JP2002006113A - マイクロレンズ用基板の製造方法、マイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板、電気光学装置、液晶パネル用対向基板、液晶パネル、および投射型表示装置 - Google Patents

マイクロレンズ用基板の製造方法、マイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板、電気光学装置、液晶パネル用対向基板、液晶パネル、および投射型表示装置

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JP2002006113A
JP2002006113A JP2000192382A JP2000192382A JP2002006113A JP 2002006113 A JP2002006113 A JP 2002006113A JP 2000192382 A JP2000192382 A JP 2000192382A JP 2000192382 A JP2000192382 A JP 2000192382A JP 2002006113 A JP2002006113 A JP 2002006113A
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JP
Japan
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substrate
etching
liquid crystal
microlens
crystal panel
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JP2000192382A
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English (en)
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Nobuo Shimizu
信雄 清水
Shinichi Yotsuya
真一 四谷
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶パネル等に用いた場合に高いコントラス
ト比および透過率が得られるマイクロレンズ基板を提供
すること。 【解決手段】 マイクロレンズ基板1は、ガラス基板2
9上に凹曲面を有する複数の凹部3が形成されたマイク
ロレンズ用凹部付き基板2と、かかるマイクロレンズ用
凹部付き基板2の凹部3が配設された面に設けられた樹
脂層9と、かかる樹脂層9上に設けられた表層8とを有
しており、また、樹脂層9では、凹部3内に充填された
樹脂によりマイクロレンズ4が形成されている。凹部3
では、外周部32の曲率半径が、中心部31の曲率半径
よりも大きい。これに対応して、マイクロレンズ4にお
いても、外周部32の曲率半径が、中心部31の曲率半
径よりも、大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズ用
基板の製造方法、マイクロレンズ用基板、マイクロレン
ズ基板、電気光学装置、液晶パネル用対向基板、液晶パ
ネル、および投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクリーン上に画像を投影する投射型表
示装置が知られている。この投射型表示装置では、その
画像形成に主として液晶パネルが用いられている。この
ような液晶パネルの中には、光の利用効率を高めるべ
く、液晶パネルの各画素に対応する位置に、多数の微小
なマイクロレンズを設けたものが知られている。かかる
マイクロレンズは、通常、液晶パネルが備えるマイクロ
レンズ基板に形成されている。
【0003】図6は、液晶パネルに用いられるマイクロ
レンズ基板の従来の構造を示す縦断面図である。同図に
示すように、マイクロレンズ基板900は、多数の半球
状の凹部903が設けられたガラス基板902と、かか
るガラス基板902の凹部903が設けられた面に樹脂
層909を介して接合されたカバーガラス908とを有
しており、また、樹脂層909では、凹部903内に充
填された樹脂によりマイクロレンズ904が形成されて
いる。
【0004】ところで、近年、液晶パネルは、進歩、発
展がめざましく、その高画質化には、目を見張るものが
ある。そして、現在、液晶パネルのさらなる高画質化を
実現すべく、極めて高いコントラスト比および透過率が
得られる液晶パネルの開発が望まれている。
【0005】ところが、図6に示すような構造のマイク
ロレンズ基板900では、コントラスト比および透過率
を高めることに限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば液晶パネル等に用いた場合に高いコントラスト比およ
び透過率が得られるマイクロレンズ用基板の製造方法、
マイクロレンズ用基板、マイクロレンズ基板、電気光学
装置、液晶パネル用対向基板、液晶パネル、および投射
型表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(25)の本発明により達成される。
【0008】(1) 母材に対して第1のエッチングを
行い、前記母材に複数の凹部を形成する工程と、前記母
材に対して、前記第1のエッチングと異なるエッチング
方法または条件で第2のエッチングを行い、前記凹部の
形状を変える工程とを有することを特徴とするマイクロ
レンズ用基板の製造方法。
【0009】(2) 前記第2のエッチングを、前記第
1のエッチングと異なるエッチング方法または条件で行
う上記(1)に記載のマイクロレンズ用基板の製造方
法。
【0010】(3) 前記第1のエッチングを、ドライ
エッチングにより行い、前記第2のエッチングを、ウェ
ットエッチングにより行う上記(1)または(2)に記
載のマイクロレンズ用基板の製造方法。
【0011】(4) 前記母材の表面に対して平行な方
向へのエッチング速度よりも前記母材の深部方向へのエ
ッチング速度の方が大きくなるように、前記第1のエッ
チングを行う上記(1)ないし(3)のいずれかに記載
のマイクロレンズ用基板の製造方法。
【0012】(5) 前記第1のエッチングにおいて、
前記母材の深部方向へのエッチング速度をS1、前記母
材の表面と平行な方向へのエッチング速度をS2とした
場合、1<S1/S2≦4なる関係を満足するように、
前記第1のエッチングを行う上記(1)ないし(4)の
いずれかに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。
【0013】(6) 前記第1のエッチング終了後、前
記第2のエッチングを行う前の前記凹部の容積をV1、
前記第2のエッチング終了後の前記凹部の容積をV2と
した場合、0.05≦V1/V2≦0.8なる関係を満
足する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のマイ
クロレンズ用基板の製造方法。
【0014】(7) 前記第2のエッチングのエッチン
グ時間は、前記第1のエッチングのエッチング時間の
0.1〜10倍である上記(1)ないし(6)のいずれ
かに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。
【0015】(8) 前記母材上には、複数の開口を有
するマスク層が形成され、該マスク層を用いて、前記第
1のエッチングおよび前記第2のエッチングを行う上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載のマイクロレンズ
用基板の製造方法。
【0016】(9) 上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載のマイクロレンズ用基板の製造方法により製造
されたことを特徴とするマイクロレンズ用基板。
【0017】(10) 表面に凹曲面を有する凹部が複
数形成されたマイクロレンズ用基板であって、前記凹部
は、中心部と、該中心部よりも曲率半径が大きい外周部
とを有することを特徴とするマイクロレンズ用基板。
【0018】(11) 前記中心部の曲率半径をR1、
前記外周部の曲率半径をR2とした場合、1<R2/R
1≦4なる関係を満足する上記(10)に記載のマイク
ロレンズ用基板。
【0019】(12) 前記中心部の光軸方向に対する
投影面積は、前記凹部の光軸方向に対する投影面積の2
〜50%を占める上記(10)または(11)に記載の
マイクロレンズ用基板。
【0020】(13) 前記凹部の最大深さをD、前記
凹部の開口端の最大幅をWとした場合、2≦W/D≦8
なる関係を満足する上記(10)ないし(12)のいず
れかに記載のマイクロレンズ用基板。
【0021】(14) 上記(9)ないし(13)のい
ずれかに記載のマイクロレンズ用基板の前記凹部内に、
樹脂が充填されてマイクロレンズが形成されたことを特
徴とするマイクロレンズ基板。
【0022】(15) 上記(9)ないし(13)のい
ずれかに記載のマイクロレンズ用基板と、前記凹部を覆
うように設けられた樹脂層と、前記樹脂層上に設けられ
た表層とを有し、前記凹部内に充填された樹脂によりマ
イクロレンズが構成されたことを特徴とするマイクロレ
