JP2002004998A - 斜軸式固定容量型油圧モータ - Google Patents

斜軸式固定容量型油圧モータ

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JP2002004998A
JP2002004998A JP2000184764A JP2000184764A JP2002004998A JP 2002004998 A JP2002004998 A JP 2002004998A JP 2000184764 A JP2000184764 A JP 2000184764A JP 2000184764 A JP2000184764 A JP 2000184764A JP 2002004998 A JP2002004998 A JP 2002004998A
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brake
piston
oblique
shaft
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JP2000184764A
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Toshiyuki Yoshida
敏行 吉田
Kazuhiro Obayashi
和弘 大林
Hiroshi Endo
弘 遠藤
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】斜軸式固定容量型油圧モータの容量を大きく
し、場積を小さくする。 【解決手段】斜軸式固定容量型油圧モータ100のピス
トンにロッド型ピストンよりも高強度のテーパピストン
105が使用される。テーパピストン105が用いられ
るため傾転角θを大きくしたとしても強度の面で問題は
生じなく大容量の油圧モータを実現できる。斜軸式固定
容量型油圧モータ100の傾転角θはシリンダブロック
102がブレーキ110に干渉しない角度に設定され
る。このためブレーキ110を大球支持部107の外周
に設けることができる。ブレーキ110を大球支持部1
07から離れた主軸103の外周に設ける必要はないの
でブレーキ110を含めた油圧モータ100の全長を短
くでき油圧モータ全体の場積を小さくすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は斜軸式固定容量型油
圧モータの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルの旋回モータなどには斜軸
式固定容量型油圧モータが用いられている。
【0003】以下従来の斜軸式固定容量型油圧モータに
ついて図面を参照して説明する。
【0004】図4は従来の斜軸式固定容量型油圧モータ
700の断面図である。
【0005】斜軸式固定容量型油圧モータ700のケー
シング701内にはシリンダブロック702と主軸70
3とが収容されている。シリンダブロック702内には
センタシャフト704が収容されている。シリンダブロ
ック702に備えた複数のシリンダボア702a内には
各々ピストン705が収容されている。センタシャフト
704の一端は大球支持部707に接続されている。大
球支持部707は主軸703に一体に形成されている。
図4に示す従来の技術では主軸703に対するセンタシ
ャフト704の傾転角θは25°程度に設定されてい
る。
【0006】この斜軸式固定容量型油圧モータ700に
はロッド型ピストンが用いられている。
【0007】ロッド型ピストンとはロッド706の一端
をピストン705内に収容したピストンのことである。
つまりピストン705からロッド706が外れないよう
にロッド706の一端に設けられた小球部706bがピ
ストン705内部でかしめられている。ロッド706の
大球部706aは大球支持部707に接続されている。
【0008】斜軸式固定容量型油圧モータ700はつぎ
のように動作する。
【0009】図示しない油圧ポンプから圧油が吐出され
ると、その圧油はシリンダブロック702のシリンダボ
ア702a内に供給される。シリンダボア702a内に
供給された圧油によりピストン705にはシリンダブロ
ック702の外部に押し出される力Fが発生する。力F
はロッド706を介して大球支持部707に及ぶ。シリ
ンダブロック702内のセンタシャフト704は主軸7
