JP2002004877A - ガスタービンシステムおよびその運転方法 - Google Patents

ガスタービンシステムおよびその運転方法

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JP2002004877A JP2000181761A JP2000181761A JP2002004877A JP 2002004877 A JP2002004877 A JP 2002004877A JP 2000181761 A JP2000181761 A JP 2000181761A JP 2000181761 A JP2000181761 A JP 2000181761A JP 2002004877 A JP2002004877 A JP 2002004877A
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川 斗 小
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時、負荷増加時、負荷低下時、運転停止
時のいずれの状態においても燃料の改質率が高く排ガス
からの排熱回収率が高く効率、出力および信頼性の向上
したガスタービンシステムを提供する。 【解決手段】 ガスタービンシステムは酸素を含む流体
を圧縮する圧縮機1と、圧縮機1からの流体により燃料
を燃焼させる燃焼器2と、燃焼器2からの燃焼ガスを動
力に変換するタービン3とを備えている。タービン3か
らの排ガスを熱源として原燃料を改質する改質器10が
設けられ、改質器10内の改質燃料は改質燃料供給手段
26により燃焼器2へ送られる。原燃料を改質器10へ
原燃料供給手段24を介して直接供給することもでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力を発生させるガ
スタービンシステムおよびその運転方法に係わり、とり
わけ排ガスを用いて燃料を化学的に改質するガスタービ
ンシステムおよびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンシステムは一般に動力の供
給に用いられ、多くは発電機に動力を供給して電力に変
換することによる発電システムとして用いられる。ガス
タービンシステムの基本的な動作原理は、メタン等の燃
料を圧縮機によって加圧された例えば空気等の燃焼用の
酸素を含む流体によって燃焼させ、このとき得られる燃
焼ガスを静翼を介して動翼に吹き付け、これによって動
翼を配したロータを回転させて動力を得るものである。
このようなガスタービンシステムにおいては、燃焼ガス
の温度を高くすることにより効率を高めることができ
る。
【0003】一般に静翼および動翼は金属材料で構成さ
れ、これらの翼を何らかの手段で冷却することなしに、
燃焼ガス温度を金属材料の耐熱温度以上に高めることは
できない。このため、翼の内部に冷却媒体を通流させ、
冷却媒体によって翼部材を冷却する方法や、翼内部から
翼表面に冷却媒体を吹き出させ、翼表面に燃焼ガスと比
べて低温の冷却媒体の膜を形成し、翼部材への燃焼ガス
からの熱の伝わりを軽減する方法がとられる。しかし、
このような冷却手段を用いても燃焼ガス温度の上昇には
限度があり、さらに上記の翼表面に冷却媒体を吹き出さ
せ翼部材への熱の伝わりを軽減する方法では、燃焼ガス
温度の上昇に伴って冷却媒体の流量も増加し、高温の燃
焼ガスに低温の冷却媒体が混入することによる温度低下
の影響により効果的に効率の増加に結びつけることが困
難である。
【0004】このため、動翼を通過し動力を取出した後
の燃焼ガスで最終的にガスタービンシステムから排出さ
れる排ガスに残されている熱エネルギを回収することに
よって、効率を高める試みがなされている。その代表的
なものは、排ガスを排熱回収ボイラに導き高温高圧の蒸
気を発生させ、この蒸気を蒸気タービンに供給して蒸気
タービンで動力を発生させることにより排ガスに含まれ
ていた熱エネルギを回収し、システム全体としての効率
の向上を図るコンバインドサイクルによるものである。
【0005】近年、排ガスからの排熱回収により効率向
上を図る別の手段として、排ガスに含まれる熱エネルギ
によってガスタービンに供給される燃料を化学的に改質
し、燃料の化学エネルギを向上することによって排熱を
回収しガスタービンシステムの効率を向上させる提案が
なされている。
【0006】現在、ガスタービンの燃料として広く用い
られているものの一つとして天然ガスがあり、天然ガス
の主な成分はメタンである。メタンの代表的な改質の方
法として、メタンに水蒸気を添加し、例えばニッケルの
ような触媒の存在下で高温を保つことにより、水素と一
酸化炭素に転換させるものが知られている。このように
メタンを主な燃料としガスタービン排ガスによって燃料
を改質するガスタービンシステムとして、例えば、特開
平2―286835(特許2581825)あるいは特
開平7−269371に示されるようなものが提案され
ている。
【0007】これらの提案においては、例えば特開平7
−269371に記載されているように、7〜13.8
ata(0.7〜1.38MPa)の圧力において、一
般にメタンの改質に必要と考えられている650℃以
上、望ましくは800℃程度の温度と、約550℃程度
であるガスタービン排ガスの温度との差をうめるための
手段が述べられている。具体的には、特開平2−286