ンズ基板。
【0023】(16) 前記表層は、ガラスまたはセラ
ミックスで構成されている上記(15)に記載のマイク
ロレンズ基板。
【0024】(17) 透明基板上にレンズ曲面を有す
るマイクロレンズが複数形成されたマイクロレンズ基板
であって、前記レンズ曲面は、中心部の曲率半径より
も、外周部の曲率半径の方が大きいことを特徴とするマ
イクロレンズ基板。
【0025】(18) 上記(14)ないし(17)の
いずれかに記載のマイクロレンズ基板を有することを特
徴とする電気光学装置。
【0026】(19) 上記(14)ないし(17)の
いずれかに記載のマイクロレンズ基板上に、導電膜が設
けられたことを特徴とする液晶パネル用対向基板。
【0027】(20) 上記(14)ないし(17)の
いずれかに記載のマイクロレンズ基板と、該マイクロレ
ンズ基板上に設けられたブラックマトリックスと、該ブ
ラックマトリックスを覆う導電膜とを有することを特徴
とする液晶パネル用対向基板。
【0028】(21) 上記(19)または(20)に
記載の液晶パネル用対向基板を備えたことを特徴とする
液晶パネル。
【0029】(22) 画素電極を備えた液晶駆動基板
と、該液晶駆動基板に接合された上記(19)または
(20)に記載の液晶パネル用対向基板と、前記液晶駆
動基板と前記液晶パネル用対向基板との空隙に封入され
た液晶とを有することを特徴とする液晶パネル。
【0030】(23) 前記液晶駆動基板は、マトリッ
クス状に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接
続された薄膜トランジスタとを有するTFT基板である
上記(22)に記載の液晶パネル。
【0031】(24) 上記(21)ないし(23)の
いずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有
し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて光を変調
し、画像を投射することを特徴とする投射型表示装置。
【0032】(25) 画像を形成する赤色、緑色およ
び青色に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光
源からの光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記
各光を対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系
と、前記各画像を合成する色合成光学系と、前記合成さ
れた画像を投射する投射光学系とを有する投射型表示装
置であって、前記ライトバルブは、上記(21)ないし
(23)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを
特徴とする投射型表示装置。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明におけるマイクロレンズ用
基板、マイクロレンズ基板および液晶パネル用対向基板
には、個別基板およびウエハーの双方を含むものとす
る。
【0034】本発明者は、上述した限界を克服すべく研
究を重ねた結果、図6に示すような構造のマイクロレン
ズ基板では、マイクロレンズの縁部近傍で、入射光のマ
イクロレンズへの入射角が小さくなり、収差(主として
球面収差)が大きくなることを突き止めた。このため、
図6に示すような構造のマイクロレンズ基板では、マイ
クロレンズの縁部近傍に入射した光は、出射光として有
効利用されないこととなる。したがって、図6に示すよ
うな構造のマイクロレンズ基板でマイクロレンズの出射
光の輝度を高めようとしても、どうしても限界が生じて
しまう。これに対し、以下に詳述する本発明によれば、
かかる限界を克服できる。
【0035】以下、本発明を、添付図面に示す好適実施
形態に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施形態で
示すマイクロレンズ基板は、液晶パネルの構成部材とし
て用いられる場合を例に説明する。図1は、本発明のマ
イクロレンズ基板の実施形態を示す模式的な縦断面図で
ある。
【0036】同図に示すように、本発明のマイクロレン
ズ基板1は、マイクロレンズ用凹部付き基板(マイクロ
レンズ用基板)2と、樹脂層9と、表層8と、マイクロ
レンズ4とを有している。
【0037】詳しくは、マイクロレンズ基板1は、ガラ
ス基板(透明基板)29上に凹曲面(レンズ曲面)を有
する複数の凹部(マイクロレンズ用凹部)3が形成され
たマイクロレンズ用凹部付き基板2と、かかるマイクロ
レンズ用凹部付き基板2の凹部3が配設された面に設け
られた樹脂層9と、かかる樹脂層9上に設けられた表層
8とを有しており、また、樹脂層9では、凹部3内に充
填された樹脂によりマイクロレンズ4が形成されてい
る。
【0038】このようなマイクロレンズ用凹部付き基板
2では、凹部3は、2つの部分、中心部31と外周部3
2とを有している。そして、凹部3では、外周部32の
曲率半径は、中心部31の曲率半径よりも大きなものと
なっている。
【0039】前述したように、この凹部3内には、樹脂
が充填され、この樹脂により、マイクロレンズ4が構成
されている。したがって、このマイクロレンズ4の形状
(レンズ曲面の形状)は、凹部3の形状に対応してい
る。すなわち、マイクロレンズ4は、ある種の非球面レ
ンズであり、外周部32の曲率半径は、中心部31の曲
率半径よりも、大きなものとなっている。
【0040】このように、凹部3(マイクロレンズ4)
の外周部32の曲率半径を中心部31の曲率半径よりも
大きなものとすると、外周部32では、マイクロレンズ
4への入射光の入射角が小さくなる。このため、マイク
ロレンズ4では、収差(特に球面収差)が大幅に低減さ
れる。したがって、マイクロレンズ4は、外周部32、
特に縁部33近傍に入射した入射光を、好適に集光でき
る。加えて、マイクロレンズ4は、中心部31では、曲
率半径が小さいので、レンズパワーが高い。したがっ
て、マイクロレンズ4は、中心部31に入射した光を、
極めて好適に集光できる。
【0041】このように、マイクロレンズ基板1では、
マイクロレンズ4の光利用効率が、向上している。した
がって、マイクロレンズ基板1は、高い輝度を有する出
射光を出射することができる。
【0042】しかも、マイクロレンズ4の収差が低減さ
れると、マイクロレンズ4の光軸から大幅にずれた方向
に出射光が出射することが、好適に防止されるようにな
る。このため、マイクロレンズ基板1を例えば液晶パネ
ルに用いると、マイクロレンズ4を通過した出射光が隣
接する画素内に入射することが、好適に防止されるよう
になる。すなわち、画素間でクロストークが防止される
ようになる。したがって、本発明のマイクロレンズ基板
1を備えた液晶パネルを用いて画像を形成すると、黒色
の輝度が極めて低いものとなる。
【0043】本発明のマイクロレンズ基板1はこのよう
な利点を有しているので、マイクロレンズ基板1を備え
た液晶パネルを用いて画像を形成すると、黒色はより暗
く、白色はより明るくなる。したがって、本発明のマイ
クロレンズ基板1を備えた液晶パネルでは、高いコント
ラスト比が得られ、より美しい画像を形成することが可
能となる。
【0044】このような効果をより効果的に得る観点か
らは、凹部3(マイクロレンズ4)は、以下の条件を満
足することが好ましい。
【0045】中心部31の曲率半径をR1、外周部32
の曲率半径をR2とした場合、マイクロレンズ基板1
は、1<R2/R1≦4なる関係を満足することが好ま
しく、1.1≦R2/R1≦2.5なる関係を満足する
ことがより好ましく、1.2≦R2/R1≦1.5なる
関係を満足することがさらに好ましい。これにより、マ
イクロレンズ4の集光効率は、さらに向上する。
【0046】凹部3の最大深さをD、凹部3の開口端の
最大幅をWとした場合、マイクロレンズ基板1は、2≦
W/D≦8なる関係を満足することが好ましく、2.2
≦W/D≦4なる関係を満足することがより好ましい。
これにより、上述した効果をより効果的に得られるよう
に、凹部3の緒特性を設定することが、容易となる。な
お、凹部3の開口端の最大幅Wは、例えば凹部3の平面
形状(平面視形状)が円形の場合直径を、楕円形の場合
長径を、四角形の場合対角線の長さを、指標とすること
ができる。
【0047】マイクロレンズ基板1では、中心部31の
光軸方向に対する投影面積(平面視面積)は、凹部3の
光軸方向に対する投影面積(平面視面積)の2〜50%
程度を占めることが好ましく、5〜30%程度を占める
ことがより好ましい。これにより、前述した効果がより
効果的に得られるようになる。
【0048】マイクロレンズ基板1を縦断面で見たと
き、凹部3の縁部33において、凹部3の輪郭線の接線
39とマイクロレンズ用凹部付き基板2の表面291と
のなす角(平均)αは、30〜80ー程度であることが
好ましく、45〜80ー程度であることがより好まし
い。角αがこの範囲の上限値を超えると、縁部33近傍
に入射した光が集光されにくくなる場合がある。角αが
この範囲の下限値未満であると、外周部32では、マイ
クロレンズ4のレンズ作用が弱くなる場合がある。
