JP2002006595A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2002006595A
JP2002006595A JP2000185707A JP2000185707A JP2002006595A JP 2002006595 A JP2002006595 A JP 2002006595A JP 2000185707 A JP2000185707 A JP 2000185707A JP 2000185707 A JP2000185707 A JP 2000185707A JP 2002006595 A JP2002006595 A JP 2002006595A
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順信 坂本
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昭 有本
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    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/12Scanning systems using multifaceted mirrors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真装置においてアナログ印刷を行う
際、低露光レベルでの露光強度と動作電流の非線形性を
改善し高精細階調印刷を達成する。 【解決手段】 電子写真装置の露光光学系において、光
源である半導体レーザを含む光路の一部に可飽和吸収特
性を有する領域(可飽和吸収体)を設け、光強度の弱い
状態における動作電流の非線形性を改善する。可飽和吸
収体の例としては、(1)光源になる半導体レーザの一
部に非通電領域を設け、この非通電領域を可飽和吸収体
にする、(2)半導体レーザの端面コーティング膜の一
部に可飽和吸収特性を有する薄膜層を設け、この薄膜層
を可飽和吸収体にする。可飽和吸収体により、光ビーム
の光出力特性が低光出力領域に線形性を示し、印刷ドッ
ト径を等差級数的に変化する印刷ドットとすることがで
き、高精細なレーザ印刷が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログ印刷を行う
電子写真装置に係わり、特に、光強度変調方式のレーザ
プリンタにおいて、半導体レーザから出射させる光ビー
ムの感光ドラム照射位置での光出力電流特性を線形性の
ものとし、これによって光量を複数の規則性の高い階調
レベルに変化させ、直径が等差級数的に変化する印刷ド
ットを発生させて高精細な階調印刷を行う技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アナログ印刷を行う印刷装置として電子
写真装置(電子写真記録装置)が知られている。電子写
真装置の一つとしてレーザプリンタ(レーザビームプリ
ンタ)があるが、このレーザプリンタには、パルス幅変
調方式と光強度変調方式がある。
【0003】光強度変調方式のレーザプリンタは、画像
情報に従って半導体レーザ素子の光出力を制御し、感光
ドラム(光導電体)の表面に結ぶ光ビームのスポットサ
イズを変化させて印刷ドット径を制御して階調印刷を行
う。
【0004】レーザプリンタの画質調整装置について
は、例えば、特開平3−269456号公報に記載され
ている。この文献には、階調印刷の際のレーザダイオー
ド特性の非線形性を感光体の感度レベルを高くして線形
性のよい領域のみを用いることにより解決する技術が開
示されている。
【0005】また、「SID 90 DIGEST」,pp278-299に
は、ドットサイズや印刷位置の修正を行う技術が開示さ
れている。また、IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONIC
S,VOL.QE-21,NO.8,AUGUST 1985,pp1264-1270には、半導
体レーザにおけるモードホッピング雑音について記載さ
れている。
【0006】また、レーザプリンタにおける階調印刷技
術の性能改善を目的として、レーザスポットの光強度分
布を三角形に設定することにより、より小さなスポット
径を制御する技術を本発明者等は提案している(特開平
9−74251号公報)。この文献には、レーザスポッ
トの光強度分布を三角形に設定するため、ストライプ状
導波路の途中(端から約30μm離れた位置)に、レー
ザ端面において基本モードと高次モードの位相がπ/2
となるように約70μmの長さに亘る非通電領域を設け
たことが記載されている。
【0007】なお、半導体レーザのレーザ光を出射する
端面の破壊防止のために、両端面に電流が注入されない
窓領域を設ける技術については、例えば、特開昭62−
65391号公報や特開昭62−179193号公報に
記載された技術がある。しかし、これらの技術では、半
導体レーザの光出力電流特性の線形性改善への利用例は
記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電子写真装置(電子写
真記録装置)は、一様に帯電した光導電体(例えば、感
光ドラム)表面に、画像情報に従って半導体レーザ素子
より出射した光ビームのスポットで走査露光し、前記感
光ドラム表面の電位が零電位まで低下するように電荷を
放出させることにより静電潜像を形成するとともに、前
記走査露光時に光ビームの光量を複数のレベルに変化さ
せることにより前記静電潜像の大きさを変えて階調印刷
を行う機能を有する。
【0009】従来のレーザプリンタにおいては、光源に
なる半導体レーザの光出力を複数の強度に制御すること
によって印刷ドット径を制御して階調印刷を行ってい
る。
【0010】ここで、一般的なレーザプリンタ(レーザ
ビームプリンタ)の露光光学系について、図21を参照
しながら説明する。レーザプリンタによる印刷は、図2
1に示すように半導体レーザ1から出射したレーザ光2
をコリメータレンズ3で平行光線とするとともに、この
平行光線をシリンドリカルレンズ4によってポリゴンミ
ラー5に一旦集光させる構成になっている。ポリゴンミ
ラー5で反射されたレーザ光2は、非球面レンズ集光系
6により光導電体7を塗布したドラム、即ち感光ドラム
8上を感光ドラム8の軸方向に沿って一定速度で走査す
るように集光される。感光ドラム8の表面はあらかじめ
一様に帯電させられており、光ビームを走査すると帯電
電荷が放出され感光ドラム8表面の電位が零電位まで低
下する。
【0011】これにより形成された静電潜像にトナー粒
子を静電的に吸着させることによりトナー像を形成して
印刷を行う。トナーの静電吸着は一定光強度以上の露光
を受けた光導電体表面に発生するため、半導体レーザの
光出力を変化させると印刷されるドットの径(印刷ドッ
ト径)が変化することが可能となり階調印刷が実現でき
る。
【0012】本発明者等は、高精細な階調印刷を得るべ
く露光光学系の分析検討を行っているが、レーザプリン
タの感光ドラムに集光されるスポットによって形成され
る印刷ドットの直径は、印刷ドット径が小さい領域では
規則性の高い階調が得難く、高精細な階調印刷ができ難
いことを知見した。
【0013】即ち、従来のレーザプリンタは、感光ドラ
ムに集光させる光ビームは、半導体レーザ素子から出射
されるレーザ光を前述の光学系を用いて平行光や収束と
なすとともに、光路を変化させることによってレーザ印
刷を行うシステムになっている。従って、感光ドラムに
照射される光ビームの光強度は、光源となる半導体レー
ザ(半導体レーザ素子)の光出力そのものになり、半導
体レーザ素子の特性に大きく依存する。
【0014】一般に半導体レーザ素子の光出力は、低光
出力領域において光出力電流特性の線形性が悪くなると
