JP2002004499A - 緊張材定着装置 - Google Patents

緊張材定着装置

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JP2002004499A JP2000190819A JP2000190819A JP2002004499A JP 2002004499 A JP2002004499 A JP 2002004499A JP 2000190819 A JP2000190819 A JP 2000190819A JP 2000190819 A JP2000190819 A JP 2000190819A JP 2002004499 A JP2002004499 A JP 2002004499A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートにプレストレスを与える定着装
置の組み込み凹部の空間を小さくしながら、コンクリー
ト躯体の強度の向上を達成し、同時に構造的にもスリー
ブの変形防止を図る。 【解決手段】 支圧板3の開孔内周に設けたメネジ30
2と、スリーブ1の円筒外周に設けたオネジ101の一
部とを螺合させて、スリーブ1が支圧板3の開孔301
を貫通するようにしてこれらを相互に連繋させ、コンク
リート躯体8へのプレストレス力の伝達を該相互に連繋
した支圧板3及びこれを貫通したスリーブ1の一端とか
ら行わせ、また外周に螺合した支圧板3によりスリーブ
1の変形を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コンクリ
ート架橋においてその軌道横方向にコンクリートに対し
てプレストレスを与える場合などに用いられる緊張材の
定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、緊張材としてPC鋼より線を単独
で用いてコンクリート構造物にプレストレスを与える工
法(通常「シングルストランド工法」と呼ばれる)に使
われている定着装置は、一般に、緊張材の端部を把持す
るウェッジ、このウェッジが嵌合するテーパー付きの貫
通孔を有するスリーブ、及び上記ウェッジで把持した緊
張材の引張力をコンクリート躯体に伝えるための支圧板
を用いて構成され、コンクリート躯体の打設時に上記支
圧板を埋込むかまたは後付けの状態で取付け、支圧板の
外表面にスリーブを当てがってそのテーパー付きの貫通
孔に緊張材を通した後、所定の引張力をかけてその状態
で該スリーブのテーパー付き貫通孔に嵌合させたウェッ
ジで緊張材を噛んで(把持して)緊張・定着を行なう方
式のものが知られている。
【0003】図5はこのような従来の定着具を用いた緊
張材定着装置をコンクリート架橋に適用した場合の一例
を示したものであり、図中の(イ)は架橋の軌道横方向
の側端部分及びその近傍を示した平面図、(ロ)はB−
B線断面図、(ハ)は架橋の側面図である。
【0004】この例は、コンクリートの打設後に緊張材
を緊張させるポストテンション方式のものであり、緊張
材は架橋の軌道方向(図5(イ)の矢印方向)に沿って
所定の間隔で多数配置され、それぞれ軌道横方向に延在
するPC鋼より線11は、シース(図示せず)を外装し
た状態でコンクリート架橋の躯体12(例えば桁)の打
設時に埋設される。この時、定着装置組み込み用の凹部
(「箱抜き」と称される)121をコンクリート躯体1
2の側縁部に切欠形成し、支圧板13を後付けの状態で
その凹部121の底部に取付け、支圧板13の外表面に
スリーブ14を当てがって貫通孔にPC鋼より線11を
通し、所定の引張力で該PC鋼より線11を緊張した
後、その伸長状態から自然状態に戻れないようにスリー
ブ貫通孔に嵌合したウェッジ(図示せず)でPC鋼より
線11を把持・拘束し、更に、該凹部121をコンクリ
ートで後埋めする。これにより、PC鋼より線11が自
然状態に復元しようとする力でコンクリート躯体12に
圧縮力(プレストレス)を与えて強度の向上が図られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図5で
説明した従来の定着装置を用いてPC鋼より線を緊張定