【0049】このようなマイクロレンズ基板1が液晶パ
ネルに用いられ、かかる液晶パネルがガラス基板29以
外にガラス基板(例えば後述するガラス基板171等)
を有する場合には、ガラス基板29の熱膨張係数は、か
かる液晶パネルが有する他のガラス基板の熱膨張係数と
ほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/1
0〜10程度)であることが好ましい。これにより、得
られる液晶パネルでは、温度が変化したときに二者の熱
膨張係数が違うことにより生じるそり、たわみ、剥離等
が防止される。
【0050】かかる観点からは、ガラス基板29と、液
晶パネルが有する他のガラス基板とは、同種類の材質で
構成されていることが好ましい。これにより、温度変化
時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効
果的に防止される。
【0051】特に、マイクロレンズ基板1を高温ポリシ
リコンのTFT液晶パネルに用いる場合には、ガラス基
板29は、石英ガラスで構成されていることが好まし
い。TFT液晶パネルは、液晶駆動基板としてTFT基
板を有している。かかるTFT基板には、製造時の環境
により特性が変化しにくい石英ガラスが好ましく用いら
れる。このため、これに対応させて、ガラス基板29を
石英ガラスで構成することにより、そり、たわみ等の生
じにくい、安定性に優れたTFT液晶パネルを得ること
ができる。
【0052】マイクロレンズ用凹部付き基板2の厚さ
は、マイクロレンズ用凹部付き基板2を構成する材料、
屈折率等の種々の条件により異なるが、0.3〜5mm程
度とすることが好ましく、0.5〜2mm程度とすること
がより好ましい。なお、マイクロレンズ基板1が、樹脂
層9側から光が入射し、ガラス基板29側から出射する
構成の場合には、ガラス基板29の厚さは、10〜10
00μm程度とすることが好ましく、20〜150μm
程度とすることがより好ましい。
【0053】表層(ガラス層)8は、例えばガラスで構
成することができる。この場合、表層8の熱膨張係数
は、ガラス基板29の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例
えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とす
ることが好ましい。これにより、ガラス基板29と表層
8との熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥
離等が防止される。このような効果は、ガラス基板29
と表層8とを同種類の材料で構成すると、より効果的に
得られる。
【0054】表層8の厚さは、マイクロレンズ基板1が
液晶パネルに用いられる場合、必要な光学特性を得る観
点からは、通常、5〜1000μm程度とすることが好
ましく、10〜150μm程度とすることがより好まし
い。なお、液晶パネルが、光を表層8側から入射する構
成の場合には、表層8の厚さは、0.3〜5mm程度とす
ることが好ましく、0.5〜2mm程度とすることがより
好ましい。
【0055】なお、表層(バリア層)8は、例えばセラ
ミックスで構成することもできる。なお、セラミックス
としては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の
窒化物系セラミックス、Al23、TiO2等の酸化物
系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭
化物系セラミックスなどが挙げられる。表層8をセラミ
ックスで構成する場合、表層8の厚さは、特に限定され
ないが、20nm〜20μm程度とすることが好まし
く、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。
なお、表層8は、設けなくてもよい。
【0056】凹部3を覆っている樹脂層(接着剤層)9
は、例えば、ガラス基板29の構成材料の屈折率よりも
高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができる。
例えば、樹脂層9は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂など
で好適に構成することができる。
【0057】樹脂層9の厚さ(マイクロレンズ用凹部付
き基板2が本来の厚みを有しているところ)は、0.1
〜100μm程度とすることが好ましく、1〜20μm
程度とすることがより好ましい。
【0058】このようなマイクロレンズ用凹部付き基板
2およびマイクロレンズ基板1は、例えば以下のように
して製造することができる。以下、マイクロレンズ用凹
部付き基板(マイクロレンズ用基板)の製造方法および
マイクロレンズ基板の製造方法を、図2を用いて説明す
る。
【0059】以下に示すマイクロレンズ用凹部付き基板
2の製造方法では、まず、ガラス基板29に対して第1
のエッチングを行い、ガラス基板29に複数の小凹部3
5を形成し、次いで、ガラス基板29に対して、第1の
エッチングと異なるエッチング方法または条件で第2の
エッチングを行い、小凹部35の形状を変えることによ
り、凹部3を形成する。
【0060】まず、母材として、例えば未加工のガラス
基板29を用意する。このガラス基板29には、厚さが
均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。
【0061】<1>まず、ガラス基板29の表面に、図
2(a)に示すように、マスク層6を形成する。また、
これとともに、ガラス基板29の裏面(マスク層6を形
成する面と反対側の面)に裏面保護層69を形成する。
このマスク層6は、後述する工程<3>、<4>におけ
る操作で耐性を有するものが好ましい。
【0062】かかる観点からは、マスク層6を構成する
材料としては、例えば、Au/Cr、Au/Ti、Pt/Cr、Pt/
Ti等の金属、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモル
ファスシリコン等のシリコン、窒化シリコンなどが挙げ
られる。この中でも特に、マスク層6をAu/Cr等の金属
で構成すると、後述する工程<3>で、ガラス基板29
のみを選択的に食刻するようにエッチング条件を設定す
ることが、容易となる。
【0063】マスク層6の厚さは、0.01〜10μm
程度とすることが好ましく、0.1〜1μm程度とする
ことがより好ましい。マスク層6の厚さをこの範囲内と
すると、後述する工程<3>で、ガラス基板29の表面
291と平行な方向へのエッチング速度よりもガラス基
板29の深部方向へのエッチング速度の方が大きくなる
ように、エッチング(特にドライエッチング)を行うこ
とが容易となる。このマスク層6は、例えば、化学気相
成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気
相成膜法、メッキなどにより形成することができる。
【0064】なお、裏面保護層69は、次工程以降でガ
ラス基板29の裏面を保護するためのものである。この
裏面保護層69により、ガラス基板29の裏面の侵食、
劣化等が好適に防止される。この裏面保護層69は、例
えば、マスク層6と同様の材料で構成することができ
る。このため、裏面保護層69は、マスク層6の形成と
同時に、マスク層6と同様に設けることができる。な
お、裏面保護層69は、設けなくてもよい。
【0065】<2>次に、図2(b)に示すように、マ
スク層6に、複数の開口61を形成する。開口61は、
凹部3を形成する位置に設ける。開口61の平面形状
は、形成する凹部3の平面形状に対応していることが好
ましい。
【0066】かかる開口61は、例えばフォトリソグラ
フィー法により形成することができる。具体的には、ま
ず、マスク層6上に、開口61に対応したパターンを有
するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、かかる
レジスト層をマスクとして、マスク層6の一部を除去す
る。次に、前記レジスト層を除去する。これにより、開
口61が形成される。なお、マスク層6の一部除去は、
例えば、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチン
グ、フッ酸+硝酸水溶液、アルカリ水溶液等の剥離液へ
の浸漬(ウェットエッチング)などにより行うことがで
きる。
【0067】なお、開口61の面積(平面視面積)は、
次工程で形成する小凹部35の平面視面積の55〜10
0%程度とすることが好ましい。これにより、次工程で
小凹部35をより好適に形成できるようになる。
【0068】<3>次に、図2(c)に示すように、開
口61を用いてガラス基板29に対してエッチング(第
1のエッチング)を行い、開口端の幅よりも深さの方が
大きい小凹部35を形成する。
【0069】本工程をドライエッチングにより行うと、
このような凹曲面を有する小凹部35を好適に形成でき
る。しかも、ドライエッチングにより形成された小凹部
35からは、優れた光学特性が得られるような凹部3
を、容易に形成できる。なお、本明細書におけるドライ
エッチングとは、気相中で食刻対象物を食刻することを
意味し、例えば逆スパッタリング、RIE、ICP等も