いうことは知られているが、これがレーザプリンタによ
る高精細な階調印刷に悪い影響を与えることについては
認識されていない。
【0015】即ち、レーザプリンタおいて、階調数が増
大するに伴い利用するレーザ光の光出力の範囲を大きく
とるようになり、低光出力領域も使用せざるを得なくな
りつつある。
【0016】高精細レーザプリンタでは、印刷に使用す
る印刷ドットの直径は、直径が等差級数的に微小に変化
する各印刷ドットで行うことが望まれ、低光出力領域で
の印刷ドット直径の不規則な変化は高精細レーザ印刷を
得難くするものとなる。
【0017】図22(a)は半導体レーザ素子の光出力
電流特性を示すグラフ、図22(b)は等差級数的に直
径が変化する印刷ドットの一例を示す模式図である。ま
た、図22(a)における白丸及び黒丸で示す位置が印
刷ドットを形成する電流位置であり、これら電流値は等
差級数的に選択されている。
【0018】図22(a)において、特性線Aが実際の
特性を示すものであり、特性線Bが階調印刷として望ま
しい理想的特性である。理想的特性を示す特性線Bで
は、光出力が低い部分で明確な変曲点が存在し、この変
曲点以降の電流値が大きい領域では特性線Aは線形性
(直線性)を示す。従って、この線形性を示す領域で電
流値を等差級数的に変化させれば、図22(b)にその
一部を示すが、印刷ドット径を1から7のように順次等
差級数的に変化させることができ、高精細な階調印刷が
達成できる。
【0019】しかし、図22(a)に示すように、半導
体レーザ素子から出射されるレーザ光の光出力は特性線
Aで示されるように光出力の小さい領域(低光出力領
域)では非線形となり、下向きに湾曲する特性を有す
る。従って、この非線形部分をも含む領域で電流値を等
差級数的に変化させると、電流値が高い領域での印刷ド
ット径は等差級数的に変化させることができるが、電流
値が低い部分での印刷ドット径は非等差級数的に変化す
ることになる。この結果、電流値が低い領域で形成され
る印刷ドット径の変化は非等差級数的なものとなり、高
精細なレーザ印刷は難しくなる。
【0020】即ち、従来の半導体レーザ素子を、図22
(a)に示すように、レベル1の出力が得られる電流か
らレベルnの出力が得られる電流まで駆動電流をn分割
して順次駆動する単純な比例制御方法では、光強度を等
間隔のレベルに制御することができず、高精細なレーザ
印刷はでき難くなる。
【0021】このような光出力の非線形性は、電子写真
装置におけるスポット径制御性を向上するための発明
(特開平9−74251号公報記載の発明)や、特開平
3−269456号公報記載の発明においても、光出力
の変化範囲が大きくなると問題が発生する。即ち、特開
平3−269456号公報記載の発明において、感光体
感度を低く設定することにより線形性のよい光出力電流
特性が得られる光出力範囲を利用することは、階調数が
増加すると最大露光レベルの光強度が強くなることを意
味し、半導体レーザの光出力に限界があることから実現
が難しくなるとともに、レーザプリンタの感光体の性能
や寿命の面でも問題が発生した。
【0022】特開平9−74251号公報記載の発明に
おいても、光出力の線形性が良好な範囲で用いれば有効
であるが、低光出力における線形性を改善する設計には
なっておらず、階調印刷の最低露光レベルがある程度高
い光出力である必要があることに関しては特開平3−2
69456号公報記載の発明と同様の問題を有してい
る。
【0023】本発明の目的は、光強度変調方式によって
感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ドットを形成さ
せながら静電潜像を形成させて階調印刷を行う電子写真
装置において、前記感光ドラム照射位置での前記光ビー
ムの光出力特性が低光出力領域においても他の光出力領
域と同様に線形性を示すように補正する手段を半導体レ
ーザ自体に、または半導体レーザから出射されたレーザ
光が通過する通過域に有する電子写真装置を提供するこ
とにある。
【0024】本発明の他の目的は、光強度変調方式によ
って感光ドラム上に形成する印刷ドットの直径を低光出
力領域でも等差級数的に規則性を持って変化させること
ができる高精細階調印刷が可能な電子写真装置を提供す
ることにある。
【0025】本発明の前記ならびにそのほかの目的と新
規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきら
かになるであろう。
【0026】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0027】(1)半導体レーザから出射する光ビーム
を露光光学系によって回転制御される感光ドラム表面に
集光走査させるとともに、前記半導体レーザの光出力を
制御して前記感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ド
ットを形成させながら静電潜像を形成させて階調印刷を
行う電子写真装置であって、前記光ビームの通過域に、
前記感光ドラム照射位置での前記光ビームの光出力特性
が低光出力領域においても線形性を示すように前記半導
体レーザの光出力電流特性を補正する可飽和吸収特性を
示す可飽和吸収体(補正手段)が設けられている。
【0028】可飽和吸収体は、(a)半導体レーザの光
導波構造内、(b)光導波構造(光導波路)から外れた
電極下の絶縁層内、(c)半導体レーザの光導波路の端
面、(d)半導体レーザを組み込んだパッケージの光透
過窓面等に形成する。
【0029】(a)半導体レーザの光導波構造内に可飽
和吸収体を設ける場合、半導体レーザ素子の光導波構
造の一部に形成する非通電領域で可飽和吸収体を構成す
る。
【0030】半導体レーザ素子の光導波路の一部に形
成する電流注入密度が他の領域よりも小さくなる低電流
注入密度部によって可飽和吸収体を構成する。例えば、
低電流注入密度部は複数の非通電領域と複数の通電領域
で形成する。
【0031】半導体レーザの光導波構造内に可飽和吸収
体を設ける場合は、可飽和吸収の強度はしきい値電流の
近傍において自然発光のレーザ光への寄与を打ち消す程
度の量が適当である。
【0032】(b)光導波構造(光導波路)から外れた
電極下の絶縁層内に可飽和吸収体を形成する。即ち、半
導体レーザは、光導波路を規定するストライプ部が設け
られた第1導電型の半導体層と、前記ストライプ部上を
除く前記第1導電型の半導体層上に形成される絶縁層
と、前記絶縁層及び前記ストライプ部上に形成され直接
または第1導電型の1乃至複数の他の半導体層を介して
前記第1導電型の半導体層に電気的に接続される電極と
を有し、前記絶縁層は前記第1導電型の半導体層上に設
けられる酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜上に設
けられるアモルファスシリコン膜と、前記アモルファス
シリコン膜上に形成される酸化シリコン膜とで構成し、
前記アモルファスシリコン膜が可飽和吸収体を構成す
る。
【0033】(c)半導体レーザの光導波路の端面に可
飽和吸収体を設ける例では、半導体レーザ素子(半導体
レーザチップ)の端面に形成する反射膜中にレーザ光に
対し吸収特性を有する薄膜層を設ける。
【0034】(d)半導体レーザを組み込んだパッケー
ジの光透過窓面に可飽和吸収体を設ける場合は、半導体
レーザパッケージの出射窓に設けた反射防止コーティン
グ膜中にレーザ光に対して吸収特性を有する薄膜層を設
ける。
【0035】このような可飽和吸収体は、原理的には光
路中のどの位置に設けても良いが、通常光吸収が十分弱
い光強度で発生するためには、光路中でも光ビームの密
度が特に高い位置に配置することが好ましい。
【0036】前記(1)の手段によれば、可飽和吸収体
は常に所定値光出力を低下させるように作用することか
ら、半導体レーザの光出力電流特性の特性線を全体的に
