JP2002008711A - アルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池

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JP2002008711A
JP2002008711A JP2000181575A JP2000181575A JP2002008711A JP 2002008711 A JP2002008711 A JP 2002008711A JP 2000181575 A JP2000181575 A JP 2000181575A JP 2000181575 A JP2000181575 A JP 2000181575A JP 2002008711 A JP2002008711 A JP 2002008711A
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secondary battery
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JP2000181575A
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English (en)
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Chizuru Hatanaka
千鶴 畑中
Naomi Bando
直美 坂東
Kunihiko Miyamoto
邦彦 宮本
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛を固溶したニッケル酸化物を主成分とし
た活物質を有する正極を備えたアルカリ二次電池の長期
貯蔵性および高温貯蔵性を向上させる。 【解決手段】 上記のアルカリ二次電池において、充放
電後に前記正極活物質中の亜鉛が前記アルカリ電解液中
に溶解して、前記正極以外の部分へ移動する量が全亜鉛
量に対して10質量%以下としたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池に
関し、さらに詳しくは、長期貯蔵性および高温貯蔵性に
優れたアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩によりさまざまな
携帯用電子機器が開発されており、これにともない電源
としての二次電池に対しては高容量であることのほか
に、放置後の容量低下がないこと、初期からの大電流放
電が可能であること、ならびに、高温および低温におけ
る放電特性が良好であることなどが求められている。
【0003】上記の大電流放電特性の改善策としては、
従来ニッケル正極中へ導電材として添加されるコバルト
化合物の増量や、電池中の空隙率の増加などの方策が知
られている。しかしながら、これらの改善策はいずれも
アルカリ二次電池の容量低下をともなうという問題があ
る。
【0004】したがって、高容量化を犠牲にすることな
く大電流放電特性を改善する手段、すなわち、コバルト
の添加量を増量することなくコバルト導電マトリックス
を有効に形成する手段が望まれている。具体的には、水
酸化ニッケル粒子とコバルト化合物とをアルカリ水溶液
と酸素(空気)の存在下で加熱処理することによって水
酸化ニッケル粒子表面にコバルト高次酸化物すなわち2
価より価数の大きなコバルト化合物を形成させた、いわ
ゆる、複合水酸化ニッケル粒子を使用する方法が提案さ
れている。
【0005】この複合水酸化ニッケル粒子を正極の活物
質材料として使用することにより、大電流放電特性や短
絡放置後の回復率(過放電回復率)が向上することが確
認されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな二次電池の場合、上述したように大電流放電特性や
短絡放置後の回復率は向上するものの、その一方で、長
期貯蔵時または高温貯蔵時における容量の低下、サイク
ル特性の低下などの新たな問題が発生している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題が発生する原因を突き止めるべく、高温貯蔵時