含む。
【0070】図2(c)に示すような形状の小凹部35
は、ガラス基板29の表面291と平行な方向へのエッ
チング速度よりもガラス基板29の深部方向へのエッチ
ング速度の方が大きくなるように、エッチングを行う
と、好適に形成することができる。
【0071】特に、本工程では、ガラス基板29の深部
方向へのエッチング速度をS1、ガラス基板29の表面
291と平行な方向へのエッチング速度をS2とした場
合、1<S1/S2≦4なる関係を満足するようにエッ
チングを行うことが好ましく、1.2≦S1/S2≦
2.5なる関係を満足するようにエッチングを行うこと
がより好ましい。これにより、前述した効果が好適に得
られるような凹部3を形成することが容易となる。
【0072】ガラス基板29の深部方向へのエッチング
速度S1は、ガラス基板29の材質、形成する凹部3の
形状、大きさ等によっても若干異なるが、10〜30μ
m/h程度とすることが好ましい。また、ガラス基板2
9の表面291と平行な方向へのエッチング速度S2
は、2〜5μm/h程度とすることが好ましい。これに
より、より好適に小凹部35を形成できるようになる。
【0073】本工程をドライエッチングで行う場合、エ
ッチング条件として、エッチング時の雰囲気の圧力を、
10〜500mTorr程度とすることが好ましく、30〜
300mTorr程度とすることがより好ましい。また、ド
ライエッチング装置の出力を100〜5000W程度と
することが好ましく、300〜3000W程度とするこ
とがより好ましい。また、エッチング時間は、0.1〜
1時間程度とすることが好ましく、0.2〜0.6時間
程度とすることがより好ましい。これにより、図2
(c)に示すような形状の小凹部35を、さらに好適に
形成できるようになる。
【0074】そして、所定の容積(または深さ)の小凹
部35が形成されたら、第1のエッチングを終了し、次
の工程を行う。なお、本工程終了時点では、通常、小凹
部35の容積、平面視面積、深さ、開口端の最大幅等
は、製造されるマイクロレンズ用凹部付き基板2におけ
る凹部3の容積、平面視面積、深さ、開口端の最大幅等
よりも小さい。
【0075】本工程終了後(次工程を行う前)の小凹部
35の容積をV1、次工程終了後の凹部3の容積をV2
とした場合、V1およびV2は、0.05≦V1/V2
≦0.8なる関係を満足することが好ましく、0.1≦
V1/V2≦0.5なる関係を満足することがより好ま
しい。これにより、前述した効果が好適に得られるよう
な凹部3を形成することが、容易となる。
【0076】同様の観点から、本工程終了後の小凹部3
5の最大深さをd、次工程終了後に形成される凹部3の
最大深さをDとした場合、dおよびDは、0.05≦d
/D≦0.9なる関係を満足することが好ましく、0.
1≦d/D≦0.7なる関係を満足することがより好ま
しい。さらには、本工程終了後の小凹部35の開口端の
最大幅をw、次工程終了後に形成される凹部3の最大幅
をWとした場合、wおよびWは、0.02≦w/W≦
0.7なる関係を満足することが好ましく、0.05≦
w/W≦0.5なる関係を満足することがより好まし
い。
【0077】なお、本工程で形成される小凹部35は、
0.5≦w/d<2なる関係を満足することが好まし
く、1≦w/d≦1.5なる関係を満足することがより
好ましい。これにより、次工程で、高い光の利用効率を
有する凹部3を、より好適に形成できるようになる。
【0078】<4>次に、ガラス基板29に対して、前
記工程<3>と異なるエッチング方法または条件でエッ
チング(第2のエッチング)を行う。本工程のエッチン
グを前工程のエッチングと異なるエッチング方法(例え
ばウェットエッチング法)または条件で行うことによ
り、小凹部35がさらに成長し、その形状が変わる。こ
れにより、図2(d)に示すような凹部3が形成され
る。
【0079】詳しくは、本工程のエッチングにより、ガ
ラス基板29は、小凹部35にて、ガラス基板29の表
面291と垂直な方向および平行な方向へ、それぞれ食
刻される。このため、小凹部35は、その元の形状をあ
る程度残しつつ、ガラス基板29の表面291と垂直な
方向および平行な方向へ大きく拡大し、おわん型に食刻
される。この第2のエッチングでは、小凹部35の元の
形状が完全に消失せずに、拡大、成長するので、図2
(d)に示すような二段型の凹部3、すなわち、前述し
たような中心部31の曲率半径よりも外周部32の曲率
半径の方が大きい凹部3が形成される。
【0080】本工程をウェットエッチングにより行う
と、図2(d)、図1に示すような形状の凹部3を好適
に形成できる。しかも、ウェットエッチングによれば、
優れた光学特性を有する凹部3ひいてはマイクロレンズ
4を、容易に形成できる。
【0081】特に、縁部33近傍での収差を低減し、高
い光学特性を有する凹部3(マイクロレンズ4)を形成
する観点からは、前工程でドライエッチングを選択し、
本工程でウェットエッチングを選択するのが、最適であ
る。第1のエッチングをドライエッチングにより行い、
本工程のエッチング(第2のエッチング)をウェットエ
ッチングにより行うと、極めて容易に外周部32の曲率
半径を中心部31の曲率半径よりも大きくすることがで
きる。しかも、極めて優れた光学特性を有する凹部3
(マイクロレンズ4)を形成することができる。
【0082】本工程をウェットエッチングにより行う場
合、エッチング液としては、例えばフッ酸系エッチング
液などが好適に用いられる。このとき、エッチング液に
グリセリン等のアルコール(特に多価アルコール)を添
加すると、凹部3の表面が極めて滑らかなものとなる。
また、エッチング時間は、1〜15時間程度とすること
が好ましく、2〜10時間程度とすることがより好まし
い。なお、例えば、前工程でドライエッチングを行い、
本工程で、前工程とは異なるエッチング条件を選択し
て、ドライエッチングを行ってもよい。
【0083】このようにマイクロレンズ用凹部付き基板
2を製造する場合、本工程のエッチングのエッチング時
間は、第1のエッチングのエッチング時間の0.1〜1
0倍程度とすることが好ましく、1〜10倍程度とする
ことがより好ましい。これにより、前述した効果をより
効果的に発揮できるマイクロレンズ用凹部付き基板2、
ひいてはマイクロレンズ基板1を容易に得られるように
なる。
【0084】本工程では、ガラス基板29の深部方向へ
のエッチング速度をS3、ガラス基板29の表面291
と平行な方向へのエッチング速度をS4とした場合、
0.5≦S3/S4≦2なる関係を満足するようにエッ
チングを行うことが好ましく、0.7≦S3/S4≦
1.4なる関係を満足するようにエッチングを行うこと
がより好ましい。これにより、優れた光学特性を有する
凹部3を、より容易に形成できる。
【0085】<5>次に、図2(e)に示すように、マ
スク層6を除去する。また、この際、マスク層6の除去
とともに裏面保護層69も除去する。これは、例えば、
アルカリ水溶液(例えばテトラメチル水酸化アンモニウ
ム水溶液等)、塩酸+硝酸水溶液、フッ酸+硝酸水溶液
等の剥離液(除去液)への浸漬(ウェットエッチン
グ)、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチング
などにより行うことができる。特に、ガラス基板29を
除去液に浸漬することによりマスク層6および裏面保護
層69を除去すると、簡易な操作で、効率よく、マスク
層6および裏面保護層69を除去できる。
【0086】以上により、図2(e)に示すように、ガ
ラス基板29上に、中心部31と中心部31の曲率半径
よりも大きい曲率半径の外周部32とを有する凹部3が
複数形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板2を得る
ことができる。
【0087】このように、同じマスク層6を用いて第1
のエッチングおよび第2のエッチングを行うと、工程数
を簡略化しつつ、しかも好適に、マイクロレンズ用凹部
付き基板2を製造することができる。加えて、同じマス
ク層6を用いて第1のエッチングおよび第2のエッチン
グを行うと、優れた光学特性を有する凹部3(マイクロ
レンズ4)を形成しやすい。
【0088】<6>このようにして得られたマイクロレ
ンズ用凹部付き基板2の凹部3内に、例えばガラス基板
29を構成する材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂を
充填することにより、マイクロレンズ4を形成すること
ができる。
【0089】例えば、次のようにして、表層8がガラス
で構成されたマイクロレンズ基板1を得ることができ
る。まず、ガラス基板29の凹部3が形成された面全体
に、未硬化の樹脂(接着剤)を設ける。次いで、かかる
樹脂に例えばガラスで構成された表層(相手体)8を接
合する。次いで、樹脂を硬化(固化)させて樹脂層9を
形成する。これにより、凹部3内では、樹脂層9を構成
する樹脂によりマイクロレンズ4が形成され、図1に示
すようなマイクロレンズ基板1を得ることができる。な
お、表層8を接合後、必要に応じて研削、研磨等を行な
い、表層8の厚さを調整してもよい。
【0090】また、例えば、次のようにして、表層8が
セラミックスで構成されたマイクロレンズ基板1を得る