835においては、改質手段の前に補助燃焼器を設け、
この補助燃焼器により燃料を燃焼させることにより改質
時の温度を上昇させる手段が示されている。また、特開
平7−269371においては、タービン翼を翼内部に
水蒸気を通流させて冷却し、冷却によって高温になった
水蒸気を改質手段に供給して改質温度を排ガスの温度よ
り高める手段が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの提案
においては、このようなガスタービンシステムの起動、
負荷変化、停止等の運転方法については詳細に考えられ
ていない。
【0009】一般に補助燃焼により改質手段を高温化す
る場合、ガスタービンの燃焼器以外に燃料を供給するた
め、ガスタービンシステムの効率を向上させるのは難し
いことが知られている。このため、高い効率を得るため
には、補助燃焼を用いることなく改質を行うことが必要
となるが、ガスタービン起動時に補助燃焼無しに改質手
段を高温化する手段が必要とされていた。
【0010】また、前述のようにメタンの改質にはニッ
ケル等の触媒が必要であり、改質手段にはこのような触
媒が充填あるいは塗布され、メタンおよび水蒸気との接
触が高温化で行われて改質反応が進められる。ニッケル
等の触媒は、高温の酸化雰囲気中では酸化ニッケル等と
なり、触媒としての性能が著しく低下し、効果的な改質
を行うことが難しくなることが知られている。ガスター
ビンシステムの運転においては、触媒が高温の酸化雰囲
気にさらされることは条件によっては十分に考えられる
ため、触媒の酸化を防ぎ、改質性能の低下を防ぐ手段が
必要とされている。
【0011】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、ガスタービンシステムの起動、負荷変化、
停止等の運転状態においても、ガスタービンの排ガスか
らのエネルギ回収率が高く、信頼性の高いガスタービン
システムおよびその運転方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃焼用の酸素
を含む流体を圧縮する圧縮機と、酸素を含む流体によっ
て燃料を燃焼させる燃焼器と、燃焼器で発生した燃焼ガ
スを動力に変換するタービンと、タービンの排ガスの少
なくとも一部を熱源として原燃料を化学的に改質する改
質器と、改質器内の改質燃料を燃焼器に供給する改質燃
料供給手段と、燃焼器に原燃料を供給する原燃料供給手
段とを備えたことを特徴とするガスタービンシステムで
ある。
【0013】本発明は、タービンの排ガスの少なくとも
一部を熱源として水を蒸発させ蒸気を供給する蒸発器を
更に備え、蒸発器からの蒸気を上記改質器および上記燃
焼器の少なくともいずれか一方に供給することを特徴と
するガスタービンシステムである。
【0014】これにより、ガスタービンシステムにおけ
る排熱回収を改質器のみでなく、蒸発においても行い、
回収した熱エネルギをガスタービンの燃焼器に供給する
ことにより、さらに、ガスタービンシステムの効率、出
力を向上することができる。
【0015】本発明は、改質器に送られる原燃料に含ま
れる硫黄化合物を吸着脱硫する脱硫器を更に備えたこと
を特徴とするガスタービンシステムである。
【0016】これにより、原燃料中の硫黄化合物による
改質触媒への被毒を防げ、被毒による改質性能の低下を
防ぐことができる。
【0017】本発明は、改質器と燃焼器との間に、改質
燃料を加圧する手段を設けたことを特徴とするガスター
ビンシステムである。
【0018】これにより、原燃料の改質を低い圧力で行
うことができ、改質率を高め、さらに、ガスタービンシ
ステムの効率、出力を向上することができる。
【0019】本発明は、ガスタービンシステムの運転方
法において、タービンの運転開始時あるいは部分負荷運
転時には、原燃料供給手段により原燃料を燃焼器に供給
する工程と、原燃料の流量を増加して加温することによ
り改質器が改質可能温度に達した後に、改質器で改質を
行い改質された改質燃料を改質燃料供給手段により燃焼
器に供給する工程とを備えたことを特徴とするガスター
ビンシステムの運転方法である。
【0020】これらにより、ガスタービン運転開始時あ
るいは部分負荷運転からの負荷増加時に燃焼器に原燃料
を供給することが可能となり、補助燃焼手段を有しない
ガスタービンシステムにおいても、改質器の温度を改質
が可能な高温にすることができる。さらに、改質器が高
温になり改質が可能となった時点で、改質燃料を燃焼器
に供給することにより、改質器による排熱回収が行って
ガスタービンシステムの効率、出力を向上することがで
きる。
【0021】本発明は、運転開始時あるいは部分負荷運
転時には、改質器の酸化温度に達する前から改質を行う
までの間、改質器に原燃料あるいは水蒸気のうち少なく
ともいずれか一方を通流あるいは封止することを特徴と
するガスタービンシステムの運転方法である。
【0022】本発明は、上記運転開始時あるいは部分負
荷運転時には、改質器の酸化温度に達する前から上記改
質を行うまでの間、改質器に不活性ガスあるいは二酸化
炭素のうち少なくともいずれか一つを通流あるいは封止
することを特徴とするガスタービンシステムの運転方法
である。
【0023】これらにより、ガスタービンシステムの運
転開始時あるいは部分負荷運転からの負荷増加時に改質
器内の触媒が酸化雰囲気で高温にさらされることがな
く、改質触媒の酸化を防ぎ、改質性能の低下を防ぐこと