着する場合、支圧板およびスリーブは、コンクリート躯
体の側縁に切欠形成した凹部121内に露出した状態で
組み込まれるため、定着装置および緊張材に対する「か
ぶり」を考慮すると切欠きの深さが大きくなり、凹部の
形体が大型化する。特に、近時においてはより大径、高
強度のPC鋼材を用いる傾向となりつつあるため、定着
装置は全体としてますます大型化する。なお、PC工法
では、一般に定着具、緊張材およびシース等に対して耐
久性,耐火性等の面から所定の「かぶり」が定められて
おり、このために、部材内に位置する定着具の最外側部
分から部材コンクリートの外表面までの距離が最小かぶ
りの条件を満たす必要がある。
【0006】しかし、定着装置の大型化はこれを組み込
む凹部の空間も大きくする必要を招くという問題があ
る。つまりこの凹部が大きくなると、図5(イ)にハッ
チングで示した緊張材によるプレストレスが作用するコ
ンクリート躯体の範囲は、該躯体の側縁から軌道横方向
の内側に大きく入りこむことを意味し、コンクリート躯
体全体の強度(特に側縁近傍の強度)を強化できない領
域、つまり躯体側縁のプレストレスが作用しない領域が
大きくなるという問題を招く。
【0007】また、PC鋼より線の緊張力が大きくなる
と、スリーブが変形する虞れ、すなわちそのテーパー付
き貫通孔に嵌合してPC鋼より線を把持するウェッジか
ら受ける径方向外側への力による変形の虞れが高くなる
ため、スリーブの更なる大型化や高耐力材料の使用が必
要になって、コストが嵩むという問題もある。
【0008】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであり、定着装置を組み込むための上
記「箱抜き」と呼ばれる躯体側縁の凹部の空間を可能な
限り小さくすることができ、これによってコンクリート
躯体全体の強度の向上、特に軌道側縁近傍の強度向上を
有効に達成できるようにすることを目的としてなされた
ものである。
【0009】また、本発明の別の目的は、上記したスリ
ーブの変形防止を、その大型化や高強度材料を用いるこ
となしに向上させることができ、あるいは大型化や高強
度材料の使用と組み合わせてより向上させることができ
る支圧板との新規な連繋構造を提供するところにある。
【0010】
【課題を解決する手段】上記課題を解決するためになさ
れた本発明の緊張材定着装置の特徴は以下の通りであ
る。 (1)スリーブと嵌合するウェッジにより緊張材を把持
し、緊張材に与える引張力を該ウェッジからスリーブ及
び支圧板を介してコンクリート躯体に伝達する緊張材定
着装置であって、支圧板の開孔内周に設けたメネジと、
上記スリーブの円筒外周に設けたオネジの一部とを螺合
させて、スリーブが支圧板の開孔を貫通するようにして
これらを相互に連繋させ、コンクリート躯体への上記引
張力の伝達を該相互に連繋した支圧板から、または該支
圧板及びこれを貫通したスリーブの一端とから行わせる
ことを特徴とする。
【0011】この発明(1)において、「スリーブ」と
いうのは、円筒の外周の少なくとも一部にオネジが設け
られ、かつウェッジが嵌合される軸方向のテーパー付き
貫通孔を有するくさび受け具であり、「ウェッジ」は、
例えば三割り形などの鋼製等のくさびであり、「支圧
板」は、上記スリーブ円筒のオネジと螺合するメネジが
開孔の内周に設けられた鋼製等の支承板をいい、コンク
リート躯体に係合することで、スリーブに嵌合したウェ
ッジが緊張した緊張材(PC鋼より線等のPC鋼材)を
把持・固定した状態で該スリーブを介しその緊張力の反
力をコンクリート躯体から受ける部材をいう。
【0012】上記構成において、支圧板のメネジがスリ
ーブのオネジの「一部に」螺合するというのは、支圧板
とスリーブの螺合軸方向の位置を調整できる関係にする
ことを意味する。この軸方向の位置調整を可能とするこ
とにより、緊張材に与えた引張力をコンクリート躯体に
伝えることを、支圧板からだけでなく、支圧板とスリー
ブの端部の双方から伝達できるようにする好ましい構成
が採用できる。
【0013】この(1)の発明の構成に加えて、更に次
の構成を採用することができる。 (2)上記支圧板のコンクリート躯体に係合する端面に