こともできる。まず、ガラス基板29の凹部3が形成さ
れた面全体に、未硬化の樹脂を設ける。次いで、かかる
樹脂に例えば表面(樹脂に接する面)が平坦な型材(図
示せず)を接合する。次いで、樹脂を硬化(固化)させ
て樹脂層9を形成する。これにより、凹部3内では樹脂
層9を構成する樹脂によりマイクロレンズ4が形成され
る。次いで、前記型材(相手体)を樹脂層9から剥離す
る(離型を行う)。次いで、例えば、スパッタリング
法、CVD法、蒸着法等の気相成膜法などにより、樹脂
層9上にセラミックスで構成された表層8を形成する。
これにより、表層8がセラミックスで構成されたマイク
ロレンズ基板1を得ることができる。
【0091】本発明のマイクロレンズ基板は、以下に述
べる液晶パネル用対向基板および液晶パネル以外にも、
例えば、CCD、光通信素子等の各種電気光学装置、そ
の他の装置などに用いることができることは言うまでも
ない。
【0092】マイクロレンズ基板1の表層8上に、例え
ば、開口111を有するブラックマトリックス11を形
成し、次いで、かかるブラックマトリックス11を覆う
ように透明導電膜(導電膜)12を形成することによ
り、液晶パネル用対向基板10を製造することができる
(図3参照)。なお、ブラックマトリックス11および
透明導電膜12は、表層8上ではなく、マイクロレンズ
用凹部付き基板2上に設けてもよい。
【0093】ブラックマトリックス11は、遮光機能を
有しており、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の
金属、カーボンやチタン等を分散した樹脂などで構成さ
れている。
【0094】透明導電膜12は、導電性を有しており、
例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、イン
ジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)などで構
成されている。
【0095】ブラックマトリックス11は、例えば、表
層8上に気相成膜法(例えば蒸着、スパッタリング等)
によりブラックマトリックス11となる薄膜を成膜し、
次いで、かかる薄膜上に開口111のパターンを有する
レジスト膜を形成し、次いで、ウェットエッチングを行
い前記薄膜に開口111を形成し、次いで、前記レジス
ト膜を除去することにより設けることができる。また、
透明導電膜12は、例えば、蒸着、スパッタリング等の
気相成膜法により設けることができる。
【0096】このように、マイクロレンズ基板上に、ブ
ラックマトリックス、透明導電膜を形成することにより
液晶パネル用対向基板を得ることができる。なお、ブラ
ックマトリックス11は、設けなくてもよい。
【0097】以下、このような液晶パネル用対向基板を
用いた液晶パネル(電気光学装置)について、図3に基
づいて説明する。
【0098】図3に示すように、本発明の液晶パネル
(TFT液晶パネル)16は、TFT基板(液晶駆動基
板)17と、TFT基板17に接合された液晶パネル用
対向基板10と、TFT基板17と液晶パネル用対向基
板10との空隙に封入された液晶よりなる液晶層18と
を有している。
【0099】液晶パネル用対向基板10は、マイクロレ
ンズ基板1と、かかるマイクロレンズ基板1の表層8上
に設けられ、開口111が形成されたブラックマトリッ
クス11と、表層8上にブラックマトリックス11を覆
うように設けられた透明導電膜(共通電極)12とを有
している。
【0100】TFT基板17は、液晶層18の液晶を駆
動する基板であり、ガラス基板171と、かかるガラス
基板171上に設けられ、マトリックス状(行列状)に
配設された複数の画素電極172と、各画素電極172
に対応する複数の薄膜トランジスタ(TFT)173と
を有している。なお、図では、シール材、配向膜、配線
などの記載は省略した。
【0101】この液晶パネル16では、液晶パネル用対
向基板10の透明導電膜12と、TFT基板17の画素
電極172とが対向するように、TFT基板17と液晶
パネル用対向基板10とが、一定距離離間して接合され
ている。
【0102】ガラス基板171は、前述したような理由
から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。画
素電極172は、透明導電膜(共通電極)12との間で
充放電を行うことにより、液晶層18の液晶を駆動す
る。この画素電極172は、例えば、前述した透明導電
膜12と同様の材料で構成されている。
【0103】薄膜トランジスタ173は、近傍の対応す
る画素電極172に接続されている。また、薄膜トラン
ジスタ173は、図示しない制御回路に接続され、画素
電極172へ供給する電流を制御する。これにより、画
素電極172の充放電が制御される。液晶層18は液晶
分子(図示せず)を含有しており、画素電極172の充
放電に対応して、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向
が変化する。
【0104】このような液晶パネル16では、通常、1
個のマイクロレンズ4と、かかるマイクロレンズ4の光
軸Qに対応したブラックマトリックス11の1個の開口
111と、1個の画素電極172と、かかる画素電極1
72に接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、
1画素に対応している。
【0105】液晶パネル用対向基板10側から入射した
入射光Lは、マイクロレンズ用凹部付き基板2を通り、
マイクロレンズ4を通過する際に集光されつつ、樹脂層
9、表層8、ブラックマトリックス11の開口111、
透明導電膜12、液晶層18、画素電極172、ガラス
基板171を透過する。このとき、マイクロレンズ基板
1の入射側には通常偏光板(図示せず)が配置されてい
るので、入射光Lが液晶層18を透過する際に、入射光
Lは直線偏光となっている。その際、この入射光Lの偏
光方向は、液晶層18の液晶分子の配向状態に対応して
制御される。したがって、液晶パネル16を透過した入
射光Lを偏光板(図示せず)に透過させることにより、
出射光の輝度を制御することができる。
【0106】このように、液晶パネル16では、マイク
ロレンズ4を通過した入射光Lは、集光されてブラック
マトリックス11の開口111を通過する。したがっ
て、液晶パネル16は、比較的小さい光量で明るく鮮明
な画像を形成することができる。しかも、マイクロレン
ズ基板1が前述したような性質を有するマイクロレンズ
4を備えているので、液晶パネル16は、高いコントラ
スト比を有する画像を形成することができる。
【0107】この液晶パネル16は、例えば、公知の方
法により製造されたTFT基板17と液晶パネル用対向
基板10とを配向処理した後、シール材(図示せず)を
介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空
隙部の封入孔(図示せず)から液晶を空隙部内に注入
し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造するこ
とができる。その後、必要に応じて、液晶パネル16の
入射側や出射側に偏光板を貼り付けてもよい。
【0108】なお、上記液晶パネル16では、液晶駆動
基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTF
T基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、
STN基板などを用いてもよい。
【0109】以下、上記液晶パネル16を用いた投射型
表示装置(液晶プロジェクター)について説明する。図
4は、本発明の投射型表示装置の光学系を示す図であ
る。
【0110】同図に示すように、投射型表示装置300
は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備え
た照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備え
た色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤
色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)
24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ
(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した
(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレ
イ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラ
ー面211および青色光のみを反射するダイクロイック
ミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム
(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)2
2とを有している。
【0111】また、照明光学系は、インテグレータレン
ズ302および303を有している。色分離光学系は、