ができる。
【0024】本発明は、ガスタービンシステムの運転方
法において、タービンの負荷低下時あるいは運転停止時
には、改質器で改質燃料を燃焼器に供給する工程と、改
質燃料の流量を減少して減温することにより改質器が改
質可能温度に達する前に、原燃料供給手段により原燃料
を燃焼器に供給する工程とを備えたことを特徴とするガ
スタービンシステムの運転方法である。
【0025】これにより、改質器の温度が低下し、改質
による排熱回収が行えなくなるまでは、排熱回収により
ガスタービンシステムの効率、出力を向上することがで
き、改質器が改質可能温度を下回るような低い負荷にお
いてもガスタービンの運転を継続することができる。
【0026】本発明は、負荷低下時あるいは運転停止時
には、改質器で改質を停止してから改質器の酸化温度以
下の温度に至るまでは、改質器に原燃料あるいは水蒸気
のうち少なくともいずれか一方を通流あいるは封止する
ことを特徴とする記載のガスタービンシステムの運転方
法である。
【0027】本発明は、上記負荷低下時あるいは運転停
止時には、改質器で改質を停止してから改質器の酸化温
度以下の温度に至るまで、改質器に不活性ガスあるいは
二酸化炭素のうち少なくともいずれか一つを通流あるい
は封止することを特徴とするガスタービンシステムの運
転方法である。
【0028】これらにより、ガスタービンシステムの停
止時に改質器内の触媒が酸化雰囲気で高温にさらされる
ことがなく、改質触媒の酸化を防ぎ、改質性能の低下を
防ぐことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。
【0030】図1は本発明の第1の実施の形態に係わる
ガスタービンシステムの系統図である。
【0031】図1に示すように、ガスタービンシステム
は空気6を圧縮する圧縮機1と、圧縮機1で圧縮された
空気7によって原燃料供給手段24により供給される原
燃料あるいは改質燃料供給手段26によって供給される
改質燃料を燃焼させる燃焼器2と、燃焼器2で生じた高
温、高圧の燃焼ガス8によって動力を発生するタービン
3とを備えている。
【0032】タービン3で発生した動力は圧縮機1を駆
動するために用いられるとともに発電機4を駆動して電
力を発生し、動力発生に使われた燃焼ガスは温度、圧力
を減じた排ガス9としてタービン3から排出される。
【0033】ここで、原燃料としては、ガスタービン燃
料として広く用いられる天然ガスあるいは都市ガスを想
定しているが、いずれもその主成分はメタンである。燃
焼器2で燃焼される改質燃料は、原燃料供給手段27に
より供給される原燃料と、蒸発器12で発生した水蒸気
16との混合物である改質前燃料23を改質器10にお
いて改質することにより得られ、水素を多く含む改質燃
料となっている。
【0034】この場合、改質器10において、改質前燃
料23は改質触媒を充填あるいは塗布した改質器10a
に導かれ、タービン3からの排ガス9との熱交換により
改質が行われる。改質器10を通った排ガス11の熱は
さらに蒸発器12で水14を蒸発させ水蒸気16を発生
するのに用いられた後、排ガス13として排出される。
発生した水蒸気16はユーティリティ蒸気供給手段18
を介してユーティリティ蒸気として用いられるととも
に、その一部は改質用蒸気供給手段46により改質器1
0に供給され、燃料改質用の水蒸気として用いられる。
【0035】原燃料供給手段24,27を介して燃焼器
2および改質器10へ送られる原燃料19は、燃焼器2
および改質器10への供給圧力まで高めるために、モー
タ29で駆動される圧縮機20により加圧される。また
蒸発器12で生成される水蒸気16の圧力を改質器10
への供給圧力まで高めるために、水14がポンプ15に
より加圧される。
【0036】また原燃料供給手段24、原燃料供給手段
27、改質用蒸気供給手段46、およびユーティリティ
蒸気供給手段18には、それぞれ、バルブ25、バルブ
22、バルブ17、バルブ28が設けられ、各供給手段
24、27、46、18を流れるガスあるいは水蒸気の
流量、圧力が調整される。
【0037】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。ガスタービンシステムの起動
時には、改質器の改質部10aは、ほぼ200℃以下の
改質器酸化温度以下に保たれ、その内部には空気すなわ
ち酸素が存在している。原燃料の圧縮機20により、原
燃料供給手段21における圧力は燃焼器2および改質器
10への供給圧力に保たれるが、バルブ25およびバル
ブ22はいずれも遮断され、燃焼器2および改質器10
への原燃料の供給は行われない。また改質器10へ水蒸
気供給を供給する改質用蒸気供給手段46のバルブ17
も遮断される。起動時には起動モータ5によってガスタ
ービンの圧縮機1が駆動され、圧縮機1の回転数が徐々
に上げられることによって、燃焼器2の圧力が徐々に高
められ、燃焼器2およびタービン3が空気によりパージ
される。
【0038】圧縮機1の回転数が定格回転数のほぼ20
%程度となると、バルブ25を開いて燃焼器2に原燃料
が供給され、燃焼器2内で着火されて燃焼器2内で原燃
料が燃焼する。次に燃焼器2への原燃料流量が徐々に増
加され、これによってタービン3での出力の発生も徐々
に増加する。圧縮機1の回転数が定格回転数に至るまで
の適当なタイミングにおいて、起動モータ5からの出力
が切り離され、圧縮機1はタービン3の出力のみで駆動