03の回転中心に対して傾転角θをなしている。このた
め大球支持部707には、主軸703を回転させようと
する力が発生し、主軸703は回転する。この結果、ロ
ッド706はピストン705を介してシリンダボア70
2aすなわちシリンダブロック702を回動させ、主軸
703の回転に同期して、シリンダブロック702が回
転する。以上のようにして斜軸式固定容量型油圧モータ
700は傾転角θに応じた容量で回動する。
【0010】大球支持部707の外周には複数のプレー
ト708と複数のディスク709が設けられている。各
プレート708間にはディスク709が設けられてい
る。プレート708とディスク709によってブレーキ
710が構成される。プレート708はケーシング70
1の内側面に噛み合うように設けられている。ディスク
709は大球支持部707の外周に噛み合うように設け
られている。ただしプレート708およびディスク70
9は大球支持部707の軸方向に移動することができ
る。ブレーキピストン711はブレーキ710に対して
シリンダブロック702側に設けられている。さらに図
示しないブレーキスプリングがブレーキピストン711
をブレーキ710側に押しつける位置に設けられてい
る。ブレーキピストン711はブレーキ室713への圧
油の供給に応じてブレーキ710から離れる方向に移動
する。またブレーキピストン711はブレーキ室713
からの圧油の排出に応じて図示しないブレーキスプリン
グに押されてブレーキ710側に移動する。
【0011】ブレーキ室713に圧油が供給されていな
い状態ではブレーキピストン711は図示しないブレー
キスプリングによりブレーキ710側に押される。する
とブレーキピストン711とブレーキ710とが当接す
る。さらにブレーキピストン711がブレーキ710を
押し付けるとプレート708とディスク709は互いに
密着する。これにより主軸703は固定され斜軸式固定
容量型油圧モータ700は制動状態になる。ブレーキ室
713に圧油が供給されると油圧による力が図示しない
ブレーキスプリングのバネ力よりも大きくなりブレーキ
ピストン711はブレーキ710から離れる方向に移動
する。するとプレート708とディスク709が離れ
る。これにより主軸703の固定状態は解除され、斜軸
式固定容量型油圧モータ700は制動解除される。
【0012】一方油圧モータに用いられるピストンには
ロッド型ピストンの他にテーパ型ピストンと呼ばれるも
のがある。テーパ型ピストン(以下「テーパピストン」
という)の構造は特公昭59−5794号公報に開示さ
れている。
【0013】テーパピストンとは、ピストンとロッドを
一体に形成したピストンであって、ピストンの一端から
大球支持部707に接続される他端に向かって先細のテ
ーパ状に形成されたピストンのことである。
【0014】図5はテーパピストンを用いた斜軸式固定
容量型油圧モータ800の断面図である。
【0015】斜軸式固定容量型油圧モータ800のケー
シング801内にはシリンダブロック802と主軸80
3とが収容されている。シリンダブロック802内には
センタシャフト804が収容されている。またシリンダ
ブロック802の各シリンダボア802a内にはテーパ
ピストン805が収容されている。センタシャフト80
4の一端は大球支持部807に接続されている。大球支
持部807と主軸803とは一体に形成されている。図
5に示す斜軸式固定容量型油圧モータ800では主軸8
03に対するセンタシャフト804の傾転角θは40°
程度に設定されている。テーパピストン805の大球部
805aは大球支持部807に接続されている。ケーシ
ング801にはブレーキ弁812が別体に取り付けられ
ている。
【0016】テーパピストンを用いた斜軸式固定容量型
油圧モータ800はロッド型ピストンを用いた斜軸式固
定容量型油圧モータ700と比較して傾転角θをはるか
に大きくできることが一般によく知られている。
【0017】このように傾転角θを40゜と大きくして
大球支持部807の外周にブレーキを設けるとシリンダ
ブロック802とブレーキとが接触する。このため図4
に示すロッド型ピストンを用いた斜軸式固定容量型油圧
モータ700と異なりブレーキを大球支持部807の外
周に設けることができない。
【0018】図5では、ブレーキ810は大球支持部8
07から離れた主軸803の外周に設けられる。
