JP2002003945A - 磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法

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JP2002003945A
JP2002003945A JP2000190226A JP2000190226A JP2002003945A JP 2002003945 A JP2002003945 A JP 2002003945A JP 2000190226 A JP2000190226 A JP 2000190226A JP 2000190226 A JP2000190226 A JP 2000190226A JP 2002003945 A JP2002003945 A JP 2002003945A
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Takeshi Kubota
猛 久保田
Yoshiaki Hirota
芳明 広田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性に優れた無方向性電磁鋼板を製造するた
めの手段を提供。 【解決手段】 重量比で、C:0.05%以下、N:
0.01%以下、Si:0.1%以上4.0%以下、M
n:0.1%以上1.5%以下、P:0.15%以下を
含有した鋼を熱延する際に、1050℃以下、750℃
以上の温度で、最終スタンドから50m以内の位置に設
置された近接コイラで巻き取り後、保熱カバーをかぶ
せ、コイルを保温し、その状態で、30秒以上、90分
以下の時間保持した後、これを冷却し、その後通常の酸
洗、冷間圧延をし最終板厚とし、再結晶焼鈍を施すか、
あるいは冷間圧延後、焼鈍し、さらに圧下率2%以上2
0%以下のスキンパス圧延を施し、最終板厚とすること
を特徴とする磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性に優れた無方
向性電磁鋼板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的な電力、エネルギー節減、
さらにはフロンガス規制等の地球環境保全の動きの中
で、二酸化炭素を中心とした温室効果ガス(Greenhouse
Gas)の低減のためにエネルギー効率の高い機関の使用
が要求されるようになった。また、米国ではEPA(En
ergy Policy Act of 1992 )の発効により、産業機器全
般に用いられる回転機に対して、効率規制の網がかけら
れるようになり、基準を達成しない回転機の使用に対し
て、罰金が科せられるまでになった。このような潮流を
受けて、電気機器、特に無方向性電磁鋼板がその鉄心材
料として使用される回転機および中、小型変圧器等の分
野においては、高効率化の動きが急速に広まりつつあ
る。
【0003】無方向性電磁鋼板に対しては、鉄心として
使用する際の鉄損を減少させる目的および鉄心の小型化
の観点から高磁束密度特性が、また、使用時の鉄心のエ
ネルギー損失を低減する目的から低鉄損化への要請が強
まってきている。
【0004】ところで、無方向性電磁鋼板においては、
従来、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大によ
る渦電流損低減の観点からSiあるいは酸可溶性Al等
の含有量を高める方法がとられてきた。しかし、この方
法では反面、磁束密度の低下は避け得ないという問題点
があった。
【0005】また、単にSiあるいは酸可溶性Al等の
含有量を高めるのみではなく、特開昭61−23112
0号公報に記載されているように、C,N,S,O等の
低減による高純度鋼化や、特開昭57−35626号公
報に記載されているような仕上げ焼鈍サイクルの工夫等
の製造プロセス上の処置もなされてきたが、いずれも低
鉄損化は図られても、磁束密度についてはそれほどの効
果はなかった。
【0006】さらに、仕上げ焼鈍前の冷延圧下率を適正
範囲に制御すること、熱延板焼鈍を施すこと、あるいは
熱延条件の工夫等による高磁束密度化が図られてきた
が、磁束密度が高くかつ鉄損が低い、磁性に優れた無方
向性電磁鋼板を製造できるには至らず、無方向性電磁鋼
板に対する前記の要請に応えることはできなかった。
【0007】最近、無方向性電磁鋼板の熱間圧延におい
ては製品の磁束密度向上の観点から、熱延板結晶粒径の
制御が行われてきている。これらは、熱延板すなわち冷
延前の結晶粒径を極力粗大化することに主眼がおかれて
いる。例えば、特開昭54−76422号公報には、コ
イルの巻取温度を750℃以上1000℃以下として自
己焼鈍を行う技術が開示されている。さらに、特公昭5
7−52410では、仕上熱延終了温度を750℃以上
からα相とγ相の2相域の中間温度以下として、巻取温
度を680℃以上とすることで、熱延時のコイル巻取温
度を高温化し、熱延板の結晶粒を粗大化させる方法が開
示されている。
【0008】しかしながら、従来のような最終スタンド
から100m付近も離れたコイラで高温の巻き取りを行
うと、制御冷却をもってしてもコイルの長手方向の巻取
温度を一定に維持することは困難であった。
【0009】また特に、ランアウトテーブル上の走行距
離が長い場合、コイル幅方向の温度差が拡大して幅方向
の製品の磁気特性が大きく変動し、フープに切り分ける
際に特別な注意を持ってこれを行うことが要請され、作
業能率の低下と、製品収率の低下という問題点を有して
いた。
【0010】さらに、シーケンシャルにシートバーを圧
延する仕上げ熱延では、スレッディングからズームアッ
プに至るまでは熱延仕上げ温度が上昇し、熱延後半では
シートバー後端が冷却して結果的に熱延仕上げ温度が低
下する、サーマルランダウンと呼ばれる仕上げ温度の変
動が一本のコイル内で生じることを避けることができな
かった。さらにこのことは、コイル長手方向で磁気特性
