大き
な応力が内在していると、この樹脂硬化体中の内部応力
が表在化する。この内在する応力の表在化は、主として
形成されたインナーリードの変形という具体的な形態変
化として表れることが多い。従って、本発明で使用する
熱硬化性樹脂としては、硬化による内部応力が蓄積され
にくいように段階的にある程度長い硬化時間で硬化する
樹脂を使用することが好ましい。このように内部応力を
蓄積しない程度に硬化の過程で流動性を有するために、
ポリイミド(あるいはポリイミド前駆体)と、エポキシ
樹脂前駆体とを組み合わせ使用することが好ましい。
には、無機充填材を含有することが好ましく、ここで使
用される無機充填材は、絶縁性を有する無機微粉末であ
り、具体的には、酸化ケイ素粉末、酸化チタン粉末およ
び珪酸マグネシウムなどを挙げることができる。このよ
うな無機充填材は、例えばスクリーン印刷などを採用し
て熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物を塗布することができ
る程度の平均粒子径を有していることが好ましく、従っ
て、この無機充填材の平均粒子径は、通常は比表面積で
30〜300m2/g、好ましくは50〜200m2/g程度で
ある。このような無機充填材を配合することにより、熱
硬化性樹脂が硬化する際に内部に生ずる歪を緩和するこ
とができる。
は、塗布温度において例えばスクリーン印刷により塗布
可能な程度の粘度、通常は10〜2000ps、好ましく
は50〜400psを有しており、この組成物をこのよう
な粘度に調整するために、通常は有機溶媒を含有してい
る。本発明では、このような熱硬化性耐熱性形成樹脂形
成組成物中の樹脂形成成分100重量部中におけるポリ
イミドの含有量が、通常は20〜80重量部、好ましく
は40〜60重量部の範囲内にあると共に、ポリイミド
以外の熱硬化性耐熱樹脂形成成分の含有量が通常は80
〜20重量部、好ましくは60〜40重量部の範囲内に
ある組成物を好適に使用することができる。このような
組成物は、比較的硬化収縮が小さく、また、硬化にある
程度の時間を要するので、硬化反応に伴う収縮応力が内
部に蓄積されにくい。
樹脂形成組成物が無機充填材を含有している場合におい
て、この組成物の固形分中における無機充填材の含有量
は、樹脂形成成分100重量部に対して通常は1〜60
重量部、好ましくは15〜40重量部の範囲内にある。
このような量の無機充填材を含有することにより、この
熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物が加熱硬化する際の硬化
収縮による内部歪を有効に緩和することができる。
23は、デバイスホール14内に露出している導電性金
属箔31面に、硬化後の平均の厚さにして、通常は5〜
50μm、好ましくは10〜40μmの範囲内の厚さで
塗布される。なお、デバイスホールの縁部では、この熱
硬化性耐熱性樹脂形成組成物23がデバイスホール縁部
にかかって塗布されることがあり、この縁部近傍におけ
る熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物23の塗布厚は、他の
部分よりも若干厚くなることがある。
には種々の方法が採用可能であるが、特に本発明では熱
硬化性耐熱性樹脂形成組成物の塗布位置がデバイスホー
ル内であり、こうした塗布位置に特定量の熱硬化性耐熱
性樹脂形成組成物を正確に塗布するためには、スクリー
ン印刷による塗布が好ましい。本発明では、このように
デバイスホール内に塗布された熱硬化性耐熱性樹脂形成
組成物を多段階加熱硬化工程で硬化させる。
を塗布し、まず120℃未満、好ましくは60〜100
℃の温度に10〜120分間、好ましくは20〜60分
間保持して熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を部分的に硬化
させた後、この部分的に硬化した熱硬化性耐熱樹脂形成
組成物を120〜200℃、好ましくは120〜160
℃の温度に10〜120分間、好ましくは20〜90分
間保持して熱硬化性耐熱樹脂形成組成物全体を実質的に
加熱硬化させる多段階加熱硬化工程によって硬化させる
ことが望ましい。このようにして多段階加熱硬化工程に
よって熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を硬化させた補強樹
脂中に硬化に伴う内部応力が残存しにくくなる。ただ