ミラー304、306、309、青色光および緑色光を
反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラ
ー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー
307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー
(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ
310、311、312、313および314とを有し
ている。
【0112】液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パ
ネル16と、液晶パネル16の入射面側(マイクロレン
ズ基板が位置する面側、すなわちダイクロイックプリズ
ム21と反対側)に接合された第1の偏光板(図示せ
ず)と、液晶パネル16の出射面側(マイクロレンズ基
板と対向する面側、すなわちダイクロイックプリズム2
1側)に接合された第2の偏光板(図示せず)とを備え
ている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライ
トバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ラ
イトバルブ24、25および26が備えている液晶パネ
ル16は、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されてい
る。
【0113】なお、投射型表示装置300では、ダイク
ロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロ
ック20が構成されている。また、この光学ブロック2
0と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設
置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、
表示ユニット23が構成されている。
【0114】以下、投射型表示装置300の作用を説明
する。光源301から出射された白色光(白色光束)
は、インテグレータレンズ302および303を透過す
る。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレー
タレンズ302および303により均一にされる。
【0115】インテグレータレンズ302および303
を透過した白色光は、ミラー304で図4中左側に反射
し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光
(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図4
中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラ
ー305を透過する。
【0116】ダイクロイックミラー305を透過した赤
色光は、ミラー306で図4中下側に反射し、その反射
光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶
ライトバルブ24に入射する。
【0117】ダイクロイックミラー305で反射した青
色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミ
ラー307で図4中左側に反射し、青色光は、ダイクロ
イックミラー307を透過する。
【0118】ダイクロイックミラー307で反射した緑
色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液
晶ライトバルブ25に入射する。
【0119】また、ダイクロイックミラー307を透過
した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)
308で図4中左側に反射し、その反射光は、ミラー3
09で図4中上側に反射する。前記青色光は、集光レン
ズ312、313および314により整形され、青色用
の液晶ライトバルブ26に入射する。
【0120】このように、光源301から出射された白
色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の
三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバ
ルブに導かれ、入射する。
【0121】この際、液晶ライトバルブ24が有する液
晶パネル16の各画素(薄膜トランジスタ173とこれ
に接続された画素電極172)は、赤色用の画像信号に
基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッ
チング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
【0122】同様に、緑色光および青色光は、それぞ
れ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞ
れの液晶パネル16で変調され、これにより緑色用の画
像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライ
トバルブ25が有する液晶パネル16の各画素は、緑色
用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッ
チング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パ
ネル16の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動
する駆動回路によりスイッチング制御される。
【0123】これにより赤色光、緑色光および青色光
は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26
で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用
の画像がそれぞれ形成される。
【0124】前記液晶ライトバルブ24により形成され
た赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの
赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に
入射し、ダイクロイックミラー面211で図4中左側に
反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出
射面216から出射する。
【0125】また、前記液晶ライトバルブ25により形
成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25
からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム
21に入射し、ダイクロイックミラー面211および2
12をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
【0126】また、前記液晶ライトバルブ26により形
成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26
からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム
21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図4中
左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過し
て、出射面216から出射する。
【0127】このように、前記液晶ライトバルブ24、
25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバ
ルブ24、25および26により形成された各画像は、
ダイクロイックプリズム21により合成され、これによ
りカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ
22により、所定の位置に設置されているスクリーン3
20上に投影(拡大投射)される。
【0128】このとき、投射型表示装置300は、前述
したマイクロレンズ基板1を備えた液晶パネル16を有
しているので、高いコントラスト比を有する画像を投射
できる。
【0129】
【実施例】(実施例1)以下のようにして、画素数10
24ラ768で、1画素あたり18ラ18μm角のマイク
ロレンズ用凹部付き基板、さらには、マイクロレンズ基
板を製造した。
【0130】まず、母材として、厚さ約1.2mmの未加
工の石英ガラス基板を用意した。次に、この石英ガラス
基板を85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合
液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
【0131】−1− この石英ガラス基板の表面および
裏面に、スパッタリング法により、膜厚0.2μmのAu