下方に押し下げるようになり、結果的に感光ドラム照射
位置での光ビームの光出力特性が低光出力領域において
も他の光出力領域と同様に線形性を示すことになり、印
刷ドットを形成する電流値を等差級数的に変化させれ
ば、印刷ドット径が等差級数的に変化する印刷ドットを
高精度に発生させることができる。従って、高精細なレ
ーザ印刷が達成できる。
【0037】この明細書において用いる可飽和吸収特性
は以下の特性を指す。一般に物質中の第1の準位にある
電子が、光子のエネルギーを吸収して第2の準位に遷移
することにより光吸収を行う物質においては、光強度が
十分に強くなると第1の準位にある電子が減少し、第2
の準位にある電子が増加するために光吸収が起き難くな
る。即ち光吸収が飽和する減少が起こりうる。このよう
な光吸収の飽和が起きる条件は2準位間の遷移確率と準
位の密度、及び励起された電子の緩和時間で決定される
ことになる。これらの値が適当な値で使用する半導体レ
ーザの光強度の範囲で光吸収の飽和が起る物体を可飽和
吸収体と呼び、一定レベル以下の光強度では強い光吸収
を持つが光強度がこのレベルを超えた部分の光に対して
は光吸収がほとんどない特性を示す。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を
説明するための全図において、同一機能を有するものは
同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0039】(実施形態1)図1乃至図11は本発明の
一実施形態(実施形態1)である電子写真装置に係わる
図である。本実施形態1では電子写真装置としてレーザ
プリンタに本発明を適用した例について説明する。
【0040】本実施形態1はアナログ印刷を行う光強度
変調方式の電子写真装置(電子写真記録装置)、例えば
レーザプリンタ(レーザビームプリンタ)に本発明を適
用した例について説明する。
【0041】本実施形態1においては、低光出力領域の
光出力電流特性の非線型を補正する補正手段(可飽和吸
収体)は半導体レーザの光導波構造(光導波路)の一部
に設けた非通電領域によって構成されている。
【0042】図1は本実施形態1のレーザプリンタの露
光光学系と半導体レーザ駆動系を示す模式図である。図
1に示すように、半導体レーザ1から出射したレーザ光
2をコリメータレンズ3で平行光線とするとともに、こ
の平行光線をシリンドリカルレンズ4によってポリゴン
ミラー5に一旦集光させる構成になっている。回転制御
されるポリゴンミラー5で反射されたレーザ光2は、非
球面レンズ集光系6により光導電体7を塗布したドラ
ム、即ち感光ドラム8上を感光ドラム8の軸方向に沿っ
て一定速度で走査するように集光される。感光ドラム8
の表面はあらかじめ一様に帯電させられており、光ビー
ムを走査すると帯電電荷が放出され感光ドラム8表面の
電位が零電位まで低下する。また、感光ドラム8は前記
走査に同期して回転制御される。これにより感光ドラム
8の表面には静電潜像が形成される。従って、形成され
た静電潜像にトナー粒子を静電的に吸着させることによ
りトナー像を形成して印刷を行うことができる。
【0043】感光ドラム8の一側には光検出器10が配
置されている。この光検出器10は走査されるレーザ光
2、即ち感光ドラム8に照射される走査ビームの光強度
及びスタート位置を検出させるもので、この検出信号1
1は制御部15に送られる。図示はしない前記光検出器
10は、感光ドラムに隣接して光走査線の上に位置する
ように配置され、ドラムの光走査に先立って検出器に光
信号が入力することによりドラム上の露光信号の位置合
わせを行う。
【0044】制御部15は各処理回路を有するととも
に、図1に示すように、光強度をモニタする光強度モニ
タ回路16、前記光強度モニタ回路16の出力によって
階調データを発生する階調データ発生回路17、前記階
調データ発生回路17の出力信号及び画像情報に基づく
印刷信号を入力として信号処理を行う信号処理回路18
と、前記信号処理回路18の出力信号を入力として半導
体レーザ1を駆動させるレーザ駆動回路19を有する。
【0045】前記階調データ発生回路17は前記光強度
モニタ回路16の出力信号に基づいて階調データ信号を
発生する。階調データ信号は、基本最低信号P0及び基
本最高信号PNを含み、例えば等差級数的に変化するP0
〜PNの階調データ信号を発生する。これにより、半導
体レーザ1は前記階調データ信号P0〜PNに対応する信
号によって駆動電流を制御されることになり、等差級数
的に変化する印刷ドットが感光ドラム8の表面に形成す
ることになる。感光ドラム8面には直径の異なる印刷ド
ット(静電潜像)が表示されている。
【0046】図2は光検出器10から出力される検出信
号11に基づく階調印刷のシステムを示すフローチャー
トである。最初に感光ドラム8の表面に到達する光出力
の補正を行う。
【0047】ステップ101(S101)に示すよう
に、半導体レーザ1を基本最低信号P 0の光出力となる
ように駆動制御した際の検出信号11を、予め定めた設
定値と比較し、一致すればS102に進む。不一致の場
合はS201に進み、検出信号11がP0の光出力にな
るように半導体レーザ1の駆動電流の修正を行うととも
に、この修正情報を制御部15にフィードバックする。
【0048】S102では、半導体レーザ1を基本最高
信号PNの光出力となるように駆動制御した際の検出信
号11を、予め定めた設定値と比較し、一致すればS1
03に進む。不一致の場合はS202に進み、検出信号
11がPNの光出力になるように半導体レーザ1の駆動
電流の修正を行うとともに、この修正情報を制御部15
にフィードバックする。
【0049】S103では、前記S101及びS201
と、前記S102及びS202の補正の基に、階調印刷
を行うための光出力Pnが演算にて決定され、かつ出力
される。
【0050】この出力信号と、ホストコンピュータから
送られて来る印刷信号12を基に、S104でその都度
の半導体レーザ1の駆動信号が発生され、半導体レーザ
1を駆動させる。前記光出力Pnは下記の数1で与えら
れる。
【0051】
【数1】 ここで、Nは階調数である。
【0052】本実施形態1では、図3の光出力電流特性
に示すように、特性線がしきい値から最大光出力に及ぶ
領域で直線性(線形性)を示す半導体レーザを使用する
ことから、半導体レーザに印加する電流を等差級数的に
変化させて階調印刷のための駆動を行った場合、感光ド
ラム8の表面での印刷ドット径は、等差級数的に変化す
るようになる。図3では、しきい値、即ち変曲点の最も
低い光出力の電流値を1とし、最大光出力時の電流値を
7とし、等差級数的に電流値を1〜7と変化させた場
合、前記印刷ドットは、1〜7で示すように印刷ドット
の直径(印刷ドット径)が等差級数的に変化し、階調度
は規則性高く制御される。
【0053】次に、半導体レーザについて説明する。な
お、半導体レーザまたはレーザダイオードは広くその呼
称が使われるが、一般には半導体レーザを化合物半導体
に作り込んだものを半導体レーザ素子または半導体レー
ザチップと呼称し、前記半導体レーザ素子をパッケージ
に組み込んだものを半導体レーザ装置と呼称する。
【0054】本発明は、以下に示すが、前記感光ドラム
面での印刷ドットの直径を等差級数的に規則正しく変化
させて階調印刷するための補正手段(可飽和吸収特性を
示す可飽和吸収体)を、半導体レーザを構成する半導体
レーザ素子内部に設ける構成、半導体レーザ素子の光出
射面に設ける構成、半導体レーザを構成する半導体レー
ザ装置のパッケージに設けられた光透過窓面に設ける構
成等がある。従って、以下の説明では、半導体レーザ以
外に半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)、半導体
レーザ装置なる呼称を用いて各実施形態について説明す
る。
【0055】本実施形態1は半導体レーザ素子内部に補