固着するフランジと、支圧板の開孔を貫通してコンクリ
ート躯体内に突出したスリーブを段付きに被覆し、かつ
緊張材を包囲したシースに連なる段付筒部とを有するコ
ーンジョイントを設けたこと。 (3)上記支圧板の開孔を貫通してコンクリート躯体内
に突出したスリーブの端面に固着するフランジと、緊張
材を包囲したシースに連なる筒部とを有するジョイント
パイプを設けたこと。
【0014】これらの(2),(3)の発明は、緊張材
(例えばPC鋼より線)をその延在方向に外装するよう
に用いられるシース(「ダクトシース」とも称す)と、
緊張材定着装置との連繋を好適に実現するコーンジョイ
ントあるいはジョイントパイプを採用したものであり、
上記スリーブ,ウェッジ及び支圧板と共に、緊張材定着
装置の好ましい構成を提供することができる。
【0015】ここで「コーンジョイント」というのは、
一端に支圧板の端面(コンクリート躯体に係合して引張
力を伝達する面)に固着される径方向外向きのフランジ
を有し、かつ他端側には支圧板の開孔を貫通してコンク
リート躯体内に突出したスリーブを段付きに被覆する段
付き管状に絞って上記シースに連なる筒部を有する、例
えば薄鋼板製のフランジ付き円筒型の継手部品を例示す
ることができる。
【0016】また「ジョイントパイプ」というのは、ス
リーブの一端面に固着される径方向外向きのフランジを
有し、かつ他端側には上記シースに連なる筒部を有す
る、例えば薄鋼板製のフランジ付き円筒型のパイプ継手
を例示することができる。
【0017】これらのコーンジョイントあるいはジョイ
ントパイプを用いた定着装置によれば、迅速に定着作業
を行うことができる。
【0018】また上記緊張材定着装置の組み立て方法の
発明の特徴は以下の通りである。 (4)上記支圧板、スリーブ、及び上記(2)のコーン
ジョイント、又は上記(3)のジョイントパイプを予め
組立て、この組立て体をコンクリート躯体打設時に埋め
込むことを特徴とする。 (5)上記コーンジョイントをコンクリート躯体打設時
に埋め込み、かつ予め組立てた上記スリーブ及び支圧板
を、上記埋め込んだコーンジョイントに組み込むことを
特徴とする。
【0019】上記(4)の発明は、支圧板、スリーブ
と、コーンジョイントを組み合わせて予め一体に組立て
るか、あるいは同様に、支圧板、スリーブと、ジョイン
トパイプを組み合わせて予め一体に組立てるかして、こ
れらの組立て体をコンクリート躯体打設時に埋設し、ス
リーブが支圧板を貫通してコンクリート躯体内に突出し
た分だけ、コンクリート躯体の側縁に形成する凹部(箱
抜き部)の凹設の程度を小さくすることを特徴とする。
また上記(5)の発明は、コーンジョイントだけをコン
クリート躯体打設時に埋設し、支圧板及びこれに連繋し
たスリーブの組立て体を、この埋設したコーンジョイン
トに対して組み込むようにしたことを特徴とする。な
お、ウェッジは、好ましくは脱落防止を図って上記組立
て体の一部として組み合わせておくこともできるし、緊
張材を緊張する際に後付けで組み付けることもできる。
【0020】更に上記(1)〜(3)の緊張材定着装置
を使用したコンクリート架橋の特徴は以下の通りであ
る。 (6)コンクリート架橋の少なくとも軌道横方向(通常
「横方向」という)に緊張材によりプレストレスを与え
るために、上記(2)又は(3)の緊張材定着装置を、
軌道方向(通常「主方向」という)に所定間隔で多数設
けたことを特徴とする。
【0021】この発明(6)における緊張材及び定着装
置の軌道方向の設置の間隔は、コンクリート躯体に与え
る必要のある強度向上の領域からすればできるだけ小さ
い間隔であることが望ましいが、例えば50〜80cm
毎に緊張材を配置するとすれば大きな凹部の切欠・形成
は極めて困難であるが、少なくとも支圧板及びスリーブ
を上記の構成で組立てて用いる本発明によれば、埋設形
であっても後付け形であっても、凹部自体を十分に小さ
くできるので、コンクリート躯体全体の強度が高く、特
にその側縁部近傍における強度向上がない領域を十分に
少なくした架橋などを構築することができ、更には、定
着装置のスリーブ自体に求められる機械的な強度を、同