または長期貯蔵時に容量低下の著しかったセルを分解し
て正極活物質を取出し、それについてX線回折測定を行
った。その結果、正極活物質中にγ型のオキシ水酸化ニ
ッケルが含まれているという事実が確認された。
【0008】一般に、正極活物質中に膨張率の大きいγ
型のオキシ水酸化ニッケルが形成されると、それがセパ
レータ中の電解液を吸収して正極の膨潤を招来するなど
の現象が生じるため、結果として電池容量の低下を招く
ことが知られている。したがって、通常はこのγ型オキ
シ水酸化ニッケルの生成を防止するために、水酸化ニッ
ケルを製造する際に当該水酸化ニッケルに亜鉛を固溶す
るという処置が採られている。
【0009】このようなことから、本発明者らは、上記
した正極活物質中におけるγ型のオキシ水酸化ニッケル
の形成は、貯蔵中にニッケル酸化物中に固溶されている
亜鉛が経時的に減少したことにに基づく現象であると推
察した。そこで、貯蔵後の電池について、正極から電解
液に溶け出して、電解液、負極およびセパレータに移動
した亜鉛の量と、容量低下との関係を調べたところ、亜
鉛の移動量がニッケル酸化物に固溶している全亜鉛量に
対して10質量%以上になる場合には、セルの容量低下
が著しいということが明らかになった。
【0010】本発明は、上記した知見に基づいて開発さ
れたアルカリ二次電池である。すなわち、本発明のアル
カリ二次電池は、亜鉛を固溶したニッケル酸化物を主成
分とした活物質を有する正極、負極、セパレータおよび
アルカリ電解液を備えたアルカリ二次電池において、充
放電後に前記正極活物質中の亜鉛が前記アルカリ電解液
中に溶解して、前記正極以外の部分へ移動する量が全亜
鉛量に対して10質量%以下であることを特徴とする。
【0011】そして、本発明のアルカリ二次電池では、
電池組立時に用いる前記負極、セパレータおよび電解液
には亜鉛が含有されていないことが好ましい。また、正
極活物質の評価方法としては、前記亜鉛を固溶したニッ
ケル酸化物を主成分とする活物質を高温、高濃度のアル
カリ水溶液に浸漬したときの前記亜鉛の溶解率が、前記
活物質中に含有される全亜鉛量に対して10質量%以下
であることが好ましい。
【0012】さらに、前記ニッケル酸化物が、水酸化ニ
ッケルを主成分とする粒子表面にコバルト化合物が被覆
されている粉体をアルカリ水溶液と混合しながら酸素存
在下で幅射線を照射して熱処理を施したもの、あるい
は、水酸化ニッケルを主成分とする粒子とコバルト金属
もしくはコバルト化合物が水酸化ニッケルを主成分とす
る粒子に添加されている粉体を撹拌してアルカリ水溶液
と混合しながら熱処理を施したものであることが好まし
い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明のアルカリ二次電池
の各構成部材について詳述する。 1)正極 正極活物質は、亜鉛を固溶したニッケル酸化物を主成分
とするものであり、導電材としてコバルトもしくはコバ
ルト化合物を含有していてもよい。具体的には、亜鉛を
固溶した水酸化ニッケルを主成分とする粒子に、導電材
としてのコバルト単体もしくは2種以上のコバルト化合
物の混合物粒子を添加してなる粉粒体、またはpH11〜
13に調節したアルカリ水溶液の中に亜鉛を固溶した水
酸化ニッケルを主成分とする粒子を投入し、そこに硫酸
コバルト水溶液を徐々に加えるなどの方法により水酸化
コバルトのようなコバルト化合物を被着させて当該粒子
の表面を被覆した粉粒体であることが好ましい。
【0014】亜鉛を固溶した水酸化ニッケルは、例え
ば、硫酸ニッケルと硫酸亜鉛を希硫酸に溶解し、得られ
た溶液をアルカリ水溶液に滴下してニッケルと亜鉛の水
酸化物を共沈させることにより調製することができる。
このような粉粒体における亜鉛の含有量は、2〜8質量
%であることが好ましく、亜鉛の含有量が2質量%未満
である場合には、γ型オキシ水酸化ニッケルの生成を抑
制するという添加効果が十分に発揮されない可能性があ
る。一方、亜鉛の含有量が8質量%を超えると、水酸化
ニッケルに対する固溶量がほぼ限界に達するため、それ
以上の添加効果が期待できない。
【0015】また、この粉粒体におけるコバルトまたは
コバルト化合物の含有量は0.5〜20質量%の範囲で
あることが好適である。コバルト化合物の含有量が0.