される。
【0039】バルブ25の操作により燃焼器2への原燃
料の供給はさらに徐々に増加され、圧縮機1の回転数が
定格回転数に至ると、タービン3はバルブ25の操作に
より燃料流量が調節され、無負荷定格回転状態になる。
タービン3から発電機4で負荷を取り出し、負荷を徐々
に増加するとともに、タービン3の回転数を定格回転数
に保つためにバルブ25の操作により原燃料の供給量を
徐々に増加する。このことにより、最終的に定格負荷運
転状態に至る。定格負荷運転状態では、排ガス9の温度
は通常550℃から600℃程度となる。
【0040】このような起動時において、排ガス9の温
度は徐々に上昇し、このため改質器10の改質部10a
の温度もほぼ200℃以下の改質器酸化温度以下の温度
から徐々に上昇する。改質部10aにはニッケル系の触
媒が充填あるいは塗布されている。このようなニッケル
系の触媒は酸素の存在下である温度以上におかれた場
合、酸化して酸化ニッケルとなり、触媒活性を失うこと
が知られている。発明者らの経験ではこのようなニッケ
ルの酸化反応が著しくなるのは、ほぼ200℃程度であ
るため、改質器10の耐酸化温度はほぼ200℃以下と
なる。起動時に改質部10a内に空気すなわち酸素が存
在していることから、このままの状態で改質部10aの
温度がほぼ200℃以下の改質器酸化温度を越えると触
媒は酸化され、改質性能を著しく損なう。
【0041】本実施の形態においては、このような起動
時の触媒の酸化を防ぐために、起動過程において改質部
10aの温度がほぼ200℃以下の改質器酸化温度を越
える前に、バルブ17を閉じたままバルブ22を開き、
改質部10aの内部に原燃料すなわちメタンを導びく。
このことにより内部に存在した空気を改質燃料供給手段
26を通じて燃焼器2内に排気する。さらに適当な時
間、改質部10a内に原燃料を通流させて残存空気すな
わち残存酸素をほぼ完全に排気した後、バルブ22を閉
じ、改質部10a内に原燃料を封止する。このとき改質
部10a内の圧力は常に燃焼器2内の圧力よりも高く、
起動過程のどの状態においても燃焼器2から改質部10
aへの逆流はなく、改質部10a内には原燃料すなわち
メタンが封止された状態でほぼ200℃以下の改質器耐
酸化温度を越え、さらに、定格負荷状態に至る。このた
め、改質部10a内は酸化雰囲気ではなくメタンが封止
された状態となって200℃以下の改質器酸化温度を越
え、ほぼ400℃以上の改質可能温度に至ることができ
るため、触媒の酸化無しに改質を開始することができ
る。
【0042】このような、改質部10a内の原燃料によ
る封止は、燃焼器2の着火のタイミングと合せて、ある
いはそれよりやや遅らせたタイミングで行っても良く、
これにより改質部10aはより広い温度範囲内において
酸化から保護される。
【0043】なお、これと並行して蒸発器12にポンプ
15により水が供給され、発生した蒸気16はユーティ
リティ蒸気供給手段18によりユーティリティ蒸気とし
て供給される。
【0044】タービン3が原燃料の燃焼により定格負荷
運転に至ると、バルブ17を開いて原燃料の改質に必要
な流量の水蒸気を改質器10に導く。さらに改質燃料供
給手段26を介して水蒸気を燃焼器2に導き、それと同
時に改質部10a内の原燃料を水蒸気で置換する。
【0045】その後、バルブ22を開いて所定流量の原
燃料を改質器10に供給し、改質器10において排ガス
9との熱交換により原燃料を改質し改質された改質燃料
を燃焼器2へ供給する。この操作により、後述の水蒸気
/メタン比は、常に定常的な改質における水蒸気/メタ
ン比より高く保たれるため、改質部10aにおいて炭素
析出を生じることはない。改質器10における改質燃料
の発生に合わせて、バルブ25の操作により燃焼器2に
供給される原燃料の流量を徐々に減少させ、最終的には
バルブ25が遮断され燃焼器2への原燃料供給はなくな
る。その後は、バルブ22およびバルブ17の操作によ
り、原燃料および水蒸気の流量が調整され、タービン3
の負荷に応じた運転がなされる。
【0046】なお、ここでは、原燃料の燃焼による運転
から改質された燃料の燃焼による運転への切り替えを、
定格負荷運転後として説明したが、このような運転切り
替えは、改質器10が改質可能温度になっていれば定格
以下の負荷運転状態においても可能である。
【0047】ここで、改質器10における原燃料の改質
反応について触れる。原燃料の主成分であるメタンの水
蒸気改質反応は以下の化学式で表される。
【0048】 CH+HO→3H+CO (1) ここで、このメタン改質反応が吸熱反応であり、この反
応に使われた熱、すなわち上記の実施の形態においては
タービン3からの排ガス9のもつ排熱がこの反応によっ
て減少し、改質後の燃料の化学エネルギが増加して、排
ガスの持つ熱からの排熱回収がおこなわれる。回収され
た熱は、原燃料であるメタンよりも高い化学エネルギを
持つ水素リッチな改質された燃料としてガスタービンシ
ステムの燃焼器2で燃焼され、これによってガスタービ
ンシステムの効率および出力が向上される。
【0049】このようなメタン水蒸気改質反応において
は、改質触媒上での炭素析出を防止するために、(1)
式で示されるよりもメタンに対して過剰な量の水蒸気を
供給する。発明者らの計算による、水蒸気/メタン比お
よび改質温度と炭素析出との関係を図2に示す。
【0050】図2に示すグラフは、圧力が15atmの
場合の改質反応の平衡条件から導いたもので、水蒸気/