正手段としての可飽和吸収体を設ける構成である。図4
は前記半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)30を
組み込んだ半導体レーザ装置21であり、図1では半導
体レーザ1と呼称しているものである。
【0056】半導体レーザ装置21のパッケージ22
は、円板状の金属製ステム23と、このステム23の上
面を被うように気密的に固定された中空のキャップ24
とで構成されている。前記キャップ24の上部中央は貫
通穴が形成されているとともに、この穴を気密的に塞ぐ
ように透明なガラス板25が設けられている。この穴と
ガラス板25によってレーザ光が透過する光透過窓が形
成される。
【0057】ステム23には3本のリード26が固定さ
れている。2本のリード26はステム23を貫通しかつ
絶縁体を介して電気的に絶縁された状態でステム23に
固定され、内端をパッケージ22内に臨ませている。1
本のリード26はステム23に接続されステム23と同
電位になる。
【0058】ステム23の上面には金属製のヒートシン
ク27が固定され、このヒートシンク27には半導体レ
ーザ素子30が固定されている。実際には半導体レーザ
素子30は微小で取扱が難しいことから小片のサブマウ
ントに固定され、このサブマウントをヒートシンク27
に固定するのが一般的であるが、ここでは省略する。半
導体レーザ素子30の下部電極はステム23に電気的に
接続される。
【0059】半導体レーザ素子30は、その前方出射面
が前記ガラス板25に対面するとともに、後方出射面は
ステム23の上面に対面し、かつこの姿勢でヒートシン
ク27に固定されている。後方出射光を受光するため、
ステム23の上面には受光素子28が固定されている。
この受光素子28の下部電極もステム23に電気的に接
続されている。
【0060】また、ステム23に電気的に絶縁状態で固
定された一方のリード26の内端は導電性のワイヤ29
を介して半導体レーザ素子30の上部電極に固定され、
他方のリード26の内端は導電性のワイヤ29を介して
受光素子28の上部電極に固定されている。
【0061】半導体レーザ素子30の上・下部電極にそ
れぞれ電気的に接続される一対のリード26間に所定の
電圧を印加することによって半導体レーザ素子30の出
射面からレーザ光(前方出射光,後方出射光)2が出射
する。後方出射光の光強度は受光素子28でモニタされ
る。
【0062】次に、図5乃至図10を用いて、半導体レ
ーザ素子の構造とその特性について説明する。なお、図
5は半導体レーザ素子の平面図、図6は図5のA−A線
に沿う断面図、図7は図5のB−B線に沿う非通電領域
を含む断面図、図8は図5のC−C線に沿う断面図であ
る。
【0063】半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)
30は、図5乃至図8に示すように、n型GaAs基板
31上に複数の半導体層をそれぞれ所定のパターンに形
成した矩形体構造となるとともに、上面にアノード電極
42を、下面にカソード電極43を有し、レーザ光2を
出射する両出射面にそれぞれ反射膜44,45を有する
構造になっている。
【0064】半導体レーザ素子30は、図6乃至図8に
示すように、n型GaAs基板31上に厚さ1.8μ
m,不純物(Se)濃度が7×1017cm-3になるAl
0.5Ga0.5Asで構成されるn型クラッド層32、多重
量子井戸活性層33、厚さ1.8μm,不純物(Zn)
濃度が1×1018cm-3になるAl0.5Ga0.5Asで構
成されるp型クラッド層34、厚さ20nm,不純物
(Zn)濃度が1×10 19cm-3になるGaAsで構成
されるp型キャップ層35が順次形成されている。多重
量子井戸活性層33は3層のAl0.1Ga0.9Asウエル
層(厚さ7nm)とこれを挟む4層のAl0.3Ga0.7
s障壁層(厚さ4nm)からなっている。
【0065】p型キャップ層35及びp型クラッド層3
4は、半導体レーザ素子30の中央に沿って幅4μm程
度のストライプ状領域38を構成している。このストラ
イプ状領域38は、n型GaAs基板31上に順次半導
体層(最上層はp型キャップ層35)を形成した後、残
留厚さ0.3μm程度まで行う選択的エッチングによっ
て形成される。
【0066】一方、前記p型クラッド層34を取り除い
た領域にGaAsで構成されるn−電流ブロック層39
が形成されている。多重量子井戸活性層33のストライ
プ状領域38に略対応する領域が共振器(光導波路)を
構成するが、図5及び図6に示すように、前記n−電流
ブロック層39はp型キャップ層35を光導波路方向に
沿って一定の長さ(Lb)被う。ストライプ状領域38
に対応して選択的に形成されたn−電流ブロック層39
の領域は電流が遮蔽されることから、光導波路の一部で
は電流が供給されなくなり、非通電領域40となる。可
飽和吸収特性を示す可飽和吸収体は光導波路とこの光導
波路上に選択的に形成されるn−電流ブロック層39に
よって形成される。非通電領域40、即ち可飽和吸収領
域の長さも略Lbとなる。
【0067】前記n−電流ブロック層39及び露出する
p型キャップ層35上には、キャップ層となるp−Ga
As層41が設けられている。このp−GaAs層41
上にはアノード電極42が形成され、n型GaAs基板
31の下面にはカソード電極43が形成されている。
【0068】半導体レーザ素子30は、1枚の径の大き
な半導体基板(ウエハと呼称)に半導体レーザ素子とな
る素子部分(チップ部分)を縦横に整列形成した後、結
晶を劈開させて短冊体を形成し、その後両劈開面に反射
膜44,45を設け、次いで各素子部分の境界で分割し
て半導体レーザ素子30を形成する。従って、反射膜4
4,45は、図5に示すようにレーザ光2を出射する出
射面にそれぞれ設けられることになる。
【0069】反射膜44,45の反射率は、一方の前方
出射面では出射するレーザ光を使用するためレーザ光の
光出力が大きく、他方の後方出射面ではレーザ光の光強
度を測定するためのモニタ光として使用することから光
出力が小さくなるように選択される。例えば、前方出射
面の反射膜44の反射率は60%となり、後方出射面の
反射膜45の反射率は80%となる。
【0070】このような半導体レーザ素子30では、ア
ノード電極42とカソード電極43との間に所定の電圧
を印加すると、多重量子井戸活性層33のストライプ状
領域38に略対応する領域が共振器(光導波路)を構成
し、その両端の出射面からレーザ光2を出射する。
【0071】しかし、本実施形態1の半導体レーザ素子
30においては、図6に示すように、光導波路に対応す
るp型キャップ層35の上面にn−電流ブロック層39
が部分的に設けられていることから、n−電流ブロック
層39に対応する多重量子井戸活性層33部分、即ち光
導波路部分では、図6に示すように電流が流れない非通
電領域40が発生し、可飽和吸収特性を示す可飽和吸収
体が構成されることになる。
【0072】そして、この可飽和吸収体の可飽和吸収特
性により、半導体レーザ素子30の特性は、図3に示す
ように電流値を等差級数的に変化させてレーザ光を出射
した場合、印刷ドット径も等差級数的に変化するように
なり、高精細の階調印刷が可能になる。
【0073】この点について説明するならば、非通電領
域40の活性層(多重量子井戸活性層33)は可飽和吸
収特性を示し、低出力の時には光を吸収するため、発振
初期の下方に湾曲した光出力電流特性を有する領域では
光が吸収されるが、光強度が一定レベルを超えると光吸
収が飽和しレーザ光が出射し始める。可飽和吸収領域の
長さが長い場合は図9の可飽和吸収領域長(Lb)が4
5μmの場合に典型的に見られるように動作電流が一定
値を超えると急激に光出力が増大する特性が得られる。
Lbが15μmの場合はこのような可飽和吸収特性が若
干残っているが、Lbが8μmでは典型的な可飽和吸収