【0019】ブレーキ810の構造および動作は斜軸式
固定容量型油圧モータ700のブレーキ710と同じで
ある。すなわち主軸803の外周には複数のプレート8
08と複数のディスク809とが設けられブレーキ81
0が構成される。ブレーキピストン811はブレーキ室
813への圧油の供給に応じてブレーキ810から離れ
る方向に移動する。ブレーキピストン811はブレーキ
室813からの圧油の排出に応じてブレーキ810を押
す方向に移動する。したがってブレーキ室813に圧油
が供給さていないと斜軸式固定容量型油圧モータ800
は制動状態になる。またブレーキ室813に圧油が供給
されると斜軸式固定容量型油圧モータ800は制動解除
される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の斜
軸式固定容量型油圧モータ700および斜軸式固定容量
型油圧モータ800には容量を大きくしかつ小さな場積
に収めることができないという問題がある。
【0021】ロッド型ピストンを用いた斜軸式固定容量
型油圧モータ700の傾転角θを大きくすると、ロッド
706とピストン705が接する駆動部706cで、駆
動時に大きな応力を受ける。このため傾転角θを大きく
するとロッド706の駆動部706cが損傷するおそれ
がある。駆動部706cのロッド径を太くすることでロ
ッド706が損傷することは防止できる。しかしシリン
ダボア702aの径を同じままにしてロッド706の駆
動部706cを太くすると、ピストン705の厚みを薄
くしなければならない。するとピストン705の強度が
小さくなりピストン705が損傷するおそれがある。
【0022】したがってロッド型ピストンを用いた斜軸
式固定容量型油圧モータ700の傾転角θはロッド70
6に大きな負担がかからない約27〜28°が限界とさ
れている。傾転角θを約27〜28°とするとシリンダ
ブロック702とブレーキ710とが干渉するまでには
余裕がある。このように斜軸式固定容量型油圧モータ7
00は傾転角θの許容できる最大値が27〜28°と低
いためシリンダブロック702とブレーキ710とが干
渉することはない。しかし傾転角θの最大値が低いため
モータを大容量とすることができない。以下シリンダブ
ロックとブレーキとが干渉せずかつロッドが損傷しない
ような傾転角θの最大値を限界値という。
【0023】斜軸式固定容量型油圧モータ700の傾転
角θの限界値を約27〜28°よりも大きくするために
は強度の大きい材質を使用する手段が考えられる。しか
し斜軸式固定容量型油圧モータ700に強度の大きい材
質を使用したとしてもテーパピストンを用いた斜軸式固
定容量型油圧モータ800の限界値と比較すると小さ
い。
【0024】さらに斜軸式固定容量型油圧モータ700
から吐出される流量を斜軸式固定容量型油圧モータ80
0から吐出される流量と同一とするにはモータ回転数を
上昇させる必要がある。しかしモータ回転数が上昇する
とシリンダボア702a、ピストン705等の摺動部分
での摩耗の進行が早くなる。このため斜軸式固定容量型
油圧モータ700に強度の大きい材質を使用しても長寿
命化を図れない場合がある。
【0025】一方斜軸式固定容量型油圧モータ800で
用いられるテーパピストンは傾転角θを40゜と大きく
しても強度の面で問題は生じない。このため大容量の油
圧モータを実現できる。しかしシリンダブロック802
とブレーキ810の干渉を回避するためにブレーキ81
0を大球支持部807から離れた主軸803の外周に設
けざるを得なく油圧モータの全長が長くなり油圧モータ
全体の場積が大きくなるという問題が生じる。
【0026】主軸803の径は大球支持部807の径よ
りも細い。このためプレート808とディスク809の
直径は小さくなるのでプレート808とディスク809
の接触面積は小さくなる。ブレーキ810のブレーキ容
量を図4のブレーキ710のブレーキ容量と等しくする
ためには、プレート808とディスク809の枚数を図
4のブレーキ710の場合よりも増やしてプレート80
8とディスク809の接触面積をプレート708とディ
スク709の接触面積と等しくする必要がある。
【0027】しかしプレート808とディスク809の
枚数が増えることでブレーキ810が大型化して油圧モ
ータ全体の場積がさらに大きくなる。
【0028】また斜軸式固定容量型油圧モータ800の
傾転角θは40°と大きくモータ容量が増えているた