し、低温硬化性樹脂を使用する場合、上記のように多段
階加熱硬化工程で、この耐熱性樹脂形成組成物を硬化さ
せるが、最初の部分硬化の温度を同様に、通常は120
℃未満、好ましくは60〜100℃の温度に10〜12
0分間、好ましくは20〜60分間保持して熱硬化性耐
熱樹脂形成組成物を部分的に硬化させると共にこの部分
硬化の際の加熱温度よりも若干高い温度、例えば120
℃前後、好ましくは120℃±15℃程度の温度に加熱
して硬化させることもできる。このような加熱温度にお
ける硬化時間は、上記と同様に通常は10〜120分
間、好ましくは20〜90分間である。
加熱硬化する例を示したが、本発明の方法では、2段階
の加熱硬化に限定されるものではなく、さらにその加熱
硬化を3段階以上に設定して硬化させることも可能であ
る。このようにして熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を多段
階硬化工程で硬化させた後、図1(e)に示すようにベ
ースフィルムの導電性金属箔31の表面にフォトレジス
ト32を塗布し、図1(f)に示すように所望のパター
ンを露光して現像してフォトレジストからなるパターン
33を形成する。
て形成されたフォトレジストからなるパターン33をマ
スキング材として導電性金属箔31をエッチングしてパ
ターン33に対応した配線パターン37を形成する。こ
うして形成された配線パターン37のデバイスホール1
4内に形成されたインナーリード35は裏面が熱硬化性
耐熱樹脂形成組成物を多段階硬化工程で硬化させた補強
樹脂38で裏打ちされているので、例えばエッチングの
際のエッチング液流、あるいは、洗浄の際の水流などの
外部からの応力によって変形することはない。また、こ
の補強樹脂38として、ポリイミドとエポキシ樹脂前駆
体の多段階硬化によって硬化した樹脂を用いることによ
り、ポリイミドを単独で使用した場合と比較して吸湿膨
張など他の要因による寸法変動も少なくなる。
レジストからなるマスキング材は、アルカリ溶液などで
洗浄することにより除去することができる。こうして導
電性金属31から形成されたインナーリード35および
アウターリード36からなる配線パターン37は、図1
(h)に示すように、インナーリード35およびアウタ
ーリード36などの接合部を除いてソルダーレジスト3
9を塗布する。このソルダーレジスト39は絶縁性の熱
硬化性樹脂からなり、通常はスクリーン印刷などによっ
て塗布した後、加熱することにより硬化して、配線パタ
ーン37を保護する。
た後、インナーリード35およびアウターリード36を
含めてこのソルダーレジスト39によって被覆されてい
ない部分の配線パターン37をメッキ処理する。本発明
において、配線パターンに施されるメッキの種類に特に
制限はないが、通常は、無電解スズメッキ、電解スズメ
ッキ、ニッケルメッキ、ハンダメッキ、金メッキ、ニッ
ケル-金メッキなどを挙げることができる。特に、この
インナーリードにボンディングされる電子部品に形成さ
れているバンプ金属、ボンディング方法などによってこ
となるが、例えば電子部品に形成されているバンプが金
であり、インナーリードからスズを供給して金-スズ共
晶物を形成して電子部品をボンディングする際には、無
電解スズメッキ層を形成することが好ましい。
メッキ層の厚さが、通常は0.01〜0.6μm、好ま
しくは0.01〜0.5μmの範囲内になるようにメッ
キする。なお、上記はソルダーレジストを塗布した後に
メッキする例を示したが、ソルダーレジストを塗布する
前に配線パターンの表面に薄い第1のメッキ層を形成
し、次いでソルダーレジストを塗布、硬化させた後、再
び第2のメッキ層を形成しても良い。
品実装用フィルムキャリアテープは、図1(i)に示す
ように絶縁フィルム10の配線パターン37が形成され
た側からデバイスホール14内のインナーリード35に
デバイス40のバンプ電極41が当接するように載置し
上方から加圧すると共に、デバイスホール14内にボン
ディングツール50を挿入して補強樹脂38を介してイ
ンナーリード35とバンプ電極41とを加圧下に加熱す
ることにより、インナーリード35と電子部品のインナ
ーリード41とが、例えば共晶物を形成して電気的に接
続される。
ムキャリアテープでは、実装する電子部品40のバンプ
電極41を絶縁フィルム10の配線パターン37が形成
されている側からインナーリード35に当接して、ボン
ディングツール50をデバイスホール14内に挿入する