が変動する原因ともなっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高価な合金
元素を添加することなしに、電磁特性を向上させるとと
もに、コイル内の磁気特性の変動を抑制する製造方法を
提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するために、熱延、巻取条件を検討した結果、
これらの条件を特定することにより、無方向性電磁鋼板
の特性を顕著に向上できることを見いだした。その原理
は、熱延鋼板の結晶粒径を適度な大きさにすることによ
る成品板の形状を悪化せずに磁性に好ましい集合組織を
成品板で形成させることである。
【0013】本発明はこれらの考えに基づくもので、 (1)重量比で、 C :0.05%以下、 N :0.01%以下、 Si:0.1%以上4.0%以下、Mn:0.1%以上1.5%以下、 P :0.15%以下 を含有した鋼を熱延する際に、1050℃以下、750
℃以上の温度で、最終スタンドから50m以内の位置に
設置された近接コイラで巻き取り後、保熱カバーをかぶ
せ、コイルを保温し、その状態で、30秒以上、90分
以下の時間保持した後、これを冷却し、その後通常の酸
洗、冷間圧延をし最終板厚とし、再結晶焼鈍を施すか、
あるいは冷間圧延後、焼鈍し、さらに圧下率2%以上2
0%以下のスキンパス圧延を施し、最終板厚とすること
を特徴とする磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法。
【0014】(2)保熱カバーでの加熱に、ガス加熱、
電気ヒーター加熱、電磁誘導加熱、及び、コイル自身に
誘導電流を流しそのジュール熱による加熱のいずれかを
用いることを特徴とする前記(1)記載の磁性に優れた
無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0015】(3)酸可溶性Alを0.1%以上2.5
%以下含有することを特徴とする前記(1)または
(2)に記載の磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法。
【0016】(4)BをB/Nで1.5以下含むことを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の磁性に優れ
た無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0017】(5)Snを0.01%以上0.2%以下
含むことを特徴とする前記(1)ないし(4)のいずれ
かに記載の磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0018】(6)粗圧延後のシートバーを先行するシ
ートバーに接合し、複数のシートバーを連続して仕上げ
熱延に供することを特徴とする前記(1)ないし(5)
のいずれかに記載の磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製
造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず、成分の限定条件について述べる。Cは鉄損の低減
のためには少ないほうが好ましいが、本発明法のプロセ
スでは、Cが0.05%まで鉄損向上の効果が確認され
たので、上限を0.05%とした。
【0020】Siは鉄損向上の目的で添加するが、Si
量が0.1%未満では鉄損低減の効果が少なくなるの
で、0.1%以上添加することとする。一方、Si含有
量が4.0%以上であると冷間圧延が困難になるので、
4.0%以下と定める。
【0021】Nも鉄損改善のためには少ないほうがよ
く、本発明鋼では0.01%を上限とした。特に、Al
Nの析出を抑制して鉄損を下げる場合は、Bを添加して
BNを析出させることが望ましいが、B/Nが1.5以
上になると過剰Bが磁性を悪化させるので、Bの上限を
B/Nで1.5と定めた。
【0022】本発明鋼でSiが少ない場合、鋼板が軟質
になり過ぎ、打ち抜き作業が難しくなるのを防ぐためP
を添加している。Pの添加は鉄損の改善にもなるが、
0.15%以上の添加は熱間加工性を悪化させ、熱延割
れなどの発生する危険があるので、上限を0.15%と
した。
【0023】Mnは、Siと同様に鉄損改善をもたらす
ので、0.1%以上添加してもよいが、合金添加のコス
ト高を抑制する意味から、上限を1.5%とした。
【0024】鋼中の酸可溶性Alは、不純物レベルであ
っても何ら問題はないが、酸可溶性AlはSiと同様に
鋼板の固有抵抗を増大させ、渦電流損を低減させる効果
を有するので、特に低鉄損を得たい場合には、0.1%
以上2.5%以下添加するのが好ましい。多量にAl添
加した場合には、磁束密度が低下し、コスト高ともなる
ので2.5%以下とする。
【0025】Snも磁性を改善する元素であるので添加
してもよいが、合金添加のコスト高を抑制する意味か
ら、上限を0.2%とした。0.01%未満ではその効
果が発現されないので、下限を0.01%とした。
【0026】次にプロセス条件の限定について述べる。
本発明の特徴は熱延、巻き取りのプロセス条件にある。
基本思想は、巻き取りを近接コイラで行うことにより、
コイル内の温度分布、特に幅方向の温度分布を高温で均
一にし、適正な大きさの熱延板結晶粒径にし、コイル長
手方向の磁性の変動を解消して、冷延、焼鈍後に磁性に
好ましい集合組織を形成することである。
【0027】巻取温度は1050℃以下、750℃以上
とし、30秒以上、90分以下の時間保持するという条
件は、上記の適正な熱延板粒径を得るのに必要な限定条
件である。巻取温度ならびに保持時間の上限を定めたの
は、これ以上の温度で巻き取りを行うと、表層の酸化層
であるスケール層が増大し、酸洗歩留まりが低下するか
らである。一方、一回目の巻き取り温度に下限を定めた
のは、これ以下では熱延板の粒径が小さく、成品板の磁