装置の構造に基づいて軽減することができるという利点
があるので、大きさや材質的に求められるコスト面の負
担を軽減できる。
【0022】なお、定着装置の使用は、上記発明(6)
のように軌道に対して横方向にプレストレスを与える場
合に限定されるものではなく、主方向(軌道方向)にプ
レストレスを与えるために用いることもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。
【0024】実施形態1 本例の定着装置は、図1に示した埋込み型の装置として
以下の部品により構成される。
【0025】スリーブ1は、その円筒外周の一部にオネ
ジ101が切削され、例えば鋼製くさび(例えば三割り
形)であるウェッジ2が嵌合される軸方向のテーパー付
き貫通孔102が設けられたくさび受け具を構成する。
【0026】3は支圧板であり、上記スリーブ1の円筒
外周のオネジ101と螺合するメネジ302が、その中
央部の開孔301の内周に切削・形成された例えば鋼製
の支承板として構成される。
【0027】4はコーンジョイントであり、一端にフラ
ンジ401を有し、他端側は大径円筒部402から小径
円筒部403に段付き管状に絞った形状に設けられた例
えば薄鋼板製の円筒型の継手部品として構成されてい
る。ここで、該コーンジョイント4の段付きに絞ぼられ
た小径円筒部403は、緊張材であるPC鋼線の束(複
数のPC鋼線を撚て形成した緊張材(個々のPC鋼線は
図示せず))5を外装するシース(外装円筒管)6に連
なる径に設けられている。なお、シース6内にグラウト
を注入する方式のものである場合には、コーンジョイン
ト4の小径円筒部403にそのグラウト注入のための導
入管等が設けられるが、本発明とは直接関係がないので
図示,説明は省略する。
【0028】次に上記各定着装置構成部品を用いてPC
鋼より線5を緊張する作業について説明すると、本例に
おいてはまず、スリーブ1に対して支圧板3を一端(コ
ンクリート躯体8の軌道横方向の外側端(以下「後端」
という)となる側の端部)から所定位置まで螺合し、次
に、スリーブ1の他端側(同軌道横方向の内側端(以下
「先端」という)となる側の端部)から、コーンジョイ
ント4の大径部402(つまりフランジ401のある
側)を該スリーブ1に嵌挿させ、そのフランジ部401
を支圧板3の背面にボルト7で固定する。
【0029】これにより、スリーブ1,支圧板3及びコ
ーンジョイント4が一体に組付けられた組立て体が形成
される。なおこの組立て体において、コーンジョイント
4の段付の軸方向に直角な面はスリーブ1の先端面と係
合する関係となるように該組立て体を形成することが緊
張力の伝達面積を広くする上で好ましいが、支圧板3と
コンクリート躯体8の係合面からの緊張力伝達のみで緊
張材に必要な緊張力付与、及び定着装置の構成部品に必
要な耐力が満足されるように設計することもでき、この
場合には、コーンジョイント4の上記軸方向に直角な面
とスリーブ先端面との係合は必ずしも必須ではない。
【0030】そして、(ダクト)シース6を通してPC
鋼より線5からなる緊張材が貫通・嵌挿され、その両端
に上記のようにして定着装置の一部を予め組み立てた組
立て体が連結された緊張力付与構造を構成するものを、
図1に示すように配置して、該支圧板表面(コンクリー
ト躯体の外側縁側表面)が露出するように、コンクリー
ト躯体を凹部付きに打設する。
【0031】以上のようにして装着した定着装置に対し
て、PC鋼より線5を緊張するために図示しないジャッ
キ(緊張油圧装置)を組み付けて、ウェッジ2が遊嵌し
た状態でPC鋼より線5を所定の引張力で緊張した後、
該ウェッジ2をスリーブ1のテーパー付き貫通孔102
に押し込んで該PC鋼より線5を把持・固定して、作業
を終了する。
【0032】このようにして構成されたコンクリート躯
体8に与えられるプレストレスが作用する範囲は、軌道
横方向の図3(イ)のハッチングで示される。そして図
5(イ)との対比から明らかなように軌道横方向の側縁
に近い範囲まで広がって(近づいて)おり、またコンク
リートで後埋めするコンクリート躯体8の凹部121も
小さくなり、更にまた架橋等のコンクリート躯体全体の