と共に上方から加圧して電子部品40のバンプ電極とイ
ンナーリード35とを加熱圧着することから、補強樹脂
38の平均厚さを通常は5〜50μm、好ましくは10
〜40μmの範囲内にすることにより、ボンディングツ
ール50からインナーリード35およびバンプ電極41
を有効に加熱することができる。また、このような厚さ
にすることにより、ボンディングの際の圧力の拡散を有
効に防止できるので、ボンディング圧力を低く抑えるこ
とができ、実装される電子部品40の実装時の破損など
を防止することができる。
ル14の縁部から中央方向に延設されたインナーリード
35をデバイスホール14の内側から、裏打ちして補強
するものであり、電子部品実装用フィルムキャリアテー
プを形成する絶縁フィルム10よりも薄く形成されてい
る。絶縁フィルム10の厚さは、上述のように通常は2
5〜125μm、好ましくは50〜75μmの範囲内であ
るが、本発明の方法により形成された補強樹脂38は、
この絶縁フィルム10よりも薄く、絶縁フィルム10と
補強樹脂38との厚さの比は、通常は2:3〜1:1
5、好ましくは4:5〜1:15、特に好ましくは4:
5〜1:7.5の範囲内にある。このような厚さ比を採
用することにより、デバイスホール14に絶縁フィルム
10が存在しないことによるこの電子部品実装用フィル
ムキャリアテープの物性の部分的変動によるテープの変
形を低減することができる。殊に、本発明の方法ではデ
バイスホール14内の補強樹脂を多段階加熱硬化工程に
よって内部歪をできるだけ発生させないように硬化させ
ているので、デバイスホール14を設けたことによる電
子部品実装用フィルムキャリアテープの変形が少なくな
るとの効果も奏する。
品実装用フィルムキャリアテープの代表的な例を図2
(a)および(b)に示す。また、図2(c)にデバイ
スホール部分の模式的な拡大断面図を示す。図2(a)
および(b)に示した電子部品実装用フィルムキャリア
テープ1は、絶縁フィルム10の長手方向の両端部に多
数のスプロケットホール15が形成されており、このス
プロケットホール15の幅方向の内側にはアウターリー
ド36の切断穴16が形成されている。また、この絶縁
フィルム10の幅方向の中央部には、デバイスホール1
4が形成されており、このデバイスホール14の縁部か
らは多数のインナーリード35が、このデバイスホール
14の中央方向に延設されている。この絶縁フィルム1
0の表面には、導電性金属箔をエッチングすることによ
り形成された配線パターン37が形成されており、この
配線パターン37は、一方の端部がデバイスホール14
内に配置される電子部品のバンプ電極と接続するための
インナーリード35となっており、他端部は外部と接続
するためのアウターリード36となっている。
ード35は、図2(c)に示すように、デバイスホール
側から熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を塗布して段階的に
加熱して内部応力を除去しながら硬化させた補強樹脂3
8によって裏打ちされて補強されている。また、デバイ
スホール14とアウターリードの切断孔16との間に形
成されている配線パターン37の表面は、絶縁性を有す
る樹脂からなるソルダーレジスト39が塗布され、加熱
硬化されて、配線パターン37を保護している。
テープの製造方法では、上述のようにデバイスホール1
4内に延設されたインナーリード35の裏面に熱硬化性
耐熱樹脂形成組成物を塗布して加熱温度を段階的に変化
させた多段階加熱硬化工程で硬化させることにより製造
されるが、この熱硬化性耐熱樹脂形成組成物23は、デ
バイスホール14内全体に塗布することを特に必要とす
るものではなく、この熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物2
3が硬化してデバイスホール14内に延設されたインナ
ーリード14を裏面から裏打ちして補強するものである
から、貼着された導電性金属をエッチングしてインナー
リード35が形成される部分に塗布すればよい。即ち、
図3に示すように、デバイスホール14の全体に熱硬化
性耐熱性樹脂形成組成物を塗布する代わりに、デバイス
ホール14の縁部近傍53に熱硬化性耐熱性樹脂形成組
成物を塗布して硬化させ、裏面からインナーリード35
を補強すればよく、従ってデバイスホール14の中心部
に組成物不塗布部52を形成して、縁部近傍53にのみ
熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物を塗布して、この組成物
を多段階加熱硬化工程で段階的に加熱硬化させてもよ
い。
フィルムキャリアテープでは、デバイスホール14内に
比較的短いインナーリード35が形成され、その裏面を
熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物を多段階加熱硬化工程で
徐々に硬化させた態様が示されており、従って、この電
子部品実装用フィルムキャリアテープは、縁部にのみバ
ンプ電極を有する電子部品を実装するためのものである
が、電子部品には、裏面の縁部だけでなく、裏面全体に
バンプ電極が形成されたもの、あるいは、電子部品の縁
部に2列、3列、さらに4列以上バンプ電極が形成され
たものもあり、このように縁部にのみバンプ電極が形成
された電子部品だけではなく、インナーリード35の長
さを変えることにより、電子部品の裏面全体、あるい
は、縁部に複数列のバンプ電極が形成された電子部品に
対しても本発明の方法により製造された電子部品実装用
フィルムキャリアテープを使用してボンディングするこ
とができる。特にインナーリード35が長い場合に熱硬
化性耐熱性樹脂形成組成物を多段階加熱硬化工程で硬化
収縮歪を除去しながら硬化させる本発明の方法によれ
ば、インナーリード35の位置が補強樹脂が硬化するこ
とによって変動することがないので、より確実なボンデ
ィングを行うことができる。
5とバンプ電極とは、ボンディングツールを用いて共晶
物などを形成することにより接合されているが、こうし
たボンディングのほかに、例えば導電性微粉末を含有す
る異方導電性接着剤を用いてインナーリード35とバン
プ電極41とをボンディングすることもできる。こうし
てインナーリード35とバンプ電極41とを電気的に接
合した後、この接合部分を含めて電子部品とフィルムキ
ャリアテープとが一体化するように封止樹脂を塗布し、
この封止樹脂を硬化させる。
フィルムキャリアテープを一体化する際あるいは一体化
した後も補強樹脂に内部応力が残存していないために、
インナーリードとバンプ電極との接合部分およびインナ
ーリードが断線することが殆どない。なお、上記はデバ
イスホール内に延設されたインナーリードを、上述のよ
うな熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物を多段階加熱硬化工
程で内部応力が残存しないように硬化させて裏打ち補強
する例にして説明したが、同様の方法をアウターリード
の切断孔に適用してアウターリードを裏打ち補強するこ
ともできる。
貼着されたデバイスホール内に熱硬化性耐熱性樹脂形成
組成物を塗布し、多段階加熱硬化工程により樹脂が硬化
する各段階において硬化収縮に伴う内部応力を徐々に放
出させながら硬化させているので、導電性金属をエッチ
ングして配線パターンを形成した際に、この配線パター
ンがデバイスホール内部側から補強されており、しかも
この補強樹脂中には内部応力が残存していないので、形
成されたインナーリードが補強樹脂に内在する応力によ
って変形することがない。このような補強樹脂に内在す
る応力によるインナーリードの変形は、導電性金属箔の
平均厚さが10μm以下、好ましくは8μm以下と非常
に薄い電解銅箔を使用した場合に生じやすいが、本発明
の方法を採用することにより、非常に薄い導電性金属箔
を使用した場合であってもインナーリードを裏面から補
強することによるリード変形は生じない。また、こうし
て硬化された補強樹脂中には歪が殆ど残存していないの
で、例えば封止樹脂などで封止後にもこうしたリードと
バンプ電極との接触が損なわれることがなく、さらにイ
ンナーリード自体が樹脂歪によって破断することもな
い。また、搭載される電子部品の自重が大きい場合であ
っても、補強樹脂によって補強されたインナーリードに
確実にボンディングすることができる。
品実装用フィルムキャリアテープを用いて電子部品を実
装することにより、インナーリードの断線あるいは電子
部品のバンプ電極とインナーリードとの接合不良などが
生じにくくなる。また、デバイスホールを形成した電子
部品実装用フィルムキャリアテープは、デバイスホール
内に基材である絶縁フィルムが存在しないことから、フ
ィルムキャリアテープの製造の際の加熱、エッチング液
などの水性媒体との接触などによって変形が生じやす
く、絶縁フィルムが存在しないこのデバイスホール周囲