め、回転トルクは車軸式固定容量型油圧モータ700よ
りも大きくなっている。したがってブレーキ810のブ
レーキ容量はこの回転トルクの増加分だけ更に大きくす
る必要がある。
【0029】またたとえブレーキ810のブレーキ容量
を大きくできたとしてもケーシング801の内部の容積
には限界があるため大型化したブレーキ810がケーシ
ング801内に収容できないおそれもある。
【0030】以上のように図5に示す斜軸式固定容量型
油圧モータ800の場合には傾転角θを40゜と大きく
するとブレーキ810が大型化するなど、油圧モータ8
00全体の場積が大きくなるという問題が発生する。
【0031】なおテーパピストンを用いた斜軸式固定容
量型油圧モータ800の限界値は約42〜45°程度と
されている。
【0032】以上のように従来技術では、容量が大きく
かつ小さな場積に収まる斜軸式固定容量型油圧モータを
実現することができない。
【0033】本発明は、斜軸式固定容量型油圧モータの
容量を大きくし、場積を小さくすることを解決課題とす
るものである。
【0034】
【課題を解決するための手段および作用、効果】そこで
本発明の請求項1に係る第1発明は、圧油が供給および
排出されるシリンダブロック(102)内のシリンダ
(102a)と、前記シリンダ(102a)内に一端部
が往復移動自在に収容されるピストン(105)と、前
記ピストン(105)の一端部に対向する他端部(10
5a)を支持する端部支持部材(107)と、前記端部
支持部材(107)に一体に接続され圧油供給に応じて
回動する軸(103)と、前記軸(103)を制動させ
るブレーキ(110)とをケーシング(101)内に設
け、センタシャフト(104)の前記軸(103)に対
してなす傾転角に応じた容量にて回転する斜軸式固定容
量型油圧モータにおいて、前記ピストン(105)を、
前記一端部から前記他端部(105a)に向かって先細
のテーパ状に形成されたテーパピストン(105)と
し、前記ブレーキ(110)を前記端部支持部材(10
7)の外周に設け、前記センタシャフト(104)の前
記軸(103)に対してなす傾転角を、前記シリンダブ
ロック(102)が前記ブレーキ(110)に干渉しな
い角度に設定したことを特徴とする。
【0035】第1発明を図1を用いて説明する。
【0036】第1発明によれば、斜軸式固定容量型油圧
モータ100にテーパピストン105を使用しているの
で、ロッド型ピストンと比較して応力を小さくすること
ができる。これにより傾転角θを大きくしたとしても強
度の面で問題が生じることなく大容量の油圧モータを実
現できる。
【0037】斜軸式固定容量型油圧モータ100の傾転
角θはシリンダブロック102がブレーキ110および
ブレーキピストン111に干渉しない角度に設定され
る。このためブレーキ110を大球支持部107の外周
に設けることができる。したがってブレーキ110を含
めた油圧モータ100の全長を短くでき油圧モータ全体
の場積を小さくすることができる。
【0038】また大球支持部107の径は主軸103の
径よりも大きい。このときプレート108とディスク1
09との接触面積を大きくできる。したがって径の大き
い大球支持部107でブレーキトルクを受けるためブレ
ーキ110を構成するプレート108とディスク109
の枚数を、図5に示すプレート808とディスク809
の枚数よりも減らすことができる。プレート108とデ
ィスク109の枚数が減ることでブレーキ110を小型
にでき油圧モータ全体の場積をさらに小さくすることが
できる。
【0039】以上のように第1発明によれば、斜軸式固
定容量型油圧モータの容量を大きくでき、場積を小さく
することができる。
【0040】また請求項2に係る第2発明は、圧油が供
給および排出されるシリンダ(102a)と、前記シリ
ンダ(102a)内に一端部が往復移動自在に収容され
るピストン(105)と、前記ピストン(105)の一
端部に対向する他端部(105a)を支持する端部支持
部材(107)と、前記端部支持部材(107)に一体
に接続され圧油供給に応じて回動する軸(103)と、
前記軸(103)を制動させるブレーキ(110)とを
ケーシング(101)内に設け、センタシャフト(10
4)の前記軸(103)に対してなす傾転角に応じた容
量にて回転する斜軸式固定容量型油圧モータにおいて、
前記ピストン(105)を、前記一端部から前記他端部