特性は見られず、光吸収と光出力電流特性の非線形性が
打ち消しあい線形性の良好な光出力電流特性が得られ
る。これにより、半導体レーザの光出力が電流に比例し
て変化する状態が低出力から得られることになる。
【0074】図9では、光出力の非線形性を直線部分か
らの延長線と電流軸との交点と実際のしきい値電流の差
で表し、非励起領域長との関係を図示すると図10のよ
うになっている。実験結果より可飽和吸収領域の長さは
5から15μmの範囲に制御することが適当であった。
このような実験結果は、半導体レーザの共振器長300
μmにσ/gの値0.01〜0.03を掛けて得られる
値3〜9μmと比較しても妥当な値と言える。
【0075】ここで、従来の半導体レーザの低光出力領
域で現れる非線形性について説明する。低光出力領域で
前記のような光出力電流特性の非線形性が生じる原因
は、光利得を持つ半導体レーザの活性層では通電によっ
て注入された荷電粒子(電子及びホール)がレーザ光に
よる誘導再結合の他に、自然再結合によっても発光再結
合し、この時放出された光がレーザ光に取り込まれるた
めである。自然発光の効果が無い場合、荷電粒子の再結
合確率はレーザ光の強度に比例するため、共振器内部を
往復するレーザ光はexp(2gL)倍に増幅される。
ここで、gは注入電流に比例する利得係数、Lは共振器
長さである。
【0076】一方、共振器内のレーザ光は端面から反射
率に応じて放出されて失われるので、増幅と損失が等し
くなる下記数2の条件を満たしたときにレーザ発振が開
始する。
【0077】
【数2】exp〔g(I)・L〕×R=1 ここで、g(I)は半導体レーザの光利得、Lは共振器
長、Rはレーザ端面の反射率である。
【0078】一旦、レーザ発振が開始すると、レーザ共
振器は数2の条件を満たす状態で安定するので、しきい
値電流を越えて注入された荷電粒子はすべて光に変換さ
れ、レーザ発振開始後は注入電流と光出力は線形の依存
性を持つと考えられる。
【0079】しかし、自然発光のレーザ光への寄与を考
慮すると、共振器内の光強度は下記数3のような微分方
程式を満たすことが必要となり、共振条件は下記数4の
ような光強度に依存するものとなり、前記のような非線
形性が生じる。
【0080】
【数3】
【0081】
【数4】 以上の式において、σ(I)は自然発光強度、Pはレー
ザ出力強度である。
【0082】本実施形態1においては、半導体レーザの
低光出力領域で非線形部分が現れ難くするため、パラメ
ータσ/gを選択して非線形部分が線形性になるように
している。即ち、実際の半導体レーザにおいて、非線形
性を決定するパラメータσ/gは、下記数5により実験
的に求めることができる。
【0083】
【数5】 数5において、Vは動作電圧、Ithはしきい値電流、α
losは半導体レーザの共振器損失、Γは活性層のレーザ
光に対する結合係数である。
【0084】そこで、本発明の実施形態1として挙げて
いる構造では、σ/gが0.01〜0.03程度の値と
なるように光導波路の一部に可飽和吸収特性を示す可飽
和吸収領域が設けられている。本実施形態1の半導体レ
ーザ素子30の光強度は0.2mWから5mWまでほぼ
直線的な光出力電流特性が得られた。
【0085】他方、半導体レーザのしきい値電流は動作
温度により変化するため、本実施形態1のレーザプリン
タにおいては最低の光出力レベルと最大の光出力レベル
を補正回路により補正し、この時の電流をI1及びIN
し、これに基づき光出力レベルnを得るための電流In
を下記の数6を用いて計算し階調印刷を行った。
【0086】
【数6】In=I1+(n−1)・(In−I1)/N ここで、Nは全レベルの数である。
【0087】光源の発光特性の直線性のためにこのよう
な単純な帰還制御により各レベルの光強度の安定性を良
好に制御することが可能となり、周辺温度の変化等に影
響されずに良好な階調印刷を安定性良く得ることが可能
になった。
【0088】以上のような特性を有する半導体レーザ素
子30を用いる電子写真装置では、感光ドラム8の表面
での光強度が0.2mWから5mWまでほぼ直線的な光
出力電流特性が得られた。
【0089】本実施形態1によれば、以下の効果を有す
る。 (1)可飽和吸収体(補正手段)は常に所定値光出力を
低下させるように作用することから、半導体レーザの光
出力電流特性の特性線を全体的に下方に押し下げるよう
になり、結果的に感光ドラム照射位置での光ビームの光
出力特性が低光出力領域においても他の光出力領域と同
様に線形性を示すことになる。 (2)従って、前記(1)により、感光ドラム8の表面
に形成する印刷ドットを、半導体レーザ1を駆動する電
流値を等差級数的に変化させて形成することにより、形
成される印刷ドットはその直径が等差級数的に変化する
ことになる。 (3)前記(2)に示すような等差級数的に変化する印
刷ドットを用いて行う印刷は、低光出力領域から高光出
力領域に亘って高精細な階調レーザ印刷が可能になる。
【0090】(実施形態2)本実施形態2は、前記実施
形態1と同様に半導体レーザ素子内部に補正手段として
の可飽和吸収体を設ける構成である。また、本実施形態
2は、半導体レーザとして動作電流を低減すると共に可
飽和吸収特性の制御性を改善した構造となっている。本
実施形態2では、半導体レーザ素子の光導波路の一部に
形成する電流注入密度が他の領域よりも小さくなる低電
流注入密度部によって可飽和吸収体を構成する。例え
ば、低電流注入密度部は複数の非通電領域と複数の通電
領域で形成する。半導体レーザの光導波構造内に可飽和
吸収体を設ける場合は、可飽和吸収の強度はしきい値電
流の近傍において自然発光のレーザ光への寄与を打ち消
す程度の量が適当である。
【0091】図11乃至図14は本発明の他の実施形態
(実施形態2)に係わる半導体レーザ素子を示す図であ
り、図11は半導体レーザ素子の平面図、図12は図1
1のA−A線に沿う断面図、図13は図12のB−B線
に沿う断面図、図14は図12のC−C線に沿う断面図
である。
【0092】半導体レーザ素子30は、図11乃至図1
4に示すように、n型GaAs基板51上に複数の半導
体層をそれぞれ所定のパターンに形成した矩形体構造と
なるとともに、上面にアノード電極42を、下面にカソ
ード電極43を有し、レーザ光2を出射する両出射面に
それぞれ反射膜44,45(図11参照)を有する構造
になっている。
【0093】半導体レーザ素子30は、図12乃至図1
4に示すように、n型GaAs基板51を基に形成され
ている。このn型GaAs基板51の面方位は(10
0)面から〔110〕方向に約15度ずれている。
【0094】このn型GaAs基板51上に厚さ1.8
μm,不純物(Se)濃度が1×1018cm-3になる
(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pで構成されるn型クラ
ッド層52、多重量子井戸活性層53、厚さ1.6μ
m,不純物(Zn)濃度が7×1017cm-3になる(A
0.7Ga0.30.5In0.5Pで構成されるp型クラッド
層54、厚さ0.2μm,不純物(Zn)濃度が1×1
19cm-3になるGaAsで構成されるp型キャップ層
55が順次形成されている。多重量子井戸活性層53は
4層のGa0.5In0.5Pウエル層(厚さ7nm)とこれ
を挟む5層の(Al 0.7Ga0.30.5In0.5Pバリア層
(厚さ4nm)からなっている。
【0095】p型キャップ層55及びp型クラッド層5
4は、半導体レーザ素子30の中央に沿って幅4μm程
度のストライプ状領域56を構成している。このストラ
イプ状領域56は、n型GaAs基板51上に順次半導
体層(最上層はp型キャップ層55)を形成した後、残
留厚さ0.3μm程度まで行うエッチングによって形成
される。前記p型キャップ層55の表層部分には所定の
深さに亘って亜鉛が拡散されてオーミックコンタクト層