メタン比および改質温度の条件が同グラフの曲線よりも
下の領域にある場合には炭素析出の可能性がある。図2
に示すように、改質温度がほぼ400℃より低い場合に
は、炭素析出を防ぐために必要な水蒸気量は急激に増加
することが分かる。このため、改質器10における改質
可能温度は、ほぼ400℃以上といえる。
【0051】なお、本実施の形態においては、起動時の
触媒の酸化を防ぐために、改質部10a内に原燃料すな
わちメタンを封止し、この状態で略200℃以下の改質
器酸化温度を越えて定格負荷状態に至るようにしたが、
バルブ22を閉じてたままでバルブ17をあけ、改質部
10a内に水蒸気を通流させた後バルブ17を閉じて水
蒸気により改質部10a内を封止しても良い。このと
き、改質部10a内は酸化雰囲気ではなく、水蒸気が封
止された状態でほぼ200℃以下の改質器酸化温度を越
え、ほぼ400℃以上の改質可能温度に至る。このた
め、改質部10a内で触媒の酸化無しに改質を開始する
ことができる。
【0052】さらに、バルブ22とバルブ17を開け、
改質部10a内にメタンと水蒸気を通流させた後バルブ
22とバルブ17を閉じ、このことにより、水蒸気/メ
タン比の高いメタンと水蒸気によって改質部10a内を
封止しても良い。このとき、改質部10a内は、酸化雰
囲気ではないメタンと水蒸気が封止された状態で、ほぼ
200℃以下の改質器酸化温度を越え、ほぼ400℃以
上の改質可能温度に至る。このため、触媒の酸化無しに
改質を開始することができる。
【0053】なお、本実施の形態においては、起動時の
触媒の酸化を防ぐために、改質部10a内にメタンある
いは水蒸気を封止するものとしたが、タービン3の部分
負荷運転を行ないながら燃焼器2内で原燃料を燃焼する
状態から、負荷を増加して燃焼器2内で改質燃料を燃焼
する状態に切り替える場合においても、全く同様の手順
によって触媒の酸化を防ぐことができる。
【0054】また、本実施の形態において、改質燃料を
燃焼する状態から負荷を低下する場合には、排ガス9の
温度はほぼ550℃〜600℃程度から徐々に低下す
る。このため改質器10の温度も徐々に低下してくる。
このとき、改質器10の温度がほぼ400℃以上の改質
可能温度まで低下する前に、バルブ25を開いて原燃料
を燃焼器2に供給して燃焼させることにより、改質器1
0の温度がほぼ400℃以上の改質可能温度を下回った
場合に改質器10での改質を停止しても、タービンの運
転を継続することが可能となる。
【0055】なお、この場合、改質器10での改質の停
止前にバルブ17を閉じ、改質部10a内に原燃料のみ
を供給し、その後、バルブ22を閉じることによって改
質部10a内に原燃料を封止する。これによって、改質
部10a内は酸化雰囲気ではない原燃料が封止された状
態となり、改質可能温度から改質器酸化温度以下の温度
まで通過することができ、このため触媒の酸化が防止で
きる。また、改質器10での改質の停止前にバルブ22
を閉じ、改質部10a内に水蒸気のみを供給し、その
後、バルブ17を閉じることによって改質部10a内に
水蒸気を封止することによっても触媒の酸化が防止され
る。
【0056】また、バルブ22およびバルブ17の操作
によって改質部10a内に十分高い水蒸気/メタン比の
原燃料と水蒸気を供給し、その後、バルブ17およびバ
ルブ22を閉じて改質部10a内に十分高い水蒸気/メ
タン比の原燃料と水蒸気を封止することによっても触媒
の酸化が防止できる。
【0057】さらに、本実施の形態において、バルブ1
7およびバルブ22が開いた状態で改質燃料を燃焼器2
で燃焼する状態から運転停止する場合には、バルブ17
を閉じ、改質部10a内に原燃料のみを供給し、その後
バルブ22を閉じることによって改質部10a内に原燃
料を封止する。バルブ22を閉じることによって燃焼器
2への燃料供給が遮断され、タービン3の出力は低下
し、圧縮機1の回転数も低下するため、燃焼器2の圧力
も低下する。最終的に圧縮機1の回転が止まった状態で
は、燃焼器2内は大気圧の空気で満たされる。この燃焼
器2の大気圧までの減圧の過程において、改質部10a
内に封止されていた原燃料は徐々に燃焼器2内に排出さ
れるが、ガスタービンが停止した状態においても改質部
10aおよび改質燃料供給手段26内には大気圧の原燃
料が残る。このため、改質部10a内は酸化雰囲気では
なく原燃料が封止された状態となり、改質器酸化温度以
下の温度までを通過することができるため、触媒の酸化
が防止できる。また同様に、改質器10での改質の停止
直前にバルブ22を閉じ、改質部10a内に水蒸気のみ
を供給し、その後、バルブ17を閉じ改質部10a内に
水蒸気を封止することによっても触媒の酸化が防止され
る。また、バルブ22およびバルブ17の操作によって
改質部10a内に十分高い水蒸気/メタン比の原燃料と
水蒸気を供給し、その後、バルブ17およびバルブ22
を閉じ改質部10a内に十分高い水蒸気/メタン比の原
燃料と水蒸気を封止することによっても触媒の酸化が防
止できる。
【0058】また、本実施の形態において、改質器10
に供給される水蒸気の量を調整することにより原燃料の
改質率を調整することが可能である。例えば、水蒸気の
供給量を0にすれば、原燃料は改質されることなく、改
質器10で排ガス9と単に熱交換をした後に、最終的に
燃焼器2に供給される。この場合には、排ガス9からの
排熱回収率が減収し、ガスタービンシステムの発生動力