性が十分改善されないためである。
【0028】巻き取り後、本発明ではコイル内温度分布
を均一にするために当該コイルを保熱カバー内に収納
し、保熱もしくは加熱を行う。その方法は、ガス加熱、
電気ヒーター、電磁誘導加熱、あるいは特開平11−2
36626号広報に開示されたごとき電磁誘導によりコ
イル内に流れる誘導電流が発するジュール熱のいずれか
の方法であればコイル内の温度分布をより一層均一にす
ることができるので、これらの方法であればよい。
【0029】保熱後のコイルの冷却には、生産性を向上
させるため、コイルを直接水槽に投入するなどの方法で
冷却することも本発明では行ってもよい。本プロセス
は、本発明鋼の電磁特性を改善するだけでなく、従来の
高温巻き取り時の問題点であったスケールが厚くなると
いう欠点も回避することができる。
【0030】近接コイラの位置を仕上げ熱延機の最終ス
タンドから50m以内の位置に規定したのは、これを超
えると、高温での安定した巻き取りが不可能になるとと
もに、巻き取ったコイルの幅方向の温度ムラが拡大し、
製品コイルの幅方向の磁性の変動が大きくなるからであ
る。
【0031】粗圧延後のシートバーは圧接、誘導加熱、
レーザー溶接等の方法で先行するシートバーと接続し、
複数のシートバーを連続して圧延することにより、個々
のシートバーのサーマルランダウンを避け、長手方向に
より磁性の均一な無方向性電磁鋼板を製造することが可
能となる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。 (実施例1)表1に示した成分を有する無方向性電磁鋼
用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延機により厚み
40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ熱延機により
2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上げ温度は875
℃とした。これを仕上げ熱延機の最終スタンドから30
mの位置に設置された近接コイラで巻き取り、保熱カバ
ーをかぶせ、850℃、1時間保持した。
【0033】一方、比較例では、仕上げ熱延機の最終ス
タンドから100mの位置に設置したコイラで熱延板を
巻き取った。熱延仕上げ温度はランアウトテーブル上で
の熱延板の冷却を補償するため、950℃に仕上げざる
を得なかった。これを850℃で巻き取り、保熱カバー
をかぶせ、850℃で1時間保持した。
【0034】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて850℃で3
0秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を製品コイ
ルの長手方向の中間から、幅1100mmの中央、ドライ
ブサイドから50mmのエッジから中央よりに、ワークサ
イドから50mmのエッジから中央よりに切断し、磁気特
性を測定した。表2に本発明と比較例の磁気測定結果を
あわせて示す。
【0035】表2から明らかのように、本発明のように
近接コイラを用いることにより、コイル幅方向の磁性が
安定し、かつ磁性の優れた無方向性電磁鋼板を得ること
が可能である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(実施例2)表3に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ
熱延機により2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上げ
温度は860℃とした。これを仕上げ熱延機後面から3
0mの位置に設置された近接コイラで巻き取り、保熱カ
バーをかぶせ、830℃、1時間保持した。保熱後のコ
イルは水槽に投入して冷却を施した。
【0039】一方、比較例では、熱延仕上げ温度、保持
温度は同一ながら、保熱カバーを使用しなかった。
【0040】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて850℃で3
0秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を製品コイ
ルの先頭、中間、後端から切断し、磁気特性を測定し
た。表4に本発明と比較例の磁気測定結果をあわせて示
す。
【0041】表4から明らかのように、本発明の製造方
法によれば、コイル長手方向の磁性が安定し、かつ磁性
の優れた無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】(実施例3)表3に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ
熱延機により2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上げ
温度は860℃とした。これを仕上げ熱延機後面から3
0mの位置に設置された近接コイラで巻き取り、保熱カ
バーをかぶせ、830℃、1時間保持した。保熱後のコ
イルは水槽に投入して冷却を施した。
【0045】一方、比較例では、熱延仕上げ温度、保持
温度は同一ながら、保熱カバーを使用しなかった。
【0046】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
55mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて750℃で3
0秒間焼鈍した。その後、スキンパスにより0.50mm
に仕上げ、エプスタイン試料を製品コイルの先頭、中
間、後端から切断し、それぞれに750℃2時間の需要
家焼鈍相当の焼鈍を施し、磁気特性を測定した。表5に
本発明と比較例の磁気測定結果をあわせて示す。