となるp+型GaAs層57が形成されている。
【0096】前記ストライプ状領域56を形成する場
合、平坦なp型キャップ層55の上面全域に酸化亜鉛膜
を形成した後、この酸化亜鉛膜を選択除去(エッチン
グ)して、前記ストライプ状領域56に対応するように
設ける。その後、この酸化亜鉛膜をマスクとしてp型ク
ラッド層54が厚さ0.3μm程度になるまでエッチン
グしてストライプ状領域56を形成する。次に、残留す
る酸化亜鉛膜を拡散源として亜鉛拡散を行い前記p+
GaAs層57を形成する。
【0097】次に、n型GaAs基板51の主面(図1
3及び図14で上面)全域に酸化シリコン膜58を形成
した後に、前記酸化亜鉛膜を塩酸系のエッチング液でエ
ッチング除去することにより酸化亜鉛膜上に堆積した酸
化シリコン膜を除去する。酸化シリコン膜58はストラ
イプ状領域56の側面からp型クラッド層54上に亘っ
て設けられるとともに、図13及び図12に示すよう
に、ストライプ状領域56を横切るように設けられる。
前記ストライプ状領域56を横切る酸化シリコン膜58
は電流阻止部59を形成し、本実施形態2では平行に複
数設けられ、各電流阻止部59は細長部となっている。
【0098】前記電流阻止部59は、光導波路の中間部
分に対応して形成し、例えば、電流阻止部59の長さは
2μm程度で、電流阻止部59と電流阻止部59との間
隔は4μm程度である。電流阻止部59は例えば、5〜
6個設けられ、これら電流阻止部59が存在する領域は
可飽和吸収特性を示す可飽和吸収領域(可飽和吸収体)
を構成する。この可飽和吸収領域長は30μm前後の長
さとなる。
【0099】本実施形態1の半導体レーザ素子30は、
アノード電極42とカソード電極43との間に所定の電
圧を印加することによって、ストライプ状領域56に対
応する多重量子井戸活性層53による光導波路(共振
器)の両端からレーザ光2を出射する。この際、電流は
アノード電極42からp+型GaAs層57,p型キャ
ップ層55,p型クラッド層54,多重量子井戸活性層
53,n型クラッド層52,n型GaAs基板51を通
ってカソード電極43に流れるが、電流阻止部59に対
応する多重量子井戸活性層領域では電流が流れず、可飽
和吸収特性を示す可飽和吸収体が構成されることにな
る。
【0100】この結果、半導体レーザ素子30の光出力
電流特性は、前記実施形態1と同様に低出力の時には光
を吸収するため、発振初期の下方に湾曲した光出力電流
特性を有する領域では光が吸収されるが、光強度が一定
レベルを超えると光吸収が飽和しレーザ光が出射し始
め、図3のような光出力電流特性が得られる。
【0101】これにより、半導体レーザの光出力が電流
に比例して変化する状態が低出力から得られることにな
る。可飽和吸収領域に部分的に電流注入することにより
この領域の活性層の光吸収の強さを全く通電しない場合
に比べ小さく出来るので、可飽和吸収領域の長さの許容
範囲が長くなる他、可飽和吸収による動作電流の増大を
小さく押えることが可能となる。
【0102】本実施形態2においてはストライプの全長
300μmに対し30μmの可飽和吸収領域を設けるこ
とにより良好な特性が得られた。以上のような装置構成
により、光強度0.2mWから5mWまでほぼ直線的な
光出力電流特性が得られ、制御性の良好な階調印刷が実
現できた。
【0103】本実施形態においては端面発光型半導体レ
ーザの端面反射膜として可飽和吸収体を含む膜を設ける
例を述べているが、同様の原理を面発光型半導体レーザ
に設けるブラッグ反射鏡に適用することも可能である。
また、可飽和吸収体としては適量の可飽和吸収特性を有
する物質であればアモルファスシリコンに限定する必要
はない。
【0104】(実施形態3)図15及び図16は本発明
の他の実施形態(実施形態3)である半導体レーザ素子
に係わる図であり、図15は半導体レーザ素子の断面
図、図16は半導体レーザ素子の一端に設けた高反射膜
を示す模式的断面図である。
【0105】本実施形態3は、可飽和吸収体を半導体レ
ーザの光導波路の端面に設けた例である。本実施形態3
の半導体レーザ素子30は、前記実施形態2の半導体レ
ーザ素子30において、p型キャップ層55上に電流阻
止部59を設けない構造であり、反射膜44,45のう
ち前方出射面に設ける反射膜44内に可飽和吸収特性を
示す可飽和吸収体として薄膜層、例えばシリコン膜65
を設けるものである。
【0106】一般に、反射膜44,45は酸化シリコン
(SiO2)膜、窒化シリコン(SiN)膜などのレー
ザ光に対し吸収のない誘電体膜により出射端面をコーテ
ィングすることが一般的に行われるが、本実施形態3に
おいては図15及び図16に示すようにSiN膜63と
SiO2膜64の誘電体多層膜中に厚さ5nmのシリコ
ン膜65を設けることにより可飽和吸収体を構成して可
飽和吸収特性を得ている。
【0107】半導体レーザ素子30の前方出射面には、
図16に示すように、前方出射面上に窒化シリコン(S
iN)膜63,酸化シリコン(SiO2)膜64,Si
N膜63,シリコン層65,SiO2膜64,SiN膜
63と順次重なるように設けられている。前記SiN膜
63及びSiO2膜64は、レーザ光2の波長(λ)の
1/4の厚さになっている。また、シリコン膜65はS
iN膜63とSiO2膜64との間であれば他の箇所で
も良い。本実施形態3では、前方出射面の反射膜44の
反射率は60〜80%となり、後方出射面のシリコン膜
65を含む反射膜45の反射率は60%程度になる。
【0108】本実施形態3の半導体レーザ素子30は、
低出力の時にはシリコン膜65が光を吸収するため、発
振初期の下方に湾曲した光出力電流特性を有する領域で
は光が吸収されるが、光強度が一定レベルを超えると光
吸収が飽和しレーザ光が出射し始め、前記実施形態1と
同様に図3に示すような光出力電流特性が得られる。こ
れにより、半導体レーザの光出力が電流に比例して変化
する状態が低出力から得られることになる。以上のよう
な装置構成により、光強度0.2mWから5mWまでほ
ぼ直線的な光出力電流特性が得られ、制御性の良好な階
調印刷が実現できた。
【0109】(実施形態4)図17及び図18は本発明
の他の実施形態(実施形態4)である半導体レーザ装置
に係わる図であり、図17は半導体レーザ装置の断面
図、図18は半導体レーザ装置の光透過窓面に設けたコ
ーティング膜を示す模式的断面図である。本実施形態4
は可飽和吸収体を半導体レーザを組み込んだパッケージ
の光透過窓面に形成する例である。
【0110】本実施形態4の半導体レーザ装置21は、
前記実施形態1の半導体レーザ装置21において、パッ
ケージ22を構成するキャップ24の光透過窓面、換言
するならば、光透過窓を構成するガラス板25の一面、
例えば、外面に可飽和吸収特性を有する可飽和吸収体と
しての薄膜層を含む無反射コーティング膜70を形成
し、光出力電流特性の直線性を改善したものである。薄
膜層は、例えば、シリコン膜73で構成する。
【0111】通常の半導体レーザ装置においては、パッ
ケージの光透過窓面に酸化シリコン、窒化シリコンなど
のレーザ光に対し吸収のない誘電体膜の出射端面を無反
射コーティングを行って、図17に示すように、無反射
コーティング膜70を形成することが一般的である。本
実施形態4では、図18に示すように、前記ガラス板2
5の一面に形成する無反射コーティング膜70内にシリ
コン膜73を形成したものである。図18に示すよう
に、ガラス板25の一面には、SiN膜71とSiO2
膜72を4周期形成し、その3周期目のSiN膜71と
SiO2膜72の間に5nmの厚さのシリコン膜73を
挿入させた構造になっている。
【0112】前記SiN膜71及びSiO2膜72は、
レーザ光2の波長(λ)の1/4の厚さになっている。
また、シリコン膜73はSiN膜71とSiO2膜72
との間であれば他の箇所での挿入でもよい。
【0113】SiN膜71とSiO2膜72からなる誘