すなわち発電量が減少する替わりに、ユーティリティー
へ供給される水蒸気の量は増加する。このように、本実
施の形態においては、動力(電力)と水蒸気(熱)との
発生割合を利用の形態に応じて調整する、いわゆる熱電
可変なシステムが実現できる。
【0059】なお、本実施の形態においては、燃焼器2
における燃焼に空気6を用いるものとして説明したが、
空気以外の組成をもつ酸素を含む流体、例えば酸素と二
酸化炭素からなる流体、あるいは酸素とアルゴンとから
なる流体、あるいは酸素とヘリウムとからなる流体等、
その他の多くの組成の流体を用いることによっても、本
発明の効果は同様に得られる。
【0060】このように本実施の形態によれば、従来の
ような補助燃焼をおこなうことなくタービン起動時に改
質器の温度を高め、原燃料の改質を行うことができる。
さらに、起動時、負荷増加時、負荷低下時、運転停止時
のいずれの状態においても改質触媒の酸化による改質性
能の低下を生じることなく運転を行なうことができる。
また原燃料の改質による排熱回収によりガスタービンシ
ステムの効率および出力が著しく向上し、また、熱電可
変なガスタービンシステムが実現できる。
【0061】第2の実施の形態 図3に本発明の第2の実施の形態に係わるガスタービン
システムの系統図を示す。図3に示す第2の実施の形態
は、改質部10aに窒素、アルゴン等の不活性ガス、ま
たは二酸化炭素のうち少なくともいずれか一つを供給手
段30により供給するとともに、供給手段30にバルブ
31を設けたものであり、他は図1および図2に示す第
1の実施の形態と略同一である。
【0062】図3において、触媒の酸化を防ぐための改
質部10aのガス封止を、供給手段30からの窒素、不
活性ガス、二酸化炭素の少なくとも一つにより行なう。
燃焼器2からの逆流を防ぐため、バルブ31が用いられ
る。一般に、窒素、アルゴン等の不活性ガス、二酸化炭
素は酸化を防ぐ環境としてメタン、水蒸気よりも優れて
いる。このため、本実施の形態においては、ガスタービ
ンの起動、負荷増加、負荷低下、運転停止の各運転状態
においてより確実に改質触媒の酸化を防ぐことができ、
ガスタービンシステムの信頼性をより高めることができ
る。
【0063】第3の実施の形態 図4に本発明の第3の実施の形態に係わるガスタービン
システムの系統図を示す。図4に示す第3の実施の形態
は、バルブ32を、改質部10aと燃焼器2との間の改
質燃料供給手段26に設けたものである。他は、図3に
示す第2の実施の形態と略同一である。
【0064】本実施の形態において、タービン3の起
動、負荷増加、負荷低下、運転停止の手順については、
第1および第2の実施の形態の場合とほぼ同様である
が、触媒の酸化を防ぐため、改質部10aを酸化雰囲気
でないガスによる封止するとき、バルブ32を遮断す
る。このことにより例えば燃焼器2での燃焼振動や突発
的な燃焼により燃焼器2内の圧力が高まった場合でも、
改質部10a内を燃焼器2の状態によらず酸化雰囲気か
ら守ることができる。このため、タービン3の起動、負
荷増加、負荷低下、運転停止の各運転状態において、よ
り確実に改質部10a内の触媒の酸化を防ぐことがで
き、ガスタービンシステムの信頼性をより高めることが
できる。
【0065】第4の実施の形態 図5に本発明の第4の実施の形態に係わるガスタービン
システムの系統図を示す。図5に示す第4の実施の形態
は、ユーティリティ蒸気供給手段18と燃焼器2との間
に蒸気供給手段34を設け、蒸気供給手段34にバルブ
33を取付けるとともに、圧縮機20の上流側に原燃料
中に含まれる硫黄化合物を吸着する脱硫器35を設けた
ものである。他は図1および図2に示す第1の実施の形
態と略同一である。
【0066】本実施の形態において、ガスタービンの起
動、負荷増加、負荷低下、運転停止の手順については、
第1の実施の形態の場合とほぼ同様であるが、本実施の
形態においては、蒸発器12で生じた蒸気を蒸気供給手
段34により燃焼器2に供給することによりタービン3
の出力および効率をさらに向上することができる。また
脱硫器35により原燃料に含まれる硫黄化合物を取り除
くことによって、改質部10a内の触媒の被毒を防ぎ、
タービンの起動、負荷増加、負荷低下、運転停止の各運
転状態において、ガスタービンシステムの信頼性をより
高めることができる。
【0067】第5の実施の形態 図6に本発明の第5の実施の形態に係わるガスタービン
システムの系統図を示す。図6に示す第5の実施の形態
は、原燃料供給手段27を圧縮機20の上流側に接続
し、蒸発器12からの蒸気を用いたエゼクタ36により
原燃料を加圧するものであり、他は図1および図2に示
す第1の実施の形態と略同一である。
【0068】本実施の形態において、タービンの起動、
負荷増加、負荷低下、運転停止の手順については、第1
の実施の形態の場合とほぼ同様である。改質燃料を燃焼
させる場合に、原燃料をエゼクタ36で加圧して改質器
10に供給するために圧縮機20の駆動動力を必要とし
ない。このためガスタービンシステムとしての出力およ
び効率は、より向上したものとなる。
【0069】第6の実施の形態 図7に本発明の第6の実施の形態に係わるガスタービン
システムの系統図を示す。図7に示す第6の実施の形態
は、原燃料供給手段26を圧縮機20の上流側に接続す
るとともに、改質燃料供給手段26にモータ4で駆動さ
れる圧縮機40を設けたものであり、他は図1および図