における変形傾向が、他の部分とは異なる傾向を示し、
こうした複雑に変形した電子部品実装用フィルムキャリ
アテープの変形を是正することは非常に困難であるが、
デバイスホール内に熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物を塗
布して多段階加熱硬化工程によって歪を除去しながら硬
化させることにより、デバイスホール付近における変形
の程度が他の部分とあまり変わらなくなり、従って、本
発明の方法で製造された電子部品実装用フィルムキャリ
アテープに生じた変形(例えば反り変形)を全体として
均一に矯正することが可能になるとの利点もある。
アテープの製造方法について実施例を示してさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。
m、厚さ75μmのポリイミドフィルム(商品名:ユー
ピレックスS、宇部興産(株)製)の長手方向の縁部に
所定間隔で多数のスプロケットホールを穿設すると共
に、フィルムの幅方向の中央部に20×20mmのデバイ
スホール、さらにアウターリードの切断孔を形成した。
このように所定の孔が形成されたポリイミドフィルムの
表面にエポキシ系接着剤を用いて平均厚さ9μmの電解
銅箔を加熱圧着して積層してベースフィルムを製造し
た。
より形成されたベースフィルムのデバイスホール内に、
ポリイミド樹脂:55重量部、エポキシ樹脂前駆体:9
重量部、無機フィラー(平均粒子径:比表面積50〜2
00m2/g)36重量部を含有し、これらが有機溶媒に
分散している熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物(商品名;
FS100−L−07,宇部興産(株)製、25℃にお
ける粘度80ps)をスクリーン印刷でデバイスホール内
に塗布した。この熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物の塗布
厚は、硬化後の厚さで30μmになるように調整した。
度が90℃になるように設定された第1の加熱炉で90
℃×1時間加熱硬化させた後、この第1の加熱炉から取
り出して、ベースフィルムの温度が160℃になるよう
に設定した第2の加熱炉に入れ、160℃×1時間加熱
して、熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物を硬化させた。こ
うして硬化した組成物の平均厚さは31.0μmであっ
た。
いる電解銅箔の表面にフォトレジストを塗布して、所定
のパターンを露光現像することにより形成し、余剰のフ
ォトレジストを除去した後、エッチング液にこのベース
フィルムを接触させて、電解銅箔からなる配線パターン
を形成した。この配線パターンに形成されているインナ
ーリードのピッチ幅は40μmであり、リード間隔は2
0μmであった。また、インナーリードは、デバイスホ
ールの縁部から1.0mmデバイスホール内に延出して形
成されており、このインナーリードの裏面は、デバイス
ホールの裏面から塗布した熱硬化性耐熱性樹脂形成組成
物を多段階加熱硬化工程によって硬化して補強薄膜によ
って裏打ちされて補強されていた。絶縁フィルムの厚さ
と補強薄膜の厚さとの比は5:2であった。
リード部を残して配線パターンの表面にソルダーレジス
トを塗布し160℃の温度で1時間加熱することによ
り、このソルダーレジストを加熱硬化させた。こうして
ソルダーレジストを硬化させた後、ソルダーレジストか
ら露出しているインナーリードおよびアウターリードに
平均厚さ1.45μmのスズメッキ層を形成した。
補強薄膜で裏打ちされたインナーリードを光学顕微鏡で
観察したところ、破断、変形などは見られなかった。ま
た、裏打ちされている補強薄膜の硬化収縮によると思わ
れるインナーリードの変形も見られなかった。上記のよ
うにして本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテー
プに金バンプを有する電子部品を、絶縁フィルムの配線
パターンが形成され、ソルダーレジストが塗布された側
からデバイスホール内に延設されたインナーリードと電
子部品の金バンプとが接触するように位置決めして当接
し、一方デバイスホール内に下部からボンディングツー
ルを挿入して、電子部品の上側から圧力を加えると共
に、ボンディングツールを上昇させて加圧すると共に通
常のボンディング条件と同様に470℃に加熱して、イ