電体多層膜中に厚さ5nmのシリコン膜73を設けるこ
とにより可飽和吸収特性を得ることができる。従って、
低出力の時にはシリコン膜73が光を吸収するため、発
振初期の下方に湾曲した光出力電流特性を有する領域で
は光が吸収されるが、光強度が一定レベルを超えると光
吸収が飽和しレーザ光が出射し始め、前記実施形態1の
場合と同様に図3に示すような光出力電流特性が得られ
る。これにより、半導体レーザの光出力が電流に比例し
て変化する状態が低出力から得られることになる。以上
のような装置構成により、光強度0.2mWから5mW
までほぼ直線的な光出力電流特性が得られ、制御性の良
好な階調印刷が実現できた。
【0114】(実施形態5)図19及び図20は本発明
の他の実施形態(実施形態5)である半導体レーザ素子
に係わる図であり、図19は半導体レーザ素子の断面
図、図20は半導体レーザ素子の一部を示す断面図であ
る。本実施形態5では、可飽和吸収体を半導体レーザ素
子の光導波構造(光導波路)から外れた電極下の絶縁層
内に形成する例を示す。
【0115】本実施形態5の半導体レーザ素子30は、
前記実施形態2の半導体レーザ素子30において、p型
キャップ層55上に電流阻止部59を設けない構造であ
る。そして、図19及び図20に示すように、ストライ
プ状領域56(ストライプ部)上を除くp型クラッド層
54及びp型キャップ層55に接するように設けられる
酸化シリコン膜58の中層に、可飽和吸収特性を示す可
飽和吸収体としてアモルファスシリコン膜77を設ける
構造になっている。即ち、図20に示すように、p型ク
ラッド層54及びp型キャップ層55に接するように酸
化シリコン膜58aを設け、この酸化シリコン膜58a
上にアモルファスシリコン膜77を形成し、ついでこの
アモルファスシリコン膜77上に酸化シリコン膜58b
を設けた構造になっている。
【0116】本実施形態5では、アモルファスシリコン
は含有する水素または窒素の量により禁制帯幅が1.6
eVから2.0eVの範囲で制御可能であり、波長70
0nm以下のレーザ光に対し光吸収係数を有するように
設計することが可能であった。また、アモルファスシリ
コン中の再結合中心を水素または窒素により不活性化す
ることにより比較的少ない光で光吸収が飽和する構造を
設計可能であった。さらに、絶縁膜をこのような多層膜
とすることにより絶縁膜によって発生する応力を緩和す
る働きも有り、半導体レーザの信頼性向上に対しても有
効であった。
【0117】従って、本実施形態の半導体レーザ素子3
0は、前記各実施形態同様に発振初期の下方に湾曲した
光出力電流特性を有する領域では光が吸収されるが、光
強度が一定レベルを超えると光吸収が飽和しレーザ光が
出射し始め、図3に示すような光出力電流特性が得られ
る。これにより、半導体レーザの光出力が電流に比例し
て変化する状態が低出力から得られることになる。以上
のような装置構成により、光強度0.2mWから5mW
までほぼ直線的な光出力電流特性が得られ、制御性の良
好な階調印刷が実現できた。
【0118】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない、即ち本
発明では、可飽和吸収体は、原理的には光路中のどの位
置に設けても良いが、通常光吸収が十分弱い光強度で発
生するためには、光路中でも光ビームの密度が特に高い
位置に配置することが好ましい。
【0119】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるレーザ
プリンタ技術に適用した場合について説明したが、それ
に限定されるものではなく、たとえば、電子写真技術な
どに適用できる。本発明は少なくとも低光出力領域から
高光出力領域に亘る光出力電流特性が線形性を必要とす
る技術には適用できる。
【0120】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。 (1)低強度の露光レベルまで露光強度を変化する必要
のある多段の階調印刷技術において、低光強度まで良好
な特性の光出力電流特性が実現可能であり、多段階の階
調印刷制御を容易に行うことが可能となった。 (2)光強度変調方式による階調印刷において、感光ド
ラム照射位置での光ビームの光出力特性が低光出力領域
においても他の光出力領域と同様に線形性を示すように
できるため、高精細な階調印刷が可能になった。 (3)光強度変調方式によって感光ドラム上に形成する
印刷ドットの直径を低光出力領域でも等差級数的に規則
性を持って変化させることができ、高精細階調印刷が可
能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)であるレー
ザプリンタの露光光学系と半導体レーザ駆動系を示す模
式図である。
【図2】本実施形態1のレーザプリンタにおける光出力
の制御システムを説明するフローチャートである。
【図3】前記レーザプリンタにおける階調印刷と半導体
レーザの光出力との相関を示す模式図である。
【図4】前記半導体レーザ装置を示す模式的断面図であ
る。
【図5】前記半導体レーザ装置に組み込まれる半導体レ
ーザ素子の平面図である。
【図6】図5のA−A線に沿う半導体レーザ素子の断面
図である。
【図7】図5のB−B線に沿う非通電領域を含む半導体
レーザ素子の断面図である。
【図8】図5のC−C線に沿う半導体レーザ素子の断面
図である。
【図9】前記半導体レーザ素子の光出力電流特性を示す
グラフである。
【図10】前記半導体レーザ素子において、非通電領域
長さに対するしきい値電流のずれを示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態(実施形態2)である
半導体レーザ素子の平面図である。
【図12】図11のA−A線に沿う断面図である。
【図13】図12のB−B線に沿う断面図である。
【図14】図12のC−C線に沿う断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態(実施形態3)である
半導体レーザ素子の断面図である。
【図16】本実施形態3において半導体レーザ素子の一
端に設けた高反射膜を示す模式的断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態(実施形態4)である
半導体レーザ装置の断面図である。
【図18】本実施形態4における半導体レーザ装置の光
透過窓面に設けたコーティング膜を示す模式的断面図で
ある。
【図19】本発明の他の実施形態(実施形態5)である
半導体レーザ素子の断面図である。
【図20】本実施形態5の半導体レーザ素子の一部を示
す断面図である。
【図21】従来のレーザプリンタの露光光学系を示す模
式図である。
【図22】従来のレーザプリンタに組み込まれる半導体
レーザ素子の光出力電流特性の理想的特性と実際の特性
を示すグラフ及び階調度が等差級数的に変化する印刷ド
ットを示す模式図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ、2…レーザ光、3…コリメータレン
ズ、4…シリンドリカルレンズ、5…ポリゴンミラー、
6…非球面レンズ集光系、7…光導電体、8…感光ドラ
ム、10…光検出器、11…検出信号、12…印刷信
号、15…制御部、16…光強度モニタ回路、17…階
調データ発生回路、18…信号処理回路、19…レーザ
駆動回路、21…半導体レーザ装置、22…パッケー
ジ、23…ステム、24…キャップ、25…ガラス板、
26…リード、27…ヒートシンク、28…受光素子、
29…ワイヤ、30…半導体レーザ素子(半導体レーザ
チップ)、31…n型GaAs基板、32…n型Al
0.5Ga0.5Asクラッド層、33…多重量子井戸活性
層、34…p型Al0.5Ga0.5Asクラッド層、35…
p型GaAsキャップ層、36…Al0. 1Ga0. 9Asウ