5質量%を下回る場合は、得られた活物質を担持するニ
ッケル極が組み込まれている電池のコバルト導電マトリ
ックスの形成が不充分となって活物質の利用率を向上さ
せることが困難となる。一方、コバルト化合物の含有量
が20質量%を超えると、活物質中の水酸化ニッケル粒
子の相対的な割合が減少して、電池の放電容量を低下さ
せるようになるからである。
【0016】この正極活物質を製造する際は、上記の粉
粒体とアルカリ水溶液との混合物を例えば大気のような
酸素存在下で撹拌してさらに均一な混合を進めながら、
そこにマグネトロンからマイクロウェーブを照射する。
このマイクロウェーブの照射は、上述した混合物に含有
され、かつ、各粒子を取り囲んで存在している水分子を
振動させ、もって混合物すなわち粉粒体を均一に加熱す
る働きをする。
【0017】さらに、アルカリ水溶液に溶解しているコ
バルト成分は酸素の存在下において酸化され、高導電性
のオキシ水酸化コバルトとなって粉粒体の主成分である
水酸化ニッケル粒子の表面を被覆し、そこに導電性マト
リックスが形成される。このようにして得られた活物質
に、結着剤と、水とを添加、混練してペーストを調製
し、このペーストを集電体に充填して、乾燥、加圧成形
することにより正極を製造することができる。
【0018】使用する結着剤としては、例えば、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレンなどを挙
げることができる。集電体としては、例えば発泡ニッケ
ル基板、網状燒結金属繊維基板、不織布にニッケルめっ
きを施すことにより作製されたフェルトメッキ基板など
の三次元基板、または、パンチドメタル、エキスパンド
メタルなどの二次元基板を挙げることができる。 2)負極 負極は、負極活物質、導電剤、結着剤および水を混練し
てペーストを調製し、そのペーストを導電性基板に充填
し、乾燥したのち成形することにより製造される。
【0019】負極活物質としては、例えば金属カドミウ
ム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水素な
どをあげることができる。水素のホストマトリックスと
しては、例えば水素吸蔵合金を使用することができる。
その水素吸蔵合金としては、とくに限定されるものでは
なく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵で
き、かつ放出時には、その吸蔵水素を容易に放出できる
ものであればよい。負極活物質の中でも水素吸蔵合金を
用いた場合は、カドミウム化合物を用いた場合よりも二
次電池の容量を増大できるため好ましい。
【0020】また、使用される導電剤としては、例えば
カーボンブラック、黒鉛などがあげられ、結着剤として
は、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸
カリウムなどのポリアクリル酸塩類、ポリテトラフルオ
ロエチレンなどのフッ素系樹脂、またはカルボキシメチ
ルセルロースなどをあけることができる。さらに、導電
性基板としては、例えばパンチドメタル、エキスパンド
メタルなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体など
の三次元基板をあげることができる。 3)セパレータ セパレータとしては、例えばポリアミド繊維性不織布、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊
維よりなる不織布に親水性官能基を付与したものなどを
使用することができる。 4)アルカリ電解液 使用するアルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナト
リウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム
水溶液、および、これらのうちの2種以上の混合液など
を用いることができる。
【0021】本発明のアルカリ二次電池は、前述した正
極において、充放電サイクル後の正極活物質中の亜鉛が
電解液中に溶解して、正極以外の部分、具体的には、電
解液、負極およびセパレータに移動する量が当初正極活
物質中に含有されていた全亜鉛量に対して10質量%以
下であることを必須とする。この亜鉛の移動量が10質
量%を超えるような正極活物質の場合は、前述したよう