【0047】表5から明らかのように、本発明の製造方
法によれば、コイル長手方向の磁性が安定し、かつ磁性
の優れた無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0048】
【表5】
【0049】(実施例4)表6に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ
熱延機により2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上げ
温度は860℃とした。これを仕上げ熱延機の最終スタ
ンドから30mの位置に設置された近接コイラで830
℃で巻き取り、保熱カバーをかぶせ、830℃、1時間
保持した。
【0050】一方、比較例では、熱延仕上げ温度、巻取
温度は同一ながら、保熱カバーを使用しなかった。
【0051】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて900℃で3
0秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を製品コイ
ルの先頭、中間、後端の部位から切断し、磁気特性を測
定した。表7に本発明と比較例の磁気測定結果をあわせ
て示す。
【0052】このように本発明の製造方法によれば、コ
イル長手方向の磁性が安定し、かつ磁性の優れた無方向
性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】(実施例5)表8に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ
熱延機により2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上げ
温度は950℃とした。これを近接コイラで930℃で
巻き取り、保熱カバーをかぶせ、930℃、1時間保持
した。
【0056】一方、比較例では、熱延仕上げ温度、巻取
温度は同一ながら、保熱カバーを使用しなかった。
【0057】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて950℃で3
0秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を製品コイ
ルの先頭、中間、後端から切断し、磁気特性を測定し
た。表9に本発明と比較例の磁気測定結果をあわせて示
す。
【0058】このように本発明の製造方法によれば、コ
イル長手方向の磁性が安定し、かつ磁性の優れた無方向
性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】(実施例6)表10に示した成分を有する
無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧
延機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、先行するシー
トバーに後行のシートバーを接続し、中間のシートバー
は圧延速度一定で仕上圧延を行った。仕上げ熱延により
板厚2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上げ温度は9
80℃とした。これを仕上げ熱延機後面から30mの位
置に設置された近接コイラで950℃で巻き取り、保熱
カバーをかぶせ、950℃、1時間保持した。
【0062】一方、比較例では、熱延仕上げ温度、保持
温度は同一ながら、シートバーを単独でシーケンシャル
に圧延を行い、近接コイラで巻き取り後、保熱カバーを
同じ条件で使用した。
【0063】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて950℃で3
0秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を製品コイ
ルの先頭、中間、後端から切断し、磁気特性を測定し
た。なお、連続熱延を行ったものは、中間のシートバー
相当部分より試料を採取した。表11に本発明と比較例
の磁気測定結果をあわせて示す。
【0064】このように本発明の製造方法によれば、コ
イル長手方向の磁性が安定し、かつ磁性の優れた無方向
性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0065】
【表10】
【0066】
【表11】
【0067】(実施例7)表12に示した成分を有する
無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧
延機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上
げ熱延機により2.7mmに仕上げた。この時、熱延仕上
げ温度は850℃とした。これを仕上げ熱延機の最終ス
タンドから30mの位置に設置された近接コイラで83
0℃で巻き取り、保熱カバーをかぶせ830℃、1時間
保持した。
【0068】一方、比較例では、仕上げ熱延機の最終ス
タンドから100mの位置に設置したコイラで熱延板を
巻き取った。熱延仕上げ温度はランアウトテーブル上で
の熱延板の冷却を補償するため、880℃に仕上げざる
を得なかった。これを830℃で巻き取り、保熱カバー
をかぶせ、830℃で1時間保持した。加熱はいずれも
電気ヒーターで行った。
【0069】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
55mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて720℃で2
0秒間焼鈍した。その後、スキンパス圧延により0.5
0mmに仕上げ、エプスタイン試料を、幅方向の磁性の変
動を調べるために製品コイルの長手方向の中間から、幅
1100mmの中央、ドライブサイドから50mmのエッジ