エル層、37…Al0. 3Ga0 . 7As、38…ストライプ
状領域、39…n−GaAs電流ブロック層、40…非
通電領域、41…p−GaAs層、42…アノード電
極、43…カソード電極、44,45…反射膜、51…
n型GaAs基板、52…n型クラッド層、53…多重
量子井戸活性層、54…p型クラッド層、55…p型キ
ャップ層、56…ストライプ状領域、57…p+型Ga
As層、58,58a,58b…酸化シリコン膜、59
…電流阻止部、63…SiN膜、64…SiO2膜、6
5…シリコン膜、70…無反射コーティング膜、71…
SiN膜、72…SiO2膜、73…シリコン膜。
フロントページの続き (72)発明者 坂本 順信 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 有本 昭 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2C362 AA03 AA22 AA33 AA43 AA47 AA54 AA59 AA61 AA63 2H076 AB05 AB12 DA11 5C074 AA05 AA08 BB03 BB26 CC26 DD05 EE02 GG02 5F073 AA13 AA62 AA74 AA83 AB21 AB27 BA07 BA09 CA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザから出射する光ビームを露
    光光学系によって回転制御される感光ドラム表面に集光
    走査させるとともに、前記半導体レーザの光出力を制御
    して前記感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ドット
    を形成させながら静電潜像を形成させて階調印刷を行う
    電子写真装置であって、前記光ビームの通過域に、前記
    感光ドラム照射位置での前記光ビームの光出力特性が低
    光出力領域においても線形性を示すように前記半導体レ
    ーザの光出力電流特性を補正する可飽和吸収特性を示す
    可飽和吸収体が設けられていることを特徴とする電子写
    真装置。
  2. 【請求項2】 半導体レーザから出射する光ビームを露
    光光学系によって回転制御される感光ドラム表面に集光
    走査させるとともに、前記半導体レーザの光出力を制御
    して前記感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ドット
    を形成させながら静電潜像を形成させて階調印刷を行う
    電子写真装置であって、前記半導体レーザを構成する半
    導体レーザ素子の光導波構造内に、前記感光ドラム照射
    位置での前記光ビームの光出力特性が低光出力領域にお
    いても線形性を示すように前記半導体レーザの光出力電
    流特性を補正する可飽和吸収特性を示す可飽和吸収体が
    設けられていることを特徴とする電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記可飽和吸収体は、前記半導体レーザ
    素子の光導波構造の一部に形成する非通電領域で構成さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の電子写真装
    置。
  4. 【請求項4】 前記可飽和吸収体は、前記半導体レーザ
    素子の光導波構造の一部に形成され、電流注入密度が他
    の領域よりも小さくなる低電流注入密度部によって構成
    されていることを特徴とする請求項3に記載の電子写真
    装置。
  5. 【請求項5】 前記低電流注入密度部は複数の非通電領
    域と複数の通電領域で形成されていることを特徴とする
    請求項4に記載の電子写真装置。
  6. 【請求項6】 半導体レーザから出射する光ビームを露
    光光学系によって回転制御される感光ドラム表面に集光
    走査させるとともに、前記半導体レーザの光出力を制御
    して前記感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ドット
    を形成させながら静電潜像を形成させて階調印刷を行う
    電子写真装置であって、 前記半導体レーザは、光導波構造を規定するストライプ
    部が設けられた第1導電型の半導体層と、前記ストライ
    プ部上を除く前記第1導電型の半導体層上に形成される
    絶縁層と、前記絶縁層及び前記ストライプ部上に形成さ
    れ直接または第1導電型の1乃至複数の他の半導体層を
    介して前記第1導電型の半導体層に電気的に接続される
    電極とを有し、 前記絶縁層は前記第1導電型の半導体層上に設けられる
    酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜上に設けられる
    アモルファスシリコン膜と、前記アモルファスシリコン
    膜上に形成される酸化シリコン膜とで構成され、 前記アモルファスシリコン膜が前記感光ドラム照射位置
    での前記光ビームの光出力特性が低光出力領域において
    も他の光出力領域と同様に線形性を示すように前記半導
    体レーザの光出力電流特性を補正する可飽和吸収特性を
    示す可飽和吸収体を構成していることを特徴とする電子
    写真装置。
  7. 【請求項7】 半導体レーザから出射する光ビームを露
    光光学系によって回転制御される感光ドラム表面に集光
    走査させるとともに、前記半導体レーザの光出力を制御
    して前記感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ドット
    を形成させながら静電潜像を形成させて階調印刷を行う
    電子写真装置であって、前記感光ドラム照射位置での前
    記光ビームの光出力特性が、低光出力領域においても線
    形性を示すように、前記半導体レーザの光導波路の端面
    に前記半導体レーザの光出力電流特性を補正する可飽和
    吸収体が設けられていることを特徴とする電子写真装
    置。
  8. 【請求項8】 前記可飽和吸収体は前記半導体レーザの
    光導波路の端面に形成される反射膜に重ねて形成される
    薄膜層で形成されていることを特徴とする請求項7に記
    載の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 半導体レーザから出射する光ビームを露
    光光学系によって回転制御される感光ドラム表面に集光
    走査させるとともに、前記半導体レーザの光出力を制御
    して前記感光ドラムに印刷ドット径が異なる印刷ドット
    を形成させながら静電潜像を形成させて階調印刷を行う
    電子写真装置であって、前記感光ドラム照射位置での前
    記光ビームの光出力特性が、低光出力領域においても線
    形性を示すように、前記半導体レーザを組み込んだ半導
    体レーザ装置の前記レーザ光が透過する光透過窓面に前
    記半導体レーザの光出力電流特性を補正する可飽和吸収
    体が設けられていることを特徴とする電子写真装置。
  10. 【請求項10】 低光出力領域から高光出力領域に及ぶ
    電流を等差級数的に変化させて直径が等差級数的に変化
    する印刷ドットを発生させ、これら各印刷ドットで前記
    感光ドラムに静電潜像を形成して高精細な階調印刷を行
    うことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1
    項に記載の電子写真装置。
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