ンナーリードから供給されるスズと金バンプから供給さ
れる金とによって共晶物を形成して電子部品をフィルム
キャリアに搭載した。こうしたボンディングツールの通
常と同様の加熱によって良好に共晶物が形成され、電子
部品はインナーリードに良好にボンディングされてい
た。
領域に熱硬化性樹脂を流し込み加熱硬化して樹脂を硬化
させて接合部分を硬化した樹脂で封止した。こうして電
子部品が搭載されたフィルムキャリアについて、断線の
有無などを電気的に調べた結果、ボンディング不良に起
因すると思われる通電不良は生じなかった。
リアテープの製造方法の各工程におけるフィルムキャリ
アテープの断面を模式的に示す断面図である。
電子部品実装用フィルムキャリアテープの例を模式的に
示す図である。
形成された電子部品実装用フィルムキャリアテープの例
を模式的に示す図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 可撓性絶縁フィルムの一方の面に導電性
金属からなる配線パターンが形成され、電子部品が実装
される部分の可撓性絶縁フィルムにデバイスホールが形
成され、かつ該デバイスホールの縁部から中央方向に向
かってインナーリードが延設されている電子部品実装用
フィルムキャリアテープを製造するに際して、該デバイ
スホール内から、少なくとも該デバイスホールの縁部か
ら中央に延設形成されるインナーリードを形成する導電
性金属の裏面に、熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を塗布
し、120℃未満の温度に10〜120分間保持して該
熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を部分的に硬化させた後、
該部分的に硬化した熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を該部
分硬化温度よりも高い温度に保持して該熱硬化性耐熱樹
脂形成組成物全体を実質的に加熱硬化させる多段階加熱
硬化工程を経た後、該導電性金属の表面に塗布されたフ
ォトレジストにより形成された配線パターンをマスキン
グ材として該導電性金属をエッチングして導電性金属箔
からなる配線パターンを形成する工程を経て、デバイス
ホール内に延設されたインナーリードが裏面から硬化し
た耐熱樹脂で補強された電子部品実装用フィルムキャリ
アテープを製造する方法。 - 【請求項2】 上記熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を12
0℃未満の温度に10〜120分間保持して該熱硬化性
耐熱樹脂形成組成物を部分的に硬化させた後、該部分的
に硬化した熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を120〜20
0℃の温度に10〜120分間保持して該熱硬化性耐熱
樹脂形成組成物全体を実質的に加熱硬化させる多段階加
熱硬化工程を経て硬化させることを特徴とする請求項第
1項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープの製
造方法。 - 【請求項3】 上記熱硬化性耐熱樹脂形成組成物が、ポ
リイミドとポリイミド以外の熱硬化性耐熱樹脂形成成分
とを含有することを特徴とする請求項第1項または第2
項電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項4】 上記熱硬化性耐熱樹脂形成組成物が、さ
らに無機充填材を含有することを特徴とする請求項第1
項乃至第3項のいずれかの項記載の電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項5】 上記熱硬化性耐熱樹脂形成組成物に含有
されるポリイミド以外の熱硬化性耐熱樹脂形成成分が、
エポキシ樹脂前駆体、ウレタン樹脂硬化前駆体およびポ
リアミド樹脂硬化前駆体よりなる群から選ばれる少なく
とも一種類の熱硬化性耐熱樹脂形成成分であることを特
徴とする請求項第1項または第2項記載の電子部品実装
用フィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項6】 上記熱硬化性耐熱性形成樹脂形成組成物
中の樹脂形成成分100重量部中におけるポリイミドの
含有量が20〜80重量部の範囲内にあると共に、ポリ
イミド以外の熱硬化性耐熱樹脂形成成分の含有量が80