軌道横方向の強度が向上する利点も得られる。
【0033】また、この例で明らかなように、スリーブ
1の所定位置の外周に支圧板3がこれを取り囲むように
螺合固定されるため、ウェッジ2の押し込み固定時に該
スリーブ1を径方向外側に変形させるように作用する力
は、このスリーブ1の耐力だけでなく、支圧板3の耐剪
断抵抗力によって補完されるという構造的な補強が得ら
れるため、定着装置全体の小型化も実現できる。
【0034】実施形態2 本例は図2により示され、上記実施形態1のコーンジョ
イント4に代えて、ジョイントパイプ80を使用するよ
うにした埋込み型の例のものを示している。
【0035】ここで、ジョイントパイプ80は、一端
に、スリーブ1の先端にボルト802で連結固定される
フランジ801を有するように設けられた薄鋼板製のパ
イプ継手として構成され、該パイプ部分(筒状部分)は
PC鋼より線である緊張材5を外装するシース6に連な
る径に設けられて、これに連結される。なお、他の構成
は図1の構成と同じであるので、同じ構成部材について
は同じ符号を付して説明は省略する。
【0036】本例の各定着装置構成部品を用いてPC鋼
より線5を緊張する作業について説明すると、この例で
は、コーンジョイント4とジョイントパイプ80の形
状,構造が異なるものの、基本的な作用は同じであり、
したがって、スリーブ1の先端にジョイントパイプ80
フランジ801をボルト802で固定する他は、実施形
態1と同じにして、該組立て体をコンクリート躯体打設
時に埋め込み、その後、ジャッキを組み付けてPC鋼よ
り線5の緊張、ウェッジ2の押し込み、固定によって、
プレストレスを付与した構成を構築することができる。
【0037】実施形態3 図4に示される本例は、上記実施形態1で説明したスリ
ーブ1,支圧板3及びコーンジョイント4からなる組立
て体を用いて、埋込み型でなく、後付け型で組み付ける
例を示したものである。
【0038】この例では、コンクリート躯体8の打設時
に、シース6に連結させたコーンジョイント4のみを埋
設し、一方、予め一体化した組立てたスリーブ1,支圧
板3からなる組立て体を、上記コーンジョイント4に組
み込んで、その後は実施形態1と同じように、PC鋼よ
り線5を緊張するために不図示のジャッキを組み付け
て、ウェッジ2が遊嵌した状態でPC鋼より線5を所定
の引張力で緊張し、該ウェッジ2をスリーブ1のテーパ
ー付き貫通孔102に押し込んで把持・固定し、作業を
終了する。なお、同じ構成部分については実施形態と同
じ符号を付して説明は省略する。
【0039】上記のようにすることで、後付け型として
も、スリーブ1の一定長をコンクリート躯体8に埋め込
んだのと略同様の作用効果を得ることができる。
【0040】なお、以上説明した各実施形態は、橋梁に
箱抜きと呼ばれる凹部を形成してここに定着装置を組み
付ける場合の例として説明したが、本発明の定着装置は
これらの場合に限定的に用いられるものではなく、例え
ば既知のデッドアンカー方式の定着装置を併用して緊張
材の片端の定着装置をコンクリート躯体内に埋設し、他
端に本発明の定着装置を取付けて、一端固定、他端緊張
の形態として用いることもできる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本願の各発明によれ
ば、定着装置を構成する部品の一つであるスリーブが、
その外周に螺合する支圧板によって取り囲まれるために
定着時のスリーブの変形が拘束を受け、従来のスリーブ
と支圧板がその軸方向にのみ係合して力学的な力の伝達
をする関係だけでは期待できない構造のものに比べて、
スリーブの変形防止に有効に機能するという効果が得ら
れる。
【0042】また、定着装置を構成するスリーブを、支
圧板がその軸方向の端部でなく中間位置に固定された状
態でコンクリート躯体内に実質的に埋設する形で組み付
けることができるので、従来のコンクリート躯体の端面
からスリーブが剥き出し状態になる型式のものと比べ
て、緊張力の反力を伝達する面(位置)をコンクリート
躯体の軌道横方向の外側に偏らせることを構造的に実現
でき、これによって、コンクリート躯体の軌道横方向の
強度向上を図ることができる領域を拡大できる利点があ