/Cr膜を成膜した。これは、スパッタ炉(ANELVA社製
「SPF-730H」、工程−3−も同じ)のスパッタ圧力を5
mTorr、パワーを500Wに設定して行った。
【0132】−2− 次に、Au/Cr膜に、形成する凹部
に対応した開口(面積49.5μm 2)を形成した。こ
れは、次のようにして行なった。まず、Au/Cr膜上に、
フォトレジストにより、形成する凹部のパターンを有す
るレジスト層を形成した。次に、Au/Cr膜に対して塩酸
+硝酸水溶液によるウェットエッチングを行い、開口を
形成した。次に、前記レジスト層を除去した。
【0133】−3− 次に、石英ガラス基板に対して、
0.5時間、逆スパッタリング(ドライエッチング)を
行った。このとき、スパッタ炉内(エッチング装置内)
の雰囲気の圧力を40mTorr、電子銃(エッチング装
置)の出力を400Wに設定した。なお、ガスは特に供
給しなかった。また、石英ガラス基板の深部方向へのエ
ッチング速度S1を20μm/hとし、石英ガラス基板
の表面と平行な方向へのエッチング速度S2を3μm/
hとした。これにより、石英ガラス基板上に、行列状
(1024ラ768)に配設された小凹部が形成され
た。
【0134】−4− 次に、石英ガラス基板をエッチン
グ液(1.6wt%フッ酸+15wt%グリセリンの混合水
溶液)に8時間浸漬してウェットエッチング(エッチン
グ温度30℃)を行った。このとき、石英ガラス基板の
深部方向へのエッチング速度S3を1.1μm/hと
し、石英ガラス基板の表面と平行な方向へのエッチング
速度S4を1.2μm/hとした。これにより、小凹部
が変形、拡大され、凹部が形成された。
【0135】−5− 次に、石英ガラス基板を塩酸+硝
酸水溶液(剥離液)に浸漬して、表面および裏面に形成
したAu/Cr膜を除去した。
【0136】これにより、中心部と、中心部より曲率半
径の大きい外周部とを備えた凹部を有するマイクロレン
ズ用凹部付き基板を得た。
【0137】−6− 次に、かかるマイクロレンズ用凹
部付き基板の凹部が形成された面に、紫外線(UV)硬
化型アクリル系の光学接着剤(屈折率1.59)を気泡
なく塗布し、次いで、かかる光学接着剤に石英ガラス製
のカバーガラス(表層)を接合し、次いで、かかる光学
接着剤に紫外線を照射して光学接着剤を硬化させた。な
お、樹脂層の厚みは、12μmとした。
【0138】−7− 最後に、カバーガラスを厚さ50
μmに研削、研磨して、図1に示すような構造のマイク
ロレンズ基板を得た。
【0139】(実施例2)工程−3−のエッチング時間
を0.7時間、工程−4−のエッチング時間を6時間に
変更した以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズ
用凹部付き基板、さらにはマイクロレンズ基板を製造し
た。
【0140】(小凹部および凹部の諸特性)前記工程−
3−終了後の石英ガラス基板について、前記工程−5−
と同様にしてマスク層を除去した。そして、かかる石英
ガラス基板について、その表面、特に小凹部を、走査型
電子顕微鏡(株式会社日立製作所製「S−4500」)
で、観察した。また、石英ガラス基板を、ダイシング装
置を用いてカットし、石英ガラス基板の縦断面、特に小
凹部の縦断面を、同様に観察した。その結果、各実施例
の石英ガラス基板では、図2(c)に示すような、開口
端の幅よりも深さの方が深い小凹部が形成されているこ
とが確認された。
【0141】また、得られたマイクロレンズ用凹部付き
基板、特に凹部についても、同様にして観察した。その
結果、各実施例のマイクロレンズ用凹部付き基板では、
図1および図2(e)に示すような、中心部の曲率半径
よりも外周部の曲率半径の方が大きい凹部が形成されて
いることが確認された。測定された小凹部および凹部の
諸特性を、下記表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】さらには、マイクロレンズ用凹部付き基板
の凹部を型として、凹部の形状を樹脂に転写し、かかる
転写物も走査型電子顕微鏡で観察した。図5に、実施例
1で製造されたマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部の
形状を樹脂に転写した転写物の走査型電子顕微鏡写真
を、示す。なお、図5中上の写真は、倍率1万倍であ
り、図5中下の写真は、倍率3万倍である。かかる写真
からも、実施例1で製造したマイクロレンズ用凹部付き
基板では、図1および図2(e)に示すような構造の凹
部が形成されていることが、よく分かる。実施例2で製
造されたマイクロレンズ用凹部付き基板でも、実施例1
に比肩するきれいなレンズ曲面を有する凹部が、形成さ
れていた。
【0144】(比較例)図6に示すような構造のマイク
ロレンズ基板を1回のウェットエッチングのみで製造し
た。このマイクロレンズ基板では、樹脂層の厚さは10
μm、カバーガラスの厚さは50μm、凹部の曲率半径
は9.0μmであった。なお、このマイクロレンズ基板
は、前記工程−3−を行わなかったこと以外は、基本的
に、実施例1と同様にして製造した。
【0145】(評価)各実施例および比較例で製造した
各マイクロレンズ基板について、スパッタリング法およ
びフォトリソグラフィー法を用いて、カバーガラスのマ
イクロレンズに対応した位置に開口(開口率43%)が
設けられた厚さ0.16μmの遮光膜(Cr膜)、すな
わち、ブラックマトリックスを形成した。さらに、ブラ
ックマトリックス上に厚さ0.15μmのITO膜(透
明導電膜)をスパッタリング法により形成し、液晶パネ
ル用対向基板を製造した。
【0146】次に、マイクロレンズ用凹部付き基板側か
ら光を照射し、液晶パネル用対向基板のマイクロレンズ
が形成された領域内における出射光の輝度を測定した。
その結果を下記に示す。なお、出射光の輝度は、マイク
ロレンズを形成しなかった場合の出射光の輝度を100
%とした。 実施例1:181% 実施例2:181% 比較例 :171%
【0147】この結果から、本実施例のマイクロレンズ
基板は、高い光の利用効率、および透過率を有している
ことが分かる。したがって、本実施例のマイクロレンズ
基板を液晶パネルに用いると、形成される画像のコント
ラスト比が向上することが分かる。
【0148】さらに、これら液晶パネル用対向基板と、
別途用意したTFT基板(ガラス基板は石英ガラス製)
とを配向処理した後、両者をシール材を介して接合し
た。次に、液晶パネル用対向基板とTFT基板との間に
形成された空隙部の封入孔から液晶を空隙部内に注入
し、次いで、かかる封入孔を塞いで図3に示すような構
造のTFT液晶パネルをそれぞれ製造した。
【0149】得られたTFT液晶パネルに光を透過させ
たところ、各実施例で得られたTFT液晶パネルの出射
光は、比較例で得られたTFT液晶パネルの出射光より
も明るかった。
【0150】その後、実施例で得られたTFT液晶パネ
ルを用いて、図4に示すような構造の液晶プロジェクタ
ー(投射型表示装置)を組み立てた。その結果、得られ
た液晶プロジェクターは、いずれも、スクリーン上に明
るい画像を投射できた。
【0151】表層がセラミックスで構成されたマイクロ
レンズ基板を製造し、かかるマイクロレンズ基板を用い
て前記と同様に液晶パネルおよび投射型表示装置を製造
したところ、これらの液晶パネルおよび投射型表示装置
でも、高いコントラスト比が得られた。なお、このマイ
クロレンズ基板は、前記工程−6−において、カバーガ
ラスの代わりに表面に離型剤を塗布した型材を樹脂(接
着剤)に接合したこと;樹脂を硬化させた後型材を樹脂
から剥離したこと;その後、樹脂層上にスパッタリング
法により厚さ1μmのAlN膜を形成したこと以外は、
実施例1、2とほぼ同様にして製造した。
【0152】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マ
イクロレンズの収差を低減でき、光の利用効率を高める
ことができる。したがって、例えば、本発明のマイクロ
レンズ基板を備えた電気光学装置、液晶パネル、投射型
表示装置では、光の有効利用が図れ、高いコントラスト
比および透過率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロレンズ基板の実施形態を示す
模式的な縦断面図である。
【図2】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を説明
するための図である。
【図3】本発明の液晶パネルの実施例を示す模式的な縦
断面図である。
【図4】本発明の実施例における投射型表示装置の光学
系を示す図である。