(105a)に向かって先細のテーパ状に形成されたテ
ーパピストン(105)とし、前記ブレーキ(110)
を前記端部支持部材(107)の外周に設け、前記セン
タシャフト(104)の前記軸(103)に対してなす
傾転角を、ロッド型ピストンの傾転角の限界値よりも大
きく、前記テーパピストン(105)の傾転角の限界値
よりも小さい角度に設定したことを特徴とする。
【0041】第2発明を図1を用いて説明する。
【0042】第2発明によれば、斜軸式固定容量型油圧
モータ100にテーパピストン105を使用しているの
で、ロッド型ピストンと比較して応力を小さくすること
ができる。これにより斜軸式固定容量型油圧モータ10
0の傾転角θをロッド型ピストンを用いた斜軸式固定容
量型油圧モータ700の限界値より大きくしたとしても
強度の面で問題は生じなく大容量の油圧モータを実現で
きる。
【0043】斜軸式固定容量型油圧モータ100の傾転
角θはテーパピストン105の傾転角の限界値よりも小
さい角度に設定される。このためブレーキ110を大球
支持部107の外周に設けたとしてもシリンダブロック
102がブレーキ110およびブレーキピストン111
に干渉することはない。したがってブレーキ110を含
めた油圧モータ100の全長を短くでき油圧モータ全体
の場積を小さくすることができる。
【0044】また大球支持部107の径は主軸103の
径よりも大きい。このときプレート108とディスク1
09との接触面積を大きくできる。よって径の大きい大
球支持部107でブレーキトルクを受けるためブレーキ
110を構成するプレート108とディスク109の枚
数を、図5に示すプレート808とディスク809の枚
数よりも減らすことができる。プレート108とディス
ク109の枚数が減ることによってブレーキ110を小
型にでき油圧モータ全体の場積をさらに小さくすること
ができる。
【0045】以上のように第2発明によれば、斜軸式固
定容量型油圧モータの容量を大きくでき、場積を小さく
することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る斜軸式固定容量
型油圧モータの実施の形態について図面を参照して説明
する。
【0047】図1は実施形態の斜軸式固定容量型油圧モ
ータ100の断面図である。
【0048】斜軸式固定容量型油圧モータ100のケー
シング101内にはシリンダブロック102と、主軸1
03とが回動自在に収容されている。主軸103はベア
リング114によって支持されている。
【0049】シリンダブロック102の回転中心部には
センタシャフト104が設けられている。またシリンダ
ブロック102内のセンタシャフト104の回りには複
数のシリンダボア102aが設けられている。シリンダ
ボア102a内にはテーパピストン105が摺動自在に
収容されている。
【0050】センタシャフト104の一端104aは大
球支持部107に接続されている。大球支持部107と
主軸103の端部とは一体化している。
【0051】本実施の形態では主軸103に対してセン
タシャフト104がなす傾転角θは35゜に設定されて
いる。この傾転角35゜は、シリンダブロック102が
大球支持部107周囲のブレーキ110に干渉しない角
度である。また傾転角35゜は、ロッド型ピストンの傾
転角の限界値(27゜〜28゜)よりも大きく、テーパ
ピストン105の傾転角の限界値(42°〜45゜)よ
りも小さい角度である。
【0052】テーパピストン105の大球部105aは
大球支持部107に接続している。各大球部105aは
センタシャフト104を中心とする円の周上に配置され
ている。この円の直径をドライブシャフトP.C.Dと
呼ぶ。大球支持部107の大きさはドライブシャフト
P.C.Dに応じて定める。
【0053】ブレーキ110の構造および動作は斜軸式
固定容量型油圧モータ700のブレーキ710および斜
軸式固定容量型油圧モータ800のブレーキ810と同
じである。すなわち大球支持部107の外周には複数の
プレート108と複数のディスク109が設けられブレ
ーキ110が構成される。ブレーキピストン111はブ
レーキ室113への圧油の供給に応じてブレーキ110
から離れる方向に移動する。ブレーキピストン111は
ブレーキ室113からの圧油の排出に応じて図示しない
ブレーキスプリングに押されてブレーキ110に当接す
る方向に移動する。したがってブレーキ室113に圧油