2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0070】本実施の形態において、ガスタービンの起
動、負荷増加、負荷低下、運転停止の手順については、
第1の実施の形態の場合とほぼ同様である。改質器10
と燃焼器2との間に改質燃料を加圧する圧縮機40を設
けたので、改質器10における原燃料の改質を燃焼器2
内の圧力よりもはるかに低い圧力で行なうことができ
る。
【0071】一般に原燃料であるメタンの改質反応は改
質時の圧力の影響を受ける。図8に、発明者らの計算に
よるメタンの改質率と圧力との関係を示す。ここで、改
質率とは、原燃料として供給したメタンのうち水素およ
び一酸化炭素に転化されたメタンの割合を示すもので、
改質率が高いほど、原燃料メタンから水素および一酸化
炭素への転化が多くなる。
【0072】図8に示すように、圧力が低いほど改質率
は高く、原燃料メタンから水素および一酸化炭素への転
化が進むことがわかる。改質率が高く、メタンから水素
および一酸化炭素への転化が多くなることによって、排
ガス9からの排熱回収量も増え、ガスタービンシステム
の効率および出力は向上する。
【0073】このように本実施の形態においては、起動
時、負荷増加時、負荷低下時、運転停止時のいずれの状
態においても改質触媒の酸化による改質性能の低下を生
じることなく運転を行なうことができる。このため燃焼
器内の圧力より低い圧力で原燃料の改質を行うことによ
り、排熱回収をさらに高め、ガスタービンシステムの効
率および出力を向上することができる。
【0074】第7の実施の形態 図9に本発明の第7の実施の形態に係わるガスタービン
システムの系統図を示す。図9に示す第7の実施の形態
は、ユーティリティ蒸気供給手段18と燃焼器2との間
に蒸気供給手段43を設け、この蒸気供給手段43にバ
ルブ42を設けるとともに、原燃料供給手段27に原燃
料中に含まれる硫黄化合物を吸着脱硫する脱硫器44を
設けたものである。他は図7に示す第6の実施の形態と
略同一である。
【0075】本実施の形態において、タービンの起動、
負荷増加、負荷低下、運転停止の手順については、第1
の実施の形態の場合とほぼ同様で、また、燃焼器2の圧
力よりも低い圧力で改質を行うことは第6の実施の形態
と同様である。本実施の形態においては、蒸発器12で
生じた蒸気を燃焼器2に供給することによりタービン3
の出力および効率をさらに向上することができる。ま
た、脱硫器44により原燃料に含まれる硫黄化合物を取
り除くことによって、改質触媒の被毒を防ぎ、ガスター
ビンの起動、負荷増加、負荷低下、運転停止の各運転状
態においてガスタービンシステムの信頼性をより高める
ことができる。
【0076】第8の実施の形態 図10に本発明の第8の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図を示す。図10に示す第8の実施の
形態は、原燃料供給手段27を圧縮機10の上流側に接
続し、ユーティリティ蒸気供給手段18にバルブ42を
有する蒸気供給手段43を接続し、改質燃料供給手段2
6にエゼクタ45を設けるとともに、蒸気供給手段43
をエゼクタ45に接続したものである。他は図1および
図2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0077】本実施の形態においてガスタービンの起
動、負荷増加、負荷低下、運転停止の手順については、
第1の実施の形態の場合とほぼ同様で、また、燃焼器2
の圧力よりも低い圧力で改質を行うことは第6の実施の
形態と同様である。改質された燃料を燃焼させる場合
に、改質燃料を加圧して燃焼器2に供給するためにエゼ
クタ45を用いるので、圧縮機駆動のための動力を必要
としない。このためガスタービンシステムとしての出力
および効率はより向上したものとなる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のような補助燃焼をおこなうことなくガスタービン
起動時に改質器の温度を高め、原燃料の改質を行うこと
ができる。さらに、起動時、負荷増加時、負荷低下時、
運転停止時のいずれの状態においても改質触媒の酸化に
よる改質性能の低下を生じることなく運転を行い、原燃
料の改質による排熱回収によりガスタービンシステムの
効率および出力を向上することができる。また、改質率
を調整することにより電力と熱との出力の割合を調整で
きる熱電可能なガスタービンシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図2】メタン改質における炭素析出特性を示す線図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図8】メタン改質率の圧力依存特性を示す線図。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係わるガスタービ
ンシステムの系統図。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係わるガスター
ビンシステムの系統図。
【符号の説明】 1 圧縮機 2 燃焼器 3 タービン 4 発電機 10 改質器 10a 改質部 12 蒸発器 15 ポンプ 17 バルブ 18 ユーティリティ蒸気供給手段 20 圧縮機 21 原燃料供給手段 22 バルブ 24 原燃料供給手段 25 バルブ 26 改質燃料供給手段 27 原燃料供給手段 28 バルブ 31 バルブ 32 バルブ 33 バルブ 34 水蒸気供給手段 35 脱硫器 36 エゼクタ 40 圧縮機 41 モータ 42 バルブ 43 水蒸気供給手段 44 脱硫器 45 エゼクタ 46 改質用蒸気供給手段