〜20重量部の範囲内にあることを特徴とする請求項第
1項乃至第4項のいずれかの項記載の電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項7】 上記熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物の固
形分中における無機充填材の含有量が、樹脂形成成分1
00重量部に対して1〜60重量部の範囲内にあること
を特徴とする請求項第1項または第4項記載の電子部品
実装用フィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項8】 上記熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物の塗
布厚が、硬化後の厚さで5〜50μmの範囲内にあるこ
とを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項9】 上記デバイスホールに裏面から塗布され
る熱硬化性耐熱樹脂形成組成物の硬化後の平均厚さと、
可撓性絶縁フィルムの平均厚さとが、2:3〜1:15
の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の電
子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項10】 上記熱硬化性耐熱性樹脂形成組成物の
塗布温度における塗布粘度が10〜2000psの範囲内
にあることを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実
装用フィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項11】 上記熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を塗
布し、120℃未満の温度に10〜120分間保持して
該熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を部分的に硬化させると
共に該部分的に硬化した熱硬化性耐熱樹脂形成組成物を
上記部分的な硬化温度よりも高い温度であって比較的低
温で加熱して該熱硬化性耐熱樹脂形成組成物全体を実質
的に加熱硬化させることを特徴とする請求項第1項記載
の電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法。 - 【請求項12】 上記デバイスホールが形成された絶縁
フィルムの一方の面に該デバイスホールを覆うように導
電性金属箔を積層した後、熱硬化性耐熱樹脂形成組成物
を、デバイスホール内に露出している導電性金属箔の全
域を被覆するようにデバイスホール側から塗布した後、
多段階加熱硬化工程で段階的に加熱硬化させることを特
徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープの製造方法。 - 【請求項13】 上記デバイスホールが形成された絶縁
フィルムの一方の面に該デバイスホールを覆うように導
電性金属箔を積層した後、熱硬化性耐熱樹脂形成組成物
を、デバイスホール内の縁部近傍の少なくともインナー
リードを形成する部分の導電性金属箔を被覆するように
デバイスホール側から塗布した後、多段階加熱硬化工程
で段階的に加熱硬化させることを特徴とする請求項第1
項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造
方法。
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JP2000184751A JP4031899B2 (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法 |
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JP2008016871A (ja) * | 2002-03-13 | 2008-01-24 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | Cof用フレキシブルプリント配線板およびその製造方法 |
-
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