から中央よりに、ワークサイドから50mmのエッジから
中央よりに切断した。また、長手方向の磁気特性の変動
を調べるために、エプスタイン試料を製品コイルの先
頭、中間、後端の幅方向中央から切断した。これらのエ
プスタイン試料は、750℃2時間の需要家焼鈍相当の
焼鈍を施した後、磁気特性を測定した。表13、表14
に本発明と比較例の磁気測定結果をあわせて示す。
【0070】表13から明らかのように、本発明のよう
に近接コイラを用いることにより、コイル幅方向の磁性
が安定し、かつ磁性の優れた無方向性電磁鋼板を得るこ
とが可能である。
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】(実施例8)表15に示した成分を有する
無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧
延機により厚み40mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上
げ熱延機により2.0mmに仕上げた。この時、熱延仕上
げ温度は900℃とした。これを仕上げ熱延機の最終ス
タンドから30mの位置に設置された近接コイラで巻き
取り、保熱カバーをかぶせた。コイルの加熱は、コイル
を2次巻き線とした誘導電流をコイル内に流し、コイル
に発生するジュール熱を利用して950℃、1時間保持
した。
【0075】一方、比較例では、仕上げ熱延機の最終ス
タンドから100mの位置に設置したコイラで熱延板を
巻き取った。熱延仕上げ温度はランアウトテーブル上で
の熱延板の冷却を補償するため、1000℃に仕上げざ
るを得なかった。これを850℃で巻き取り、保熱カバ
ーをかぶせ、950℃で1時間保持した。加熱は電気ヒ
ーターで行った。
【0076】その後、酸洗を施し、冷間圧延により0.
50mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉にて850℃で3
0秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を、幅方向
の磁性の変動を調べるために製品コイルの長手方向の中
間から、幅1100mmの中央、ドライブサイドから50
mmのエッジから中央よりに、ワークサイドから50mmの
エッジから中央よりに切断し、磁気特性を測定した。ま
た、長手方向の磁気特性の変動を調べるために、エプス
タイン試料を製品コイルの先頭、中間、後端から切断
し、磁気特性を測定した。表16、表17に本発明と比
較例の磁気測定結果をあわせて示す。
【0077】表16から明らかのように、本発明のよう
に近接コイラを用いることにより、コイル幅方向の磁性
が安定し、かつ磁性の優れた無方向性電磁鋼板を得るこ
とが可能である。
【0078】
【表15】
【0079】
【表16】
【0080】
【表17】
【0081】
【発明の効果】このように本発明によれば、磁束密度が
高く鉄損の低い、磁性に優れた無方向性電磁鋼板を安定
して製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広田 芳明 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4K033 AA01 CA02 CA06 CA09 FA10 FA11 HA04 HA06 PA06 5E041 AA02 AA11 AA19 CA02 CA04 HB05 HB07 HB11 NN01 NN17 NN18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C :0.05%以下、 N :0.01%以下、 Si:0.1%以上4.0%以下、 Mn:0.1%以上1.5%以下、 P :0.15%以下 を含有した鋼を熱延する際に、1050℃以下、750
    ℃以上の温度で、最終スタンドから50m以内の位置に
    設置された近接コイラで巻き取り後、保熱カバーをかぶ
    せ、コイルを保温し、その状態で、30秒以上、90分
    以下の時間保持した後、これを冷却し、その後通常の酸
    洗、冷間圧延をし最終板厚とし、再結晶焼鈍を施すか、
    あるいは冷間圧延後、焼鈍し、さらに圧下率2%以上2
    0%以下のスキンパス圧延を施し、最終板厚とすること
    を特徴とする磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 保熱カバーでの加熱に、ガス加熱、電気
    ヒーター加熱、電磁誘導加熱、及び、コイル自身に誘導
    電流を流しそのジュール熱による加熱のいずれかを用い
    ることを特徴とする請求項1記載の磁性に優れた無方向
    性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸可溶性Alを0.1%以上2.5%以
    下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 BをB/Nで1.5以下含むことを特徴
    とする請求項1または2に記載の磁性に優れた無方向性
    電磁鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 Snを0.01%以上0.2%以下含む
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 粗圧延後のシートバーを先行するシート
    バーに接合し、複数のシートバーを連続して仕上げ熱延
    に供することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の磁性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
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