る。
【0043】更に、定着装置の支圧板をスリーブに螺合
する際の操作で、スリーブと支圧板の相対的な螺合位置
関係を軸方向に前後させることも容易であり、より効果
的な楔定着を行うことができる。
【0044】以上のような本願発明の種々の効果をより
具体的に言えば、上記したいわゆる「箱抜き」の深さを
1/3程度まで縮小することが可能となり、加えて、定
着装置を構成する各構成部品の寸法や、求められる強度
諸元を小さくすることができるという利点が得られる。
【0045】以上の特性から、結果的には、本願におい
て提案する発明は、従来のものに比して、定着装置およ
びこれを構成する各構成部品諸元の小形化,軽減化を実
現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態1の定着装置の構成概要を
示した概要図。
【図2】本願発明の実施形態2の定着装置の構成概要を
示した概要図。
【図3】本願発明の緊張材定着装置をコンクリート架橋
に適用した本発明の構成概要一例を示したものであり、
図中の(イ)は架橋の軌道横方向の一端側を示した平面
図、(ロ)はA−A線断面図、(ハ)は架橋の側面図で
ある。
【図4】本願発明の実施形態3の定着装置の構成概要を
示した概要図。
【図5】緊張材定着装置をコンクリート架橋に適用した
従来の一例を示したものであり、図中の(イ)は架橋の
軌道横方向の一端側を示した平面図、(ロ)はB−B線
断面図、(ハ)は架橋の側面図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブと嵌合するウェッジにより緊張
    材を把持し、緊張材に与える引張力を該ウェッジからス
    リーブ及び支圧板を介してコンクリート躯体に伝達する
    緊張材定着装置であって、支圧板の開孔内周に設けたメ
    ネジと、前記スリーブの円筒外周に設けたオネジの一部
    とを螺合させて、スリーブが支圧板の開孔を貫通するよ
    うにしてこれらを相互に連繋させ、コンクリート躯体へ
    の前記引張力の伝達を該相互に連繋した支圧板から、ま
    たは該支圧板及びこれを貫通したスリーブの一端とから
    行わせることを特徴とする緊張材定着装置。
  2. 【請求項2】 前記支圧板のコンクリート躯体に係合す
    る端面に固着するフランジと、支圧板の開孔を貫通して
    コンクリート躯体内に突出したスリーブを段付きに被覆
    し、かつ緊張材を包囲したシースに連なる段付筒部とを
    有するコーンジョイントを設けたことを特徴とする請求
    項1記載の緊張材定着装置。
  3. 【請求項3】 前記支圧板の開孔を貫通してコンクリー
    ト躯体内に突出したスリーブの端面に固着するフランジ
    と、緊張材を包囲したシースに連なる筒部とを有するジ
    ョイントパイプを設けたことを特徴とする請求項1記載
    の緊張材定着装置。
  4. 【請求項4】 前記支圧板、スリーブ、および請求項2
    のコーンジョイント又は請求項3のジョイントパイプを
    予め組立て、この組立て体をコンクリート躯体打設時に
    埋め込むことを特徴とする請求項1記載の緊張材定着装
    置の組み立て方法。
  5. 【請求項5】 前記コーンジョイントをコンクリート躯
    体打設時に埋め込み、かつ予め組立てた前記スリーブ及
    び支圧板を、前記埋め込んだコーンジョイントに組み込
    むことを特徴とする請求項1記載の緊張材定着装置の組
    み立て方法。
  6. 【請求項6】 コンクリート架橋の少なくとも軌道横方
    向に緊張材によりプレストレスを与えるために、請求項
    1ないし3のいずれかに記載の緊張材定着装置を、軌道
    方向に所定間隔で多数設けたことを特徴とするコンクリ
    ート架橋。
JP2000190819A 2000-06-26 2000-06-26 緊張材定着装置 Expired - Fee Related JP3768074B2 (ja)

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