に充放電の過程で正極活物質中にγ型オキシ水酸化ニッ
ケルが形成され、このγ型オキシ水酸化ニッケルが電解
液を吸収して膨潤することにより、電池容量が低下して
しまうという問題が発生する。
【0022】この正極活物質からの亜鉛の溶出を防止す
るために、負極やセパレータまたは電解液にあらかじめ
亜鉛を添加しておくという方法も考えられるが、このよ
うな方法は逆にコストの上昇を招く結果となるため、負
極、セパレータおよび電解液としては亜鉛を添加してい
ないものを用いることが好ましい。さらに、正極からの
亜鉛の溶出量は、正極に使用されているニッケル酸化物
中の亜鉛の溶解度で規制されるものと考えられる。活物
質に溶解度の差が生じる原因としては、明らかではない
が、水酸化ニッケル粒子表面に2価より価数の大きなコ
バルト化合物を形成させる工程において、加熱処理にお
ける水酸化ニッケルへのダメージが影響しているものと
推察される。
【0023】一般に、電池に組み立てた後に正極からの
亜鉛の移動量を調べることは容易ではない。そこで、電
池を評価する以前に簡易的に活物質を評価する手段とし
て、以下のような測定を実施することが好ましい。すな
わち、亜鉛を固溶したニッケル酸化物を主成分とする活
物質を高温、高濃度のアルカリ水溶液へ浸漬したときの
亜鉛の溶解量を測定し、その値の水酸化ニッケル中に当
初含有されていた亜鉛全量に対する割合(質量%)を算
出し、その値を溶解率とする。そして、その溶解率が1
0質量%以下となるものを活物質として選定すればよい
ことになる。
【0024】具体的には、亜鉛を固溶した水酸化ニッケ
ル5.5gを80℃、6規定水酸化カリウム水溶液50
mlに30分間浸漬する方法が簡便であり、この簡易評
価方法において亜鉛溶解率が10質量%以下であるもの
は、電池に組み込んで充放電を行った後での移動量も概
ね10質量%以下であると見なすことができる。なお、
この簡易評価法は、上記の条件に限定されるものではな
く、例えば、水酸化ニッケル1〜10gを40〜100
℃、3〜8規定の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウ
ム20〜100mlに15〜60分間浸漬するという条
件範囲の中から適宜選択して決定することが可能であ
る。
【0025】ただし、上記の評価方法において採用され
た諸条件が変わると、それにより亜鉛の溶解率と、電池
内での亜鉛の実際の移動量との対応関係が多少ではある
が変わるため、所望の亜鉛移動量に対応する亜鉛溶解率
の最適値をそれらの条件下であらかじめ実験的に求めて
おくことが望ましい。
【0026】
【実施例】1.正極 a)活物質の調製 共沈法により亜鉛を5質量%固溶した平均粒径10μm
の水酸化ニッケルに対して、導電剤として平均粒径2.
5μmの水酸化コバルトを5質量%の割合で混合して粉
粒体を作製したのち、水酸化ナトリウムをこの粉粒体が
浸潤できる量だけ添加し、撹拌・混合をつづけながら、
マイクロウェーブを照射することによって熱処理を施
し、活物質を調製した。
【0027】なお、このときマイクロウェーブによる熱
処理条件を様々に変えることにより、亜鉛溶解率の異な
る数種の活物質を得た。 b)活物質の評価 上記の活物質が、コバルトの2価から3価への酸化率が
80%程度であること(導電性の高いオキシ水酸化ニッ
ケルが形成されていること)を確認し、それらの活物質
をそれぞれ5.5g採取し、80℃の6規定水酸化カリ
ウム溶液50mlに30分間浸漬したときの亜鉛の溶解
量をICP発行分光分析にて測定し、下記の計算式によ
り活物質の亜鉛溶解率を算出した。なお、活物質中の亜
鉛含有率は活物質を酸溶解して、ICP発光分光分析に
より亜鉛量を求めたときの値である。
【0028】
【数1】
【0029】このような亜鉛溶解率の算出結果により、
実施例1〜4として、亜鉛の溶解率が2.5質量%、
4.1質量%、6.5質量%および8.1質量%である
4種の活物質を選択し、以下のように正極の構成材料と
した。 c)正極の製造 上記により得られた活物質を用いて、以下のようなニッ
ケル正極を製造した。
【0030】すなわち、まず上記の各活物質100質量
部に対し、結着剤としてカルボキシメチルセルロース
0.25質量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.25質