【図5】走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】従来のマイクロレンズ基板を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 マイクロレンズ基板 2 マイクロレンズ用凹部付き基板 29 ガラス基板 291 表面 3 凹部 31 中心部 32 外周部 33 縁部 35 小凹部 39 接線 4 マイクロレンズ 6 マスク層 61 開口 69 裏面保護層 8 表層 9 樹脂層 D 最大深さ L 光 Q 光軸 R1、R2 曲率半径 W 最大幅 α 角 10 液晶パネル用対向基板 11 ブラックマトリックス 111 開口 12 透明導電膜 16 液晶パネル 17 TFT基板 171 ガラス基板 172 画素電極 173 薄膜トランジスタ 18 液晶層 300 投射型表示装置 301 光源 302、303 インテグレータレンズ 304、306、309 ミラー 305、307、308 ダイクロイックミラー 310〜314 集光レンズ 320 スクリーン 20 光学ブロック 21 ダイクロイックプリズム 211、212 ダイクロイックミラー面 213〜215 面 216 出射面 22 投射レンズ 23 表示ユニット 24〜26 液晶ライトバルブ 900 マイクロレンズ基板 902 ガラス基板 903 凹部 908 カバーガラス 909 樹脂層
フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA15 FA00 HA01 HA08 HA13 HA24 HA25 HA28 MA02 MA06 2H091 FA05Z FA14Z FA26X FA26Z FA29X FA29Z FA41Z FB04 FC26 FD06 FD22 GA01 GA13 LA03 LA16 LA17 MA07 5C060 BA04 BC05 DA04 GA02 GB05 HC01 JA17

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材に対して第1のエッチングを行い、
    前記母材に複数の凹部を形成する工程と、 前記母材に対して、前記第1のエッチングと異なるエッ
    チング方法または条件で第2のエッチングを行い、前記
    凹部の形状を変える工程とを有することを特徴とするマ
    イクロレンズ用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のエッチングを、前記第1のエ
    ッチングと異なるエッチング方法または条件で行う請求
    項1に記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1のエッチングを、ドライエッチ
    ングにより行い、 前記第2のエッチングを、ウェットエッチングにより行
    う請求項1または2に記載のマイクロレンズ用基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記母材の表面に対して平行な方向への
    エッチング速度よりも前記母材の深部方向へのエッチン
    グ速度の方が大きくなるように、前記第1のエッチング
    を行う請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロレ
    ンズ用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1のエッチングにおいて、前記母
    材の深部方向へのエッチング速度をS1、前記母材の表
    面と平行な方向へのエッチング速度をS2とした場合、 1<S1/S2≦4なる関係を満足するように、前記第
    1のエッチングを行う請求項1ないし4のいずれかに記
    載のマイクロレンズ用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のエッチング終了後、前記第2
    のエッチングを行う前の前記凹部の容積をV1、前記第
    2のエッチング終了後の前記凹部の容積をV2とした場
    合、 0.05≦V1/V2≦0.8なる関係を満足する請求
    項1ないし5のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2のエッチングのエッチング時間
    は、前記第1のエッチングのエッチング時間の0.1〜
    10倍である請求項1ないし6のいずれかに記載のマイ
    クロレンズ用基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記母材上には、複数の開口を有するマ
    スク層が形成され、 該マスク層を用いて、前記第1のエッチングおよび前記
    第2のエッチングを行う請求項1ないし7のいずれかに
    記載のマイクロレンズ用基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のマ
    イクロレンズ用基板の製造方法により製造されたことを
    特徴とするマイクロレンズ用基板。
  10. 【請求項10】 表面に凹曲面を有する凹部が複数形成
    されたマイクロレンズ用基板であって、 前記凹部は、中心部と、該中心部よりも曲率半径が大き
    い外周部とを有することを特徴とするマイクロレンズ用
    基板。
  11. 【請求項11】 前記中心部の曲率半径をR1、前記外
    周部の曲率半径をR2とした場合、 1<R2/R1≦4なる関係を満足する請求項10に記
    載のマイクロレンズ用基板。
  12. 【請求項12】 前記中心部の光軸方向に対する投影面
    積は、前記凹部の光軸方向に対する投影面積の2〜50
    %を占める請求項10または11に記載のマイクロレン
    ズ用基板。
  13. 【請求項13】 前記凹部の最大深さをD、前記凹部の
    開口端の最大幅をWとした場合、 2≦W/D≦8なる関係を満足する請求項10ないし1
    2のいずれかに記載のマイクロレンズ用基板。
  14. 【請求項14】 請求項9ないし13のいずれかに記載
    のマイクロレンズ用基板の前記凹部内に、樹脂が充填さ
    れてマイクロレンズが形成されたことを特徴とするマイ
    クロレンズ基板。
  15. 【請求項15】 請求項9ないし13のいずれかに記載
    のマイクロレンズ用基板と、前記凹部を覆うように設け
    られた樹脂層と、前記樹脂層上に設けられた表層とを有
    し、前記凹部内に充填された樹脂によりマイクロレンズ
    が構成されたことを特徴とするマイクロレンズ基板。
  16. 【請求項16】 前記表層は、ガラスまたはセラミック
    スで構成されている請求項15に記載のマイクロレンズ
    基板。
  17. 【請求項17】 透明基板上にレンズ曲面を有するマイ
    クロレンズが複数形成されたマイクロレンズ基板であっ
    て、 前記レンズ曲面は、中心部の曲率半径よりも、外周部の
    曲率半径の方が大きいことを特徴とするマイクロレンズ
    基板。
  18. 【請求項18】 請求項14ないし17のいずれかに記
    載のマイクロレンズ基板を有することを特徴とする電気
    光学装置。
  19. 【請求項19】 請求項14ないし17のいずれかに記
    載のマイクロレンズ基板上に、導電膜が設けられたこと
    を特徴とする液晶パネル用対向基板。
  20. 【請求項20】 請求項14ないし17のいずれかに記
    載のマイクロレンズ基板と、該マイクロレンズ基板上に
    設けられたブラックマトリックスと、該ブラックマトリ
    ックスを覆う導電膜とを有することを特徴とする液晶パ
    ネル用対向基板。
  21. 【請求項21】 請求項19または20に記載の液晶パ
    ネル用対向基板を備えたことを特徴とする液晶パネル。
  22. 【請求項22】 画素電極を備えた液晶駆動基板と、該
    液晶駆動基板に接合された請求項19または20に記載
    の液晶パネル用対向基板と、前記液晶駆動基板と前記液
    晶パネル用対向基板との空隙に封入された液晶とを有す
    ることを特徴とする液晶パネル。
  23. 【請求項23】 前記液晶駆動基板は、マトリックス状
    に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接続され
    た薄膜トランジスタとを有するTFT基板である請求項
    22に記載の液晶パネル。
  24. 【請求項24】 請求項21ないし23のいずれかに記
    載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライト
    バルブを少なくとも1個用いて光を変調し、画像を投射
    することを特徴とする投射型表示装置。
  25. 【請求項25】 画像を形成する赤色、緑色および青色
    に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光源から
    の光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記各光を
    対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系と、前記
    各画像を合成する色合成光学系と、前記合成された画像
    を投射する投射光学系とを有する投射型表示装置であっ
    て、 前記ライトバルブは、請求項21ないし23のいずれか
    に記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする投射型表
    示装置。
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