が供給されていない状態では斜軸式固定容量型油圧モー
タ100は制動状態になる。またブレーキ室113に圧
油が供給されると斜軸式固定容量型油圧モータ100は
制動解除される。
【0054】ケーシング101にはブレーキ弁112が
取り付けられている。
【0055】つぎに斜軸式固定容量型油圧モータ100
の作動を説明する。
【0056】シリンダボア102a内に圧油が供給され
ると、テーパピストン105にはシリンダブロック10
2の外部に押し出される力Fが作用する。力Fは大球支
持部107を回転させようとする力となる。この力は傾
転角θに応じて異なる。テーパピストン105はシリン
ダブロック102を回動させる。シリンダブロック10
2は主軸103に同期して回動する。以上のようにして
斜軸式固定容量型油圧モータ100は傾転角θに応じた
容量で回動する。
【0057】以上のように本実施形態の斜軸式固定容量
型油圧モータ100のピストンには、ロッド型ピストン
よりも高強度のテーパピストン105が使用される。テ
ーパピストン105が用いられるため傾転角θを35゜
としロッド型ピストンを用いた油圧モータの傾転角の限
界値(27゜〜28゜)よりも大きくしたとしても強度
の面で問題は生じることはなく大容量の油圧モータを実
現できる。
【0058】また本実施形態の斜軸式固定容量型油圧モ
ータ100ではブレーキ110を大球支持部107の外
周に設けた場合にシリンダブロック102とブレーキ1
10が干渉しないように傾転角を35゜に設定してい
る。したがってブレーキ110を含めた油圧モータ10
0の全長を短くでき油圧モータ全体の場積を小さくする
ことができる。
【0059】またブレーキ110を主軸103の外周に
設けることができたので、同じテーパピストンが用いら
れる図5の斜軸式固定容量型油圧モータ800のブレー
キ810と比較してプレート108とディスク109と
の接触面積を大きくすることができる。このためプレー
ト108とディスク109の枚数を少なくでき、油圧モ
ータ全体の場積をさらに小さくすることができる。
【0060】以上のように本実施形態によれば、斜軸式
固定容量型油圧モータの容量を大きくでき、場積を小さ
くすることができる。
【0061】つぎに本実施形態の効果について考察す
る。以下で同一のモータ容量とするため傾転角毎の油圧
モータのサイズの変化について説明する。
【0062】図2は傾転角θを35°とした場合の斜軸
式固定容量型油圧モータ100の断面図であり油圧モー
タの各部のサイズを示している。図2においてセンター
シャフト104の先端104aからシリンダブロック1
02の底面102bまでの距離をLで表す。シリンダブ
ロック102とセンターシャフト104とテーパピスト
ン105とをインターナル部という。インターナル部の
場積は(P.C.D) ×Lで表される。またケーシン
グ101の幅をDで表し、ケーシング101の長さをM
で表す。モータ全体の場積はD×M×π/4で表され
る。
【0063】図3(a)は傾転角θとインターナル部の
場積(P.C.D)×Lの関係を示すグラフである。
また図3(b)は傾転角θとモータ全体の場積D×M
×π/4の関係を示すグラフである。
【0064】図3(b)から分かるように、斜軸式固定
容量型油圧モータ100の場積D×M×π/4は傾転
角θを35°とした場合が最も小さくなる。この理由は
つぎのように説明される。
【0065】図3(a)に示すように、インターナル部
の場積(P.C.D)×Lは傾転角θが25°、30
゜の場合よりも傾転角θが35°の場合の方が小さくな
る。さらにインターナル部の場積(P.C.D)×L
は傾転角θが35゜の場合よりも傾転角θが40°の場
合の方が小さくなる。
【0066】しかし傾転角θが40°の場合には、傾斜
が大きくなることによって、シリンダブロック102が
ブレーキピストン111に近接する。このためブレーキ
ピストン111を、ケーシング101の幅方向にオフセ
ットして設けなければならない。このためケーシング1
01の幅Dが大きくなり図3(b)に示すように斜軸式
固定容量型油圧モータ100の全体の場積D×M×π
/4は大きくなる。
【0067】以上のように本実施形態では斜軸式固定容
量型油圧モータ100の傾転角θが35°の場合に場積
が最小値をとるものとして説明した。ただしケーシング
101の形状、シリンダボア102aの径、ブレーキ1