量部、ポリテトラフルオロエチレン3質量部、および適
宜量の水を混練してペーストを調製し、このペーストを
ニッケル繊維基板に充填後、乾燥、成形した。 2.負極 ランタン富化したミッシュメタルと、Ni,Co,M
n,Alを用いて高周波炉により、LmNi4.0Co0.4
Al0.3の組成からなる水素吸蔵合金を機械粉砕し、得
られた合金粉末100質量部に対してポリアクリル酸ナ
トリウム0.5質量部、カルボキシメチルセルロース
0.125質量部、ポリテトラフルオロエチレンのディ
スパージョンを固形分換算で1.5質量部、および、導
電剤としてカーボン粉末1質量部を水50質量部ととも
に混練することによってペーストを調製した。このペー
ストを導電性基板としてのパンチドメタルに塗布、乾燥
したのち、加圧成形することによってペースト式負極を
作製した。 3.アルカリ二次電池の組立て 上記により得られた正極と負極との間に親水化処理を施
したポリプロピレン不織布からなるセパレータを配置
し、この電極群を金属容器内に収容し、水酸化カリウム
を主体とするアルカリ電解液を注液したのち、金属ケー
スなどの各部材を用いてAAサイズ(公称容量:130
0mAh)の円筒型ニッケル・水素二次電池を組み立て
た。なお、このニッケル・水素二次電池は、それぞれの
電極の種類に対して30セルずつ作製した。 4.電池の評価試験 室温において、1Cで1.5時間充電した後、1Cで電
池電圧1Vまで放電する充放電サイクルを3回繰り返
し、3サイクル目の放電容量を測定した。これを初期容
量とした。しかるのち、これらのセルに対して以下の各
評価試験を行った。a)高温貯蔵性 上記のセル10個を、80℃にて14日間貯蔵したの
ち、25℃の温度雰囲気下において0.1Cで15時間
かけて150%充電したのち、0.2Cで1Vまで放電
を行った。その後、1Cで1.5時間充電、1Cで1V
まで放電するサイクルを3回繰り返したときの放電容量
を求めた。このとき、放電率{(貯蔵後の放電容量/初
期容量)×100}を算出した値の10セルの平均値を
表1に示した。 b)長期貯蔵性 他の10セルについて、常温で1年間貯蔵したのち、上
記と同様にして放電率を算出した。この貯蔵後の電池を
分解し、正極、負極、およびセパレータに分け、正極と
負極は酸処理することにより溶解し、セパレータは希酸
に浸漬処理し、この処理液中の亜鉛量をICP発光分光
分析にて測定し、負極およびセパレータへの亜鉛移動量
を下記の式により算出した。
【0031】なお、電解液は、正極、負極およびセパレ
ータ内にそれぞれ存在するので、それ自体を単独で取り
出すことは困難である。したがって、電解液中に含有さ
れる亜鉛量は、各部材に含有される亜鉛量に加算される
ことになる。 亜鉛移動量(質量%)= (A/B)×100 ただし、式中、A=(負極+電解液)中の亜鉛量(mg)
+(セパレータ+電解液)中の亜鉛量(mg)、B=(正
極+電解液)中の亜鉛量(mg)+(負極+電解液)中の
亜鉛量(mg)+(セパレータ+電解液)中の亜鉛量(m
g)を示す。
【0032】そして、それぞれの計算結果の平均値につ
いて表1に示した。 c)サイクル特性 さらに、初期処理を行った残りの10セルについて、初
期容量の80%となった時点でのサイクル数を測定し、
その10セルの平均値を表1に併せて示した。なお、比
較例1,2として、正極活物質の亜鉛溶解量が10.7
質量%、11.2質量%であるものを選出し、上記実施
例と同様にして電池を作製し、同様の電池特性評価試験
を行った。得られた結果を表1に併せて示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1からも明らかなように、正極から移動
する亜鉛量が10質量%以下であるような正極活物質を
使用して作製されたセル(実施例1〜4)は、高温貯蔵
特性、長期貯蔵特性、ならびにサイクル特性に優れてい
ることが確認された。それに対して、亜鉛移動量が10
質量%を超えるような正極活物質を使用して作製された
セルは上記の特性のすべてが実施例1〜4より低下して
いることが確認された。
【0035】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のアルカリ二次電池は、大電流特性および短絡放置後
の容量回復特性に優れ、しかも、非常に強固で高い導電
性を有するコバルト導電マトリックスを形成する正極活