フロントページの続き (72)発明者 川 本 浩 一 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 大 橋 幸 夫 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 中 垣 隆 雄 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼用の酸素を含む流体を圧縮する圧縮機
    と、 酸素を含む流体によって燃料を燃焼させる燃焼器と、 燃焼器で発生した燃焼ガスを動力に変換するタービン
    と、 タービンの排ガスの少なくとも一部を熱源として原燃料
    を化学的に改質する改質器と、 改質器内の改質燃料を燃焼器に供給する改質燃料供給手
    段と、 燃焼器に原燃料を供給する原燃料供給手段とを備えたこ
    とを特徴とするガスタービンシステム。
  2. 【請求項2】タービンの排ガスの少なくとも一部を熱源
    として水を蒸発させ蒸気を供給する蒸発器を更に備え、
    蒸発器からの蒸気を上記改質器および上記燃焼器の少な
    くともいずれか一方に供給することを特徴とする請求項
    1に記載のガスタービンシステム。
  3. 【請求項3】改質器に送られる原燃料に含まれる硫黄化
    合物を吸着脱硫する脱硫器を更に備えたことを特徴とす
    る請求項1に記載のガスタービンシステム。
  4. 【請求項4】改質器と燃焼器との間に、改質燃料を加圧
    する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガ
    スタービンシステム。
  5. 【請求項5】請求項1記載のガスタービンシステムの運
    転方法において、 タービンの運転開始時あるいは部分負荷運転時には、原
    燃料供給手段により原燃料を燃焼器に供給する工程と、 原燃料の流量を増加して加温することにより改質器が改
    質可能温度に達した後に、改質器で改質を行い改質され
    た改質燃料を改質燃料供給手段により燃焼器に供給する
    工程とを備えたことを特徴とするガスタービンシステム
    の運転方法。
  6. 【請求項6】改質器の改質可能温度は400℃以上であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のガスタービンシス
    テムの運転方法。
  7. 【請求項7】運転開始時あるいは部分負荷運転時には、
    改質器の酸化温度に達する前から改質を行うまでの間、
    改質器に原燃料あるいは水蒸気のうち少なくともいずれ
    か一方を通流あるいは封止することを特徴とする請求項
    5に記載のガスタービンシステムの運転方法。
  8. 【請求項8】運転開始時あるいは部分負荷運転時には、
    改質器の酸化温度に達する前から改質を行うまでの間、
    改質器に不活性ガスあるいは二酸化炭素のうち少なくと
    もいずれか一つを通流あるいは封止することを特徴とす
    る請求項5に記載のガスタービンシステムの運転方法。
  9. 【請求項9】改質器の酸化温度はほぼ200℃以下であ
    ることを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載
    のガスタービンシステムの運転方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載のガスタービンシステムの
    運転方法において、 タービンの負荷低下時あるいは運転停止時には、改質器
    で改質燃料を燃焼器に供給する工程と、 改質燃料の流量を減少して減温することにより改質器が
    改質可能温度に達する前に、原燃料供給手段により原燃
    料を燃焼器に供給する工程とを備えたことを特徴とする
    ガスタービンシステムの運転方法。
  11. 【請求項11】改質器の改質可能温度が400℃以上で
    あることを特徴とする請求項10に記載のガスタービン
    システムの運転方法。
  12. 【請求項12】負荷低下時あるいは運転停止時には、改
    質器で改質を停止してから改質器の酸化温度以下の温度
    に至るまで、改質器に原燃料あるいは水蒸気のうち少な
    くともいずれか一方を通流あいるは封止することを特徴
    とする請求項11に記載のガスタービンシステムの運転
    方法。
  13. 【請求項13】負荷低下時あるいは運転停止時には、改
    質器で改質を停止してから改質器の酸化温度以下の温度
    に至るまで、改質器に不活性ガスあるいは二酸化炭素の
    うち少なくともいずれか一つを通流あるいは封止するこ
    とを特徴とする請求項11に記載のガスタービンシステ
    ムの運転方法。
  14. 【請求項14】上記改質器の酸化温度がほぼ200℃以
    下であることを特徴とする請求項12または13のいず
    れかに記載のガスタービンシステムの運転方法。
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