10の容量などにより場積が最小となる傾転角θは変化
する。したがって設計内容に応じて斜軸式固定容量型油
圧モータ100の最適な傾転角θを角度35°の前後で
変化させる実施も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る斜軸式固定容量型油圧モー
タの断面図である。
【図2】図2は本発明に係る斜軸式固定容量型油圧モー
タの傾転角θを35°とした場合の断面図である。
【図3】図3(a)はインターナル部の場積と傾転角と
の関係を示したグラフであり、図3(b)はモータ全体
の場積と傾転角との関係を示したグラフである。
【図4】図4は従来の斜軸式固定容量型油圧モータの断
面図である。
【図5】図5は従来の斜軸式固定容量型油圧モータの断
面図である。
【符号の説明】
102a…シリンダボア 103…主軸 105…テーパピストン 105a…大球部 107…大球支持部 109…ディスク 110…ブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 弘 栃木県小山市横倉新田400 株式会社小松 製作所小山工場内 Fターム(参考) 3H084 AA07 AA16 AA45 BB11 BB26 BB30 CC02 CC13 CC47 CC62 CC70

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧油が供給および排出されるシリンダ
    ブロック(102)内のシリンダ(102a)と、前記
    シリンダ(102a)内に一端部が往復移動自在に収容
    されるピストン(105)と、前記ピストン(105)
    の一端部に対向する他端部(105a)を支持する端部
    支持部材(107)と、前記端部支持部材(107)に
    一体に接続され圧油供給に応じて回動する軸(103)
    と、前記軸(103)を制動させるブレーキ(110)
    とをケーシング(101)内に設け、センタシャフト
    (104)の前記軸(103)に対してなす傾転角に応
    じた容量にて回転する斜軸式固定容量型油圧モータにお
    いて、 前記ピストン(105)を、前記一端部から前記他端部
    (105a)に向かって先細のテーパ状に形成されたテ
    ーパピストン(105)とし、 前記ブレーキ(110)を前記端部支持部材(107)
    の外周に設け、 前記センタシャフト(104)の前記軸(103)に対
    してなす傾転角を、前記シリンダブロック(102)が
    前記ブレーキ(110)に干渉しない角度に設定したこ
    とを特徴とする斜軸式固定容量型油圧モータ。
  2. 【請求項2】 圧油が供給および排出されるシリンダ
    ブロック(102)内のシリンダ(102a)と、前記
    シリンダ(102a)内に一端部が往復移動自在に収容
    されるピストン(105)と、前記ピストン(105)
    の一端部に対向する他端部(105a)を支持する端部
    支持部材(107)と、前記端部支持部材(107)に
    一体に接続され圧油供給に応じて回動する軸(103)
    と、前記軸(103)を制動させるブレーキ(110)
    とをケーシング(101)内に設け、センタシャフト
    (104)の前記軸(103)に対してなす傾転角に応
    じた容量にて回転する斜軸式固定容量型油圧モータにお
    いて、 前記ピストン(105)を、前記一端部から前記他端部
    (105a)に向かって先細のテーパ状に形成されたテ
    ーパピストン(105)とし、 前記ブレーキ(110)を前記端部支持部材(107)
    の外周に設け、 前記センタシャフト(104)の前記軸(103)に対
    してなす傾転角を、ロッド型ピストンの傾転角の限界値
    よりも大きく、前記テーパピストン(105)の傾転角
    の限界値よりも小さい角度に設定したことを特徴とする
    斜軸式固定容量型油圧モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010100912A1 (ja) 2009-03-03 2010-09-10 株式会社フジクラ 被覆除去ユニットおよび光ファイバ被覆除去装置

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