物質を使用すると同時に、その正極活物質からの亜鉛の
移動量を一定範囲に規制することにより、高温貯蔵時、
長期貯蔵時における容量低下の抑制、サイクル特性の向
上、かつコストの低減を実現したものであり、その工業
的価値は極めて高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月23日(2001.3.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】具体的には、亜鉛を固溶した水酸化ニッケ
ル5.5gを80℃、6mol/lの水酸化カリウム水溶液
50mlに30分間浸漬する方法が簡便であり、この簡
易評価方法において亜鉛溶解率が10質量%以下である
ものは、電池に組み込んで充放電を行った後での移動量
も概ね10質量%以下であると見なすことができる。な
お、この簡易評価法は、上記の条件に限定されるもので
はなく、例えば、水酸化ニッケル1〜10gを40〜1
00℃、3〜8mol/lの水酸化カリウムまたは水酸化ナ
トリウム20〜100mlに15〜60分間浸漬すると
いう条件範囲の中から適宜選択して決定することが可能
である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】なお、このときマイクロウェーブによる熱
処理条件を様々に変えることにより、亜鉛溶解率の異な
る数種の活物質を得た。 b)活物質の評価 上記の活物質が、コバルトの2価から3価への酸化率が
80%程度であること(導電性の高いオキシ水酸化ニッ
ケルが形成されていること)を確認し、それらの活物質
をそれぞれ5.5g採取し、80℃の6mol/lの水酸化
カリウム溶液50mlに30分間浸漬したときの亜鉛の
溶解量をICP発分光分析にて測定し、下記の計算式
により活物質の亜鉛溶解率を算出した。なお、活物質中
の亜鉛含有率は活物質を酸溶解して、ICP発光分光分
析により亜鉛量を求めたときの値である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【数1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 邦彦 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H028 AA06 BB03 BB05 BB10 BB15 CC10 EE01 EE05 HH00 HH01 5H050 AA02 AA05 AA07 BA11 CB14 CB17 DA09 EA12 EA23 EA24 EA28 GA02 GA14 GA27 HA00 HA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を固溶したニッケル酸化物を主成分
    とした活物質を有する正極、負極、セパレータおよびア
    ルカリ電解液を備えたアルカリ二次電池において、充放
    電後に前記正極活物質中の亜鉛が前記アルカリ電解液中
    に溶解して、前記正極以外の部分へ移動する量が全亜鉛
    量に対して10質量%以下であることを特徴とするアル
    カリ二次電池。
  2. 【請求項2】 電池の組立時に用いる前記負極、セパレ
    ータおよび電解液には亜鉛が含有されていない請求項1
    に記載のアルカリ二次電池。
  3. 【請求項3】 電池の組立時に用いる正極活物質におい
    て、その活物質を高温、高濃度のアルカリ水溶液に浸漬
    したときの前記亜鉛の溶解率が、前記活物質中に含有さ
    れる全亜鉛量に対して10質量%以下である請求項1ま
    たは2に記載のアルカリ二次電池。
  4. 【請求項4】 前記ニッケル酸化物が、水酸化ニッケル
    を主成分とする粒子表面にコバルト化合物が被覆されて
    いる粉体をアルカリ水溶液と混合しながら酸素存在下で
    幅射線を照射して熱処理を施したもの、あるいは、水酸
    化ニッケルを主成分とする粒子とコバルト金属もしくは
    コバルト化合物が水酸化ニッケルを主成分とする粒子に
    添加されている粉体を撹拌してアルカリ水溶液と混合し
    ながら熱処理を施したものである請求項1〜3のいずれ
    かに記載のアルカリ二次電池。
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